JP2006284094A - 燃焼圧検知機能付グロープラグ - Google Patents

燃焼圧検知機能付グロープラグ Download PDF

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達範 山田
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裕一 山田
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【課題】
燃焼圧検知機能付グロープラグにおける燃焼圧の出力信号のS/N比を向上させる。
【解決手段】
燃焼圧検知機能付グロープラグは燃焼室の燃焼圧力の変化に伴ってハウジングに配置された圧電素子400に対して相対変位を生じる。この相対変位によってハウジングの対向部320は圧電素子400へ荷重変化を与える。圧電素子400は圧電セラミック部材と電極層とを有してなり、圧電素子400は対向部320の剛性が不均一である場合に、その不均一であることによって増加するノイズを低減するための電極欠落部分を有する。
【選択図】 図7

Description

本発明は内燃機関の燃焼圧力を検知するセンサを備えた燃焼圧検知機能付グロープラグに関するものである。
グロープラグは主にディーゼルエンジンの始動補助や始動後の一定時間に燃焼安定化や排ガス清浄化のために使用されるものである。従来よりディーゼルエンジンは吸気管・排気管に取り付けられた酸素センサや、エンジンブロックに取り付けられたノックセンサ、ディーゼルエンジンのシリンダ内の燃焼圧力を直接測定する筒内圧センサ等の多種多様なセンサによって燃焼状態をセンシングしフィードバック制御を行うことによって、ディーゼルエンジンの高効率化や省燃費化が図られている。
この筒内圧センサの燃焼圧力を測定する機能と、グロープラグの昇温機能を持ち合わせた燃焼圧検知機能付グロープラグが存在する(たとえば、特許文献1参照。)。この燃焼圧検知機能付グロープラグは概略、次の構成を有している。
図11に示す従来の燃焼圧検知機能付グロープラグの燃焼圧センサ部分は、筒状のハウジング120´の先端にヒータ部材が固定され、ヒータ部材の後端側にはヒータへの電力供給のための中軸200´が機械的に接続されている。圧電素子400´はハウジング120´の後端に配置されており、中軸200´の一部が径方向に突出した鍔部の後端向き端面と、ハウジング120´の後端においてハウジングの一部が径方向内側に向けて突出した内方突出部の先端向き端面とに狭持されることによって圧縮され予荷重が与えられた状態で組み付けられている。この予荷重が変化するときに圧電素子の圧縮方向に垂直な面の一方には正の電荷を、他方の面には負の電荷をそれぞれ生じ、その電荷をセンサ出力信号として外部へ導き出している。
なお、予荷重の変化は次のようにして起こる。ヒータ部材が燃焼室に晒されるようにハウジングの外表面に形成された雄ネジ部よってこのグロープラグはエンジンヘッドに取り付けられる。燃焼室に晒されたヒータ部材はエンジンの駆動によって生じる燃焼圧力を受ける。この応力によってハウジングのうち雄ネジ部から先端側の部分が軸線方向に微量ではあるがたわむような変形を生じる。ハウジングの先端でヒータ部材が保持され、このヒータ部材に中軸が固定されているので、変形が生じたときに、ハウジングの雄ネジ部よりも後端側、すなわち圧電素子に対して中軸は相対的に変位を起こす。そのため、圧電素子はハウジングの後端に位置する内方突出部の先端向き端面と中軸の鍔部の後端向き端面との間でさらに挟まれる方向へ荷重がかかることとなる。したがって、圧電素子の予荷重として与えられていた圧縮荷重が変化(増加)するため、圧電素子の一方の電荷発生面には正電荷を、他方の電荷発生面には負電荷を発生する。
このように発生した電荷が図11に示されるようにケーブル550´によって外部へセンサ出力信号として出力される。このケーブル550´を外部に導くためにハウジング後端部の側壁や内方突出部には孔やスリット等のセンサ出力取り出し口340´が形成され、一部が欠落した構造となっている。
ところで、圧電素子は一般的に次のようにして作製される。たとえば、圧電素子としての強誘電性を有するBaTiO(チタン酸バリウム)は、BaCOとTiOとを混合し、高温で数時間焼成して圧電セラミックを形成する。次いで、この圧電セラミックの表面に銀電極を電極層として焼き付け、キュリー点付近の温度から高電圧の直流電界を加え、電界冷却法により分極処理が行われることによって作製される。この際に形成された銀電極は燃焼圧検知機能付グロープラグの圧電素子として利用する際にはそのまま用いてもよく、また砥石等によって研削して取り除いてもよい。発生した電荷をセンサ出力信号として取り出すために別途電極板等を当接させる際にも圧電素子表面の面粗度を低減できることから分極処理の際に形成した電極を残存させておくことにメリットがあるとも言える。
特開2004−278932号公報
しかしながら、上記の燃焼圧検知機能付グロープラグにおいて分極処理の際に形成した電極層を残していると次の問題を生じる。前述の通り、ハウジング後端部には外部へセンサ出力信号を導くためのケーブルが挿通されるセンサ出力取り出し口を形成するため、ハウジング後端部の側壁や内方突出部の一部が欠落した部分を形成する。このため圧電素子へ荷重を与える内方突出部の剛性は不均一な状態となる。すると、この内方突出部の先端向き端面と中軸の鍔部の後端向き端面とに狭持されることによって圧電素子へ与えられる荷重は圧電素子の面上にて不均一となる。このとき、本来、荷重の不均一によって電荷の発生もその部位ごとに不均一となるものが、圧電素子の電荷発生面の全面にわたって電極層が形成されているため不均一に発生した電荷が平均化されてしまい、その結果としてセンサ出力信号のノイズの原因となってしまうことがある。
本発明は上記に鑑みなされたものであって、圧電素子の表面に発生した電荷の平均化によるノイズを低減し、S/N比(signal-noise ratio)を向上させた燃焼圧検知機能付グロープラグを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグは、
通電によって発熱するヒータ部材と、
自身の先端側を機械的に剛に前記ヒータ部材と接続し、基端側に基端向き端面を備える鍔部を有し、軸線方向に延設された中軸と、
軸孔を有し、その先端側にて前記ヒータ部材を直接的にまたは間接的に保持するとともに、自身の後端側に前記基端向き端面と対向する対向面を形成した対向部を備えたハウジングと、
圧電セラミックと電極層とからなる圧電素子であって、
その圧電素子は、自身の内孔に前記中軸を挿通し、前記基端向き端面と前記対向面とに狭持され、予荷重が与えられる圧電素子と、
を備えた燃焼圧検知機能付グロープラグであって、
前記圧電素子の電荷発生面に隣接して設けられた前記電極層には、前記圧電セラミックスの表面が露出する電極欠落部分が形成されていることを特徴としている。
電極層とは圧電素子の製造過程に形成される銀電極のように、圧電セラミックスに分極処理を行うために形成した電極層を意味するものである。この電極層に電極欠落部分を形成することによって、圧電セラミックの表面に発生した電荷のうちノイズの原因となる電荷は電極層が除去されたことによって外部へセンサ出力信号として出力することがなくなる。すなわち、ノイズの発生源が無くなることにより、S/N比の向上したセンサ出力を得ることができる。
ところで、上記のようにノイズの原因となる電荷の発生箇所の電極層を除去しなくとも、この部分と正規のセンサ出力信号となる電荷の発生箇所とを分断してもよい。そのためには、前記電極欠落部分は圧電素子の電荷発生面の外周から内孔まで連続して形成するようにすれとよい。圧電素子の外周から内孔まで連続して電極欠落部分を形成すれば、その欠落部分を境界として電極層を2つの領域に分断することが可能となる。
なお、一般的には対向面は環状に形成されていることが多く、そのときには電極欠落部分は2カ所以上設けることで容易に2つの領域に分断することができる。
ところで、燃焼圧検知機能付グロープラグはエンジンヘッドに形成されたプラグホールに取り付けられることがあるため、圧電素子からセンサ出力信号を取り出す際は、その取り出しに用いられるケーブルが軸線方向基端側へ取り出される構成を備えるものが多い。このケーブルは圧電素子の電極層に接続されて外部に出力することが可能となっているので、対向部にはこのケーブルを挿通させるために切り欠き部が設けられることがある。このような構成である場合、圧電素子へは切り欠き部を除いた部位によって荷重がかけられるが、圧電セラミックの電荷発生面では直接荷重がかかっていない部分においても微量の電荷が発生してしまう。この電荷がノイズの原因となってしまう。
このように対向部に切り欠きが形成されている場合は、その切り欠き部の位置と電極層を除去した部分もしくは電極層の除去によって分断された部分が一致するようにするとよい。この構成とすることによって、対向部の切り欠き部を除いた部分によって荷重がかけられた部位にて発生した電荷のみを出力として取り出すことが可能となり、ノイズによるS/N比の低下を抑制することができるようになる。
一方、ハウジングが自身の後端部の側壁にセンサ出力取り出し口を有する構造である場合は、たとえ対向部が切り欠き部を有しない軸線を中心点とした円対称の構造であったとしてもこの取り出し口によって対向部が圧電素子へ与える荷重には偏りが生じてしまい、センサ出力信号のノイズの原因となり得る。
このような構成の場合に、上述の通り荷重の偏りが生じる部分の電極層、具体的にはセンサ出力取り出し口の位置と軸線とを径方向に直線で結んだときに、軸方向からみてその直線の周囲の電極層を除去することによって、荷重の偏りによって発生するノイズの原因となる電荷がセンサ出力信号として取り出されることを回避することができる。したがって、不均一に発生する電荷を平均化してしまうことがなくなり、センサ出力信号のS/N比を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施例を、図1〜図10を参照して説明する。グロープラグ100は、内燃機関の始動補助のため通電によってヒータ部材110を発熱させることができるほか、内燃機関の燃焼圧の変化を検知することができるように構成された燃焼圧センサ1000を有するグロープラグである。このグロープラグ100は、図1に示すように、軸線Oに沿う方向(以下、単に軸線方向ともいう)に延びる筒状のハウジング120と、このハウジング120内に保持された導電性の中軸200と、この中軸200の軸線方向先端側(図中下方。以下、単に先端側ともいう)に配置されたヒータ部材110とを備えている。
このヒータ部材110は、図2に示すように、ヒータ先端部111が略半球状の形状を有し、窒化珪素室セラミックからなる棒状を有する。このヒータ部材110は、ヒータ先端部111に内に非金属発熱体からなるヒータ発熱部112を有する。また、ヒータ部材110の基端側の外周面には、このヒータ発熱部112の発熱に必要な電力の供給端子であるヒータ接続部113、114を有する。さらに、ヒータ発熱部112の両端とヒータ接続部113、114をそれぞれ導通するヒータ導電路115、116とを有する。これらは、窒化珪素質セラミック117によって包囲されている。
一方、図1及び図3に示すように、ハウジング120は、筒状のハウジング本体部材121、この先端側に配置され、上述のヒータ部材110を保持するヒータ保持部材122、及びハウジング本体部材121の基端に配置されているセンサキャップ300(図4参照)からなる。
このうち、ヒータ保持部材122とハウジング本体部材121とは、図2に示すように、ハウジング本体部材121のうち先端側(図1中下方)に位置する先端側溶接部W1で、レーザ溶接により固着されている。また、ハウジング本体部材121とセンサキャップ300とは、図3に示すように、ハウジング本体部材121の軸線方向基端側(図3参照。以下、単に基端側ともいう)に位置する基端側第1溶接部w1で、レーザ溶接により固着されている。
このように3つの部材からなるハウジング120のうち、最も先端側にある部分をハウジング先端部124とし、最も基端側にある部分をハウジング基端部125とする。
このハウジング120は、ハウジング本体部材121の表面の軸線方向中間部分に、このハウジング120を図示外の内燃機関のプラグホールに取り付けるための雄ネジ部126を備える。さらに、このハウジング120のハウジング本体部材121は、ハウジング基端部125と雄ネジ部126との間に、ネジ止めのときにレンチなどの工具を係合させる六角形状の工具係合部127を有する。またさらに、このハウジング120は、雄ネジ部126よりも先端側に、具体的には、ヒータ保持部材122の基端部分に、プラグホールの取付面に圧接してハウジング120とプラグホールとの間を気密に保持するための、先細のテーパ面からなるシール部128を有する。したがって、図1から明らかなように、ヒータ保持部材122は、雄ネジ部126より軸線方向先端側に位置している。
また、ヒータ保持部材122は、ヒータ先端部111をハウジング先端部124より先端側に突出させた形態でヒータ部材110を保持している。具体的には、このヒータ保持部材122の内孔にヒータ部材110が圧入されて保持されている。このため、ヒータ保持部材122とヒータ部材110は気密に密着し、このグロープラグ100を内燃機関に装着した場合でも、高圧の燃焼ガスがハウジング120内に侵入することを防止できる。
同時に、ヒータ部材110のヒータ接続部113の外表面とヒータ保持部材122の内周面と当接するので、このヒータ部材110のヒータ発熱部111の一端は、ハウジング120と電気的に接続されることになる。
一方、ヒータ部材110のうちヒータ基端部118は、金属からなる接続リング131のうち接続リング先端部132内に圧入されている。さらに、中軸200の中軸先端部210は、接続リング131の接続リング基端部133の内周に挿入され、中軸先端溶接部W2で溶接により固着されている。このため、中軸200と、ヒータ部材110とは、接続リング131を介して、機械的に剛に結合される。その上、中軸200とヒータ部材110のヒータ接続部114とは、接続リング131を介して電気的に接続されている。
したがって、ハウジング120と中軸200とに電圧を印加することで、ヒータ部材110を発熱させることができる。
次いで、ハウジング120のうち最も基端側に位置するハウジング基端部125について説明する。このハウジング基端部125は、センサキャップ300及びハウジング本体部材121のハウジング本体基端部129を含む。
このうち、センサキャップ300は、図4に示すように、略筒状の形態を有する胴部310と、その軸線方向先端側(図4(b)中、下方)に位置する円環状の環状部311と、とを備える。さらに、このセンサキャップ300は、胴部310の軸線方向基端(図中上端)から、軸線に直交し径方向内側に突出する対向部320を含む。さらに、この対向部320は、軸線方向先端側を向いた対向面321を含む。また、環状部311は、胴部310に比して、肉厚が薄くされている。
また、胴部310及び対向部320には、中軸200をその軸線に沿って貫通させると共に、後述する配線部材を挿通するための挿通孔330を含む。この挿通孔330は、図4(a)に示すように、軸線を内部に含む、平面視略U字状で、胴部310では、軸線方向に延びるスリット状の取り出し口340を形成している。
なお、センサキャップ300及びハウジング本体基端部129は、前述の通り基端側第1溶接部w1によって環状部311が固着される。これにより、センサキャップ300の対向部320と胴部310、及びハウジング本体基端部129で、後述する燃焼圧センサ1000をその内部に収容するための包囲空間Gを形成している。
次いで、中軸200について説明する。鉄からなり、棒状の形態を有する中軸200は、ハウジング120の内部に配置されており、基端側に位置する中軸基端部220と先端側に位置する径小の中軸先端部210とを含んでなる。この中軸200のうち中軸先端部210は、前述したように、ヒータ部材110のヒータ基端部118に接続リング131を介して機械的に剛に結合している(図2参照)。一方、中軸200のうち基端側の端部である中軸基端部220は、ハウジング基端部125(センサキャップ300)より基端側に位置して、ハウジング120より基端側に突出している。その表面には雄ネジ部221を形成し、この雄ネジ部221には図示外の電力供給のためのプラグコードやターミナルプレートを接続することができる。また、その接続の作業性を向上させるために別途形成したピン端子を螺合したり加締めをしたりして固定することもできる。
さらに、この中軸200は、中軸基端部220よりも先端側(図中下方)において、燃焼圧センサ1000の一部を成し、内部に中軸200を挿通して、これと一体化してなる中軸スリーブ250を有する。この中軸スリーブ250は、図5に示すように、貫通孔を有する筒形状を有し、その軸線方向先端位置には、径方向外側に向けて突出するフランジ状の鍔部251を形成している。なお、この中軸スリーブ250の鍔部251は、軸線方向基端側を向く基端向き端面252と、軸線方向先端側を向く先端向き端面253とを有している。
次いで、図3を参照して、ハウジング120のハウジング基端部125に形成された燃焼圧センサ1000について説明する。
この燃焼圧センサ1000は、センサキャップ300、中軸スリーブ250のほか、円環状の圧電素子400及び、円環状の第1、第2絶縁スペーサ500、510、円環状部を有する電極部材520、筒状の絶縁チューブ530を含む。
中軸200は、ヒータ部材110がハウジング120の先端においてヒータ保持部材122によって保持され、このヒータ部材110に機械的に剛に結合されているので、ハウジング本体部材121に対して位置決めされた状態にある。この中軸200を挿通するように第2絶縁スペーサ510、中軸スリーブ250、第1絶縁スペーサ500、電極部材520、圧電素子400をハウジング本体基端部129に順に載置する。なお、中軸スリーブ250の筒部254にはその最下端(鍔部251の付け根)からセンサキャップ300の対向部320よりも基端側へ突出した部分まで絶縁チューブ530を予め被覆しておく。これによって、絶縁チューブ530は第1絶縁スペーサ500、電極部材520、圧電素子400のそれぞれの内孔と筒部254との間に介在することになり、電極部材520、圧電素子400及び対向部320と中軸スリーブ250との絶縁が保たれる。
次いでセンサキャップ300の挿通孔330に中軸スリーブ250の筒部254を挿通するように配置する。このとき、センサキャップ300を軸線方向先端側へ押圧して圧電素子400に荷重がかかった状態を維持できるようにセンサキャップ300はハウジング本体基端部129に環状部311を溶接されて基端側第1溶接部w1を形成して固定される。このようにして圧電素子400には予荷重がかけられる。
電極部材520は図6に示すように、円環状部521と延出部522とを備えるステンレス製の部材である。上記のセンサキャップ300を配置する際には電極部材520の延出部522を取り出し口340から径方向外周へ挿通させ、燃焼圧センサ1000の出力を外部へ出力することができる構造となっている。
燃焼圧センサ1000を構成する各部品は以上のように配置される。燃焼圧を測定するためには燃焼圧の変動によって圧電素子400の荷重が変化することが必要であるため、中軸スリーブ250はその後端部が中軸スリーブ溶接部w2を形成して中軸200と接合されている。
なお、電極部材520は、図3に示すように、延出部522がリード線551にスポット溶接されて接続されている。さらに、リード線551は、内部編粗552を有するケーブル550として、絶縁を取った状態で外部に取り出される。具体的には、図示しないチャージアンプなどを経由してECUなどの制御機器に入力され、燃焼圧の変化を検知する。
また、このケーブル550のうち内部編粗552はケーブル固定部材555にカシメ固定され、このケーブル固定部材555は、次述する包囲部材600の膨出部610内に溶接されて固定されている。これにより、このケーブル550の引張りなどにより、リード線551に力が加わって電極部材520が変形したり、リード線551が外れたりすることが防止されている。
本実施例のグロープラグ100では、図3に示すように、ハウジング基端部125は筒状の包囲部材600に包囲され、この包囲部材600の先端側に溶接部w3を形成して固定されるとともにその内部に収容されている。包囲部材600は、略円筒状の円筒部620と、この円筒部620の周方向一部において径方向外側に突出する膨出部610とからなる。この包囲部材600の円筒部620は、燃焼圧センサ1000をなす各部材を包囲する。また、膨出部610内には、電極部材520に接続するリード線551が収容されている。さらに、包囲部材600内には、基端側から樹脂650が充填されており、この樹脂1040により燃焼圧センサ1000が包囲され封止されている。従って、このグロープラグ100では、基端側からの水分や油などの進入を防止して燃焼圧センサ1000を保護することができ、信頼性の高いグロープラグ100となし得る。
ここで、本発明の要旨である圧電素子400について図7を用いて詳述する。
圧電素子400は従来公知の製造方法によって作成される。すなわち、チタン酸バリウムからなる円環状の圧電セラミック部材410とその両表面には電極層420、430として銀電極が形成されている。この圧電素子400が燃焼圧センサ1000として組み付けられたときに、電極層420のうち、センサキャップ300の対向面321に押圧されない部分、すなわち挿通孔330によって形成される空隙(図4に示す切り欠き部350)に面する部分の電極層420を除去している。切り欠き部350が存在せず、対向部320が環状である場合は、軸線から径方向にみて取り出し口340が形成されている方向にある電極層420を除去する。なお、電極層420のうち電極層420の一部を除去することによって正規のセンサ出力信号としての電荷を取り出さない部分(図7に示す440)の幅Lは、センサキャップ300の対向部320に形成された切り欠き部350の幅よりも大きい方が望ましい。除去する方法としてはたとえば回転砥石やフライス盤等を用いて圧電セラミック部材410が露出するまで電極層420を除去すればよい。なお、ここでは電極層420、430ともに同様の加工を行っている。
このように、センサキャップ300の挿通孔330や取り出し口340によって圧電素子400にかけられる荷重が低下する部分と低下しない部分とが混在し(荷重の偏り)、荷重が不均一となっていても、低下した荷重によって圧電セラミック部材410の電荷発生面に生じる電荷は電極層420の一部を除去したことによってセンサ出力信号として出力しない構成とすることができる。したがって、圧電セラミック部材410に不均一に発生した電荷を平均化してしまうことが無く、センサ出力信号のS/N比を向上させることが可能となる。
本発明の効果を確認するために以下の試験を行った。
本発明のグロープラグ100と比較例として圧電素子の電極層に電極欠落部分が存在しない従来通りの圧電素子を備えたグロープラグGPを用意し、それぞれ図8に示す試験系を用いてそれぞれのセンサ出力信号を測定する。図8に示す試験系は、ディーゼルエンジンのエンジンヘッド2100、チャージアンプ2200、オシロスコープ2300及び燃料インジェクタ2400を有する。
この測定系では、燃焼室2010内に燃料インジェタ2400を用いて燃料を噴射するタイプの内燃機関2000を用いる。この内燃機関2000(燃焼室2010)の燃焼圧を、本実施例にかかる燃焼圧センサ1000を含むグロープラグ100、及び、比較例である従来の圧電素子を用いた燃焼圧センサを有するグロープラグGPを用いて測定する。
具体的には、グロープラグ100の燃焼圧センサ1000の出力、及び比較例1にかかるグロープラグGPの出力は、チャージアンプ2200(KISTLER社製5011)に接続されている。さらに、チャージアンプ2200の出力はオシロスコープ2300に接続されている。また、内燃機関2000のクランク角との関係を観測するため、内燃機関2000の図示しないクランク角センサ出力もオシロスコープ2300に接続されている。
この状態で、内燃機関2000を作動させ、オシロスコープ2300のX軸入力にクランク角センサ出力を、Y軸入力にチャージアンプ2200の出力を接続して、その関係を示すグラフを示す波形を取得した。この関係を図9に示す。なお、グロープラグ100、GPからのセンサ出力信号は、チャージアンプ2200を用いてそれぞれのセンサ出力信号のピーク値が同程度の値になるように調整して測定している。
図9(a)は本発明のグロープラグ100によるセンサ出力信号を、図9(b)は比較例のグロープラグGPによるセンサ出力信号をそれぞれクランク角センサの出力をX軸として示している。(a)、(b)ともにクランク角CAが−90°〜約−8°及び約40°〜90°の範囲はその出力波形からもわかるとおり、燃焼室2010内の圧力変化がほとんど生じていない状態であり、一方、クランク角CAが約−8°〜約40°までは燃焼室2010内の圧力変化が生じている状態である。
圧力変化がほとんど生じていない状態におけるセンサ出力信号が、圧力変化が生じている状態のセンサ出力信号に対して、小さいほどS/N比は優れているといえる。この図9に示すとおり、同程度のピーク値を出力しているにもかかわらず、(a)の方が(b)よりも燃焼室2010内の圧力変化が生じていないクランク角におけるセンサ出力信号が小さくなり、S/N比が改善されている。これは、ハウジング後端部に設けたセンサ出力取り出し口の存在のために圧電素子に不均一に発生してしまう電荷を、電極層に電極欠落部分を設けることによってその部分の出力を取り出さないようにしたことに起因する。すなわち、圧電セラミックの電化発生面に生じた電化の平均化を回避することによってS/N比の出力を向上した燃焼圧検知機能付グロープラグを提供することが可能となる。
なお、上記の実施の形態に限られることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更し得ることは言うまでもない。たとえば、ヒータ部材は図10に示す金属チューブ3100内に発熱コイル3010が絶縁粉末3020に埋設された、いわゆるシーズヒータ3000と呼ばれるものであってもよい。これは、ヒータ部材の構造によらず、ハウジングの基端側に配置された圧電素子へ与える燃焼圧の伝達方法が変わらないためである。
また、圧電素子をなす材質もチタン酸バリウムで無くてもよく、たとえばチタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛等でもよく、もちろんチタンの有無によるものでもない。つまり、圧縮されることによって、その圧縮方向に垂直な面に電荷を発生できる圧電素子を使用すればよいのである。同様に、この圧電素子の表層として形成される電極層も銀に限定されるものではない。
さらに、圧電素子は1枚に限られることなく、複数枚使用してもよい。ただし、複数枚使用するときはその重ね合わせにおいて電極層の欠落部分の位置に配慮する必要がある。無作為に重ね合わせてしまうと、接触した他方の電極層の存在により電荷の平均化が行われてしまう虞があるためである。
本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグの全体を示す半断面図である。 ヒータ部材の拡大図を示す一部断面図である。 実施例にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグの燃焼圧センサ1000の拡大図である一部断面図である。 実施の形態にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち、燃焼圧センサの一部をなすセンサキャップを示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。 実施の形態にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち、燃焼圧センサの一部をなす中軸スリーブを示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。 実施の形態にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち、燃焼圧センサの出力に用いられる電極板を示す平面図である。 実施の形態にかかる燃焼圧検知機能付グロープラグのうち、燃焼圧センサの一部をなす圧電素子を示し、基本実施例(a)及び変形例(b)である。 本発明の効果を確認するための試験を行う測定系の概略を示す図である。 上記試験結果を示し、(a)は本発明の燃焼圧検知機能付グロープラグの結果を示す図であり、(b)はその比較のための従来の燃焼圧検知機能付グロープラグによる結果を示す図である。 本発明を実施する際のヒータ部材についてその変形例を示す図である。 従来例において、本発明の燃焼圧センサに相当する部分の拡大図断面図である。
符号の説明
100 グロープラグ
110 ヒータ部材
120 ハウジング
131 接続リング
200 中軸
250 中軸スリーブ
300 センサキャップ
330 挿通孔
340 取り出し口
400 圧電素子
420 電極層
430 電極層
1000 燃焼圧センサ

Claims (3)

  1. 通電によって発熱するヒータ部材と、
    自身の先端側を機械的に剛に前記ヒータ部材と接続し、基端側に基端向き端面を備える鍔部を有し、軸線方向に延設された中軸と、
    軸孔を有し、その先端側にて前記ヒータ部材を直接的にまたは間接的に保持するとともに、自身の後端側に前記基端向き端面と対向する対向面を形成した対向部を備えたハウジングと、
    圧電セラミックと電極層とからなる圧電素子であって、
    その圧電素子は、自身の内孔に前記中軸を挿通し、前記基端向き端面と前記対向面とに狭持され、予荷重が与えられる圧電素子と、
    を備えた燃焼圧検知機能付グロープラグであって、
    前記圧電素子の電荷発生面に隣接して設けられた前記電極層には、前記圧電セラミックスの表面が露出する電極欠落部分が形成されていること
    を特徴とする燃焼圧検知機能付グロープラグ。
  2. 前記電極欠落部分は前記圧電素子の前記電荷発生面の外周から内孔まで連続して形成されることを特徴とする請求項1記載の燃焼圧検知機能付グロープラグ。
  3. 前記ハウジングは後端部側壁にセンサ出力信号の取り出し口を有することを特徴とする請求項1または2記載の燃焼圧検知機能付グロープラグ。
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JP2015083954A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 日本特殊陶業株式会社 圧力センサ及び圧力センサの製造方法

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