JP2006301056A - フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷版が高い細線忠実性(解像度)を有し、且つ印刷版の版面のインキ汚れを長期間防止できるフレキソ印刷用感光性樹脂組成物の提供。
【解決手段】少なくとも、熱可塑性エラストマー、光重合性不飽和単量体および光重合開始剤を含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物であって、共役ジエンを主体とする重合物を水素添加して得られる水添ゴムを該感光性樹脂組成中に、0.05wt%以上5.0wt%以下含有することを特徴とするフレキソ印刷用感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、フレキソ印刷版に用いられる感光性樹脂組成物に関する。
一般的なフレキソ印刷用感光性樹脂版は、例えば特許文献1〜3に記載されるように、露光、現像および後処理露光工程を経て製造される。
一般的なフレキソ印刷用感光性樹脂版を用いた印刷は、凹凸のある印刷版の凸部の表面に、インキ供給ロール等で、インキを供給し、次に、印刷版を被印刷体に接触させて、インキを供給した凸部表面のインキを被印刷体に転移させる方法がとられる。
このようなフレキソ印刷においては、しばしば、長時間印刷中に、インキが印刷版の凸部のショルダー部分に付着してきたり、凹部にインキが入り込んだりして(以下、版面汚れ)、本来の絵柄でない部分まで、印刷されることがある。
こうなった場合には、一旦、印刷を中止し、印刷版の版面を、アルコール等を含有した洗浄液を用いて、布等で拭き取らなくてはならず、経済的に不利になる。
このような印刷版の版面汚れを抑制するために、種々の方法が提案されている。
特許文献4には、版表面に有機フッ素化合物を、はけ塗りやスプレー方式で付着させる方法が提案されているが、付着の工程が増えるうえに、長時間印刷における持続性が必ずしも十分ではない。
特許文献5には、版表面にシリコン系化合物やフッ素系化合物の水系エマルジョンと水性樹脂の混合物を塗布する方法が提案されているが、塗布工程が増えるうえに、持続性が必ずしも十分でない。
特開平10−171111号公報 特開昭63−088555号公報 特開平05−134410号公報 特開昭51−40206号公報 特開2002−292985号公報
本発明における技術的課題は、はけ塗りや塗布などの工程を必要とせず、版面のインキ汚れを長期間防止し、かつ細線忠実性(解像度)が高いフレキソ印刷用感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記の新規な感光性樹脂組成物を用いることで、該課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
1.少なくとも、熱可塑性エラストマー(a)、光重合性不飽和単量体(b)および光重合開始剤(c)を含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物であって、共役ジエンを主体とする重合物を水素添加して得られる水添ゴムを該感光性樹脂組成中に、0.05wt%以上5.0wt%以下含有することを特徴とするフレキソ印刷用感光性樹脂組成物。
2.水添ゴムが、共役ジエンを主体とする重合物中の不飽和結合全量のうち、60mol%以上99mol%以下の範囲で、水素添加され、且つ数平均分子量が500〜10000の範囲にあることを特徴とする1.に記載のフレキソ印刷用感光性樹脂組成物。
3.熱可塑性エラストマー(a)が、スチレンを主体とするブロックと、少なくとも共役ジエンを有するブロックを含有するブロック共重合体で、ブロック共重合体中の共役ジエン種と、水添ゴムの共役ジエン種が同じであることを特徴とする1.または2.に記載のフレキソ印刷用感光性樹脂組成物。
4.支持体と、その面上に形成された1.〜3.のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の層からなる積層構造を有するフレキソ印刷用感光性構成体。
本発明の感光性樹脂組成物によれば、はけ塗りや塗布などの工程を必要としないため、フレキソ印刷版の製造工程を簡略化でき、かつ高い版面インキ汚れ耐性および高い細線忠実性(解像度)を同時に満たすフレキソ印刷版が提供される。
以下、本発明について、その好ましい形態を中心に、詳細に説明する。
本発明のフレキソ印刷用感光性樹脂組成物は、少なくとも、熱可塑性エラストマー(a)、光重合性不飽和単量体(b)、光重合開始剤(c)および共役ジエンを主体とする重合物を水素添加して得られる水添ゴムを含有する。
本発明で必須の水添ゴムは、0.05wt%以上で、はじめて、版面インキ汚れを抑制でき、5wt%以下で、はじめて高い細線忠実性が得られる。より好ましくは、0.1wt%以上3wt%以下の範囲である。さらに好ましくは、0.1wt%以上2wt%以下の範囲である。
本発明で必須の水添ゴムの数平均分子量は、500以上10000以下の範囲が好ましい。500以上であれば版面のインキ汚れの抑制効果が大きく、10000以下であれば樹脂組成の混合が容易となる。800以上7000以下の範囲がより好ましい。800以上5000以下の範囲がさらに好ましい。
本発明で必須の水添ゴムは、共役ジエンを主体とする重合物を水素添加して得られる。共役ジエンは、入手性の点から、ブタジエンおよび/またはイソプレンが好ましい。本発明の「主体」とは、70%以上の比率をいう。2種類以上を併用するときは、ランダムであっても、ブロックであっても構わない。
水添ゴムは、樹脂組成物の混合の容易さより、常温で流動性があることが好ましい。
水添化方法は、公知の技術を用いて行われる。水添化触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニュウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。
水添ゴムが、共役ジエンを主体とする重合物中の不飽和結合全量のうち、60mol%以上99mol%以下の範囲で水素添加されていることが好ましい。60mol%以上であれば版面汚れの抑制効果が大きく、99mol%以下であれば樹脂組成物の混合が容易になり、また、高い細線忠実性が実現できる。70mol%以上99mol%以下がより好ましい。
水添化率は、核磁気共鳴装置(H−NMR)のケミカルシフト量から算出することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー(a)とは、常温付近でゴム弾性を示し、塑性変形し難く、また押出機等で組成物を混合するときに、熱で可塑化し易い熱可塑性ブロック共重合体が好ましい。
感光性樹脂組成物中の熱可塑性エラストマー(a)の含有量は、40wt%以上90wt%以下の範囲が好ましい。40wt%以上であれば、印刷版の機械的強度が十分であり、90wt%以下であれば、樹脂組成物の混合が容易であり、かつ印刷版の柔軟性が低下しない。
熱可塑性エラストマー(a)は、入手性の点から、スチレンを主体とするブロックと、少なくとも共役ジエンを有するブロックを含有するスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。ここで「主体」とは、70%以上の比率をいう。ブロック構造は特に限定されない。スチレン系熱可塑性エラストマーの共役ジエン種は、経済性の点で、ブタジエンおよび/またはイソプレンが好ましい。感光性樹脂組成物の相溶性の点で、ブロック共重合体中の共役ジエン種と、水添ゴム中の共役ジエン種が、同種であることが好ましい。この中でも、版面のクラック発生抑制の点で、主体の共役ジエン種がブタジエンであることがより好ましい。
さらに、スチレン系熱可塑性エラストマー中のスチレン含有量は、露光前の感光性樹脂版が積層などされたときの耐コールドフロー性を抑制する点で、10wt%以上が好ましく、印刷版の柔軟性の低下を抑制する点で、40wt%以下が好ましい。13wt%から28wt%以下がより好ましい。
本発明でいう光重合性不飽和単量体(b)としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのエステル類、アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体、アリルエステル、スチレン及びその誘導体、N置換マレイミド化合物等があげられる。
その具体的な例としては、ヘキサンジオール、ノナンジオールなどのアルカンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、あるいはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコールのジアクリレート及びジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸ジブチルエステル、フマル酸ジオクチルエステル、フマル酸ジステアリルエステル、フマル酸ブチルオクチルエステル、フマル酸ジフェニルエステル、フマル酸ジベンジルエステル、マレイン酸ジブチルエステル、マレイン酸ジオクチルエステル、フマル酸ビス(3−フェニルプロピル)エステル、フマル酸ジラウリルエステル、フマル酸ジベヘニルエステル、N−ラウリルマレイミド等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合性不飽和単量体(b)の含有量は、感光性樹脂組成物中の0.5wt%以上30wt%以下の範囲が好ましい。0.5wt%以上であれば、細かい点や文字の形成性が良好であり、30wt%以下であれば、露光前の感光性樹脂版が積層されたときの耐コールドフロー性が低下せず、印刷版の柔軟性が低下しない。1wt%以上15wt%以下の範囲がより好ましい。
本発明でいう光重合開始剤(c)とは、光のエネルギーを吸収し、ラジカルを発生する化合物であり、公知の各種のものを用いることが出来るが、各種の有機カルボニル化合物、特に芳香族カルボニル化合物が好適である。
具体例としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノ ン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ ン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6− トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート;1,7−ビスアクリジニルヘプタン;9 −フェニルアクリジン;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤(c)の含有量は、感光性樹脂組成物中の0.1wt%以上10wt%以下の範囲が好ましい。0.1wt%以上であると、細かい点や文字の形成性が低下せず、10wt%以下であると、紫外線等の活性光の透過率が低下しない。0.5wt%以上5wt%以下の範囲がより好ましい。
その他、本発明の感光性樹脂組成物には前記した必須成分の他に、所望に応じ種々の補助添加成分、例えば可塑剤、熱重合防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤などを添加することができる。
可塑剤としては、常温で流動性のある液状のもので、ナフテン油、パラフィン油等の炭化水素油、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの変性物、液状アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体、数平均分子量2,000以下のポリスチレン、セバチン酸エステル、フタル酸エステルなどが挙げられる。これらの共重合体に光重合性の反応基が付与されていても構わない。
本発明のフレキソ印刷版用構成体は、種々の方法で調製することができる。例えば、感光性樹脂組成物の原料を適当な溶媒、例えばクロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板状にすることができる。また、溶剤を用いずに、ニーダ、ロールミルあるいはスクリュウ押出機で混練後、カレンダーロールやプレスなどにより所望の厚さに成型することができるが、本発明はこれらの調製方法に限定されるものではない。
感光性樹脂組成物は通常粘着性を有するので、製版時その上に重ねられるネガフィルムとの接触性をよくするために、或いはネガフィルムの再使用を可能にするために、樹脂層表面に溶剤可溶性の薄いたわみ性の保護層(例えば特開昭61−211420号公報参照)を設けても良い。また、このたわみ性の保護層を、赤外線感受性物質を含む紫外線遮蔽層とし、赤外線レーザーでの直接描画により、このたわみ性の層そのものをネガチブとして用いても良い。いずれの場合も露光が終了してから未露光部を洗い出しする際に、この薄いたわみ性の保護層も同時に除去される。
溶剤可溶な薄いたわみ性の保護層として、例えば洗い出し液に可溶性のポリアミド、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロースエステルなどの層を感光性樹脂層の表面に設けようとする場合には、これを適当な溶剤に溶かしてその溶液を直接感光性樹脂層にコーティングしてもよい。あるいはポリエステル、ポリプロピレン等のフィルムにコーティング(保護フィルム)し、その後に、この保護フィルムを感光層にラミネートまたはプレス圧着して保護膜を転写させても良い。
保護フィルムや支持体は通常感光性樹脂組成物のシート成形後、ロールラミネートにより感光性樹脂組成物に密着させ、ラミネート後加熱プレスすると一層厚み精度の良い感光性樹脂層を得ることができる。
フレキソ印刷版用感光性構成体からフレキソ印刷版を製版するには、まず支持体を通して全面に紫外線露光を施し(バック露光)、薄い均一な硬化層を設け、次いでネガフィルムを通して、もしくは紫外線遮蔽層の上から直接、感光性樹脂層の面に画像露光(レリーフ露光)をおこない、未露光部分を現像用溶剤で洗い流し、後処理露光することによって製造されるのが一般的である。
ネガフィルム側からの露光(レリーフ露光)と支持体側からの露光(バック露光)は、どちらを先におこなっても良いし、また両方を同時におこなってもよい。
露光光源としては、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ等があげられる。
未露光部を現像するのに用いられる現像溶剤としては、ヘプチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート等のエステル類、石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類やテトラクロルエチレン等の塩素系有機溶剤にプロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類を混合したものをあげることができる。
未露光部の洗い出しはノズルからの噴射によって、またはブラシによるブラッシングで行うことができる。
後処理露光として、表面に波長300nm以下の光を照射する方法が一般的である。必要に応じて、300nmよりも大きい光も併用しても構わない。
以下、参考例、実施例、及び比較例により本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<製造例>
(1)感光性樹脂組成物および感光性構成体の作成
感光性樹脂組成として、表1に示した組成をニーダーにて140℃で40分間混合し感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物を、熱可塑性エラストマーを含有する接着剤がコートされた厚さ125μのポリエステルフィルムの支持体と、厚さ4μのポリアミド層を有する100μのポリエステル製カバーシートとで挟み、3mmのスペーサーを用いてプレス機で130℃の条件で200kg/cmの圧力を4分間かけてフレキソ印刷版用感光性構成体を成形した。
Figure 2006301056
(2)フレキソ印刷版の作成
(1)のフレキソ印刷版用感光性構成体のカバーシートをはぎとり、感光性樹脂層の上にあるポリアミドの保護膜層の上にネガフィルムを密着させ、AFP-1500露光機(旭化成ケミカルズ製、商品名)上で370nmに中心波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、まず支持体側から300mJ/cmの全面(バック)露光を行った後、引き続きネガフィルムを通して6000mJ/cmの画像(レリーフ)露光をおこなった。
このときの露光強度をオ-ク製作所製のUV照度計MO-2型機でUV-35フィルタ-を用いて、バック露光を行なう側である下側ランプからの紫外線をガラス板上で測定した強度は10.3mW/cm、レリーフ露光側である上側ランプからの紫外線を測定した強度は12.5mW/cmであった。
ついで、3-メトキシブチルアセテートを現像液として、AFP-1500現像機(旭化成ケミカルズ製、商品名)の回転するシリンダーに版を両面テ-プで貼り付けて、液温25℃で5分間現像をおこない、60℃で2時間乾燥させた。その後、後処理露光として、254nmに中心波長をもつ殺菌灯を用いて版表面全体に2000mJ/cm、続いて紫外線蛍光灯を用いて1000mJ/cmの露光を行なってフレキソ印刷版を得た。なおここで殺菌灯による後露光量は、MO-2型機のUV-25フィルタ-を用いて測定された照度から算出したものである。
<評価方法>
(A)細線忠実性
(2)で得られた印刷版のレリーフ画像の500μm幅の凹細線と凸細線の形状を、顕微鏡を用いて評価した。凹細線の溝が深く、且つ凸細線がシャープで太りがないものが良く、○とし、凹細線の溝が浅く、凸細線がシャープでなく太った場合は問題で、×とした。
(B)版面のインキ汚れ耐性
溶剤インキには、FBキング−プロセス藍(東洋インキ製、商品名)、被印刷体には、ポリエチレンフィルム、アニロックスロールには、600lpi(セル容積3.8cm/m2)、ならびにクッションテープには、3M1020(3M製、商品名)を用いて、印刷速度100m/分で、3000m印刷後に、印刷版の3%網点部と30%ミッドゾーン部の凹部に入り込むインキの程度を、ルーペで観察し、凹部の底までインキが流れていない場合、インキ汚れ耐性が高く、○とし、一方、凹部の底までインキが流れ込んだ場合は、インキ絡み耐性が低く、×とした。
実施例1および2、比較例1および2で得られた評価試験結果の一覧を表2に記載する。
水添ゴムを感光性樹脂組成物中に、0.05wt%以上5.0wt%以下の範囲で添加することで、はじめて高い版面インキ汚れ耐性および高い細線忠実性(解像度)を同時に満たすことが分かる。
Figure 2006301056
本発明は、フレキソ印刷の分野で好適に利用される。

Claims (4)

  1. 少なくとも、熱可塑性エラストマー(a)、光重合性不飽和単量体(b)および光重合開始剤(c)を含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物であって、共役ジエンを主体とする重合物を水素添加して得られる水添ゴムを該感光性樹脂組成中に、0.05wt%以上5.0wt%以下含有することを特徴とするフレキソ印刷用感光性樹脂組成物。
  2. 水添ゴムが、共役ジエンを主体とする重合物中の不飽和結合全量のうち、60mol%以上99mol%以下の範囲で水素添加され、且つ数平均分子量が500〜10000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷用感光性樹脂組成物。
  3. 熱可塑性エラストマー(a)が、スチレンを主体とするブロックと、少なくとも共役ジエンを有するブロックを含有するブロック共重合体で、ブロック共重合体中の共役ジエン種と、水添ゴムの共役ジエン種が同じであることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキソ印刷用感光性樹脂組成物。
  4. 支持体と、その面上に形成された請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の層からなる積層構造を有するフレキソ印刷用感光性構成体。
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