JP2006302178A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示装置を斜め方向から見た場合に発生する表示画面へのペン入力位置と表示画面上の表示位置とのずれ量を減少させる。
【解決手段】画像が表示される表示画面14の前面に凸レンズ12を設ける。凸レンズ12の前面に対し、ペン30により第1の接触位置32に書込が行われると、制御部16は、その背後の第1の表示位置34に対応する画像を表示する。表示された画像からの光線は、凸レンズ12により屈折した光路36を経て、斜め方向に位置する入力者の目28に達する。このため、同じ位置に書込を追加する場合、入力者は、第1の接触位置32に比較的近い第2の接触位置40にペン38をあてることとなる。したがって、表示位置のずれ44は、凸レンズ12を使わない場合に比べ縮小される。
【選択図】図1
【解決手段】画像が表示される表示画面14の前面に凸レンズ12を設ける。凸レンズ12の前面に対し、ペン30により第1の接触位置32に書込が行われると、制御部16は、その背後の第1の表示位置34に対応する画像を表示する。表示された画像からの光線は、凸レンズ12により屈折した光路36を経て、斜め方向に位置する入力者の目28に達する。このため、同じ位置に書込を追加する場合、入力者は、第1の接触位置32に比較的近い第2の接触位置40にペン38をあてることとなる。したがって、表示位置のずれ44は、凸レンズ12を使わない場合に比べ縮小される。
【選択図】図1
Description
本発明は、表示画面の前面側からペン入力する機能を備えた表示装置についての技術に関する。
一地点において、あるいは複数拠点を連結して開かれる電子会議では、通常、大画面の表示装置が用いられる。そして、コンピュータ生成されたプレゼンテーション用の資料画像や、カメラ入力された静止画像・動画像などの各種画像が表示される。この表示装置には、表示画面から書き込まれるアノテーションを受け付けて表示する機能が設けられている場合も多い。すなわち、会議の参加者が表示された画像上にペン入力を行うと、表示装置はそれを読み取って、ペン入力に対応する位置に読み取り結果を表示する。これにより、表示装置はホワイトボードや黒板などの書込板としても機能することとなる。
なお、下記特許文献1には、レーザペンの加熱作用を利用してペン入力を行うことで、ペン入力位置と表示位置との位置ずれを解消する技術が開示されている。また、下記特許文献2には、距離をおいて設けたカメラによりペンの入力位置を特定する技術が開示されている。しかし、これら二つの文献の技術は、ペン入力位置と同位置にペン入力結果を表示するための技術に過ぎない。
図4は、従来の典型的な表示装置100について示した模式図である。表示装置100は、主たる構成として、透過パネル102、表示画面14及び制御部16を備えている。図においては、透過パネル102及び表示画面14については、側方から見た断面形状を表示している。表示画面14は、画像が表示される面である。また、透過パネル102は、その前方に数mm程度の隙間をおいて設置された光透過性をもつ樹脂製のパネルであり、その厚さは数mm程度である。透過パネル102は、表示画面14を保護する保護カバーとして機能している。
この表示画面14の表面に対しては、ペン入力により、アノテーションを書き込むことができる。制御部16は、この処理を担う装置であり、ペン入力受付部18、ペン画像生成部20、画像合成部22及び画像投影部24を備えている。ペン入力受付部18はペンの接触位置を検知して入力されるアノテーションを読み取り、ペン画像生成部20は読み取った画像に対応するアノテーションの画像を生成し、画像合成部22は当初より表示されている画像とアノテーションの画像を合成し、画像投影部24は合成した画像をプロジェクタ機能により表示画面14に表示する。
ここで、入力者の目28をもつ入力者がペン入力を行う過程について順を追って説明する。入力者は、ペン30を用いて、透過パネル102の表面に文字や図を書き込む。この時ペン30が透過パネル102に接触する位置を第1の接触位置32と呼ぶことにする。制御部16は、この書込に対応する表示を、表示画面14の第1の表示位置34に行う。第1の表示位置34は、標準的には、第1の接触位置32から表示画面14におろした垂線の交差位置となるように設定されている。
第1の接触位置32よりも斜め上側にある入力者の目28から見ると、第1の接触位置32と第1の表示位置34は一致しない。この不一致は、表示画面14と透過パネル102の間の隙間や透過パネル102の厚みに起因するものである。近似的に透過パネル102の光学的性質を空気と同じであると見なせば、第1の表示位置34に表示された像は、入力者の目28に向かって直線的に伸びる光路106が透過パネル102の表面と交差する位置に表示されたように見えることになる。
入力者は、第1の接触位置32と同じ位置にペン入力を行おうと思った場合には、ペン108をこの交差位置である第2の接触位置110に接触させる。そして、制御部16は、第2の接触位置110になされたペン入力に対応する画像を、そこから表示画面14におろした垂線の交点である第2の表示位置112に表示する。このため、第1の表示位置34と第2の表示位置112の間には、表示画面14に平行な方向にずれ114が生じることになる。ずれ114の大きさは、入力者の目28の方向が表示画面14の法線方向となす角をθとし、表示画面14と透過パネル102の前面(ペン入力が検知される面)との距離をdとすれば、d・tanθである。
このように接触位置(ペン入力を意図した位置)と表示位置とにずれが生じると、入力者は意図したアノテーションを非常に描きにくくなる。特に、比較的小さな文字等を書き込もうとすると、各線の位置関係にずれが生じて読みにくい書込になってしまう。このため、入力者にフラストレーションを与え、また、会議等の進行も妨げられることとなる。
なお、ここに示した問題は、会議用の比較的大きな表示装置(例えば50インチ以上)において特に発生しやすいが、パソコン向け等の比較的小さな表示装置(例えば20インチ以下)でも起こる場合がある。
本発明の目的は、表示装置を斜め方向から見た場合に発生する表示画面へのペン入力位置と表示画面上の表示位置とのずれ量を減少させることにある。
本発明の表示装置は、画像が表示される表示画面と、表示画面の前面を覆い、表示画面に表示される画像を前方に透過させる透過パネルと、透過パネルの前面になされるペン入力を、その入力位置を検出して受け付けるペン入力受付手段と、受け付けたペン入力に基づいて、入力位置後方に設定された表示画面上の表示位置に画像を表示するペン入力表示手段と、を備え、透過パネルは、表示画面と透過パネル前面の見かけの距離を近づけ、斜め方向から見た場合の表示位置と入力位置のずれを縮小する光学特性を有する。
この表示装置は、表示画面を備え、この面に対し画像を形成する機能を備えた装置である。画像形成を実現するメカニズムは特に限定されず、プロジェクタ方式、プラズマ方式、液晶方式など様々なものを採用することができる。また、表示画面の大きさも特に限定されるものではなく、個人向けの小画面であっても、複数人向けの大画面であってもよい。表示画面は、典型的には平面であるが、曲率の小さな曲面とすることもできる。
表示画面の前面は、前面に接し、あるいは前面から僅かに(例えば1mm〜1cm程度)離れた距離に設けられた透過パネルに覆われている。その厚さは典型的には数mm程度であるが、強度が保てれば1mm程度にまで薄くしてもよく、重量を軽く保てれば2,3cm程度にまで厚くしてもよい。透過パネルは、表示画面に形成される画像の光線を少なくとも前方側に向けて透過させるため、利用者は表示された画像を透過パネルの前方側から見ることができる。
この透過パネルの前面に対しては、電子的なペン入力を行うことができる。つまり、表示装置には、ペン型の入力ツールを用いて透過パネルの前面に書込が行われた場合に、その書込を位置情報とともに受け付けるペン入力受付手段が設けられている。また、表示装置には、ペン入力表示手段が設けられている。ペン入力表示手段は、ペン入力の受付結果に基づいて、表示画面に対し表示を行う。その表示位置は、標準的な設定では表示画面の正面前方から見た場合に入力位置と重なる位置に設定される。もちろん、ソフトウエア的操作により、いずれかの方向に若干ずらすことも可能である。例えば、入力者が常に上方側又は下方側から入力する場合は、位置ずれを系統的に減らすため、上方または下方に一様に平行移動して表示されてもよい。
透過パネルは、単に厚みが一様で均質な低屈折率をもつ単なる保護カバーとしてのパネルとは異なる光学特性を備えている。つまり、入力者が、斜め方向から見た場合における表示位置と入力位置のずれを減らすように光学特性が設定されている。この光学特性は、材質や形状を工夫することで様々な形態で実現可能である。例えば、単なる保護カバーのパネルとは異なり、光路を十分にシフトできる程度の光学的厚さをもつ比較的高い屈折率をもった部材を採用すれば、単に厚みが一様で均質なパネルであってもこのような光学特性を実現できる可能性がある。なお、光学特性は、等方的(上下左右の方向によらない)であっても、異方的(例えば上下方向と左右方向で特性が異なる)であってもよい。
この構成によれば、表示装置において、表示画面に対するペン入力位置と表示画面への表示位置が斜め方向から見た場合にずれるずれ量を緩和することができる。したがって、斜め方向からペン入力を行った場合にも、書込が乱れにくくなり、入力者及びそれを見る第三者の利便性を向上させることとなる。なお、透過パネルは、単体形成されたものであってもよいが、面積の小さな透過パネル要素が複数配置されて形成されたものであってもよい。
本発明の表示装置の一態様においては、透過パネルの光学特性は、凸レンズ型の光学特性である。凸レンズは、見かけ上の位置を近づける性質がある。このため、表示画面に表示される画像が実際よりも透過パネルに近づいたかのように見え、入力位置と表示位置のずれが減少することとなる。凸レンズ型の光学特性は、典型的には、一様な屈折率を有する部材を凸形状に形成する(つまりいわゆる凸レンズとする)ことで実現できる。
本発明の表示装置の一態様においては、透過パネルは、GRINレンズをなす。GRINレンズとは、屈折率分布レンズあるいは屈折率勾配レンズと呼ばれたり、商品名によりセルフォックレンズと呼ばれたりするレンズである。つまり、レンズをなす部材の屈折率が非一様に形成されているため、外形に凹凸をつけない場合であっても凸レンズ型の光学特性を実現することができる。GRINレンズを用いる場合、凸形状からなる通常の凸レンズを用いる場合よりもレンズの厚みを薄くし軽量化を図ることができるといった利点がある。
本発明の表示装置の一態様においては、透過パネルは、フレネルレンズをなす。フレネルレンズは、表面を階段形状に加工することで厚みを押さえたレンズである。フレネルレンズを用いる場合にも、GRINレンズを用いる場合と同様に薄型化及び軽量化が期待できる。
本発明の表示装置の一態様においては、透過パネルの光学特性は、透過パネル後面に入射する画像を透過パネル前面に浮かび上がらせるテレビ石型の光学特性である。テレビ石型の光学特性は、テレビ石(ウレキサイト)や、光ファイバーの集合体によって実現することができる。この構成を採用することで、入力位置と表示位置の一致が期待できる。
図1は、本実施の形態にかかる表示装置10の概略構成を説明する模式図である。図4と同様の構成には、同様の符号を付して、説明を省略又は簡略化する。
表示装置10は、図4に示した表示装置100と同様に、表示画面14及び制御部16を備えている。しかし、表示装置10は、透過パネル102の代わりに、凸レンズ12を備えている点で、表示装置100とは大きく異なる。凸レンズ12は、一様に高い屈折率をもつ透明な部材からなり、中心部ほど厚く周辺部ほど薄く形成されている。このため、凸レンズ12の奥側にある表示画面14が手前に近づいて見えることとなる。
ここで、図4において行った説明と同様に、この表示装置10を用いて、入力者の目28をもつ入力者がペン入力を行う過程について説明する。表示装置10における接触位置と表示位置との関係は、表示装置100におけるものと変わらない。すなわち、入力者が、ペン30を用いて凸レンズ12表面にアノテーションを書き込んだ場合、書き込まれた第1の接触位置32から表示画面14に下ろした垂線の交点が第1の表示位置34になる。
第1の表示位置34に表示された画像は、光路36を通って入力者の目28に到達する。この光路36は、図4の場合とは異なり、大気中から凸レンズ12に入射する時点及び凸レンズ12から大気中に入射する時点で屈折している。この結果、入力者にとって第1の表示位置34に対応するように見える凸レンズ12の表面位置は、図4の場合よりも第1の接触位置32に近づいている。したがって、入力者が第1の表示位置34に新たな書込を行いたい場合には、ペン38をこの表面位置、すなわち第2の接触位置40に置くことになり、対応する画像は第2の表示位置42に表示される。この第1の表示位置34と第2の表示位置42のずれ44は、図4に示したずれ114に比べて小さくなっており、入力者が両位置の違いに違和感を感じにくくなっている。
ずれ44の大きさは、凸レンズ12の光学特性及び表示画面14との位置関係によって決まる。この光学特性及び位置関係を設計する際には、ずれ44を減少させるように考慮するだけでなく、凸レンズ12が厚くなって重量が増大しすぎない点にも配慮することが望ましい。
続いて、図2と図3を用いて、それぞれ、本実施の形態にかかる変形例について説明する。これらの図においては、簡単のため、図1と図4に示した制御部16を省略している。また、同様の構成には同一の番号を付して説明の省略化及び簡略化を行うこととする。
図2は、図1の構成における凸レンズ12の代わりにGRINレンズ又はフレネルレンズ50を設けた例である。GRINレンズは、部材の屈折率を非均一にして凸レンズ機能を実現するレンズであり、典型的には一様な厚みをもつ。また、フレネルレンズは、部材の表面をギザギザの形状とすることで厚みを抑えた凸レンズである。フレネルレンズは、例えば、薄いシート状に作成し、基板となる平坦なパネルに貼り付けて使用することも可能である。これらのレンズによっても、第1の表示位置34と第2の表示位置42のずれ44を図1の場合と同様に小さなものとすることができる。
図3は、図1の構成における凸レンズ12の代わりに光ファイバープレート又はテレビ石60を設けた例である。光ファイバープレートやテレビ石は、光をほぼ平行移動させる光学特性を備えている。このため、表示画面14に表示された画像からの光線は、まず、光ファイバープレート又はテレビ石60を垂直に透過し、その表面から入力者の目28に向かう光路62をたどる。
このため、ペン30を用いて入力した場合、斜めから見た場合であっても接触位置と表示位置は同じ位置であるように見える。したがって、第1の接触位置に書込を行って第1の表示位置に画像が表示された後、同じ位置に書き込もうとするときには、第1の接触位置と同じ位置に書き込みを行うこととなる。図示した第1,2の接触位置64と第1,2の表示位置66はこの一致の状況を表している。
10 表示装置、12 凸レンズ、14 表示画面、16 制御部、18 ペン入力受付部、20 ペン画像生成部、22 画像合成部、24 画像投影部、28 入力者の目、30,38 ペン、32 第1の接触位置、34 第1の表示位置、36 光路、38 ペン、40 第2の接触位置、42 第2の表示位置、50 GRINレンズ又はフレネルレンズ、60 光ファイバープレート又はテレビ石、102 透過パネル。
Claims (5)
- 画像が表示される表示画面と、
表示画面の前面を覆い、表示画面に表示される画像を前方に透過させる透過パネルと、
透過パネルの前面になされるペン入力を、その入力位置を検出して受け付けるペン入力受付手段と、
受け付けたペン入力に基づいて、入力位置後方に設定された表示画面上の表示位置に画像を表示するペン入力表示手段と、
を備え、
透過パネルは、表示画面と透過パネル前面の見かけの距離を近づけ、斜め方向から見た場合の表示位置と入力位置のずれを縮小する光学特性を有する、ことを特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
透過パネルの光学特性は、凸レンズ型の光学特性である、ことを特徴とする表示装置。 - 請求項2に記載の表示装置において、
透過パネルは、GRINレンズをなす、ことを特徴とする表示装置。 - 請求項2に記載の表示装置において、
透過パネルは、フレネルレンズをなす、ことを特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
透過パネルの光学特性は、透過パネル後面に入射する画像を透過パネル前面に浮かび上がらせるテレビ石型の光学特性である、ことを特徴とする表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005126271A JP2006302178A (ja) | 2005-04-25 | 2005-04-25 | 表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005126271A JP2006302178A (ja) | 2005-04-25 | 2005-04-25 | 表示装置 |
Publications (1)
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JP2006302178A true JP2006302178A (ja) | 2006-11-02 |
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JP2005126271A Pending JP2006302178A (ja) | 2005-04-25 | 2005-04-25 | 表示装置 |
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---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5894715B1 (ja) * | 2014-09-22 | 2016-03-30 | 山富電機株式会社 | 構造色ディスプレイ |
WO2022045010A1 (ja) * | 2020-08-28 | 2022-03-03 | 凸版印刷株式会社 | 空中表示装置 |
-
2005
- 2005-04-25 JP JP2005126271A patent/JP2006302178A/ja active Pending
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