JP2006300046A5 - - Google Patents

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燃焼圧検知機能付グロープラグ
本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関の始動補助装置として使用すると共に、内燃機関の燃焼圧の変化を検知することができる燃焼圧検知機能付グロープラグに関する。
内燃機関の始動補助を行うためのグロープラグに、燃焼圧検知機能を付加した燃焼圧検知機能付グロープラグとしては、例えば特許文献1に記載の燃焼圧センサ内蔵プラグなどが提案されている。
この燃焼圧検知機能付グロープラグでは、筒状のハウジングと、一端側がハウジングから露出しつつその内部に保持され、発熱部材と電気的に導通される金属製の中軸と、燃焼圧によってパイプ部材に作用する力が中軸を介して伝達されて燃焼圧を検知する燃焼圧センサとを備えている。さらに、ハウジングの他端側の内周面と中軸の外周面との間に収納部が形成されている。この収納部には、圧電素子からなる燃焼圧センサが、軸線方向の圧縮応力(予荷重)をかけられた状態で配置されている。
特開2002―327919号公報(第2頁、図1)
しかしながら、このように圧電素子に圧縮方向の予荷重をかけて使用するタイプの燃焼圧センサでは、予荷重の大きさによって感度(圧力に対する発生電荷量の比)が異なる場合がある。具体的には、燃焼圧センサにかかる予荷重が小さいと感度が低くなり、予荷重が大きいと感度が高くなる。
例えば、特許文献1に記載の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、この燃焼圧検知機能付グロープラグを内燃機関に取り付けた場合、ネジの締付けによりハウジングのうちネジの締付け部分より先端部分が軸線方向に圧縮されて縮む分、中軸を通じて燃焼圧センサにかけられていた予荷重が減少するため、燃焼圧センサの感度が低くなる。
そのほか、燃焼圧検知機能付グロープラグとして、ハウジングの基端部に設けた先端側を向く面と、これより先端側で中軸に設けた基端側を向く面との間に圧電素子を配置する構成が考えられる。このタイプの燃焼圧検知機能付グロープラグでは、特許文献1の燃焼圧検知機能付グロープラグとは逆に、この燃焼圧検知機能付グロープラグを内燃機関に取り付けた場合、圧電素子にかかる予荷重が増加するため、燃焼圧センサの感度が高くなる。
このように、上述のいずれの場合においても、燃焼圧検知機能付グロープラグを内燃機関に取り付ける場合、取り付けの際の雄ネジ部の締付け力(締付けトルク)の違いにより、圧電素子にかかる予荷重が増減するため、燃焼圧センサの感度がバラついてしまい適切な検知出力を得られない虞がある。
また、グロープラグの使用などにより、圧電素子の温度が変化すると、燃焼圧の変化とは関係なく、焦電効果によって圧電素子に電荷が発生し、検知出力に大きく影響する虞もある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、燃焼圧の変化を適切に検知できる燃焼圧検知機能付グロープラグを提供することを目的とする。
その解決手段は、筒状のハウジングと、上記ハウジングに保持され、通電により発熱するヒータ部材と、上記ハウジングに挿通されてなり、上記ヒータ部材に導通し、使用時における内燃機関の燃焼圧の変化に伴って、上記ハウジングに対して軸線方向に相対変位を生じる導電性の中軸と、自身に加わる応力の変化に応じて電荷を発生する第1圧電素子であって、上記第1圧電素子を軸線方向に圧縮したときに、プラス電荷を発生する第1プラス面、及び、マイナス電荷を発生する第1マイナス面を有する第1圧電素子と、自身に加わる応力の変化に応じて電荷を発生する第2圧電素子であって、上記第2圧電素子を軸線方向に圧縮したときに、プラス電荷を発生する第2プラス面、及び、マイナス電荷を発生する第2マイナス面を有する第2圧電素子と、を備え、上記第1圧電素子及び第2圧電素子はそれぞれ、上記軸線方向に圧縮する予荷重がかけられてなり、上記中軸が基端側に変位したとき、上記第1圧電素子及び第2圧電素子のうち、一方は自身に掛かる上記軸線方向に圧縮する荷重が増加し、他方は自身に掛かる上記軸線方向に圧縮する荷重が減少する形態に配置されてなる燃焼圧検知機能付グロープラグである。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグは、第1圧電素子及び第2圧電素子を有している。しかも、これらのうちの一方は、中軸が基端側に変位したとき、軸線方向に圧縮する荷重が増加し、他方は逆に荷重が減少する形態に配置されている。従って、中軸が変位したときに、各々の圧電素子から発生する同極性の電荷を足し合わせれば、圧電素子2つ分の、より大きな出力(例えば2倍の出力)を得ることができる。
例えば、中軸が基端側に変位したとき、第1圧電素子は、軸線方向に圧縮する荷重が増加し、第2圧電素子は、軸線方向に圧縮する荷重が減少するようにそれぞれ配置されている場合について考える。この場合に、第1圧電素子の第1プラス面と第2圧電素子の第2マイナス面とを接続して第1の出力とし、第1圧電素子の第1マイナス面と第2圧電素子の第2プラス面とを接続して第2の出力とする。このようにすれば、中軸が基端側に変位すると、第1圧電素子では、軸線方向に圧縮する荷重が増加したために、その第1プラス面にプラス電荷が、第1マイナス面にマイナス電荷がそれぞれ発生する。一方、第2圧電素子では、軸線方向に圧縮する荷重が減少したために、その第2プラス面にマイナス電荷が、第2マイナス面にプラス電荷がそれぞれ発生する。従って、第1の出力からは、第1プラス面及び第2マイナス面で発生したプラス電荷を、第2の出力からは、第1マイナス面及び第2プラス面で発生したマイナス電荷を得ることができる。かくして、1つの圧電素子を用いた場合よりも大きい、例えば2倍の大きさの出力を得ることができる。
さらに、一般に圧電素子は、自身にかかる応力が変化しない状態でも、自身の温度の変化によって電荷を発生する焦電効果を有する。従って、グロープラグへの通電やエンジンの始動などにより圧電素子自身の温度が変化すると、焦電効果によって発生した電荷により、出力がドリフトし、誤検知を生じたり燃焼圧の適切な測定が困難となる虞がある。
しかるに、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグにおいて、上述のように、2つの圧電素子について、第1プラス面と第2マイナス面とを接続し、第1マイナス面と第2プラス面とを接続すると、温度の変化(例えば2つの圧電素子の温度の上昇)に伴う焦電効果によって、第1圧電素子の第1プラス面に生じた電荷を第2圧電素子の第2マイナス面に生じた逆極性の電荷で打ち消し、同様に、第1圧電素子の第1マイナス面に生じた電荷を第2圧電素子の第2プラス面に生じた逆極性の電荷で打ち消すことができる。かくして、焦電効果による検知出力の変動を小さくすることもできる。
なお、圧電素子としては、圧電効果、逆圧電効果を有する材質からなるものであれば良く、具体的には、水晶、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム等、公知の圧電組成物が挙げられる。
また、第1圧電素子は、所定方向に分極されて、軸線方向に圧縮したときに、第1プラス面にプラス電荷を発生し、第1マイナス面にマイナス電荷を発生する構成とされていればよい。従って、第1圧電素子としては、軸線方向に分極されており、第1プラス面及び第1マイナス面が軸線(分極方向)に直交する面となる形態のもの、具体的には、例えばリング状の圧電素子をその軸線方向に分極し、軸線(分極方向)に直交する上面と底面を第1プラス面及び第1マイナス面としたものが挙げられる。また、軸線に直交する方向に分極されており、第1プラス面及び第1マイナス面を軸線に平行で且つ分極方向に直交する面とした形態のもの、具体的には、例えば、リング状の圧電素子をその径方向に分極し、軸線に平行で分極方向(径方向)に直交する内周面及び外周面を第1プラス面及び第1マイナス面としたものが挙げられる。第2圧電素子についても同様である。
また、第1圧電素子の第1プラス面及び第1マイナス面、第2圧電素子の第2プラス面及び第2マイナス面に発生した電荷を、4つのリード線等を用いてそれぞれ外部に取り出した上で、適宜足し合わせることができる。あるいは、グロープラグ内において、第1プラス面と第2マイナス面とを、また、第1マイナス面と第2プラス面とを導通させておき、2面分の電荷を2つのリード線を用いてそれぞれ外部に取り出すようにすることもできる。また、グロープラグ内において、第1プラス面と第2マイナス面とを導通させて、この2面分の電荷をリード線を用いて外部に取り出す一方、第1マイナス面と第2プラス面はそれぞれハウジングに導通させ、アースレベルとすることもできる。この逆に、グロープラグ内において、第1マイナス面と第2プラス面とを導通させて、この2面分の電荷をリード線を用いて外部に取り出す一方、第1プラス面と第2マイナス面はそれぞれハウジングに導通させ、アースレベルとすることもできる。
ここで、上述の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記第1圧電素子は、前記軸線方向に分極されており、前記第1プラス面及び第1マイナス面は、それぞれ前記軸線に直交する第1−1面及び第1−2面であり、前記第2圧電素子は、上記軸線方向に分極されており、前記第2プラス面及び第2マイナス面は、それぞれ前記軸線に直交する第2−1面及び第2−2面である燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグにおける第1圧電素子は、軸線方向に分極されており、軸線に直交する第1−1面及び第1−2面がそれぞれ第1プラス面及び第1マイナス面となっている。また、第2圧電素子は、同じく軸線方向に分極され、軸線に直交する第2−1面及び第2−2面がそれぞれ第2プラス面及び第2マイナス面となっている。
このように本発明の第1,第2圧電素子では、電荷の発生する面が分極方向に直交しており、この分極方向に荷重がかかるため、他の場合、例えば、分極方向に直交する方向に荷重が掛かる場合に比して、第1−1面等に発生する電荷量が大きくなる。したがって、より適切に燃焼圧を計測することができる。
また、中軸が変位したときに、各々の圧電素子から発生する同極性の電荷が足し合わせれば、前述と同様、圧電素子2つ分の、より大きな出力(例えば2倍の出力)を得ることができる。
さらに、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでも、上述のように、2つの圧電素子について、第1−1面と第2−2面とを接続し、第1−2面と第2−1面とを接続すると、第1圧電素子と第2圧電素子とを分極方向が互いに逆向きになる。すると、温度の変化によって、第1圧電素子の第1−1面に生じた電荷を第2圧電素子の第2−2面に生じた逆極性の電荷で打ち消し、同様に、第1圧電素子の第1−2面に生じた電荷を第2圧電素子の第2−2面に生じた逆極性の電荷で打ち消すことができる。かくして、焦電効果による検知出力の変動を小さくすることもできる。
また他の解決手段は、通電により発熱するヒータ部材と、筒状のハウジングであって、軸線方向の最も先端側に位置するハウジング先端部、上記軸線方向の最も基端側に位置するハウジング基端部、上記ハウジング先端部と上記ハウジング基端部の間に位置し、このハウジングを内燃機関の取付孔内にネジ止めするための雄ネジ部、上記ハウジング先端部と上記雄ネジ部の間に位置し、上記取付孔内の所定部位と直接または間接に圧接して、このハウジングと上記取付孔との間の気密を保持するためのシール部、及び、上記雄ネジ部より上記軸線方向先端側に位置し、上記ヒータ部材の一部を上記ハウジング先端部より先端側に突出させた形態で、このヒータ部材を自身の内側に直接または間接に保持するヒータ保持部、を含み、上記ネジ止めにより上記ハウジング先端部が内燃機関の燃焼室側に位置するように上記内燃機関に取り付けられるハウジングと、導電性の中軸であって、上記軸線方向基端側に位置する中軸基端部、及び、上記軸線方向先端側に位置する中軸先端部、を含み、上記ハウジング内に収容されると共に、上記中軸基端部が上記ハウジング基端部から突出するよう配置され、上記中軸先端部で上記ヒータ部材と電気的に導通され、上記ヒータ部材と直接または間接にかつ機械的に剛に結合されてなる中軸と、上記軸線方向に分極されており、自身に加わる応力の変化に応じて電荷を発生する第1圧電素子であって、上記軸線に直交する第1−1面及び第1−2面を有し、上記第1圧電素子を軸線方向に圧縮したときに、上記第1−1面にプラス電荷を発生し、上記第1−2面にマイナス電荷を発生する第1圧電素子と、上記軸線方向に分極されており、自身に加わる応力の変化に応じて電荷を発生する第2圧電素子であって、上記軸線に直交する第2−1面及び第2−2面を有し、上記第2圧電素子を軸線方向に圧縮したときに、上記第2−1面にプラス電荷を発生し、上記第2−2面にマイナス電荷を発生する第2圧電素子と、を備え、上記第1圧電素子及び第2圧電素子はそれぞれ、上記ハウジングのハウジング基端部と上記中軸とに直接または間接に係合して、上記軸線方向に挟持され、上記軸線方向に圧縮する予荷重がかけられてなり、上記中軸が基端側に変位したとき、上記第1圧電素子及び第2圧電素子のうち、一方は自身に掛かる上記軸線方向に圧縮する荷重が増加し、他方は自身に掛かる上記軸線方向に圧縮する荷重が減少する形態に配置されてなる燃焼圧検知機能付グロープラグである。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグも、第1圧電素子及び第2圧電素子を有している。しかも、これらのうちの一方は、中軸が基端側に変位したとき、軸線方向に圧縮する荷重が増加し、他方は逆に荷重が減少する形態に配置されている。従って、中軸が変位したときに、各々の圧電素子から発生する同極性の電荷が足し合わせれば、圧電素子2つ分の、より大きな出力(例えば2倍の出力)を得ることができる。
例えば、中軸が基端側に変位したとき、第1圧電素子は、軸線方向に圧縮する荷重が増加し、第2圧電素子は、軸線方向に圧縮する荷重が減少するようにそれぞれ配置されている場合について考える。この場合に、第1圧電素子の第1−1面と第2圧電素子の第2−2面とを接続して第1の出力とし、第1圧電素子の第1−2面と第2圧電素子の第2−1面とを接続して第2の出力とする。このようにすれば、中軸が基端側に変位すると、第1圧電素子では、軸線方向に圧縮する荷重が増加したために、その第1−1面にプラス電荷が、第1−2面にマイナス電荷がそれぞれ発生する。一方、第2圧電素子では、軸線方向に圧縮する荷重が減少したために、その第2−1面にマイナス電荷が、第2−2面にプラス電荷がそれぞれ発生する。従って、第1の出力からは、第1−1面及び第2−2面で発生したプラス電荷を、第2の出力からは、第1−2面及び第2−1面で発生したマイナス電荷を得ることができる。かくして、1つの圧電素子を用いた場合の2倍の大きさの出力を得ることができる。
さらに、本発明のグロープラグは、自身のハウジングを内燃機関の取付孔内に取り付けたとき、ネジの締付けに伴って、ハウジングのうち雄ネジ部とシール部との間の部分が、軸線方向に圧縮され、弾性によりその寸法が僅かに縮む。一方、中軸はヒータ部材に直接又は間接に機械的に剛に結合されている。具体的には、ヒータ部材が軸線方向に変位したとき、中軸も同じく軸線方向に変位するように結合されている。このような状態で、ヒータ部材はハウジングに保持されているため、ハウジングが縮むと中軸がハウジングに対して、さらに具体的にはハウジングのうち雄ネジ部に対して、相対的に基端側に変位することとなる。
ところで、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、中軸がハウジングの基端側に変位した場合、2つの圧電素子のうち一方の素子に掛かる圧縮の予荷重は増加し、他方の素子に掛かる圧縮の予荷重は減少する。具体的には、例えば前述の例のように配置した場合には、第1圧電素子に掛かる圧縮の予荷重は増加し、第2圧電素子に掛かる圧縮の予荷重は減少する。前述したように、圧電素子にかかる予荷重が増加した場合には、圧力変化の感度は高くなり、予荷重が減少した場合には感度が低下する傾向にあるので、上述の場合、第1圧電素子の感度は高くなり、第2圧電素子の感度は低くなる。
そこで、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグにおいて、2つの圧電素子について、第1−1面と第2−2面とを接続し、第1−2面と第2−1面とを接続し、第1圧電素子及び第2圧電素子からそれぞれ発生する電荷を足し合わさるようにすれば、それぞれの圧電素子の感度の変化分が相殺されて出力される。このため、このグロープラグをネジ止めする際に生じる中軸の変位の大きさの違い、即ち、ネジ止めのときの締め付けトルクの大きさの違いによる圧電素子の感度への影響が軽減される。つまり、異なる締め付けトルクで締め付けても、2つの圧電素子全体としては、感度の変化が抑制されるから、締め付けトルクの管理が容易で、広い締め付けトルクの範囲に亘り、適切に燃焼圧の変化を検知する燃焼圧検知機能付グロープラグとなし得る。
さらに、一般に圧電素子は、自身にかかる応力が変化しない状態でも、自身の温度の変化によって電荷を発生する焦電効果を有する。従って、グロープラグへの通電やエンジンの始動などにより圧電素子自身の温度が変化すると、焦電効果によって発生した電荷により、出力がドリフトし、誤検知を生じたり燃焼圧の適切な測定が困難となる虞がある。
しかるに、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、上述のように、2つの圧電素子について、第1−1面と第2−2面とを接続し、第1−2面と第2−1面とを接続すると、第1圧電素子と第2圧電素子とを分極方向が互いに逆向きになるように接続したことになる。すると、温度の変化によって、第1圧電素子の第1−1面に生じた電荷を第2圧電素子の第2−2面に生じた逆極性の電荷で打ち消し、同様に、第1圧電素子の第1−2面に生じた電荷を第2圧電素子の第2−2面に生じた逆極性の電荷で打ち消すことができる。かくして、焦電効果による検知出力の変動を小さくすることもできる。
また、2つの圧電素子は、ハウジング基端部と中軸の基端側に係合するように配置されているので、ヒータ部材及びこのグロープラグが取り付けられる内燃機関から最も離れた位置に配置されている。このため、ヒータ部材や内燃機関の温度上昇による影響を受けにくい。
また、他の解決手段は、通電により発熱するヒータ部材と、筒状のハウジングであって、 軸線方向の最も先端側に位置するハウジング先端部、上記軸線方向の最も基端側に位置するハウジング基端部であって、径方向内側に突出してなり、上記軸線方向先端側を向く先端向き内方突出面を含む内方突出部、上記内方突出部より上記軸線方向先端側に位置し、上記先端向き内方突出面に対向する基端向き対向面を有する対向部、を有するハウジング基端部、上記ハウジング先端部と上記ハウジング基端部の間に位置し、このハウジングを内燃機関の取付孔内にネジ止めするための雄ネジ部、上記ハウジング先端部と上記雄ネジ部の間に位置し、上記取付孔内の所定部位と直接または間接に圧接して、このハウジングと上記取付孔との間の気密を保持するためのシール部、及び、上記雄ネジ部より上記軸線方向先端側に位置し、上記ヒータ部材の一部を上記ハウジング先端部より先端側に突出させた形態で、このヒータ部材を自身の内側に直接または間接に保持するヒータ保持部、を含み、上記ネジ止めにより上記ハウジング先端部が内燃機関の燃焼室側に位置するように上記内燃機関に取り付けられるハウジングと、導電性の中軸であって、上記軸線方向基端側に位置する中軸基端部、上記軸線方向先端側に位置する中軸先端部、及び、上記中軸基端部と上記中軸先端部の間に位置し、径方向外側に向かって突出してなり、軸線方向基端側を向く基端向き外方突出面及び軸線方向先端側を向く先端向き外方突出面を有する外方突出部、を含み、上記ハウジング内に収容されると共に、上記中軸基端部が上記ハウジング基端部から突出し、上記外方突出部が、上記ハウジングの内方突出部よりも上記軸線方向先端側に、かつ、上記ハウジングの対向部よりも上記軸線方向基端側に位置するよう配置され、上記中軸先端部で上記ヒータ部材と電気的に導通し、上記ヒータ部材と直接または間接に機械的に剛に結合されてなる中軸と、上記ハウジングの上記内方突出部の上記先端向き内方突出面と上記中軸の上記外方突出部の上記基端向き外方突出面との間に挟持されてなり、上記軸線方向に分極されており、自身に加わる応力の変化に応じて電荷を発生する第1圧電素子であって、上記軸線に直交する第1−1面及び第1−2面を有し、上記第1圧電素子を軸線方向に圧縮したときに、上記第1−1面にプラス電荷を発生し、上記第1−2面にマイナス電荷を発生する第1圧電素子と、上記ハウジングの上記対向部の上記基端向き対向面と上記中軸の上記外方突出部の上記先端向き外方突出面との間に挟持されてなり、上記軸線方向に分極されており、自身に加わる応力の変化に応じて電荷を発生する第2圧電素子であって、上記軸線に直交する第2−1面及び第2−2面を有し、上記第2圧電素子を軸線方向に圧縮したときに、上記第2−1面にプラス電荷を発生し、上記第2−2面にマイナス電荷を発生する第2圧電素子と、を備え、上記第1圧電素子及び第2圧電素子は、それぞれ上記軸線方向に圧縮する予荷重がかけられてなる燃焼圧検知機能付グロープラグである。
第1圧電素子及び第2圧電素子を有する燃焼圧検知機能付グロープラグについて、中軸が基端側に変位したとき、圧電素子のうち一方は軸線方向に圧縮する荷重が増加し、他方は軸線方向に圧縮する荷重が減少する形態に配置すると良いことは前述の通りである。しかし、グロープラグをこのように第1圧電素子及び第2圧電素子を配置できるように構成するには、その構造が複雑になりがちである。
これに対し、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、ハウジングの内方突出部と中軸の外方突出部とに挟持された第1圧電素子、及び、ハウジングの対向部と中軸の外方突出部とに挟持された第2圧電素子が、予荷重をかけた状態で配置されている。従って、中軸が基端側に変位すると、第1圧電素子を圧縮する荷重が増加する。一方、第2圧電素子を圧縮する荷重は減少する。つまり、中軸の外方突出部によって、第1圧電素子の圧縮応力の増加と第2圧電素子の圧縮応力の減少の両方を同時に行える構成としている。なお、中軸が先端側に変位した場合にはこの逆となることは言うまでもない。
また、この燃焼圧検知機能付グロープラグでは、ハウジングの内方突出部と対向部とで、その間に位置する第1圧電素子、第2圧電素子及び中軸の外方突出部を挟持して予荷重をかけている。このため、2つの圧電素子に対する予荷重も同時に掛けることができ、しかも、第1圧電素子と第2圧電素子とが積み重なっているので、このグロープラグを作製する時点では、同じ大きさの予荷重をかけることができる。さらに、中軸の外方突出部の両面(先端向き外方突出面、基端向き外方突出面)を使用しているため中軸の構造も簡単である。このため、この燃焼圧検知機能付グロープラグは、構造が比較的簡単で、ローコスト化や小型化を図ることができる。
なお、前述の発明にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグと同様に、本発明にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグでも、中軸が基端側に変位したとき、第1圧電素子については、軸線方向に圧縮する荷重が増加し、第2圧電素子については、軸線方向に圧縮する荷重が減少するようにそれぞれ配置されている。このため、この燃焼圧検知機能付グロープラグでも同様に2つの圧電素子を接続すれば、1つの圧電素子を用いた場合の2倍の大きさの出力を得ることができ、さらに、ネジ止めのときの締付けトルクの大きさによる圧電素子の感度の影響を軽減することができる。
またさらに、この燃焼圧検知機能付グロープラグでは、焦電効果による検知出力の変動を小さくすることもできる。
さらに、上記のいずれかに記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、上記第1圧電素子及び第2圧電素子は、互いに同一の特性を有する圧電素子である燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、第1圧電素子と第2圧電素子とは、互いに同一の特性を有する。従って、第1圧電素子と第2圧電素子とが同様な温度変化をしたとすれば、焦電効果によって第1圧電素子の第1−1面に発生する電荷と第2圧電素子の第2−2面に発生する電荷とは、逆極性で同量となる。同様に第1圧電素子の第1−2面に発生する電荷と第2圧電素子の第2−1面に発生する電荷とは、逆極性で同量の発生量は等しい量となる。このため、この燃焼圧検知機能付グロープラグでは、焦電効果により第1圧電素子と第2圧電素子に発生した電荷とを、ちょうど互いに打ち消し合う量だけ発生する。そこで、第1−1面と第2−2面とを接続し、第1−2面と第2−1面とを接続すれば、第1、第2圧電素子からの出力について、焦電効果による電荷発生の影響を十分抑制したものとすることができる。かくして、焦電効果による影響を十分抑制し、適切に燃焼圧力を検知できる燃焼圧検知機能付グロープラグとなし得る。
さらに、上記いずれか一項に記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記第1圧電素子の第1−1面と前記第2圧電素子の第2−2面との2面間を互いに導通させる第1導電路部材、及び、上記第1圧電素子の第1−2面と上記第2圧電素子の第2−1面との2面間を互いに導通させる第2導電路部材、の少なくともいずれかを備え、上記第1導電路部材及び第2導電路部材は、導通する2面の径方向外側において、これら2面間に架け渡された2面間を導通するブリッジ部を有する燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、第1−1面と第2−2面とを導通する第1導電路部材、及び、第1−2面と第2−1面とを導通する第2導電路部材の少なくともいずれかを有する。しかも、第1導電路部材及び第2導電路部材は、導通する2面(つまり、第1−1面と第2−2面、あるいは第1−2面と第2−1面)の径方向外側において、これら2面間に架け渡されたブリッジ部を有している。従って、このブリッジ部にリード線を接続し、このリード線を外部に引き出せば、容易に2面分の電荷を外部に取り出すことができる。
さらに、上述の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記第1導電路部材及び第2導電路部材は、それぞれ、自身が導通する2面のうちの一方の面に当接する第1面当接部、及び、上記第1面当接部から径方向外側に引き出され、前記ブリッジ部の少なくとも一部をなす第1ブリッジ形成部、を含む第1部材と、自身が導通する2面のうちの他方の面に当接する第2面当接部、及び、上記第2面当接部から径方向外側に引き出され、上記第1ブリッジ形成部とで上記ブリッジ部をなす第2ブリッジ形成部、を含む第2部材と、から構成されてなる燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
第1導通路部材あるいは第2導通路部材を単一の部材で構成している場合には、燃焼圧検知機能付グロープラグの組付を考慮すると、2面間に掛け渡されるブリッジ部の長さを、組付後に必要となる長さより長くしなければならない場合が多い。つまり、ブリッジ部を組付に必要な長さとすると、組付後にそのブリッジ部の長さが余剰となる場合がある。しかるに、このような余剰長さを有するブリッジ部では、ハウジングその他の部分に接触短絡して、適切に燃焼圧を検知できなくなる可能性がある。
これに対し、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、第1導通路部材及び第2導通路部材は、それぞれ、第1部材と第2部材とから構成されている。しかも第1部材は、第1導通路部材あるいは第2導通路部材自身が導通する2面(例えば、第1−1面と第2−2面、あるいは第1−2面と第2−1面)のうちの一方の面に当接する第1面当接部と、この第1面当接部から径方向外側に引き出され、ブリッジ部の少なくとも一部をなす第1ブリッジ形成部とを含む。一方、第2部材は、第1導通路部材あるいは第2導通路部材自身が導通する2面のうちの他方の面に当接する第2面当接部と、この第2面当接部から径方向外側に引き出され、第1ブリッジ形成部とでブリッジ部をなす第2ブリッジ形成部とを含む。
このように第1導通路部材及び第2導通路部材が、第1部材と第2部材から構成されてなるため、第1導通路部材及び第2導通路部材の組付が容易になる上、ブリッジ部を第1ブリッジ形成部と第2ブリッジ形成部とで形成できるから、ブリッジ部の長さや形態を適切に調整して、ハウジング等との短絡が生じにくいものとすることが容易にできる。
また、上記いずれかに記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記第1圧電素子及び前記第2圧電素子は、前記中軸及び前記ハウジングと絶縁されてなる燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
第1圧電素子及び第2圧電素子は、中軸あるいはハウジングと必ずしも絶縁されていなければならない訳ではない。例えば、第1圧電素子の第1−2面と第2圧電素子の第2−1面とをいずれもハウジングと導通するように配置する一方、第1圧電素子の第1−1面と第2圧電素子の第2−2面とから出力を得るようにすることができる。即ち、エンジンブロックに導通されアースレベルとされたハウジングと、第1圧電素子の第1−2面と第2圧電素子の第2−1面とを共通として用いることができる。
しかしながら、グロープラグは、始動時やアフターグロー通電時などに、数10〜100Aにも達する大電流を流すため、グロープラグへの通電時には、アースレベルが変動する。このため、このアースレベルの変動により、第1−1面及び第2−2面からの出力が変動して見え、適切な燃焼圧の測定が困難になる場合も考えられる。
これに対し、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、第1圧電素子及び第2圧電素子は、中軸及びハウジングと絶縁されている。従って、これらの第1圧電素子と第2圧電素子の出力レベルは、ハウジングにおけるアースレベルからも、中軸におけるヒータ電圧レベルからもフローティングしたレベルになる。このため、グロープラグの通電などによるアースレベルの変動に影響される虞がない。
あるいは、前記のいずれか一項に記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記第1圧電素子の前記第1−1面と前記第2圧電素子の前記第2−2面、及び、上記第1圧電素子の前記第1−2面と上記第2圧電素子の前記第2−1面のうち、一方の2面に生ずる電荷が前記中軸及び前記ハウジングと絶縁されつつ外部に導出され、他方の2面に生ずる電荷が前記ハウジングを通じて外部に導出されるように構成されてなる燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、第1−1面及び第2−2面と、第1−2面及び第2−1面のうち、一方の2面を中軸やハウジングとは絶縁して外部に取り出す。他方の2面については、ハウジングに導通する。つまり、他方の2面はハウジングのアースレベルとする。
このようにすると、前述したように、始動時やアフターグロー通電時などに、グロープラグに大電流を流すと、アースレベルが変動し、出力変動が生じる場合がある。しかし、このような問題点を別途、測定回路等によって回避できるのであれば、外部に取り出すリード線の数を減少させることができる、圧電素子の周囲の構造を簡単にでき、安価なグロープラグとすることができるなどの利点が有る。
また、上記いずれかに記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記ハウジングは、軸線方向の最も先端側に位置するハウジング先端部、上記軸線方向の最も基端側に位置するハウジング基端部、上記ハウジング先端部と上記ハウジング基端部の間に位置し、このハウジングを内燃機関の取付孔内にネジ止めするための雄ネジ部、及び、上記ハウジング基端部と上記雄ネジ部の間に位置し、上記ネジ止めのときに工具を係合させる工具係合部を含み、前記第1圧電素子及び前記第2圧電素子は、上記ハウジング基端部内に配置されてなる燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
燃焼圧検知機能付グロープラグにおける工具係合部は、この燃焼圧検知機能付グロープラグを内燃機関にネジ止めする際に、工具を係合させ締め付けを行うものであるから、肉厚に形成して変形を防いでおく必要がある。しかるに、工具係合部の径方向内側に圧電素子を配置する形態にすると、工具係合部が肉薄となりがちで、その強度が低下し、この部分の変形などを招来しやすい。
これに対し、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、第1圧電素子及び第2圧電素子が、工具係合部よりも基端側に位置するハウジング基端部内に配置されている。従って、第1圧電素子及び第2圧電素子の寸法や配置などに影響することなく、工具係合部の肉厚などの寸法を選択できるので、強度が高い工具係合部とすることができる。
しかも、第1圧電素子及び第2圧電素子をハウジング基端部内に配置しているので、取り扱い時に工具等が圧電素子に当たったりすることも防止できる。このため、取付の際の取り扱いや作業が容易で信頼性の高い燃焼圧検知機能付グロープラグとなし得る。
なお、工具係合部としては、燃焼圧検知機能付グロープラグを内燃機関にネジ止めあるいは取り外しする際に、スパナやレンチなどの工具を係合させるのに適した形状にした部位を指し、具体的には、六角形状や二面取り形状とした部位を指す。
また、上記のいずれかに記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記ハウジングの基端側は、樹脂により封止されてなる燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、ハウジングの基端側が樹脂により封止されている。従って、ハウジング基端部内に配置された圧電素子などを水分や油等から保護することができるから、より信頼性の高い燃焼圧検知機能付グロープラグとすることができる。
さらに、上記のいずれか1項に記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記中軸が貫通してなるリング状のシール部材であって、前記軸線方向に見て前記第1圧電素子及び第2圧電素子よりも先端側に配置され、上記中軸の外側面と上記ハウジングの内側面との間の空間のうち、上記シール部材より上記第1圧電素子及び第2圧電素子側の空間を上記シール部材より先端側の空間に対して気密とするシール部材を備える燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、リング状のシール部材を軸線方向に見て第1圧電素子及び第2圧電素子よりも先端側に配置し、中軸とハウジングの内側面との間の空間のうち、シール部材より第1圧電素子及び第2圧電素子側の空間をシール部材より先端側の空間に対して気密に保持している。このため、先端側から中軸とハウジングの内側面との間の空間に燃焼ガスが侵入しても、このガスが第1圧電素子及び第2圧電素子のある部分にまで達することはない。従って、この燃焼ガスの圧力によって、第1圧電素子及び第2圧電素子が応力を受けて、それらの出力に影響が生じることもない。このため、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、適切な燃焼圧検知出力を得ることができる。
なお、リング状のシール部材としては、ハウジングに対する中軸の相対変位を妨げることなく、中軸とハウジングの内側面との間の空間のうち、シール部材より第1圧電素子及び第2圧電素子側の空間をシール部材より先端側の空間に対して気密に保持できれば、いずれのものでも良い。具体的には、ゴムからなるOリング、特に耐熱性の高いフッ素ゴムからなるOリングを挙げることができる。
本発明の実施にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグを図面を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施例を、図1〜図15を参照して説明する。グロープラグ1000は、内燃機関の始動補助のため通電によってヒータ部材1100を発熱させることができるほか、内燃機関の燃焼圧の変化を検知することができるように構成された燃焼圧センサ1005を有するグロープラグである。このグロープラグ1000は、図1(a)に示すように、軸線AXに沿う方向(以下、単に軸線方向ともいう)AXTに延びる筒状のハウジング1200と、このハウジング1200内に保持された導電性の中軸1300と、この中軸1300の軸線方向先端側(図中下方。以下、単に先端側ともいう)に配置されたヒータ部材1100とを備えている。
このヒータ部材1100は、図1(b)に示すように、ヒータ先端部1101が略半球状の形状を有し、窒化珪素質セラミックからなる棒状を有する。このヒータ部材1100は、ヒータ先端部1101に内に非金属発熱体からなるヒータ発熱部1110を有する。また、ヒータ部材1100の基端側の外周面には、このヒータ発熱部1110の発熱に必要な電力の供給端子であるヒータ接続部1140、1150を有する。さらに、ヒータ発熱部1110の両端とヒータ接続部1140、1150をそれぞれ導通するヒータ導電路1120、1130とを有する。これらは、窒化珪素質セラミックによって包囲されている。
一方、図1及び図2に示すように、ハウジング1200は、筒状のハウジング本体部材1220、この先端側に配置され、上述のヒータ部材1100を保持するヒータ保持部材1210、及びハウジング本体部材1220の基端に配置されているセンサキャップ1230(図2参照)からなる。
このうち、ヒータ保持部材1210とハウジング本体部材1220とは、図1(b)に示すように、ハウジング本体部材1220のうち先端側(図1中下方)に位置する先端側溶接部1224で、レーザ溶接により固着されている。また、ハウジング本体部材1220とセンサキャップ1230とは、図2に示すように、ハウジング本体部材1220の軸線方向基端側(図2中上方。以下、単に基端側ともいう)に位置する基端側第1溶接部1225で、レーザ溶接により固着されている。
このように3つの部材からなるハウジング1200のうち、最も先端側にある部分をハウジング先端部1201とし、最も基端側にある部分をハウジング基端部1202とする。
このハウジング1200は、ハウジング先端部1201とハウジング基端部1202との間に、具体的には、ハウジング本体部材1220の軸線方向の中間部分に、このハウジング1200を図3のように内燃機関100の取付孔101に取り付けるための雄ネジ部1203を備える。さらに、このハウジング1200のハウジング本体部材1220は、ハウジング基端部1202と雄ネジ部1203との間に、ネジ止めのときにレンチなどの工具を係合させる六角形状の工具係合部1206を有する。またさらに、このハウジング1200は、ハウジング先端部1201と雄ネジ部1203との間に、具体的には、ヒータ保持部材1210の基端部分に、取付孔101の取付面103に圧接して、このハウジング1200と取付孔101との間を気密に保持するための、先細のテーパ面からなるシール部1204を有する。従って、図1から明らかなように、ヒータ保持部材1210は、雄ネジ部1203より軸線方向先端側に位置している。
また、ヒータ保持部材1210は、ヒータ部材1100を、そのヒータ先端部1101をハウジング先端部1201より先端側に突出させた形態で保持している。具体的には、このヒータ保持部材1210は、ヒータ部材1100の基端側に位置するヒータ基端部1102がこのヒータ保持部1205内に圧入されている。このため、ヒータ保持部材1210とヒータ部材1100は気密に密着し、このグロープラグ1000を内燃機関100に装着した場合でも、高圧の燃焼ガスが、ハウジング1200内に侵入することが防止されている。
さらに、ヒータ部材1100のヒータ接続部1140とヒータ保持部材1210の内周面とが、電気的に導通するので、このヒータ部材1100のヒータ発熱部1110の一端は、ハウジング1200と電気的に接続されることになる。
一方、ヒータ部材1100のうちヒータ基端部1102は、金属からなる接続リング1330のうち接続リング先端部1331内に圧入されている。さらに、中軸1300の中軸先端部1320は、接続リング1330の接続リング基端部1332の内周に挿入され、中軸先端溶接部1321で溶接により固着されている。このため、中軸1300と、ヒータ部材1100とは、接続リング1330を介して、機械的に剛に結合される。その上、中軸1300とヒータ部材1100のヒータ接続部1150とは、接続リングを介して電気的に接続されている。
従って、ハウジング1200と中軸1300との間に電圧を印加することで、ヒータ部材1100を発熱させることができる。
次いで、ハウジング1200のうち最も基端側に位置するハウジング基端部1202について説明する。このハウジング基端部1202は、センサキャップ1230及びハウジング本体部材1220のハウジング本体基端部1223を含む。
このうち、センサキャップ1230は、図5に示すように、略筒状の形態を有する胴部1232と、その軸線方向先端側(図5中、下方)に位置する円環状の環状部1233と、を備える。さらに、このセンサキャップ1230は、胴部1232の軸線方向基端(図5中上端)から、軸線AXに直交し径方向内側に突出する内方突出部1231を含む。さらに、この内方突出部1231は、軸線方向先端側を向いた先端向き内方突出面1234を含む。また、環状部1233は、胴部1232に比して、肉厚が薄くされている。
また、胴部1232及び内方突出部1231には、中軸1300をその軸線AXに沿って貫通可能とすると共に、後述する配線部材を挿通するための挿通孔1235を含む。この挿通孔1235は、図5(a)に示すように、軸線AXを内部に含む、平面視略U字状で、胴部1232では、軸線方向に延びるスリット状の形態を有している。
なお、センサキャップ1230及びハウジング本体基端部1223は、前述の通り基端側第1溶接部1225で固着されている(図2参照)。これにより、センサキャップ1230の内方突出部1231と胴部1232、及びハウジング本体基端部1223で、後述する燃焼圧センサ1005をその内部に収容するための包囲空間Gを形成している。
この包囲空間Gの先端側に位置するハウジング本体基端部1223は、内方突出部1231の先端向き内方突出面1234に対向する対向部1221を構成する。また、この対向部1221は、ハウジング本体部材1220の基端面であり、軸線方向基端側を向く、基端向き対向面1222を含んでいる。この基端向き対向面1222は、センサキャップ1230の先端向き内方突出面1234に対向している。
次いで、中軸1300について図1,図2を参照して説明する。鉄からなり、棒状の形態を有する中軸1300は、ハウジング1200の内部に配置されている。また、この中軸1300は、基端側に位置する中軸基端部1310とこの中軸基端部1310から先端側に延びる棒状の形態を有する中軸本体1301とからなる。このうち中軸基端部1310は、その先端側に雌ネジ部1311が形成されている。また、中軸本体1301は、その基端側に雄ネジ部1302が形成されている。中軸基端部1310と中軸本体1301とは、雌ネジ部1311と雄ネジ部1302とで、ネジ止めされた後、カシメ加工により固着される(図2参照)。
この中軸1300のうち中軸先端部1320は、前述したように、ヒータ部材1100のヒータ基端部1102に接続リング1330を介して機械的に剛に結合している(図1(b)参照)。一方、中軸1300のうち基端側の端部である中軸基端部1310は、ハウジング基端部1202(センサキャップ1230)より基端側に位置して、ハウジング1200より基端側に突出しており、図示しない接続端子を差し込み接続できる形態にされている。
さらに、この中軸1300は、中軸基端部1310よりも先端側(図中下方)において、円柱状の中軸本体1301のほか、燃焼圧センサ1005の一部を成し、筒状で中軸本体1301を内部に挿通して、これと一体化してなる中軸スリーブ1340を有する。この中軸スリーブ1340は、図6に示すように、貫通孔1344を有する筒形状を有し、その軸線方向中間位置には、径方向外側に向けて突出するフランジ状の外方突出部1342を含む。以下では、この中軸スリーブ1340において、外方突出部1342を挟んで、軸線方向基端側に位置する部分を第1筒部1341と、先端側に位置する第2筒部1343とする。
なお、この中軸スリーブ1340の外方突出部1342は、軸線方向基端側を向く基端向き外方突出面1345と、軸線方向先端側を向く先端向き外方突出面1346とを有している。また、第1筒部1341及び第2筒部1343の外周には、それぞれ絶縁チューブ1352,1351が配置されている。
次いで、図3及び図4を参照して、ハウジング1200のハウジング基端部1202に形成された燃焼圧センサ1005について説明する。
この燃焼圧センサ1005は、センサキャップ1230、中軸スリーブ1340、ハウジング本体部材1220のハウジング本体基端部1223(対向部1221)のほか、2枚の円環状の第1、第2圧電素子1400、1500、及び、4枚の円環状の第1、第2、第3、第4絶縁スペーサ1710、1720、1730、1740、第1、第2電極部材1630、1640、及び絶縁チューブ1351,1352を含む。
この燃焼圧センサ1005の中心には、図2及び図4に示すように、中軸本体1301を挿通固着した中軸スリーブ1340が配置されている。この中軸スリーブ1340は、その外方突出部1342が、ハウジング1200(センサキャップ1230)の内方突出部1231よりも先端側(図4中、下方)に、かつ、ハウジング1200(ハウジング本体部材1220)の対向部1221(ハウジング本体基端部1223)よりも基端側(図4中、上方)に位置するよう配置されている。また、中軸スリーブ1340のうち、外方突出部1342から基端側に延びる第1筒部1341は、センサキャップ1230の内方突出部1231を越えて基端側に突出するように延びている。また、中軸スリーブ1340のうち外方突出部1342から先端側に延びる第2筒部1343は、対向部1221の基端向き対向面1222を越えて先端側まで延びて、一部がハウジング本体部材1220内に挿入されている。
まず、この燃焼圧センサ1005のうち、内方突出部1231の先端向き内方突出面1234と、外方突出部1342の基端向き外方突出面1345とで挟まれた部分について説明する。
内方突出部1231の先端向き内方突出面1234より先端側(図2,図4中、下方)には、アルミナセラミックからなるリング状の第1絶縁スペーサ1710が、その内部に中軸スリーブ1340の第1筒部1341を挿通した形態で配置されている。
この第1絶縁スペーサ1710の先端側には、鉄―ニッケル合金からなる第1電極部材1630(図7参照)の一部であり、内部に中軸スリーブ1340の第1筒部1341を挿通したリング状の第1−1電極部1631が配置されている。
なお、第1電極部材1630は、図7に示すように、リング状の二つの電極部である第1−1電極部1631、第2−2電極部1633及びこれらを連結する第1連結部1632を含む。
また、後述の第2電極部材1640についても同様に、リング状の二つの電極部である第1−2電極部1641、第2−1電極部1643及びこれらを接続する第2連結部1642を含む。
さらに、第1−1電極部1631の先端側には、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とし、内部に中軸スリーブ1340の第1筒部1341を挿通したリング状の第1圧電素子1400が配置されている。この第1圧電素子1400は、自身の軸線方向に分極されており、軸線方向に圧縮応力を受けると、その応力の変化に応じて、一方の端面である第1−1面1410にプラス電荷を発生し、他方の端面である第1−2面1420にマイナス電荷を発生する。
なお、この第1圧電素子1400は、第1−1面1410を基端側(図中、上方)に向け第1−1電極部1631に当接するように配置されている。また、本実施例では、第1圧電素子1400の第1−1面1410及び第1−2面1420には、電極層を形成していない。但し、電極層を形成しておくこともできる。
さらに、この第1圧電素子1400の先端側には、上述の第2電極部材1640の一部であり、内部に中軸スリーブ1340の第1筒部1341を挿通したリング状の第1−2電極部1641が第1−2電極部に当接するように配置されている。
さらに、この第1−2電極部1641と、外方突出部1342の基端向き外方突出面1345との間には、アルミナセラミックからなるリング状の第2絶縁スペーサ1720が配置されている。また、前述したように、中軸スリーブ1340の第1筒部1341の外周を絶縁チューブ1352が包囲している。
かくして、第1圧電素子1400、第1電極部材1630の第1−1電極部1631、及び第2電極部材1640の第1−2電極部1641は、第1、第2絶縁スペーサ1710、1720、及び絶縁チューブ1352により、センサキャップ1230の内方突出部1231及び中軸スリーブ1340の外方突出部1342と絶縁された状態で、これらの間に挟持されている。
次いで、この燃焼圧センサ1005のうち、外方突出部1342の先端向き外方突出面1346と、対向部1221の基端向き対向面1222とで挟まれた部分について説明する。
外方突出部1342の先端向き外方突出面1346の先端側に、アルミナセラミックからなるリング状の第3絶縁スペーサ1730、第1電極部材1630の一部であるリング状の第2−2電極部1633が、いずれも、内部に中軸スリーブ1340の第2筒部1343を挿通した状態で配置されている。
さらに、第2−2電極部1633の先端側には、第1圧電素子1400と同一の形状及び特性を有し、内部に中軸スリーブ1340の第2筒部1343を挿通したリング状の第2圧電素子1500が配置されている。
この第2圧電素子1500も、自身の軸線方向に分極されており、軸線方向に圧縮応力を受けると、その応力の変化に応じて、一方の端面である第2−1面1510にプラス電荷を発生し、第2−2面1520にマイナス電荷を発生する。
なお、本実施例では、この第2圧電素子1500は、第2−2面1520を基端側(図中、上方)に向けて配置されている。また、第1圧電素子1400と同様、第2圧電素子1500の第2−1面1510及び第2−2面1520には、電極層を形成していない。
さらに、この第2圧電素子1500の先端側には、第2電極部材1640の一部であるリング状の第2−1電極部1643が配置されている。また、さらに先端側に、アルミナセラミックからなるリング状の絶縁スペーサ1740が配置されている。また、前述したように、中軸スリーブ1340の第2筒部1343の外周を絶縁チューブ1351が包囲している。
かくして、第2圧電素子1500、第1電極部材1630の第2−2電極部1633、及び第2電極部材1640の第2−1電極部1643は、第3、第4絶縁スペーサ1730、1740、及び絶縁チューブ1351により、中軸スリーブ1340の外方突出部1342及びハウジング本体部材1220の対向部1221と絶縁された状態で、これらの間に挟持されている。
この燃焼圧センサ1005では、センサキャップ1230に、軸線方向先端方向への押圧力を掛けた状態、即ち、第1、第2圧電素子1400、1500に軸線方向の圧縮力を掛かけた状態で、基端側第1溶接部1225において、センサキャップ1230の環状部1233を、その全周に亘ってハウジング本体基端部1220の外周面2にレーザー溶接してある。従って、この燃焼圧センサ1005では、第1圧電素子1400及び第2圧電素子1500に軸線方向に圧縮の予荷重が常時掛かる状態となっている。なお、このレーザー溶接の際、環状部1233にはビード(径方向外側への隆起)が発生する。センサキャップ1230の外側に包囲部材1010を組み付けるとき、この包囲部材1010がビードに干渉して、適切に組み付けを行えない虞がある。このため、環状部1233は、このようなビードが発生しても、組み付けの際、包囲部材1010に干渉しないように、薄肉とされている。
従って、内方突出部1231、第1絶縁スペーサ1710、第1−1電極部1631、第1圧電素子1400、第1−2電極部1641、第2絶縁スペーサ1720、外方突出部1342、第3絶縁スペーサ1730、第2−2電極部1633、第2圧電素子1500、第2−1電極部1643、絶縁スペーサ1740及び対向部1221が積み重ねられて、図2及び図4に示すように、互いに上下の部材と密着している。
また、中軸本体1301と中軸スリーブ1340についても、第1筒部1341の基端1347において、中軸スリーブ1340と中軸本体1301とが近接する部位L2でアーク溶接(アルゴン溶接)されている。このため、中軸スリーブ1340と中軸本体1301とは一体となっている。
また、第1圧電素子1400及び第2圧電素子1500で発生した電荷(出力信号)は、図4に示すように、第1電極部材1630、第2電極部材1640、リード線1610、1620及びケーブル1650によって外部に取り出されている。
具体的には、第1圧電素子1400のうち、第1−1面1410は第1電極部材1630の第1−1電極部1631に、第1−2面1420は第2電極部材1640の第1−2電極部1641に当接している。また、第2圧電素子1500のうち、第2−2面1520は第1電極部材1630の第2−2電極部1633に、第2−1面1510は第2電極部材1640の第2−1電極部1643にそれぞれ当接している。従って、第1圧電素子1400の第1−1面1410と第2圧電素子1500の第2−2面1520とは、第1電極部材1630によって導通されている。同様に、第1圧電素子1400の第1−2面1420と第2圧電素子1500の第2−1面1510とは、第2電極部材1640によって導通されている。
その上、第1電極部材1630及び第2電極部材1640は、図2に示すように、それぞれ第1、第2連結部1632、1642において、リード線1610及びリード線1620と、それぞれスポット溶接されて接続されている。さらに、リード線1610、1620は、内部編粗1660を有するケーブル1650として、絶縁を取った状態で外部に取り出される。具体的には、図示しないチャージアンプなどを経由してECUなどの制御機器に入力され、燃焼圧の変化を検知する。
また、このケーブル1650のうち内部編粗1660はケーブル固定部材1670にカシメ固定され、このケーブル固定部材1670は、次述する包囲部材1010(図8参照)の膨出部1011内に溶接されて固定されている。これにより、このケーブル1650の引張りなどにより、リード線1610、1620に力が加わって第1電極部材1630及び第2電極部材1640が変形したり、リード線1610、1620が外れたりすることが防止されている。
本実施例のグロープラグ1000では、図2に示すように、上述の燃焼圧センサ1005を含むハウジング基端部1202は、筒状の包囲部材1010(図8参照)に包囲されその内部に収容されている。包囲部材1010は、図8に示すように、略円筒状の円筒部1012と、この円筒部1012の周方向一部において径方向外側に突出する膨出部1011とからなる。この包囲部材1010の円筒部1012は、燃焼圧センサ1005をなす各部材を包囲する。また、膨出部1011内には、第1、第2電極部材1630、1640に接続するリード線1610、1620が収容されている。さらに、包囲部材1010内には、基端側から樹脂1040が充填されており、この樹脂1040により燃焼圧センサ1005が包囲され封止されている。従って、このグロープラグ1000では、基端側からの水分や油などの進入を防止して燃焼圧センサ1005を保護することができ、信頼性の高いグロープラグ1000となし得る。
また、図2に示すとおり、中軸1300(中軸本体1301)のうち、軸線方向AXTに見た燃焼圧センサ1005(第1,第2圧電素子1400,1500)とハウジング1200の雄ネジ部1203との間には、リング状のOリング1700が挿通して配置されている。このOリング1700は、耐熱性を有するフッ素ゴムからなり、圧縮変形して、中軸1300(中軸本体1301)の外側面1303とハウジング1200の内側面1207とに密着している。このため、中軸1300の外側面1303とハウジング1200の内側面1207との間に形成される空間のうち、このOリング1700より基端側(図2中、上方)の空間Jは、Oリング1700により、これより先端側(図2中、下方)の空間Hに対して気密に保持されている。なお、このOリング1700は、弾力性を有するため、燃焼圧の変化による中軸1300の軸線方向AXTの変位を妨げることはない。
また、本実施例において、このOリング1700は、軸線方向AXTに見て、ハウジング1200の雄ネジ部1203よりも基端側に配置されている。即ち、このグロープラグを内燃機関100に取り付けたときに、この内燃機関100から突出した位置に配置されている。この位置ならば、内燃機関100で発生した熱が伝わる間に放熱されるなどして、Oロング1700が比較的低い温度に保たれる。従って、Oリング1700が軸線方向AXTに見て、雄ネジ部1203よりも先端側(図2において下側)にある場合に比して、Oリング1700の特性劣化が生じにくい利点もある。
次いで、本実施例のグロープラグ1000を内燃機関100に取り付けて使用する場合について説明する。
このグロープラグ1000の内燃機関100への取り付けは、図3(a)に示すように、内燃機関100の取付孔101にグロープラグ1000を挿入し、シール部1204が、燃焼室102の近傍に設けられた取付面103に圧接するまで、そのハウジング1200の雄ネジ部1203をねじ込むことによってなされる。
そのために、ハウジング1200に形成された工具係合部1206に工具を係合させ、締付けに必要な回転トルクをハウジング1200に与える。この工具係合部1206は、図3(a)に示すように、燃焼圧センサ1005よりも先端側(図中、下方)に配置されているため、燃焼圧センサ1005の寸法や配置などに影響されずに、厚肉の構造とすることができており、強い締付けトルクが掛けても破損しない。また、燃焼圧センサ1005は、包囲部材1010によって包囲されているので、取り付けあるいは取り外しのとき、工具等が燃焼圧センサ1005に当たって破損することも防止されている。
このグロープラグ1000では、テーパ面をなすハウジング1200のシール部1204が取付孔101の取付面103に当接すると、グロープラグ1000が内燃機関100に固定される。これと共に、シール部1204が取付面103に圧接、密着して燃焼室102内に生じる高圧の燃焼ガスが取付孔101内に漏れ出ることを防止することができる。
なお、このようにしてハウジング1200をネジ止め固定すると、ハウジング1200のうち、シール部1204と雄ネジ部1203との間が圧縮され、この間が弾性的に縮む。すると、ハウジング1200のうちこの圧縮された部分の弾性力によって、シール部1204と取付孔101の取付面103とが弾性的に圧接され、より確実に気密を保つことができる。
また、ヒータ保持部材1210に保持されていたヒータ部材1100と、接続リング1330で結合されていた中軸1300(中軸本体1301)がハウジング1200に対して相対的に基端側に持ち上げられた状態、つまり、ハウジング1200に対して、中軸1300(中軸本体1301)が相対的に基端側(図中、上方)に移動した状態となる。これにより、中軸スリーブ1340及びその外方突出部1342も基端側に移動するので、第1圧電素子1400に掛けられた圧縮の予荷重がさらに増加する。一方、第2圧電素子1500に掛けられた圧縮の予荷重は減少する。
さらに、この内燃機関100を始動させると、燃料の爆発燃焼により、燃焼室102内の高圧の燃焼圧が発生する。
すると、この燃焼圧により、グロープラグ1000のヒータ部材1100及びハウジング先端部1201は、軸線方向基端側に押されて変位する。そのため、ハウジング1200のうち雄ネジ部1203とシール部1204の間の部分が、さらに圧縮されることになる。
中軸1300は、前述のとおり、接続リング1330を介して機械的に剛にヒータ部材1100と結合され、ヒータ部材1100は、ハウジング1200のヒータ保持部1205で保持されているため、ヒータ保持部1205(ハウジング先端部1201)が変位すると、中軸1300も同様に変位することになる。
従って、ハウジング基端部1202において、燃焼圧の上昇に伴って、中軸1300は、ハウジング1200に対し、さらに具体的にはハウジングのうち内燃機関への固定部である雄ネジ部1203に対して、軸線方向基端側に相対的に移動することになる。
図9は、燃焼圧センサ1005の動作を説明するために、燃焼圧センサ1005の縦断面の一部を簡略化して示した説明図である。
この燃焼圧センサ1005では、前述したように、第1絶縁スペーサ1710、第1−1電極部1631、第1圧電素子1400、第1−2電極部1641、第2絶縁スペーサ1720、外方突出部1342、第3絶縁スペーサ1730、第2−2電極部1633、第2圧電素子1500、第2−1電極部1643及び絶縁スペーサ1740が、この順に内方突出部1231と対向部1221との間に挟持されている。従って、第1圧電素子1400と第2圧電素子1500とは、いずれも圧縮方向の予荷重PLが掛かった状態になっている。なお、第1圧電素子1400は、その分極方向PLTが、軸線AXに沿い(軸線方向AXTに平行な)先端側を向く方向(図9において下向き)となるように配置されている。一方、第2圧電素子1500は、その分極方向PLTが、軸線AXに沿い基端側(図9において上向き)となるように配置されている。
ここで、内燃機関100の燃焼室102内の燃焼圧の上昇により、ハウジング1200に対して、相対的に中軸1300の中軸本体1301及び中軸スリーブ1340が基端側に変位すると、中軸スリーブ1340の外方突出部1342も基端側に変位する。このため、第1圧電素子1400では、既に掛けられている予荷重PLに加えて、外方突出部1342の変位による圧縮応力CFがさらに加重されて、第1圧電素子1400に掛かる軸線方向の圧縮荷重が増加する。一方、第2圧電素子1500では、これとは逆に、外方突出部1342の変位により、第2圧電素子1500にかかる軸線方向の圧縮荷重は、予荷重PLよりも減少する。
次いで、第1、第2圧電素子1400、1500のそれぞれの面(第1−1面1410等)に発生する電荷について考える。第1圧電素子1400は、その軸線方向の圧縮荷重が増加すると、第1−1面1410にプラス電荷が発生し、第1−2面1420にマイナス電荷が発生するように分極されている。従って、上述のように、燃焼圧が上昇して中軸1300が基端側に変位して、第1圧電素子1400に掛かる圧縮荷重が増加する場合には、第1−1面1410にプラス電荷Q11が、第1−2面1420にマイナス電荷Q12が発生する。
また、第2圧電素子1500は、その軸線方向の圧縮荷重が増加すると、第2−1面1510にプラス電荷が、第2−2面1520にマイナス電荷が発生するように分極されている。但し、本実施例のグロープラグ1000では、上述のように燃焼圧が上昇し中軸が基端側に変位すると、第2圧電素子1500にかかる圧縮荷重が減少するため、これとは逆方向の電荷が、即ち、第2−2面1520にプラス電荷Q22が発生し、第2−1面1510にマイナス電荷Q21が発生する。
このとき発生した各電荷は、第1電極部材1630及び第2電極部材1640の各電極部へ導出される。具体的には、第1圧電素子1400については、第1−1面1410に発生したプラス電荷Q11は第1−1電極部1631へ、第1−2面1420に発生したマイナス電荷Q12は第1−2電極部1641へそれぞれ導出される。また、第2圧電素子1500についても同様に、第2−2面1520に発生したプラス電荷Q22は第2−2電極部1633へ、第2−1面1510に発生したマイナス電荷Q21は第2−1電極部1643へそれぞれ導出される。
さらに、いずれも第1電極部材1630の一部である第1−1電極部1631と第2−2電極部1633で発生したプラス電荷Q11とQ22とは足し合わされてリード線1610で外部に取り出される。同様に、いずれも第2電極部材1640の一部である第1−2電極部1641と第2−1電極部1643で発生したマイナス電荷Q12とQ21とは足し合わされてリード線1620で外部に取り出される。従って、この燃焼圧センサ1005では、1つの圧電素子を用いた場合に比して、略2倍の大きさの出力(電荷)を得ることができる。
また、上述の効果を確認するため、グロープラグ1000の燃焼圧センサ1005の出力を、図10に示す内燃機関2600を使用した測定システム2500を用いて実際の出力を測定した。この測定システム2500では、燃焼室2602内に燃料インジェタ2800を用いて燃料を噴射するタイプの内燃機関2600を用いる。この内燃機関2600(燃焼室2602)の燃焼圧を、本実施例にかかる燃焼圧センサ1005を含むグロープラグ1000、及び、比較例1である従来の単一の圧電素子を用いた燃焼圧センサを有するグロープラグJGPを用いて計測する。
なお、基準圧力センサ2700(KISTLER社製6052A)を用いて、燃焼圧の大きさを本実施例及び比較例で同一になるように調整して測定した。
具体的には、グロープラグ1000の燃焼圧センサ1005(第1、第2圧電素子1400、1500)の出力、及び比較例1にかかるグロープラグJGPの出力は、チャージアンプ2501(KISTLER社製5011)に接続され、基準圧力センサ2700の出力はチャージアンプ2502(KISTLER社製5011)に接続されている。さらに、チャージアンプ2501、2502の出力はオシロスコープ2503に接続されている。また、内燃機関2600のクランク角との関係を観測するため、内燃機関2600の図示しないクランク角センサ出力もオシロスコープ2503に接続されている。
この状態で、内燃機関2600を作動させ、オシロスコープ2503のX軸入力にクランク角センサ出力を、Y軸入力にチャージアンプ2501出力を接続して、その関係を示すグラフを示す波形を取得した。
測定システム2500を用いて測定した結果を図11に示す。横軸はクランク角であり、縦軸はセンサ出力を示している。このうち、破線で示すグラフ2900は、1つの圧電素子を用いた従来タイプのグロープラグJGPの燃焼圧センサについてのクランク角とセンサ出力との関係を示すグラフである。一方、グラフ2901は、本実施例にかかるグロープラグ1000の燃焼圧センサ1005についてのクランク角とセンサ出力との関係を示すグラフである。
図11から容易に理解できるように、2つの第1、第2圧電素子1400、1500を用いた本実施例のグロープラグ1000は、1つの圧電素子を用いたグロープラグJGPに比して、クランク角の全域に亘って略2倍の出力を得ることができている。
ところで、前述したように、本実施例にかかるグロープラグ1000は、内燃機関100の取付孔101に取り付けたとき(図3参照)、ネジの締付けに伴って、ハウジング1200のうち雄ネジ部1203とシール部1204の間の部分が僅かに縮む。すると、燃焼圧が上昇したときと同様に、ハウジング1200に対し中軸1300は、基端側に相対的に変位することとなる。すると、第1圧電素子1400に掛かる予荷重は増加し、第2圧電素子1500に掛かる予荷重は減少する。
圧電素子に圧縮方向の予荷重をかけて使用するタイプの燃焼圧センサでは、一般に、予荷重の大きさが変化すると感度、即ち、圧縮力の変化に対して発生する電荷量が変化する。具体的には、予荷重が小さいと感度が低くなり、予荷重が大きいと感度が高くなる。第1、第2圧電素子1400、1500や第1絶縁スペーサ1710等、中軸スリーブ1340の外方突出部1342の表面(当接面)同士が互いに完全に密着していないため、圧縮応力の大小により、各隙間の大きさが変動することにより、第1圧電素子1400等にかかる圧縮応力の大きさが変化するためであると推測される。
従って、本実施例のグロープラグ1000においても、ネジを締め付けた場合、締付力、即ち、締付けトルクが大きくなるほど、第1圧電素子1400についてはその感度は上がる。一方、第2圧電素子1500の感度は下がることになる。このため、前述した従来のグロープラグJGPあるいは、第1圧電素子1400のみ、あるいは第2圧電素子1500のみを用いる場合には、グロープラグ1000を取付孔101に取り付ける際の締付力(締付けトルク)の大小により、圧電素子の感度が変化し、同じ燃焼圧であっても、センサ出力(圧電素子の出力)がばらつく不具合を生じる。従って、各内燃機関について、グロープラグ1000の燃焼圧センサ1005の感度のバラツキを抑えるには、締付けトルクの管理を厳密に行う必要がある。
これに対し、本実施例にかかるグロープラグ1000では、締付力(締付けトルク)の増加により感度が増加する第1圧電素子1400と、感度が低下する第2圧電素子1500について、第1−1面1410と第2−2面1520が接続され、第1−2面1420と第2−1面1510が接続され、各面に発生する電荷は足し合わされている。このため、例えば、締付力(締付けトルク)が大きい場合には、第1圧電素子1400の感度が高くなり、同じ燃焼圧でも多くの電荷を発生するが、第2圧電素子1500では感度が低くなり、同じ燃焼圧でも少ない電荷しか発生しない。このため、これらで発生する電荷を足し合わせれば、締付力(締付けトルク)が小さい場合に比して、同じ燃焼圧を受けた場合に発生する電荷の量は余り違わないと考えられる。即ち、本実施例にかかるグロープラグ1000では、それぞれの圧電素子の感度の変化分が相殺して、電荷(出力)を取り出すことができる。このため、ネジ止め時の締付けトルクの大きさによる圧電素子の感度への影響が軽減され、締付けトルクの管理が容易で、広い締付けトルクの範囲に亘り、適切に燃焼圧の変化を検知することができる燃焼圧検知機能付グロープラグとなし得る。
なお、上述の効果を確認するため、図12(a)に示すグロープラグの出力をエアチャンバを使用する測定システム3000を用いて実際の出力を測定した。この測定システム3000は、高圧空気を気密に収容するエアチャンバ3100と、図示しない高気圧空気発生装置にこのエアチャンバ3100を接続する電磁弁AINと、エアチャンバ3100を大気に接続する電磁弁AOUTを有している。電磁弁AIN及び電磁弁AOUTは、公知の電磁ソレノイドで開閉する空気弁である。電磁弁AIN及び電磁弁AOUTは、電圧を加えない状態(低電位とする)では弁が閉じて通気を遮断し、電圧を加える(高電位とする)と弁が開いて通気するように構成されている。
また、グロープラグ1000あるいは比較例にかかる1つの圧電素子を用いたグロープラグJGPと、基準圧力センサ3200(KISTLER社製6052A)とが、エアチャンバ3100にそれぞれ取り付けられている。さらに、グロープラグ1000あるいはJGPの出力はチャージアンプ3300(KISTLER社製5011)に接続され、基準圧力センサ3200の出力はチャージアンプ3400(KISTLER社製5011)に接続されている。さらに、チャージアンプ3300及びチャージアンプ3400の出力は、オシロスコープ3500それぞれに接続されている。また、基準圧力センサ3200は、上述の測定システム2500における基準圧力センサ2700と同様に、グロープラグ1000とグロープラグJGPとについて、同一の条件(同一の圧力変化)の下で測定を行うために用いる。
測定は、エアチャンバ3100には、本実施例のグロープラグ1000、あるいは比較例に掛かるグロープラグJGPを所定の締付けトルクで取り付けて測定した。エアチャンバ3100に接続された電磁弁AIN及び電磁弁AOUTを図12(b)に示すシーケンスで動作させて、エアチャンバ3100内が高圧の状態と大気圧の状態を繰り返すようにした。この状態で、オシロスコープ3500のX軸を時間軸とし、Y軸入力にチャージアンプ3300の出力を入力して、その出力波形を取得し、その出力波形の下限値と上限値の差を、その締付けトルクにおける各グロープラグのセンサ出力とし、4通りの締付けトルク値について測定した。
また、比較のために、本実施例にかかるグロープラグ1000の代えて、グロープラグ1000と同様の構造であるが、第1電極部材1630の第1連結部1632、及び第2電極部材1640の第2連結部1642を切断し、第1圧電素子1400及び第2圧電素子1500の各出力を個別に取り出したグロープラグGP2(比較例2)についても測定した。
その結果を図13に示す。横軸は締付けトルクであり、縦軸はセンサ出力である。このうち、グラフ4001は、一つの圧電素子を用いた従来タイプのグロープラグJGPについてのグラフであり、グラフ4002は、本実施例にかかるグロープラグ1000についてのグラフである。また、グラフ4003は、グロープラグGP2のうち第1圧電素子1400で発生する出力についてのグラフであり、グラフ4004は、同じくグロープラグGP2のうち第2圧電素子1500で発生する出力についてのグラフである。
この図13を参照すると容易に理解できるように、グラフ4001から、一つの圧電素子を用いたグロープラグJGPでは、締付けトルクが小さいとセンサ出力が小さく(感度が低く)、締付けトルクが大きいとセンサ出力は大きく(感度が高く)なる。また、感度の低下は、締付けトルクが小さい場合に顕著であることが判る。
それに対して、本実施例にかかるグロープラグ1000では、センサ出力の大きさがグラフ4001に比して約2倍になっているのみならず、締付けトルク値の大きさに関わらず、センサ出力の大きさは、略一定となっている。即ち、締付けトルクの大きさが変わっても、センサ出力の感度がほとんど変化しないことがわかる。なお、グロープラグGP2に関する第1圧電素子1400の出力に相当するグラフ4003は、比較例1のグロープラグJGPとほぼ同様の変化を示す。一方、第2圧電素子1500の出力に相当するグラフ4004は、締付けトルクが大きくなるほど、センサ出力が小さく(センサの感度が低く)なる。前述したように、第2圧電素子1500では、ハウジング1200の締付けトルクが大きくなるほど、予荷重が減少する構造となっているからである。さらに、このグラフ4003と4004とを足し合わせると、ほぼグラフ4002とおなじとなり、締付けトルクの大きさによるセンサ出力の変化が、互いに相殺される関係になっていることが判る。
かくして、図13から明らかな通り、本実施例のグロープラグ1000では、一つの圧電素子を用いたタイプのグロープラグJGPに比して、締付けトルクの大きさによるセンサ感度への影響が軽減されていることが確認できた。
また一般に、圧電素子は、自身にかかる応力が変化しない状態でも、自身の温度の変化によって電荷を発生する焦電効果を有する。具体的には、圧電素子のうち、圧縮応力が大きくなるとプラス電荷を発生する面は、温度が上がってもプラス電荷を発生する。このため、圧電素子の温度が変化すると、焦電効果によって発生した電荷により、センサ出力がドリフトして、適切に測定できないなどの不具合を生じやすい。
例えば、本実施例にかかるグロープラグ1000について、温度が上がった場合、第1圧電素子1400及び第2圧電素子1500の分極方向PLTが図14に示すようになっているので、第1圧電素子1400の第1−1面1410及び第2圧電素子1500の第2−1面1510に、プラス電荷QS11及びプラス電荷QS21が発生する。一方、第1圧電素子1400の第1−2面1420及び第2圧電素子1500の第2−2面1520には、マイナス電荷QS12及びマイナス電荷QS22が発生する。
しかるに、本実施例にかかるグロープラグ1000では、第1圧電素子1400及び第2圧電素子1500のうち、第1−1面1410と第2−2面1520とは第1電極部材1630で接続され、第1−2面1420と第2−1面1510とは第2電極部材1640で接続されている。従って、第1電極部材1630では、プラス電荷QS11及びマイナス電荷QS22が互いに打ち消しあい、第2電極部材1640では、マイナス電荷QS12及びプラス電荷QS21が互いに打ち消しあうことになる。
特に、本実施例にかかるグロープラグ1000では、第1圧電素子1400及び第2圧電素子1500は、互いに同一の形状及び特性を有している。このため、焦電効果により発生した各電荷量の絶対値は略同じ大きさとなる。従って、第1電極部材1630における、プラス電荷QS11とマイナス電荷QS22とは、極性が反対でほぼ同量となるため、ちょうど打ち消しあうことができる。同様に、第2電極部材1640における、マイナス電荷QS12とプラス電荷QS21ともちょうど打ち消しあうことができる。
このため、本実施例にかかるグロープラグ1000では、第1圧電素子1400及び第2圧電素子1500からの出力を、焦電効果による電荷発生の影響を十分抑制したものとすることができる。
上述の効果を確認するため、前述のグロープラグ1000、JGP、GP2をそれぞれ高温の油に浸け、時間と共に上昇する温度と焦電効果により発生する電荷量を測定した。なお、温度は、別途、各グロープラグの圧電素子に接して配置した図示しない熱電対によって計測した。
図15は、各グロープラグ1000、JGP、GP2について、焦電効果によって圧電素子から発生した電荷量及び圧電素子の温度の変化の経過を示したグラフである。このうち、図15(a)のグラフ2001及びグラフ2002は、1つの圧電素子を用いた従来タイプのグロープラグJGP(比較例1)における圧電素子の温度変化の時間経過及び発生電荷量の変化の時間経過を示している。この図15(a)から、圧電素子の温度が上昇するとともに、電荷が発生していることが理解できる。
また、図15(b)のグラフ2101及びグラフ2102、2103は、比較例2にかかるグロープラグGP2に関するものである。このうち、グラフ2101は第1圧電素子1400の温度変化の時間経過を、グラフ2102は第1圧電素子1400で発生した電荷量の時間経過を、グラフ2103は第2圧電素子1500で発生した電荷量の時間経過を示している。なお、グラフ2102は、第1圧電素子1400で発生した電荷を、その第1−2面を基準として表示している。一方、グラフ2103では、第2圧電素子1500に発生した電荷を、その第2−2面を基準として表示している。
このため、このグラフ2102と2103とを対比すれば判るように、第1圧電素子1400と第2圧電素子1500はいずれも、焦電効果により電荷を発生していること、第1−2面と第2−2面とを共通の基準とすれば、第1、第2圧電素子1400、1500に発生した電荷は、互いに逆極性となることが判る。
さらに、図15(c)のグラフ2201及びグラフ2202は、本実施例のグロープラグ1000における第1圧電素子1400の温度変化の時間経過及びこのグロープラグ1000の出力する電荷量(即ち、第1、第2圧電素子1400、1500で発生する電荷量の和)を示している。このグラフ2202から容易に理解できるように、本実施例のグロープラグ1000の燃焼圧センサ1005は、第1、第2圧電素子1400、1500の温度が変化しても、焦電効果による電荷の発生がほとんど無いことが判る。第1、第2圧電素子1400、1500を、互いに分極方向が逆向きになるように、第1、第2電極部材1630、1640を用いて接続しているため、焦電効果によって発生した電荷(図15(b)のグラフ2102及び2103に相当)を互いに打ち消すことができたためである。
かくして、本実施例のグロープラグ1000は、温度変化が生じても、焦電効果による出力のドリフトを抑制し、適切に燃焼圧を計測できることが判る。
さらに、本実施例1にかかるグロープラグ1000では、第1,第2圧電素子1400,1500の両面に発生した電荷を、いずれもハウジング1200及び中軸1300などから絶縁した状態で、リード線1610,1620(ケーブル1650)を用いて外部に導出した。このようにすると、中軸1300に大電流を流すなどことによって、ハウジング1200のアースレベルが変動しても、これとは関係なく、圧電素子1400,1500の、従って、燃焼圧センサ1005の出力を安定して得ることができる。
但し、2本のリード線1610,1620を用いて、電荷(出力)を外部に導出する必要があるから、燃焼圧センサ1005の構造や製造がやや複雑になる。
ここで、グロープラグ1000のうち、ハウジング1200の内側面1207と中軸1300の外側面1303との間の空間Hの気圧が変化した場合について考察する。燃料の爆発燃焼により生じた内燃機関100の燃焼室内の高圧の燃焼ガスが、ヒータ部材1100とハウジング1200のヒータ保持部1210との隙間を通って、空間Hに侵入する場合があるからである。
Oリング1700を設けていない場合、空間H内の気圧が上昇すると、燃焼ガスの圧力により、中軸スリーブ1340が基端側(図2中、上方)に持ち上げられ、第1,第2圧電素子1400,1500に掛かる圧縮応力が変化するため、その出力が変化する。つまり、高圧の燃焼ガスが空間Hに侵入することにより、燃焼圧の変化の検知に影響が生じる虞がある。特に、本実施例にかかるグロープラグ1000では、燃焼圧センサ1005の基端側が樹脂1040によって封止されているため、燃焼ガスが基端側に抜け出るなどの逃げ道がなく、特に上述の影響を受ける虞がある。
しかるに、本実施例のグロープラグ1000は、前述したように、空間Hと空間JとをOリング1700で気密に仕切っている。このため、このグロープラグ1000では、高圧の燃焼ガスが空間Hに侵入しても、Oリング1700により空間Jへの侵入が防止されるので、燃焼圧センサ1005(第1,第2圧電素子1400,1500)に達することがなく、燃焼圧の変化の検知に影響を及ぼすことなく、適切に燃焼圧を検知することができる。
次いで、本実施例1にかかるグロープラグ1000の製造方法について説明する。グロープラグ1000の製造のうち、ヒータ部材1100の製造については公知の手法によればよいので、説明を省略する。
ヒータ部材1100のうち基端側をヒータ保持部材1210に圧入固定し、ヒータ基端部1102を接続リング1330を介して中軸1300の中軸先端部1320と結合する。次いで、ヒータ保持部材1210とハウジング本体部材1220を固着する。このようにして、ハウジング1200内に中軸本体1301が配置された状態において、本実施例1のグロープラグ1000を以下のようにして製造する。
まず、図4(b)に示す燃焼圧センサ1005の製造のうち、各部材の中軸スリーブ1340への組付について説明する。中軸スリーブ1340の第1筒部1341及び第2筒部1343にはあらかじめ絶縁チューブ1352及び絶縁チューブ1351をそれぞれ被せておく(図2参照)。この中軸スリーブ1340の外方突出部1342を挟んで、軸線方向両側に部材を組付ける。具体的には、まず、中軸スリーブ1340の第1筒部1341に、第2絶縁スペーサ1720、第1−2電極部1641、第1圧電素子1400を、この順に挿通する。なお、第1圧電素子1400は、その第1−1面1410を外方突出部1342側に向けて配置する。また、中軸スリーブ1340の第2筒部1343に第3絶縁スペーサ1730、第2−2電極部1633、第2圧電素子1500を、この順に挿通する。第2圧電素子1500は、その第2−2面1520を外方突出部1342側に向けて配置する。次いで、第2−2電極部1633の他端である第1−1電極部1631を第1筒部1341に挿通し、同様に、第1−2電極部1641の他端である第2−1電極部1643を第2筒部1343に挿通する。最後に、第1絶縁スペーサ1710を第1筒部1341に、第4絶縁スペーサ1740を第2筒部1343に挿通して、各部材の中軸スリーブ1340の組付が完了する。
次いで、その基端部分がハウジング本体基端部1223から突出している中軸本体1301を、この中軸スリーブ1340に、先端側から挿通して、ハウジング本体基端部1223に第4絶縁スペーサ1740を当接させる。さらに、センサキャップ1230を、中軸スリーブ1340の第1筒部1341が一部基端側に突出した状態で、軸線方向基端側から先端側に向けて所定の押圧力で押圧する。この押圧力を維持した状態で、このセンサキャップ1230の環状部1233とハウジング本体基端部1223の基端側の外周面とを、YAGレーザを用いて全周に亘りレーザ溶接して、基端側第1溶接部1225を形成する。これにより、この燃焼圧センサ1005では、第1圧電素子1400及び第2圧電素子1500に軸線方向に圧縮荷重が常時掛かる状態となる(図2参照)。
その後、中軸スリーブ1340と中軸本体1301との境界部分を、全周に亘りアーク溶接する。これにより、部位L2において、中軸スリーブ1340が中軸本体1301に固着されて一体となる。
次いで、図4(b)に示すようにリード線1610、1620を第1電極部材1630及び第2電極部材1640の第1,第2連結部1632,1642にそれぞれスポット溶接する。さらに、包囲部材1010を基端側から被せ、この包囲部材1010とハウジング本体部材1220とを全周に亘ってレーザ溶接して、基端側第2溶接部1226を形成する(図2参照)。その後、センサキャップ1230の基端側及び包囲部材1010内に樹脂を充填し硬化させて、封止樹脂1040を形成する。最後に、中軸本体1301の雄ネジ部1203を、中軸基端部1310の雌ネジ部1311にねじ込み、中軸本体1301と中軸基端部1310とをカシメ結合し、グロープラグ1000を完成させる。
(変形例1)
次いで、実施例1の第1の変形例について、図16を参照して説明する。上述の実施例1では、非金属発熱体からなるヒータ発熱部1110を含むヒータ部材1100、具体的にはいわゆるセラミックヒータを用いた。これに対し、本変形例1のグロープラグ5000では、金属発熱体からなるヒータ部材5101を含むシース部材5100を用いる点で異なる。従って、異なる部分のみを説明し、同様な部分の説明は省略する。
図16は、グロープラグ5000の先端部分の拡大断面図である。このグロープラグ5000は、軸線方向に延びる筒状のハウジング5200と、このハウジング5200内に保持された中軸5300と、その内部にコイル状のヒータ部材5101を保持し、先端(図16中、下端)が略半球状に閉塞したシース部材5100を有している。
ヒータ部材5101は、図16に示すように、絶縁桿5102の周りを巻回して形成された鉄−クロム合金やコバルト−ニッケル合金などからなる金属線である。このヒータ部材5101、一端が先端側(図中下方)でシース部材5100に溶着している。他方端は、中軸5300の中軸先端部5301に巻きつけられて中軸5300と導通している。
従って、シース部材5100及びこれが固着されているハウジング5200と中軸5300との間に電圧を印加することで、ヒータ部材5101に電流が流れ、発熱させることができる。ヒータ部材5101及び中軸5300の中軸先端部5301は、シース部材5100内に絶縁充填粉末5103と共に配置されており、絶縁充填粉末5103が密に充填されているので、ヒータ部材5101及び中軸5300とシース部材5100とは機械的に一体に結合している。なお、絶縁充填粉末5103の漏れを防止するため、シース部材5100の基端側(図中、上方)には、シース部材5100と中軸5300との間にゴムパッキン5105が介挿されている。
ステンレスからなるシース部材5100は、シース基端部5104において、その外周面とハウジング5200のハウジング先端部5201の内周面とが密着して、シース部材5100の先端をハウジング先端部5201より先端側に突出させた形態で保持されている。具体的には、ハウジング先端部5201にシース部材5100を圧入することで、ハウジング先端部5201にシース部材5100は気密に保持されている。このため、このグロープラグ5000を内燃機関に装着しても、高圧の燃焼ガスが、ハウジング5200内に侵入することはない。
ハウジング5200の軸線方向先端の近傍は、先細のテーパ面からなるシール部5204とされている。内燃機関100にこのグロープラグ5000を取り付けると、このシール部5204は、実施例1のグロープラグ1000におけるシール部1204と同様、取付孔101の取付面103(図3参照)に圧接して、ハウジング5200と取付孔101との間の気密を保つ。
内燃機関の運転による燃焼圧の上昇により、シース部材5100が軸線方向の基端側に向かう力を受けた場合には、ハウジング5200のうち雄ネジ部(図1参照)からシール部5204までの部分が僅かに縮むと共に、シース部材5100、ヒータ部材5101、及び中軸5300が、軸線方向基端側に向かって僅かに変位する。このようにして、実施例1のグロープラグ1000と同様、ハウジング5200に対して、中軸5300が軸線方向の基端側に相対的に変位すると、燃焼圧センサ1005(第1、第2圧電素子1400、1500)が中軸5300の変位に応じて電荷を発生する。かくして、このグロープラグ5000でも、内燃機関の燃焼圧の変化を検知することができる。
このグロープラグ5000においても、ハウジング5200の基端側に設けた実施例1と同様の構造を有する燃焼圧センサ1005を用いる。このため、実施例1と同様、出力が1枚の素子を用いた場合の約2倍にできること、ハウジング5200の締付けトルクによる燃焼圧センサの感度の変化が抑制されること、温度変化に伴う焦電効果によって発生する電荷量を抑制して、温度変化による出力のドリフトを抑制できることなどの効果を得ることができる。
(変形例2)
次いで、実施例1の第2の変形例について、図17を参照して説明する。前述の実施例1では、燃焼圧センサ1005において、軸線AXに沿う軸線方向AXTと平行な分極方向PLTに分極されたリング状の第1,第2圧電素子1400,1500を用いた。
これに対し、本変形例2のグロープラグ2000では、その燃焼圧センサ2005において、軸線AXに直交する径方向に分極された第1,第2圧電素子2400,2500を用いる点で異なり、他はほぼ同様である。従って、異なる部分のみを説明し、同様な部分の説明は省略する。
図17は、グロープラグ2000のうち燃焼圧センサ2005の動作を説明するために、燃焼圧センサ2005の縦断面の一部を簡略化して示した説明図である。
この燃焼圧センサ2005では、第1絶縁スペーサ1710、第1圧電素子2400、第2絶縁スペーサ1720、外方突出部1342、第3絶縁スペーサ1730、第2圧電素子2500、及び絶縁スペーサ1740が、この順に内方突出部1231と対向部1221との間に挟持されている。従って、第1圧電素子2400と第2圧電素子2500には、軸線方向AXTの圧縮の予荷重PLが掛かった状態となっている。
なお、第1圧電素子2400は、その分極方向PLTが、軸線AXに直交する径方向外向き(図17において右向き)となるように分極されている。一方、第2圧電素子1520は、その分極方向PLTが、軸線AXに直交する径方向内向き(図17において左向き)となるように分極されている。また、このように分極されているため、第1圧電素子2400に軸線方向の圧縮荷重が掛かると、その第1内周面2410に形成された第1内周電極2631にプラス電荷が、第1外周面2420に形成された第1外周電極2641にマイナス電荷が発生する。また、第2圧電素子2500に軸線方向の圧縮荷重が掛かると、その第2内周面2510に形成された第2内周電極2633にマイナス電荷が、第2外周面2520に形成された第2外周電極2643にプラス電荷が発生することになる。
第1,第2内周電極2631,2633と中軸1300(中軸スリーブ1340)との間には、絶縁樹脂からなる絶縁チューブ2351,2353が介在して、互いを絶縁している。
ここで、内燃機関100の燃焼室102内の燃焼圧の上昇により、ハウジング1200に対して、相対的に中軸1300の中軸本体1301及び中軸スリーブ1340が基端側に変位すると、中軸スリーブ1340の外方突出部1342も基端側に変位する。このため、第1圧電素子2400では、既に掛けられている予荷重PLに加えて、外方突出部1342の変位による圧縮応力CFがさらに加重されて、第1圧電素子2400に掛かる軸線方向の圧縮荷重が増加する。一方、第2圧電素子2500では、これとは逆に、外方突出部1342の変位により、第2圧電素子2500にかかる軸線方向の圧縮荷重は、予荷重PLよりも減少する。
次いで、第1、第2圧電素子2400、2500のそれぞれの面(第1内周面2410等)に発生する電荷について考える。第1圧電素子2400では、燃焼圧が上昇して中軸1300が基端側に変位して、第1圧電素子2400に掛かる圧縮荷重が増加した場合には、第1内周面2410(第1内周電極2631)にプラス電荷Q11が、第1外周面2420(第1外周電極2641)にマイナス電荷Q12が発生する。
また、第2圧電素子2500では、燃焼圧が上昇し中軸1300が基端側に変位すると、第2圧電素子2500にかかる圧縮荷重が減少するため、第2内周面2510(第2内周電極2633)にプラス電荷Q22が発生し、第2外周面2520(第2外周電極2643)にマイナス電荷Q21が発生する。
発生したプラス電荷Q11とQ22とは足し合わされてリード線2610により、また、マイナス電荷Q12とQ21とは足し合わされてリード線2620により、外部に取り出される。従って、この燃焼圧センサ2005でも、1つの圧電素子を用いた場合に比して、略2倍の大きさの出力(電荷)を得ることができる。
一方、温度変化に伴う焦電効果により、第1,第2圧電素子2400,2500に電荷が発生した場合に、分極方向が逆向きの圧電素子を用いているので、実施例1と同様、発生した電荷が互いに相殺されるから、温度変化による出力への影響を小さくすることができる。
また、本変形例2のグロープラグ2000においても、実施例1と同じく、取り付け時の締め付けトルクの大きさによるセンサ感度への影響を軽減することができている。
さらに、本変形例2では、前述の実施例と異なり、第1,第2圧電素子2400,2500と、各絶縁スペーサ1710,1720,1730,1740との間に、第1,第2電極部材1630,1640(第1−1電極部1631等)が介在しないので、これらの存在あるいは界面の存在による剛性の低下などを防止できる利点もある。
ついで、本発明の第2の実施例について、図18〜図20を参照して説明する。ところで、前述の実施例1にかかるグロープラグ1000では、第1,第2圧電素子1400,1500の両面に発生した電荷を、いずれもハウジング1200等から絶縁した状態で、リード線1610,1620を用いて外部に導出した。このようにすると、ハウジング1200のアースレベルの変動に拘わらず、燃焼圧センサ1005の出力を安定して得ることができる。
これに対して、本実施例2にかかるグロープラグ6000は、第1,第2圧電素子1400,1500を用いる点、中軸1300が基端側に変位したとき、第1圧電素子1400では圧縮荷重が増加し、第2圧電素子1500では圧縮荷重が減少するように燃焼圧センサを構成する点は同じである。
但し、本実施例2では、第1,第2圧電素子1400,1500のうち、一方の2面(第1−2面及び第2−1面)に発生する電荷をリード線を用いて外部に導出する一方、他方の2面(第1−1面及び第2−2面)をハウジングに導通させ、アースレベルとする点で異なる。そこで以下では、実施例1と異なる部分を中心に説明し、同様な部分の説明は省略あるいは簡略化する。
本実施例2にかかるグロープラグ6000は、図18に示すように、実施例1のグロープラグ1000とほぼ同様の形態、及び構造を有している。但し、次述するように、燃焼圧センサ6005の構造が若干異なる。
即ち、実施例1においては、第1圧電素子1400の第1−1面1410と、センサキャップ1230の内方突出部1230の先端向き内方突出面1234との間には、第1電極部材1630の第1−1電極部1631及び第1絶縁スペーサ1710が介在していた(図2参照)。
また、第2圧電素子1500の第2−1面1510と、対向部1221(ハウジング本体基端部1223)の基端向き対向面1222との間には、第2電極1640の第2−1電極部1643及び第4絶縁スペーサ1740が介在していた。
これに対し本実施例2では、図19に示すように、第1圧電素子1400の第1−1面1410とセンサキャップ6230の内方突出部6231の先端向き内方突出面6234とが直接接するように配置されている。このため、第1圧電素子1400の第1−1面1410に発生した電荷は、ハウジング1200に導通されることとなる。
さらに、第2圧電素子1500については、実施例1とは上下逆にして、第2−1面1510を基端側(図18中、上方)に、第2−2面1520を先端側(図中、下方)に向けて配置する。その上で、この第2圧電素子1500の第2−2面1520と対向部1221の基端向き対向面1222とが直接接するように配置してある。このため、第2圧電素子1500の第2−2面1520に発生した電荷も、ハウジング1200に導通されることとなる。
さらに、前述の実施例1では、リング状の第1−2電極部1641と第2−1電極部1643とを第2連結部1642で連結した形態(図7参照)を有する第2電極部材1640を1つ使用して、2つの圧電素子の第1−2面1420と2−1面1510とを互いに導通させた。なお、第1電極部材1630も同様である。
これに対し、本実施例2では、図20に示すように、2つの圧電素子の第1−2面1420と2−1面1510とを互いに導通させるにあたり、1−2電極部材6645と2−1電極部材6646という同形の2部材を用いる。1−2電極部材6645は、リング状の第1−2電極部6641と、これから径方向外側に向けて延出する第1延出部6642を備えている。同様に、2−1電極部材6646は、リング状の第2−1電極部6643と、これから径方向外側に向けて延出する第2延出部6644を備えている。
そして、この1−2電極部材6645の第1延出部6642と2−1電極部材6646の第2延出部6644とを用いて互いに導通して、第2電極部材6640を構成し、2つの圧電素子の第1−2面1420と2−1面1510とを互いに導通させる。
具体的には、中軸スリーブ6340の外方突出部6342より基端側に位置し、絶縁チューブ6352が被せられた第1筒部6341には、先端側から、第2絶縁スペーサ1720、1−2電極部材6645の第1−2電極部6641、及びこれに第1−2面1420を当接させるように第1圧電素子1400が、この順に挿通されている。さらに上述したように、センサキャップ6230の内方突出部6231が、その基端向き内方突出面6234で第1圧電素子1400の第1−1面1410と直接接するように配置されている。
また、外方突出部6342より先端側に位置し、絶縁チューブ6351が被せられた第2筒部6343には、基端側から、第3絶縁スペーサ1730、2−1電極部材6646の第2−1電極部6643、及びこれに第2−1面1510を当接させるように第2圧電素子1500が挿通されている。さらに上述したように、ハウジング本体部材1220の対向部1221が、その先端向き対向面1222で第2圧電素子1500の第2−2面1520と直接接している。
包囲部材6010の膨出部6011内において、2−1電極部材6646のうち、第2−1電極部6643から延出した第2延出部6644は、その途中で基端側に向けて折り曲げられている。同様に、1−2電極部材6645のうち、第1−2電極部6641から延出した第1延出部6642も、その途中で基端側に向けて折り曲げられている。また、第1延出部6642と第2延出部6644とが重なる部位において、これらはスポット溶接されて一体とされている。さらに、この基端側において、ケーブル6650のリード線6610が第1延出部6642にスポット溶接により固定されている。これにより、前述したように、1−2電極部材6645と2−1電極部材6646とが互いに導通して、第2電極部材6640が構成され、2つの圧電素子の第1−2面1420と2−1面1510に発生した電荷を併せて外部に導出することができる。
また、実施例1と同じく、第1圧電素子1400及び第2圧電素子1500には、それぞれ予荷重がかかるようにされている。具体的には、実施例1と同様にして、ハウジング本体部材1220とセンサキャップ6230の環状部6233とは、予荷重をかけられた状態で基端側第1溶接部6225においてレーザ溶接により固着されている。また、中軸スリーブ6340は、その第1筒部6341の基端の部位L2において、中軸本体1301とアーク溶接されて、中軸本体1301と一体となっている。また、包囲部材6010を基端側から被せ、この包囲部材6010とハウジング本体部材1220とを全周に亘ってレーザ溶接して、基端側第2溶接部6226が形成されている。また、実施例1と同様に、この燃焼圧センサ6005でも、包囲部材6010内には、樹脂6040が充填されて、水分や油分から燃焼圧センサ6005を保護している。
本実施例2のグロープラグ6000でも、内燃機関の運転により燃焼圧が発生し、グロープラグ6000の中軸1300がその軸線方向に変位すると、ケーブル6650を通じて、燃焼圧センサ6005(第1,第2圧電素子1400,1500)の出力を得ることができる。しかも、実施例1と同じく、2つの圧電素子1400,1500の電荷を併せて出力するので、大きな出力を得ることができる。しかも、中軸1300が基端側に相対的に変位すると、第1圧電素子1400では圧縮荷重が増加し、第2圧電素子1500では圧縮荷重が減少するように構成されているので、実施例1と同じく、このグロープラグ6000を内燃機関に取り付けたときの、締め付けトルクの大きさによる感度の変化も抑えることができる。さらに、このグロープラグ6000(燃焼圧センサ6005)の温度が変化した場合の焦電効果による電荷の発生に関しても、実施例1と同じく抑制されている。
さらに、本実施例2のグロープラグ6000では、実施例1のグロープラグ1000と異なり、第1圧電素子1400の第1−1面、及び第2圧電素子1500の第2−2面をハウジング1200と導通させている。このため、この燃焼圧センサ6005の出力はリード線6610一本で足りる。また、燃焼圧センサ6005の構造も、実施例1における燃焼圧センサ1005(図2参照)に比して、簡単な構造となっており、部品点数も少なく、組付けも容易である。従って、ハウジング1200のアースレベルの変動を適切に考慮した検知手法を採用するのであれば、実施例1のグロープラグ1000に比しても、構造簡単で安価なグロープラグ6000として用いることができる。
また、実施例1では、中軸スリーブ1340の第1筒部1341に第2電極部材1640の第1−2電極部1641を挿通し、さらに、第2筒部1343にもその第2−1電極部1643を挿通する必要がある。このため、第2電極部材1640の第2連結部1642は、組付け後において2つの圧電素子1400,1500の第1−2面1420及び第2−1面1510の間を連結するのに足りる長さに止めておくことができず、第2電極部材1640が組付け可能となるだけの長さとしておく必要がある。なお、第1電極部材1630の第1連結部1632についても同様である。
しかるに、このように第2連結部1642の長さを長くしておくと、組付け後にはこの第2連結部1642が余り、同じく長さの余った第1連結部1632や外方突出部1342、あるいは、包囲部材1010と短絡する虞があった。また、グロープラグ1000の組付けに当たっても、第1,第2電極部材1230,1240の組付け順序を考慮する必要があるなど、組付けもし難い。
これに対して、本実施例2のグロープラグ6000では、実施例1のグロープラグ1000において用いた第2電極部材1640に代えて、1−2電極部材6645及び2−1電極部材6646の2部材を用いて第2電極部材6647を構成している。このため、中軸スリーブ6340の第1筒部6341及び第2筒部6343に、第1−2電極部6641及び第2−1電極部6643を容易に挿通できる上、第1,第2圧電素子1400等やセンサキャップ6230を積み重ね、溶接等を行ってから、第1,第2延出部6642,6644の所定位置を折り曲げて、互いに溶接し、またリード線6610を溶接すれば良い。従って、組付け後に第2連結部6647を構成する第1,第2延出部6642,6644の長さを適宜調節することができるから、外方突出部6342や包囲部材6010等との短絡の虞を低減させることができる。
以上において、本発明を実施例1,2及び変形例1,2に即して説明したが、本発明は上記実施例等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、本実施例1では、第1圧電素子1400と第2圧電素子1500とを、中軸スリーブ1340の外方突出部1342の両側(先端側と基端側、図中、上下)に配し、その先端側及び基端側から、ハウジング本体部材1220の対向部1221とセンサキャップ1230の内方突出部1231とで、第1絶縁スペーサ1710等を介して挟持した形態とした。
しかし、中軸とハウジングの相対変位に伴い、第1圧電素子と第2圧電素子のいずれかには、圧縮の予荷重に加重する圧縮力が掛かり、一方には圧縮の予荷重を減少させる力が掛かるように構成されていればよい。従って、例えば、ハウジングに設けた内方突出部の両側(先端側と基端側)に第1、第2圧電素子を設け、その先端側及び基端側から、中軸に設けた2つの外方突出部で挟持する構造など、他の構成とすることもできる。
また、実施例2においては、2つの圧電素子1400,1500の第1−2面1420及び第2−1面1510の電荷を、1−2電極部材6645及び2−1電極部材6646により導出した例を示した。しかし、この実施例2で用いた1−2電極部材6645及び2−1電極部材6646と同じ形態の電極部材を、実施例1における第1電極部材1630及び第2電極部材1640に代えて用いることもできる。この場合にも、第1,第2電極部材の組付けが容易になる上、組付け後に第1,第2連結部の長さが余ることによる短絡等の不具合を適切に防止することができる。
さらに、実施例2では、2つの圧電素子1400,1500の第1−1面1410及び第2−2面をハウジングに導通させた例を示したが、第1,第2圧電素子1400,1500をそれぞれ上下反対とした上で、第1−2面1420及び第2−1面1510をハウジングに導通する構成とすることもできる。さらには、上述したように、ハウジングに設けた内方突出部の先端側及び基端側に第1,第2圧電素子を設け、これらを中軸に設けた2つの外方突出部で挟持する構造とし、しかも、第1−1面及び第2−2面、あるいは第1−2面及び第2−1面をハウジングに導通する構成とすることもできる。
また、実施例2では、第1圧電素子1400の第1面1410と、内方突出部6231の先端向き内方突出面6234とが直接接する構成としたが、これの間に導電性(金属製)のリングを介在させることもできる。このようにすると、第1圧電素子1400に均一に圧縮応力を掛けることができ、さらに好ましい。
また、実施例2では、図19に示すように、中軸スリーブ6340の外方突出部6342と第2連結部6647(第2延出部6644)とを、わずかに離間させている。しかし、さらにこれらの間の絶縁を確実にするため、第2延出部6644に必要部位に、絶縁チューブ(絶縁性熱収縮チューブ)を被せる、あるいは、外方突出部6342の外周に絶縁チューブを被せるなどの改変を行うこともできる。
さらに、上述の実施例1,2等では、圧電素子を2つ使用した例を示したが、例えば、圧電素子を2枚組として4枚使用するなど多数枚使用することもできる。
実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグを示し、(a)は全体の半断面図、(b)は先端付近の要部拡大縦断面図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち基端付近を拡大して示す部分拡大縦断面図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグを、内燃機関の外側と燃焼室面とを貫通する取付孔に取り付けた状態を示し、(a)は全体を示す半断面図、(b)は先端付近の要部拡大縦断面図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグを示し、(a)は上面図、(b)は燃焼圧センサの構造を示す説明図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうちハウジングの一部をなすセンサキャップを示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち中軸の一部をなす中軸スリーブを示し、(a)は上面図、(b)は縦断面図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち電極部材を示す説明図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち包囲部材を示し、(a)は上面図、(b)は縦断面図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグの燃焼圧センサ部について、中軸の変位と発生する電荷との関係を説明するための説明図である。 燃焼圧検知機能付グロープラグのセンサ出力を内燃機関を使用して測定するシステムを示す説明図である。 図10の測定システムを使用して得られた、内燃機関のクランク角と、実施例1及び比較例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグの出力との関係を示すグラフである。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのセンサ出力をエアチャンバを使用して測定するシステムを示す説明図であり、(a)はシステム全体の説明図であり、(b)はエアチャンバの入力バルブ及び出力バルブの動作を示すタイミングチャートである。 図12の測定システムを使用して得られた、各締付けトルクと、実施例1及び比較例1、2にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのセンサ出力の大きさとの関係を示すグラフである。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグの燃焼圧センサについて、焦電効果に対する効果を説明するための説明図である。 燃焼圧検知機能付グロープラグを加熱した場合に圧電素子から発生する電荷量及び圧電素子の温度の変化を示すグラフであり、(a)は比較例1、(b)は比較例2、(c)は実施例1ある。 変形例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち先端付近を示す拡大縦断面図である。 変形例2にかかる燃焼圧検知機能付きグロープラグのうち、第1圧電素子及び第2圧電素子の配置、分極方向、電荷取り出しを示す説明図である。 実施例2にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグの半断面図である。 実施例2にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち基端付近を拡大して示す部分拡大縦断面図である。 実施例2にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグに用いる電極部材を示す説明図である。
符号の説明
100 内燃機関
1000、2000、5000、6000 グロープラグ(燃焼圧検知機能付グロープラグ)
1005、2005、6005 燃焼圧センサ
1100、5101 ヒータ部材
5100 シース部材(ヒータ部材)
1150 ヒータ接続部
1200、5200 ハウジング
1201、5201 ハウジング先端部
1202 ハウジング基端部
1203 雄ネジ部
1204、5204 シール部
1205 ヒータ保持部
1206 工具係合部
1207 (ハウジングの)内側面
1210 ヒータ保持部材(ヒータ保持部)
1221 対向部
1222 基端向き対向面
1223 ハウジング本体基端部
1231、6231 内方突出部
1234、6234 先端向き内方突出面
1300、5300 中軸
1303 (中軸の)外側面
1310 中軸基端部
1320 中軸先端部
1340、6340 中軸スリーブ
1342、6342 外方突出部
1345、6345 基端向き外方突出面
1346、6346 先端向き外方突出面
1400、2400 第1圧電素子
1410 第1−1面(第1プラス面)
1420 第1−2面(第1マイナス面)
2410 第1内周面(第1プラス面)
2420 第1外周面(第1マイナス面)
2631 第1内周電極
2641 第1外周電極
1500、2500 第2圧電素子
1510 第2−1面(第2プラス面)
1520 第2−2面(第2マイナス面)
2510 第2内周面(第2マイナス面)
2520 第2外周面(第2プラス面)
2633 第2内周電極
2643 第2外周電極
1630 第1電極部材(第1導電路部材)
1640、6640 第2電極部材(第2導電路部材)
1631 第1−1電極部(第1面当接部)
1633 第2−2電極部(第2面当接部)
1641、6641 第1−2電極部(第1面当接部)
1643、6643 第2−1電極部(第2面当接部)
1632 第1連結部(ブリッジ部)
1642、6647 第2連結部(ブリッジ部)
1700 Oリング(シール部材)
6642 第1延出部
6644 第2延出部
6645 1−2電極部材(第2導電路部材)
6646 2−1電極部材(第2導電路部材)
AX 軸線
AXT 軸線方向
PL 予荷重
PLT 分極方向
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