JP2006300743A - 複数のセンサを利用した化学物質検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面にガス吸着膜を設けた圧電発振子が配置された構成の複数のセンサセル3にガス(G)を供給するポンプは、駆動力が付与されると回転する回転部材(回転体)13と、回転部材13に連動して可動する複数の可動部材(加圧ローラ)16と、複数の測定対象ガス供給チューブ5にそれぞれ設けられた複数のポンプ室5とで構成され、可動部材11の可動により複数のポンプ室の容積が同期して増減するので、パラレル式に配置された各センサセル3に測定対象ガス(G)が同じ流量で同期して供給されることになる。
【選択図】 図1
Description
検出装置のセンサ素子として代表的な水晶振動子は、図6に示すように、水晶板31を2枚の電極板33で挟み、2枚の電極板33上にそれぞれ感応膜35(ガス分子吸着膜)を貼り付けた構造になっており、電極板33にはリード37がそれぞれ接続されている。水晶振動子はホルダー39により保持された状態でセル内に配置されてセンサセル41を構成している。ガス分子を吸着すると水晶振動子の質量が増大して共振振動数の減少を引き起こす。振動数変化と付着物質の質量との関係は、以下のSauerbrey 式と呼ばれる式(数1)で表される。すなわち、電極上での質量変化は振動数変化と比例関係にある。
センサセルを複数配置する場合には各センサセルに測定対象ガス(G)を同じ流量供給する必要があるため、図7(1)に示すように、センサセル41をシリアル式に複数配置し、センサセル41どうしを直列に接続している。
そして、センサ列の最後に定量ポンプ45を設けることで、各センサセル41に測定対象ガス(G)を同じ流量供給している。センサ素子として圧電振動子を用いる場合には、センサの過渡応答(時定数)は、測定対象ガス(G)の種類だけでなく流量に依存するからである。ここで、定量ポンプ45とは、一対の吸入孔と送出孔を有し、送出量を一定に制御できるものを想定している。
また、上流側のセンサセル41を通過したガスが隣の下流側のセンサセル41に供給されることになるため、下流側のセンサセル41のセンサ応答が上流側のセンサセル41の吸着・放出特性に影響されてしまう。
複数のセンサセル3がパラレル式に配置されており、複数のセンサセル3にはそれぞれ測定対象ガス(G)が流れる測定対象ガス供給チューブ5が接続されている。ガス供給チューブ5は軟質材で構成されている。
複数のセンサセル3には表面にガス吸着膜を設けた圧電発振子、例えば水晶発振子がそれぞれ1個ずつ配置されている。また、複数のセンサセル3は解析部7に接続されており、それぞれの発振子からのセンサ出力(電気信号)は解析部7に与えられる。解析部7では周波数カウンタで振動子の周波数を計測し、さらに通常パーソナルコンピュータ(PC)で構成される演算処理部での演算処理により測定対象ガス(G)の種類と濃度が推定されている。
符号13は回転体を示し、この回転体13は外周縁が収容カセットケース11の内周面12の近傍に位置するように軸受14を介して回転軸15に軸支されている。回転軸15は図示しないモーターのシャフトに連結されている。回転体13には、複数(ここでは3個)の加圧ローラ16(加圧部材)が周方向に等間隔をあけて回転自在に軸支されている。
カセット収容チューブ10は回転軸15に対して着脱自在になっている。従って、図3に示すように、所望のチェンネル数にあわせて複数のカセット収容チューブ10を回転軸15に軸支されることで、チャンネル数を簡単に変えることができる。
また、ガス供給チューブ5は消耗品であるが、カセット収容チューブ10毎交換することで簡単にガス供給チューブ5の交換を行うことができる。
上記のチューブポンプ9では、回転体13が変位・回転部材としての回転部材に、複数の加圧ローラ16が複数の可動部材に、測定対象ガスチューブ5がポンプ室にそれぞれ対応している。
上記のチューブポンプ9を含むチューブポンプはいずれもその構造上、いつ停止してもガスが逆流することがないため、測定対象ガス(G)をセンサセル3に連続して流しながら、センサ出力を検出することも、一定量の測定対象ガス(G)をセンサセル3に供給した時点で停止して静止状態でセンサ出力を検出することもできる。従って、チューブポンプはガス状化学物質の検出装置に使用するには最も好ましいポンプである。
図4(1)はベローズ機構のものを、図4(2)はダイヤフラム機構のものを、図4(3)はプランジャ機構のものをそれぞれ模式的に示している。
図4(1)のベローズ機構では、上面中心部に設けられたベローズ17が可動部材になっており、ベローズ17の上下方向の直線往復運動によりポンプ室19の容積が増減する。
図4(2)のダイヤフラム機構では、上面中心部に設けられた凸部21が可動部材になっており、凸部21の上下方向の直線往復運動によりポンプ室19の容積が増減する。
図4(3)のプランジャ機構では、上面中心部に設けられたプランジャ23が可動部材になっており、プランジャ23の上下方向の直線往復運動によりポンプ室19の容積が増減する。
いずれも、ポンプ室19がベローズ17等の可動部材の直線往復運動により、容積を増減させる構造になっている。また、いずれも、吸入弁25と送出弁27が交互に開閉して、ガスの吸入と排気を交互に行う構成になっている。
変位部材29の下には、図4(1)〜(3)に示す複数のポンプ室がパラレル式に配置される。ここでは、一例として、図4(1)に示すベローズ機構のポンプ室19が配置されている。
従って、複数のガス供給チューブの吸入チューブを吸入弁25に接続し、送出チューブを送出弁27に接続すれば、チューブポンプ9と同様に複数のガス供給チューブに同じ所定流量の測定対象ガス(G)が流れることになる。
結果として、1つの変位部材29を変位運動させるだけでパラレル式に配置した複数のセンサセル3に同じ流量で、即ち定量性を確保しつつ測定対象ガス(G)を供給させることができる。
上記した第2の実施の形態のようにポンプ室を構成すると、化学物質検出装置の小型化が可能である。
例えば、チューブポンプは第1の実施の形態に記載したものに限定されず、種々の構造のものを使用できる。
また、第2の実施の形態では、同じ機構のポンプ室19を複数パラレル式に配置しているが、異なる機構のものを配置してもよい。
さらに、第2の実施の形態では、単一の変位部材29を設けていたが、ベローズ17等を上下方向に直線運動させるものならばいずれの構造のものでもよい。例えば、ベローズ17等を電磁石や圧電素子などで駆動させることも考えられる。また、電磁石を使用する場合には一つの電磁石でまとめてベローズ17等を駆動させれば、ベローズ17等の動きを同期させ易い。
実際に本発明の化学物質検出装置を8チャンネル(8本のガス供給チューブ)で設計したところ、図7(2)に示すように設計した場合に比べて、チャンネル当りのコストは1/10程度にまで下がった。
3‥‥センサセル 5‥‥測定対象ガス供給チューブ
7‥‥解析部 9‥‥チューブポンプ
10‥‥カセット収容チューブ 11‥‥収容カセットケース
12‥‥内周面 13‥‥回転体
14‥‥軸受 15‥‥回転軸
16‥‥加圧ローラ
17‥‥ベローズ 19‥‥ポンプ室
21‥‥凸部 23‥‥プランジャ
25‥‥吸入弁 27‥‥送出弁
29‥‥変位部材
31‥‥水晶板 33‥‥電極板
35‥‥感応膜 37‥‥リード
39‥‥ホルダー 41‥‥センサセル
Claims (5)
- 表面にガス吸着膜を設けた圧電発振子が配置された構成の複数のセンサセルと、前記複数のセンサセルにそれぞれパラレル式に接続されて測定対象ガスを供給する複数の測定対象ガス供給チューブと、複数のセンサセルにそれぞれ接続されて測定対象ガスが供給されたときにガスを構成する化学物質の検出情報をなすセンサ出力を計測する複数の解析部と、前記測定対象ガス供給チューブに接続され、測定対象ガスを前記センサセルに向けて送給するポンプとを備え、
前記ポンプは駆動力が付与されると変位または回転する変位・回転部材と、前記変位・回転部材に連動して可動する複数の可動部材と、前記複数の可動部材に対応して前記複数の測定対象ガス供給チューブにそれぞれ設けられた複数のポンプ室とで構成され、前記可動部材の可動により前記複数のポンプ室の容積が同期して増減して、各測定対象ガス供給チューブに測定対象ガスを同じ流量で供給することを特徴とする複数のセンサを利用した化学物質検出装置。 - 請求項1に記載した化学物質検出装置において、ポンプは測定対象ガス供給チューブの一部を構成する軟質チューブと、前記軟質チューブを保持する円弧状のガイド部材と、前記ガイド部材とで前記測定対象ガス供給チューブを挟むように配置された回転体と、この回転体に間隔をあけて複数個配置され、前記測定対象ガス供給チューブを前記ガイド部材に押し付けるための加圧部材とを有し、前記回転体が駆動回転すると前記加圧部材により前記測定対象ガス供給チューブを順次圧迫して測定対象ガスを送出するように構成された複数チャンネル対応チューブポンプよりなることを特徴とする化学物質検出装置。
- 請求項2に記載した化学物質検出装置において、ガイド部材はロータに対して着脱自在なカセットで構成されており、前記カセットは1本または2本以上の弾性チューブを保持していることを特徴とする化学物質検出装置。
- 請求項1から3のいずれかに記載した化学物質検出装置において、圧電発振子が水晶発振子であることを特徴とする化学物質検出装置。
- 請求項1から4のいずれかに記載した化学物質検出装置において、においを構成する化学物質を検出するのに用いることを特徴とする化学物質検出装置。
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