JP2006299955A - ディーゼルエンジン発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 還元剤を用いず、しかも、硫黄被毒に対する耐久性が高い触媒からなるNOx選択還元部を備えたディーゼルエンジン発電システムを提供する。
【解決手段】 ディーゼルエンジン10により発電機11を駆動するディーゼルエンジン発電システム1において、ディーゼルエンジンが、予混合圧縮自己着火燃焼エンジンであり、ディーゼルエンジン10からの排ガスを浄化するNOx選択還元部13を有し、このNOx選択還元部13にNOx選択還元触媒を用いたディーゼルエンジン発電システム1。
【選択図】 図1
【解決手段】 ディーゼルエンジン10により発電機11を駆動するディーゼルエンジン発電システム1において、ディーゼルエンジンが、予混合圧縮自己着火燃焼エンジンであり、ディーゼルエンジン10からの排ガスを浄化するNOx選択還元部13を有し、このNOx選択還元部13にNOx選択還元触媒を用いたディーゼルエンジン発電システム1。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ディーゼルエンジン発電システムに関する。さらに詳しくは、排ガス中の炭化水素を有効利用して、窒素酸化物(NOx)を排ガスから除去するNOx選択還元部を設けたことを特徴とするディーゼルエンジン発電システムに関する。
ディーゼルエンジンから排出されるNOxや粒子状物質(PM)の低減が、大気質改善のために求められている。この傾向は自動車用のディーゼルエンジンのみならず、定置式発電機で使用されるディーゼルエンジンについても同様であり、排ガスの規制強化の動きがある。
定置式ディーゼル発電機では、エンジンの燃焼温度が高温になるため、排ガス中のNOx濃度が、基本的にガスエンジン等に比較して高濃度になる。従って、都市部でディーゼル発電を行う場合には、排ガスに脱硝処理を行う必要がある。
定置式ディーゼル発電機では、エンジンの燃焼温度が高温になるため、排ガス中のNOx濃度が、基本的にガスエンジン等に比較して高濃度になる。従って、都市部でディーゼル発電を行う場合には、排ガスに脱硝処理を行う必要がある。
定置式ディーゼル発電機で使用される脱硝技術として主に用いられているのは、尿素等の還元剤を用いた脱硝技術である。しかしながら、還元剤を使用するため、還元剤供給設備等を設置する必要があるので、発電機の設置容積が大きくなったり、還元剤のランニングコストのため経済的なデメリットが大きい。
一方、還元剤を用いない脱硝技術としては、自動車で採用されている脱硝触媒があるが、耐硫黄被毒性が弱く、燃料油中の硫黄濃度を50質量ppm以下にする必要がある。しかしながら、定置式ディーゼル発電機に用いられる燃料油は、通常A重油であり、硫黄濃度は10000質量ppmに達することもあるため、この脱硝触媒をディーゼル発電用途に使用することはできなかった。
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、還元剤を用いず、しかも、硫黄被毒に対する耐久性が高い触媒からなるNOx選択還元部を備えたディーゼルエンジン発電システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、以下の技術に着目するに至った。
本出願人は、対硫黄被毒性能が高い触媒として、非貴金属担持ゼオライト等のNOx選択還元触媒を開発している(特開平6−134314)。この触媒は、高活性で耐熱性に優れているが、炭化水素を還元剤としてNOxを選択還元するため、通常のディーゼルエンジンでは排ガス中の炭化水素濃度が低く、NOx除去率が向上できない。
本出願人は、対硫黄被毒性能が高い触媒として、非貴金属担持ゼオライト等のNOx選択還元触媒を開発している(特開平6−134314)。この触媒は、高活性で耐熱性に優れているが、炭化水素を還元剤としてNOxを選択還元するため、通常のディーゼルエンジンでは排ガス中の炭化水素濃度が低く、NOx除去率が向上できない。
一方、ディーゼルエンジンの環境適性を向上する技術として、予混合圧縮自己着火(HCCI)燃焼するエンジンが積極的に研究されている。HCCI燃焼エンジンでは、シリンダ内への燃料の噴射時期を通常より早めることにより、燃料を希薄化して燃焼しているので、NOxの浄化と共に煤やPMの低減を図ることができる。しかしながら、未燃焼炭化水素(THC、Total Hydrocarbon)が、通常のディーゼルエンジンよりも増加する傾向にある(SAE Paper 1999−01−0185参照。)。
本発明者らは、上記のNOx選択還元触媒とHCCIエンジンを組み合わせることにより、HCCIエンジンの採用によるNOx低減が図れると共に、排ガス中のTHCがNOx選択還元触媒の働きを活性化するため、触媒の脱硝性能を通常のディーゼルエンジンの場合よりも向上できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下のディーゼルエンジン発電システム及びディーゼルエンジンの排ガス浄化方法が提供できる。
1.ディーゼルエンジンにより発電機を駆動するディーゼルエンジン発電システムにおいて、前記ディーゼルエンジンが、予混合圧縮自己着火燃焼エンジンであり、前記ディーゼルエンジンからの排ガスを浄化するNOx選択還元部を有し、このNOx選択還元部にNOx選択還元触媒を用いたディーゼルエンジン発電システム。
2.前記NOx選択還元触媒が、排ガス中の炭化水素を還元剤とするNOx選択還元触媒である1記載のディーゼルエンジン発電システム。
3.前記NOx選択還元触媒が、ペンタシル型の結晶性アルミノケイ酸塩からなる担体に、Cu,Co,Fe,Ag,Pt,Ga,In又はPdから選択される少なくとも1つの金属を担持した触媒である1又は2記載のディーゼルエンジン発電システム。
4.前記ディーゼルエンジンが、燃料油の多段噴射機能を有する1〜3のいずれかに記載のディーゼルエンジン発電システム。
5.前記NOx選択還元部の、運転時における温度が350℃〜550℃であり、排ガスの空間速度(GHSV)が500h−1〜500,000h−1である1〜4のいずれかに記載のディーゼルエンジン発電システム。
6.予混合圧縮自己着火燃焼するディーゼルエンジンから排出される排ガスの浄化方法において、排ガス浄化触媒として、前記排ガス中の炭化水素を還元剤とするNOx選択還元触媒を用い、前記排ガスを前記NOx選択還元触媒に接触させる工程を含むディーゼルエンジンの排ガス浄化方法。
1.ディーゼルエンジンにより発電機を駆動するディーゼルエンジン発電システムにおいて、前記ディーゼルエンジンが、予混合圧縮自己着火燃焼エンジンであり、前記ディーゼルエンジンからの排ガスを浄化するNOx選択還元部を有し、このNOx選択還元部にNOx選択還元触媒を用いたディーゼルエンジン発電システム。
2.前記NOx選択還元触媒が、排ガス中の炭化水素を還元剤とするNOx選択還元触媒である1記載のディーゼルエンジン発電システム。
3.前記NOx選択還元触媒が、ペンタシル型の結晶性アルミノケイ酸塩からなる担体に、Cu,Co,Fe,Ag,Pt,Ga,In又はPdから選択される少なくとも1つの金属を担持した触媒である1又は2記載のディーゼルエンジン発電システム。
4.前記ディーゼルエンジンが、燃料油の多段噴射機能を有する1〜3のいずれかに記載のディーゼルエンジン発電システム。
5.前記NOx選択還元部の、運転時における温度が350℃〜550℃であり、排ガスの空間速度(GHSV)が500h−1〜500,000h−1である1〜4のいずれかに記載のディーゼルエンジン発電システム。
6.予混合圧縮自己着火燃焼するディーゼルエンジンから排出される排ガスの浄化方法において、排ガス浄化触媒として、前記排ガス中の炭化水素を還元剤とするNOx選択還元触媒を用い、前記排ガスを前記NOx選択還元触媒に接触させる工程を含むディーゼルエンジンの排ガス浄化方法。
本発明のディーゼルエンジン発電システムでは、尿素等の還元剤を用いることなく、排ガス中に含まれるNOxを低減できる。
以下、本発明のディーゼルエンジン発電システムを具体的に説明する。
本発明のディーゼルエンジン発電システムは、ディーゼルエンジンにより発電機を駆動する発電システムである。そして、ディーゼルエンジンからの排ガスを浄化するNOx選択還元部を有し、この還元部にNOx選択還元触媒を用いることを特徴としている。
本発明のディーゼルエンジン発電システムは、ディーゼルエンジンにより発電機を駆動する発電システムである。そして、ディーゼルエンジンからの排ガスを浄化するNOx選択還元部を有し、この還元部にNOx選択還元触媒を用いることを特徴としている。
図1は、本発明の一実施形態であるディーゼルエンジン発電システムの概略図である。
ディーゼルエンジン発電システム1は、ディーゼルエンジン10、発電機11、排気管12、NOx選択還元部13及び加温ジャケット14を有する。また、ディーゼルエンジン10の排熱を有効利用するために、熱交換器20にて熱媒と水の熱交換を行なっている。熱媒は熱媒循環ポンプ22により、熱媒配管21内を循環している。
ディーゼルエンジン発電システム1は、ディーゼルエンジン10、発電機11、排気管12、NOx選択還元部13及び加温ジャケット14を有する。また、ディーゼルエンジン10の排熱を有効利用するために、熱交換器20にて熱媒と水の熱交換を行なっている。熱媒は熱媒循環ポンプ22により、熱媒配管21内を循環している。
続いて、ディーゼルエンジン発電システム1の動作について説明する。燃料タンク等の燃料供給部(図示せず)からディーゼルエンジン10に燃料油が供給されることによりエンジン10が作動する。エンジン10の機械エネルギーを、発電機11により電気エネルギーに変換する。この際、ディーゼルエンジン10から排出された排ガスは、排気管12を通って外部に放出される。本発明では、排ガスをNOx選択還元部13に導入し、NOx選択還元触媒に接触させることにより、NOxを低減する。
NOx選択還元部13は加温ジャケット14で覆われており、ジャケット14に熱媒配管21を通すことにより、ディーゼルエンジン10の排熱を利用して加熱できる。熱の供給量は、例えば、電磁弁等(図示せず)によりジャケット14を流れる熱媒量を調整することで制御できる。
尚、図1に示すように、ディーゼルエンジン10の排熱を熱交換器20により水の加熱に利用して、水蒸気又は温水として利用する熱併給発電装置とすることが、発電システムのエネルギー効率を向上する上で好ましい。
尚、図1に示すように、ディーゼルエンジン10の排熱を熱交換器20により水の加熱に利用して、水蒸気又は温水として利用する熱併給発電装置とすることが、発電システムのエネルギー効率を向上する上で好ましい。
本発明においてディーゼルエンジンは、HCCI燃焼が可能なエンジンを使用する。これにより、排ガスのNOx及びPMを低減できるとともに、NOx選択還元触媒の還元剤となる炭化水素の量を増加できる。
また、燃料油の多段噴射機能を有することが好ましい。多段噴射機能とは、1サイクル中において燃料の噴射を数回に分けて行なう機能である。この機能を有するディーゼルエンジンでは、燃料の主噴射の前に少量の燃料を噴射する、パイロット噴射パターンを採用することができる。これにより、NOx及びPMの排出量を、さらに抑制できる。
中・高負荷運転でのパイロット噴霧の噴射時期は、パイロット噴霧が燃焼室内に入るであろうと予測される噴射時期で可能な限り進角し、かつ主噴射は上死点近傍とすることが好ましい。具体的には、使用するエンジンにより適宜設定するが、一般的には、パイロット噴霧の噴射時期を上死点前50〜10degに設定し、主噴射の噴射時期を上死点前10〜0degに設定することが好ましい。
低負荷運転ではパイロット噴射を行わず、主噴射時期は、噴霧が燃焼室内に入るであろうと予測される噴射時期で可能な限り進角することが好ましい。使用するエンジンにより適宜設定するが、一般的には、燃料の噴射時期を、上死点前50〜0degに設定する。
中・高負荷運転でのパイロット噴霧の噴射時期は、パイロット噴霧が燃焼室内に入るであろうと予測される噴射時期で可能な限り進角し、かつ主噴射は上死点近傍とすることが好ましい。具体的には、使用するエンジンにより適宜設定するが、一般的には、パイロット噴霧の噴射時期を上死点前50〜10degに設定し、主噴射の噴射時期を上死点前10〜0degに設定することが好ましい。
低負荷運転ではパイロット噴射を行わず、主噴射時期は、噴霧が燃焼室内に入るであろうと予測される噴射時期で可能な限り進角することが好ましい。使用するエンジンにより適宜設定するが、一般的には、燃料の噴射時期を、上死点前50〜0degに設定する。
NOx選択還元触媒としては、排ガスに含まれている未燃の炭化水素を、還元剤として利用し、NOxを除去する触媒が使用できる。例えば、ゼオライト系触媒や酸化物系触媒が使用できる。
ゼオライト系では、特に、ZSM−5ゼオライトを用いたものが最も性能がよいが、この他、βゼオライト、SAPO−34等のシリコアルミノフォスフェート、各種メタロアルミノシリケートも使用できる。
酸化物系としては、Al2O3、SiO2等の酸化物に貴金属又は遷移金属を添加した触媒や、複合酸化物、超強酸を用いることができる。
ゼオライト系では、特に、ZSM−5ゼオライトを用いたものが最も性能がよいが、この他、βゼオライト、SAPO−34等のシリコアルミノフォスフェート、各種メタロアルミノシリケートも使用できる。
酸化物系としては、Al2O3、SiO2等の酸化物に貴金属又は遷移金属を添加した触媒や、複合酸化物、超強酸を用いることができる。
本発明においては、ペンタシル型の結晶性アルミノケイ酸塩からなる担体に、Cu,Co,Fe,Ag,Pt、Ga,In又はPdの少なくとも1つの金属(特に、Cuが好ましい)を担持した触媒が好ましい。
ペンタシル型の結晶性アルミノケイ酸塩からなる担体としては、MFI構造を有するもの、特にZSM−5構造が好ましい。
さらに、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類を助触媒に加えることにより、コーク生成を抑えたり、Pを加えることにより、耐熱性を向上させた触媒が好ましい。また、二元機能を持たせるため、Pt,Rh,Ir等の貴金属を加えたり、Mn2O3等の酸化物を添加してもよい。
調製方法等、詳細については、特開平6−134314を参照することができる。
ペンタシル型の結晶性アルミノケイ酸塩からなる担体としては、MFI構造を有するもの、特にZSM−5構造が好ましい。
さらに、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類を助触媒に加えることにより、コーク生成を抑えたり、Pを加えることにより、耐熱性を向上させた触媒が好ましい。また、二元機能を持たせるため、Pt,Rh,Ir等の貴金属を加えたり、Mn2O3等の酸化物を添加してもよい。
調製方法等、詳細については、特開平6−134314を参照することができる。
NOx選択還元触媒は、ハニカム状の担持体等に常法によりコーティングしたものや、円筒状容器に充填した状態で、ディーゼルエンジンの排気管等に装着して使用することができる。
NOx選択還元部の運転温度範囲としては、350℃〜550℃が好ましく、400℃〜500℃の範囲とすることが特に好ましい。この温度範囲であれば、触媒の性能を十分に発揮でき、その結果、NOxの低減量が向上できる。
NOx選択還元部の加熱は、図1に示すようにディーゼルエンジンの排熱を利用したり、又は発電した電力により、ヒーター等を用いて行なうことが好ましい。
NOx選択還元部の運転温度範囲としては、350℃〜550℃が好ましく、400℃〜500℃の範囲とすることが特に好ましい。この温度範囲であれば、触媒の性能を十分に発揮でき、その結果、NOxの低減量が向上できる。
NOx選択還元部の加熱は、図1に示すようにディーゼルエンジンの排熱を利用したり、又は発電した電力により、ヒーター等を用いて行なうことが好ましい。
また、NOx選択還元装置を通過する排ガスの空間速度(GHSV)は、500h−1〜500,000h−1であることが好ましく、特に、1000h−1〜100,000h−1の範囲とすることが好ましい。500h−1未満では、脱硝装置の規模が大きくなるため好ましくなく、500,000h−1を超えると十分な触媒性能が得られないおそれがある。
尚、GHSVは以下の式で定義される。
GHSV=排ガス量(m3/h)/触媒量(m3)
尚、GHSVは以下の式で定義される。
GHSV=排ガス量(m3/h)/触媒量(m3)
本発明のディーゼルエンジン発電システムでは、図1に示す構成の他に、本技術分野で公知である装置を設置してもよい。例えば、排気管の先端部に消音器を設置してもよい。
ディーゼルエンジンの燃料油としては、軽油、A重油又は分解軽油相当の燃料油等が使用できるが、以下の性状を有するものが好ましい。
(1)蒸留温度
蒸留性状:T90×3+T70×2+T50≦2100℃
(式中、Tは留出温度を示し、添え字は留出量を示す。)
(2)留出量(ΔE270)
ΔE270≧40容量%
(式中、ΔE270は留出温度270℃迄の留出温度を示す)
(3)セタン指数:55以下、特に45以下が好ましく、20〜40の範囲が特に好ましい。
(4)密度:0.75g/cm3以上、好ましくは0.80g/cm3〜1.00g/cm3とする。
(5)全芳香族分:20容量%以上、好ましくは45容量%以上
(6)硫黄分:10000質量ppm以下、好ましくは6000質量ppm以下である。
(7)窒素分:2000質量ppm以下
(8)燃料油中の微量夾雑物:50mg/L以下
(1)蒸留温度
蒸留性状:T90×3+T70×2+T50≦2100℃
(式中、Tは留出温度を示し、添え字は留出量を示す。)
(2)留出量(ΔE270)
ΔE270≧40容量%
(式中、ΔE270は留出温度270℃迄の留出温度を示す)
(3)セタン指数:55以下、特に45以下が好ましく、20〜40の範囲が特に好ましい。
(4)密度:0.75g/cm3以上、好ましくは0.80g/cm3〜1.00g/cm3とする。
(5)全芳香族分:20容量%以上、好ましくは45容量%以上
(6)硫黄分:10000質量ppm以下、好ましくは6000質量ppm以下である。
(7)窒素分:2000質量ppm以下
(8)燃料油中の微量夾雑物:50mg/L以下
燃料油としては、接触分解軽油を20%以上、好ましくは50%以上含むことが好ましい。これにより、HCCI燃焼特性が活かしやすくなり、容積当たりの燃費をより向上でき、NOx低減が図れる。
実施例1
ディーゼルエンジンにおける燃料油の燃焼により生じた排ガスについて、NOx選択還元触媒を通過させる前後の、THC(未燃焼炭化水素)及びNOx(窒素酸化物)の濃度を測定し、NOx選択還元部の性能を評価した。
NOx選択還元触媒の調製、ディーゼルエンジンの仕様、運転条件、使用した燃料の性状及び排ガスの分析方法について以下に示す。
ディーゼルエンジンにおける燃料油の燃焼により生じた排ガスについて、NOx選択還元触媒を通過させる前後の、THC(未燃焼炭化水素)及びNOx(窒素酸化物)の濃度を測定し、NOx選択還元部の性能を評価した。
NOx選択還元触媒の調製、ディーゼルエンジンの仕様、運転条件、使用した燃料の性状及び排ガスの分析方法について以下に示す。
[NOx選択還元触媒]
硫酸アルミニウム(18水塩)337.5g、硫酸(97%)362.5g、水8250gからなる溶液(溶液Aとする)、水ガラス(SiO2:28.5%、Na2O:9.5%、水:62%)5275g、水5000gからなる溶液(溶液Bとする)及び塩化ナトリウム987.5g、水2300gからなる溶液(溶液Cとする)を用意した。
硫酸アルミニウム(18水塩)337.5g、硫酸(97%)362.5g、水8250gからなる溶液(溶液Aとする)、水ガラス(SiO2:28.5%、Na2O:9.5%、水:62%)5275g、水5000gからなる溶液(溶液Bとする)及び塩化ナトリウム987.5g、水2300gからなる溶液(溶液Cとする)を用意した。
次に、溶液Aと溶液Bを溶液C中に、同時に滴下しながら混合した。この原料混合物を硫酸でpH9.5に調整した後、種結品としてモルデナイト[SiO2/Al2O3(モル比)=20]12.5gを添加した。
次に、この原料混合物を容量25リットルのオートクレ−ブ中に入れ、密閉下、170℃、300rpmで攪拌しながら20時間保持した。冷却後、反応混合物を濾過し、沈殿物を純水で十分洗浄した。この後、120℃で20時間乾燥させることにより、ペンタシル型の結晶性アルミノケイ酸塩であるZSM−5構造(MFI構造)の結晶性アルミノケイ酸塩を合成した。このアルミノケイ酸塩のSiO2/Al2O3(モル比)は32であった。このアルミノケイ酸塩を空気気流中550℃で6時間焼成した。
次に、この原料混合物を容量25リットルのオートクレ−ブ中に入れ、密閉下、170℃、300rpmで攪拌しながら20時間保持した。冷却後、反応混合物を濾過し、沈殿物を純水で十分洗浄した。この後、120℃で20時間乾燥させることにより、ペンタシル型の結晶性アルミノケイ酸塩であるZSM−5構造(MFI構造)の結晶性アルミノケイ酸塩を合成した。このアルミノケイ酸塩のSiO2/Al2O3(モル比)は32であった。このアルミノケイ酸塩を空気気流中550℃で6時間焼成した。
次に、水2080gに、硝酸銅の3水和塩132.5g、リン酸二水素アンモニウム11.17g及び硝酸アンモニウム178gを順次溶解した後、液温を30℃に制御しながら、5%のアンモニア水を添加することで溶液のpHを8.5に調整して、銅成分、リン成分を含む担持用の溶液を調製した。この溶液に、上記のアルミノケイ酸塩500gを加え、液温を30℃に制御しながら4時間イオン交換を行った。その後、この溶液に30%硝酸を添加してpHを6.0に調整した後、さらに1時間イオン交換を行った。その後、このスラリー液を濾過し、得られた固形物を、さらに水洗した。
次に、この固形物を120℃で24時間乾燥した後、500℃で4時間焼成することで目的とする触媒(Cu−P/ZSM5)を得た。この触媒の銅成分の含有量はCuO換算で7.5wt%、リン成分の含有量はP2O5換算で1.3wt%であった。
得られた触媒を、ハニカム担体にコーティングし、これをディーゼルエンジンの排気管に装着した。
得られた触媒を、ハニカム担体にコーティングし、これをディーゼルエンジンの排気管に装着した。
[ディーゼルエンジン]
(1)仕様
シリンダ直径×ピストン工程:105mm×115mm
弁機構 :吸気2弁、排気2弁
燃焼室 :フラットディッシュ型
圧縮比 :18.0
燃料噴射圧力 :40MPa
(2)エンジン運転条件
燃料噴射時期 :上死点前30deg(HCCI燃焼)と上死点前0deg(通常燃焼)とした。
エンジン回転数:2000rpm
エンジン負荷 :50%
EGR(排気再循環率) :20%
上記条件で運転することにより、NOx選択還元装置における排ガスのGHSVは、5000h−1、温度は外部加熱により450℃に制御した。
(1)仕様
シリンダ直径×ピストン工程:105mm×115mm
弁機構 :吸気2弁、排気2弁
燃焼室 :フラットディッシュ型
圧縮比 :18.0
燃料噴射圧力 :40MPa
(2)エンジン運転条件
燃料噴射時期 :上死点前30deg(HCCI燃焼)と上死点前0deg(通常燃焼)とした。
エンジン回転数:2000rpm
エンジン負荷 :50%
EGR(排気再循環率) :20%
上記条件で運転することにより、NOx選択還元装置における排ガスのGHSVは、5000h−1、温度は外部加熱により450℃に制御した。
[燃料油の性状]
表1に示す分解軽油分を用いた。尚、性状の測定法は以下の通りである。
蒸留性状 :JIS K 2254「石油製品−蒸留試験法」
セタン指数 :JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」
密度 :JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法」
芳香族分 :JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」
硫黄分 :JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」
窒素分 :化学発光法
微量夾雑物 :JIS K 2276「石油製品−航空燃料油試験方法」
表1に示す分解軽油分を用いた。尚、性状の測定法は以下の通りである。
蒸留性状 :JIS K 2254「石油製品−蒸留試験法」
セタン指数 :JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」
密度 :JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法」
芳香族分 :JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」
硫黄分 :JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」
窒素分 :化学発光法
微量夾雑物 :JIS K 2276「石油製品−航空燃料油試験方法」
[排ガスの分析]
・THC(未燃焼炭化水素)
エンジンの排気管に取り付けたハニカム構造のNOx選択還元部前後に設置したガスサンプル取り出し口から排出ガスの一部を抜き取り、スモークメータ(MEXA−130S:(株)堀場製作所製)にて測定した。
・NOx(窒素酸化物)
エンジンの排気管に取り付けたハニカム構造のNOx選択還元部前後に設置したガスサンプル取り出し口から排出ガスの一部を抜き取って、自動車排出ガス分析装置(MEXA−9100DGR:(株)堀場製作所製)にて測定した。
試験結果を表2に示す。
・THC(未燃焼炭化水素)
エンジンの排気管に取り付けたハニカム構造のNOx選択還元部前後に設置したガスサンプル取り出し口から排出ガスの一部を抜き取り、スモークメータ(MEXA−130S:(株)堀場製作所製)にて測定した。
・NOx(窒素酸化物)
エンジンの排気管に取り付けたハニカム構造のNOx選択還元部前後に設置したガスサンプル取り出し口から排出ガスの一部を抜き取って、自動車排出ガス分析装置(MEXA−9100DGR:(株)堀場製作所製)にて測定した。
試験結果を表2に示す。
表2に示す結果から、燃料の噴射時期を変えて運転した場合、NOx選択還元部出口のNOx濃度は、噴射時期を早めて予混合圧縮自己着火(HCCI)燃焼をした方が、低NOx化を図れることが確認できる。
また、NOx転化率で評価すれば、HCCI燃焼の場合では90%になるが、通常燃焼では20%に留まることがわかった。これは、HCCI燃焼を行うことで排ガス中のTHCが増加して、NOx選択還元触媒の能力を促進したためと考えられる。
尚、NOx転化率は以下のように定義した。
また、NOx転化率で評価すれば、HCCI燃焼の場合では90%になるが、通常燃焼では20%に留まることがわかった。これは、HCCI燃焼を行うことで排ガス中のTHCが増加して、NOx選択還元触媒の能力を促進したためと考えられる。
尚、NOx転化率は以下のように定義した。
本発明のディーゼルエンジン発電システムは、HCCIエンジンによるNOx低減が図れると共に、排ガス中に増加したTHCがNOx選択還元触媒に有効に働くため、通常のディーゼルエンジンにNOx選択還元触媒を付けた場合よりも高い脱硝性能が得られる。従って、排ガス中から高度にNOxを削減できるので、環境に優しいディーゼルエンジン発電システムである。
1 ディーゼルエンジン発電システム
10 ディーゼルエンジン
11 発電機
12 排気管
13 NOx選択還元部
14 加熱ジャケット
20 熱交換器
21 熱媒配管
22 熱媒循環ポンプ
10 ディーゼルエンジン
11 発電機
12 排気管
13 NOx選択還元部
14 加熱ジャケット
20 熱交換器
21 熱媒配管
22 熱媒循環ポンプ
Claims (6)
- ディーゼルエンジンにより発電機を駆動するディーゼルエンジン発電システムにおいて、
前記ディーゼルエンジンが、予混合圧縮自己着火燃焼エンジンであり、
前記ディーゼルエンジンからの排ガスを浄化するNOx選択還元部を有し、このNOx選択還元部にNOx選択還元触媒を用いたディーゼルエンジン発電システム。 - 前記NOx選択還元触媒が、排ガス中の炭化水素を還元剤とするNOx選択還元触媒である請求項1記載のディーゼルエンジン発電システム。
- 前記NOx選択還元触媒が、ペンタシル型の結晶性アルミノケイ酸塩からなる担体に、Cu,Co,Fe,Ag,Pt,Ga,In又はPdから選択される少なくとも1つの金属を担持した触媒である請求項1又は2記載のディーゼルエンジン発電システム。
- 前記ディーゼルエンジンが、燃料油の多段噴射機能を有する請求項1〜3のいずれかに記載のディーゼルエンジン発電システム。
- 前記NOx選択還元部の、運転時における温度が350℃〜550℃であり、排ガスの空間速度(GHSV)が500h−1〜500,000h−1である請求項1〜4のいずれかに記載のディーゼルエンジン発電システム。
- 予混合圧縮自己着火燃焼するディーゼルエンジンから排出される排ガスの浄化方法において、
排ガス浄化触媒として、前記排ガス中の炭化水素を還元剤とするNOx選択還元触媒を用い、
前記排ガスを前記NOx選択還元触媒に接触させる工程を含むディーゼルエンジンの排ガス浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005123550A JP2006299955A (ja) | 2005-04-21 | 2005-04-21 | ディーゼルエンジン発電システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005123550A JP2006299955A (ja) | 2005-04-21 | 2005-04-21 | ディーゼルエンジン発電システム |
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JP2006299955A true JP2006299955A (ja) | 2006-11-02 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006299955A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009250091A (ja) * | 2008-04-04 | 2009-10-29 | Hino Motors Ltd | 排気浄化装置 |
EP2522841A4 (en) * | 2011-02-04 | 2016-06-22 | Toyota Motor Co Ltd | FUEL INJECTION CONTROL DEVICE FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINE |
WO2019087276A1 (ja) * | 2017-10-31 | 2019-05-09 | 株式会社やまびこ | エンジン駆動作業機 |
-
2005
- 2005-04-21 JP JP2005123550A patent/JP2006299955A/ja not_active Withdrawn
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