JP2006306377A - 車両横転時の乗員保護装置および乗員保護方法 - Google Patents

車両横転時の乗員保護装置および乗員保護方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の横転時に頭部障害発生を抑制しつつ、頚部損傷の発生をも効果的に抑えるようにした車両横転時の乗員保護装置を提供する。
【解決手段】車両2の横転に至る車体ロールの検知によって、乗員C直上部のヘッドライニング3に沿って展開するルーフエアバッグ10を車幅方向の外側から内側に向かって展開させるとともに、そのルーフエアバッグ10の下面10aを、その展開方向先端部から基端部に向かって車両下方に傾斜させ、そのルーフエアバッグ10を全体として車両前後方向視で略くさび状に形成することにより、横転により頭部Chがヘッドライニング3に干渉する前に、ルーフエアバッグ10の傾斜面によって頭部Chを車幅方向内方に傾けておくことができるので、ルーフエアバッグ10の緩衝作用により頭部障害発生を抑制しつつ、頚部Cn損傷の発生をも効果的に抑えることできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両横転時に乗員頭部が天井に干渉する際の乗員保護装置および乗員保護方法に関する。
従来、車両がロールオーバーした際に、車室内の側部にてエアバッグをカーテン状に膨張・展開させて乗員の頭側部を保護するサイドエアバッグを設けた頭部保護エアバッグ装置が提案されており(例えば、特許文献1参照)、また、これに加えて天井との間で乗員の頭頂部を保護するルーフエアバッグを設けた乗員安全装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
従って、このようにサイドエアバッグおよびルーフエアバッグを設けることにより、車両のロール角が過度になり乗員頭部がピラーやドアガラスなどの車室内側壁部の方向に移動した際には、サイドエアバッグが展開してその車室内側壁部から乗員の頭側部に受ける衝撃荷重を緩和する。
更に、車両がロールオーバーが進行して車体が略反転状態となってルーフパネルが設置する場合には、ルーフエアバッグによって天井(ヘッドライニング)から乗員の頭頂部に受ける衝撃荷重を緩和することができる。
特開2001−32853号公報(第3頁、第1図) 特開平11−321538号公報(第3頁、第2図)
しかしながら、かかる従来の車両横転時の乗員保護装置にあっては、ルーフエアバッグによって乗員頭部が天井から受ける衝撃荷重を緩和することにより、乗員の頚部損傷も抑制できると考えられているが、実際上、頚部を圧縮する荷重と、これに複合して発生する頚部曲げモードとの兼ね合いで頚部損傷の確率が決定される。
このため、単に入力荷重値を低減し、若しくは頭部を保持して衝撃荷重を低減した場合には、逆に頚部の曲げモーメントを増加させてしまうことがある。
そこで、本発明は車両の横転時に頭部障害発生を抑制しつつ、頚部損傷の発生をも効果的に抑えることができる車両横転時の乗員保護装置および乗員保護方法を提供するものである。
本発明の車両横転時の乗員保護装置は、車両の横転に至る車体ロールの検知によって、乗員直上部の天井面に沿って展開するルーフエアバッグを備えた乗員保護装置において、ルーフエアバッグを車幅方向の外側から内側に向かって展開させるとともに、ルーフエアバッグの下面を、その展開方向先端部から基端部に向かって車両下方に傾斜させ、該ルーフエアバッグを全体として車両前後方向視で略くさび状に形成したことを最も主要な特徴とする。
また、本発明の車両横転時の乗員保護方法は、車両の横転に至る車体ロールの検知によって、乗員直上部の天井面に沿ってルーフエアバッグを車幅方向外方から内方に向かって展開し、その展開するルーフエアバッグによって乗員頭部を、天井から荷重を受ける前に予め車幅方向内方に所定角度だけ傾けておくことを特徴とする。
本発明の車両横転時の乗員保護装置によれば、ルーフエアバッグが展開する際に、その下面が展開方向先端部から基端部に向かって車両下方に傾斜しているので、横転により乗員頭部が天井面に干渉する前に、前記ルーフエアバッグの傾斜面によって乗員頭部を車幅方向内方に傾けておくことができる。
従って、乗員頭部が天井面から反力を受ける際にも、直接に頚部の圧縮荷重を増大させること無く、かつ、頭部と天井面の更なる接近に際しても頚部を固定しないので、頚部曲げモーメントの増加を抑制することができ、ルーフエアバッグの緩衝作用により頭部障害発生を抑制しつつ、頚部損傷の発生をも効果的に抑えることできる。
また、本発明の車両横転時の乗員保護方法によれば、展開するルーフエアバッグによって乗員頭部を、天井から荷重を受ける前に予め車幅方向内方に所定角度だけ傾けておくようにしたので、乗員頭部が天井面から反力を受ける際にも、直接に頚部の圧縮荷重を増大させること無く、かつ、頭部と天井面の更なる接近に際しても頚部を固定しないので、頚部曲げモーメントの増加を抑制することができ、ルーフエアバッグの緩衝作用により頭部障害発生を抑制しつつ、頚部損傷の発生をも効果的に抑えることできる。
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
図1〜図8は本発明にかかる車両横転時の乗員保護装置および乗員保護方法の第1実施形態を示し、図1はサイドエアバッグおよびルーフエアバッグの展開状態を示す正面図、図2は乗員保護装置の概略構成図、図3は乗員保護装置の制御を実行するフローチャートの説明図であり、図4は頚部圧縮荷重と頚部曲げモーメントとの関係で表す障害低減の有効領域の説明図である。
また、図5は乗員頭部がルーフエアバッグに干渉した際の挙動を示す説明図、図6は車両のロールオーバー挙動を(a)〜(d)によって順を追って示す正面図、図7は乗員頭部が天井面に干渉した際に作用する荷重を示す説明図、図8は乗員の頚部曲げ状態を示す説明図である。
本実施形態の乗員保護装置1を適用する車両2は、図1に示すように車室Rの上面が天井面となるヘッドライニング3と、車室Rの側面がドアガラスやピラー部材などからなる車体側壁4と、によって構成され、車両2の横転に至る車体ロールの検知によって、乗員C直上部のヘッドライニング3に沿って展開するルーフエアバッグ10を設けてある。
前記ルーフエアバッグ10は、ルーフパネル5の車幅方向両側に設けられるルーフサイドレール6の車室R内側を覆う図外のルーフサイドレールガーニッシュ内に、通常時は折り畳んで収納され、ロールオーバーを検知した緊急時にインフレータ11から供給される気体圧を導入して膨張・展開するようになっている。
ルーフエアバッグ10には、前記インフレータ11に繋がる圧力導入路12を介して気体圧が導入されるようになっており、その圧力導入により車幅方向の外側(図中左方)から内側(図中右方)に向かって展開させるようにしてある。
また、本実施形態の乗員保護装置1では、前記ルーフエアバッグ10の配設位置に対応した前記車体側壁4に、ルーフエアバッグ10に先行して展開するサイドエアバッグ20を設けてある。
前記サイドエアバッグ20は、前記ルーフエアバッグ10と同様に通常時はルーフサイドレールガーニッシュ内に折り畳んで収納され、ロールオーバーを検知した緊急時にインフレータ21から供給される気体圧を導入して膨張・展開するようになっており、本実施形態ではそのサイドエアバッグ20の形状および構造を特に限定するものではなく、例えば、カーテン状に展開するものや枕状に展開するものであってもよく、要するに乗員Cの頭側部を車体側壁4との干渉から保護できる形状・構造であればよい。
前記乗員保護装置1は、その全体構成は図2に示すように前記ルーフエアバッグ10および前記サイドエアバッグ20の展開を制御コンピュータ30で管理するようになっており、この制御コンピュータ30は、車体2に設置されたロール角速度センサ31の検出信号を入力して、サイドエアバッグ20のインフレータ21の作動タイミングと、ルーフエアバッグ10のインフレータ11の作動タイミングと、を制御するようになっている。
図3は前記制御コンピュータ30の制御を実行するためのフローチャートで、イグニッションのONによりスタートすると、まず、ステップS1でロール角速度センサ31の検出信号を基にロール角速度を検出して、次のステップS2でロール角を演算し、ステップS3では演算したそのロール角が予め設定した第1の基準値と比較して過度であるかどうかを判断し、過度であると判断した場合(YES)にステップS4によってインフレータ21を作動してサイドエアバッグ20を展開する。
また、ステップS3でロール角が第1の基準値以下であると判断した場合(NO)はステップS1にリターンされる。
前記ステップS4でサイドエアバッグ20を展開した後は、ステップS5に進んで現時点でのロール角速度を検出するとともに、ステップS6でロール角を演算し、次のステップS7では演算したそのロール角が予め設定した第2の基準値と比較して車両1を横転させる恐れがあるかどうかを判断し、横転の危険性があると判断した場合(YES)はステップS8によってインフレータ11を作動してルーフエアバッグ10を展開する。
また、ステップS7でロール角が第2の基準値以下であると判断した場合(NO)はステップS5にリターンされる。
車体1がロールオーバーする態様としては、図6(a)に示すように車両1が横滑りを起こし、ヨー回転を伴うなどして1つまたは片側の前後両輪が縁石7や土手などに引っ掛かり、その車輪を支点とするロールモーメントの発生によってロール角速度が発生し、そのロール角速度が増加すると図6(b)に示すようにトリップオーバーと称されるロールオーバー(横転)に至る。
そのときに、前記ロール角速度センサ31によって車両1のロール角やロール角速度などの状態を検知して制御コンピュータ30が横転に至ると判断した場合に、乗員Cの頭部Chを車体側壁4に直接衝突することから保護するために前記サイドエアバッグ20を展開する。
そして、図6(c)に示すように車両1が完全に横転(1/4回転)し、更に図6(d)に示すようにルーフパネル5が設置するような場合には、前記ルーフエアバッグ10を展開して、乗員Cの頭部Chが天井のヘッドライニング3に直接接触して、上部から頭部Chに入力される衝撃荷重を緩和し、これによって頭部傷害発生を低減するとともに、乗員Cの頚部Cnに入力される荷重も低減して頚部損傷の発止を抑制できる。
つまり、頚部損傷は図7に示すように頚部Cnを圧縮する荷重Fnと、これに複合して発生する乗員前後および左右方向への頚部曲げモーメントMnと、の人体許容値に対する割合のみならず、これら圧縮と曲げ負荷の兼ね合いで頚部損傷の受傷確率が決定される。
従って、頭部Chから頚部Cnに入力される負荷を低減することにより、頚部傷害の受傷確率を低減する方向に誘導することができる。
ここで、本実施形態の乗員保護装置1にあっては、ルーフエアバッグ10を車幅方向の外側から内側に向かって展開させたうえで、前記ルーフエアバッグ10の下面10aを、その展開方向(図中左方)先端部から基端部、つまり圧力導入路12側に向かって車両下方に傾斜させ、図1に示すようにそのルーフエアバッグ10を全体として車両前後方向視で略くさび状に形成してある。
また、本実施形態の乗員保護方法にあっては、車両1の横転に至る車体ロールの検知によって、乗員直上部のヘッドライニング3に沿ってルーフエアバッグ10を車幅方向外方から内方に向かって展開し、その展開するルーフエアバッグ10によって乗員頭部Chを、ヘッドライニング3から荷重を受ける前に予め車幅方向内方に所定角度だけ傾けておくようにしてある。
つまり、本実施形態では図7に示したように頭部Chがヘッドライニング3に衝突した後に頚部Cnに作用する圧縮荷重Fnと頚部曲げモーメントMnとの負荷が乗員Cの許容値に可能な限り入るように、圧縮荷重Fnを4kN以下に保つとともに、頚部曲げモーメントMnを200Nm以下に保ちつつ、更にそれぞれの分担を頚部Cnの傷害が発生しないように図4に示す負荷分担許容領域P内に留めるために、図8に示すように乗員Cの頭部中心と頸椎とを結ぶ線分L1と、乗員脊椎中心線L2と、で形成される頭部Chの傾き角度θを、頭部Chとヘッドライニング3の干渉前に予め車体左右中心側にほぼ15度程度傾けて、衝突後には更にその角度が自由に大きくなるようにしつつ、結果、頚部曲げモーメントMnの増加を抑制するようになっている。
前記図4に示す負荷分担許容領域Pは、図5に示すように頭部Chと頚部Cnの落下試験の結果に基づいて作成したもので、同図中斜線部分が損傷無し領域となる。
以上の構成により本実施形態の車両横転時の乗員保護装置1によれば、ルーフエアバッグ10が展開する際に、その下面10aが展開方向先端部から基端部に向かって車両下方に傾斜しているので、横転により乗員頭部Chがヘッドライニング3に干渉する前に、前記ルーフエアバッグ10の傾斜面によって乗員頭部Chを所定角度だけ車幅方向内方に傾けておくことができる。
つまり、展開したルーフエアバッグ10の傾斜した下面10aに乗員頭部Chが接近して接触した際には、乗員頭部Chの上下方向のみならず、左右方向にも荷重が入力されて、頭部Chは傾き、結果として頚部Cnは頭部Chの傾き角度が保持されること無く滑らかに曲げられることになる。
その結果、頭部Chから頚部Cnに直接入力する荷重は増大させること無く、頚部Cnの曲げモーメントMnと圧縮荷重Fnの成分へと分解され、そのバランスを傷害低減有効領域Pへと到達させることができる。
従って、乗員頭部Chがヘッドライニング3から反力を受ける際にも、直接に頚部Cnの圧縮荷重Fnを増大させること無く、かつ、頭部Chとヘッドライニング3の更なる接近に際しても頚部Cnを固定しないので、頚部曲げモーメントMnの増加を抑制することができ、ルーフエアバッグ10の緩衝作用により頭部障害発生を抑制しつつ、頚部Cn損傷の発生をも効果的に抑えることできる。
また、本発明の車両横転時の乗員保護方法によれば、展開するルーフエアバッグ10によって乗員頭部Chを、ヘッドライニング3から荷重を受ける前に予め車幅方向内方に所定角度だけ傾けておくようにしたので、前記乗員保護装置1と同様に、乗員頭部Chがヘッドライニング3から反力を受ける際にも、直接に頚部Cnの圧縮荷重Fnを増大させること無く、かつ、頭部Chとヘッドライニング3の更なる接近に際しても頚部Cnを固定しないので、頚部曲げモーメントMnの増加を抑制することができ、ルーフエアバッグ10の緩衝作用により頭部障害発生を抑制しつつ、頚部損傷の発生をも効果的に抑えることできる。
更に、本実施形態の乗員保護装置1では、前記ルーフエアバッグ10の配設位置に対応した前記車体側壁4に、ルーフエアバッグ10に先行して展開するサイドエアバッグ20を設けてあるので、車体1のロールオーバー時には、まず、サイドエアバッグ20で乗員Cの頭側部を保護した後、前記ルーフエアバッグ10による頭頂部および頚部Cnを保護することができる。
ところで、図9は前記第1実施形態の変形例を示すルーフエアバッグの展開タイミングを異ならせた場合の作動を(a)〜(c)に順を追って示す正面図で、第1実施形態の乗員保護装置1では、展開状態にあるルーフエアバッグ10の傾斜した下面10aによって乗員頭部Chを傾斜させるようにしたが、本変形例では図9に示すように、ルーフエアバッグ10の展開タイミングを制御コンピュータ30で制御して遅れ気味とし、ルーフエアバッグ10のインフレータ11による空気流入の展開エネルギーを直接に乗員頭部Chに作用させることができる。
このようにルーフエアバッグ10の展開エネルギーで乗員頭部Chを傾けることにより、頚部曲げモーメントMnの成分をより精度良く調整して図4の負荷分担許容領域P内に収めることができるようになる。
また、図10は前記第1実施形態の更なる変形例を示すルーフエアバッグの正面図で、ルーフエアバッグ10の下面10aを傾斜させるにあたって、図10に示すようにその車幅方向の内側(展開方向先端部)の傾斜角α1よりも外側(基端部)の傾斜角α2で大きくなる非線形の傾斜面に形成することができる。
従って、このようにルーフエアバッグ10の下面10aを非線形の傾斜面とすることにより、乗員頭部Chをルーフエアバッグ10の傾斜角α2が大きくなった基端部側で確実に捉えることができるため、頭部Chを確実に傾けることができる。
図11〜図13は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図11はサイドエアバッグおよびルーフエアバッグの展開状態を示す正面図、図12はルーフエアバッグを展開する挙動の説明図、図13はルーフエアバッグが展開する作動を(a)〜(c)に順を追って示す正面図である。
本実施形態の乗員保護装置1Aのルーフエアバッグ10Aは、図11に示すように基本的に第1実施形態のルーフエアバッグ10と同様に、車幅方向の外側から内側に向かって展開させるようになっており、そのルーフエアバッグ10Aの下面10aを、その展開方向(図中左方)先端部から基端部に向かって車両下方に傾斜させ、全体として車両前後方向視で略くさび状に形成してある。
そして、特に本実施形態では乗員頭部Chに直接接触する車両上下方向下部に補助圧力室13を隔成し、この補助圧力室13に導入する圧力を、乗員頭部Chとの接触面、つまり下面10aによれの発生を許容するようにルーフエアバッグ10Aの主圧力室14よりも低圧に設定してある。
前記補助圧力室13と前記主圧力室14とは、主圧力室14から補助圧力室13に圧力を供給する流入圧力制御弁15を複数設けた隔膜16を介して隔成してある。
従って、本実施形態によればルーフエアバッグ10Aを補助圧力室13と主圧力室14との二重構造とし、補助圧力室13に導入する圧力を主圧力室14よりも低圧に設定して、乗員頭部Chが下面10aに接触した際によれの発生を許容するようにしたので、図13(a)に示すようにルーフエアバッグ10Aが展開し、図13(b)に示すようにその展開途中でその下面10aに乗員頭部Chが接触した際に、図13(c)に示すように下面10aによれを発生しつつ乗員頭部Chと一緒に移動し、頭部Chを傾けることができる。
このように、本実施形態ではルーフエアバッグ10Aの下面10aによれを発生することができるので、頭部Chとルーフエアバッグ10Aとの間の滑り摩擦を低減して、頭部Chの傾きを制御し易くなる。
また、前記補助圧力室13と前記主圧力室14とを、流入圧力制御弁15を複数設けた隔膜16を介して隔成したので、ルーフエアバッグ10Aの柔軟性を確保して折り畳み状態での収納が容易になり、展開時には図12に示すように補助圧力室13の低圧状態を維持しつつ膨張することができ、補助圧力室13の圧力低下構造を簡素化することができる。
図14,図15は本発明の第3実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図14はサイドエアバッグおよびルーフエアバッグの展開状態を示す正面図、図15はルーフエアバッグが展開する作動を(a)〜(c)に順を追って示す正面図である。
本実施形態の乗員保護装置1Bのルーフエアバッグ10Bは、図14に示すように基本的に第1実施形態のルーフエアバッグ10と同様に、車幅方向の外側から内側に向かって展開させるようになっている。
そして、特に本実施形態ではルーフエアバッグ10Bの乗員頭部Chに直接接触する下面10aに、ルーフエアバッグ10bの展開状態で乗員頭部Chを受容する凹部17を形成する一方、ルーフエアバッグ10Bの展開完了時にそのルーフエアバッグ10Bを車幅方向内方に所定量変位させるルーフエアバッグ移動手段18を設けてある。
前記ルーフエアバッグ移動手段18は、ルーフエアバッグ10Bの基端側に設けた圧力導入路12を、ルーフエアバッグ10Bの展開完了時の圧力で伸長する伸縮構造に形成するとともに、その圧力導入路12の出口側12aにルーフエアバッグ10Bの展開完了時に閉弁する逆止弁19を設けて構成してある。
従って、本実施形態によればルーフエアバッグ10Bの下面10aに乗員頭部Chを受容する凹部17を形成したので、図15(a)に示すようにルーフエアバッグ10Bが展開し、図15(b)に示すようにルーフエアバッグ10Bがほぼ展開した段階で前記凹部17に頭部Chが係合し、そして、図15(c)に示すようにルーフエアバッグ10Bが展開完了した時点で、ルーフエアバッグ移動手段18がルーフエアバッグ10Bを車幅方向内方に所定量変位させるので、乗員頭部Chを凹部17に係合した状態で移動することができ、これによって頭部Chを傾けることができる。
また、乗員頭部Chの傾斜量は、ルーフエアバッグ10Bの凹部17に係合してからルーフエアバッグ移動手段18の変位量によって決定することができるため、その頭部Chを精度良く傾けることができる。
更に、前記ルーフエアバッグ移動手段18は、ルーフエアバッグ10Bの基端側に設けた圧力導入路12を、ルーフエアバッグ10Bの展開完了時の圧力で伸長する伸縮構造に形成するとともに、その圧力導入路12の出口側12aにルーフエアバッグ10Bの展開完了時に閉弁する逆止弁19を設けて構成したので、ルーフエアバッグ10Bの展開完了時には簡素な構成をもって確実にそのルーフエアバッグ10Bを変位させることができる。
尚、本実施形態ではルーフエアバッグ10Bの下面10aはくさび状に傾斜させることが望ましいが、特にその必要はなく、本実施形態ではそのルーフエアバッグ10Bを全体的にほぼ同一断面となる枕状に形成してある。
図16〜図25は本発明の第4実施形態を示し、図16は乗員胸部保持手段、頭頂部保持手段および頭側部保持手段の作動状態を示す正面図、図17は乗員胸部保持手段、頭頂部保持手段および頭側部保持手段の作動状態を示す側面図であり、図18は乗員姿勢の検出を示す説明図である。
図19は乗員保護装置の制御系構成を示すブロック図、図20は取得した画像から乗員姿勢を判断するアルゴリズムを示す説明図であり、図21は制御手段による乗員胸部保持手段、頭頂部保持手段および頭側部保持手段の作動を制御するフローチャートを示す説明図である。
図22は車両ロールオーバー時の横転状態を(a)〜(e)に順を追って示す説明図、図23は車両ロールオーバー時の乗員の挙動を(a)〜(e)に順を追って示す説明図であり、図24は乗員の頚部傾斜角に対する頚部曲げモーメントの変化を(a)におよび頚部圧縮荷重変化を(b)に示すグラフ、図25は車両ロールオーバー時の乗員の胸部変位、頭部変位、車両の横加速度と上下加速度の出力、制御手段からの制御出力、頭部入力荷重変化、頚部入力モーメント変化を(a)〜(f)にそれぞれタイムチャートで示す説明図である。
本実施形態の乗員保護装置1Cは、図16,図17に示すように車体ロールを検出する車両横転検出手段100と、座席9に着座した乗員Cの横移動や頚部Cn(図18参照)の曲がり具合を検出する乗員姿勢検出手段110と、乗員Cの胸部Ct(図18参照)の車両左右方向側を保護する乗員胸部保持手段120と、乗員直上部の天井面に沿って展開して乗員頭頂部Ch(図18参照)を保護する頭頂部保持手段130と、頭頂部保持手段130の基端部130aから車体側壁4に沿って垂下して乗員頭側部Chs(図18参照)を保護する頭側部保持手段131と、車両横転開始状態で乗員Cの姿勢変化を入力して乗員頭部Chを車幅方向内方に傾けるように乗員胸部保持手段120、頭頂部保持手段130および頭側部保持手段131を作動する制御手段としての制御コンピュータ140と、を備えている。
尚、前記座席9にはショルダーベルト151およびラップベルト152を備えた3点式のシートベルト装置150が設けられ、乗員Cはこのシートベルト装置150によって座席9に拘束される。
制御コンピュータ140は、車両横転開始状態かつ乗員Cの側方移動量が規定値に達した時に胸部保護手段120を作動し、車両横転が更に進行して乗員頭部Chの車両外方への曲がりが規定値に達した時に頭側部保持手段131を作動し、車両横転が更に進行して車体が略反転(天地逆)状態に至る場合に頭頂部保持手段130を作動する指令を出力するようになっている。
前記車両横転検出手段100は、図19に示すように対重力方向ロール角を検出するロール角速度センサ101と、対地ロール角を検出する車輪接地荷重センサ102と、車両左右方向および/または車両上下方向の加速度を検出する車両横加速度センサ103および車両上下加速度センサ104と、を備えている。
尚、この場合、ロール角速度センサ101、車輪接地荷重センサ102または車両横加速度センサ103および車両上下加速度センサ104のいずれか1つによっても、精度は低下するが車両横転の検出が可能となる。
前記乗員姿勢検出手段110は、乗員Cの画像イメージを取得して図18に示すように乗員Cの胸部中心Othoraxおよび頭部中心Oheadを求め、これら両中心Othorax,Ohead位置から乗員Cの横移動や頚部Cnの曲がり具合を判定するようになっている。
即ち、乗員Cの画像は図17に示すようにインストルメントパネル8の上面に搭載したカメラ111で取得するようになっており、前記乗員姿勢検出手段110は、図19に示すように上記カメラ111と、図17に示すように座席9シートクッション9aに設けられて乗員Cの荷重を検出するシート荷重センサ112と、によって構成される。
前記乗員胸部保持手段120は、図16,図17に示すようにシートバック9bのサイドフレーム9bfの乗員胸部対応位置に前後回動可能に取り付けられ、通常時は図17中一点鎖線に示すようにシートバック9bの側面投影面内に収納されるとともに、作動時に回動して同図中実線に示すようにシートバック9bの側面から前方に突出するサイドサポート121によって構成してある。
尚、サイドサポート121はシートバック9bの左右両側に設けられ、制御コンピュータ140からの指令により駆動されるモータ等の駆動手段122によって回動される。
前記頭頂部保持手段130および頭側部保持手段131は、図16に示すように通常時はヘッドライニング3内に折り畳まれて収納され、作動時にヘッドライニング3を押し出しつつ膨張展開する袋体としてのルーフエアバッグ132およびカーテンエアバッグ133によって構成してある。
ルーフエアバッグ132およびカーテンエアバッグ133は、通常のエアバッグと同様に、インフレータが制御コンピュータ140からの指令により作動された際に発生するガスが導入されることにより膨張展開される。また、ルーフエアバッグ132はルーフサイドから車室内方に向かって車体上下方向の厚さが薄くなるとともに、カーテンエアバッグ133はルーフサイドから車体側壁4の内面に沿って下方に展開する。
前記ルーフエアバッグ132と前記カーテンエアバッグ133とは、作動タイミングや各室の内圧を調整可能な圧力制御弁134を設けた隔膜135で画成してある。
また、前記ルーフエアバッグ132および前記カーテンエアバッグ133を覆うヘッドライニング3は、図16,図17に示すようにこれらルーフエアバッグ132およびカーテンエアバッグ133の膨張展開に伴ってそれらの下側を覆うように分離され、その分離された分離ライニング3aの車幅方向外側部分3bは車両上下方向に対して上方が車室内方に傾斜して乗員頭側部Chs(図18参照)に接触する急傾斜部分となる一方、車幅方向内側部分3cはその傾斜が緩やかとなって乗員頭頂部Cht(図18参照)に接触する緩傾斜部分となっている。
即ち、前記ヘッドライニング3は、前記ルーフエアバッグ132および前記カーテンエアバッグ133の膨張展開部分を開口しておく一方、前記分離ライニング3aを折り板状に形成して、上記開口部分を分離ライニング3cで覆っておき、ルーフエアバッグ132およびカーテンエアバッグ133の膨張展開に伴ってこの分離ライニング3aがヘッドライニング3から分離するとともに、この分離ライニング3aがルーフエアバッグ132とカーテンエアバッグ133との境界部分から折れるようにして展開される。
また、本実施形態の乗員保護装置1Cの制御系の構成は、図19に示すように入力部200と、車両横転状態検出演算部201と、出力部202と、乗員姿勢検出演算部203と、制御部204と、乗員姿勢保持部205と、を備えている。
前記入力部200には、前記ロール角速度センサ101、前記車輪接地荷重センサ102、前記車両横加速度センサ103および前記車両上下加速度センサ104から車両横転情報が入力されるとともに、前記カメラ111および前記シート荷重センサ112から乗員画像イメージおよび乗員荷重が入力される。
前記車両横転状態検出演算部201は、車輪接地荷重センサ102からの信号を入力して車両定常時の重力方向を求める車両定常時重力方向演算部206と、車両横加速度センサ103および車両上下加速度センサ104からの信号を入力して車両左右速度変化を求める車両左右速度変化演算部207と、ロール角速度センサ101からの信号を入力して車両ロール角を求める車両ロール角演算部208と、を備えるとともに、これら車両定常時重力方向演算部206、車両左右速度変化演算部207、車両ロール角演算部208からの演算結果を入力して車両横転状態を判定する車両横転状態判定部209が設けられる。
前記出力部202は、車両横転状態判定部209からの車両横転情報を入力して車両重心加速度を求める車両重心加速度演算部210と、水平面に対する車両のロール角を求める車両対水平面ロール角演算部211と、が設けられる。
前記乗員姿勢検出演算部203は、前記カメラ111の画像イメージとシート荷重センサ112の乗員荷重情報と、前記車両重心加速度演算部210の重心加速度情報と、車両対水平面ロール角演算部211のロール角情報と、を入力して乗員胸部中心Othorax変位および頭部中心Ohead変位を求める乗員胸部中心変位・頭部中心変位演算部212が設けられるとともに、この乗員胸部中心変位・頭部中心変位演算部212の情報を入力するとともに、前記車両横転状態判定部209からの情報を入力して乗員Cの姿勢を判定する乗員姿勢判定部213が設けられる。
ここで、カメラ111で取得した乗員画像イメージから乗員Cの姿勢を求める手法としては、図20に示すようにステップS1で画像の2値化を表示した後、ステップS2で画像ノイズの消去処理を行い、次にステップS3で画像輪郭を認識する。この画像輪郭からステップS4で胸部中心Othoraxの相当位置を認識するとともに、ステップS5で頭部中心Oheadの相当位置を認識し、ステップS6ではそれぞれ認識した頭部位置および胸部位置を記憶する。
次に、ステップS7では記憶した頭部位置および胸部位置から車両低加速度下での平均値を求めてこれを定常位置として認識し、ステップS8,S9では定常位置と比較することにより胸部中心Othoraxおよび頭部中心Oheadのそれぞれ変位を演算し、ステップS10でこれら胸部中心Othoraxおよび頭部中心Oheadの変位から乗員姿勢を求めて出力するようになっている。
前記制御部204は、前記乗員姿勢判定部213で判定した乗員姿勢情報を入力して乗員胸部保持手段120に出力する作動信号を制御する乗員胸部保持手段制御部214と、頭側部保持手段130に出力する作動信号を制御する乗員頭側部保持手段制御部215と、頭頂部保持手段131に出力する作動信号を制御する頭頂部保持手段制御部216と、が設けられる。
前記乗員姿勢保持部205には、前記乗員胸部保持手段120と、前記頭側部保持手段130と、前記頭頂部保持手段131と、が設けられている。
そして、前記構成に基づいて制御コンピュータ140は図21のフローチャートに従って車両オーバーロール時に各乗員保持手段120,130,131、つまり、サイドサポート121、ルーフエアバッグ132およびカーテンエアバッグ133を作動制御するようになっている。
即ち、図22には車両のロールオーバー時の挙動を(a)の横転開始から(e)の車体2が略反転状態となるまでを段階的に示しており、このとき、図23に示すように乗員Cは横転時の慣性力により横移動が発生し、このときの乗員Cの挙動を前記サイドサポート121、前記ルーフエアバッグ132および前記カーテンエアバッグ133で規制するようになっている。このとき、車体2が横転する際の対水平車両ロール角θは、図22(b)に示すように路面Lと車体2のフロアとの間に形成される角度であり、また、乗員Cが横移動する際の対車両傾斜角φは、図23(a)に示すように乗員Cの胸部中心Othoraxと頭部中心Oheadとを結ぶ線分K1が車両鉛直線K2と成す角度であり、対車両傾斜角φが負の場合は車幅方向外方に乗員頭部Chが振られている状態を示し、対車両傾斜角φが正の場合は車室内方に傾いている状態を示すものとする。
前記対水平車両ロール角θは、車体2の反転に繋がる傾き変化をロール角速度として検知し、これを制御コンピュータ140に入力した後、車体車輪接地荷重などを検知して地面傾斜角を補正しつつ即座に累積ロール角を演算して得られる。
前記フローチャートによる制御は、通常制御ロジックと、乗員姿勢制御ロジックと、乗員頭部横揺れ制御ロジックと、乗員上方移動制御ロジックと、が実行されるようになっており、まず、イグニッションのONにより制御がスタートした時点から、車両状態および乗員姿勢の監視を始め、各状況を判断する制御部へと情報を送る。基本的には車両横転状態を対水平面車両ロール角θで監視し、乗員姿勢の定常時からの変化が見られたときに、それぞれ必要な制御、つまり各乗員保持手段120,130,131を作動させるようになっている。
即ち、制御がスタートすると、通常制御ロジックによってステップS20で対水平線車両ロール角θを検出するとともに、ステップS21では胸部中心Othoraxの変位δthorと頭部中心Oheadの変位δheadとの差から乗員Cの対車両傾斜角φを検出する。
その後、乗員姿勢制御ロジックに進み、ステップS22で前記ロール角θがθ0(θ0は非ロール状態)よりも大きくなったと判断(YES)すると、ステップS23で胸部中心Othoraxの変位δthorが規定値δx1以上であると判断(YES)した場合は、ステップS24で胸部保持手段(TRM)120を作動して、サイドサポート121を回動してシートバック9bの両側から車両前方に突出させる(図23(a)参照)。
そして、胸部保持手段120を作動した後、またはステップS23で胸部中心Othoraxの変位δthorが規定値δx1未満であると判断(NO)した場合は、乗員頭部横揺れ制御ロジックに進み、ステップS25で前記ロール角θと車体2の横転開始時期を判断する規定のロール角θ1(図22(a)参照)とを比較する。θがθ1よりも大きい(YES)場合は、ステップS26によって前記乗員Cの対車両傾斜角φが負であると判断(YES)し、かつ、ステップS27で頭側部保持手段(HSRM)131が作動中でない(NO)と判断した場合は、ステップS28で頭側部保持手段131を作動してカーテンエアバッグ133を膨張展開する(図23(b),(c)参照)。
ここで、前記ロール角θ1は、車両横転開始時期として、例えば水平面に対して車輪片輪が浮き上がる角度として規定できる。
従って、頭側部保持手段131が作動することによって、乗員頭部Chはカーテンエアバッグ133によって頭側部Chsが車室内方に押されて対車両傾斜角φが正方向に傾く。また、ステップS27で頭側部保持手段131が作動中であると判断(YES)した場合は、ステップS29でカーテンエアバグ133を更に膨張させる等して再調整する。
ステップS28およびステップS29で頭側部保持手段131を作動または再調整した後、若しくはステップS26で対車両傾斜角φが乗員頭部Chが正方向(車室内方)に傾いていると判断した場合は乗員上方移動制御ロジックに進み、ステップS30でロール角θと最大安定ロール角θ2(図22(b)参照)とを比較し、θがθ2よりも大きい(YES)と判断し、かつ、ステップS31で乗員Cの対車両傾斜角φが、頚部Cn傾斜角に影響を受ける発生曲げモーメントの低減が見込める傾斜角φ1(図24参照)よりも小さいと判断(YES)した場合、ステップS32で頭頂部保持手段(HTRM)130が作動していないと判断(NO)した場合に、ステップS33で頭頂部保持手段130を作動してルーフエアバッグ132を膨張展開する。尚、図24(a),(b)の斜線部分が、頚部曲げモーメントおよび頚部圧縮荷重の低減領域となる。
従って、頭頂部保持手段130が作動することによって、ルーフエアバッグ132が乗員Cの頭頂部Chtと天井との間に緩衝材として介在する。また、ステップS32で頭頂部保持手段130が作動中であると判断(YES)した場合は、ステップS34でルーフエアバグ132を更に膨張させる等して再調整する。
そして、ステップS33およびステップS34で頭頂部保持手段130を作動または再調整した後、若しくはステップS31で対車両傾斜角φがφ1よりも大きい、つまり、乗員頭部Chが車室内方に大きく傾いていると判断(NO)した後は、ステップS35でロール角θが180度以上、つまり車体2が反転状態を超えた(図22(e)参照)と判断(YES)した場合に制御を終了する。
一方、前記乗員姿勢制御ロジックでは、ステップS22でロール角θがθ0以下、つまり車両ロールが発生していないと判断(NO)した場合は、ステップS36,37で胸部保持手段(TRM)120が作動中である場合は解除し、次のステップS38,S39で頭側部保持手段(HSRM)131が作動中である場合は解除して通常制御ロジックに戻り、ステップS40,S41で頭頂部保持手段(HTRM)130が作動中である場合は解除した後、ステップS20にリターンされる。
即ち、本実施形態の乗員保護装置1Cでは、車体2の対水平ロール角θを検出することにより、車体2の反転に繋がる傾き変化をロール角速度として検知し、これを制御コンピュータ140に入力した後、車体車輪接地荷重等を検知して地面傾斜角を補正しつつ即座に累積ロール角を演算して、規定のロール角θ1を越えて車両横転が開始されたと判断した場合に、乗員胸部保持手段120、頭側部保持手段131および頭頂部保持手段130等の各アクチュエータを作動させる。
ただし、車体ロール角θの既定値θ1を超えたときに、乗員姿勢検出手段110において乗員Cの胸部中心Othorax位置および頭部中心Ohead位置を制御コンピュータ140によって演算し、乗員Cの胸部Ctおよび頭部Chの過度なずれを判断して、単に車体傾斜のみで横転に至らない場合には前記各アクチュエータを作動させないようにする。
更に、車両のロール角度θが増大し、車両のロール回転が不可避の状態になる場合には、 カーテンエアバッグ133を膨張展開し、乗員頭部Chのずれを胸部中心Othoraxと頭部中心Oheadとを結ぶ線分K1が車両鉛直線K2と成す角度φ、つまり乗員頚部Cnの曲がりとして判断して、少なくともその角度φを車体外方に傾斜した状態からゼロ(車両鉛直線K2上)に近づけ、更に車体内側方向に頭部Chを傾斜させるように前記カーテンエアバッグ133の膨張を更に増大する。尚、前記車両横転不可避状態としては、対水平面車両ロール角θが最大安定傾斜角θ2を超えたときと考えることができる。
そして、車体横転が更に増大して車体横転に至る車体ロール角θを検知した際、つまり、耐水平面車両ロール角度が180度を超える状況になった際に、ルーフエアバッグ132を膨張展開する。
また、前記カーテンエアバッグ133は、乗員頭部Chを車室内方に押しやるのみならず、乗員頭側部Chsが車体側壁4、つまりサイドウインドウやルーフサイドおよびピラーガーニッシュ等に干渉する際の衝撃エネルギーを吸収するとともに、前記ルーフエアバッグ132は、主として乗員Cの頭頂部Chtが天井に干渉する際の衝撃エネルギーを吸収する。
従って、本実施形態の乗員保護装置1Cでは、前記フローチャート(図21)に沿ってサイドサポート121、ルーフエアバッグ132およびカーテンエアバッグ133を作動制御する際に、図25のタイムチャートに示すように、(a)乗員胸部中心Othoraxの左右変位、(b)乗員頭部中心Oheadの左右変位、(c)車両横加速度と車両上下加速度の各センサ出力、(d)制御コンピュータ140から各アクチュエータ(TRM,HSRM,HTRM)に出力する制御出力、(e)乗員Cの頭部Chへの入力荷重、(f)乗員Cの頚部Cnへの入力モーメント、がそれぞれ変化する。
以上の構成により本実施形態の乗員保護装置1Cによれば、車両横転検出手段100によって車体ロールを検出するとともに、乗員姿勢検出手段110によって座席9に着座した乗員Cの横移動や頚部Cnの曲がり具合を検出し、これらの検出情報を基に車両横転時に、制御コンピュータ140によって乗員Cの胸部Ctの車両左右方向側を保護する乗員胸部保持手段120と、乗員直上部の天井面に沿って展開して乗員頭頂部Chを保護する頭頂部保持手段130と、頭頂部保持手段130の基端部130aから車体側壁4に沿って垂下して乗員頭側部Chsを保護する頭側部保持手段131と、を制御するようにしたので、乗員胸部保持手段120と頭頂部保持手段130と頭側部保持手段131との共働により、車両ロールオーバー時に乗員Cが車体側壁4に衝突した際の衝撃や天井に衝突した際の衝撃を緩和しつつ、頭部障害発生を抑制して頚部損傷を抑えることができる。
また、制御コンピュータ140は、車両横転開始状態かつ乗員Cの側方移動量が規定値に達した時に胸部保護手段120を作動し、車両横転が更に進行して乗員頭部Chの車両外方への曲がりが規定値に達した時に頭側部保持手段131を作動し、車両横転が更に進行して車体が略反転状態に至る場合に頭頂部保持手段130を作動する指令を出力するようにしたので、車両の横転が進行するに従って胸部保護手段120、頭側部保持手段131、そして頭頂部保持手段130へと順次作動でき、胸部保護手段120の作動によって乗員Cの側方移動を拘束しつつ、頭側部保持手段131の作動によって乗員Cの頭部Chを車室内方に押しやって頚部Cnを車室内方に傾斜させた状態で、頭頂部Chtに天井からの荷重が入力するようにできるので、頚部Cnに作用する曲げモーメントを低減して損傷を効果的に抑えることができる。
更に、前記車両横転検出手段100は、対重力方向ロール角を検出するロール角速度センサ101と、対地ロール角を検出する車輪接地荷重センサ102と、車両左右方向および/または車両上下方向の加速度を検出する車両横加速度センサ103および車両上下加速度センサ104と、を備えているので、ロール角速度センサ101の情報から車両ロール角を検知でき、車輪接地荷重センサ102の情報から地面傾斜角を補正しつつ即座に累積ロール角を演算でき、車両横加速度センサ103および車両上下加速度センサ104の情報から車両左右速度変化を求めることができるので、車両の横転挙動を精度良く検知し、ひいては、制御コンピュータ140により制御精度をより高めることができる。
更にまた、乗員姿勢検出手段110は、乗員Cの画像イメージを取得して乗員Cの胸部中心Othoraxおよび頭部中心Oheadを求め、それら両中心Othorax,Ohead位置から乗員Cの横移動や頚部Cnの曲がり具合を判定するようにしたので、車両のロールオーバー時における乗員Cの着座姿勢を精度良く検知することができ、ひいては、制御コンピュータ140により制御精度をより高めることができる。
また、乗員胸部保持手段120は、シートバック9bのサイドフレーム9bfの乗員胸部対応位置に前後回動可能に取り付けられるサイドサポート121によって構成したので、車両のロールオーバー時にサイドサポート121を回動して車両前方に突出させることにより、乗員Cの横移動をサイドサポート121の剛性により確実に阻止することができる。
更に、頭頂部保持手段130および頭側部保持手段131は、通常時はヘッドライニング3内に折り畳まれて収納され、作動時にヘッドライニング3を押し出しつつ膨張展開する袋体としてのルーフエアバッグ132およびカーテンエアバッグ133によって構成したので、これらルーフエアバッグ132およびカーテンエアバッグ133は乗員Cの頭頂部Chtや頭側部Chsの移動を阻止するのみならず、エアクッションによる緩衝機能によって衝撃エネルギーを吸収して頭部損傷を低減することができる。
更にまた、ルーフエアバッグ132とカーテンエアバッグ133とは、作動タイミングや各室の内圧を調整可能な圧力制御弁134を設けた隔膜135で画成したので、その圧力制御弁134によりルーフエアバッグ132とカーテンエアバッグ133との膨張展開タイミングを自動的に設定できるため制御を簡素化できる。
また、ルーフエアバッグ132およびカーテンエアバッグ133を覆う部分のヘッドライニング3を分離して分離ライニング3aとし、ルーフエアバッグ132およびカーテンエアバッグ133の膨張展開に伴って分離ライニング3aがヘッドライニング3から分離してそれらの下側を覆い、その分離された分離ライニング3aの車幅方向外側部分3bは車両上下方向に対して上方が車室内方に傾斜する急傾斜部分となり、分離ライニング3aの車幅方向内側部分3cは緩傾斜部分となっているので、乗員Cの頭側部Chsを前記急傾斜部分で押し出しつつ頭頂部Chtが緩傾斜部分に接触する際に、分離ライニング3aは摩擦係数が小さくなっているので、乗員Cの頭部Chは引っ掛かることなく滑らかに移動して頭部Chを円滑に車室内方に傾けることができる。
図26は第4実施形態の第1変形例における乗員姿勢の検出を示す説明図で、乗員姿勢検出手段110は、車両の左右・上下加速度を検出する加速度検出センサ103,104と、着座乗員Cの加速度および有効質量を検出する乗員荷重センサとしてのシート荷重センサ112と、を備え、車両横転検出手段100に基づいて判定される車両状態に応じて乗員Cの胸部中心Othoraxおよび頭部中心Oheadの変位量を予測し、これら変位量から乗員Cの横移動や頚部の曲がり具合を判定する構成となっている。
即ち、この第1変形例の乗員姿勢検出手段110は、車両状態を計測するセンサ入力および車両横転状態判断結果より得られる車両ロール角θ、あるいは車両上下・左右加速度情報等とともに、乗員質量をシートクッション9a部において計測することにより、図19中乗員姿勢検出演算部203内の破線で囲った演算部203aで示すような流れで構築するようになっている。
つまり、この第1変形例で実行される乗員姿勢検出演算は、
まず、胸部有効質量≒着座質量/3 …(1)
頭部有効質量≒着座質量/6 …(2)
を求め、次いで、
胸部戻り反力=係数1×側方(上方)胸部変位 …(3)
頭部戻り反力=係数2×側方(上方)頭部変位 …(4)
を求める。
そして、前記(1)〜(4)を用いて、胸部加速度Gthoraxおよび頭部加速度Gheadを求め、これらの値から胸部変位および頭部変位を算出することができる。
即ち、 Gthorax=車両加速度−上体戻り反力/胸部有効質量 …(5)
(5)から 胸部変位=∫∫胸部加速度 …(6)
また、 Ghead=胸部加速度−頭部戻り反力/頭部有効質量 …(7)
(7)から 頭部変位=∫∫頭部加速度 …(8)
従って、(6),(8)の胸部変位および頭部変位から乗員Cの横移動や頚部Cnの曲がり具合を判定することができる。
従って、この第1変形例によれば、車両横転検出手段100は加速度検出センサ103,104によって構成することができるため、加速度検出センサ103,104およびシート荷重センサ112を設けることにより、高価なカメラ111(図17参照)を用いること無く、乗員Cの横移動や頚部Cnの曲がり具合を判定することができるため、安価かつ簡素な構成とすることができる。
図27は第4実施形態の第2変形例における乗員胸部保持手段の作動状態を示す平面図を示し、乗員胸部保持手段120を、シートバック9bの乗員胸部Ct対応位置の内部に折り畳まれて収納され、作動時に膨張展開して乗員胸部Ctの側方を拘束する袋体としての胸部エアバッグ123によって構成してある。
前記胸部エアバッグ123は、図27に示すように乗員胸部Ctの対応位置でシートバック9bの左右両側に配置されるサイド部分123a,123bと、それら両サイド部分123a,123bをシートバック9bの背面を廻り込んで連結するバック部分123cと、によって全体的に略コ字状に膨張展開される。
従って、この第2変形例によれば、車両のロールオーバー時に胸部エアバッグ123を膨張展開することにより、乗員Cの横移動をサイド部分123a,123bで阻止しつつエアクッション機能により乗員Cが干渉した際の衝撃を緩和することができる。また、通常時は胸部エアバッグ123をシートバック3b内に格納しておくことができるので、座席9周りから乗員胸部保持手段120が突出するのを防止できる。
ところで、本発明は前記第1〜第4実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
本発明の第1実施形態におけるサイドエアバッグおよびルーフエアバッグの展開状態を示す正面図である。 本発明の第1実施形態における乗員保護装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態における乗員保護装置の制御を実行するフローチャートの説明図である。 本発明の第1実施形態における頚部圧縮荷重と頚部曲げモーメントとの関係で表す障害低減の有効領域の説明図である。 本発明の第1実施形態における乗員頭部がルーフエアバッグに干渉した際の挙動を示す説明図である。 本発明の第1実施形態における車両のロールオーバー挙動を(a)〜(d)によって順を追って示す正面図である。 本発明の第1実施形態における乗員頭部が天井面に干渉した際に作用する荷重を示す説明図である。 本発明の第1実施形態における乗員の頚部曲げ状態を示す説明図である。 本発明の第1実施形態の変形例を示すルーフエアバッグの展開タイミングを異ならせた場合の作動を(a)〜(c)に順を追って示す正面図である。 本発明の第1実施形態の他の変形例を示すルーフエアバッグの正面図である。 本発明の第2実施形態におけるサイドエアバッグおよびルーフエアバッグの展開状態を示す正面図である。 本発明の第2実施形態におけるルーフエアバッグを展開する挙動の説明図である。 本発明の第2実施形態におけるルーフエアバッグが展開する作動を(a)〜(c)に順を追って示す正面図である。 本発明の第3実施形態におけるサイドエアバッグおよびルーフエアバッグの展開状態を示す正面図である。 本発明の第3実施形態におけるルーフエアバッグが展開する作動を(a)〜(c)に順を追って示す正面図である。 本発明の第4実施形態における乗員胸部保持手段、頭頂部保持手段および頭側部保持手段の作動状態を示す正面図である。 本発明の第4実施形態における乗員胸部保持手段、頭頂部保持手段および頭側部保持手段の作動状態を示す側面図である。 本発明の第4実施形態における乗員姿勢の検出を示す説明図である。 本発明の第4実施形態における乗員保護装置の制御系構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態における取得した画像から乗員姿勢を判断するアルゴリズムを示す説明図である。 本発明の第4実施形態における制御手段による乗員胸部保持手段、頭頂部保持手段および頭側部保持手段の作動を制御するフローチャートを示す説明図である。 本発明の第4実施形態における車両ロールオーバー時の横転状態を(a)〜(e)に順を追って示す説明図である。 本発明の第4実施形態における車両ロールオーバー時の乗員の挙動を(a)〜(e)に順を追って示す説明図である。 本発明の第4実施形態における乗員の頚部傾斜角に対する頚部曲げモーメントの変化を(a)におよび頚部圧縮荷重変化を(b)に示すグラフである。 本発明の第4実施形態における車両ロールオーバー時の乗員の胸部変位、頭部変位、車両の横加速度と上下加速度の出力、制御手段からの制御出力、頭部入力荷重変化、頚部入力モーメント変化を(a)〜(f)にそれぞれタイムチャートで示す説明図である。 本発明の第4実施形態の第1変形例における乗員姿勢の検出を示す説明図である。 本発明の第4実施形態の第2変形例における乗員胸部保持手段の作動状態を示す平面図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C 乗員保護装置
2 車両
3 ヘッドライニング(天井面)
3a 分離ライニング
3b 車幅方向外側部分
3c 車幅方向内側部分
4 車体側壁
9 座席
9a シートクッション
9b シートバック
10,10A,10B ルーフエアバッグ
10a ルーフエアバッグの下面
11 インフレータ
12 圧力導入路
13 補助圧力室
14 主圧力室
15 流入圧力制御弁
16 隔膜
17 凹部
18 ルーフエアバッグ移動手段
19 逆止弁
20 サイドエアバッグ
100 車両横転検出手段
101 ロール角速度センサ
102 車輪接地荷重センサ
103 車両横加速度センサ
104 車両上下加速度センサ
112 シート荷重センサ(乗員荷重センサ)
110 乗員姿勢検出手段
120 乗員胸部保持手段
121 サイドサポート
123 胸部エアバッグ(袋体)
130 頭頂部保持手段
131 頭側部保持手段
132 ルーフエアバッグ(袋体)
133 カーテンエアバッグ(袋体)
134 圧力制御弁
135 隔膜
140 制御コンピュータ(制御手段)
R 車室
C 乗員
Ch 頭部
Cn 頚部
Ct 胸部
Chs 頭側部
Cht 頭頂部
Othorax 胸部中心
Ohead 頭部中心

Claims (18)

  1. 車両の横転に至る車体ロールの検知によって、乗員直上部の天井面に沿って展開するルーフエアバッグを備えた乗員保護装置において、
    ルーフエアバッグを車幅方向の外側から内側に向かって展開させるとともに、ルーフエアバッグの下面を、その展開方向先端部から基端部に向かって車両下方に傾斜させ、該ルーフエアバッグを全体として車両前後方向視で略くさび状に形成したことを特徴とする車両横転時の乗員保護装置。
  2. ルーフエアバッグの配設位置に対応した車体側壁に、ルーフエアバッグに先行して展開するサイドエアバッグを設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両横転時の乗員保護装置。
  3. ルーフエアバッグは、乗員頭部に直接接触する車両上下方向下部に補助圧力室を隔成し、この補助圧力室に導入する圧力を、乗員頭部との接触面によれの発生を許容するようにルーフエアバッグの主圧力室よりも低圧に設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両横転時の乗員保護装置。
  4. 補助圧力室と主圧力室とを、主圧力室から補助圧力室に圧力を供給する流入圧力制御弁を設けた隔膜を介して隔成したことを特徴とする請求項3に記載の車両横転時の乗員保護装置。
  5. ルーフエアバッグの乗員頭部に直接接触する下面に、ルーフエアバッグの展開状態で乗員頭部を受容する凹部を形成する一方、ルーフエアバッグの展開完了時にそのルーフエアバッグを車幅方向内方に所定量変位させるルーフエアバッグ移動手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両横転時の乗員保護装置。
  6. ルーフエアバッグ移動手段は、ルーフエアバッグの基端側に設けた圧力導入路を、ルーフエアバッグの展開完了時の圧力で伸長する伸縮構造に形成するとともに、その圧力導入路の出口側にルーフエアバッグの展開完了時に閉弁する逆止弁を設けて構成したことを特徴とする請求項5に記載の車両横転時の乗員保護装置。
  7. ルーフエアバッグの下面を、その傾斜角が車幅方向の内側よりも外側で大きくなる非線形の傾斜面に形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両横転時の乗員保護装置。
  8. 車体ロールを検出する車両横転検出手段と、
    乗員の横移動や頚部の曲がり具合を検出する乗員姿勢検出手段と、
    乗員の胸部の車両左右方向側を保護する乗員胸部保持手段と、
    乗員直上部の天井面に沿って展開して乗員頭頂部を保護する頭頂部保持手段と、
    頭頂部保持手段の基端部から車体側壁に沿って垂下して乗員頭側部を保護する頭側部保持手段と、
    車両横転開始状態で乗員の姿勢変化を入力して乗員頭部を車幅方向内方に傾けるように乗員胸部保持手段、頭頂部保持手段および頭側部保持手段を作動する制御手段と、を備えたことを特徴とする車両横転時の乗員保護装置。
  9. 制御手段は、車両横転開始状態かつ乗員の側方移動量が規定値に達した時に胸部保護手段を作動し、車両横転が更に進行して乗員頭部の車両外方への曲がりが規定値に達した時に頭側部保持手段を作動し、車両横転が更に進行して車体が略反転状態に至る場合に頭頂部保持手段を作動する指令を出力することを特徴とする請求項8に記載の車両横転時の乗員保護装置。
  10. 車両横転検出手段は、対重力方向ロール角を検出するロール角速度センサと、対地ロール角を検出する車輪接地荷重センサと、車両左右方向および/または車両上下方向の加速度を検出する左右・上下加速度センサと、の少なくともいずれか1つを備えたことを特徴とする請求項8または9に記載の車両横転時の乗員保護装置。
  11. 乗員姿勢検出手段は、乗員の画像イメージを取得して乗員の胸部中心および頭部中心を求め、それら両中心位置から乗員の横移動や頚部の曲がり具合を判定することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つに記載の車両横転時の乗員保護装置。
  12. 乗員姿勢検出手段は、車両の左右・上下加速度を検出する加速度検出センサと、着座乗員の加速度および有効質量を検出する乗員荷重センサと、を備え、車両横転検出手段に基づいて判定される車両状態に応じて乗員の胸部中心および頭部中心の変位量を予測し、それら変位量から乗員Cの横移動や頚部の曲がり具合を判定することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つに記載の車両横転時の乗員保護装置。
  13. 乗員胸部保持手段は、シートバックのサイドフレームの乗員胸部対応位置に前後回動可能に取り付けられ、通常時はシートバックの側面投影面内に収納されるとともに、作動時に回動してシートバックの側面から前方に突出するサイドサポートであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の車両横転時の乗員保護装置。
  14. 乗員胸部保持手段は、シートバックの乗員胸部対応位置の内部に折り畳まれて収納され、作動時に膨張展開して乗員胸部の側方を拘束する袋体であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の車両横転時の乗員保護装置。
  15. 頭頂部保持手段および頭側部保持手段は、通常時はヘッドライニング内に折り畳まれて収納され、作動時にヘッドライニングを押し出しつつ膨張展開する袋体であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の車両横転時の乗員保護装置。
  16. 頭頂部保持手段の袋体と頭側部保持手段の袋体とは、作動タイミングや各室の内圧を調整可能な圧力制御弁を設けた隔膜で画成したことを特徴とする請求項15に記載の車両横転時の乗員保護装置。
  17. 頭頂部保持手段および頭側部保持手段を成す袋体を覆うヘッドライニングは、袋体の膨張展開に伴って袋体の下側を覆うように分離され、その車幅方向外側部分は車両上下方向に対して上方が車室内方に傾斜して乗員頭側部に接触する急傾斜部分となる一方、車幅方向内側部分はその傾斜が緩やかとなって乗員頭頂部に接触する緩傾斜部分となることを特徴とする請求項15または16に記載の車両横転時の乗員保護装置。
  18. 車両の横転に至る車体ロールの検知によって、乗員直上部の天井面に沿ってルーフエアバッグを車幅方向外方から内方に向かって展開し、その展開するルーフエアバッグによって乗員頭部を、天井から荷重を受ける前に予め車幅方向内方に所定角度だけ傾けておくことを特徴とする車両横転時の乗員保護方法。
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