JP2006046822A - 燃焼圧検知機能付グロープラグ - Google Patents

燃焼圧検知機能付グロープラグ Download PDF

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浩二 岡崎
Masayoshi Matsui
正好 松井
Mitsuru Kondo
満 近藤
Tatsunori Yamada
達範 山田
Takahiro Suzuki
隆博 鈴木
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Abstract

【課題】
ハウジングと中軸の間の空間に燃焼ガスが入り込んでも、燃焼圧の変化を適切に検知できる燃焼圧検知機能付グロープラグを提供することを目的とする。
【解決手段】
燃焼圧検知機能付グロープラグ10は、通電により発熱するヒータ部材1、燃焼圧を検出する燃焼圧センサ2、筒状のハウジング3及びハウジング3内に収容される中軸4を含む。ハウジング3は、その外側面3jのうち、ヒータ保持部3hより基端側で燃焼圧センサ2より先端側に、ハウジング3の内側と外側とを連通する連通孔3tを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関の始動補助装置として使用すると共に、内燃機関の燃焼圧の変化を検知することができる燃焼圧検知機能付グロープラグに関する。
内燃機関の始動補助を行うためのグロープラグに、燃焼圧検知機能を付加した燃焼圧検知機能付グロープラグとしては、例えば特許文献1に記載の燃焼圧センサ付グロープラグなどが提案されている。
この燃焼圧センサ付グロープラグは、筒状のハウジングと、自身の一端をハウジング先端から突出させた形態で他端をハウジングの先端(ヒータ保持部)に保持されてなるパイプ部材(ヒータ部材)とを有する。また、このグロープラグは、ヒータ部材と電気的及び機械的に剛に結合された金属製の中軸と、内燃機関の運転による燃焼圧の発生に伴いヒータ部材に作用する力が中軸を介して伝達されてこの燃焼圧を検出する燃焼圧センサを有する。
このうちヒータ保持部内周とヒータ部材外周とは、隙間なく固定されているため、ヒータ部材とハウジング先端部との隙間を通って、燃焼室からハウジング内に水分やガスが侵入しないようにされている。
特開2002―327919号公報(第2頁、図1)
しかしながら、このグロープラグを内燃機関に取り付けて運転した場合、高圧の燃焼ガスは、ヒータ部材外周とハウジングのヒータ保持部内周との間を通って、肉厚の薄い筒状のハウジングの内側面と中軸との空間に侵入する場合がある。さらに、この空間に入った燃焼ガスは、肉厚の薄い筒状の隙間を通って侵入しているため、内燃機関の運転により、燃焼室内の燃焼圧が低下しても、隙間に侵入した燃焼ガスは、急には抜けずゆっくりと圧力が下がることとなる。
一方、このタイプのグロープラグで用いられるセンサには、ハウジングの内側面と中軸の間の空間の圧力変化が生じたとき、燃焼圧の変化の検知に影響を生じるタイプのセンサがある。
このようなタイプのセンサでは、ハウジングの内側面と中軸の間の空間に燃焼ガスが侵入したり、その燃焼ガスの圧力の低下が遅れたりすると、センサの出力が影響を受け、センサの出力変化が燃焼室の燃焼圧の変化を反映しない不具合が生じることがある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、燃焼圧の変化を適切に検知できる燃焼圧検知機能付グロープラグを提供することを目的とする。
その解決手段は、燃焼圧検知機能付グロープラグであって、通電により発熱するヒータ部材と、筒状のハウジングであって、自身の軸線方向先端側に位置し、上記ヒータ部材の一部を先端側より突出させた形態で、このヒータ部材を自身の内側に保持するヒータ保持部、を含み、上記ヒータ保持部が内燃機関の燃焼室側に位置するように上記内燃機関に取り付けられるハウジングと、上記ハウジング内に挿通されてなり、上記ヒータ部材と電気的に導通される中軸であって、上記燃焼圧検知機能付グロープラグを上記内燃機関に取り付けたとき、燃焼圧の変化により、ハウジングに対して軸線方向に相対変位を生じる構成とされてなる中軸と、上記ハウジング内に収容され、上記ハウジングと上記中軸との相対変位を用いて、上記燃焼圧の変化を検知するセンサ部であって、上記ハウジングの内側面と上記中軸の間の空間に圧力変化が生じたとすると、上記センサ部での上記燃焼圧の変化の検知に影響を生じる構成とされてなるセンサ部と、を備え、上記ハウジングは、上記ヒータ保持部より基端側で上記センサ部より先端側に、自身の外側と内側とを連通する連通孔を有する燃焼圧検知機能付グロープラグである。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、ハウジングのヒータ保持部より基端側で、センサ部より先端側に位置し、ハウジングの外周面と内周面を連通する連通孔を備える。このため、このグロープラグでは、たとえハウジングの内側面と中軸との間の空間に燃焼ガスが侵入したとしても、燃焼ガスは、この連通孔から外部に排出されて、センサ部に達することはない。従って、この燃焼ガスの圧力がセンサ部の出力に影響を及ぼすこともないため、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、適切な燃焼圧検知出力を得ることが出来る。
なお、この連通孔は一個に限らず、複数個あっても良い。
また、中軸とハウジングは、燃焼圧の変化に伴って、中軸がハウジングに対して軸線方向に相対的に変位する構成とする。このような構成としては、例えば、具体的には、燃焼室に面するヒータ部材及びハウジングのうちこのヒータ部材を保持するヒータ保持部にかかる燃焼圧が変化すると、軸線方向に伸縮してヒータ部材及びヒータ保持部の変位を生じさせるハウジングと、ヒータ部材と一体化された中軸とからなる構成が挙げられる。このものでは、燃焼圧が変化すると、ハウジングが軸線方向に伸縮するため、ハウジングに対して、さらに具体的にはハウジングのうち内燃機関への固定部に対して、中軸が軸線方向に相対的に変位することになる。
また、本明細書において、センサ部は、ハウジングと中軸との相対変位を用いて、燃焼圧の変化を検知するが、ハウジングの内側面と中軸の間の空間に圧力変化が生じたとすると、センサ部での燃焼圧の変化の検知に影響を生じる構成とされたものである。具体的には、例えば、ハウジングの内側面と中軸との間の空間の圧力変化に応じて、中軸が変位してしまう構造を有する場合が挙げられる。
また、センサ部において、燃焼圧変化を検知するセンサの具体例としては、例えば、水晶や圧電セラミックなどの圧電素子、圧力に応じた変位を計測する歪ゲージや静電容量変位計などが挙げられる。
このうち、圧電素子を用いると、安価で構造が簡単になるため、特に好ましい。
他の解決手段は、燃焼圧検知機能付グロープラグであって、通電により発熱するヒータ部材と、筒状のハウジングであって、軸線方向の最も先端側に位置するハウジング先端部、上記軸線方向の最も基端側に位置するハウジング基端部、上記ハウジング先端部と上記ハウジング基端部との間に位置し、このハウジングを内燃機関の取付孔内にネジ止めするための雄ネジ部、上記ハウジング先端部と上記雄ネジ部との間に位置し、上記取付孔内の所定部位と直接または間接に圧接して、このハウジングと上記取付孔との間の気密を保持するためのシール部、上記雄ネジ部とハウジング基端部との間に位置し、上記ハウジングの外側と内側を連通する連通孔を有する連通孔、及び、上記雄ネジ部より上記軸線方向先端側に位置し、上記ヒータ部材の一部を上記ハウジング先端部より先端側に突出させた形態で、このヒータ部材を自身の内側に直接または間接に保持するヒータ保持部、を含み、上記ネジ止めにより上記ハウジング先端部が内燃機関の燃焼室側に位置するように上記内燃機関に取り付けられるハウジングと、導電性の中軸であって、上記軸線方向基端側に位置する中軸基端部、及び上記軸線方向先端側に位置する中軸先端部、を含み、上記ハウジング内に収容されると共に、上記中軸基端部が上記ハウジング基端部から突出するように配置され、上記中軸先端部で上記ヒータ部材と電気的に導通され、上記ヒータ部材と直接または間接にかつ機械的に剛に結合されてなる中軸と、上記ハウジング内に収容され、上記ハウジングと上記中軸との軸線方向の相対変位を用いて、燃焼圧の変化を検知するセンサ部であって、上記ハウジングの内側面と上記中軸の間の空間に圧力変化が生じたとすると、上記燃焼圧の変化の検知に影響を生じる構成とされてなるセンサ部と、を備えた燃焼圧検知機能付グロープラグである。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグは、通電により発熱するヒータ部材と、筒状のハウジングと、導電性の中軸と、燃焼圧の変化を検知するセンサ部を有している。
このうちハウジングは、ハウジング自身を内燃機関の取付孔内にネジ止めするための雄ネジ部、ハウジング先端部と雄ネジ部との間に位置し、ハウジングと取付孔との気密を保持するためのシール部、及び、雄ネジ部より先端側に位置し、ヒータ部材を保持するヒータ保持部を有している。このヒータ保持部は、ヒータ部材の一部をハウジング先端部より先端側に突出させた形態で、このヒータ部材を自身の内側に保持している。
また、中軸は、このハウジング内に収容され、中軸基端部がハウジング基端部から突出するように配置されると共に、中軸先端部でヒータ部材と電気的に導通した状態とされているうえ、機械的にも剛に結合されている。具体的には、ヒータ部材が軸線方向に変位したとき、中軸も同じく軸線方向に変位するように結合されている。
このグロープラグを内燃機関の取付孔内にネジ止めして、内燃機関を運転すると、ヒータ部材のうちハウジング先端部より先端側に突出した部分には、内燃機関の燃焼圧が掛かるので、燃焼圧の変化により、このヒータ部材を保持しているハウジングのヒータ保持部と内燃機関にネジ止めされた雄ネジ部との間が伸縮すると共に、ヒータ部材も軸線方向に変位する。一方、その先端がヒータ部材に機械的に剛に結合されている中軸も、前述したように、燃焼圧の変化により軸線方向基端側に変位する。従って、中軸、ひいては中軸の基端側と上述のように伸縮したハウジング、さらに具体的にはハウジングのうち内燃機関への固定部である雄ネジ部とは、軸線方向の相対変位が生じることとなる。センサ部はこの相対変位を用いて燃焼圧の変化を検知する。
ところで、ヒータ部とハウジングのヒータ保持部とは、本来気密になるように、例えば、圧入などによって、保持されている。しかしながら、内燃機関の運転により、高い燃焼圧が発生すると、ヒータ部とヒータ保持部との隙間からハウジング内に燃焼ガスが侵入することがある。この隙間から燃焼ガスが侵入すると、ハウジングの内側面と中軸の間の空間の圧力は上がることとなる。一方、内燃機関の燃焼室内の燃焼圧が下がっても、この空間に入った燃焼ガスは、肉厚の薄い筒状の隙間を通って侵入しているため、急には抜けず、ゆっくりと圧力が下がることとなる。すると、センサの出力がこの空間内の圧力変化に影響を受け、センサの出力変化が本来の燃焼圧の変化を反映しない虞がある。
しかるに、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、ハウジングは、雄ネジ部とハウジング基端部との間に位置し、ハウジングの外側と内側を連通する連通孔を有している。このため、この燃焼圧検知機能付グロープラグでは、たとえ上述のように、ハウジングの内側面と中軸の間の空間に燃焼ガスが侵入したとしても、この連通孔から燃焼ガスが外部に排出されるので、センサ部に達することはない。従って、この燃焼ガスの圧力変化がセンサ部の出力に影響を及ぼすこともないため、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、適切な燃焼圧検知出力を得ることが出来る。
また、上記いずれかに記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記センサ部は、その基端側が、樹脂により気密及び液密に封止されてなる燃焼圧検知機能付グロープラグとすると好ましい。
燃焼圧検知機能付グロープラグのうち、その基端側が樹脂により気密及び液密に封止されているセンサ部を有するタイプのグロープラグでは、侵入した燃焼ガスが基端側に抜けないため、センサ部への影響が大きくなりがちである。
しかるに、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、上述のとおり、ハウジングの内側面と中軸の間の空間に燃焼ガスが侵入したとしても、この連通孔から燃焼ガスが外部に排出されるので、センサ部に達することはなく燃焼ガス侵入の影響が生じない。従って、このタイプのグロープラグに本発明を適用することは特に好ましい。
また、上記いずれかに記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記ハウジングのうち、前記連通孔の内側、外側あるいは連通孔内の少なくともいずれかに位置し、上記ハウジングの内部と外部との通気性を保ちつつ、上記連通孔からのハウジング内への水の浸入を防止する防水通気部を備える燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
前述のいずれかに記載のグロープラグでは、連通孔からハウジング内に水が浸入すると、中軸とハウジングとが短絡するなどの悪影響が生じる虞があった。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグは、防水通気部を有している。従って、ハウジングの内部と外部との通気性を保ちつつ、ハウジング内への水の浸入による中軸とハウジングとの短絡を防止できるため、信頼性の高い燃焼圧検知機能付グロープラグとなし得る。
また、上記の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記防水通気部は、撥水性及び通気性を有し、シート状の外側フィルタ部材であって、少なくとも前記連通孔を覆って前記ハウジングの外周面に密着してなる外側フィルタ部材と、上記外側フィルタ部材を、上記ハウジングの外周面に固定する外周側固定部材と、を備える燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、撥水性及び通気性を有するシート状の外側フィルタ部材が、少なくとも連通孔を覆ってハウジングの外周面に密着している。このため、連通孔の通気性を確保しつつ、連通孔への水の浸入を防止することができる。従って、ハウジング内への水の浸入による中軸とハウジングとの短絡等を防止でき、信頼性の高い燃焼圧検知機能付グロープラグとなし得る。
また、このグロープラグでは、外側フィルタ部材は、ハウジングの外側に配置されているため、外側フィルタ部材の組付や交換などが容易である。
なお、本明細書において、フィルタ部材(上述の外側フィルタ部材、後述の孔内フィルタ部材及び内側フィルタ部材)は、撥水性と通気性を有していればよいが、耐熱性、耐油性等をも考慮して材質を選択するとよい。例えば、具体的には、多孔質繊維構造を有したPTFEなどのフッ素樹脂からなるものなどが挙げられる。
また、上記の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記外周側固定部材は、前記外側フィルタ部材のうち前記連通孔を覆う部分を、さらに覆う形状を有する外周側被覆固定部材である、燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
外側フィルタ部材が、外部に露出している場合、取り扱いの際、この外部フィルタ部材に工具等が当たると、破れるなど破損し易い。
本発明のグロープラグでは、外周側被覆固定部材は、外側フィルタ部材のうち連通孔を覆う部分を、さらに覆う形状を有している。従って、外側フィルタ部材に直接工具等が当ることがないため、外部フィルタ部材の破損を防止することが出来る。
また、請求項3〜請求項5のいずれかに記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記防水通気部は、撥水性及び通気性を有する孔内フィルタ部材であって、前記連通孔内に填塞されてなる孔内フィルタ部材を備える燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、孔内フィルタ部材が、連通孔内に填塞されているため、取り扱い時に工具等が孔内フィルタ部材に接触するなどして破損することを防止することができる。このため、取付の際の取り扱いや作業が容易で信頼性の高い燃焼圧検知機能付グロープラグとなし得る。
また、請求項3〜請求項6のいずれか一項に記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記防水通気部は、撥水性及び通気性を有し、第1面及び第2面を有するシート状の内側フィルタ部材であって、前記連通孔を前記ハウジングの内周面側から上記第1面で覆い、上記内周面に密着してなる内側フィルタ部材を備える燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
この燃焼圧検知機能付グロープラグでは、防水通気部が、連通孔の内周面側に位置する内側フィルタ部材であるため、取り扱い時に工具等が内側フィルタ部材に接触して破損させることがない。このため、取付の際の取り扱いや作業が容易で信頼性の高い燃焼圧検知機能付グロープラグとなし得る。
また、上記の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、前記内側フィルタ部材の前記第2面は、前記中軸の外周面に密着してなる、燃焼圧検知機能付グロープラグとすると良い。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグでは、第2面を中軸の外周面にも密着させている。このため、内側フィルタ部材を、ハウジングの内側面と中軸の外周面とで挟み込み所定の位置に保持することができる。
本発明の実施にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグを図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図7を参照して説明する。
グロープラグ10は、内燃機関の始動補助のため通電によってヒータ部材1を発熱させることができるほか、内燃機関の燃焼圧の変化を検知することができるように構成された燃焼圧センサ2を有するグロープラグである。このグロープラグ10は、図1(a)に示すように、軸線AXに沿う方向(以下、単に軸線方向ともいう)に延びる筒状のハウジング3と、このハウジング3内に保持された導電性の中軸4と、この中軸4の軸線方向先端側(図中下方。以下、単に先端側ともいう)に配置されたヒータ部材1とを備えている。
このヒータ部材1は、窒化珪素質セラミックからなり、図2に示すように、ヒータ先端部1sが略半球状とされた棒状の形態を有する。このヒータ部材1は、ヒータ先端部1s内に非金属発熱体からなるヒータ発熱部1hを有する。また、ヒータ部材1の基端側の外周面には、このヒータ発熱部1hの発熱に必要な電力の供給端子であるヒータ接続部1b、1cを有する。さらに、ヒータ発熱部1hの両端とヒータ接続部1b、1cとをそれぞれ導通するヒータ導電路1d、1eを有する。これらは、窒化珪素質セラミックによって包囲されている。
一方、図1〜図3に示すように、ハウジング3は、筒状のハウジング本体部材31、この先端側に配置され、上述のヒータ部材1を保持するヒータ保持部材32、及びハウジング本体部材31の基端に配置されているセンサキャップ33からなる。
このうち、ヒータ保持部材32とハウジング本体部材31とは、図2に示すように、ハウジング本体部材31のうち先端側(図1中下方)に位置する先端側溶接部31yで、レーザ溶接により固着されている。また、ハウジング本体部材31とセンサキャップ33とは、図3に示すように、ハウジング本体部材31の軸線方向基端側(図3中上方。以下、単に基端側ともいう)に位置する基端側第1溶接部31vで、レーザ溶接により固着されている。
このように3つの部材からなるハウジング3のうち、最も先端側にある部分をハウジング先端部3sとし、最も基端側にある部分をハウジング基端部3kとする。
このハウジング3は、ハウジング先端部3sとハウジング基端部3kとの間に、具体的には、ハウジング本体部材31の軸線方向の中間部分に、このハウジング3を図4のように内燃機関Eの取付孔EHに取り付けるための雄ネジ部3nを備える。
また、このハウジング3は、雄ネジ部3nとハウジング基端部3kとの間に、ハウジング3の外側面3jと内側面3iを連通する連通孔3tを有する(図1(b)参照)。
さらに、このハウジング3のハウジング本体部材31は、ハウジング基端部3kと雄ネジ部3nとの間に、ネジ止めのときにレンチなどの工具を係合させる六角形状の工具係合部3rを有する。
またさらに、このハウジング3は、ハウジング先端部3sと雄ネジ部3nとの間に、具体的には、ヒータ保持部材32の基端部分に、取付孔EHの取付面EHTに圧接して、このハウジング3と取付孔EHとの間を気密に保つための、先細のテーパ面からなるシール部3cを有する。
また、図2に示すように、ヒータ保持部材32は、ヒータ部材1を、そのヒータ先端部1sをハウジング先端部3sより先端側に突出させた形態で保持している。具体的には、このヒータ保持部材32は、ヒータ部材1のうち基端側がこのヒータ保持部3h内に圧入されている。このため、ヒータ保持部材32とヒータ部材1は気密に密着し、このグロープラグ10を内燃機関Eに装着した場合でも、燃焼ガスがハウジング3内に侵入しにくくなっている。
さらに、ヒータ部材1のヒータ接続部1bとヒータ保持部材32の内周面とが、電気的に導通するので、このヒータ部材1のヒータ発熱部1hの一端は、ハウジング3と電気的に接続されることになる。
さらに、図2に示すように、ヒータ部材1のうちヒータ基端部1kは、金属からなる接続リング5のうち接続リング先端部5s内に圧入されている。さらに、中軸4の中軸先端部4sは、接続リング5の接続リング基端部5kの内周に挿入され、中軸先端側溶接部4yで溶接により固着されている。このため、中軸4と、ヒータ部材1とは、接続リング5を介して、機械的に剛に結合される。その上、中軸4とヒータ部材1のヒータ接続部1cとは、接続リングを介して電気的に接続されている。
従って、ハウジング3と中軸4とに電圧を印加することで、ヒータ部材1を発熱させることができる。
次いで、図3を参照して、ハウジング3のうち最も基端側に位置するハウジング基端部3kについて説明する。このハウジング基端部3kは、センサキャップ33及びハウジング本体部材31のハウジング本体基端部31kを含む。
このうち、センサキャップ33は、略筒状の形態を有する胴部33dと、その軸線方向先端側(図3中、下方)に位置する円環状の環状部33kとを備える。さらに、このセンサキャップ33は、胴部33dの軸線方向基端(図中上端)から、軸線AXに直交し径方向内側に突出する第1内方突出部33tを含む。さらに、この第1内方突出部33tは、軸線方向先端側を向いた先端側第1内方突出面33mを含む。また、環状部33kは、胴部33dに比して、肉厚が薄くされている。
また、図5(a)に示すように、胴部33d及び第1内方突出部33tには、中軸4をその軸線AXに沿って貫通させると共に、後述する配線部材を挿通するための挿通孔33hを含む。
なお、センサキャップ33及びハウジング本体基端部31kは、前述の通り基端側第1溶接部31vで固着されている。これにより、センサキャップ33の第1内方突出部33tと胴部33d、及びハウジング本体基端部31kで、後述する燃焼圧センサ2をその内部に収容するための包囲空間Gを形成している。
この包囲空間Gの先端側に位置するハウジング本体基端部31kは、径方向内側に突出する第2内方突出部31tを構成する。また、この第2内方突出部31tは、ハウジング本体部材31の基端面であり、軸線方向基端側を向く、基端側第2内方突出面31mを含んでいる。この基端側第2内方突出面31mは、センサキャップ33の先端側第1内方突出面33mに対向している。
次いで、中軸4について説明する。鉄からなる中軸4は、ハウジング3の内部に配置されている。また、この中軸4は、基端側に位置する中軸基端部4kとこの中軸基端部4kから先端側に延びる棒状の形態を有する中軸本体4hとからなる。このうち中軸基端部4kは、その先端側に雌ネジ部4mが形成されている。また、中軸本体4hは、その基端側に雄ネジ部4nが形成されている。中軸基端部4kと中軸本体4hとは、雌ネジ部4mと雄ネジ部4nとで、ネジ止めされた後、カシメ加工により固着される(図3参照)。
この中軸4のうち中軸先端部4sは、前述したように、ヒータ部材1のヒータ基端部1kに接続リング5を介して機械的に剛に結合している(図2参照)。一方、中軸4のうち基端側の端部である中軸基端部4kは、ハウジング基端部3k(センサキャップ33)より基端側に位置して、ハウジング3より基端側に突出しており、図示しない接続端子を差し込み接続できる形態にされている。
さらに、この中軸4は、中軸基端部4kよりも先端側(図中下方)において、円柱状の中軸本体4hのほか、燃焼圧センサ2の一部を成し、筒状で中軸本体4hを内部に挿通して、これと一体化してなる中軸スリーブ41を有する。この中軸スリーブ41は、図3に示すように、貫通孔41hを有する筒形状を有し、その軸線方向中間位置には、径方向外側に向けて突出するフランジ状の外方突出部41fを含む。さらに、この中軸スリーブ41の外方突出部41fは、軸線方向基端側を向く基端側外方突出面41dと、軸線方向先端側を向く先端側外方突出面41eとを有している。
なお、以下では、この中軸スリーブ41において、外方突出部41fを挟んで、外方突出部41fより基端側に位置する筒の部分を第1筒部41bと、外方突出部41fより先端側に位置する筒の部分を第2筒部41cとする。
次いで、図3、図5を参照して、ハウジング3のハウジング基端部3kに形成された燃焼圧センサ2について説明する。
この燃焼圧センサ2の中心には、図3に示すように、中軸本体4hを挿通固着された中軸スリーブ41が配置されている。この中軸スリーブ41は、その外方突出部41fが、ハウジング3(センサキャップ33)の第1内方突出部33tよりも先端側(図3中、下方)に、かつ、ハウジング3(ハウジング本体部材31)の第2内方突出部31t(ハウジング本体基端部31k)よりも基端側(図3中、上方)に位置するよう配置されている。また、中軸スリーブ41のうち、外方突出部41fより基端側に延びる第1筒部41bは、センサキャップ33の第1内方突出部33tよりも基端側に突出するように延びている。また、中軸スリーブ41のうち外方突出部41fより先端側に延びる第2筒部41cは、第2内方突出部31tの基端側第2内方突出面31mよりも先端側まで延びて、ハウジング本体部材31内に挿入されている。
また、中軸スリーブ41の第1筒部41bの外周を絶縁チューブ29bが包囲し、第2筒部41cの外周を絶縁チューブ29cが包囲している。
この燃焼圧センサ2のうち、第1内方突出部33tの先端側第1内方突出面33mと外方突出部41fの基端側外方突出面41dとの間には、第1絶縁スペーサ23、第1−1電極部27b、第1圧電素子21、第2−1電極部28b及び第2絶縁スペーサ24が、基端側から先端側にかけてこの順番で、内部に中軸スリーブ41の第1筒部41bを挿通した状態で配置されている。さらに、外方突出部41fの先端側外方突出面41eとハウジング本体基端部31kの基端側第2内方突出面31mとの間には、第3絶縁スペーサ25、第1−2電極部27c、第2圧電素子22、第2−2電極部28c、第4絶縁スペーサ26が、基端側から先端側にかけてこの順番で、内部に中軸スリーブ41の第2筒部41cを挿通して配置されている。
このうち、第1、第2、第3、第4絶縁スペーサ23、24、25、26は、アルミナセラミックからなり、リング状の形態を有している。
また、第1電極部材27は、リング状の二つの電極部である第1−1電極部27b、第1−2電極部27c及びこれらを接続する第1連結部27dを含む。さらに、第2電極部材28についても同様に、リング状の二つの電極部である第2−1電極部28b、第2−2電極部28c及びこれらを接続する第2連結部28dを含む。
チタン酸ジルコン酸鉛からなるリング状の第1圧電素子21及び第2圧電素子22は、自身の軸線方向に分極されており、軸線方向の圧縮応力の変化に応じて、それぞれの両端にプラスあるいはマイナスの電荷を発生する。第1圧電素子21は、軸線方向の圧縮応力が増加すると、第1−1面21bにプラス電荷を発生し、第1−2面21cにマイナス電荷を発生するように配置されている。また、第2圧電素子22は、軸線方向の圧縮応力が減少すると、第2−2面22cにプラス電荷を発生し、第2−1面22bにマイナス電荷を発生するように配置されている。
この燃焼圧センサ2は、センサキャップ33は、軸線方向先端方向への押圧力が掛けられた状態、即ち、第1、第2圧電素子21,22に軸線方向の圧縮力が掛かった状態で、その環状部33kがその全周に亘って、ハウジング基端部3kの外周面に基端側第1溶接部31vで、レーザ溶接されている。従って、この燃焼圧センサ2では、第1圧電素子21及び第2圧電素子22に軸線方向に圧縮荷重が常時掛かる状態となっている。なお、このレーザ溶接の際、基端側第1溶接部31vにはビード(径方向外側への隆起)が発生する。センサキャップ33の外側に包囲部材7を組み付けるとき、この包囲部材7がビードに干渉して、適切に組み付けを行えない虞がある。このため、環状部33kは、このようなビードが発生しても、組み付けの際、包囲部材7に干渉しないように、薄肉とされている。
従って、第1内方突出部33t、第1絶縁スペーサ23、第1−1電極部27b、第1圧電素子21、第2−1電極部28b、第2絶縁スペーサ24、外方突出部41f、第3絶縁スペーサ25、第1−2電極部27c、第2圧電素子22、第2−2電極部28c、第4絶縁スペーサ26及び第2内方突出部31tが積層されて、図3に示すように、互いに上下の部材と密着している。
なお、中軸本体4hと中軸スリーブ41についても、第1筒部41bの基端41kにおいて、中軸スリーブ41と中軸本体4hとが近接する部位L2でアーク溶接(アルゴン溶接)されている。このため、中軸スリーブ41と中軸本体4hとは一体となっている。
また、図5(b)に示すように、第1圧電素子21及び第2圧電素子22で発生した電荷(出力信号)は、第1電極部材27、第2電極部材28、リード線61、62及びケーブル65によって外部に取り出されている。
具体的には、第1圧電素子21のうち、第1−1面21bは第1電極部材27の第1−1電極部27bに、第1−2面21cは第2電極部材28の第2−1電極部28bに当接している。また、第2圧電素子22のうち、第2−2面22cは第1電極部材27の第1−2電極部27cに、第2−1面22bは第2電極部材28の第2−2電極部28cにそれぞれ当接している。従って、第1圧電素子21の第1−1面21bと第2圧電素子22の第2−2面22cとは、第1電極部材27によって導通されている。同様に、第1圧電素子21の第1−2面21cと第2圧電素子22の第2−1面22bとは、第2電極部材28によって導通されている。
なお、図5(b)に示すように、第1電極部材27及び第2電極部材28は、それぞれ第1、第2連結部27d、28dにおいて、リード線61及びリード線62と、それぞれスポット溶接されて接続されている。さらに、リード線61、62は、内部編粗66を有するケーブル65として、絶縁を取った状態で外部に取り出される。具体的には、図示しないチャージアンプなどを経由してECUなどの制御機器に入力され、燃焼圧の変化を検知する。
また、このケーブル65のうち内部編粗66はケーブル固定部材67にカシメ固定され、このケーブル固定部材67は、次述する包囲部材7の膨出部7b内に溶接されて固定されている。これにより、このケーブル65の引張りなどにより、リード線61、62に力が加わって第1電極部材27及び第2電極部材28が変形したり、リード線61、62が外れたりすることが防止されている。
本実施例のグロープラグ10では、図3に示すように、上述の燃焼圧センサ2を含むハウジング基端部3kは、筒状の包囲部材7に包囲されその内部に収容されている。包囲部材7は、略円筒状の円筒部7eと、この円筒部7eの周方向一部において径方向外側に突出する膨出部7bとからなる。この包囲部材7の円筒部7eは、燃焼圧センサ2をなす各部材を包囲する。また、膨出部7b内には、第1、第2電極部材27、28に接続するリード線61、62が収容されている。さらに、包囲部材7内には、基端側から封止樹脂Fが充填されており、この封止樹脂Fにより燃焼圧センサ2が包囲され封止されている。
次いで、本実施例のグロープラグ10を内燃機関Eに取り付けて使用する場合について説明する。
このグロープラグ10の内燃機関Eへの取り付けは、図4(a)に示すように、内燃機関Eの取付孔EHに、グロープラグ10のうちハウジング3の雄ネジ部3nを、シール部3cが、燃焼室ECの近傍に設けられた取付面EHTに圧接するまでねじ込むことによってなされる。具体的には、ハウジング3に形成された工具係合部3rに工具を係合させ、締付けに必要な回転トルクをハウジング3に与えることで行う。
このグロープラグ10では、テーパ面をなすハウジング3のシール部3cが取付孔EHの取付面EHTに当接すると、グロープラグ10が内燃機関Eに固定される。これと共に、シール部3cが取付面EHTに圧接、密着して燃焼室EC内に生じる高圧の燃焼ガスが取付孔EH内に漏れ出ることを防止することができる。
なお、このようにしてハウジング3をネジ止め固定すると、ハウジング3のうち、シール部3cと雄ネジ部3nとの間が圧縮され、この間が弾性的に縮む。すると、ハウジング3のうちこの圧縮された部分の弾性力によって、シール部3cと取付孔EHの取付面EHTとが弾性的に圧接され、より確実に気密を保つことができる。
さらに、この内燃機関Eを始動させると、燃料の爆発燃焼により、燃焼室EC内の高圧の燃焼圧が発生する。
すると、この燃焼圧により、グロープラグ10のヒータ部材1及びハウジング先端部3sは、軸線方向基端側に押されて変位すると共に、ハウジング3のうち雄ネジ部3nとシール部3cの間の部分が、さらに圧縮される。
中軸4は、前述のとおり、接続リング5を介して機械的に剛にヒータ部材1と結合され、ヒータ部材1は、ハウジング3のヒータ保持部3hで保持されているため、ヒータ保持部3h(ハウジング先端部3s)が変位すると、中軸4も同様に変位することになる。
従って、ハウジング基端部3kにおいて、燃焼圧の上昇に伴って、中軸4は、ハウジング3に対し、さらに具体的にはハウジングのうち内燃機関への固定部である雄ネジ部3nに対して、軸線方向基端側に相対的に突出することになる。さらに、中軸4に固着された中軸スリーブ41が基端側に変位するため、この中軸スリーブ41の外方突出部41fも基端側に変位する。
このため、予荷重により軸線方向の圧縮荷重が掛かっている第1、第2圧電素子21,22について見ると、第1圧電素子21は圧縮荷重が増加し、第2圧電素子22は圧縮応力が減少する。すると、第1圧電素子21の第1−1面21bにプラス電荷が、第1−2面21cにマイナス電荷が発生し、第2圧電素子22の第2−2面22cにプラス電荷が発生し、第2−1面22bにマイナス電荷が発生する。このとき発生した各電荷は、第1電極部材27及び第2電極部材28の各電極部へ導出される。具体的には、第1圧電素子21については、第1−1面21bに発生したプラス電荷は第1−1電極部27bへ、第1−2面21cに発生したマイナス電荷は第2−1電極部28bへそれぞれ導出される。また、第2圧電素子22についても同様に、第2−2面22cに発生したプラス電荷は第1−2電極部27cへ、第2−1面22bに発生したマイナス電荷は第2−2電極部28cへそれぞれ導出される。
さらに、いずれも第1電極部材27の一部である第1−1電極部27bと第1−2電極部27cで発生したプラス電荷は足し合わされてリード線61で外部に取り出される。同様に、いずれも第2電極部材28の一部である第2−2電極部28cと第2−1電極部28bで発生したマイナス電荷は足し合わされてリード線62で外部に取り出される。
ここで、グロープラグ10のうちハウジング3の内側面3iと中軸4との間の空間Hの気圧が変化した場合を想定する。例えば、空間H内の気圧が上昇すると、中軸スリーブ41が基端側(図3中、上方)に持ち上げられる。すると、各圧電素子に掛かる圧縮応力も変化するため、上述の各圧電素子の説明と同様にその出力が変化する。
従って、この燃焼圧センサ2では、ハウジング3の内側面3iと中軸4との間の空間Hの気圧が変化すると、燃焼圧の変化の検知に影響を生じる虞がある。
さらに、本実施例にかかるグロープラグ10では、燃焼圧センサ2のうち基端側が封止樹脂Fにより封止されているため、燃焼ガスなどの逃げ場がなく、特に上述の影響を受けやすい。
一方、燃料の爆発燃焼により生じた燃焼室EC内の高圧の燃焼ガスは、ヒータ部材1の外周面1gとハウジング3のヒータ保持部3hの内周面3hnとの隙間GIN(図2参照)を通って、ハウジング3の内側面3iと中軸4との間の空間Hに侵入する場合がある。
しかるに、このグロープラグ10では、前述したように、このハウジング3は、雄ネジ部3nとハウジング基端部3kとの間に、ハウジング3の外側面3jと内側面3iを連通する連通孔3tを有する。このため、このグロープラグ10は、燃焼ガスがヒータ部材1の外周面1gとハウジング3のヒータ保持部3hの内周面3hnとの隙間GINからハウジング3の内側面3iと中軸4との空間Hに入ったとしても、連通孔3tから燃焼ガスを排出する。従って、燃焼ガスは、燃焼圧センサ2に達することがなく、燃焼圧の変化の検知に影響を及ぼすことはないため、適切な燃焼圧を検知するグロープラグ10となし得る。
また、上述の効果を確認するため、グロープラグ10の燃焼圧センサ2の出力を、図6に示す内燃機関Eを使用した測定システムEVAを用いて実際の出力を測定した。この測定システムEVAでは、燃焼室EC内に燃料インジェタIJを用いて燃料を噴射するタイプの内燃機関Eを用いる。この内燃機関E(燃焼室EC)の燃焼圧を、比較例1であり、連通孔3tを穿設する前のグロープラグJGP、及び、本実施例1にかかり、比較例1のグロープラグJGPに連通孔3tを穿設したグロープラグ10を用いて計測する。
なお、基準圧力センサKS(KISTLER社製6052A)を用いて、グロープラグ10とグロープラグJGPを用いた場合で、基準圧力センサKSの出力が略同じとなるように、内燃機関Eの運転条件を調整して測定した。
具体的には、グロープラグ10の燃焼圧センサ2の出力、及び比較例1にかかるグロープラグJGPの出力は、チャージアンプCA1(KISTLER社製5011)に接続され、基準圧力センサKSの出力はチャージアンプCA2(KISTLER社製5011)に接続されている。さらに、チャージアンプCA1、CA2の出力はオシロスコープOSCに接続されている。また、内燃機関Eのクランク角との関係を観測するため、内燃機関Eの図示しないクランク角センサ出力もオシロスコープOSCに接続されている。
この状態で、内燃機関Eを作動させ、オシロスコープOSCのX軸入力にクランク角センサ出力を、Y軸入力にチャージアンプCA1出力及びCA2出力を接続して、その関係を示すグラフを示す波形を取得した。
測定システムEVAを用いて測定した結果を図7に示す。横軸はクランク角であり、縦軸はセンサ出力を示している。また、実線の波形はCA1出力、即ち、測定対象の燃焼圧センサ(グロープラグJGPまたはグロープラグ10)の出力波形を示し、破線の波形はCA2出力、即ち、基準圧力センサKSの出力波形を示している。
このうち、図7(a)は、比較例1のグロープラグJGPにおいて、燃焼ガスが隙間GINを通じて、空間H内に侵入した場合の燃焼圧センサ2についてのクランク角とセンサ出力との関係を示すグラフである。一方、図7(b)は、本実施例にかかるグロープラグ10の燃焼圧センサ2についてのクランク角とセンサ出力との関係を示すグラフである。
図7(a)に示す基準圧力センサKSとグロープラグJGPの出力波形を比較すると、グロープラグJGPの出力の変化が、基準圧力センサKSの出力の変化に比して遅れている。例えば、センサ出力のピーク値となるポイントについて見ると、基準圧力センサKSの出力のピーク値は、クランク角が0°のポイントであるのに対して、グロープラグJGPの出力のピーク値は、クランク角が約15°のポイントであることから、上述の遅れが生じていることは明らかである。
このグロープラグJGPの出力の変化の遅れは、次のようにして生じると考えられる。
即ち、内燃機関Eの運転により、高圧の燃焼ガスが生じると、この燃焼ガスが、隙間GINを通じて、ハウジング3の内側面3iと中軸4との間の空間H内に侵入する。一方、クランク角が0°を超えると、内燃機関Eの燃焼室ECの燃焼圧が下がっても、この空間Hに入った燃焼ガスは、肉厚の薄い筒状の隙間GINを通って侵入しているため、急には抜けず、ゆっくりと圧力が下がることとなる。このため、燃焼圧センサ2の出力が、この空間Hの気圧変化の影響を受け、燃焼圧センサ2の出力変化が本来の燃焼圧の変化(基準センサの出力変化)よりも遅れたと考えられる。
これに対し、図7(b)に示す基準圧力センサKSと本実施例にかかるグロープラグ10の出力波形を比較すると、例えば、基準圧力センサKS及びグロープラグ10は、クランク角が0°のときピーク値になるなど、ほぼ同様の変化を示している。
本実施例1のグロープラグ10も比較例1のグロープラグJGPと同様、燃焼ガスが、隙間GINを通じて、ハウジング3の内側面3iと中軸4との間の空間H内に侵入する。しかしながら、この燃焼ガスは、ハウジング3に設けられた連通孔3tから排出されるため、上述のような空間Hの気圧変化は軽減される。従って、この気圧変化が燃焼圧センサ2に及ぼす影響も小さくなるため、燃焼圧センサ2の出力変化は、本来の燃焼圧の変化を反映することとなる。
従って、本実施例1のグロープラグ10は、基準圧力センサKSと同様に燃焼圧の変化を適切に測定できることが判る。
次いで、本実施例1にかかるグロープラグ10の製造方法について説明する。グロープラグ10の製造のうち、ヒータ部材1の製造については公知の手法によればよいので、説明を省略する。
ハウジング3のうち雄ネジ部3nと工具係合部3rの略中間の位置に、ハウジング3の外側と内側とを連通する連通孔3tを設けたハウジング3を用意しておく。なお、この連通孔3tは、ヒータ保持部3hより基端側で燃焼圧センサ2より先端側に形成しておく。
ヒータ部材1のうち基端側をヒータ保持部材32に圧入固定し、ヒータ基端部1kを接続リング5を介して中軸4の中軸先端部4sと結合する。次いで、ヒータ保持部材32とハウジング本体部材31を固着する。このようにして、ハウジング3内に中軸本体4hが配置された状態において、本実施例1のグロープラグ10を以下のようにして製造する。
まず、図5(b)に示す燃焼圧センサ2の製造のうち、各部材の中軸スリーブ41への組付について説明する。中軸スリーブ41の第1筒部41b及び第2筒部41cにはあらかじめ絶縁チューブ29b及び絶縁チューブ29cをそれぞれ被せておく(図3参照)。この中軸スリーブ41の外方突出部41fを挟んで、軸線方向両側に部材を組付ける。具体的には、まず、中軸スリーブ41の第1筒部41bに、第2絶縁スペーサ24、第2−1電極部28b、第1圧電素子21を、この順に挿通する。また、中軸スリーブ41の第2筒部41cに第3絶縁スペーサ25、第1−2電極部27c、第2圧電素子22を、この順に挿通する。次いで、第1−2電極部27cの他端である第1−1電極部27bを第1筒部41bに挿通し、同様に、第2−1電極部28bの他端である第2−2電極部28cを第2筒部41cに挿通する。最後に、第1絶縁スペーサ23を第1筒部41bに、第4絶縁スペーサ26を第2筒部41cに挿通して、各部材の中軸スリーブ41の組付が完了する。
次いで、その基端部分がハウジング本体基端部31kから突出している中軸本体4hを、この中軸スリーブ41に、先端側から挿通して、ハウジング本体基端部31kに第4絶縁スペーサ26を当接させる。さらに、センサキャップ33を、中軸スリーブ41の第1筒部41bが一部基端側に突出した状態で、軸線方向基端側から先端側に向けて所定の押圧力で押圧する。この押圧力を維持した状態で、このセンサキャップ33の環状部33kと、ハウジング基端部3kの基端側の外周面のうち基端側第1溶接部31vを、YAGレーザを用いて全周に亘りレーザ溶接する。これにより、この燃焼圧センサ2では、第1圧電素子21及び第2圧電素子22に軸線方向に圧縮荷重が常時掛かる状態となる(図3参照)。
その後、中軸スリーブ41の基端41kと、中軸本体4hとの境界部分を、全周に亘りアーク溶接する。これにより、部位L2において、中軸スリーブ41が中軸本体4hに固着されて一体となる。
次いで、図5(b)に示すようにリード線61、62を第1電極部材27及び第2電極部材28にスポット溶接する。さらに、包囲部材7を基端側から被せ、ハウジング本体部材31の基端側第2溶接部31wをハウジング基端部3kと全周に亘ってレーザ溶接する(図3参照)。その後、センサキャップ33の基端側及び包囲部材7内に樹脂を充填し硬化させて、封止樹脂Fを形成する。最後に、中軸本体4hの雄ネジ部4nを、中軸基端部4kの雌ネジ部4mにねじ込み、中軸本体4hと中軸基端部4kとを結合し、グロープラグ10を完成させる。
次いで、本発明の第2の実施例を、図8を参照して説明する。上述の実施例1では、グロープラグ10は、ハウジング3のうち雄ネジ部3nとハウジング基端部3kとの間に、ハウジング3の外側面3jと内側面3iを連通する連通孔3tを単に設けた構造を有していた。これに対し、本実施例にかかるグロープラグ200は、実施例1と同様に連通孔3tを有すると共に、さらに、撥水性と通気性を有する内側フィルタ部材を有している点で異なる。従って、異なる部分のみを説明し、同様な部分の説明は省略あるいは簡略化する。
本実施例2にかかるグロープラグ200は、図8(a)(b)に示すように、実施例1と同様の軸線方向に延びる筒状のハウジング3を備え、雄ネジ部3nとハウジング基端部3kとの間に、ハウジング3の外側面3jと内側面3iを連通する連通孔3tを有する。
さらに、このグロープラグ200は、撥水性及び通気性を有し、第1面208b及び第2面208cを有するシート状の内側フィルタ部材208を備える。
この内側フィルタ部材208は、多孔質繊維構造を有したPTFEのフッ素樹脂(商標名:ゴアテックス)を、筒状に形成したものである。
また、中軸204のうち連通孔3tに対応する位置には、内側フィルタ部材208の筒の高さと略同じ幅を有する凹部204bが中軸204の円周に沿って凹設されている。
内側フィルタ部材208は、中軸204の凹部204bに嵌合することで、中軸204に固定されている。これと共に、内側フィルタ部材208は、その第1面208bで、連通孔3tを内側から塞ぐようにして、ハウジング3の内側面3iから覆うように密着している。このようにされているため、ハウジング3の内部と外部とは、この内側フィルタ部材208を介して通気することが可能である。
本実施例にかかるグロープラグ200でも、実施例1と同様の燃焼圧センサ2を用いているため、内燃機関Eの運転による燃焼圧の上昇による燃焼圧の変化を、実施例1と同様に燃焼圧センサ2で検知することができる。また、このとき、ハウジング3の内側面3iと中軸204との間の空間Hに燃焼ガスが侵入したとしても、この燃焼ガスは、通気性を有する内側フィルタ部材208を介して、連通孔3tからハウジング3の外部に排出される。
従って、このグロープラグ200では、実施例1のグロープラグ10と同様、ハウジング3の内側面3iと中軸204との間の空間Hに侵入した燃焼ガスの影響を受けることなく適切に燃焼圧を検知できる。
ところで、実施例1のグロープラグ10では、連通孔3tからハウジング3内に水などが浸入すると、中軸4とハウジング3とが短絡するなどの悪影響が生じる虞があった。
本実施例2にかかるグロープラグ200では、仮に連通孔3tに水が浸入したとしても、内側フィルタ部材208は撥水性を有するため、ハウジング3内への水の浸入を防止することができる。
従って、ハウジング3内への水の浸入による中軸204とハウジング3との短絡等の不具合を防止できるため、より信頼性の高いグロープラグ200となし得る。
また、内側フィルタ部材208は、ハウジング3内に位置するため、取付の際に工具等が内側フィルタ部材208に接触して破損させることがない。このため、取付の際の取り扱いや作業が容易で信頼性の高いグロープラグ200となし得る。
次いで、本実施例2のグロープラグ200の製造方法について説明する。なお、製造方法についても、実施例1のグロープラグ10に対して異なる部分のみを説明し、同様な部分の説明は省略あるいは簡略化する。
予め、中軸本体204hのうち連通孔3tに対応する位置に、中軸本体204hの円周に沿って凹部204bを凹設しておく。なお、この凹部204bの幅は、内側フィルタ部材208の幅と略等しくする。
ヒータ部材1の製造、ハウジング3における連通孔3tの穿設、ヒータ部材1のヒータ保持部材32への圧入固定及び接続リング5を介したヒータ基端部1kの中軸先端部4sへの結合については、実施例1と同様に行う。
次いで、内側フィルタ部材208に中軸本体204hを挿通して、内側フィルタ部材208を、中軸本体204hの凹部204bに嵌合させる。さらに、この中軸本体204hをハウジング本体部材31内に挿通させると共に、実施例1と同様に、ヒータ保持部材32とハウジング本体部材31を固着する。
このようにして、ハウジング3に中軸本体204hが配置された以降の製造については、本実施例1のグロープラグ10と同様の手法により、本実施例2のグロープラグ200を製造することができる。
次いで、本発明の第3の実施例を、図1を参照して説明する。上述の実施例1では、グロープラグ10は、ハウジング3のうち雄ネジ部3nとハウジング基端部3kとの間に、ハウジング3の外側面3jと内側面3iを連通する連通孔3tを単に設けた構造を有していた。これに対し、本実施例にかかるグロープラグ300は、実施例1と同様に連通孔3tを有すると共に、さらに、撥水性と通気性を有する外側フィルタ部材308及び外周側被覆固定部材309を備えている点で異なる。従って、異なる部分のみを説明し、同様な部分の説明は省略あるいは簡略化する。
本実施例3にかかるグロープラグ300は、図9(a)(b)に示すように、実施例1と同様の軸線方向に延びる筒状のハウジング3を備え、雄ネジ部3nとハウジング基端部3kとの間に、ハウジング3の外側面3jと内側面3iを連通する連通孔3tを有する。
さらに、このグロープラグ300は、撥水性及び通気性を有し、第1面308b及び第2面308cを有するシート状の外側フィルタ部材308と、この外側フィルタ部材308を覆ってハウジング3の外側面3jに固定するための外周側被覆固定部材309を備える。
このうち外側フィルタ部材308は、多孔質繊維構造を有したPTFEのフッ素樹脂(商標名:ゴアテックス)を、筒状に形成したものである。
さらに、外周側被覆固定部材309は、ステンレスからなり、筒形状を有する。さらに、外周側被覆固定部材309の胴部309dは、通気のための通気孔309hが複数形成されている。
このグロープラグ300では、外側フィルタ部材308は、第2面308cで外側から連通孔3tを覆うようにして、ハウジング3の外側面3jに密着している。また、外周側被覆固定部材309は、外側フィルタ部材308の第1面308bを、さらに覆うようにしてハウジング3に固着されている。これにより、ハウジング3の内部と外部とは、この外側フィルタ部材308を介して通気することができる。
なお、外周側被覆固定部材309は、先端側に位置する先端側カシメ部309s及び基端側に位置する基端側カシメ部309kで、ハウジング3にカシメられている。
本実施例3にかかるグロープラグ300でも、実施例1と同様の燃焼圧センサ2を用いているため、内燃機関Eの運転による燃焼圧の上昇による燃焼圧の変化を、実施例1と同様に燃焼圧センサ2で検知することができる。また、このとき、ハウジング3の内側面3iと中軸304との間の空間Hに燃焼ガスが侵入したとしても、この燃焼ガスは、通気性を有する外側フィルタ部材308を介して、連通孔3tからハウジング3の外部に排出される。
従って、このグロープラグ300でも、実施例1のグロープラグ10と同様、ハウジング3の内側面3iと中軸304との間の空間Hに侵入した燃焼ガスの影響を受けることなく適切に燃焼圧を検知できる。
さらに、実施例1のグロープラグ10では、連通孔3tからハウジング3内に水などが浸入すると、中軸4とハウジング3とが短絡するなどの悪影響が生じる虞があった。
これに対し、本実施例3にかかるグロープラグ300では、仮にハウジング3の外側面3jに水が付着したとしても、外側フィルタ部材308は撥水性を有するため、ハウジング本体部材31を通じたハウジング3内への水の浸入を防止することができる。
従って、ハウジング内への水の浸入による中軸とハウジングとの短絡を防止できるため、より信頼性の高いグロープラグ300となし得る。
次いで、本実施例3のグロープラグ300の製造方法について説明する。本実施例3にかかるグロープラグ300は、実施例1のグロープラグ10と同様の手法により製造したグロープラグに対して、さらに外側フィルタ部材308及び外周側被覆固定部材309を組付けることで製造する。
具体的には、実施例1のグロープラグ10において、まず、ハウジング3の連通孔3tを覆うように外側フィルタ部材308を密着させる。次いで、この外周側被覆固定部材309を、外側フィルタ部材308の第1面308bをさらに覆うように組付ける。さらに、外周側被覆固定部材309を、その先端側カシメ部309sと基端側カシメ部309kで、公知のカシメ加工を用いて、ハウジング3に固着する。これにより、実施例3のグロープラグ300を製造することができる。
次いで、本発明の第4の実施例を、図10を参照して説明する。上述の実施例1では、グロープラグ10は、ハウジング3のうち雄ネジ部3nとハウジング基端部3kとの間に、ハウジング3の外側面3jと内側面3iを連通する連通孔3tを単に設けた構造を有していた。これに対し、本実施例にかかるグロープラグ400は、実施例1と同様に連通孔3tを有すると共に、さらに、撥水性と通気性を有する孔内フィルタ部材408及び外周側被覆固定部材409を備えている点で異なる。従って、異なる部分のみを説明し、同様な部分の説明は省略あるいは簡略化する。
本実施例にかかるグロープラグ400は、図10(a)(b)に示すように、軸線方向に延びる筒状のハウジング3を備え、実施例1と同様、雄ネジ部3nとハウジング基端部3kとの間に、ハウジング3の外側面3jと内側面3iを連通する連通孔3tを有する。
さらに、このグロープラグ400は、撥水性及び通気性を有する孔内フィルタ部材408と、この孔内フィルタ部材408を孔内に保持するための外周側被覆固定部材409を備える。
このうち孔内フィルタ部材408は、多孔質繊維構造を有したPTFEのフッ素樹脂(商標名:ゴアテックス)からなり、連通孔3tの径と略等しい径の円柱状に形成されている。
また、外周側被覆固定部材409は、ステンレスからなり、筒形状を有する。さらに、外周側被覆固定部材409の胴部409dには、連通孔3t及び孔内フィルタ部材408に対応する位置に、連通孔3tより径小で通気のための通気孔409hが形成されている。
このグロープラグ400では、円柱状の孔内フィルタ部材408は、連通孔3tに填塞されている。さらに、外周側被覆固定部材409は、連通孔3t及び連通孔3tに中軸に当接するようにして填塞されている孔内フィルタ部材408を外側から覆うようにして、ハウジング3の外側面3jに密着している。このため、ハウジング3の内部と外部とは、この孔内フィルタ部材408を介して通気することが可能である。
なお、外周側被覆固定部材409は、その先端側に位置する先端側カシメ部409s及び基端側に位置する基端側カシメ部409kにおいて、ハウジング3にカシメられている。
本実施例4にかかるグロープラグ400でも、実施例1と同様の燃焼圧センサ2を用いているため、内燃機関Eの運転による燃焼圧の上昇による燃焼圧の変化を、実施例1と同様に燃焼圧センサ2で検知することができる。また、このとき、ハウジング3の内側面3iと中軸404との間の空間Hに燃焼ガスが侵入したとしても、この燃焼ガスは、通気性を有する孔内フィルタ部材408を介して、連通孔3tからハウジング3の外部に排出される。
従って、このグロープラグ400でも、実施例1のグロープラグ10と同様、ハウジング3の内側面3iと中軸404との間の空間Hに侵入した燃焼ガスの影響を受けることなく適切に燃焼圧を検知できる。
実施例1のグロープラグ10では、連通孔3tからハウジング3内に水などが浸入すると、中軸4とハウジング3とが短絡するなどの悪影響が生じる虞があった。
これに対して、本実施例4にかかるグロープラグ400では、仮に連通孔3tから水が浸入しようとしたとしても、孔内フィルタ部材408は撥水性を有するため、ハウジング3内への浸入を防止することができる。
従って、ハウジング内への水の浸入による中軸とハウジングとの短絡を防止できるため、より信頼性の高いグロープラグ400となし得る。
次いで、本実施例4のグロープラグ400の製造方法について説明する。本実施例4にかかるグロープラグ400は、実施例1のグロープラグ10と同様の手法により製造したグロープラグに対して、さらに孔内フィルタ部材408及び外周側被覆固定部材409を組付けることで製造することができる。
具体的には、実施例1のグロープラグ10について、まず、ハウジング3の連通孔3tに孔内フィルタ部材408を填塞する。次いで、この外周側被覆固定部材409を、連通孔3t及び填塞された孔内フィルタ部材408の位置に通気孔409hが配置されるようにハウジング3に密着させる。さらに、外周側被覆固定部材409を、その先端側カシメ部409sと基端側カシメ部409kで、公知のカシメ加工を用いて、ハウジング3に固着する。かくして、実施例4のグロープラグ400を製造することができる。
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、本実施例では、ヒータ部材として、発熱部材を窒科珪素質セラミックで包囲したセラミックヒータを用いたが、通電により発熱し、その基端部をハウジングのヒータ保持部で保持できる部材であればよい。従って、例えば、発熱部材を金属製からなるシース部材で包囲したメタルヒータを用いてもよい。
また、本実施例1〜4では、連通孔を軸線方向で雄ネジ部とセンサ部との間に配置した。しかし、連通孔は、ハウジングの内側面と中軸の間の空間の燃焼ガスを排出可能な位置にあればよい。従って、例えば、連通孔を、ヒータ保持部より基端側で雄ネジ部より基端側に配置するなど、他の位置に形成しても良い。
また、実施例2〜4において、各フィルタ部材(内側フィルタ部材、外側フィルタ部材、孔内フィルタ部材)に、ゴアテックス(商標名)を用いたが、ポアフロン(商標名)など他の材質のものを用いてもよい。
実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグを示し、(a)は全体の半断面図、(b)は連通孔付近の要部拡大縦断面図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち先端付近を拡大して示す拡大縦断面図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち基端付近を拡大して示す拡大縦断面図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグを、内燃機関の外側と燃焼室面とを貫通する取付孔に取り付けた状態を示し、(a)は全体を示す半断面図、(b)は先端付近の要部拡大図である。 実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグを示し、(a)は上面図、(b)は燃焼圧センサの構造を示す説明図である。 燃焼圧検知機能付グロープラグのセンサ出力を内燃機関を使用して測定するシステムを示す説明図である。 図6の測定システムを使用して得られた、内燃機関のクランク角と、比較例1及び実施例1にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグの出力との関係を示し、(a)は比較例1の、(b)は実施例1のグロープラグについてのグラフである。 実施例2にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグを示し、(a)は全体の半断面図、(b)は連通孔付近の要部拡大図である。 実施例3にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグを示し、(a)は全体の半断面図、(b)は連通孔付近の要部拡大縦断面図である。 実施例4にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグを示し、(a)は全体の半断面図、(b)は連通孔付近の要部拡大図である。
符号の説明
1 ヒータ部材
2 燃焼圧センサ
3 ハウジング
3c シール部
3h ヒータ保持部
3i 内側面
3j 外側面
3k ハウジング基端部
3n 雄ネジ部
3r 工具係合部
3s ハウジング先端部
3t 連通孔
4、204、 中軸
10、200、300、400 グロープラグ
204b 凹部(中軸の外周面)
208 内側フィルタ部材
208b、308b 第1面
208c、308c 第2面
308 外側フィルタ部材
309、409 外周側被覆固定部材
408 孔内フィルタ部材
AX 軸線

Claims (8)

  1. 燃焼圧検知機能付グロープラグであって、
    通電により発熱するヒータ部材と、
    筒状のハウジングであって、
    自身の軸線方向先端側に位置し、上記ヒータ部材の一部を先端側より突出させた形態で、このヒータ部材を自身の内側に保持するヒータ保持部、を含み、
    上記ヒータ保持部が内燃機関の燃焼室側に位置するように上記内燃機関に取り付けられるハウジングと、
    上記ハウジング内に挿通されてなり、上記ヒータ部材と電気的に導通される中軸であって、
    上記燃焼圧検知機能付グロープラグを上記内燃機関に取り付けたとき、燃焼圧の変化により、ハウジングに対して軸線方向に相対変位を生じる構成とされてなる中軸と、
    上記ハウジング内に収容され、上記ハウジングと上記中軸との相対変位を用いて、上記燃焼圧の変化を検知するセンサ部であって、
    上記ハウジングの内側面と上記中軸の間の空間に圧力変化が生じたとすると、上記センサ部での上記燃焼圧の変化の検知に影響を生じる構成とされてなるセンサ部と、を備え、
    上記ハウジングは、
    上記ヒータ保持部より基端側で上記センサ部より先端側に、自身の外側と内側とを連通する連通孔を有する
    燃焼圧検知機能付グロープラグ。
  2. 燃焼圧検知機能付グロープラグであって、
    通電により発熱するヒータ部材と、
    筒状のハウジングであって、
    軸線方向の最も先端側に位置するハウジング先端部、
    上記軸線方向の最も基端側に位置するハウジング基端部、
    上記ハウジング先端部と上記ハウジング基端部との間に位置し、このハウジングを内燃機関の取付孔内にネジ止めするための雄ネジ部、
    上記ハウジング先端部と上記雄ネジ部との間に位置し、上記取付孔内の所定部位と直接または間接に圧接して、このハウジングと上記取付孔との間の気密を保持するためのシール部、
    上記雄ネジ部とハウジング基端部との間に位置し、上記ハウジングの外側と内側を連通する連通孔を有する連通孔、及び、
    上記雄ネジ部より上記軸線方向先端側に位置し、上記ヒータ部材の一部を上記ハウジング先端部より先端側に突出させた形態で、このヒータ部材を自身の内側に直接または間接に保持するヒータ保持部、を含み、
    上記ネジ止めにより上記ハウジング先端部が内燃機関の燃焼室側に位置するように上記内燃機関に取り付けられるハウジングと、
    導電性の中軸であって、
    上記軸線方向基端側に位置する中軸基端部、及び
    上記軸線方向先端側に位置する中軸先端部、を含み、
    上記ハウジング内に収容されると共に、
    上記中軸基端部が上記ハウジング基端部から突出するように配置され、
    上記中軸先端部で上記ヒータ部材と電気的に導通され、
    上記ヒータ部材と直接または間接にかつ機械的に剛に結合されてなる中軸と、
    上記ハウジング内に収容され、上記ハウジングと上記中軸との軸線方向の相対変位を用いて、燃焼圧の変化を検知するセンサ部であって、
    上記ハウジングの内側面と上記中軸の間の空間に圧力変化が生じたとすると、上記燃焼圧の変化の検知に影響を生じる構成とされてなるセンサ部と、
    を備えた燃焼圧検知機能付グロープラグ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、
    前記ハウジングのうち、前記連通孔の内側、外側あるいは連通孔内の少なくともいずれかに位置し、上記ハウジングの内部と外部との通気性を保ちつつ、上記連通孔からのハウジング内への水の浸入を防止する防水通気部を備える
    燃焼圧検知機能付グロープラグ。
  4. 請求項3に記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、
    前記防水通気部は、
    撥水性及び通気性を有し、シート状の外側フィルタ部材であって、
    少なくとも前記連通孔を覆って前記ハウジングの外周面に密着してなる
    外側フィルタ部材と、
    上記外側フィルタ部材を、上記ハウジングの外周面に固定する外周側固定部材と、
    を備える燃焼圧検知機能付グロープラグ。
  5. 請求項4に記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、
    前記外周側固定部材は、前記外側フィルタ部材のうち前記連通孔を覆う部分を、さらに覆う形状を有する外周側被覆固定部材である、
    燃焼圧検知機能付グロープラグ
  6. 請求項3〜請求項5のいずれかに記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、
    前記防水通気部は、
    撥水性及び通気性を有する孔内フィルタ部材であって、
    前記連通孔内に填塞されてなる孔内フィルタ部材を備える
    燃焼圧検知機能付グロープラグ。
  7. 請求項3〜請求項6のいずれか一項に記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、
    前記防水通気部は、
    撥水性及び通気性を有し、第1面及び第2面を有するシート状の内側フィルタ部材であって、
    前記連通孔を前記ハウジングの内周面側から上記第1面で覆い、上記内周面に密着してなる内側フィルタ部材を備える
    燃焼圧検知機能付グロープラグ。
  8. 請求項7に記載の燃焼圧検知機能付グロープラグであって、
    前記内側フィルタ部材の前記第2面は、前記中軸の外周面に密着してなる、
    燃焼圧検知機能付グロープラグ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015108613A (ja) * 2013-10-25 2015-06-11 日本特殊陶業株式会社 燃焼圧センサ、グロープラグ兼用燃焼圧センサ、燃焼圧センサの製造方法及びグロープラグ兼用燃焼圧センサの製造方法
JP2016138522A (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
KR101712743B1 (ko) * 2015-10-19 2017-03-06 현대위아 주식회사 디젤 엔진용 글로우 플러그

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