JP2006305130A - 分析印象補助具、これを備えた下顎運動測定装置、これを備えた診断支援システム、及びこの診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法 - Google Patents

分析印象補助具、これを備えた下顎運動測定装置、これを備えた診断支援システム、及びこの診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 バイトフォーク上に正中矢状面が位置決めされた歯型を採取することができる分析印象補助具を提供すること。
【解決手段】 バイト部39と直交する基準平面P3が設定されたバイトフォーク2と、上面が載置基準面P1に形成されているとともに、この載置基準面P1と直交する垂直基準面P2が設定された分析ベース3と、この分析ベース3の上方に設けられた上部フレーム5と、上顎模型M1を分析ベース3と上部フレーム5との間に保持する模型保持部6と、前記上部フレーム5に着脱自在に構成され、垂直基準面P2に対する口蓋骨水平盤上の交線を指示可能で、かつ、この交線周りにおける前記口骸骨水平盤の傾きを特定可能な分析部7と、前記上部フレーム5に着脱自在に構成され、バイトフォーク2を保持するバイトフォーク保持部8とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、患者の歯列を分析する技術に関するものである。
従来から、患者の上顎歯列と下顎歯列との間に挟圧させるバイト板を有するバイトフォークが知られている(例えば、特許文献1)。この種のバイトフォークは、印象材を付着した前記バイト板を患者の歯列に密着させて、当該印象材に患者の歯列を印記させる場合等に使用される。
そして、前記バイトフォークによって得られた歯型に基づいて様々な診断が施されることになるが、これらの診断に際しては、患者(歯型)の正中矢状面を基準とすることが多い。
ここで、正中矢状面とは、患者の正中を通り矢状面(身体を左右に2等分する面)と平行する面であり、具体的に患者を正面から見たときに、左右瞳孔を結ぶ線の中点で当該線と直交する平面のことである(図14の正中基準面P4に対応する面)。
特開2004−105651号公報
そのため、患者の正中矢状面に対して位置合せした状態で歯型を印記することが要望されているが、この位置合せを容易に行うことができる技術は未だ開発されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、バイトフォーク上に正中矢状面が位置決めされた歯型を採取することができる分析印象補助具、これを備えた下顎運動測定装置、これを備えた診断支援システム、及びこの診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、患者の上顎歯列に密着可能なバイト板を有し、前記上顎歯列の左右中央位置に対応して前記バイト板を左右方向で略2等分する線を通るとともに当該バイト板と直交する基準平面が設定されたバイトフォークと、上面が載置基準面に形成されているともに、この載置基準面と直交する垂直基準面が設定された分析ベースと、この分析ベースの上方に設けられた上部フレームと、患者から予め採取された上顎模型を、その口蓋骨水平盤が上方へ開放された姿勢で、前記分析ベースと上部フレームとの間に保持する模型保持部と、前記上部フレームに着脱自在に構成され、前記垂直基準面に対する口骸骨水平盤上の交線を指示可能で、かつ、この交線周りにおける前記口蓋骨水平盤と前記載置基準面との傾斜角を特定可能な分析部と、前記上部フレームに着脱自在に構成され、前記基準平面と前記垂直基準面とを合致させ、かつ、前記バイト板が前記載置基準面と平行となる姿勢で、前記バイトフォークを保持するバイトフォーク保持部とを備え、前記模型保持部は、前記口蓋骨水平盤と載置基準面との傾斜角が調整可能となるように、前記上顎模型を保持し、前記模型保持部、バイトフォーク保持部の少なくとも一方は、これら両者に保持されている上顎模型及びバイトフォークの姿勢を維持しつつ、前記バイト部が上顎模型の歯列に密着するように、相手側の保持部に対し接離自在に構成されていることを特徴とする分析印象補助具を提供する。
本発明によれば、前記分析部により指示される交線と上顎模型の正中線とが合致するように上顎模型を模型保持部に保持させるとともに、この上顎模型の口蓋骨水平盤と載置基準面との傾斜角を前記分析部によって特定し、この傾斜角に基づいて、前記正中線の指示状態を維持しながら前記口蓋骨水平盤と載置基準面とが略平行となるように上顎模型の保持角度を調整することにより、当該上顎模型の正中矢状面を分析印象補助具の垂直基準面に合致させることができる。
つまり、本発明では、上顎模型の口蓋骨水平盤と載置基準面とを略平行にした状態で、この載置基準面と直交する垂直基準面上に上顎模型の正中線を配置することができるので、前記口蓋骨水平盤と直交する正中矢状面と前記垂直基準面とを合致させることができる。
なお、「口蓋骨水平盤」とは、口腔の天井を構成する部分であり、一般に人体の水平方向の基準として用いられている。また、上顎模型の正中線は、切歯乳頭や、前記口骸骨水平盤上の口蓋縫合線等により特定することができる。
さらに、本発明では、バイトフォーク保持部によりバイトフォークの基準平面と前記垂直基準面とを合致させ、かつ、バイト板が載置基準面と平行となる姿勢でバイトフォークを保持することができるので、このバイトフォークと前記模型保持部に保持されている上顎模型とを近接させることにより、前記基準平面と上顎模型の正中矢状面とを合致させた歯型をバイトフォーク上に印記することができる。
前記分析部の具体的態様としては、前記分析部は、前記載置基準面と平行な面上で互いに交差する縦梁及び横梁と、これら縦梁及び横梁を前記載置基準面の法線方向に貫く複数の指示針とを備え、前記縦梁は、前記平行な面と前記垂直基準面との交線上に配置されているとともに、この交線に沿って前記横梁を相対変位自在に支持する一方、前記各指示針は、前記縦梁又は横梁に沿って、かつ、前記法線方向に沿って当該縦梁又は横梁に対して相対変位自在に構成され、一方の端末が前記上顎模型に垂下された状態における、他方の端末の前記縦梁又は横梁からの突出量に基づいて当該縦梁又は横梁から上顎模型までの距離をそれぞれ特定し、これら各指示針によって前記垂直基準面に対する上顎模型上の交線を指示するとともに前記口蓋骨水平盤の前記傾斜角を特定し得るように構成されているものを採用することができる。
この構成によれば、各指示針を前記口蓋骨水平盤上に垂下させて縦梁又は横梁から口蓋骨水平盤までの距離を特定することにより、当該口蓋骨水平盤の前記傾斜角を特定することができるとともに、各指示針を前記上顎模型の正中線上に垂下させることにより当該正中線を指示することができる。
そして、この構成では、各指示針により縦梁及び横梁から上顎模型までの距離を特定することができるので、前記バイトフォークのバイト板と上顎模型の咬合平面(上顎歯列と下顎歯列との噛み合せ面)とを略平行にした状態で、当該バイトフォーク上に歯型を印記させることができる。
すなわち、前記咬合平面を特定する一般的な方法として、主に以下のものが知られている。
1)特定の位置からの距離を用いて咬合平面を特定する方法
咬合平面は、中切歯の根尖相当部から22mm下顎側に離間した点、及び左右のハミュラーノッチからそれぞれ5〜7mm下顎側に離間した点の3点を含む平面として知られている。
なお、「根尖」とは、歯の付根部分のことであり、上顎模型では歯列を正面から見たときに歯肉が表面側に隆起した部分に基づいて特定することができる。また、「ハミュラーノッチ」とは、「鉤切痕」とも呼ばれ、上顎結節部の遠心端に存在する粘膜の窪みであり、上顎結節部の遠心端と側頭骨の翼突鉤との間に骨の隙間があるために生じるものである。
そして、前記構成では、口蓋骨水平盤を載置平面と略平行にした状態でこの上顎模型の前記中切歯の根尖相当部又はハミュラーノッチから縦梁又は横梁までの距離を特定することができるので、これらの距離が前記カンペル平面の条件を満たす割合(22:5〜7=4.4〜3.4:1)となるように、前記模型保持部に対する上顎模型の保持姿勢を調整することにより、前記載置基準面と前記咬合平面とを略平行に配置することができる。
2)HIP平面を基準として咬合平面を特定する方法
HIP平面とは、切歯乳頭の先端部と左右のハミュラーノッチとを含む平面であり、前記咬合平面と平行する面として知られている。
そのため、前記構成では、上顎模型の切歯乳頭の先端部又はハミュラーノッチから縦梁又は横梁までの距離を特定することができるので、これらの距離が同一となるように前記模型保持部に対する上顎模型の傾斜角を調整することにより、前記載置基準面と前記咬合平面とを略平行に配置することができる。
したがって、前記構成によれば、前記載置基準面と咬合平面とが略平行とされた上顎模型に対し、前記載置基準面と平行とされたバイト板を近接させることができるので、咬合平面とバイト板とを略平行とした状態で、歯型を印記することができる。
前記上部フレームは、前記分析ベースに固定されていてもよいが、前記上部フレームは、前記模型保持部の上方を開放する開放姿勢と、前記バイトフォーク保持部に保持されているバイトフォークのバイト板が前記載置基準面と平行となる印象姿勢との間で、前記載置基準面と平行する軸回りに前記分析ベースに対して揺動自在に支持されていることが好ましい。
この構成によれば、上部フレームを開放姿勢として前記模型保持部の上方を開放することにより、当該模型保持部に上顎模型を容易に保持させることができる。また、この構成では、前記上部フレームを印象姿勢とする操作に合せて、バイトフォーク保持部に保持されているバイトフォークのバイト板と上顎模型の歯列とを相密着させることにより、当該バイトフォーク上に歯型を印記させることができる。
前記模型保持部は、前記分析ベースに対して固定されていてもよいが、前記模型保持部は、前記分析ベースに対してその載置基準面の法線方向に沿って昇降自在に構成されていることが好ましい。
この構成によれば、模型保持部により保持された上顎模型を、前記法線方向に沿って昇降させることができるので、当該上顎模型と前記垂直基準面及び載置基準面との位置決めが済んだ後であっても、この位置関係を維持したまま上顎模型の上下位置を調整することができる。また、この構成では、上顎模型を前記上部フレーム側へ上昇させることができるので、この上昇動作に合せて上顎模型の歯型をバイトフォーク上に印記させることもできる。
さらに、前記模型保持部は、前記分析ベースに対して前記垂直基準面と直交する軸回りに揺動自在に構成されていることが好ましい。
この構成によれば、上顎模型の正中矢状面が前記垂直基準面に位置決めされた状態であっても、これらの位置関係を維持したまま上顎模型の保持姿勢を調整することができる。
また、本発明は、前記分析印象補助具と、前記バイト板が患者の口内に挿入された状態で当該患者の口外に配置される前記バイトフォークの露出部に着脱自在な発信部と、下顎の運動に従動するように患者に対して装着可能に構成されているとともに、前記発信部を着脱自在なクラッチと、前記発信部から出力される信号を受信可能な受信部と、この受信部を患者前頭部に装着可能な装着具と、前記バイト部を患者の上顎歯列に相密着させた状態にある前記バイトフォークに装着された前記発信部と受信部との相対位置を検出することにより当該受信部に対する上顎歯列の相対位置を特定するとともに、予め設定された下顎運動を患者に実行させた場合における前記クラッチに装着された発信部と前記受信部との相対位置の変位量を検出し、この変位量と前記上顎歯列の相対位置とに基づいて前記下顎運動の運動軸を特定する制御装置とを備えていることを特徴とする下顎運動測定装置を提供する。
この下顎運動測定装置によれば、前記分析印象補助具により採取された歯型に合せてバイトフォークを患者に装着し、このバイトフォークに発信部を取り付けることにより上顎歯列の相対位置を特定することができるので、この下顎運動測定装置により運動軸を特定する一連の作業の中で、前記上顎模型の正中矢状面、バイトフォークの基準平面、及び患者の正中矢状面の整合性を保つことができる。
さらに、本発明は、前記下顎運動測定装置と、患者から採取された上顎模型及び下顎模型を保持して、当該患者の咬合状態を再現可能な咬合器とを備えた診断支援システムであって、前記咬合器は、前記下顎模型を着脱自在に保持する保持テーブルを有するベースと、前記上顎模型を保持する上顎保持部と、この上顎保持部と前記ベースとを揺動自在に支持するとともに、前記下顎運動測定装置により特定された運動軸に応じて前記上顎保持部とベースとの運動範囲を調整可能な顎関節相当部と、前記保持テーブル上に着脱自在とされるとともに、その上部に前記バイトフォークを載置可能な取付具とを備え、この取付具は、前記咬合器に予め設定された正中基準面とバイトフォークの前記基準平面とを合致させた状態で、かつ、前記咬合器に予め設定された水平基準面に対して前記バイト板が平行となる状態で当該バイトフォークを咬合器に対して装着可能に構成されていることを特徴とする診断支援システムを提供する。
この診断支援システムによれば、前記下顎運動測定装置により特定された運動軸に基づいて咬合器上に患者の下顎運動を再現することができるだけでなく、この咬合器の正中基準面に対して前記基準平面を合致させた状態で、かつ、前記咬合器の水平基準面に対して前記バイト板が平行となる状態でバイトフォークを咬合器に装着することができるので、前記分析印象補助具によりバイト板上に印記された歯型に合せて上顎模型を上顎保持部に保持させることができ、これにより、当該上顎模型の正中矢状面と咬合器の正中基準面との整合性を高めることができる。
本発明の別の態様は、請求項7に記載の診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法であって、前記上顎模型を前記分析印象補助具の模型保持部に保持させるステップと、前記上部フレームに取り付けられた前記分析部によって前記特定された正中線が前記垂直基準面上に位置するように上顎模型の保持位置を調整するステップと、保持位置が調整された上顎模型の口蓋骨水平盤と前記載置基準面との傾斜角を前記分析部により特定し、この傾斜角に基づいて前記口蓋骨水平盤と載置基準面とが略平行となるように上顎模型の保持角度を調整するステップと、前記上部フレームから前記分析部を取り外すとともに、この上部フレームに前記バイトフォーク保持部を装着するステップと、前記バイトフォーク保持部にバイトフォークを保持させるステップと、前記模型保持部に保持されている上顎模型及び前記バイトフォーク保持部に保持されているバイトフォークの姿勢を維持しながら、バイトフォークのバイト部と前記上顎模型とを密着させることにより、当該バイトフォーク上に付着された印象材に上顎模型の歯型を印記させるステップと、前記歯型が印記されているバイトフォークを前記取付具に装着することにより、前記基準平面と正中基準面とを合致させた状態で、かつ前記水平基準面に対してバイト板が平行となる状態で前記バイトフォークを前記咬合器に装着するステップと、前記上顎模型を前記取付具に装着されたバイトフォーク上の歯型に合せて当該バイトフォーク上に載置して、その姿勢を保ちながら当該上顎模型を前記上顎保持部に保持させるステップと、前記下顎運動測定装置によって予め特定された運動軸に基づいて前記咬合器の顎関節相当部を調節するステップとを含むことを特徴とする診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法である。
この方法によれば、前記分析印象補助具を用いて上顎模型の正中矢状面と前記基準平面とを合致させた状態で、前記バイトフォーク上に歯型を印記させることができる。
そして、このバイトフォークを前記咬合器に装着し、その歯型に合せて上顎模型を咬合器に装着することにより、前記歯型の正中矢状面と上顎模型の正中矢状面とが合致する結果、当該上顎模型の正中矢状面と咬合器の正中基準面とを合致させることができる。
本発明によれば、バイトフォークの基準平面と上顎模型の正中矢状面とを合致させた歯型を採取することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る分析印象補助具を示す斜視図であり、(a)は分析部を取り外した状態、(b)は分析部を装着した状態をそれぞれ示している。図2は、本発明の実施形態に係る分析印象補助具を示す斜視図であり、(a)はバイトフォーク保持部を取り外した状態、(b)はバイトフォーク保持部を装着した状態をそれぞれ示している。図3は、図2の分析印象補助具が開放状態とされた状態を示す正面図である。図4は、図2の分析印象補助具の側面図である。
各図を参照して、分析印象補助具1は、患者の上顎歯列又は下顎歯列に密着可能なバイトフォーク2(図3参照)と組み合わせて使用される。
具体的に、前記分析印象補助具1は、略長方形板状の分析ベース3と、この分析ベース3上に立設された一対の支柱4と、これら支柱4に揺動自在に軸支された上部フレーム5と、前記分析ベース3上に設けられた模型保持部6と、前記上部フレーム5に着脱自在な分析部7(図1参照)及びバイトフォーク保持部8(図2参照)とを備えている。なお、前記分析ベース3の長手方向を仮に前後方向とし、幅方向を仮に左右方向として、以下説明する。
前記分析ベース3は、その上面が載置基準面P1(図4参照)に設定されているとともに、この分析ベース3の左右中央位置には、前記載置基準面P1と直交する垂直基準面P2(図3参照)が設定されている。
前記分析ベース3の上面には、上方へ開くとともに前後方向に延びる溝9が、左右中央位置に形成されている。この溝9は、その開口部よりも底部側の断面積が大きく設定された断面形状に形成されている。
前記各支柱4は、前記分析ベース3の前部左右両角にそれぞれ立設されている。これら支柱4の端部には、左右方向に延びる軸J1が架設され、この軸J1によって前記上部フレーム5が片持ち状に支持されている。
前記上部フレーム5は、略長方形の枠状フレーム10と、この枠状フレーム10から垂下された支持フレーム11とを備え、前記枠状フレーム10が前記分析ベース3と略平行となる姿勢で保持された印象姿勢(図1、図2及び図4参照)と、前記軸J1周りに揺動して模型保持部6の上方を開放する開放姿勢(図3参照)との間で、前記分析ベース3に対して揺動自在とされている。
前記枠状フレーム10は、前記軸J1に軸支された前方短辺部12と、この前方短辺部12の左右両端部からそれぞれ垂直に延びる側方長辺部14と、これら側方長辺部13の先端部間を前記支持フレーム11を介して連結する後方短辺部15とを備えている。
前記前方及び後方短辺部12及び15の左右中央位置には、前記支持フレーム11の延設方向と逆の方向に開くとともに、前記側方長辺部14に沿って延びる取付溝16及び17がそれぞれ形成されている。これら取付溝16及び17は、前記印象姿勢において、それぞれの底面16a及び17aが前記載置基準面P1と平行な同一面上に位置するように、各深さ寸法が設定されている。
前記各側方長辺部14の内側面には、それぞれ対向する方向へ開くとともに、各長手方向に沿って延びる摺動溝18がそれぞれ形成されている。これら摺動溝18は、前記各側方長辺部14の先端部にそれぞれ形成された切欠き19によって、前記支持フレーム11の延設方向と逆の方向にも開放されている。また、前記各側方長辺部14の表側面には、後述する横梁32の位置を特定するための目盛り14aが形成されている。
前記支持フレーム11は、前記支柱4と略同一の長さ寸法に設定され、各先端部が前記分析ベース3に当接した状態で、上部フレーム5を前記印象姿勢で保持するようになっている。
図5は、図4のV―V線断面図である。
図4及び図5を参照して、前記模型保持部6は、前記ベース3上に装着されたスライダ20と、このスライダ20に対して昇降自在な昇降部21と、この昇降部21上に設けられた保持テーブル22と、この保持テーブル22上に上顎模型M1を保持する粘着保持部材23とを備えている。
前記スライダ20は、鉤状に形成された係合部24が前記分析ベース3の溝9に係合されていることにより、上下動が規制された状態で、分析ベース3に対して前後に摺動可能とされている。また、前記スライダ20は、前記係合部24から延びて上方に開口する筒部25と、この筒部25を側方から貫くボルトN1とを有し、このボルトN1によって前記筒部25内に挿通する昇降部21の昇降ピン55を、図5の(a)に示す縮長位置から図5の(b)に示す伸張位置までの間で調整することができるようになっている。
前記昇降部21は、前記昇降ピン55の上端部に固着された担持ブロック26と、左右方向に延びる一対の軸J2とを備え、これら軸J2によって前記担持ブロック26に対して保持テーブル22を揺動自在に軸支するようになっている。
前記保持テーブル22は、前記担持ブロック26に左右両側で軸支される取付板27と、これら取付板27上に設けられた載置板28とを一体に備えている。前記取付板27には、その左右両側面に目盛り部29(図4参照)が形成され、この目盛り部29は、前記担持ブロック26の左右両側面に形成された矢指部30と協働して、前記軸J2周りにおける分析ベース3と載置板28との傾斜角を特定することができるようになっている。一方、前記載置板28の上面には、前記垂直基準面P2との交差位置に対応して見当線28a(図1参照)が形成されている。
前記粘着保持部材23は、室温で粘着性及び柔軟性を充分に有する材質により形成されたものであり、歯科業界では一般にユーティリティーワックス(utility wax)と称されているものである。前記粘着保持部材23は、前記載置板28上に設けられて、その粘着力により前記上顎模型M1をその口蓋骨水平盤S1(図8参照)が上方に開放した姿勢で保持するとともに、その柔軟性を利用して上顎模型M1の保持姿勢(傾斜)を比較的自由に調整することが可能とされている。
図6は、図1の分析部7の要部を拡大して示す正面図である。
図1及び図6を参照して、前記分析部7は、互いに交差する縦梁31及び横梁32と、これら縦梁31及び横梁32を貫く4本の指示針33とを備え、前記上部フレーム5に着脱自在とされている。
前記縦梁31は、短冊状に形成された板部材であり、その長手方向の両端部が前記取付溝16及び17の底面16a及び17a上にそれぞれ載置された状態で、前後一対のボルトN2によって前記枠状フレーム10に対し着脱自在に取り付けられるようになっている。すなわち、前記縦梁31は、前記上部フレーム5が印象姿勢とされた状態で、前記載置基準面P1と平行な面上に配置されている。
また、前記縦梁31には、その厚み方向に貫き長手方向に延びるスリット31aが幅方向中央位置に形成されているとともに、その表側面には、長手方向に沿って目盛り31bが形成されている。この目盛り31aは、前記縦梁31に対する横梁32の相対位置の確認用に設けられている。
前記横梁32は、短冊状に形成された板部材であり、その長手方向の両端部が前記切欠き19から摺動溝18内にそれぞれ挿入された状態で、前記縦梁31上に配置され、当該縦梁31の長手方向に沿って摺動自在とされている。したがって、前記横梁32は、前記上部フレーム5が前記印象姿勢とされた状態で前記載置基準面P1と平行な面上に配置されるとともに、この横梁32と前記縦梁31とは、前記平行な面上で交差している。
また、前記横梁32には、その厚み方向に貫き長手方向に延びるスリット32aが幅方向中央位置に形成されているとともに、その表側面には、長手方向に沿って目盛り32bが形成されている。この目盛り32bは、前記横梁32に対する各指示針33の相対位置の確認用に設けられている。
前記各指示針33は、前記印象姿勢とされた上部フレーム5において、前記各スリット31a又は32aに上方から挿抜自在とされている(図6の(c)参照)。以下の説明では、説明の便宜上、上部フレーム5が印象姿勢にあるものとして説明する。
具体的に、前記各指示針33は、前記縦梁31又は横梁32の表裏で対をなす固定具34と、この固定具34及び前記縦梁31又は横梁32を貫く針本体35と、この針本体35の上下位置(挿通位置)を保持する弾性部材36とを備え、前記各スリット31a又は32aに沿って摺動自在とされている。
前記固定具34は、前記縦梁31又は横梁32を貫くボルト34aと、このボルトに螺合するナット34bとを有し、これら両者の締め付けることにより前記縦梁31又は横梁32に対する指示針33の摺動位置を固定する一方、両者を緩めることにより前記摺動を許容するようになっている。
前記針本体35は、その上端部に頭部37を有し、前記スリット31a又は32aに挿通された針であり、その外表面に目盛り38が形成されている。この目盛り38は、針本体36の長手方向に沿って形成され、前記頭部37から弾性部材36までの寸法D1(図6(a)参照)を測定することができるようになっている。
前記弾性部材36は、前記固定具34の上部に配設され、弾性を有する合成樹脂等からなる円筒状の部材である。この弾性部材36は、若干押し広げられながら前記針本体36を受け入れ、その復元力によって針本体36を前記ボルト34a上で保持するようになっている。
なお、本実施形態において、前記各指示針33は、前記縦梁31及び横梁32の双方を貫く指示針33aと、この指示針33aの左右両側で前記横梁32を貫く一対の指示針33bと、前記指示針33aの前方で縦梁31を貫く指示針33cとを備えている。
前記指示針33cは、前記縦梁31上に配置されているため、図6の(b)に示す寸法D2(横梁32の厚み寸法)だけ他の指示針33a、33bよりも下方に位置することになる。そこで、前記指示針33cでは、図6の(a)に示すように、前記寸法D2の分だけ、ボルト34aが他のものよりも長く形成されている。その結果、指示針33cは、その頭部37が他のものと同じ高さ位置H1とされているとともに、その針本体36の下端部が他のもの同じ垂下位置H2とされている。
したがって、後述する模型分析の際には、各指示針33について、前記針本体36が弾性部材36から突出する寸法D1に基づいて、前記載置基準面P1と平行な面(前記高さ位置H1を含む面)から上顎模型M1までの距離を正確に測定することができる。
なお、分析部7は、前記実施形態に限定されることはなく、図6の(b)に示すように、指示針33cと他の指示針33a又は33bとを同一の構成として、測定値から前記寸法D2分だけ補正を加えるようにしてもよい。
図7は、図1のバイトフォーク保持部8の全体構成を示す斜視図である。
図2、図3、図4、及び図7を参照して、まず、バイトフォーク保持部8に保持されるバイトフォーク2の構成について説明する。
バイトフォーク2は、一端のバイト部(バイト板)39と、他端の露出部40とがブリッジ部41を介した形状で単一の金属板から打ち抜かれたものである。また、バイトフォーク2には、前記バイト部39の左右方向の中線を通り、当該バイト部39と直交する基準平面P3(図3参照)が設定されている。
前記バイト部39は、平面視でU字形に形成され、患者の上顎歯列又は下顎歯列若しくはこれら双方に密着されるようになっている。
前記露出部40は、前記バイト部39が患者の口内に挿入された状態で、当該患者の口外に配置されるように寸法設定されたブリッジ41を介して前記バイト部39に連結されている。
また、前記露出部40には、後述する発信機51(図11参照)を着脱自在な装着部42が、前記基準平面P3と交差する位置に設けられている。この装着部42は、前記露出部40を表裏に貫く3つの孔42aを有し、これら各孔42a内に発信機51の突起(図示せず)を挿入しながら、当該発信部31下面のマグネット(図示せず)と露出部40上面とを磁気的な力で吸着させることにより、上面に発信機51が装着されるようになっている。
さらに、前記露出部40及び前記ブリッジ部41には、これらを表裏に貫く一対の位置決め孔43が形成されている。これら位置決め孔43は、後述する取付具64(図15参照)の位置決めピン72、73を受け入れることにより、咬合器60(図14参照)に設定された正中基準面P4に対して前記基準平面P3を位置決めした状態で、バイトフォーク2を咬合器60に取り付けることができるように前記基準平面P3に沿って配置されている。
一方、前記バイトフォーク保持部8は、互いに交差する長線部45及び短線部46を有する略十字型の金属プレートである。
前記バイトフォーク保持部8は、その長線部45の両端部が前記取付溝16及び17の底面16a及び17a上にそれぞれ載置された状態で、これら両端部が前記ボルトN2によって前記枠状フレーム10に対し着脱自在に取り付けられるようになっている。なお、以下の説明では、その便宜上、バイトフォーク保持部8が前記印象姿勢にある上部フレーム5に装着されているものとして説明する。
前記バイトフォーク保持部8は、前記短線部46の両端部下面から垂下された左右一対の支持ピン47と、前記長線部45に前部下面から垂下された前後一対の位置決めピン48、49とを備えている。
前記各支持ピン47は、マグネット等により形成され、その磁気的な力で前記バイト部39の上面左右位置に吸着することにより、前記バイトフォーク2を保持するようになっている。
前記各位置決めピン48、49は、前記バイトフォーク2の位置決め孔43に対応して配置されている。後方の位置決めピン48は、前記各位置決め孔43に挿入可能な小径部48aを有している。一方、前方の位置決めピン49は、マグネット等により形成され、前記位置決め孔43に挿入可能な小径部49aと、大径部49bとが肩部49cを介して同軸に形成されている。そして、位置決めピン49は、その磁気的な力で前記肩部49cと前記バイトフォーク2上面とが吸着することにより、当該バイトフォーク2を保持するようになっている。
すなわち、前記バイトフォーク保持部8は、前記各小径部48a、49aにより、前記バイトフォーク2の前後及び左右位置を位置決めするとともに、前記各支持ピン47及び位置決めピン49の肩部49cにより前記バイトフォーク2を三点支持して、当該バイトフォーク2の傾きを位置決めするようになっている。これにより、保持されたバイトフォーク2はその基準平面P3が前記垂直基準面P2に略合致する(図3参照)とともに、そのバイト部39が前記載置基準面P1に対して略平行となる(図4参照)。
以下、前記分析印象補助具1を用いた歯型の印象方法について、図1及び図8を参照して説明する。
図8は、図1又は図2の分析印象補助具1を用いた歯型の印象方法を説明するための図であり、(a)は上顎模型M1の分析前の状態、(b)は上顎模型M1の正中線を指示した状態、(c)は上顎模型M1の口蓋骨水平盤S1の左右高さを測定している状態をそれぞれ示している。
上顎模型M1の歯型を印記するのに際し、まず、上顎模型M1の正中線を記す。具体的には、図8の(a)に示すように、上顎模型M1上の切歯乳頭S2や口蓋縫合線S3等のように、生体の正中と関連の深い部位として知られる個所を利用して、上顎模型M1の正中線を特定し、図8の(b)に示すように、この正中線に沿って上顎模型M1上に正中線S4を記す。
次いで、前記分析印象補助具1では、前記上部フレーム5に対して分析部7を装着し、この上部フレーム5を開放姿勢としておき、この状態で模型保持部6に対して上顎模型M1を保持させる。
具体的には、図8の(b)に示すように、上方から見る視点において、前記正中線S4と分析印象補助具1の見当線28aとが概ね合致するように、上顎模型M1を前記粘着保持部材23(図4参照)上に保持させる。
そして、前記縦梁31に沿って配置された指示針33a及び33cを垂下させて、その先端部を上顎模型M1に当接させる。このとき、両指示針33a、33cが上顎模型M1の正中線S4上に垂下されていない場合には、前記粘着保持部材23を変形させることにより上顎模型M1の姿勢を調整して、当該両指示針33a、33cが正中線S2上に乗るようにする。この位置決め作業によって、上顎模型M1の正中線S4が前記分析印象保持部1の垂直基準面P2上に配置されることになる。
次いで、図8の(c)に示すように、各指示針33bをそれぞれ上顎模型M1の口蓋骨水平盤S1(図8のハッチング部分)上に垂下させる。具体的に前記指示針33aから左右にそれぞれ12mmの距離D3だけ離間した位置に各指示針33bを垂下させる。そして、前記各指示針33a、33cが正中線S4上に垂下された状態を維持しながら、各指示針33bの上方への突出寸法D1(図6の(a)参照)が互いに等しくなるように、前記粘着保持部材23を変形させて上顎模型M1の保持姿勢を調整する。この調整によって、前記垂直基準面P2に対して上顎模型M1の正中矢状面が合致することになる。そのため、この時点において、前記各指示針33a及び33cを上顎模型M1の前面及び後面に垂下させることにより、これら両面にも前記正中矢状面に沿った正中線を記すことができる。
そして、前記操作の後、前記上顎模型M1の咬合平面を特定することになる。
図9は、図1又は図2の分析印象補助具1を用いた歯型の印象方法を説明するための図であり、(a)は咬合平面を特定している状態、(b)はHIP平面を特定している状態をそれぞれ示している。図10は、咬合平面の位置関係を示す説明図であり、(a)は歯列と咬合平面との位置関係、(b)は咬合平面とHIP平面との位置関係をそれぞれ示している。
図1、図9及び図10を参照して、前記上顎模型M1の咬合平面を特定する方法としては、主に以下2通りの方法がある。
1)特定の点に基づいて咬合平面を特定する方法
一般に、咬合平面P5は、図10の(a)に示すように、中切歯S5の根尖相当部から22mmの距離D4だけ下顎側に離間した点、及び左右のハミュラーノッチS6からそれぞれ5〜7mmの距離D5だけ下顎側に離間した点の3点を含む平面として知られている。なお、根尖とは、歯の付根部部のことであり、上顎模型M1ではその前面の歯肉が前方に隆起した部分に基づいて特定することができる。
そのため、前記咬合平面P5を特定する場合には、図9の(a)に示すように、前記両指示針33bを左右のハミュラーノッチS6に垂下させるとともに、指示針33cの先端部を前記中切歯S5の根尖相当部(上顎模型M1の前面)に垂下させ、これらの指示針33の突出寸法D1(図6参照)をそれぞれ特定する。そして、これらの寸法D1が以下の関係となるように、前記粘着保持部材23を変形させる、又は保持テーブル22を軸J2周りに揺動させる(それぞれ図4参照)ことにより上顎模型M1の保持姿勢を調整する。
(指示針33cの距離D1):(指示針33bの距離D1)=距離D4:距離D5
このように、上顎模型M1の保持姿勢を調整することにより、当該上顎模型M1の咬合平面P5が前記載置基準面P1と平行に配置されることになる。
2)HIP平面を基準として咬合平面P5を特定する方法
一般に、HIP平面P6は、図10の(b)に示すように、切歯乳頭S2の先端部と左右のハミュラーノッチS6とを含む平面であり、前記咬合平面S5と平行する面として知られている。
そのため、前記HIP平面P6を特定する場合には、図9の(b)に示すように、前記両指示針33bをハミュラーノッチS6上に垂下するとともに、前記指示針33cを切歯乳頭S2上に垂下させ、これら指示針33の前記突出寸法D1をそれぞれ特定する。そして、これらの突出寸法D1(図6参照)がそれぞれ等しくなるように、前記粘着保持部材23を変形させる、又は前記保持テーブル22を軸J2周りに揺動させる(それぞれ図4参照)ことにより上顎模型M1の保持姿勢を調整する。
前記保持姿勢の調整により、上顎模型M1のHIP平面P6が前記載置基準面P1と平行に配置されることになる。
なお、左右のハミュラーノッチS6は、上顎模型M1上で必ずしも同じ深さとなっているわけではない。そのため、前記1)及び2)の各作業を行う前に、各ハミュラーノッチS6に各指示針33bを垂下させ、これら指示針33bの前記突出寸法D1が異なる場合には、当該各寸法D1が同じ寸法となるように、ハミュラーノッチS6のうち浅い方のものを深いほうのものに合せて予め削っておくといった下準備を行う必要がある。
以上説明した方法により、分析印象補助具1の垂直基準面P2(図3参照)に対して上顎模型M1の正中矢状面が合致するとともに、分析印象補助具1の載置基準面P1に対して上顎模型M1の咬合平面P5が合致した状態で、当該上顎模型M1が保持されたことになる。
次いで、図3に示すように、前記上部フレーム5を前記開放姿勢(図3参照)に揺動し、この上部フレーム5の分析部7を前記バイトフォーク保持部8に交換する。そして、このバイトフォーク保持部8にバイトフォーク2を装着するとともに、図4に示すように、前記上部フレーム5を前記印象姿勢に揺動させることによって、このバイトフォーク2上に付着した印象材(図示せず)に上顎模型M1の歯型を印記させることができる。
なお、上部フレーム5を揺動させる際に、前記バイト部39と上顎模型M1との前後位置がずれている場合には、前記模型保持部6を分析ベース3の溝9(図1参照)に沿って前後動させることにより、位置調整を行うことができる。さらに、上部フレーム5を印象位置に揺動した際の上顎模型M1とバイトフォーク2との距離を調整する場合には、前記模型保持部6の保持テーブル22を昇降させることができる。
以上説明したように、前記分析印象補助具1によれば、前記分析部7により指示される交線と上顎模型M1の正中線S4とが合致するように上顎模型M1を模型保持部6に保持させるとともに、この上顎模型M1の口蓋骨水平盤S1と載置基準面P1との傾斜角を前記分析部7によって特定し、この傾斜角に基づいて、前記正中線S4の指示状態を維持しながら前記口蓋骨水平盤S1と載置基準面P1とが略平行となるように上後模型M1の保持角度を調整することにより、当該上顎模型M1の正中矢状面を分析印象補助具1の垂直基準面P2に合致させることができる。
つまり、本発明では、上顎模型M1の口蓋骨水平盤S1と載置基準面P1とを略平行にした状態で、この載置基準面P1と直交する垂直基準面P2上に上顎模型M1の正中線S4を配置することができるので、前記口蓋骨水平盤S1と直交する正中矢状面と前記垂直基準面P2とを合致させることができる。
さらに、前記分析印象補助具1では、バイトフォーク保持部8によりバイトフォーク2の基準平面P3と前記垂直基準面P2とを合致させ、かつ、バイト部39が載置基準面P1と平行となる姿勢でバイトフォーク2を保持することができるので、このバイトフォーク2と前記模型保持部6に保持されている上顎模型M1とを近接させることにより、前記基準平面P3と上顎模型M1の正中矢状面とを合致させた歯型をバイトフォーク2上に印記することができる。
前記分析部7が複数の指示針33を備えた構成によれば、各指示針33を前記口蓋骨水平盤S1上に垂下させて縦梁31又は横梁32から口蓋骨水平盤S1までの距離を特定することにより、当該口蓋骨水平盤S1の前記傾斜角を特定することができるとともに、各指示針33を上顎模型M1の正中線S4上に垂下させることにより当該正中線S4を指示することができる。
そして、この構成では、各指示針33により縦梁31及び横梁32から上顎模型M1までの距離を特定することができるので、前記バイトフォーク2のバイト部39と上顎模型M1の咬合平面P5とを略平行にした状態で、当該バイトフォーク2上に歯型を印記させることができる。
したがって、前記分析印象補助具1によれば、前記載置基準面P1と咬合平面P5とが略平行とされた上顎模型M1に対し、前記載置基準面P1と平行とされたバイト部39を近接させることができるので、咬合平面P5とバイト部39とを略平行とした状態で、歯型を印記することができる。
前記分析印象補助具1では、上部フレーム5が揺動自在とされている。そのため、当該上部フレーム5を開放姿勢として前記模型保持部6の上方を開放することにより、当該模型保持部6に上顎模型M1を容易に保持させることができる。また、この構成では、前記上部フレーム5を印象姿勢とする操作に合せて、バイトフォーク保持部8に保持されているバイトフォーク2のバイト部39と上顎模型M1の歯列とを相密着させることにより、当該バイトフォーク2上に歯型を印記させることができる。
さらに、前記分析印象補助具1では、前記模型保持部6が分析ベース3に対して昇降自在とされているので、上顎模型M1と載置基準面P1及び垂直基準面P2との位置決めが済んだ後であっても、この位置関係を維持したまま上顎模型M1の上下位置を調整することができる。また、この構成では、上顎模型M1を前記上部フレーム5側へ上昇させることができるので、この上昇動作に合せて上顎模型M1の歯型をバイトフォーク2上に印記させることもできる。
また、前記分析印象補助具1では、前記模型保持部6が左右方向に沿った軸周りに揺動自在とされているので、上顎模型M1の正中矢状面が前記垂直基準面P2に位置決めされた状態であっても、これらの位置関係を維持したまま上顎模型M1の保持姿勢を調整することができる。
そして、前記分析印象保持具1は、以下に説明する自動運動測定装置に好適に採用することができる。
図11は、本発明に係る下顎運動測定装置の一部を省略して示す斜視図であり、(a)は患者の上顎歯列の三次元的な位置を測定している状態、(b)は患者の下顎運動を測定している状態をそれぞれ示している。
なお、下顎運動測定装置は、カルテンバッハ ウント フォイクト ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー製の商品名ARCUS(登録商標) digmaと同様の原理を採用しているため、以下、主に当該装置の機能について説明する。
前記下顎運動測定装置50は、前記バイトフォーク2の前記露出部40に着脱自在な発信機(発信部)51と、下顎の運動に従動するように患者に対して装着可能に構成されているとともに、前記発信機51を着脱自在なクラッチ52と、前記発信機51から出力される信号を受信可能な受信機(受信部)53と、この受信機53を患者前頭部に装着可能なヘッドギア(装着具)54と、前記発信機51及び受信機53に電気的に接続された制御装置(図示せず)とを備えている。この制御装置は、予め記憶された測定ステップを記憶する記憶手段と、この測定ステップを順次実行させる入力手段とを備えている。
前記下顎運動測定装置50を用いた下顎運動の測定方法としては、まず、図5(a)に示すように、前記バイトフォーク2の露出部40に対して前記発信機51を装着し、このバイトフォーク5を患者の上顎に装着する。この状態で、前記制御装置の入力手段を操作することにより、前記発信機51から受信機53へ送信される信号に基づいて前記受信機53に対する患者の上顎歯列の三次元的な位置が測定される。
次いで、前記バイトフォーク2を患者から取り外し、図5の(b)に示すように、前記クラッチ52を患者の下顎歯列の前部に固着して、このクラッチに対して前記発信機51を装着する。そして、この状態で、前記制御装置の入力手段を操作するとともに、患者に対して予め設定された下顎運動を順次実行させることにより、この下顎運動に応じた前記発信機51と受信機53との相対的な変位量が検出され、この変位量に基づいて当該患者の下顎運動の運動軸が特定される。
具体的に、前記予め設定された下顎運動としては、図12に示す前方運動と、図13に示す側方運動とが実行される。
前記前方運動を実行させた場合には、患者の下顎骨B1の顆頭B2が下方へ緩やかに湾曲しながら前方へ向かう顆路K1に沿って移動することになるが、前記制御装置は、この顆路K1と水平面との間に形成される矢状顆路角A1を算出する。
前記側方運動の一例として左側への側方運動を実行させた場合には、図7(a)の左側の顆頭B2(以下、作業側顆頭B2と称す)が、矢印Y1に沿って若干左へ移動しながら、矢印Y2のように回転する。このとき、図7(a)の右側の顆頭B2(以下、非作業側顆頭B2と称す)は、前記作業側顆頭B2の移動に伴い前方内側へ移動する。なお、図7では、左側への側方運動を例に挙げているが、前記下顎運動測定装置50では、左右両側の側方運動を実行させる必要がある。
そして、前記制御装置は、前記非作業側顆頭B2の移動の軌跡を水平面に投影したものと矢状面(体を左右対称に切る面)との間に形成されるベネット角A2と、前記作業側顆頭B2の移動の軌跡を水平面に投影したものと前額面(前記矢状面に垂直な面)との間に形成されるシフト角A3と、前記作業側顆頭B2が矢印Y1に沿って移動するサイドシフト量A4(図7(b)参照)とを算出する。
このように、前記下顎運動測定装置50は、下顎運動の運動軸に関する矢状顆路角A1、ベネット角A2、シフト角A3及び、サイドシフト量A4のパラメータを算出することができる。
以上説明したように、前記下顎運動測定装置50によれば、前記分析印象補助具1により採取された歯型に合せてバイトフォーク2を患者に装着し、このバイトフォーク2に発信機51を取り付けることにより上顎歯列の相対位置を特定することができるので、この下顎運動測定装置50により運動軸を特定する一連の作業の中で、前記上顎模型M1の正中矢状面、バイトフォーク2の基準平面P3及び患者の正中矢状面の整合性を保つことができる。
そして、前記下顎運動測定装置50は、患者の咬合状態を外部で再現するための咬合器60と組み合わせて使用することにより、診断支援システムを構築することができる。
図14は、本発明に係る診断支援システムの咬合器60を示す斜視図であり、図15は、図14の咬合器60の取付具を示す斜視図であり、図16は、図14の咬合器60に対して取付具を利用して上顎歯型M1を装着する状態を示す斜視図である。
なお、後述する咬合器60は、例えば、特許第2633454号公報に開示されるものと同様の原理を採用したものであるため、以下、主にその機能について説明する。
前記咬合器60は、下顎模型M2を着脱自在に保持する保持テーブル65を有するベース61と、上顎模型M1を保持する上顎保持部62と、この上顎保持部62と前記ベース61とを揺動自在に支持する一対の顎関節相当部63(図14では1つ示す)と、前記保持テーブル65に着脱自在な取付具64とを備えている。
前記ベース61は、その上面に固着された保持テーブル65と、当該ベース61の端部に立設された一対の下弓66(図14及び図16では1つ示す)とを備えている。なお、以下の説明では、前記ベース61において下弓66が設けられている側を仮に後方とし、各下弓66が対向する方向を仮に左右方向として説明する。
前記保持テーブル65は、その上面に取付プレート67を着脱することが可能とされている。つまり、前記保持テーブル65と取付プレート67とは、互いに対をなす凹凸部65a及び67aを係合させて位置決めしつつ、図略のマグネットにより互いに着脱自在とされている。そして、前記取付プレート67は、図14に示すように、石膏C1等を介して下顎模型M2を保持できるようになっている。
前記各下弓66の上端部内側には、左右方向に延びる軸J4が互いに対向するように形成されている(図14及び図16では一方の軸J4を示している)。
前記上顎保持部62は、前記ベース61に対して、前記軸J4回りの揺動、左右移動及び、前後移動が可能となるように、前記各顎関節相当部63を介して前記軸J4に支持されている。つまり、前記各顎関節相当部63は、前記矢状顆路角A1(図12参照)、ベネット角A2、シフト角A3及び、サイドシフト量A4(それぞれ図13参照)に対応して前記軸J4の支持の態様を調整することができるようになっており、これにより、患者の下顎運動がベース61と上顎保持部62との相対移動により再現される。
また、前記上顎保持部62には、前記保持プレート65と同様の保持プレート68が設けられ、この保持プレート68に前記取付プレート67を着脱するようになっている。
なお、前記上顎保持部62には、図16に示す支持ピン84が当該上顎保持部62から垂下された姿勢で装着できるようになっており、この支持ピン84の下端部が前記ベース61と当接することにより、前記上顎保持部62の揺動位置が規制されるようになっている。そして、この規制位置では、前記保持プレート68の下面が後述する水平基準面P7(図14参照)と平行になるように前記上顎保持部62の姿勢が維持されることになる。
一方、前記取付具64は、前記取付プレート67と、この取付プレート67上に立設された支柱69と、この支柱69に担持された台座70とを備え、この台座70上に前記バイトフォーク2を載置するようになっている。
前記台座70は、咬合器60に設定された正中基準面P4と前記バイトフォーク2の基準平面P3とを合致させた状態で、かつ、咬合器60に設定された水平基準面P7に対して前記バイト部39が平行となる状態で前記バイトフォーク2を咬合器60に対して装着するようになっている。なお、前記正中基準面P4は、咬合器60の左右略中央位置を通り前後方向と平行となる面であり、前記水平基準面P7は、前記保持プレート65上面(前後−左右平面)と略平行となる面である。
具体的に、前記台座70は、その後部上面に立設された左右一対の支持ピン71と、これら支持ピン71よりも前方に立設された前後一対の位置決めピン72、73とを備えている。
前記各支持ピン71は、前記バイトフォーク2のバイト部39下面を左右で支持するように配置されている。
前記各位置決めピン72、73は、前記バイトフォーク2の位置決め孔43に対応して配置されている。後方の位置決めピン72は、前記各位置決め孔43に挿入可能な小径部72aを有している。一方、前方の位置決めピン73は、前記各位置決め孔43に挿入可能な小径部73aと、大径部73bとが肩部73cを介して同軸に形成されており、前記肩部73cで前記バイトフォーク2下面を支持するようになっている。
すなわち、前記台座70は、前記各小径部72a、73aにより前記取付具64に対するバイトフォーク2の前後及び左右方向を位置決めするとともに、前記各支持ピン71及び位置決めピン73の肩部73cにより前記バイトフォーク2を三点支持して、当該バイトフォーク2の傾き(本実施形態では前記台座70と略平行となる傾き)を位置決めするようになっている。これにより、前記台座70に保持されたバイトフォーク2は、その基準平面P3が前記正中基準面P4に略合致するとともに、そのバイト部39が前記水平基準面P7に対して略平行となる。
以上説明したように、前記診断支援システムによれば、前記下顎運動測定装置50により特定された運動軸に基づいて咬合器60上に患者の下顎運動を再現することできるだけでなく、この咬合器60の正中基準面に対して前記基準平面P3を合致させた状態で、かつ、前記咬合器60の水平基準面P7に対して前記バイト部39が平行となる状態でバイトフォーク2を咬合器60に装着することができるので、前記分析印象補助具1によりバイト部39上に印記された歯型に合せて上顎模型M1を上顎保持部62に保持させることができ、これにより、当該上顎模型M1の正中矢状面と咬合器60の正中基準面P4との整合性を高めることができる。
以下、前記診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法について、図17及び適宜必要な図を参照してその一例を説明する。
まず、図8の(a)に示すように、上顎模型M1の切歯乳頭S2や口蓋縫合線S3等を参考にして、図8の(b)に示すように、上顎模型M1上に正中線S4を記す(ステップS1)。
次いで、図8の(b)及び(c)に示すように、上顎模型M1の正中線S4を前記各指示針33a及び33cにより指示しながら、前記各指示針33bにより左右の傾きを特定し、この傾きを無くすように上顎模型M1の保持姿勢を調整する(ステップS2)。
この調整を行った後、図9の(a)又は(b)に示すように、上顎模型M1の咬合平面P5又はHIP平面P6と前記載置基準面P1とが平行となるように、上顎模型M1の保持姿勢を調整する(ステップS3)。
この状態で、図3に示すように、開放姿勢とされた上部フレーム5のバイトフォーク保持部8に対して前記バイトフォーク2を装着し(ステップS4)、図4に示すように、この上部フレーム5を印象姿勢として、前記バイトフォーク2上に付着された印象材(図示せず)に上顎模型M1の歯型を印記させる(ステップS5)。
次いで、このバイトフォーク2を分析印象補助具1から取り外し、採取された歯型に合せて、バイトフォーク2を患者に装着する(ステップS6)。
そして、図11の(a)に示すように、バイトフォーク2に発信機51を装着するとともに、患者の頭部にヘッドギア54を装着して、患者の上顎歯列の三次元的な位置を入力するとともに、図11の(b)に示すように、クラッチ52を利用して前記下顎運動を患者に実行させることにより、当該下顎運動の運動軸を前記下顎運動測定装置50により測定する(ステップS7)。
次いで、図14に示すように、測定された運動軸に基づいて前記咬合器60の顎関節相当部63を調整し(ステップS8)、図15に示すように、前記バイトフォーク2を咬合器60の取付具64に装着する(ステップS9)。
そして、図16に示すように、前記バイトフォーク2上の歯型に合せて咬合器60の上顎保持部62に対して石膏C1を介して上顎模型M1を装着する(ステップS10)。
以上説明したように、前記咬合状態の再現方法によれば、前記分析印象補助具1を用いて上顎模型M1の正中矢状面と前記基準平面P3とを合致させた状態で、前記バイトフォーク2上に歯型を印記させることができる。
そして、このバイトフォーク2を前記咬合器60に装着し、その歯型に合せて上顎模型M1を咬合器60に装着することにより、前記歯型の正中矢状面と上顎模型M1の正中矢状面とが合致する結果、当該上顎模型M1の正中矢状面と咬合器の正中基準面P4とを合致させることができる。
本発明の実施形態に係る分析印象補助具を示す斜視図であり、(a)は分析部を取り外した状態、(b)は分析部を装着した状態をそれぞれ示している。 本発明の実施形態に係る分析印象補助具を示す斜視図であり、(a)はバイトフォーク保持部を取り外した状態、(b)はバイトフォーク保持部を装着した状態をそれぞれ示している。 図2の分析印象補助具が開放状態とされた状態を示す正面図である。 図2の分析印象補助具の側面図である。 図4のV―V線断面図である。 図1の分析部の要部を拡大して示す正面図である。 図1のバイトフォーク保持部の全体構成を示す斜視図である。 図1又は図2の分析印象補助具を用いた歯型の印象方法を説明するための図であり、(a)は上顎模型の分析前の状態、(b)は上顎模型の正中線を指示した状態、(c)は上顎模型の口蓋骨水平盤S1の左右高さを測定している状態をそれぞれ示している。 図1又は図2の分析印象補助具を用いた歯型の印象方法を説明するための図であり、(a)は咬合平面を特定している状態、(b)はHIP平面を特定している状態をそれぞれ示している。 咬合平面の位置関係を示す説明図であり、(a)は歯列と咬合平面との位置関係、(b)は咬合平面とHIP平面との位置関係をそれぞれ示している。 本発明に係る下顎運動測定装置の一部を省略して示す斜視図であり、(a)は患者の上顎歯列の三次元的な位置を測定している状態、(b)は患者の下顎運動を測定している状態をそれぞれ示している。 下顎運動(前方運動)時における下顎骨の動作を示す概略図である。 下顎運動(側方運動)時における下顎骨の動作を示す(a)は全体概略図、(b)は一部拡大図をそれぞれ示している。 本発明に係る診断支援システムの咬合器60を示す斜視図である。 図14の咬合器60の取付具を示す斜視図である。 図14の咬合器60に対して取付具を利用して上顎歯型M1を装着する状態を示す斜視図である。 本発明に係る咬合状態の再現方法の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 分析印象補助具
2 バイトフォーク
3 分析ベース
5 上部フレーム
6 模型保持部
7 分析部
8 バイトフォーク保持部
31 縦梁
32 横梁
33 指示針
39 バイト部(バイト板)
40 露出部
50 下顎運動測定装置
51 発信機
52 クラッチ
53 受信機
54 ヘッドギア(装着具)
60 咬合器
61 ベース
62 上顎保持部
63 顎関節相当部
64 取付具
65 保持テーブル
M1 上顎模型
M2 下顎模型
P1 載置基準面
P2 垂直基準面
P3 基準平面

Claims (8)

  1. 患者の上顎歯列に密着可能なバイト板を有し、前記上顎歯列の左右中央位置に対応して前記バイト板を左右方向で略2等分する線を通るとともに当該バイト板と直交する基準平面が設定されたバイトフォークと、
    上面が載置基準面に形成されているともに、この載置基準面と直交する垂直基準面が設定された分析ベースと、
    この分析ベースの上方に設けられた上部フレームと、
    患者から予め採取された上顎模型を、その口蓋骨水平盤が上方へ開放された姿勢で、前記分析ベースと上部フレームとの間に保持する模型保持部と、
    前記上部フレームに着脱自在に構成され、前記垂直基準面に対する口骸骨水平盤上の交線を指示可能で、かつ、この交線周りにおける前記口蓋骨水平盤と前記載置基準面との傾斜角を特定可能な分析部と、
    前記上部フレームに着脱自在に構成され、前記基準平面と前記垂直基準面とを合致させ、かつ、前記バイト板が前記載置基準面と平行となる姿勢で、前記バイトフォークを保持するバイトフォーク保持部とを備え、
    前記模型保持部は、前記口蓋骨水平盤と載置基準面との傾斜角が調整可能となるように、前記上顎模型を保持し、
    前記模型保持部、バイトフォーク保持部の少なくとも一方は、これら両者に保持されている上顎模型及びバイトフォークの姿勢を維持しつつ、前記バイト部が上顎模型の歯列に密着するように、相手側の保持部に対し接離自在に構成されていることを特徴とする分析印象補助具。
  2. 前記分析部は、前記載置基準面と平行な面上で互いに交差する縦梁及び横梁と、これら縦梁及び横梁を前記載置基準面の法線方向に貫く複数の指示針とを備え、前記縦梁は、前記平行な面と前記垂直基準面との交線上に配置されているとともに、この交線に沿って前記横梁を相対変位自在に支持する一方、前記各指示針は、前記縦梁又は横梁に沿って、かつ、前記法線方向に沿って当該縦梁又は横梁に対して相対変位自在に構成され、一方の端末が前記上顎模型に垂下された状態における、他方の端末の前記縦梁又は横梁からの突出量に基づいて当該縦梁又は横梁から上顎模型までの距離をそれぞれ特定し、これら各指示針によって前記垂直基準面に対する上顎模型上の交線を指示するとともに前記口蓋骨水平盤の前記傾斜角を特定し得るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の分析印象補助具。
  3. 前記上部フレームは、前記模型保持部の上方を開放する開放姿勢と、前記バイトフォーク保持部に保持されているバイトフォークのバイト板が前記載置基準面と平行となる印象姿勢との間で、前記載置基準面と平行する軸回りに前記分析ベースに対して揺動自在に支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の分析印象補助具。
  4. 前記模型保持部は、前記分析ベースに対してその載置基準面の法線方向に沿って昇降自在に構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の分析印象補助具。
  5. 前記模型保持部は、前記分析ベースに対して前記垂直基準面と直交する軸回りに揺動自在に構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の分析印象補助具。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の分析印象補助具と、
    前記バイト板が患者の口内に挿入された状態で当該患者の口外に配置される前記バイトフォークの露出部に着脱自在な発信部と、
    下顎の運動に従動するように患者に対して装着可能に構成されているとともに、前記発信部を着脱自在なクラッチと、
    前記発信部から出力される信号を受信可能な受信部と、
    この受信部を患者前頭部に装着可能な装着具と、
    前記バイト部を患者の上顎歯列に相密着させた状態にある前記バイトフォークに装着された前記発信部と受信部との相対位置を検出することにより当該受信部に対する上顎歯列の相対位置を特定するとともに、予め設定された下顎運動を患者に実行させた場合における前記クラッチに装着された発信部と前記受信部との相対位置の変位量を検出し、この変位量と前記上顎歯列の相対位置とに基づいて前記下顎運動の運動軸を特定する制御装置とを備えていることを特徴とする下顎運動測定装置。
  7. 請求項6に記載の下顎運動測定装置と、
    患者から採取された上顎模型及び下顎模型を保持して、当該患者の咬合状態を再現可能な咬合器とを備えた診断支援システムであって、
    前記咬合器は、
    前記下顎模型を着脱自在に保持する保持テーブルを有するベースと、
    前記上顎模型を保持する上顎保持部と、
    この上顎保持部と前記ベースとを揺動自在に支持するとともに、前記下顎運動測定装置により特定された運動軸に応じて前記上顎保持部とベースとの運動範囲を調整可能な顎関節相当部と、
    前記保持テーブル上に着脱自在とされるとともに、その上部に前記バイトフォークを載置可能な取付具とを備え、
    この取付具は、前記咬合器に予め設定された正中基準面とバイトフォークの前記基準平面とを合致させた状態で、かつ、前記咬合器に予め設定された水平基準面に対して前記バイト板が平行となる状態で当該バイトフォークを咬合器に対して装着可能に構成されていることを特徴とする診断支援システム。
  8. 請求項7に記載の診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法であって、
    前記上顎模型を前記分析印象補助具の模型保持部に保持させるステップと、
    前記上部フレームに取り付けられた前記分析部によって前記特定された正中線が前記垂直基準面上に位置するように上顎模型の保持位置を調整するステップと、
    保持位置が調整された上顎模型の口蓋骨水平盤と前記載置基準面との傾斜角を前記分析部により特定し、この傾斜角に基づいて前記口蓋骨水平盤と載置基準面とが略平行となるように上顎模型の保持角度を調整するステップと、
    前記上部フレームから前記分析部を取り外すとともに、この上部フレームに前記バイトフォーク保持部を装着するステップと、
    前記バイトフォーク保持部にバイトフォークを保持させるステップと、
    前記模型保持部に保持されている上顎模型及び前記バイトフォーク保持部に保持されているバイトフォークの姿勢を維持しながら、バイトフォークのバイト部と前記上顎模型とを密着させることにより、当該バイトフォーク上に付着された印象材に上顎模型の歯型を印記させるステップと、
    前記歯型が印記されているバイトフォークを前記取付具に装着することにより、前記基準平面と正中基準面とを合致させた状態で、かつ前記水平基準面に対してバイト板が平行となる状態で前記バイトフォークを前記咬合器に装着するステップと、
    前記上顎模型を前記取付具に装着されたバイトフォーク上の歯型に合せて当該バイトフォーク上に載置して、その姿勢を保ちながら当該上顎模型を前記上顎保持部に保持させるステップと、
    前記下顎運動測定装置によって予め特定された運動軸に基づいて前記咬合器の顎関節相当部を調節するステップとを含むことを特徴とする診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2543335A3 (en) * 2011-07-06 2014-01-08 National Cheng Kung University Mounting method of dental cast
CN104771238A (zh) * 2015-02-02 2015-07-15 西安交通大学口腔医院 一种用于牙尖斜度测量的装置
WO2016021619A1 (ja) * 2014-08-04 2016-02-11 タカノ株式会社 咬合調整ロボットシステム

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