図1に、本発明の1実施例の原稿読み取り装置を装備したフルカラーデジタル複合機能複写機MF1の外観を示す。このフルカラー複写機MF1は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)120と、操作ボード10と、カラースキャナ100と、カラープリンタ200の各ユニットで構成されている。なお、操作ボード10と、ADF120付きのカラースキャナ100は、プリンタ200から分離可能なユニットであり、カラースキャナ100は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、エンジンコントローラ(CPU301:図4)と直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読取りを行う。
スキャナ100およびプリンタ200ならびに画像入出力装置(302:図4)を含むエンジン(300:図4)を接続したコントローラボード(400:図4)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されており、ファクシミリコントロールユニット(FCU 417:図4)には、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されている。
図2に、複合機能複写機MF1のスキャナ100およびそれに装着されたADF120の、原稿画像読取り機構を示す。このスキャナ100のコンタクトガラス101上に置かれた原稿は、2本の照明ランプ102a,102bにより照明され、原稿の反射光(画像光)が第1ミラー103で副走査方向yと平行に反射される。照明ランプ102a,102bおよび第1ミラー103は、図示しない、副走査方向yに定速駆動される第1キャリッジに搭載されている。第1キャリッジと同方向にその1/2の速度で駆動される、図示しない第2キャリッジには、第2および第3ミラー104,105が搭載されており、第1ミラー103が反射した画像光は第2ミラー104で下方向(z)に反射され、そして第3ミラー105で副走査方向yに反射されて、レンズ106により集束され、CCD107に照射され、電気信号に変換される。すなわちRGB各色画像信号に変換される。
第1および第2キャリッジは、走行体モータ108を駆動源として、y方向に往(原稿走査),復(リタ−ン)駆動される。このようにスキャナ100は、コンタクトガラス101上の原稿をランプ102a,102bおよびミラー103で走査して原稿画像をCCD107に投影するフラットベッド読取りの原稿スキャナであるが、第1キャリッジをホームポジション(待機位置)HPに停止して、シートスルー読取りを行うことも可能である。
シートスルー読取りを行うために、自動原稿供給装置(ADF)120がスキャナ100に装着されており、第1キャリッジがホームポジションHPで停止しているときの第1ミラー103の読取り視野位置に、シートスルー読取り窓であるガラス132があり、ADF120の、原稿移送モータ319で回転駆動される搬送ドラム(プラテン)125がガラス132に対向している。
ADF120の原稿トレイ121に積載された原稿は、フィラーセンサ130で検出される。なお、原稿サイズは、原稿を所定姿勢に強制するサイド板の設定位置を検出するスイッチ群131のオン,オフに基づいて判定される。シートスルー読取りのときには、ADF120の原稿トレイ121に積載された原稿の最上部の一枚が、原稿移送モータ319に連結した動力伝達系で駆動されるピックアップローラ122および送り込みローラ123,124でレジストローラ125に送り出され、レジストローラ125から窓ガラス132に送り出されて、このときホームポジションHPにある第1ミラー103で原稿上の画像が第2ミラー104に反射されてCCD107に投影され、CCD107が投影画像を光電変換して画像信号を発生する。すなわちRGB各色画像信号を発生する。
この実施例では、ホームポジションHPが、画像読取り光学系のシートスルー読取り位置であり、また、フラットベッド読取りの第1キャリッジ駆動始点(=リターン終点)である。フラットベッド読取りの場合、第1キャリッジをホームポジションHPから駆動して、HPからA+Bの距離進んだ位置(目盛り板scpの右端:読取り開始点)から原稿画像の読取りを開始する。すなわちCCD107が発生する画像信号を有効とする。ホームポジションHPと読取り開始点との間には、第1キャリッジを検出する基点センサ109、ならびに、基準白板rwpがある。基準白板rwpは、コンタクトガラス101の左端部の上面に密着している。基準白板rwpは、照明ランプ102a,102bの個々の発光強度のばらつき,また主走査方向xのばらつきや、CCD107の画素毎の感度ムラ等が原因で、一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読取りデータがばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用意されている。また、画像信号の増幅ゲイン調整(AGC)にも用いられる。
フラットベッド読取りのときには、ホームポジションHPから、第1キャリッジの副走査駆動および副走査位置の追跡を開始する。第1キャリッジの読取り視野に基準白板rwpがあるとき、CCD107の画像信号(をデジタル変換した画像データ)が、画像信号処理回路111(図4)に読込まれる。第1キャリッジが基点センサ109を横切るとき第1キャリッジの起動が終わり走査速度が設定値に収束している。副走査位置が読取り始端(A+B:目盛り板scpの右端の右側)に達したときに、画像信号有効信号(フレーム同期信号:FGATE)が有意レベルに切り換えられる。フラットベッド読取りでは、第1キャリッジを、コンタクトガラス101上の原稿の先端(右端)まで副走査駆動して、そこで折返してリターン駆動するとき、ホームポジションHPで一時停止するが、その直前に、基点センサ109が第1キャリッジを検出し、検出時点に副走査位置が基点位置データ(設定値)に初期化される。第1キャリッジはホームポジションHPで一時停止してから原稿サイズ検出位置(A+B+C)に駆動され、そこで待機する。
ADF120の基体135は、奥側(図2紙面の裏側)でスキャナ100の基体にヒンジ結合(蝶番連結)しており、基体135の手前側(図2紙面の表側)の取っ手136を持ってADF120の基体135引き上げることにより、ADF120を起こす(開く)ことができる。ADF120の基体135の奥側には、ADF120の開閉を検出する圧板スイッチ112(図5)がある。
この実施例では、次のモードの原稿画像読取りを行うことができる:
1.手置原稿読取り
ユーザがADF120を起こしてコンタクトガラス101上に原稿を載せ、ADF120を倒して圧板137で原稿を押さえて、上記のフラットベッド方式の原稿走査(フラットベッド読取り)を行う。第1キャリッジが基準白板rwp直下を通過するとき、基準白板rwpの読取り画像データに基づいてシェーディング補正データを生成して、メモリのシェーディング補正データを今回得たものに更新する。フラットベッド読取りが終わるとユーザがADF120を起こして原稿を取り出す。ユーザが、原稿をコンタクトガラス101上にセットしてADF120を閉じるとき、画像信号のデジタル処理回路(AFE)111が、コンタクトガラス101上の原稿のサイズを検出する。
2.シートスルー読取り
ADF120で原稿トレイ121上の原稿を移送して上述のシートスルー読取りを行う。一枚の原稿をトレイ121から送り出すとき、第1キャリッジを基準白板rwpの位置に駆動しそしてホームポジションHPに戻し、第1キャリッジが基準白板rwp直下にあるとき、基準白板rwpの読取り画像データに基づいてシェーディング補正データを生成して、メモリのシェーディング補正データを今回得たものに更新する。原稿トレイ121上の原稿の各一枚についてこの読取りを行う。
図3に、複合機能複写機MF1のカラープリンタ100の機構を示す。この実施例のカラープリンタ200は、レーザプリンタである。このレーザプリンタ200は、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットa〜dが、第1転写ベルト208の移動方向(図中の左から右方向y)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式(タンデム方式)のフルカラー画像形成装置である。
回転可能に支持され矢印方向に回転する感光体201の外周部には、除電装置,クリーニング装置,帯電装置202および現像装置204が配備されている。帯電装置202と現像装置204の間には、露光装置203から発せられる光情報の入るスペースが確保されている。感光体201は4個(a,b,c,d)あるが、それぞれ周囲に設けられる画像形成用の部品構成は同じである。現像装置204が扱う色材(トナー)の色が異なる。各感光体201(4個)の一部が、第1転写ベルト208に接している。ベルト状の感光体も採用可能である。
第1転写ベルト208は矢印方向に移動可能に、回転する支持ローラおよび駆動ローラ間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、第1転写ローラが感光体201の近傍に配備されている。ベルトループの外側に、第1転写ベルト用のクリーニング装置が配備されている。第1転写ベルト208より転写紙(用紙)又は第2転写ベルトにトナー像を転写した後にその表面に残留する不要のトナーを拭い去る。露光装置203は公知のレーザ方式で、フルカラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された感光体表面に潜像として照射する。LEDアレイと結像手段から成る露光装置も採用できる。
図3上で、第1転写ベルト208の右方には、第2転写ベルト215が配備されている。第1転写ベルト208と第2転写ベルト215は接触し、あらかじめ定められた転写ニップを形成する。第2転写ベルト215は矢印方向に移動可能に、支持ローラおよび駆動ローラ間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、第2転写手段が配備されている。ベルトループの外側に、第2転写ベルト用のクリーニング装置,チャージャ等が配備されている。該クリーニング装置は、用紙にトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去る。転写紙(用紙)は、図の下方の給紙カセット209,210に収納されており、最上の用紙が給紙ローラで1枚づつ、複数の用紙ガイドを経てレジストローラ233に搬送される。第2転写ベルト215の上方に、定着器214、排紙ガイド224、排紙ローラ225、排紙スタック226が配備されている。第1転写ベルト208の上方で、排紙スタック226の下方には、補給用のトナーが収納できる収納部227が設けてある。トナーの色はマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの四色があり、カートリッジの形態にしてある。粉体ポンプ等により対応する色の現像装置204に適宜補給される。
ここで両面印刷のときの各部の動作を説明する。まず感光体201による、作像が行われる。すなわち、露光装置203の作動により、不図示のLD光源からの光は、不図示の光学部品を経て、帯電装置202で一様に帯電された感光体201のうち、作像ユニットaの感光体上に至り、書き込み情報(色に応じた情報)に対応した潜像を形成する。感光体201上の潜像は現像装置204で現像され、トナーによる顕像が感光体201の表面に形成され保持される。このトナー像は、第1転写手段により、感光体201と同期して移動する第1転写ベルト208の表面に転写される。感光体201の表面は、残存するトナーがクリーニング装置でクリーニングされ、除電装置で除電され次の作像サイクルに備える。
第1転写ベルト208は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印の方向に移動する。作像ユニットbの感光体201に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、すでに第1転写ベルト208に乗っている前の色の顕像に重ねられ、最終的に4色重ねられる。なお、単色黒のみを形成する場合もある。このとき同期して第2転写ベルト215は矢印方向に移動していて、第2転写手段117の作用で、第2転写ベルト215の表面に第1転写ベルト208表面に作られた画像が転写される。いわゆるタンデム形式である4個の作像ユニットa〜dの各感光体201上で画像が形成されながら、第1,第2転写ベルト208,215が移動し、作像が進められるので、その時間が短縮できる。第1転写ベルト208が、所定のところまで移動すると、用紙の別の面に作成されるべきトナー画像が、前述したような工程で再度感光体201により作像され、給紙が開始される。給紙カセット121又は122内の最上部にある用紙が引き出され、レジストローラ233に搬送される。レジストローラ233を経て、第1転写ベルト208と第2転写ベルト215の間に送られる用紙の片側の面に、第1転写ベルト208表面のトナー像が、第2転写手段117により転写される。更に記録媒体は上方に搬送され、第2転写ベルト215表面のトナー像が、チャージャにより用紙のもう一方の面に転写される。転写に際して、用紙は画像の位置が正規のものとなるよう、タイミングがとられて搬送される。
上記のステップで両面にトナー像が転写された用紙は、定着器214に送られ、用紙上のトナー像(両面)が一度に溶融、定着され、ガイド224を経て排紙ローラ225により本体フレーム上部の排紙スタック226に排出される。
図3のように、排紙部224〜226を構成した場合、両面画像のうち後から用紙に転写される面(頁)、すなわち第1転写ベルト208から用紙に直接転写される面が下面となって、排紙スタック226に載置されるから、頁揃えをしておくには2頁目の画像を先に作成し、第2転写ベルト215にそのトナー像を保持し、1頁目の画像を第1転写ベルト208から用紙に直接転写する。第1転写ベルト208から直接に用紙に転写される画像は、感光体表面で正像にし、第2転写ベルト215から用紙に転写されるトナー像は、感光体表面で逆像(鏡像)になるよう露光される。このような頁揃えのための作像順、ならびに、正、逆像(鏡像)に切り換える画像処理も、書画蓄積制御403(図4)によるメモリ406に対する画像データの読書き制御によって行っている。第2転写ベルト215から用紙に転写した後、ブラシローラ,回収ローラ,ブレード等を備えたクリーニング装置が、第2転写ベルト215に残留する不要のトナーや紙粉を除去する。
図3では第2転写ベルト215のクリーニング装置のブラシローラが第2転写ベルト215の表面から離れた状態にある。支点を中心として揺動可能で、第2転写ベルト215の表面に接離可能な構造になっている。用紙に転写する以前で、第2転写ベルト215がトナー像を担持しているとき離し、クリーニングが必要のとき、図で反時計方向に揺動し接触させる。除去された不要トナーはトナー収納部に集められる。以上が、「両面転写モード」を設定した両面印刷モードの作像プロセスである。両面印刷の場合には、常にこの作像プロセスで印刷が行われる。
片面印刷の場合には、「第2転写ベルト215による片面転写モード」と「第1転写ベルト208による片面転写モード」の2つがあり、前者の第2転写ベルト215を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が第2転写ベルト215に転写され、そして用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の上面に印刷画面がある。
後者の第1転写ベルト208を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が、第2転写ベルト215には転写されずに、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合は、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の下面に印刷画面がある。
図4に、図1の複合機能複写機MF1の画像処理システムの構成を示す。複合機能複写機MF1は、原稿画像読取りおよびカラー印刷を行うエンジン300,コントローラボード400および操作ボード10を含む。エンジン300は、画像読取りおよび印刷のプロセスを制御するCPU301,上述のカラースキャナ100,上述のプリンタ200、および、ASIC(Application Specific IC)で構成した画像入出力処理302を備えている。
スキャナ100の読取りユニット110にはCPU,ROMおよびRAMがあり、該CPUが該ROMに格納されたプログラムを該RAMに書き込んで実行する事で、スキャナ100の全体の制御を行っている。また、プロセス制御用のCPU301と通信線を介して接続されおり、コマンド及びデータの送受信により指令された動作を行う。読取りユニット110内のCPUは、フィラーセンサ(原稿検知センサ),基点センサ,圧板スイッチ,冷却ファン等の検知及びON/OFFの制御をする。読取りユニット110内において、スキャナモータドライバが、CPUからのPWM出力によりドライブされ励磁パルスシーケンスを発生し原稿走査駆動用のパルスモータを駆動する。
原稿画像は、ランプレギュレータによって通電されるハロゲンランプ102a,102b(図2)の光量出力により照明されて、原稿の反射光すなわち光信号は、複数ミラー103〜105及びレンズ106を通りR,GおよびB読取り用の3個のラインセンサを含むCCD107に結像される。3ラインCCD107は、各RGBの各画素のアナログの画像信号をAFE111に出力する。AFE111は、画像信号を増幅し画像データにデジタル変換しそしてシェーディング補正する画像信号処理手段である。
コントローラボード400は、CPU402と、ASICで構成された書画蓄積制御403と、ハードディスク装置(以下ではHDDと表記)401と、ローカルメモリ(MEM−C)406と、システムメモリ(MEM−P)409と、ノースブリッジ(以下、NBと記す)408と、サウスブリッジ(以下、SBと記す)415と、NIC410(Network Interface Card)と、USBデバイス411と、IEEE1394デバイス412と、セントロニクスデバイス413他を含む。操作ボード10は、コントローラボード400の書画蓄積制御403に接続されている。ファクシミリコントロールユニット(FCU)417も、書画蓄積制御403にPCIバスで接続されている。
CPU402は、NIC410を介してLANに接続されたパソコンPCあるいはインターネットを介する他のパソコンPCと書画情報の送受信を行うことができる。また、USB411,IEEE1394 412,セントロニクス413を用いてパソコン,プリンタ,デジタルカメラ等と通信することができる。
SB415と、NIC410と、USBデバイス411と、IEEE1394デバイス412と、セントロニクスデバイス413と、MLB414は、NB408にPCIバスで接続されている。このように、MLB414は、エンジン300にPCIバスを介して接続する基板である。そして、MLB414は、外部から入力された書画データをイメージデータ(画像データ)に変換し、変換された画像データをエンジン300に出力する。
コントローラボード400の書画蓄積制御403にローカルメモリ406、HDD401などが接続されると共に、CPU402と書画蓄積制御403とがCPUチップセットのNB408を介して接続されている。書画蓄積制御403とNB408とは、AGP(Accelerated Graphics Port)を介して接続されている。
CPU402は、複合機能複写機MF1の全体制御を行うものである。NB408は、CPU402、システムメモリ409、SB415および書画蓄積制御403を接続するためのブリッジである。システムメモリ409は、複合機能複写機MF1の描画用メモリなどとして用いるメモリである。SB415は、NB408とPCIバス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジであり、SB415には外付けROMおよびSDメモリカード(以下ではSDカード)の読み書きをするカードIF418が接続されている。このカードIF418には、SDカード読み書き装置(カードリーダ)が接続されており、カードリーダに装着されるSDカードのデータを読み取ることができ、またSDカードにデータを書込むことができる。
ローカルメモリ406はコピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるメモリである。HDD401は、画像データの蓄積,文書データの蓄積,プログラムの蓄積,フォントデータの蓄積,フォームの蓄積,LUT(Look Up Table)の蓄積などを行うためのメモリである。また、操作ボード10は、ユーザからの入力操作を受け付けると共に、ユーザに向けた表示を行う操作部である。
図4には、スキャナ100およびプリンタ200と画像入出力処理302との間でやり取りする画像データの流れを示す。画像入出力処理302には、カラー原稿スキャナ100が原稿画像を読み取って発生するR,G,B画像データのそれぞれに対して読取りガンマ補正,MTF補正等を行うスキャナ画像処理303があり、また、R,G,B画像データをプリンタ200の、C,M,Y,K各色書込みの画像表現特性に合ったc,m,y,k記録色データ(印刷データ)に変換するプリンタ画像処理304があり、更に、書画蓄積制御403に原稿読取り画像データRGBを出力し、書画蓄積制御403が出力する画像データRGBをプリンタ画像処理304に与える画像処理I/F(Interface circuit)305がある。
白黒コピーのときには、スキャナ画像処理303からG画象データが画像処理I/F305に出力され、画像処理I/F305がG画像データをプリンタ画像処理304に出力し、プリンタ画像処理304がG画像データをk記録色データに変換し、必要に応じて変倍,画像加工を、そしてプリンタガンマ変換および階調処理をして、プリンタ200のC書込みユニット212に出力する。書込みユニット212は、画像処理304が出力するk記録色データによって、光学走査ユニット203(図3)のレーザ発光ダイオードに通電する電流を変調又はオン,オフする。
カラーコピーのときは、スキャナ画像処理303が出力するRGB画像データが、画像処理I/F305および画像蓄積制御403を介して、ローカルメモリ406又はHDD401に一時蓄積又はHDD401に登録され、そして読み出されて、コピーまたは印刷に用いられ、あるいは外部に送出される。
プリンタ200による登録画像データ、又は、外部から受信した画像データの印刷のときには、画像蓄積制御403および画像処理I/F305を介して画像データがプリンタ画像処理304に与えられる。プリンタ画像処理304は、画像データをcmyk記録色データに変換してから、必要に応じて変倍,画像加工を、そしてプリンタガンマ変換および階調処理をして、書込みユニット212に出力する。
図5に、スキャナ100およびADF120の画像読み取りの電気系統の構成を示す。スキャナ制御回路316は、AFE111からの制御信号に従って、点灯タイミング制御回路315及びモータ制御ユニット317を制御する。点灯タイミング制御回路315は、スキャナ制御回路316からの指示に従って原稿照明ランプ102(102a,102b)のオン/オフを制御する。なお、参照符号102a,102bを総括的に参照符号102で示すことがある。
モータ制御ユニット317は、スキャナ制御回路316からの指示に従って、副走査駆動モータ108及びADFモータ319を制御する。これらのモータは、いずれもステッピングモータであり、駆動系統の軸にはロータリエンコーダ(E)318及び320が連結されている。原稿の走査位置(y)および駆動量ならびにADF送り原稿の先,後端位置および送り量は、各ロータリエンコーダ221,225が発生する電気パルスを計数して把握される。フィラーセンサ130は、ADF120の原稿トレイ上に原稿があるかを検知する。サイド板位置検出スイッチ131は、原稿トレイ121に装備した可動サイドフェンスの原稿幅方向xの位置(主走査方向の原稿サイズ)を検出するものであり、複数個の電気スイッチ群である。基点センサ109は、第1キャリッジの基準位置通過を検出するものであり、図3に示すように、基準位置からリターン方向にa分もどった位置が、第1キャリッジのホームポジション(待機位置)HPであり、窓板132に対向するシートスルーの読み取り位置である。
スキャナ制御回路316は、読み取り開始指示(スタート)を受けると、スイッチングレギュレータ313への制御信号を電源出力オンを指示するレベルに切換え、原稿照明ランプ102a,bを点灯し、副走査駆動モータ108(手差しモード)又はADFモータ319(ADFモード)を駆動開始する。また、副走査有効期間信号FGATEを高レベルH(原稿領域外)にセットする。この信号FGATEは、手差しモード(フラットベッド方式の読み取り)では第1キャリッジが原稿始端位置に達したときに、原稿領域内を示すLに切り替えられ、ADFモード(シートスルー方式の読み取り)では、レジストローラからの原稿(先端)の送り出し搬送量が、ADF13を使用するシートスルー画像読取りモードでの原稿読み取り位置までの送り量に達したときに原稿領域内を示すLに切り替えられる。そして、手差しモードでは原稿尾端の走査が終わると、ADFモードでは原稿尾端がHPを通過すると、副走査有効期間信号FGATEは原稿領域外を示すHに戻される。
読み取りユニット11の交流入力回路311には商用交流が印加され、直流電源回路312が商用交流を直流に変換する。スイッチングレギュレータ313が、直流電圧を昇圧直流に変換して定電圧に制御し、インバータを含む駆動回路314a,314bに放電灯電源として印加する。駆動回路314a,314bの各インバータが、点灯タイミング制御回路315が与える各点灯制御信号TG1,TG2に応答して、それが点灯指示である低レベルLの間高電圧直流を高電圧交流に変換して各原稿照明ランプ102a,232bに印加する。原稿照明ランプ102a,232bは放電灯であり、該高電圧交流によって駆動されて発光し、原稿を照明する。各点灯制御信号TG1,TG2の高レベルHは消灯指示であり、各点灯制御信号TG1,TG2が高レベルHに切換わると駆動回路314a,314bの各インバータが、高電圧直流の高電圧交流への変換を停止し、すなわち露光ランプへの高電圧交流出力を停止し、これにより原稿照明ランプ102a,102bが消灯する。
図6に、カラー原稿スキャナ100のセンサーボードユニットSBUおよびAFE111の画像信号処理機能の概要を示す。信号処理タイミング制御回路48は、CPU42からの指示あるいは制御信号に従って、各種信号を生成する。即ち、画像読み取りを開始すると、イメージセンサ107に対しては、シフトゲート信号SH,転送クロック,リセット信号RSおよびクランプゲート信号CLP等を含む制御信号を与え、CPU42に対しては、画素同期クロックパルスCLK(CLK1),ライン同期信号LSYNC及び主走査有効期間信号LGATEを出力する。この画素同期クロックパルスCLKは、イメージセンサ107に与えるシフトクロックと略同一の信号である。また、ライン同期信号LSYNCは、プリンタ200の作像ユニット212のビームセンサが出力するライン同期信号MSYNCと対応する信号であるが画像読み取りを行なっていない時は出力が禁止される。主走査有効期間信号LGATEは、イメージセンサ107が出力する画信号が有効と見なせるタイミング(原稿領域読み取り期間)で高レベルHになる。
CCD107は、R,G,B画像信号のそれぞれを偶数番画素列と奇数番画素列に分けて並行出力する。各色画像信号の偶数番画素列と奇数番画素列は、個別にバッファアンプで増幅して、AFE111の画像出力補正113〜118のそれぞれに出力される。図6には、Rの画像信号の偶数番画素列をデジタルデータに変換する画像出力補正113の機能構成のみを示すが、他の画像出力補正114〜118の機能構成も画像出力補正113のものと同様である。以下では、画像出力補正113の機能を説明する。
CCD107が出力する、R偶数番画素列のアナログ画像信号は、SBU上のReバッファアンプでドライブされてサンプリング回路31にてサンプルホールドされ、リセットノイズ等の高周波成分が除去される。可変ゲインアンプ32は、そのコントロール端子に印加される制御電圧Vgにてゲインを制御出来るアンプであり、オフセット設定回路33はそのコントロール端子に印加される制御電圧Vofにて、プラス,マイナスのオフセットレベルを設ける機能を有する。Vg,Vofは、CPU42がD/A変換回路37を操作して決定する電圧である。例えばD/A変換回路37が8ビットであればCPU42は0〜255のいずれかの値をD/A変換回路37に対して設定し、D/A変換回路37は対応した電圧を出力する。
A/D変換回路34は、アナログ画像信号を上限基準値Vrefd/Vrefw、下限基準値Vrefbに基づいて所定の分解能(例えば8bit)でデジタル画像信号すなわち画像データに変換する。この画像データは、オフセットレベル検出回路39およびオフセットレベル減算回路35に入力される。ここで上限基準値Vrefw/Vrefdおよび下限基準値Vrefbは、CPU42がD/A変換回路37を操作して決定する。D/A変換回路37の上限基準値出力VrefwとVrefdは、セレクタ38に入力されており、セレクタ38は基準白板rwpを読取る際にはVrefwを、原稿を読取る際にはVrefdを、上限基準値としてA/D変換回路34に与える。
CCD107には、オプティカルブラック(OPB)画素といわれる物理的に遮光したセンサ部があり、続いて有効画素といわれる入射光量に比例した電圧を出力するセンサ部がある。このOPB画素と有効画素のデータは1主走査期間毎に繰り返して出力される。
オフセットレベル検出回路39は、xopb信号がアサートされている期間に、CCD107のOPB画素に対応したA/D変換回路34の出力を取り込んで保存する機能を有する。オフセットレベルは複数のOPB画素を取り込んだ平均値であり、CCD107の出力系統毎に保存される。オフセットレベル減算回路35は、入力されたA/D変換回路34の出力値からオフセットレベル検出回路39に保存されたオフセットレベルを減算する回路である。白ピーク検出回路41は、原稿読取り時の有効画素区間を表すxlgate信号および基準白板読取り時の読込期間を表わすSMPL信号がアサートされている期間内で入力された画像データのピーク値を保存する回路である。CPU42は、オフセットレベル検出回路39および白ピーク検出回路41にアクセスすることにより、最新のオフセットレベル値およびピーク値を得ることが出来る。
シェーディングデータ保存40は、基準白板rwpを読み取った値を各画素毎に平均化等の処理を行いながら順次保存する回路であり、シェーディング補正回路36は、画像を読み取った画像データを、シェーディングデータ保存40に保存されている補正データを用いてシェーディング補正した画像データに変換する回路である。CPU42は、このシェーディングデータ保存40にある、画像データのライン間平均化のために画像データを一時蓄積するラインメモリに、基準白板読取りの画像データを格納してから、特定画素(基準白板rwpの主走査方向xのある位置)の画像データを読み取ることが出来る。
A/D変換回路34の出力は、A/D変換する際に所定の遅れを生ずる。xopbは、OPB画素の読取りアナログ信号に対応するA/D変換出力のタイミングで所定期間アサートされるようにタイミング設計されている、オフセットレベルデータ範囲指示信号である。通常、OPB画素の読取りアナログ信号の後半部分を使用した方がノイズが少ないことが経験上わかっており、本実施例でもその様に設定している。xlgateは、有効画素部の原稿を読取る領域でアサートされる信号であり、白ピーク検出時の読込範囲指定に使用する。
WTGTはCCD107が基準白板rwpを読取るタイミングにアサートされる信号であり、セレクタ切り替え信号として使用する。セレクタ38は、WTGTがアサートされている場合はVrefwを、ネゲートされている場合はVrefdを選択して、A/D変換回路34に印加する。SMPLはCCD107が基準白板rwpを読取るタイミング(WTGT)中の一部の期間アサートされ、シェーディングデータFIFOに基準白板データを取り込むタイミングを指示するものである。
−ゲイン等の調整AGC−
「ゲイン等の調整AGC」では、ROM43aから読出してRAM43bに書込んだ動作プログラムに従ってCPU42はまず、第1キャリッジが基準白板rwpの位置に移動すると、A/D変換回路34に上側基準電圧Vrefwを与えて、基準白板読取りのピークデータDwpを読取る。次に、ピークデータDwpが所定範囲Dp±Bに入っているかチェックする。Dpは調整目標値であり、A/D変換回路34に入力されるアナログ画像信号のピーク値が上側基準電圧Vrefwを超えない値(マージンを考えると例えば、上側基準電圧Vrefwの約8割)である。これはA/D変換回路の性能を充分引き出して、精度の高いデジタル信号を取り出すためである。また、Bは調整公差である。
ピークデータDwpが所定範囲Dp±Bに入っている場合には、このとき設定中の、制御電圧Vg,下基準電圧Vrefb,ならびに上基準電圧Vrefw,VrefdをRAM43bに保存する。ピークデータDwpが所定範囲Dp±Bに入っていない場合は、入るように、ゲインを決定する制御電圧Vg(D/A出力)を出力するためのD/A変換回路37の設定値Svg(D/A入力)を計算する。計算結果のSvgがD/A変換回路37の設定可能範囲(SvgL〜SvgH)内か判断する。D/A変換回路37が例えば、8bitのD/A変換回路であれば設定可能範囲は、0〜255といった具合である。設定可能範囲内の値であれば、実際に設定して再度ピークデータDwpを読み取る。SvgがD/A変換回路37に設定可能範囲外の場合は、設定可能範囲内で計算値に近い値SvgLまたはSvgHを設定して再度ピークデータDwpを読取り、同様にチェックする。
ピークデータDwpが所定範囲Dp±Bに入っていない場合、CPU42は基準白板rwpを読取る際のA/D変換回路34の上側基準電圧Vrefwを計算する。D/A変換回路37の設定値(入力データ)と基準電圧Vrefw(出力電圧)の関係が、Vrefw=f(Srefw)で示され、f(Srefw)の逆関数がSrefw=g(Vrefw)である場合、変更するVrefw用のD/A変換回路37の入力データSrefwは、
Srefw=g(Dwp/Dp/(f(Stp)−f(Stb))−f(Stb))
で示される。ここで、
Dp:Vrefw宛てのD/A変換回路37に与える設定値Srefwを変更後に期待するピークデータ,
Stp:ピーク値Dwpを得たときのD/A変換回路37に与えた設定値Srefw,
Stb:Vrefb宛てのD/A変換回路37の設定値Srefb、
である。
計算結果のSrefwがD/A変換回路37の設定可能範囲(SrefwL〜SrefwH)内かチェックする。例えば、43が8bitのD/A変換回路であれば設定可能範囲は、0〜255といった具合である。設定可能範囲内の値であれば、実際に設定して再度ピークデータDwpを読み取る。計算結果のSrefwがD/A変換回路37の設定可能範囲外の場合はエラーであるが、設定可能範囲内で計算値に近い値を設定して終了する。但し、このエラーになるのはパターン断線等のハード的な問題が発生している場合である。
基準白板読取り用基準電圧Vrefwを変更したので、原稿読取り用基準電圧Vrefdも変更しないとシェーディング補正後の画像データの大きさが変わってしまうので、変更する。変更前,後の基準白板読取り用基準電圧Vrefwを各々Vrefwb,Vrefwa、変更前,後の原稿読取り用基準電圧Vrefdを各々Vrefdb,Vrefda、下側基準電圧をVrefbとした時に、
(Vrefwb−Vrefb)/(Vrefwa−Vrefb)
=(Vrefdb−Vrefb)/(Vrefda−Vrefb)
になる様にVrefdを変更する。すなわち、D/A変換回路37の原稿読取り用基準電圧Vrefdを、上式を満足するVrefdaに設定する。
次にCPU42は、Vrefd宛てに上記Vrefdaを出力する設定値を、またVrefw宛てに上記Vrefwaを出力する設定値を設定し、このように設定した上基準電圧Vrefw,Vrefd、このとき設定中の制御電圧Vg,下基準電圧Vrefbの設定値Srefw,Srefd,Svg,SrefbをRAM43bに保存して、ゲイン等の調整AGCを終了する。このゲイン調整で得た各設定値は、コントローラボード400に転送して、不揮発メモリであるHDD401の、AFE111宛ての設定データテーブルに登録(更新書込み)する。
なお、スキャナ100(およびADF120)に電源が投入された直後に、スキャナ100のAFE111のCPU42は、HDD401の上記各設定値をコントローラボード400(のHDD401)から取得してRAM43bに書込んでから、図6に示す画像出力補正113〜118内の各部に設定する。この設定を次に示す。
−ゲイン等の設定−
電源オン直後にCPU42は、コントローラボード400のHDD401の設定データテーブルに登録している調整ゲイン等上述の各種設定値を読出してRAM43bに書込み、そして各画像出力補正のD/A変換回路37のラッチ(レジスタ)に格納(設定)する。すなわちCPU42は、不揮発メモリであるHDD401に登録したVrefd用の設定値SrefdをD/A変換回路37に与えてそのD/A変換出力電圧Vrefdをセレクタ38を介してA/D変換回路34に上基準電圧として与える。また、Vg,Vrefbの設定値Svg,SrefbもD/A変換回路37に与える。このような設定の後に、画像信号が画像出力補正113に入力されるときには、A/D変換回路34は、原稿読取りのアナログ画像信号を、下基準電圧Vrefbおよび上基準電圧Vrefdの間を所定の分割数に分割して表わす画像データにA/D変換する。
−シェーディング補正データの設定−
CPU42は、第1キャリッジが基準白板rwpの直下にあるときのシェーディング補正用データの設定の時には、上述のようにゲイン調整値等の各設定値をD/A変換回路37に設定した画像読取り処理によって基準白板rwpを読取り、その画像データに基づいて主走査1ライン分のシェーディング補正データを生成してシェーディングデータ保存40に格納する。
−画像出力補正−
原稿画像読取りのときには、不揮発メモリであるHDD401の設定データテーブルから読み出してD/A変換回路37に設定された各設定値に従う画像処理をAFE111の各画像出力補正113〜118が実行し、可変ゲインアンプ32は設定ゲインVgで画像信号を増幅し、A/D変換回路34は、画像信号を、下基準電圧Vrefbおよび上基準電圧Vrefdの間を所定の分割数に分割して表わす画像データにA/D変換する。上述の「ゲイン等の調整AGC」で設定し不揮発メモリ43に書込んだ上基準電圧値Vrefw,Vrefdを用いてアナログ画像信号を画像データにA/D変換するので、仮に光量が経時で変動しても、A/D変換回路34が出力する画像データの精度は高く、安定する。
シェーディング補正回路36が、画像データに、シェーディングデータ保存40のデータに基づいてシェーディング補正を加える。これにより、主走査方向xの各点(画像)の画像データが、同一の白レベルに対しては実質上同一値の画像データとなるように補正されて出力される。
画像出力補正113が上述のようにシェーディング補正したR偶数番画素列の画像データは、ライン合成45によって、同様に画像出力補正114がシェーディング補正したR偶数番画素列の画像データと1ライン列に合成されて、スキャナ画像処理303に出力される。同様な画像信号処理により、1ラインに合成されたGおよびB画像データがライン合成46および47から、スキャナ画像処理303に出力される。
フラットベッド読取りの場合のシェーディング補正を説明する。ユーザが原稿をコンタクトガラス101に載せてADF120を閉じるときに、圧板スイッチ112が開から閉に切換り、このとき第1キャリッジが原稿サイズ検出位置にあって、読取りユニット110が照明灯102を点灯して、ホームポジションHPへの第1キャリッジのリターン駆動を開始する。AFE111の原稿サイズ検出48が、画像出力補正115が出力するG画像データに基づいてコンタクトガラス101上の原稿サイズを検出する。基点センサ109が第1キャリッジを検出すると読取りユニット110は副走査位置データを基点センサ109の副走査位置(固定値データ)を表わすものに更新する。第1キャリッジを副走査駆動している間、読取りユニット110は、第1キャリッジを駆動するパルスモータの駆動パルスに同期して、第1キャリッジのフラットベッド読取りの副走査駆動(往駆動:図2で左から右)の間は副走査位置データをインクレメント(駆動パルスをアップカウント)し、リターン方向(図2で右から左)の駆動の間はデクレメント(駆動パルスをダウンカウント)する。この副走査位置を監視して読取りユニット110は、第1キャリッジをホームポジションに位置決めし、照明灯102を消灯する。
ユーザがスタートキー17を操作すると、読取りユニット110が照明灯102を点灯して、第1キャリッジの、フラットベッド読取りの副走査駆動を開始する。副走査位置が、基準白板rwpの領域になるとシェーディングデータ保存40(図6)が基準白板rwpの読取り画像データの読込みを開始して、複数ラインの平均値を算出して、一ライン上の各画素宛ての画像データの平均値を、基準白レベルの画像データ(例えば255又はその80%程度)とするに必要な乗算係数値を算出し、データ保存40の内部のFIFOメモリに格納する。
副走査位置が原稿始端から終端までの原稿領域にある間は、データ保存40がFIFOメモリから1ライン上各画素宛ての乗算係数値を順次に読み出してシェーディング補正36に与える。シェーディング補正36は、原稿読取りの各ラインの各画素の画像データと、同一画素宛ての乗算係数値とを同時に、シェーディング補正36の内部にあるROMの読出しアドレスに与える。ROMには、アドレスとして与えられた画像データと乗算係数値との積を表すシェーディング補正後の画像データが格納されているので、アドレスとして与えられた画像データのシェーディング補正した画像データが、ROMから出力されて、次段のライン合成45に出力される。
次にシートスルー読取りの場合のシェーディング補正を説明する。ユーザが原稿トレイ121に原稿を装填してスタートキー17を操作すると、読取りユニット110が原稿トレイ121からの原稿の送給を開始し、しかも、照明灯102を点灯して、第1キャリッジの、フラットベッド読取りの副走査駆動を開始する。副走査位置が基準白板rwpの領域になるとシェーディングデータ保存40(図6)が基準白板rwpの読取り画像データの読込みを開始して、複数ラインの平均値を算出して、一ライン上の各画素宛ての画像データの平均値を、基準白レベルの画像データとするに必要な乗算係数値を算出し、データ保存40の内部のFIFOメモリに格納する。これが終了すると読取りユニット110は、ホームポジションHPへの第1キャリッジのリターン駆動を開始して、第1キャリッジをホームポジションHPに位置決めする。これは原稿トレイ21から繰り出した原稿の先端が窓ガラス132に到達するまでに終わる。
原稿の先端がホームポジションHPにある第1キャリッジの撮像視野に入りそして原稿の尾端が該撮像視野から抜ける間の原稿読取りの間、データ保存40がFIFOメモリから1ライン上各画素宛ての乗算係数値を順次に読み出してシェーディング補正36に与える。シェーディング補正36は、シェーディング補正した画像データをライン合成45に出力する。原稿の尾端が第1キャリッジの撮像視野を抜けたときに原稿トレイ121に原稿があると読取りユニット110は、原稿の送り出しを開始し、上述の基準白板rwpの読取りを開始する。その後の読取り制御は上述の第1枚目の原稿読取りと同様である。
図7および図8に、図6に示すCPU42の、原稿読み取り制御の概要を示す。原稿スキャナ100に電源が投入されると、CPU42はその内外の初期化を行い(ステップ1)、キャリッジのホーミング(ステップ2)を行う。なお、以下では、括弧内にはステップという語を省略してステップNo.数字のみを記す。該「ホーミング」(2)では、照明灯102a,102bおよび第1ミラー103を搭載した第1キャリッジをリターン(復)方向(図2で左方向)に駆動し、基点センサ109が第1キャリッジを検知すると、読取りユニット110のCPUの内部メモリに割当てた副走査位置レジスタにA(図2)を表わす基点位置データを設定する。そして更にリターン駆動しこの駆動の間キャリッジ駆動のパルスモータの駆動パルスを基点位置データからカウントダウンして副走査位置レジスタの位置データを現在位置を表すものに更新し、副走査位置レジスタの位置データが、フラットベッド原稿読み取りでの副走査駆動基点であるホームポジションHPを表わすものになると、そこで第1キャリッジの駆動を停止する。なお、第1キャリッジのリターン駆動を開始してから、基点センサ109が第1キャリッジを検知することなく、ホームポジションHPより左側にある図示しないリミットスイッチが第1キャリッジによってオンからオフに切り替えられると、読取りユニット110のCPUは、キャリッジ駆動のパルスモータの駆動を停止し、次に読取り副走査方向(右方向)の駆動を開始し、基点センサ109が第1キャリッジを検知すると、副走査位置レジスタにA(図2)を表わす基点位置データを設定する。そして更に右方向に駆動しこの駆動の間キャリッジ駆動のパルスモータの駆動パルスを基点位置データからカウントアップして副走査位置レジスタの基点位置データを現在位置を表すものに更新し、基点位置データが原稿サイズ検出位置(A+B+C)を表わすものになると、そこで第1キャリッジの読取り副走査方向の駆動を停止する。そしてリターン方向(左方向)に駆動し、基点センサ109が第1キャリッジを検知すると、副走査位置レジスタにA(図2)を表わす基点位置データを設定する。そして更にリターン駆動して、副走査位置レジスタの位置データが、フラットベッド原稿読み取りでの副走査駆動基点であるホームポジションHPを表わすものになると、そこで第1キャリッジの駆動を停止する。
上述の「ホーミング」(2)を完了すると、CPU42は、ランプ102a,102bを点灯し(3)、第1キャリッジを基準白板読み取り位置に駆動して(4)、「画像信号レベル調整」(5)を行う。該「画像信号レベル調整」(5)では、AFE111のCPU42は、コントローラボード400のHDD401の、AFE111宛ての設定データテーブルに登録している調整ゲイン等上述の各種設定値を読出してRAM43bに書込み、そして各画像出力補正のD/A変換回路37のラッチ(レジスタ)に格納(設定)する。すなわちCPU42は、不揮発メモリであるHDD401に登録したVrefd用の設定値SrefdをD/A変換回路37に与えてそのD/A変換出力電圧Vrefdをセレクタ38を介してA/D変換回路34に上基準電圧として与える。また、Vg,Vrefbの設定値Svg,SrefbもD/A変換回路37に与える。
つぎにCPU42は、前述の「ゲイン等の調整AGC」を実行する。この調整を、設定範囲内のパラメータ(各設定値)の調整によって完了すると、更新した各設定値を、HDD401のAFE111宛ての設定データテーブルに更新登録する。いずれかのパラメータが設定範囲をはずれても調整が出来ない場合には、「エラー処理1」(7)を行う。すなわち、ランプ102a,102bの点灯付勢を停止(TG1,TG2をHに)して、ランプ異常を、操作ボード10に表示して、そこで制御動作を停止する。この場合、オペレータが原稿スキャナ100の電源を遮断して、電源を再度投入することにより、CPU42がステップ1から制御を開始するので、電源を遮断している間にランプ102a,102bを正常なものに取り替えることにより、画像読み取りが可能となる。
いずれのパラメータも設定範囲内で「ゲイン等の調整AGC」を完了すると、この調整により、基準白板rwpの読取レベルが所定のレベルとなる。この場合にはCPU42は、ランプ102aの点灯付勢は継続し(TG1=L:オン)、ランプ102bの点灯付勢は停止して(TG2=H:オフ)(8)、再度基準白板rwpの読み取りを行い、読み取りデータを、CPU42の内部のレジスタWaに書き込む(9)。すなわちこの実施例では、主走査1ライン以上の、基準白板rwpの読み取りの画像データの白ピークを、白ピーク検出41で検出し、検出データWaをレジスタWaに格納する(9)。つぎにはランプ102aの点灯付勢は停止し(TG2=H:オフ)、ランプ102bを点灯付勢して(TG1=L:オン)(10)、再度基準白板rwpの読み取りを行い、読み取りデータを、CPU42の内部のレジスタWbに書き込む(11)。すなわち主走査1ライン以上の、基準白板rwpの読み取りの画像データの白ピークを、白ピーク検出41で検出し、検出データWbをレジスタWbに格納する(11)。
次にCPU42は、ランプ102aおよび102bを消灯して(TG1,TG2=H:オフ)キャリッジをホームポジションHPに戻す(12,13)。そして、ランプ個別点灯による基準白板rwpの読み取りピーク値Wa,Wbが、所定の基準レベルである設定値Limit 1よりも低いレベルかを検索して(14,17)、低いと該当ランプは不良すなわちランプ異常と検出し、ランプ102aをランプ異常と検出したときには、「異常処理2」(15)に進んでCPU42内部のレジスタLFaに異常を示す高レベルHを書き込み、操作ボード10にランプ102aの異常を表示する(15)。そして、通常の、画像読み取り指示待ちである「入力読み取り」(20)に進む。ランプ102bをランプ異常と検出したときには、「異常処理2」(18)に進んでCPU42内部のレジスタLFaに異常を示す高レベルHを書き込み、操作ボード10にランプ102aの異常を表示する(15)。そして、通常の、画像読み取り指示待ちである「入力読み取り」(20)に進む。正常と判定した場合には、レジスタLFa,LFbのデータを、正常を表わす低レベルLに書き換える(16,19)。
「入力読み取り」(20)において、CPU301を介して操作ボード10又はCPU402からの画像読み取り指示(スタート信号)があるとCPU42は、読み取りモード指示が、「黒(BK)読取」,「フルカラー読取」および「自動色選択」の何れかに対応して、「黒(BK)読取」モードの読み取り指示の場合には、レジスタLFaおよびLFbのデータに対応して、レジスタLFaのデータLFaがL(ランプ102aは正常)であるとランプ102aを点灯し、レジスタLFbのデータLFbがL(ランプ102bは正常)であるとランプ102bを点灯して(22〜26)、「白黒モードの読み取り」(27)を実行する。「白黒モードの読み取り」(27)においては、画像入出力処理302は、AFE111のライン合成46の出力であるG画像データのみをスキャナ画像処理303に取り込む。「白黒モードの読み取り」(27)を終えると、ランプ102a,102bを消灯する(28)。レジスタLFaのデータLFaがH(ランプ102aが異常)であるとランプ102aは点灯せず、レジスタLFbのデータLFbがH(ランプ102bが異常)であるとランプ102bを点灯しない。
「フルカラー読取」モードの読み取り指示の場合には、レジスタLFaおよびLFbのデータLFa,LFbが共にL(ランプ102a,102bは正常)であると、ランプ102a,102bをともに点灯して「フルカラーモードの読み取り」(34)を実行する(29〜34)。「フルカラーモードの読み取り」(34)においては、画像入出力処理302は、AFE111のライン合成45,46および47の出力であるR画像データ,G画像データおよびB画像データをスキャナ画像処理303に取り込む。「フルカラーモードの読み取り」(34)を終えると、ランプ102a,102bを消灯する(28)。レジスタLFa又はLFbのデータLFa又はLFbがH(ランプ102a又は102bが異常)であると、ランプ102aおよび102bのいずれも点灯せず、フルカラー読み取り不可を操作ボード10に表示する。
「自動色選択」モードの読み取り指示の場合には、レジスタLFaおよびLFbのデータLFa,LFbが共にL(ランプ102a,102bは正常)であると、ランプ102a,102bをともに点灯して「自動色選択の読み取り」(40)を実行する(35〜40)。「自動色選択の読み取り」(40)においては、画像入出力処理302は、AFE111のライン合成45,46および47の出力であるR画像データ,G画像データおよびB画像データをスキャナ画像処理303に取り込む。スキャナ画像処理303は、R,G,B画像データにもとづいて画像が白黒かカラーかを判別して、白黒と判定するとG画像データのみを白黒画像データとして処理し、例えばコピーモードの原稿読み取りであるときには、G画像データをプリンタ200の黒(K)記録用のK画像データに変換してプリンタ200のK書込ユニットに出力する。カラーと判定したときには、例えばコピーモードの原稿読み取りであるときには、R,G,B画像データをプリンタ200のカラー記録用のY,M,C,K画像データに変換してプリンタ200のY,M,C,K書込ユニットに出力する。「自動色選択の読み取り」(40)を終えると、ランプ102a,102bを消灯する(28)。レジスタLFa又はLFbのデータLFa又はLFbがH(ランプ102a又は102bが異常)であると、正常なランプを点灯して、「白黒モードの読み取り」(27)を実行する(23〜27)。「黒(BK)読取」,「フルカラー読取」および「自動色選択」のいずれの指示もないときには、この実施例では、「黒(BK)読取」指示があった場合と同様な読み取り処理を行う(35−23〜27)。