JP2006305132A - 模型分析保持具、これを備えた診断支援システム、及びこの診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法 - Google Patents

模型分析保持具、これを備えた診断支援システム、及びこの診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 患者の正中矢状面を咬合器上で精緻に再現することができる模型分析保持具、これを備えた診断支援システム、及びこの診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法を提供すること。
【解決手段】 患者の正中矢状面に対応する基準平面が設定されたバイトフォークを有する下顎運動測定装置と、基準平面と予め設定された正中基準面とを合致させた姿勢で前記バイトフォークを着脱する保持テーブルを有するとともに正中基準面と直交する水平基準面が設定された咬合器とを備えた診断支援システムに対して組み合わせて使用される模型分析保持具であって、患者から予め採取された上顎模型の正中矢状面を特定する分析具と、この分析具により特定された正中矢状面と前記正中基準面とを合致させた姿勢で上顎模型を前記保持テーブル上に保持する保持具2とを備えている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、患者から採取された顎模型を用いて診断を行うための診断支援システムに関するものである。
一般に、前記診断支援システムとしては、図20に示す下顎運動測定装置101と、図23に示す咬合器102(例えば、特許文献1参照)とを備えたものが知られている。
前記下顎運動測定装置101は、カルテンバッハ ウント フォイクト ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー製の商品名ARCUS(登録商標) digmaと同様の原理を採用しているため、以下、主に当該装置の機能について説明する。
下顎運動測定装置101は、患者の口内に挿入されるバイトフォーク103を備えている。
バイトフォーク103は、図24に示すように、一端のバイト部104と、他端の露出部105とがブリッジ部106を介した形状で単一の金属板から打ち抜かれたものである。また、バイトフォーク103には、前記バイト部104の左右方向の中線を通り、当該バイト部104と直交する基準平面P1(図24参照)が設定されている。
前記バイト部104は、平面視でU字形に形成され、患者の上顎歯列又は下顎歯列若しくはこれら双方に密着されるようになっている。
前記露出部105は、前記バイト部104が患者の口内に挿入された状態で、当該患者の口外に配置されるように寸法設定されたブリッジ106を介して前記バイト部104に連結されている。
また、前記露出部105には、後述する発信機109(図20参照)を着脱自在な装着部107が、前記基準平面P1と交差する位置に設けられている。この装着部107は、前記露出部105を表裏に貫く3つの孔107aを有し、これら各孔107a内に発信機109の突起(図示せず)を挿入しながら、当該発信部109下面のマグネット(図示せず)と露出部105上面とを磁気的な力で吸着させることにより、上面に発信機109が装着されるようになっている。
さらに、前記露出部105及び前記ブリッジ部106には、これらを表裏に貫く一対の位置決め孔108が形成されている。これら位置決め孔108は、後述する取付具117の位置決めピン125、126を受け入れることにより、咬合器102(図23参照)に設定された正中基準面P2に対して前記基準平面P1を位置決めした状態で、バイトフォーク103を咬合器102に取り付けることができるように前記基準平面P1に沿って配置されている。
そして、前記下顎運動測定装置101は、図20に示すように、前記バイトフォーク103の前記露出部105に着脱自在な発信機109と、下顎の運動に従動するように患者に対して装着可能に構成されているとともに、前記発信機109を着脱自在なクラッチ110と、前記発信機109から出力される信号を受信可能な受信機111と、この受信機111を患者前頭部に装着可能なヘッドギア112と、前記発信機109及び受信機111に電気的に接続された制御装置(図示せず)とを備えている。この制御装置は、予め記憶された測定ステップを記憶する記憶手段と、この測定ステップを順次実行させる入力手段とを備えている。
前記下顎運動測定装置101を用いた下顎運動の測定方法としては、まず、図20(a)に示すように、前記バイトフォーク103の装着部107に対して前記発信機109を装着し、このバイトフォーク103を患者の上顎に装着する。具体的には、バイトフォーク103のバイト部104上に印象材を付着させることにより、この印象材上に患者の上顎の歯型を印記させながら、この印象材の粘着力を利用してバイトフォーク103を患者の上顎歯列に保持させる。この状態で、前記制御装置の入力手段を操作することにより、前記発信機109から受信機111へ送信される信号に基づいて前記受信機111に対する患者の上顎歯列の三次元的な位置が測定される。
次いで、前記バイトフォーク103を患者から取り外し、図20の(b)に示すように、前記クラッチ110を患者の下顎歯列の前部に固着して、このクラッチ110に対して前記発信機109を装着する。そして、この状態で、前記制御装置の入力手段を操作するとともに、患者に対して予め設定された下顎運動を順次実行させることにより、この下顎運動に応じた前記発信機109と受信機111との相対的な変位量が検出され、この変位量に基づいて当該患者の下顎運動の運動軸が特定される。
具体的に、前記予め設定された下顎運動としては、図21に示す前方運動と、図22に示す側方運動とが実行される。
前記前方運動を実行させた場合には、患者の下顎骨B1の顆頭B2が下方へ緩やかに湾曲しながら前方へ向かう顆路K1に沿って移動することになるが、前記制御装置は、この顆路K1と水平面との間に形成される矢状顆路角A1を算出する。
前記側方運動の一例として左側への側方運動を実行させた場合には、図22(a)の左側の顆頭B2(以下、作業側顆頭B2と称す)が、矢印Y1に沿って若干左へ移動しながら、矢印Y2のように回転する。このとき、図22(a)の右側の顆頭B2(以下、非作業側顆頭B2と称す)は、前記作業側顆頭B2の移動に伴い前方内側へ移動する。なお、図22では、左側への側方運動を例に挙げているが、前記下顎運動測定装置101では、左右両側の側方運動を実行させる必要がある。
そして、前記制御装置は、前記非作業側顆頭B2の移動の軌跡を水平面に投影したものと矢状面(体を左右対称に切る面)との間に形成されるベネット角A2と、前記作業側顆頭B2の移動の軌跡を水平面に投影したものと前額面(前記矢状面に垂直な面)との間に形成されるシフト角A3と、前記作業側顆頭B2が矢印Y1に沿って移動するサイドシフト量A4(図20(b)参照)とを算出する。
このように、前記下顎運動測定装置101は、下顎運動の運動軸に関する矢状顆路角A1、ベネット角A2、シフト角A3及び、サイドシフト量A4のパラメータを算出することができる。
一方、咬合器102は、図23〜図25に示すように、下顎模型M2を着脱自在に保持する保持テーブル113を有するベース114と、上顎模型M1を保持する上顎保持部115と、この上顎保持部115と前記ベース114とを揺動自在に支持する一対の顎関節相当部116(図23及び図25では1つ示す)と、前記保持テーブル113に着脱自在な取付具117とを備えている。
前記ベース114は、その上面に固着された保持テーブル113と、当該ベース114の端部に立設された一対の下弓118(図23及び図25では1つ示す)とを備えている。なお、以下の説明では、前記ベース114において下弓118が設けられている側を仮に後方とし、各下弓114が対向する方向を仮に左右方向として説明する。
前記保持テーブル113は、その上面に取付プレート119を着脱することが可能とされている。つまり、前記保持テーブル113と取付プレート119とは、互いに対をなす凹凸部113a及び119aを係合させて位置決めしつつ、図略のマグネットにより互いに着脱自在とされている。そして、前記取付プレート119は、図23に示すように、石膏C1等を介して下顎模型M2を保持できるようになっている。
前記各下弓118の上端部内側には、左右方向に延びる軸J1が互いに対向するように形成されている(図23及び図25では一方の軸J1を示している)。
前記上顎保持部115は、前記ベース114に対して、前記軸J1回りの揺動、左右移動及び、前後移動が可能となるように、前記各顎関節相当部116を介して前記軸J1に支持されている。つまり、前記各顎関節相当部116は、前記矢状顆路角A1(図21参照)、ベネット角A2、シフト角A3及び、サイドシフト量A4(それぞれ図22参照)に対応して前記軸J1の支持の態様を調整することができるようになっており、これにより、患者の下顎運動がベース114と上顎保持部115との相対移動により再現される。
また、前記上顎保持部115には、前記保持テーブル113と同様の保持テーブル120が設けられ、この保持テーブル120に前記取付プレート119を着脱するようになっている。
なお、前記上顎保持部115には、図25に示す支持ピン121が当該上顎保持部115から垂下された姿勢で装着できるようになっており、この支持ピン121の下端部が前記ベース114と当接することにより、前記上顎保持部115の揺動位置が規制されるようになっている。そして、この規制位置では、前記保持テーブル120の下面が後述する水平基準面P3(図23参照)と平行になるように前記上顎保持部115の姿勢が維持されることになる。
一方、前記取付具117は、前記取付プレート119と、この取付プレート119上に立設された支柱122と、この支柱122に担持された台座123とを備え、この台座123上に前記バイトフォーク103を載置するようになっている。
前記台座123は、患者の正中矢状面P4(患者の身体を左右に2等分する面:図20参照)に対応して咬合器102に設定された正中基準面P2(図23参照)と前記バイトフォーク103の基準平面P1とを合致させた状態で、かつ、咬合器102に設定された水平基準面P3に対して前記バイト部104が平行となる状態で前記バイトフォーク103を咬合器102に対して装着するようになっている。なお、前記正中基準面P2は、咬合器102の左右略中央位置を通り前後方向と平行となる面であり、前記水平基準面P3は、前記保持テーブル113上面(前後−左右平面)と略平行となる面である。
具体的に、前記台座123は、その後部上面に立設された左右一対の支持ピン124と、これら支持ピン124よりも前方に立設された前後一対の位置決めピン125、126とを備えている。
前記各支持ピン124は、前記バイトフォーク103のバイト部104下面を左右で支持するように配置されている。
前記各位置決めピン125、126は、前記バイトフォーク103の位置決め孔108に対応して配置されている。後方の位置決めピン125は、前記各位置決め孔108に挿入可能な小径部125aを有している。一方、前方の位置決めピン126は、前記各位置決め孔108に挿入可能な小径部126aと、大径部126bとが肩部126cを介して同軸に形成されており、前記肩部126cで前記バイトフォーク103下面を支持するようになっている。
すなわち、前記台座123は、前記各小径部125a、126aにより前記取付具117に対するバイトフォーク103の前後及び左右方向を位置決めするとともに、前記各支持ピン124及び位置決めピン126の肩部126cにより前記バイトフォーク103を三点支持して、当該バイトフォーク103の傾き(本実施形態では前記台座123と略平行となる傾き)を位置決めするようになっている。これにより、前記台座123に保持されたバイトフォーク103は、その基準平面P1が前記正中基準面P2(図23参照)に略合致するとともに、そのバイト部104が前記水平基準面P3に対して略平行となる。
前記診断支援システム101によれば、前記咬合器102の正中基準面P2に対して前記基準平面P1を合致させた状態で、かつ、前記咬合器102の水平基準面P3に対して前記バイト部104が平行となる状態でバイトフォーク103を咬合器102に装着することができるので、図25に示すように、前記バイト部104上に印記された歯型に合せて上顎模型M1を石膏C1等を介して上顎保持部115に保持させることができる。さらに、前記下顎運動測定装置101により特定された運動軸に基づいて顎関節相当部116を調整することにより、咬合器102上に患者の下顎運動を再現することできる。
特許第2633454号公報
しかしながら、前記診断支援システムでは、下顎運動測定装置101による運動軸の特定時に患者の歯型をバイトフォーク103上に印記し、この歯型に合せて上顎模型M1を咬合器102に装着するようにしているので、患者の正中矢状面P4(図20参照)と咬合器102の正中基準面P2(図23参照)との整合性をもたせることができなかった。
すなわち、前記バイトフォーク103は、その基準平面P1が咬合器102の正中基準面P2に対して位置決めされるものの、この基準平面P1が患者の正中矢状面P4に対して位置決めされることなく歯型を印記するようにしているので、この歯型に合せて上顎模型M1を咬合器102に装着したところで、当該上顎模型M1の正中矢状面(すなわち、患者の正中矢状面P4)と咬合器102の正中基準面P2とを位置決めすることができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、患者の正中矢状面を咬合器上で精緻に再現することができる模型分析保持具、これを備えた診断支援システム、及びこの診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、患者の正中矢状面に対応する基準平面が設定されたバイトフォークを有する下顎運動測定装置と、前記基準平面と予め設定された正中基準面とを合致させた姿勢で前記バイトフォークを着脱する保持テーブルを有するとともに前記正中基準面と直交する水平基準面が設定された咬合器とを備えた診断支援システムに対して組み合わせて使用される模型分析保持具であって、患者から予め採取された上顎模型の正中矢状面を特定する分析具と、この分析具により特定された正中矢状面と前記正中基準面とを合致させた姿勢で上顎模型を前記保持テーブル上に保持する保持具とを備え、前記分析具は、上面が載置基準面に形成されているとともに、この載置基準面と直交する垂直基準面が設定された分析ベースと、この分析ベースの上方に設けられた上部フレームと、前記上顎模型を、その口蓋骨水平盤が上方へ開放された姿勢で、前記分析ベースと上部フレームとの間に保持する模型保持部と、前記上部フレームに設けられ、前記垂直基準面に対する上顎模型上の交線を指示可能で、かつ、この交線周りにおける前記口蓋骨水平盤と前記載置基準面との傾斜角を特定可能な分析部とを備え、前記模型保持部は、前記口蓋骨水平盤と載置基準面との前記傾斜角が調整可能となるように上顎模型を保持するとともに、前記分析部は、前記模型保持部に保持されている上顎模型の表面について、前記交線を挟んで載置基準面と平行な共通の平面上にある2の支持対象個所を特定可能とされている一方、前記保持具は、前記保持テーブルに対して着脱自在な取付部と、この取付部上に担持され、前記上顎模型を載置可能な載置テーブルとを備え、この載置テーブルは、前記取付部が保持テーブルに装着された状態で、前記分析部により特定された交線を前記正中基準面上で支持するとともに、前記分析部により特定された各支持対象個所を前記水平基準面と平行な面上に支持するように構成されていることを特徴とする模型分析保持具を提供する。
本発明によれば、分析部により指示される交線と上顎模型の正中線とが合致するように上顎模型を模型保持部に保持させるとともに、この上顎模型の口蓋骨水平盤と載置基準面との傾斜角を前記分析部によって特定し、この傾斜角に基づいて、前記正中線の指示状態を維持しながら前記口骸骨水平盤と載置基準面とが略平行となるように上顎模型の姿勢を調整することにより、当該上顎模型の正中矢状面を分析具の垂直基準面に合致させることができる。
つまり、前記分析部では、上顎模型の口蓋骨水平盤と載置基準面とを略平行にした状態で、この載置基準面と直交する垂直基準面上に上顎模型の正中線を配置することができるので、前記口蓋骨水平盤と略直交する正中矢状面と前記垂直基準面とを合致させることができる。
なお、「口蓋骨水平盤」とは、図5の符号S1に示すように、口腔の天井を構成する部分であり、一般に人体の水平方向の基準として用いられ、人体の正中矢状面(図20の符号P4参照)と略直交しているものとして知られている。また、上顎模型の正中線は、切歯乳頭(図5の符号S2参照)や、前記口骸骨水平盤上の口蓋縫合線(図5の符号S3参照)等により特定することができる。
さらに、本発明では、前記分析部により前記交線を挟んで載置基準面と平行な共通の平面上にある2の支持対象個所を特定することができるので、前記正中矢状面と垂直基準面とが合致した姿勢で模型保持部に保持されている上顎模型について、前記正中矢状面を挟んで口蓋骨水平盤と略平行な面上にある2の支持対象個所を特定することができる。
そして、前記保持具は、前記分析部により特定された交線(上顎模型上の正中線)及びこの交線の両側の各支持対象個所を支持することにより、上顎模型を載置テーブル上に載置することができるので、上顎模型の正中線を咬合器の正中基準面上に配置しながら、この正中線周りの上顎模型の傾きを、各支持対象個所を水平基準面と平行な面上で支持することにより、口蓋骨水平盤と水平基準面とが平行となるように保持することができる。
したがって、本発明の模型分析保持部を利用することにより、咬合器の正中基準面に対して上顎模型の正中矢状面を精緻に合致させた状態で、上顎模型を咬合器に装着することができる。
前記模型分析保持具において、前記分析部は、前記載置基準面と平行な面上で互いに交差する縦梁及び横梁と、これら縦梁及び横梁を前記載置基準面の法線方向に貫く複数の指示針とを備え、前記縦梁は、前記平行な面と前記垂直基準面との交線上に配置されているとともに、この交線に沿って前記横梁を相対変位自在に支持する一方、前記各指示針は、前記縦梁又は横梁に沿って、かつ、前記法線方向に沿って当該縦梁又は横梁に対して相対変位自在に構成され、一方の端末が前記上顎模型に垂下された状態における、他方の端末の前記縦梁又は横梁からの突出量に基づいて当該縦梁又は横梁から上顎模型までの距離をそれぞれ特定し、これら各指示針によって前記垂直基準面に対する上顎模型上の交線を指示するとともに前記口蓋骨水平盤の前記傾斜角を特定し得るように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、各指示針を上顎模型の口蓋骨水平盤上に垂下させて縦梁又は横梁から口蓋骨水平盤までの距離を特定することにより、当該口蓋骨水平盤の前記傾斜角を特定することができるとともに、各指示針を前記上顎模型の正中線上に垂下させることにより当該正中線を指示することができる。
さらに、この分析具では、各指示針により縦梁及び横梁から上顎模型までの距離を特定することができるので、前記載置基準面と平行な共通の面上にある各支持対象個所を容易に特定することができる。
前記模型分析保持具において、前記載置テーブルは、前記取付部が咬合器の保持テーブルに装着された状態において、前記水平基準面と平行となる上面を有する載置板と、この載置板と前記正中基準面との交線に沿って当該載置板上に立設された一対の正中指示針と、前記載置板上に設けられ前記各支持対象個所を支持する共通の支持部とを備え、前記両正中指示針によって上顎模型の正中線を指示するとともに、一方の正中指示針と前記支持部の上端部で上顎模型を支持することが好ましい。
この構成によれば、両正中指示針によって上顎模型の正中線を指示するようにしているので、この保持具上の上顎模型の正中線を咬合器の正中基準面上に配置することができる。
さらに、一方の正中指示針と支持部とによって上顎模型の正中線上の1個所と前記各支持対象個所とを含む3個所で上顎模型を支持することができるので、前記分析具によって特定された傾斜角に応じた姿勢で、上顎模型を保持することができる。したがって、前記分析具により上顎模型の口蓋骨水平盤と載置基準面とが平行とされた状態で特定された各支持対象個所を前記支持部によって支持させるようにすれば、前記正中線周りの上顎模型の傾斜角が適切とされた姿勢、すなわち、咬合器の正中基準面に対して正中矢状面を合致させた姿勢で、上顎模型を咬合器に保持させることができる。
前記模型分析保持具において、前記各正中指示針及び支持部は、前記載置板上で当該載置板に対して個別に昇降自在とされていることが好ましい。
この構成によれば、上顎模型の咬合平面(上顎歯列と下顎歯列との噛み合せ面:図11の符号P7参照)と、咬合器の水平基準面とをさらに位置決めした状態で、上顎模型を咬合器に装着することができる。
すなわち、前記咬合平面を特定する一般的な方法として、主に以下のものが知られている。
1)特定の位置からの距離を用いて咬合平面を特定する方法
咬合平面は、中切歯(図11の(a)の符号S8参照)の根尖相当部から22mm下顎側に離間した点、及び左右のハミュラーノッチからそれぞれ5〜7mm下顎側に離間した点の3点を含む平面として知られている。
なお、「根尖」とは、歯の付根部分のことであり、上顎模型では歯列を正面から見たときに歯肉が表面側に隆起した部分に基づいて特定することができる。また、「ハミュラーノッチ」とは、「鉤切痕」とも呼ばれ、図11の符号S7に示すように、上顎結節部の遠心端に存在する粘膜の窪みであり、上顎結節部の遠心端と側頭骨の翼突鉤との間に骨の隙間があるために生じるものである。
そして、前記構成では、前記各正中指示針より上顎模型を支持させるとともに前記支持部により左右のハミュラーノッチを支持させながら、この上顎模型の根尖相当部から載置板の上面までの距離が22mm、上顎模型の両ハミュラーノッチから載置板の上面までの距離が5〜7mmとなるように各正中指示針及び支持部を昇降させることにより、当該上顎模型の咬合平面を、前記載置板の上面、すなわち、咬合器の水平基準面に対して略平行に位置決めすることができる。
2)HIP平面を基準として咬合平面を特定する方法
HIP平面とは、図11の符号P8に示すように、切歯乳頭(図11の符号S2参照)の先端部と左右のハミュラーノッチ(図11の符号S7参照)とを含む平面であり、前記咬合平面と平行する面として知られている。
そのため、前記構成では、概ね正中線上に位置する切歯乳頭を一方の正中指示針により支持させた状態で、この正中指示針の支持位置(先端位置)と前記指示部による両ハミュラーノッチの支持位置とが前記載置板の上面から等距離となるように、各正中指示針及び支持部を昇降させることにより、上顎模型の咬合平面と載置板の上面、すなわち、咬合器の水平基準面とを略平行に位置決めすることができる。
したがって、前記構成によれば、正中矢状面だけでなく、咬合平面をも咬合器に対して位置決めした状態で、上顎模型を咬合器に装着することができる。
前記模型分析保持具において、前記保持具は、前記載置板の上面に沿って配置される基準端面が形成された光透過性を有する透明プレートをさらに備え、この透明プレートの表面には、前記基準端面と直交する方向に延びる基準線と、この基準線と平行する複数の目盛り線とが設けられ、これら目盛り線は、前記基準線を対称軸として当該基準線の両側に線対称に配置され、前記基準線とその両側の目盛り線との間の距離が等しくされているとともに、これらの距離と互いに隣り合う各目盛り線同士の間の距離とは、隣り合う距離との間で黄金比の関係となり、かつ、前記基準線から離間したものほど小さくなるように設定されていることが好ましい。
この構成によれば、前記載置板上に保持されている上顎歯型について、その歯冠の大きさの良否を確認することができる。
すなわち、上顎模型を正面から見る視点(以下、正面観と称す)において、歯冠の大きさは、正中線から両側に黄金比率に排列されていることが最も美しいとされている。そのため、前記透明プレートの基準端面を載置板上に載置するとともに、正面観においてその基準線を上顎模型の正中線に概ね沿わせ、この基準線の両側に黄金比率に排列された各目盛り線と上顎模型の各歯冠とを比較することにより当該歯冠の大きさのバランスを確認することができる。
前記模型分析保持具において、前記保持具は、前記載置板の上面に沿って配置される基準端面が形成された光透過性を有する透明プレートをさらに備え、この透明プレートの表面には、前記基準端面と直交する方向に延びる基準線と、この基準線を対称軸として当該基準線の両側に線対称に配置された複数の目盛り線が設けられ、前記載置板上に保持されている上顎模型を正面から見る視点において、前記基準端面が載置板上に配置された透明プレートの前記基準線が上顎模型の正中線に位置決めされた場合に、前記各目盛り線は、それぞれ上顎模型の各歯列の切縁略中央位置を個別に通るようにそれぞれ離間して形成されているとともに、前記基準端面から離間するにしたがい前記基準線から離間するように、当該基準線に対して予め設定された角度で傾斜して形成されていることが好ましい。
この構成によれば、前記載置板上に保持されている上顎模型の正面観において、正面歯冠軸の傾斜角が適切であるか否かを確認することができる。ここで、正面歯冠軸とは、歯の切縁(図18の(b)の符号S10参照)の略中央部と歯根側の凹湾(図18の(b)の符号S11参照)とを通る線のことである。そして、前記正面観において前記正面歯冠軸と正中線との傾斜角が、例えば、中切歯、側切歯、犬歯の順に、3°、5°、8°である場合に、当該歯列が美しく見えることが知られている。
すなわち、前記構成によれば、前記基準線の両側にある各3本の目盛り部を、当該基準線に対し、例えば、3°、5°、8°の傾斜角に設定することにより、当該各目盛り部と上顎模型の正面歯冠軸との相対的な角度のずれを確認することができる。
前記模型分析保持具において、前記保持具は、前記載置板上に敷設されるプレートをさらに備え、このプレートには、その表面に曲率半径の異なる複数の円弧線が設けられているとともに、当該プレートを表裏に貫き前記正中指示針を挿抜可能な長孔が形成され、前記各円弧線は、前記プレート上の共通の直線上にそれぞれの頂点及び中心が並べて配置され、前記長孔は、前記共通の直線に沿って延びて当該直線上で前記正中指示針を摺動自在に挿通することが好ましい。
この構成によれば、前記載置板上に保持されている上顎模型を上方から見る視点(以下、咬合面観と称す)において、当該上顎模型の歯列の輪郭を結ぶ曲線(facial cusp line:以下、輪郭曲線と称す)が理想的なものであるか否かを確認することができる。
すなわち、前記咬合面観における上顎模型の前記輪郭曲線が所定の曲率半径の円弧に沿っている場合に、その歯列が美しいものであるとして知られているので、前記載置板に対し長孔に沿ってプレートをスライドさせて、当該プレートに形成された各円弧線のうち、上顎模型の輪郭曲線に近いものを適宜選択するとともに、この円弧線と輪郭曲線とを比較することにより、この上顎模型の輪郭曲線が理想的なものであるか否かを確認することができる。
また、前記構成によれば、技工士等が上顎模型に基づいて補綴後の歯列を計画する場合等に、所望の円弧線を選択して、この円弧線に歯列を近づけるための補綴物を製作するといった、いわゆる目標として使用することもできる。
前記模型分析保持具において、前記保持具は、角度スケールをさらに備え、この角度スケールは、互いに扇形に形成された目盛りプレート及び計測プレートと、これら両プレートをその略中心位置でその法線方向に貫く揺動軸とを備え、この揺動軸周りに前記両プレートが相互に揺動自在とされており、前記目盛りプレートには、その円弧の周縁部に沿って角度目盛りが形成され、この角度目盛りは、目盛りプレートの一の半径端面を基準端面として前記載置板上に載置した状態で、前記計測プレートの一方の半径端面を計測端面として測定対象物に合せて傾斜させた場合における他方の半径端面の位置に基づいて、前記計測端面と載置板の上面との間の角度及び、前記計測端面と載置板の上面に対する法線との間の角度を表示することができるように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、前記載置板の上面に対する法線と計測端面との間の角度を計測することができるので、前記載置板上に保持されている上顎模型の正面観において、前記正面歯冠軸に合せて計測プレートの計測端面を傾斜させることにより、載置板の上面に対する法線(すなわち、正面観における上顎模型の正中線)に対する正面歯冠軸の傾斜角を測定することができる。
また、前記載置板の上面と咬合平面とを平行とした状態で上顎模型が保持されている場合には、当該上顎模型を側面から見る視点(以下、側面観と称す)において、側面歯冠軸の傾斜角が適切であるか否かを確認することができる。ここで、側面歯冠軸とは、歯の切縁(図18の(c)の符号S10参照)と唇面歯頸部(図18の(c)の符号S15参照)とを通る線のことであり、側面歯冠軸の傾斜角とは、側面歯冠軸と咬合平面とのなす角度のことである。
すなわち、前記構成によれば、前記載置板の上面と計測端面との間の角度を計測することができるので、前記載置板の上面と咬合平面とが平行とされた姿勢で保持された上顎模型について、前記側面歯冠軸の傾斜角を測定することができる。
また、本発明の別の態様は、前記模型分析保持具と、患者の下顎運動の運動軸を測定する下顎運動測定装置と、患者の咬合状態を再現する咬合器とを備えた診断支援システムであって、前記下顎運動測定装置は、患者の歯列に密着可能なバイト板を有し、患者の正中矢状面に対応して前記バイト板を左右方向で略2等分する線を通るとともに当該バイト板と直交する基準平面が設定されたバイトフォークと、前記バイト板が患者の口内に挿入された状態で当該患者の口外に配置される前記バイトフォークの露出部に着脱自在な発信部と、下顎の運動に従動するように患者に対して装着可能に構成されているとともに、前記発信部を着脱自在なクラッチと、前記発信部から出力される信号を受信可能な受信部と、この受信部を患者前頭部に装着可能な装着具と、前記バイト部を患者の上顎歯列に相密着させた状態にある前記バイトフォークに装着された前記発信部と受信部との相対位置を検出することにより当該受信部に対する上顎歯列の相対位置を特定するとともに、予め設定された下顎運動を患者に実行させた場合における前記クラッチに装着された発信部と前記受信部との相対位置の変位量を検出し、この変位量と前記上顎歯列の相対位置とに基づいて前記下顎運動の運動軸を特定する制御装置とを備えている一方、前記咬合器は、患者から予め採取された下顎模型を着脱自在に保持する保持テーブルを有するベースと、患者から予め採取された上顎模型を保持する上顎保持部と、この上顎保持部と前記ベースとを揺動自在に支持するとともに、前記下顎運動測定装置により特定された運動軸に応じて前記上顎保持部とベースとの運動範囲を調整可能な顎関節相当部と、前記保持テーブル上に着脱自在とされるとともに、その上部に前記バイトフォークを載置可能な取付具とを備え、この取付具は、前記患者の正中矢状面に対応して咬合器に予め設定された正中基準面とバイトフォークの前記基準平面とを合致させた状態で、かつ、前記咬合器に予め設定された水平基準面に対して前記バイト板が平行となる状態で当該バイトフォークを咬合器に対して装着可能に構成されていることを特徴とする診断支援システムである。
本発明に係る診断支援システムによれば、下顎運動測定装置による運動軸の測定から咬合器による咬合状態の再現までの一連の作業において、患者の正中矢状面の整合性を保つことができる。
すなわち、前記診断支援システムでは、前記模型分析保持具によって上顎模型の正中矢状面(患者の正中矢状面)と咬合器の正中基準面とを合致させた姿勢で、上顎模型を咬合器に対して装着することができる。
そして、この咬合器では、取付具によってバイトフォークの基準平面を咬合器の正中基準面に合致させた状態で、バイトフォークを咬合器に対して取り付けることができる。したがって、このバイトフォークのバイト板上に印象材を付着させておけば、前記模型分析保持具によって装着された上顎模型の歯型を、当該咬合器に位置決めされたバイトフォーク上に印記させることができ、これにより、印記された上顎歯型の正中矢状面(患者の正中矢状面)とバイトフォークの基準平面とを合致させることができる。
さらに、印記された上顎歯型と患者の歯列とを位置決めして、バイトフォークを患者に装着し、下顎運動測定装置により当該患者の下顎運動の運動軸を測定することができるので、ここで測定された運動軸は、患者の正中矢状面が精緻に再現された状態で測定されたものとなる。
したがって、本発明に係る診断支援システムによれば、前記のように測定された運動軸に基づいて咬合器の顎関節相当部を調整することにより、当該咬合器上に患者の正中矢状面が忠実に再現された咬合状態を再現することができる。
さらに、本発明の別の態様は、前記診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法であって、前記上顎模型について、その正中線を特定するステップと、前記分析具により前記各支持対象個所を特定するステップと、前記正中線及び各支持対象個所を支持させながら、前記保持具上に上顎模型を載置するステップと、前記保持テーブルに装着された前記保持具上の上顎模型を咬合器の上顎保持部に対して保持させるステップと、前記バイト板上に印象材が付着された前記バイトフォークを、前記取付具に装着するステップと、前記保持テーブルに装着された前記取付具上のバイトフォークのバイト板に対して前記上顎保持部に装着された上顎模型の歯型を印記させるステップと、印記された歯型に合せて前記バイトフォークを患者に装着した状態において前記下顎運動測定装置により予め測定された運動軸に基づいて、前記咬合器の顎関節相当部を調整するステップとを含むことを特徴とする診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法である。
本発明に係る診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法によれば、下顎運動測定装置による運動軸の測定から咬合器による咬合状態の再現までの一連の作業において、患者の正中矢状面の整合性を保つことができる。
すなわち、前記再現方法では、前記模型分析保持具によって上顎模型の正中矢状面(患者の正中矢状面)と咬合器の正中基準面とを合致させた姿勢で、上顎模型を咬合器に対して装着することができる。
そして、この咬合器では、取付具によってバイトフォークの基準平面を咬合器の正中基準面に合致させた状態で、バイトフォークを咬合器に対して取り付けることができる。したがって、このバイトフォークのバイト板上に付着された印象材に対して前記上顎模型の歯型を印記させることにより、当該咬合器に位置決めされたバイトフォーク上に、同じく咬合器に位置決めされた上顎模型の歯型を印記させることができ、これにより、印記された上顎模型の正中矢状面(患者の正中矢状面)とバイトフォークの基準平面とを合致させることができる。
さらに、印記された上顎の歯型と患者の歯列とを位置決めして、バイトフォークを患者に装着した状態で、下顎運動測定装置により当該患者の下顎運動の運動軸を測定することができるので、ここで測定された運動軸は、患者の正中矢状面が精緻に再現された状態で測定されたものとなる。
したがって、本発明に係る診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法によれば、前記のように測定された運動軸に基づいて咬合器の顎関節相当部を調整することにより、当該咬合器上に患者の正中矢状面が忠実に再現された咬合状態を再現することができる。
本発明によれば、咬合器の正中基準面に対して上顎模型の正中矢状面を精緻に合致させた状態で、上顎模型を咬合器に装着することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
本発明に係る診断支援システムは、図20に示す下顎運動測定装置101と、図24に示す咬合器102と、これら下顎運動測定装置101及び咬合器102と組み合わせて使用される模型分析保持具とを備えている。なお、前記下顎運動測定装置101及び咬合器102は、前述したものと同様の構成を有するものであるため、以下の説明では同一の符号を付してその説明を省略する。
模型分析保持具は、図1に示す分析具1と、図7に示す保持具2とを備えている。
図1は、本発明の実施形態に係る模型分析保持具の分析具1を示す斜視図である。図2は、図1の分析具1の側面一部断面図である。
各図を参照して、分析具1は、略長方形板状の分析ベース3と、この分析ベース3上に立設された一対の支柱4と、これら支柱4に揺動自在に軸支された上部フレーム5と、前記分析ベース3上に設けられた模型保持部6と、前記上部フレーム5に設けられた分析部7とを備えている。なお、前記分析ベース3の長手方向を仮に前後方向とし、幅方向を仮に左右方向として、以下説明する。
前記分析ベース3は、その上面が載置基準面P5(図2参照)に設定されているとともに、この分析ベース3の左右中央位置には、前記載置基準面P5と直交する垂直基準面P6(図1参照)が設定されている。
前記分析ベース3の上面には、上方へ開くとともに前後方向に延びる溝8が、左右中央位置に形成されている。この溝8は、その開口部よりも底部側の断面積が大きく設定された断面形状に形成されている。
前記各支柱4は、前記分析ベース3の前部左右両角にそれぞれ立設されている。これら支柱4の端部には、左右方向に延びる軸J2が架設され、この軸J2によって前記上部フレーム5が片持ち状に支持されている。
前記上部フレーム5は、略長方形の枠状フレーム9と、この枠状フレーム9から垂下された支持フレーム10とを備え、前記枠状フレーム9が前記分析ベース3と略平行となる姿勢で保持された閉鎖姿勢(図1、図2の姿勢)と、前記軸J2周りに上方へ揺動して模型保持部6の上方を開放する開放姿勢(図示せず)との間で、前記分析ベース3に対して揺動自在とされている。
前記枠状フレーム9は、前記軸J2に軸支された前方短辺部11と、この前方短辺部11の左右両端部からそれぞれ垂直に延びる側方長辺部12と、これら側方長辺部12の先端部間を前記支持フレーム10を介して連結する後方短辺部14とを備えている。
前記前方及び後方短辺部11及び14の左右中央位置には、前記支持フレーム10の延設方向と逆の方向に開くとともに、前記側方長辺部12に沿って延びる取付溝15及び16がそれぞれ形成されている。これら取付溝15及び16は、前記閉鎖姿勢において、それぞれの底面15a及び16aが前記載置基準面P5と平行な同一面上に位置するように、各深さ寸法が設定されている。
前記各側方長辺部12の内側面には、それぞれ対向する方向へ開くとともに、各長手方向に沿って延びる摺動溝17がそれぞれ形成されている。また、前記各側方長辺部12の表側面には、後述する横梁31の位置を特定するための目盛り12aが形成されている。
前記支持フレーム10は、前記支柱4と略同一の長さ寸法に設定され、各先端部が前記分析ベース3に当接した状態で、上部フレーム5を前記閉鎖姿勢で保持するようになっている。
図3は、図2の模型保持部6のIII―III線断面図であり、(a)は縮長状態、(b)伸張状態をそれぞれ示している。
図2及び図3を参照して、前記模型保持部6は、前記ベース3上に装着されたスライダ18と、このスライダ18に対して昇降自在な昇降部19と、この昇降部19上に設けられた保持板20と、この保持板20上に上顎模型M1を保持する粘着保持部材21とを備えている。
前記スライダ18は、鉤状に形成された係合部22が前記分析ベース3の溝8に係合されていることにより、上下動が規制された状態で、分析ベース3に対して前後に摺動可能とされている。また、前記スライダ18は、前記係合部22から延びて上方に開口する筒部23と、この筒部23を側方から貫くボルトN1とを有し、このボルトN1によって前記筒部23内に挿通する昇降部19の昇降ピン24を、図3の(a)に示す縮長位置から図3の(b)に示す伸張位置までの間で調整することができるようになっている。
前記昇降部19は、前記昇降ピン24の上端部に固着された担持ブロック25と、左右方向に延びる一対の軸J3とを備え、これら軸J3によって前記担持ブロック25に対して保持板20を揺動自在に軸支するようになっている。
前記保持板20は、前記担持ブロック25に左右両側で軸支される取付板26と、これら取付板26上に設けられた載置板27とを一体に備えている。前記取付板26には、その左右両側面に目盛り部28(図2参照)が形成され、この目盛り部28は、前記担持ブロック25の左右両側面に形成された矢指部29と協働して、前記軸J3周りにおける分析ベース3と載置板27との傾斜角を特定することができるようになっている。一方、前記載置板27の上面には、前記垂直基準面P6との交差位置に対応して見当線27a(図1参照)が形成されている。
前記粘着保持部材21は、室温で粘着性及び柔軟性を充分に有する材質により形成されたものであり、歯科業界では一般にユーティリティーワックス(utility wax)と称されているものである。前記粘着保持部材21は、前記載置板27上に設けられて、その粘着力により前記上顎模型M1をその口蓋骨水平盤S1(図5参照)が上方に開放した姿勢で保持するとともに、その柔軟性を利用して上顎模型M1の保持姿勢(傾斜)を比較的自由に調整することが可能とされている。
図4は、図1の分析部7の要部を拡大して示す正面図である。
図1、図2及び図4を参照して、前記分析部7は、互いに交差する縦梁30及び横梁31と、これら縦梁30及び横梁31を貫く4本の指示針32とを備え、前記上部フレーム5に着脱自在とされている。
前記縦梁30は、短冊状に形成された板部材であり、その長手方向の両端部が前記取付溝15及び16の底面15a及び16a上にそれぞれ載置された状態で、前後一対のボルトN2によって前記枠状フレーム9に対し着脱自在に取り付けられるようになっている。すなわち、前記縦梁30は、前記上部フレーム5が閉鎖姿勢とされた状態で、前記載置基準面P5と平行な面上に配置されている。
また、前記縦梁30には、その厚み方向に貫き長手方向に延びるスリット30aが幅方向中央位置に形成されているとともに、その表側面には、長手方向に沿って目盛り30bが形成されている。この目盛り30bは、前記縦梁30に対する横梁31の相対位置の確認用に設けられている。
前記横梁31は、短冊状に形成された板部材であり、その長手方向の両端部が前記摺動溝17内にそれぞれ挿入された状態で、前記縦梁30上に配置され、当該縦梁30の長手方向に沿って摺動自在とされている。したがって、前記横梁31は、前記上部フレーム5が前記閉鎖姿勢とされた状態で前記載置基準面P5と平行な面上に配置されるとともに、この横梁31と前記縦梁30とは、前記平行な面上で交差している。
また、前記横梁31には、その厚み方向に貫き長手方向に延びるスリット31aが幅方向中央位置に形成されているとともに、その表側面には、長手方向に沿って目盛り31bが形成されている。この目盛り31bは、前記横梁31に対する各指示針32の相対位置の確認用に設けられている。
前記各指示針32は、前記閉鎖姿勢とされた上部フレーム5において、前記各スリット30a又は31aに上方から挿抜自在とされている(図4の(c)参照)。以下の説明では、説明の便宜上、上部フレーム5が閉鎖姿勢にあるものとして説明する。
具体的に、前記各指示針32は、前記縦梁30又は横梁31の表裏で対をなす固定具33と、この固定具33及び前記縦梁30又は横梁31を貫く針本体34と、この針本体34の上下位置(挿通位置)を保持する弾性部材35とを備え、前記各スリット30a又は31aに沿って摺動自在とされている。
前記固定具33は、前記縦梁30又は横梁31を貫くボルト33aと、このボルトに螺合するナット33bとを有し、これら両者を締め付けることにより前記縦梁30又は横梁31に対する指示針32の摺動位置を固定する一方、両者を緩めることにより前記摺動を許容するようになっている。
前記針本体34は、その上端部に頭部36を有し、前記スリット30a又は31aに挿通された針であり、その外表面に目盛り37が形成されている。この目盛り37は、針本体34の長手方向に沿って形成され、前記頭部36から弾性部材35までの寸法D1(図4(a)参照)を測定することができるようになっている。
前記弾性部材35は、前記固定具33の上部に配設され、弾性を有する合成樹脂等からなる円筒状の部材である。この弾性部材35は、若干押し広げられながら前記針本体34を受け入れ、その復元力によって針本体34を前記ボルト33a上で保持するようになっている。
なお、本実施形態において、前記各指示針32は、前記縦梁30及び横梁31の双方を貫く指示針32aと、この指示針32aの左右両側で前記横梁31を貫く一対の指示針32bと、前記指示針32aの前方で縦梁30を貫く指示針32cとを備えている。
前記指示針32cは、前記縦梁30上に配置されているため、図4の(b)に示す寸法D2(横梁31の厚み寸法)だけ他の指示針32a、32bよりも下方に位置することになる。そこで、前記指示針32cでは、図4の(a)に示すように、前記寸法D2の分だけ、ボルト33aが他のものよりも長く形成されている。その結果、指示針32cは、その頭部36が他のものと同じ高さ位置H1とされているとともに、その針本体34の下端部が他のもの同じ垂下位置H2とされている。
したがって、後述する模型分析の際には、各指示針32について、前記針本体34が弾性部材35から突出する寸法D1に基づいて、前記載置基準面P5と平行な面(前記高さ位置H1を含む面)から上顎模型M1までの距離を正確に測定することができる。
なお、分析部7は、前記実施形態に限定されることはなく、図4の(b)に示すように、指示針32cと他の指示針32a又は33bとを同一の構成として、測定値から前記寸法D2分だけ補正を加えるようにしてもよい。
以下、前記分析具1を用いた上顎模型M1の分析方法について、図1及び図5を参照して説明する。
図5は、図1又は図2の分析具1を用いた上顎模型M1の分析方法を説明するための図であり、(a)は上顎模型M1の分析前の状態、(b)は上顎模型M1の正中線を指示した状態、(c)は上顎模型M1の口蓋骨水平盤S1の左右高さを測定している状態をそれぞれ示している。
上顎模型M1の歯型を印記するのに際し、まず、上顎模型M1の正中線を記す。具体的には、図5の(a)に示すように、上顎模型M1上の切歯乳頭S2や口蓋縫合線S3等のように、生体の正中と関連の深い部位として知られる個所を利用して、上顎模型M1の正中線を特定し、図5の(b)に示すように、この正中線に沿って上顎模型M1上に正中線S4を記す。
次いで、前記上部フレーム5を開放姿勢とした状態で模型保持部6に対して上顎模型M1を保持させる。
具体的には、図5の(b)に示すように、上方から見る視点において、前記正中線S4と分析具1の見当線27a(図1参照)とが概ね合致するように、上顎模型M1を前記粘着保持部材21(図2参照)上に保持させる。
そして、前記縦梁30に沿って配置された指示針32a及び32cを垂下させて、その先端部を上顎模型M1に当接させる。このとき、両指示針32a、32cが上顎模型M1の正中線S4上に垂下されていない場合には、前記粘着保持部材21を変形させることにより上顎模型M1の姿勢を調整して、当該両指示針32a、32cが正中線S4上に乗るようにする。この位置決め作業によって、上顎模型M1の正中線S4が前記分析部1の垂直基準面P6上に配置されることになる。
次いで、図5の(c)に示すように、各指示針32bをそれぞれ上顎模型M1の口蓋骨水平盤S1(図5のハッチング部分)上に垂下させる。具体的に前記指示針32aから左右にそれぞれ12mmの距離D3だけ離間した位置に各指示針32bを垂下させる。そして、前記各指示針32a、32cが正中線S4上に垂下された状態を維持しながら、各指示針32bの上方への突出寸法D1(図4の(a)参照)が互いに等しくなるように、前記粘着保持部材21を変形させて上顎模型M1の保持姿勢を調整する。この調整によって、前記垂直基準面P6に対して上顎模型M1の正中矢状面が合致することになる。そのため、この時点において、前記各指示針32a及び32cを上顎模型M1の前面及び後面に垂下させることにより、これら両面にも前記正中矢状面に沿った正中線を記すことができる。
そして、前記操作の後、前記上顎模型M1を後述する保持具2に保持させるための支持点を形成する作業を行う。
図6は、図1又は図2の分析具1を用いた上顎模型M1の支持点の形成方法を説明するための図であり、(a)はハミュラーノッチの高さを比較している状態、(b)は上顎模型M1のハミュラーノッチを削って支持点を形成した状態をそれぞれ示している。
なお、以下の方法により形成される支持点は、正中線S4上にある正中支持点S5と、前記正中線S4の両側で前記口蓋骨水平盤S1と平行な面上にある2の左右支持部S6とを特定することを目的として形成される。すなわち、3の支持点S5、S6を特定することによって、前記上顎模型M1の正中矢状面と垂直な面(つまり、各支持点S5、S6の3個所を含む平面)を特定することができる。
具体的には、まず、図6の(a)に示すように、前記上顎模型M1の正中線S4上で、かつ、切歯乳頭S2の先端部に、深さ0.3mm程度の凹部を形成し、これを正中支持点S5とする。このとき、前記正中線S4から切歯乳頭S2が位置ずれしている場合には、当該切歯乳頭S2先端部を通る左右線と前記正中線S4とが交差する位置に前記正中支持点S5を形成する。
次いで、同図に示すように、前記各支持針32bをそれぞれ上顎模型M1の左右のハミュラーノッチS7の最深部に垂下させ、これら指示針32bの寸法D1(図4の(a)参照)に基づいて、両ハミュラーノッチS7の最深部までの距離を測定する。ここで、両ハミュラーノッチS7までの距離がそれぞれ等しい場合には、図6の(b)に示すように、これらハミュラーノッチS7の最深部に深さ約0.3mmで左右方向に延びる溝部をそれぞれ形成し、これらを左右支持部S6とする。
一方、両ハミュラーノッチS7最深部までの距離がそれぞれ異なる場合には、図6の(b)に示すように、前記寸法D1の小さい方のハミュラーノッチS7に合せて寸法D1の大きい方のハミュラーノッチS7の表面を削り取り、この削り取った部分の底部及びもう一方のハミュラーノッチS7の最深部に、図6の(b)に示すように、深さ約0.3mmで左右方向に延びる溝部をそれぞれ形成し、これらを左右支持部S6とする。
図7は、本発明の実施形態に係る保持具2を示す斜視図である。図8は、図7の保持具2の取付プレート38、支柱39及び載置テーブル40の連結状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は正面断面図、(c)は(b)の載置テーブル40が傾斜した状態をそれぞれ示している。
図7及び図8を参照して、保持具2は、前記上顎模型M1に形成された正中支持点S5及び左右支持部S6を支持するようになっている。具体的に、前記保持具2は、図23に示す前記咬合器102の保持テーブル113に着脱される取付プレート(取付部)38と、この取付プレート38上に立設された支柱39と、この支柱39に担持された載置テーブル40とを備えている。
取付プレート38は、前記咬合器102に装着される取付具117の取付プレート119(図23参照)と略同一の構成であるので、当該取付プレート119と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
前記取付プレート38は、その上面に立設された筒部41と、この筒部41を側方から貫くボルトN3とを備え、このボルトN3によって前記筒部41内に挿通する支柱39の摺動ピン42を、図8の(b)に示す縮長位置から図8の(c)に示す伸張位置までの間で調整することが可能とされている。
支柱39は、円柱状の前記摺動ピン42と、この摺動ピン42の上部に連結された昇降ブロック43と、この昇降ブロック43を側方から貫くボルトN4とを備えている。前記摺動ピン42には、図8の(a)に示すように、前記筒部41からの突出量の測定用の目盛り42aが形成されている。前記昇降ブロック43は、上方へ開口する球状凹部45を上部に備え、この球状凹部45内に挿入された載置テーブル40の支軸46に形成された球状端部46aを受け入れて、図8の(c)に示すように、球状端部46aの球面に沿って揺動可能となるように前記支軸46を支持するようになっている。前記ボルトN4は、前記球状端部46aに対して側面から当接することにより、前記支軸46の揺動位置を固定するようになっている。
図9は、図7の載置板47のIX−IX線断面図である。
図7及び図9を参照して、載置テーブル40は、前記支軸46と、この支軸46上に固着された載置板47と、この載置板47に設けられた一対の正中指示針48及び支持部49とを備え、前記支柱39に対して予め設定された基準揺動姿勢(図7の姿勢)とされた場合に、載置板47の上面と前記取付プレート38とが平行に配置されるようになっている。すなわち、前記基準揺動姿勢とされた保持具2を前記咬合器102(図23参照)に装着することにより、前記載置板47の上面が前記水平基準面P3に対して平行となる。
前記載置板47は、略等脚台形状の金属板である。この載置板47には、各底辺47a及び47bの中点からそれぞれ内側へ延びるとともに表裏に貫通するスリット50及び51が形成されている。これらスリット50及び51は、載置板47が前記基準揺動姿勢で前記咬合器102(図23参照)に装着された場合に、当該咬合器102の正中基準面P2上に配置されるようになっている。また、前記スリット50及び51の両側面には、当該スリット50及び51に沿って延びるとともに互いに対向する方向へ開く摺動溝52及び53がそれぞれ形成されている。
前記各正中指示針48は、前記各スリット50又は51を個別に介して前記載置板47を表裏に貫くように配設され、当該各スリット50又は51に沿って載置板47に対して摺動自在とされている。
具体的に、各正中指示針48は、前記スリット50又は51を跨いで前記両摺動溝52又は両摺動溝53にそれぞれ挿入されるスライダ54と、これらスライダ54のそれぞれを上下に貫く針本体55と、これら針本体55外周に形成されたねじ部55aにそれぞれ螺合するナット56とをそれぞれ備えている。
前記スライダ54は、前記摺動溝52又は53内で摺動可能となる厚み寸法に設定されているとともに、その厚み方向に貫通して前記針本体55のねじ部55aと螺合する雌ねじ部(図示せず)を備えている。
前記針本体55は、前記スライダ54に対する螺合位置を調整することにより前記載置板47からの突出量を調整し得るようになっている。
前記ナット56は、前記載置板47(スライダ54)の下方で、前記針本体55に対して螺合されている。このナット56は、使用者により前記針本体55に対して上方へ締め上げられることにより、当該針本体55と螺合している前記スライダ54との距離が狭められる結果、ナット56とスライダ54との間に載置板47が挟持されることにより前記針本体55の摺動位置を固定するようになっている。
一方、前記支持部49は、前記各正中指示針48の間でスリット51に沿って摺動するようになっている。
具体的に、前記支持部49は、前記スライダ54及びナット56と、これらを貫通するとともに前記スリット51を介して前記載置板47を表裏に貫くボルト57と、このボルト57の上端部に装着された支持バー58とを備えている。
前記ボルト57は、その先端部がフラットとされている点を除き、前記針本体55と同様の構成とされている。
前記支持バー58は、平面視でオーム字状に形成された支持板59と、この支持板59の円弧頂点部分に形成された円筒状の軸受部60とを一体に備えた金属部材である。
支持板59は、短冊状の金属板が適所で折り返されたものであり、略半円形に湾曲された円弧部59aと、この円弧部59aの両端部から外側に折り返された一対のフラット部59bとを備え、これらフラット部59bは、平面視で同一直線上に配置されている(図14の(b)参照)。
軸受部60は、その底部60aによって上端部が閉塞された円筒状の部材であり、その内腔部60bで前記ボルト57の上端部を空回り可能な状態で受け入れるようになっている。したがって、前記ボルト57を螺合させて昇降させた場合には、この昇降動作に応じて軸受部60も空回りしながら載置板47上で昇降させることができ、これにより、前記支持板59をその回転姿勢を保持させながら載置板47上で昇降させることが可能とされている。
そして、図9に示すように、前記各針本体55の全長寸法D4と、ボルト57の下端部から前記軸受部60の上端部(前記底部60a)までの寸法D5とは、予め設定された同一の寸法に設定されている。そのため、使用者は、各針本体55及びボルト57について前記載置板47から下方に突出する寸法を測定することにより、当該各針本体55及びボルト57の載置板47上方への突出寸法を特定することができる。
次に、前記保持具2に対して上顎模型M1を保持させる方法について説明する。
図10は、図7の保持具2上に上顎模型M1を保持させた状態を示す側面図であり、(a)は中切歯の根尖相当部に基づいて咬合平面を位置決めする場合、(b)はHIP平面に基づいて咬合平面を位置決めする場合をそれぞれ示している。
図6、図7及び図10を参照して、前記保持具2に対しては、上顎模型M1に形成された正中支持点S5及び左右支持部S6を支持させる。
具体的に、スリット50に挿通する針本体55の上端部に上顎模型M1の正中支持点S5を支持させるとともに、スリット51に挿通する針本体55の上端部で前記上顎模型M1の後面に記された正中線を指示させることにより、上顎模型M1の正中線を両針本体55上に指示する。
さらに、この状態で前記支持板59の両フラット部59b上に左右支持部S6をそれぞれ支持させる。これにより、前記針本体55による支持と相俟って、上顎模型M1を正中支持点S5及び両左右支持部S6の3点で支持することができる。
このように、正中線が両針本体55上に指示されながら各支持点S5及びS6で支持された上顎模型M1は、その正中矢状面が前記載置板47の上面と直交する姿勢で保持されることになる。そのため、載置テーブル40を前記基準揺動姿勢(図7の姿勢)とした上で、この保持具2を咬合器102(図23参照)に装着することにより、この保持具2に保持された上顎模型M1の正中矢状面と咬合器102の正中基準面P2とが合致することになる。
さらに、前記保持具2では、上顎模型M1の咬合平面と前記載置板47とを位置決めすることもできる。
図11は、咬合平面の位置関係を示す模式図であり、(a)はハミュラーノッチS7及び中切歯根尖相当部と咬合平面との関係、(b)はHIP平面と咬合平面との関係をそれぞれ示している。
図10及び図11を参照して、前記上顎模型M1の咬合平面を特定する方法としては、主に以下2通りの方法がある。
1)特定の点に基づいて咬合平面を位置決めする方法
一般に、咬合平面P7は、図11の(a)に示すように、中切歯S8の根尖相当部から22mmの距離D6だけ下顎側に離間した点、及び左右のハミュラーノッチS7からそれぞれ5〜7mmの距離D7だけ下顎側に離間した点の3点を含む平面として知られている。なお、根尖とは、歯の付根部分のことであり、上顎模型M1ではその前面の歯肉が前方に隆起した部分に基づいて特定することができる。
そのため、前記咬合平面P7を載置板47に位置決めする場合には、図10の(a)に示すように、上顎模型M1の中切歯S8の根尖相当部から載置板47上面までの距離D8が約27mm、上顎模型M1のハミュラーノッチS7から載置板47上面までの距離D9が約12mmとなるように各針本体55又はボルト57の突出寸法を調整する。
この調整により、上顎模型M1の咬合平面P7を、載置板47の上面から5mm上方位置で当該載置板47上面と平行に配置することができる。なお、前記距離D8が約22mm、距離D9が約7mmとなるように各針本体55又はボルト57の突出寸法を調整すれば、前記載置板47の上面と上顎模型M1の咬合平面P7とを合致させることもできる。
なお、図10の(a)では、各距離D8及びD9に対してそれぞれ約5mm加算した例について説明したが、5mmに限られず同一寸法(数mm)加算して上顎模型M1の咬合平面P7を載置板47よりも上方に配置することにより、当該載置板47から上顎模型M1を若干浮かせた状態で保持させることもできる。
2)HIP平面を基準として咬合平面P7を位置決めする方法
一般に、HIP平面P8は、図11の(b)に示すように、切歯乳頭S2の先端部と左右のハミュラーノッチS7とを含む平面であり、前記咬合平面P7と平行する面として知られている。
そのため、前記HIP平面P8を特定する場合には、図10の(b)に示すように、前記正中支持点S5を支持する針本体55の上端部から載置板47上面までの距離D10と、左右支持部S6を支持するフラット部59bの上端部から載置板47上面までの距離D11とが等しくなるように、針本体55及びボルト57の突出寸法を調整する。
この調整により、図11の(b)に示すHIP平面P8と図10の(b)に示す載置板47の上面とが平行となり、その結果、この載置板47上面と上顎模型M1の咬合平面P7とを平行に配置することができる。
したがって、前記保持具2は、咬合平面P7を載置板47の上面と合致させた状態、又は咬合平面P7を載置板47の上面に対して平行とした状態で上顎模型M1を保持することができるので、この保持具2を前記基準揺動姿勢とした上で、咬合器102(図23参照)に装着することにより、上顎模型M1の咬合平面P7と咬合器102の水平基準面P3とを平行に配置した姿勢で、当該咬合器102に対して上顎模型M1を装着することができる。
以上説明したように、前記模型分析保持具によれば、図1、図2及び図5に示すように、分析部7により指示される交線と上顎模型M1の正中線S4とが合致するように上顎模型M1を模型保持部6に保持させるとともに、この上顎模型M1の口蓋骨水平盤S1と載置基準面P5との傾斜角を前記分析部7によって特定し、この傾斜角に基づいて、前記正中線S4の指示状態を維持しながら前記口蓋骨水平盤S1と載置基準面P5とが略平行となるように上顎模型M1の姿勢を調整することにより、当該上顎模型M1の正中矢状面P4(図20参照)を分析具1の垂直基準面P6に合致させることができる。
つまり、前記分析部7では、上顎模型M1の口蓋骨水平盤S1と載置基準面P5とを略平行にした状態で、この載置基準面P5と直交する垂直基準面P6上に上顎模型M1の正中線S4を配置することができるので、前記口蓋骨水平盤S1と直交する正中矢状面P4(図20参照)と前記垂直基準面P6とを合致させることができる。
図1、図2及び図6を参照して、さらに、前記模型分析保持具では、前記分析部7により前記交線(正中線S4)を挟んで載置基準面P5と平行な共通の平面上にある2の左右支持部S6を特定することができるので、前記正中矢状面P4(図20参照)と垂直基準面P6とが合致した姿勢で模型保持部6に保持されている上顎模型M1について、前記正中矢状面P4を挟んで口蓋骨水平盤S1と略平行な面上にある2つの左右支持部S6を特定することができる。
そして、前記保持具2は、図6、図10及び図23に示すように、前記分析具1により特定された交線(上顎模型M1の正中線S4)及びこの交線の両側の各左右支持部S6を支持することにより、上顎模型M1を載置テーブル40上に載置することができるので、上顎模型M1の正中線S4を咬合器102の正中基準面P2上に配置しながら、この正中線S4周りの上顎模型M1の傾斜姿勢を、各左右支持部S6を水平基準面P3と平行な面上で支持することにより、口蓋骨水平盤S1と水平基準面P3とが平行となるように保持することができる。
したがって、前記模型分析保持具を利用することにより、咬合器102の正中基準面P2に対して上顎模型M1の正中矢状面P4(図20参照)を精緻に合致させた状態で、上顎模型M1を咬合器102に装着することができる。
また、前記実施形態の分析具1によれば、図1、図2及び図5に示すように、各指示針32を上顎模型M1の口蓋骨水平盤S1上に垂下させて縦梁30又は横梁31から口蓋骨水平盤S1までの距離を特定することにより、当該口蓋骨水平盤S1の前記傾斜角を特定することができるとともに、各指示針32を前記上顎模型M1の正中線S4上に垂下させることにより当該正中線S4を指示することができる。
さらに、この分析具1では、各指示針32により縦梁30及び横梁31から上顎模型M1までの距離を特定することができるので、前記載置基準面P5と平行な共通の面上にある各左右支持部S6(図6参照)を容易に特定することができる。
一方、前記実施形態の保持具2によれば、図6、図7及び図23に示すように、両正中指示針48によって上顎模型M1の正中線S4を指示するようにしているので、この保持具2上の上顎模型M1の正中線S4を咬合器102の正中基準面P2上に配置することができる。
さらに、一方の正中指示針48と支持部49とによって上顎模型M1の正中線S4上の1個所と前記各左右支持部S6の3個所で上顎模型M1を支持することができるので、前記分析具1によって特定された傾斜角に応じた姿勢で、上顎模型M1を保持することができる。したがって、前記分析具1により上顎模型M1の口蓋骨水平盤S1と載置基準面P5(図2参照)とが平行とされた状態で特定された各左右支持部S6を前記支持部49によって支持させるようにすれば、前記正中線S4周りの上顎模型M1の傾斜角が適切とされた姿勢、すなわち、咬合器102の正中基準面P2に対して正中矢状面(図20参照)を合致させた姿勢で、上顎模型M1を咬合器に保持させることができる。
前記実施形態の保持具2のように、各正中指示針48及び支持部49を前記載置板47に対して昇降自在とした構成によれば、図9〜図11及び図23に示すように、上顎模型M1の咬合平面P7と、咬合器102の水平基準面P3とをさらに位置決めした状態で、上顎模型M1を咬合器102に装着することができる。
そして、前記模型分析保持具と、図20に示す下顎運動測定装置101と、図23に示す咬合器102とを備えた診断支援システムによれば、下顎運動測定装置101による運動軸の測定から咬合器102による咬合状態の再現までの一連の作業において、患者の正中矢状面S4の整合性を保つことができる。
すなわち、前記診断支援システムでは、前記模型分析保持具によって上顎模型M1の正中矢状面(患者の正中矢状面P4)と咬合器102の正中基準面P2とを合致させた姿勢で、上顎模型M1を咬合器102に対して装着することができる。
そして、この咬合器102では、図24に示す取付具117によってバイトフォーク103の基準平面P1を咬合器102の正中基準面P2(図23参照)に合致させた状態で、バイトフォーク103を咬合器102に対して取り付けることができる。したがって、このバイトフォーク103のバイト部104上に印象材を付着させておけば、前記模型分析保持具によって装着された上顎模型M1の歯型を、当該咬合器102に位置決めされたバイトフォーク103上に印記させることができる。これにより、印記された上顎模型M1の正中矢状面(患者の正中矢状面P4)とバイトフォーク103の基準平面P1とを合致させることができる。
さらに、印記された上顎模型M1と患者の歯列とを位置決めして、バイトフォーク103を患者に装着し、下顎運動測定装置101により当該患者の下顎運動の運動軸を測定することができるので、ここで測定された運動軸は、患者の正中矢状面P4が精緻に再現された状態で測定されたものとなる。
したがって、前記診断支援システムによれば、前記のように測定された運動軸に基づいて咬合器102の顎関節相当部116を調整することにより、当該咬合器102上に患者の正中矢状面P4が忠実に再現された咬合状態を再現することができる。
ところで、前記のように上顎模型M1を載置板47に位置決めしながら保持することができる前記保持具2については、各種測定用のスケールを組み合わせて使用することができる。
図12は、図7に示す保持具2に組み合わせて使用されるスケールの平面図であり、(a)は黄金比スケール、(b)は歯冠軸見当スケール、(c)はアーチラインスケールをそれぞれ示している。図13は、図7に示す保持具2に組み合わせて使用される歯冠軸測定スケールの平面図である。
図12の(a)に示す黄金比スケール61は、光透過性を有する合成樹脂等の矩形プレート(透明プレート)62を備えている。この矩形プレート62の表面には、一方の長辺(基準端面)62aと直交する方向に延びる基準線63と、この基準線63と平行する複数の目盛り線64が形成されている。
前記各目盛り線64は、前記基準線63を対称軸として当該基準線63の両側に線対称に配置され、前記基準線63とその両側の目盛り線64との間の距離D12(図12では8.5mm)が等しくされている。そして、この距離D12と互いに隣り合う各目盛り線64同士の間の距離D13、距離D14とは、隣り合う距離との間で黄金比の関係となり、かつ、前記基準線63から離間したものほど小さくなるように設定されている。
すなわち、本実施形態の黄金比スケール61では、距離D12は8.5mm、距離D13は8.5/1.618mm、距離D14は8.5/1.6182mmとされている。なお、黄金比の基準となる前記距離D12については、患者ごとに、例えば、7.5mm、8.0mm、9.0mm、9.5mmとすることもできる。
さらに、矩形プレート62には、前記基準線63及び各目盛り線64に沿って当該矩形プレート62を表裏に貫く長孔65と、前記針本体55(図7参照)を挿通可能な孔66が形成されている。
前記黄金比スケール61は、図14の(a)に示すように、その長辺62aを前記載置板47の上面に沿って配置して使用することにより、その歯冠の大きさの良否を確認することができる。
すなわち、図18の(a)に示すように、上顎模型M1を正面から見る視点(以下、正面観と称す)において、歯冠の幅A〜Fは、正中線から両側に黄金比率に排列されていること、すなわち、A:B:C:D:E:F・・・=1:1/1.618:1/1.6182:1/1.6183:1/1.6184:1/1.16185・・・が最も美しいとされている。そのため、図14の(a)に示すように、前記黄金比スケール61の長辺62aを載置板47上に載置するとともに、正面観においてその基準線63を上顎模型M1の正中線に概ね沿わせ、この基準線63の両側に黄金比率に排列された目盛り線64と上顎模型M1の各歯冠とを比較することにより当該歯冠の大きさのバランスを確認することができる。
また、前記黄金比スケール61は、図14の(b)に示すように、前記孔66に針本体55を挿通させるとともに、その基準線63を前記スリット50に沿わせた状態で載置板47上に敷設することにより、前記各長孔65を介して載置板47上に黄金比に応じたラインを記すことにも使用することができる。
さらに、黄金比スケール61を載置板47上に敷設するのに際し、矩形プレート62上に予めアーチライン67を形成しておけば、図14の(b)に示すように、載置板47を平面から見る視点(以下、咬合面観と称す)において、上顎模型M1の歯列の輪郭を結ぶ曲線(facial cusp line:以下、輪郭曲線と称す)が前記アーチライン67に合致するか否かを確認することもできる。なお、前記咬合面観において前記輪郭曲線から前記切歯乳頭S2までの距離が概ね10mmであることが知られていることから、前記アーチライン67の頂点と前記孔66との間の距離D15は、10mmに設定することが好ましい。
図12の(b)に示す歯冠軸見当スケール68は、光透過性を有する合成樹脂等の矩形プレート(透明プレート)69を備えている。この矩形プレート69の表面には、一方の長辺(基準端面)69aと直交する方向に延びる基準線70と、この基準線70を基準として前記距離D12〜D14の間隔で配置された複数の見当線71と、前記基準線70を対称軸として当該基準線70の両側に線対称に配置された複数の目盛り線72(基準線70の近接側から順に目盛り線72a、72b及び72cとする)が設けられている。
前記各目盛り線72は、前記見当線71により各距離D12〜D14に区分された長辺69aの中点位置からそれぞれ延びているとともに、前記基準線70に対して予め設定された角度(目盛り線72aは3°、目盛り線72bは5°、目盛り線72cは8°)で傾斜して形成されている。
前記歯冠軸見当スケール68は、図15に示すように、その長辺69aを前記載置板47の上面に沿って配置して使用することにより、上顎模型M1の正面観における歯冠軸(以下、正面歯冠軸と称す)の傾斜角が適切であるか否かを確認することができる。
ここで、正面歯冠軸S9とは、図18の(b)に示すように、歯の切縁S10の略中央位置と歯根側の凹湾S11とを通る線のことである。そして、前記正面観において前記正面歯冠軸S9と正中矢状面P4(正中線)との傾斜角が、中切歯S8、側切歯S12、犬歯S13の順に、3°、5°、8°である場合に、当該歯列が美しく見えることが知られている。
したがって、図15に示すように、前記歯冠軸見当スケール68の長辺69aを前記載置板47の上面に沿って配置するとともに、正面観において上顎模型M1の正中線と前記基準線70とを位置決めすることにより、当該上顎模型M1の正面歯冠軸と各目盛り線72とを比較して、当該上顎模型M1の正面歯冠軸が適切であるか否かを確認することができる。
なお、上顎模型M1の正中線が歯列中央に対して位置ずれしている場合には、前記各見当線71を各歯冠に合せて配置することによっても、正面歯冠軸の確認を行うことができる。また、黄金比の基準となる前記距離D12については、患者ごとに、例えば、7.5mm、8.0mm、9.0mm、9.5mmとすることもできる。
図12の(c)に示すアーチラインスケール73は、前記載置板47上に敷設される矩形プレート74を備えている。この矩形プレート74には、その表面に曲率半径の異なる複数の円弧線75(本実施形態では、半径20mm、25mm、30mm、35mm、40mmの5本)が設けられているとともに、当該矩形プレート74を表裏に貫き前記針本体55(図7参照)を挿抜可能な長孔76が形成されている。
各円弧線75は、前記矩形プレート74の両長辺74aの中点を通る共通の直線74b上にそれぞれその頂点及び中心が並べて配置されている。
長孔76は、前記共通の直線74bに沿って延びて当該直線74b上で前記針本体55を摺動自在に挿通するようになっている。
前記アーチラインスケール73は、図16の(a)に示すように、前記針本体55を通して載置板47上に敷設することにより、前記咬合面観において上顎模型M1の輪郭曲線が理想的なものであるか否かを確認することができる。
すなわち、咬合面観における上顎模型M1の輪郭曲線が所定の曲率半径の円弧に沿っている場合に、その歯列が美しいものであるとして知られているので、前記載置板47のスリット50と前記長孔76(共通の直線74b)とを沿わせるようにアーチラインスケール73を載置板47上に位置決めした上で、前記載置板47に対して長孔76に沿って矩形プレート74をスライドさせて、当該矩形プレート74の各円弧線75のうち、上顎模型M1の輪郭曲線に近いものを適宜選択するとともに、この円弧線75と輪郭曲線とを比較することにより、この上顎模型M1の輪郭曲線が理想的なものであるか否かを確認することができる。
さらに、前記矩形プレート74には、前記長孔76を挟んだ位置で当該矩形プレート74を表裏に貫く円弧状のスリット77が形成されている。このスリット77は、前記各円弧線75と同様に、その頂点77a及び中心が前記直線74b上に配置されている一方、各円弧線75とは反対向きに開く湾曲形状とされている。なお、本実施形態のスリット77は、20mmの曲率半径とされている。
そして、前記スリット77に対応して、前記矩形プレート74の表面には、長孔76の縁部に目盛り線78が形成されている。この目盛り線78は、前記スリット77の頂点77aから長孔76に挿通する針本体55までの距離を測定することができるようになっている。
このように、スリット77が形成された矩形プレート74は、図16の(a)に示す前述した姿勢から針本体55回りに反転させた図16の(b)に示す姿勢とすることにより、このスリット77に沿ったアーチラインを載置板47上に記して、このアーチラインと上顎模型M1の輪郭曲線とを比較するといった用途にも使用することができる。
図13に示す歯冠軸測定スケール(角度スケール)79は、互いに扇形に形成された目盛りプレート80及び計測プレート81と、これら両プレート80、81をその略中心位置でその法線方向に貫く揺動軸82とを備え、この揺動軸82周りに前記両プレート80、81が相互に揺動自在とされている。
前記目盛りプレート80は、光透過性を有する合成樹脂等により形成され、その円弧の周縁部に沿って形成された角度目盛り83を備えている。この角度目盛り83は、目盛りプレート80の一の半径端面である基準端面80aを前記載置板47上に載置した状態で、前記計測プレート81の一方の半径端面である計測端面81aを測定対象物に合せて傾斜させた場合における他方の半径端面である指示端面81bの位置に基づいて、前記計測端面81aの傾斜角を特定することが可能とされている。
すなわち、前記角度目盛り83は、前記計測端面81aと載置板47との間の角度θ1を表す立上角目盛り83aと、前記基準端面80aに垂直な線(すなわち、載置板47上面に対する法線)と前記計測端面81aとの間の角度θ2を表す傾斜角目盛り83bとを備えている。
前記歯冠軸測定スケール79によれば、前記立上角目盛り83aにより載置板47の上面に対する法線と計測端面81aとの間の角度を計測することができるので、図17の(a)に示すように、載置板47上に保持されている上顎模型M1の正面観において、前記正面歯冠軸S9(図18の(b)参照)に合せて計測プレート81の計測端面81aを傾斜させることにより、前記傾斜角目盛り83bに基づいて載置板47上の法線(すなわち、正面観における上顎模型M1の正中線)に対する正面歯冠軸S9の傾斜角を測定することができる。
また、前記載置板47の上面と咬合平面P7とを平行とした状態で上顎模型M1が保持されている場合には、図18の(c)に示すように、当該上顎模型M1を側面から見る視点(以下、側面観と称す)において、側面歯冠軸S14の傾斜角が適切であるか否かを確認することができる。ここで、側面歯冠軸S14とは、歯の切縁S10と唇面歯頸部S15とを通る線のことであり、側面歯冠軸S14の傾斜角とは、側面歯冠軸S14と咬合平面P7とのなす角度のことである。
すなわち、前記歯冠軸測定スケール79によれば、図17の(b)に示すように、目盛りプレート80の基準端面80aを前記載置板47上面に沿って配置するとともに、上顎模型の側面観において計測プレート81の計測端面81aを前記側面歯冠軸S14に沿わせるように傾斜させ、この状態で前記傾斜角目盛り83bの目盛りを読取ることにより前側面歯冠軸S14の傾斜角を測定することができる。
以下、前記模型分析保持具を有する診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法について、図19及び適宜必要な図を参照してその一例を説明する。
まず、図5の(a)に示すように、上顎模型M1の切歯乳頭S2や口蓋縫合線S3等を参考にして、図5の(b)に示すように、上顎模型M1上に正中線S4を記す(ステップS1)。
次いで、図5の(b)及び(c)に示すように、前記分析具1を用いて上顎模型M1の正中線S4を前記各指示針32a及び32cにより指示しながら、前記各指示針32bにより左右の傾きを特定し、この傾きを無くすように上顎模型M1の保持姿勢を調整する(ステップS2)。
この調整を行った後、図6の(a)又は(b)に示すように、上顎模型M1の正中線S4上(切歯乳頭S2の先端部)に正中支持点S5を形成するとともに、上顎模型M1のハミュラーノッチS7上に左右支持部S6を形成する(ステップS3)。
次いで、前記分析部1から上顎模型M1を取り外し、図10に示すように、両正中指示針48によって正中線を指示しながら、正中指示針48及び支持部49によって正中支持点S5及び左右支持部S6の3点支持させるようにして、上顎模型M1を保持具2に対して保持させる(ステップS4)。
この状態で、前記保持具2の正中指示針48及び支持部49を昇降させることにより、図10に示す距離D6及びD7、又は距離D8及びD9を調整して、保持具2上に保持された上顎模型M1の咬合平面P7を載置板47に対して位置決めする(ステップS5)。
次いで、前記保持具2を図23に示す咬合器102の保持テーブル113上に装着する。これにより、当該保持具2上に保持された上顎模型M1は、その正中矢状面が咬合器102の正中基準面P2に合致するとともに、その咬合平面P7が咬合器102の水平基準面P3と平行に配置されることになる。このように配置された状態で、この上顎模型M1を石膏C1等を介して、咬合器102の上顎保持部115に保持させる(ステップS6)。
上顎模型M1を保持させた後、咬合器102から前記保持具2を取り外し、図24に示す取付具117を咬合器102の保持テーブル113上に装着する(ステップS7)。
次いで、前記バイト部104上に印象材が付着されたバイトフォーク103を前記取付具117上に装着し、この状態で、前記上顎保持部115を軸J1周りに揺動させることにより、前記バイトフォーク103上に上顎保持部115に保持されている上顎模型M1の歯型を印記させる(ステップS8)。これにより、このバイトフォーク103上には、当該バイトフォーク103の基準平面P1と上顎模型M1の正中矢状面とが合致し、かつ、前記バイト部104と上顎模型M1の咬合平面P7とが平行とされた状態で得られた歯型が印記されることになる。
そして、前記バイトフォーク103を取付具117から取り外し、このバイトフォーク103上の歯型に合せて、当該バイトフォーク103を患者に対して装着する(ステップS9)。これにより、バイトフォーク103の基準平面P1と患者の正中矢状面とが合致し、かつ、バイトフォーク103のバイト板104と患者の咬合平面P7とが平行とされた状態で、バイトフォーク103が患者に装着されることになる。
次いで、患者に装着されたバイトフォーク103を利用して図20に示す下顎運動測定装置によって、患者の下顎運動の運動軸を特定する(ステップS10)。
最後に、前記特定された運動軸に基づいて、図23に示す咬合器102の顎関節相当部116を調整して、当該咬合器102上に患者の下顎運動を再現する(ステップS11)。
以上説明したように、前記診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法によれば、図20に示す下顎運動測定装置101による運動軸の測定から図23に示す咬合器102による咬合状態の再現までの一連の作業において、患者の正中矢状面P4の整合性を保つことができる。
すなわち、前記再現方法では、前記模型分析保持具によって上顎模型M1の正中矢状面(患者の正中矢状面P4)と咬合器102の正中基準面P2とを合致させた姿勢で、上顎模型M1を石膏C1等を介して咬合器102に対して装着することができる。
そして、この咬合器102では、図24に示す取付具117によってバイトフォーク103の基準平面P1を咬合器102の正中基準面P2に合致させた状態で、バイトフォーク103を咬合器102に対して取り付けることができる。したがって、このバイトフォーク103のバイト部104上に付着された印象材に対して前記上顎模型M1の歯型を印記させることにより、当該咬合器102に位置決めされたバイトフォーク103上に、同じく咬合器102に位置決めされた上顎模型M1の歯型を印記させることができ、これにより、印記された上顎模型M1の正中矢状面(患者の正中矢状面S4)とバイトフォーク103の基準平面P1とを合致させることができる。
さらに、印記された上顎の歯型と患者の歯列とを位置決めして、バイトフォーク103を患者に装着した状態で、前記下顎運動測定装置101により当該患者の下顎運動の運動軸を測定することができるので、ここで測定された運動軸は、患者の正中矢状面P4が精緻に再現された状態で測定されたものとなる。
したがって、本発明に係る診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法によれば、前記のように測定された運動軸に基づいて咬合器102の顎関節相当部116を調整することにより、当該咬合器102上に患者の正中矢状面P4が忠実に再現された咬合状態を再現することができる。
本発明の実施形態に係る模型分析保持具の分析具を示す斜視図である。 図1の分析具の側面一部断面図である。 図2の模型保持部6のIII―III線断面図であり、(a)は縮長状態、(b)伸張状態をそれぞれ示している。 図1の分析部の要部を拡大して示す正面図である。 図1又は図2の分析具を用いた上顎模型の分析方法を説明するための図であり、(a)は上顎模型の分析前の状態、(b)は上顎模型の正中線を指示した状態、(c)は上顎模型の口蓋骨水平盤の左右高さを測定している状態をそれぞれ示している。 図1又は図2の分析具を用いた上顎模型の支持点の形成方法を説明するための図であり、(a)はハミュラーノッチの高さを比較している状態、(b)は上顎模型のハミュラーノッチを削って支持点を形成した状態をそれぞれ示している。 本発明の実施形態に係る保持具を示す斜視図である。 図7の保持具の取付プレート、支柱及び載置テーブルの連結状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は正面断面図、(c)は(b)の載置テーブルが傾斜した状態をそれぞれ示している。 図7の載置板のIX−IX線断面図である。 図7の保持具上に上顎模型を保持させた状態を示す側面図であり、(a)は中切歯の根尖相当部に基づいて咬合平面を位置決めする場合、(b)はHIP平面に基づいて咬合平面を位置決めする場合をそれぞれ示している。 咬合平面の位置関係を示す模式図であり、(a)はハミュラーノッチ及び中切歯根尖相当部と咬合平面との関係、(b)はHIP平面と咬合平面との関係をそれぞれ示している。 図7に示す保持具に組み合わせて使用されるスケールの平面図であり、(a)は黄金比スケール、(b)は歯冠軸見当スケール、(c)はアーチラインスケールをそれぞれ示している。 図7に示す保持具に組み合わせて使用される歯冠軸測定スケールの平面図である。 図12の(a)に示す黄金比スケールの使用状態を示す図であり、(a)は載置板上に黄金比スケールを立設した状態、(b)は黄金比スケールを載置板上に敷設した状態をそれぞれ示している。 図12の(b)に示す歯冠軸見当スケールの使用状態を示す図である。 図12の(c)に示すアーチラインスケールの使用状態を示す図であり、(a)は各円弧線と上顎模型の輪郭曲線とを比較する場合、(b)はスリット77を介して載置板上にアーチラインを記す場合をそれぞれ示している。 図13に示す歯冠軸測定スケールの使用状態を示す図であり、(a)は上顎模型の正面歯冠軸を測定している状態、(b)は上顎模型の側面視観軸を測定している状態をそれぞれ示している。 歯列の審美の指標を概略的に示す図であり、(a)は歯冠の大きさの基準を、(b)は正面歯冠軸の基準を、(c)は側面歯冠軸の基準をそれぞれ示している。 本発明に係る診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法を示すフローチャートである。 本発明に係る診断支援システムの下顎運動測定装置の一部を省略して示す斜視図であり、(a)は患者の上顎歯列の三次元的な位置を測定している状態、(b)は患者の下顎運動を測定している状態をそれぞれ示している。 下顎運動(前方運動)時における下顎骨の動作を示す概略図である。 下顎運動(側方運動)時における下顎骨の動作を示す(a)は全体概略図、(b)は一部拡大図をそれぞれ示している。 本発明に係る診断支援システムの咬合器を示す斜視図である。 図23の咬合器の取付具を示す斜視図である。 図23の咬合器に対して取付具を利用して上顎歯型を装着する状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 分析具
2 保持具
3 分析ベース
5 上部フレーム
6 模型保持部
7 分析部
30 縦梁
31 横梁
32 指示針
38 取付プレート(取付部)
40 載置テーブル
47 載置板
48 正中指示針
49 支持部
61 黄金比スケール
62 矩形プレート(透明プレート)
62a 長辺部(基準端面)
63 基準線
64 目盛り線
68 歯冠軸見当スケール
69 矩形プレート(透明プレート)
69a 長辺(基準端面)
70 基準線
72 目盛り線
73 アーチラインスケール
74 矩形プレート(プレート)
75 円弧線
76 長孔
79 歯冠軸測定スケール(角度スケール)
80 目盛りプレート
80a 基準端面
81 計測プレート
81a 計測端面
81b 指示端面
82 揺動軸
83 角度目盛り
101 下顎運動測定装置
102 咬合器
103 バイトフォーク
104 バイト部(バイト板)
109 発信部
110 クラッチ
111 受信部
112 ヘッドギア(装着具)
113 保持テーブル
114 ベース
115 上顎保持部
116 顎関節相当部
117 取付具
M1 上顎模型
P1 基準平面
P2 正中基準面
P3 水平基準面
P5 載置基準面
P6 垂直基準面
S1 口蓋骨水平盤
S6 左右支持部(支持対象個所)

Claims (10)

  1. 患者の正中矢状面に対応する基準平面が設定されたバイトフォークを有する下顎運動測定装置と、前記基準平面と予め設定された正中基準面とを合致させた姿勢で前記バイトフォークを着脱する保持テーブルを有するとともに前記正中基準面と直交する水平基準面が設定された咬合器とを備えた診断支援システムに対して組み合わせて使用される模型分析保持具であって、
    患者から予め採取された上顎模型の正中矢状面を特定する分析具と、この分析具により特定された正中矢状面と前記正中基準面とを合致させた姿勢で上顎模型を前記保持テーブル上に保持する保持具とを備え、
    前記分析具は、
    上面が載置基準面に形成されているとともに、この載置基準面と直交する垂直基準面が設定された分析ベースと、
    この分析ベースの上方に設けられた上部フレームと、
    前記上顎模型を、その口蓋骨水平盤が上方へ開放された姿勢で、前記分析ベースと上部フレームとの間に保持する模型保持部と、
    前記上部フレームに設けられ、前記垂直基準面に対する上顎模型上の交線を指示可能で、かつ、この交線周りにおける前記口蓋骨水平盤と前記載置基準面との傾斜角を特定可能な分析部とを備え、
    前記模型保持部は、前記口蓋骨水平盤と載置基準面との前記傾斜角が調整可能となるように上顎模型を保持するとともに、前記分析部は、前記模型保持部に保持されている上顎模型の表面について、前記交線を挟んで載置基準面と平行な共通の平面上にある2の支持対象個所を特定可能とされている一方、
    前記保持具は、
    前記保持テーブルに対して着脱自在な取付部と、
    この取付部上に担持され、前記上顎模型を載置可能な載置テーブルとを備え、
    この載置テーブルは、前記取付部が保持テーブルに装着された状態で、前記分析部により特定された交線を前記正中基準面上で支持するとともに、前記分析部により特定された各支持対象個所を前記水平基準面と平行な面上に支持するように構成されていることを特徴とする模型分析保持具。
  2. 前記分析部は、前記載置基準面と平行な面上で互いに交差する縦梁及び横梁と、これら縦梁及び横梁を前記載置基準面の法線方向に貫く複数の指示針とを備え、前記縦梁は、前記平行な面と前記垂直基準面との交線上に配置されているとともに、この交線に沿って前記横梁を相対変位自在に支持する一方、前記各指示針は、前記縦梁又は横梁に沿って、かつ、前記法線方向に沿って当該縦梁又は横梁に対して相対変位自在に構成され、一方の端末が前記上顎模型に垂下された状態における、他方の端末の前記縦梁又は横梁からの突出量に基づいて当該縦梁又は横梁から上顎模型までの距離をそれぞれ特定し、これら各指示針によって前記垂直基準面に対する上顎模型上の交線を指示するとともに前記口蓋骨水平盤の前記傾斜角を特定し得るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の模型分析保持具。
  3. 前記載置テーブルは、前記取付部が咬合器の保持テーブルに装着された状態において、前記水平基準面と平行となる上面を有する載置板と、この載置板と前記正中基準面との交線に沿って当該載置板上に立設された一対の正中指示針と、前記載置板上に設けられ前記各支持対象個所を支持する共通の支持部とを備え、前記両正中指示針によって上顎模型の正中線を指示するとともに、一方の正中指示針と前記支持部の上端部で上顎模型を支持することを特徴とする請求項1又は2に記載の模型分析保持具。
  4. 前記各正中指示針及び支持部は、前記載置板上で当該載置板に対して個別に昇降自在とされていることを特徴とする請求項3に記載の模型分析保持具。
  5. 前記保持具は、前記載置板の上面に沿って配置される基準端面が形成された光透過性を有する透明プレートをさらに備え、この透明プレートの表面には、前記基準端面と直交する方向に延びる基準線と、この基準線と平行する複数の目盛り線とが設けられ、これら目盛り線は、前記基準線を対称軸として当該基準線の両側に線対称に配置され、前記基準線とその両側の目盛り線との間の距離が等しくされているとともに、これらの距離と互いに隣り合う各目盛り線同士の間の距離とは、隣り合う距離との間で黄金比の関係となり、かつ、前記基準線から離間したものほど小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の模型分析保持具。
  6. 前記保持具は、前記載置板の上面に沿って配置される基準端面が形成された光透過性を有する透明プレートをさらに備え、この透明プレートの表面には、前記基準端面と直交する方向に延びる基準線と、この基準線を対称軸として当該基準線の両側に線対称に配置された複数の目盛り線が設けられ、前記載置板上に保持されている上顎模型を正面から見る視点において、前記基準端面が載置板上に配置された透明プレートの前記基準線が上顎模型の正中線に位置決めされた場合に、前記各目盛り線は、それぞれ上顎模型の各歯列の切縁略中央位置を個別に通るようにそれぞれ離間して形成されているとともに、前記基準端面から離間するにしたがい前記基準線から離間するように、当該基準線に対して予め設定された角度で傾斜して形成されていることを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の模型分析保持具。
  7. 前記保持具は、前記載置板上に敷設されるプレートをさらに備え、このプレートには、その表面に曲率半径の異なる複数の円弧線が設けられているとともに、当該プレートを表裏に貫き前記正中指示針を挿抜可能な長孔が形成され、前記各円弧線は、前記プレート上の共通の直線上にそれぞれの頂点及び中心が並べて配置され、前記長孔は、前記共通の直線に沿って延びて当該直線上で前記正中指示針を摺動自在に挿通することを特徴とする請求項3〜6の何れか1項に記載の模型分析保持具。
  8. 前記保持具は、角度スケールをさらに備え、この角度スケールは、互いに扇形に形成された目盛りプレート及び計測プレートと、これら両プレートをその略中心位置でその法線方向に貫く揺動軸とを備え、この揺動軸周りに前記両プレートが相互に揺動自在とされており、前記目盛りプレートには、その円弧の周縁部に沿って角度目盛りが形成され、この角度目盛りは、目盛りプレートの一の半径端面を基準端面として前記載置板上に載置した状態で、前記計測プレートの一方の半径端面を計測端面として測定対象物に合せて傾斜させた場合における他方の半径端面の位置に基づいて、前記計測端面と載置板の上面との間の角度及び、前記計測端面と載置板の上面に対する法線との間の角度を表示することができるように構成されていることを特徴とする請求項3〜7の何れか1項に記載の模型分析保持具。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の模型分析保持具と、患者の下顎運動の運動軸を測定する下顎運動測定装置と、患者の咬合状態を再現する咬合器とを備えた診断支援システムであって、
    前記下顎運動測定装置は、
    患者の歯列に密着可能なバイト板を有し、患者の正中矢状面に対応して前記バイト板を左右方向で略2等分する線を通るとともに当該バイト板と直交する基準平面が設定されたバイトフォークと、
    前記バイト板が患者の口内に挿入された状態で当該患者の口外に配置される前記バイトフォークの露出部に着脱自在な発信部と、
    下顎の運動に従動するように患者に対して装着可能に構成されているとともに、前記発信部を着脱自在なクラッチと、
    前記発信部から出力される信号を受信可能な受信部と、
    この受信部を患者前頭部に装着可能な装着具と、
    前記バイト部を患者の上顎歯列に相密着させた状態にある前記バイトフォークに装着された前記発信部と受信部との相対位置を検出することにより当該受信部に対する上顎歯列の相対位置を特定するとともに、予め設定された下顎運動を患者に実行させた場合における前記クラッチに装着された発信部と前記受信部との相対位置の変位量を検出し、この変位量と前記上顎歯列の相対位置とに基づいて前記下顎運動の運動軸を特定する制御装置とを備えている一方、
    前記咬合器は、
    患者から予め採取された下顎模型を着脱自在に保持する保持テーブルを有するベースと、
    患者から予め採取された上顎模型を保持する上顎保持部と、
    この上顎保持部と前記ベースとを揺動自在に支持するとともに、前記下顎運動測定装置により特定された運動軸に応じて前記上顎保持部とベースとの運動範囲を調整可能な顎関節相当部と、
    前記保持テーブル上に着脱自在とされるとともに、その上部に前記バイトフォークを載置可能な取付具とを備え、
    この取付具は、前記患者の正中矢状面に対応して咬合器に予め設定された正中基準面とバイトフォークの前記基準平面とを合致させた状態で、かつ、前記咬合器に予め設定された水平基準面に対して前記バイト板が平行となる状態で当該バイトフォークを咬合器に対して装着可能に構成されていることを特徴とする診断支援システム。
  10. 請求項9に記載の診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法であって、
    前記上顎模型について、その正中線を特定するステップと、
    前記分析具により前記各支持対象個所を特定するステップと、
    前記正中線及び各支持対象個所を支持させながら、前記保持具上に上顎模型を載置するステップと、
    前記保持テーブルに装着された前記保持具上の上顎模型を咬合器の上顎保持部に対して保持させるステップと、
    前記バイト板上に印象材が付着された前記バイトフォークを、前記取付具に装着するステップと、
    前記保持テーブルに装着された前記取付具上のバイトフォークのバイト板に対して前記上顎保持部に装着された上顎模型の歯型を印記させるステップと、
    印記された歯型に合せて前記バイトフォークを患者に装着した状態において前記下顎運動測定装置により予め測定された運動軸に基づいて、前記咬合器の顎関節相当部を調整するステップとを含むことを特徴とする診断支援システムを用いた咬合状態の再現方法。
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