JP2006299476A - パラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】撚糸、製織などの後加工工程でのガイド等で発生するスカムを抑制し、また、ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などをマトリックスとする複合体の補強材として優れた接着性を有し、かつ繊度斑(U%)などの品質斑が少ない高品質のパラ型全芳香族コポリアミド極細繊維を製造する方法を提供すること。
【解決手段】パラ型全芳香族コポリアミド繊維の表面に凝集度が2.0以下であり、不活性な親水性粒状結晶である無機微粉末の水性分散液を塗布し、さらに高温で全延伸倍率が15〜25倍となるように熱延伸した後に、該繊維に付着している無機微粉末の一部を除去する。
【選択図】なし

Description

本発萌は、繊度斑(U%)の少ないパラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、パラ型全芳香族コポリアミドからなる繊維表面に非融着性微粉末を付着させた、撚糸工程、製織エ程などの後加工工程における加工性に優れ、しかも、繊度斑(U%)の少ないパラ型全芳香族ポリアミド極細繊維の製造方法に関するものである。
パラ型全芳香族コポリアミド繊維は、高強度、高弾性率、高耐熱性、及び優れた耐薬品性といった種々の優れた繊維特性を有することがよく知られている。これらの優れた物理的、化学的性質を活かして、工業的に各種マトリックスの補強材や、ロープ等に用いられている。
近年は、これら用途の小型化、簿型化に伴ってアラミド繊維の極細化が強く望まれるようになってきている。しかしながら、アラミド繊維の極細繊維を生産するためには、紡糸口金からの吐出量を極めて少量とする必要があり、その結果、口金の細孔から吐出されるポリマー溶液流が不安定となり易く、均一な品質でかつ良好な工程調子を得ることが困難となるという問題があった。
さらに、極細化に伴って生産性が低下するため、この対策として製糸速度を高めるか、あるいは糸条のフィラメント数を増加させる必要が生じる。しかしながら、製糸速度を高めることは、先に述べたように、口金の細孔から吐出されるポリマー溶液流が一層不安定となり易く、かつ吐出されたポリマー溶液流が凝固液との接触によって界面での断糸が生じ易くなるという問題が発生する。また、糸条のフィラメント数を増加させると、高温での熱処理及び/または延伸によって、繊維表面の軟化による単繊維間の融着現象が発生し易くなるという問題が生じる。
このような問題を改善するため、特開平5−311510号公報には、凝固液の置換率や紡糸ドラフトを適正化する、即ち、凝固液界面の液乱れを抑制し、口金から吐出ざれるポリマー溶液流が界面との接触によって乱れることを抑制することにより極細アラミド繊維を得る方法が提案されている。
しかしながら、この方法によって得られた極細アラミド繊維は、口金の一つの細孔から吐出されるポリマー溶液の吐出が著しく少量である場合、凝固液界面との接触によって断糸が発生するので工程調子が良好とは言えず、さらに、繊維の軸(長さ)方向に対する繊度斑が生じるという欠点がある。
また、単繊維間の融着現象に対しては、特開昭53−147811号公報において、融着性繊維を延伸または熱処理するに際し、予め非融着化物質として水溶性の無機酸、無機塩または無機塩の水溶液、ハロゲン化金属塩、硫酸金属塩、硝酸金属塩、オルト燐酸またはオルトリン酸ナトリウム塩、脂肪族高分子の水性エマルジョンを塗布する方法、特開昭58−54021号公報において、非融着化物質として水和ゲル形成性無機化合物を塗布する方法、特開昭59−163425号公報において、非融着化物質として親水ゲル形成性無機化合物のコロイドと疎水コロイドとの混合物を付与する方法、及び特開昭59−179818号公報において、親水ゲル形成性無機化合物のコロイドと界面活性剤を付与する方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法においては、繊維に塗布された非融着化物質が延伸及び/又は熱処理後も繊維表面に大量に付着しているので、得られた繊維は撚糸工程でスカムが発生したり、マトリックスとの接着性が低下する等の欠点を有していた。
そこで、特開昭62−149934号公報においては、非融着化物質として無機微粉末の珪酸アルミニウム、グラファイト、タルク、シリカ及びマイカを付与して延伸及び/又は熱処理した後に、水を付与したり、空気流の噴射処理を施し、該繊維に付着している非融着化物質を除去する方法が提案されている。しかしながら、このような水付与や空気流の噴射処理を施した後であっても、非融着化物質の付着量は繊維表面積当り40mg/m以上であり、撚糸工程でのスカムの発生や、マトリックスとの接着性が低下する等の欠点が発生する。
このように、繊度斑などの品質上の斑が少なく、かつ種々の後加工工程における加工性に優れた高性能なパラ型全芳香族コポリァミド極細繊維の製造方法は未だ提案されていないのが実情である。
特開平5−311510号公報 特開昭53−147811号公報 特開昭58−54021号公報 特開昭59−163425号公報 特開昭59−179818号公報 特開昭62−149934号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、撚糸、製織などの後加工工程でのガイド等で発生するスカムを抑制し、また、ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などをマトリックスとする複合体の補強材として優れた接着性を有し、かつ繊度斑(U%)などの品質斑が少ない高品質のパラ型全芳香族コポリアミド極細繊維を製造する方法を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、パラ型全芳香族コポリアミド繊維の表面に凝集度が2.0以下であり、不活性な親水性粒状結晶である無機微粉末の水性分散液を塗布し、さらに高温で全延伸倍率が15〜25倍となるように熱延伸した後に、該繊維に付着している無機微粉末の一部を除去することを特徴とするパラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法が提供される。
本発明によれば、撚糸工程、製織エ程などの後加工工程における加工性に優れ、しかも、繊度斑(U%)の少ないパラ型全芳香族ポリアミド極細繊維の製造方法が提供されるので、各種マトリックスの補強材や、ロープ等の用途に好適に利用することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の対象となるパラ型全芳香族コポリアミド繊維としては、単繊維間の融着が発生するような高温で延伸されるパラ型全芳香族コポリアミド繊維が対象となり得るが、その代表的なものとしては、コポリパラフェニレン−3,4'−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を例示することができる。
コポリパラフェニレン−3,4'−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維は、未延伸糸を300℃以上、好ましくは350〜550℃の高温の条件下で延伸するため、単繊維が軟化し互いに融着して延伸性が悪化し易い。このため、無機化合物等の非融着化物質をその表面に塗布して融着を防止することが重要となり、かつ各種マトリックスの補強繊維として用いられることが多いため好適である。
本発明においては、上記のパラ型コポリアミドからなる未延伸繊維に、先ず不活性な親水性無機微粉末の水性分散液を塗布する必要がある。なお、ここでいう不活性なとは、熱延伸および/または熱処理時などの高温状態においても化学的に安定でかつ合成繊維に対し酸化等の化学作用を及ぼさないことをいう。
また、ここでいう親水性無機微粉末とは、該微粉末の水性分散液を調合する際に、分散剤または界面活性剤を必要としないものをいう。親水性を有しない無機微粉末の場合には、水性分散液を調合する際にヘキサメタリン酸ソーダ等の分散剤または界面活性剤が必要となり、これらの添加剤を回収する、あるいは廃液処理を行う設備が必要となるので好ましくない。また、有機系の分散剤を用いた場合には、延伸および/または熱処理時の高温において大気に飛散するので環境上好ましくない。
さらに、上記の親水性無機微粉末は、その凝集度が2.0以下、好ましくは15以下である必要がある。該凝集度が2.0を超える場合には、高温での熱延仲および/または熱処理時に該無機微粉末が繊維表面でブロッキングしやすくなるため、熱延伸および/または熱処理時に十分な融着防止効果を発現しなくなるばかりか、熱延伸および/または熱処理後に繊維表面に付着した無機微粉末を、後述する方法で除去しようとしても除去が困難となるので好ましくない。
ここでいう凝集度とは、無機微粉末を含む水性分散液を粒度分布計を用いて測定した無機微粉末の平均粒径d(μm)と、該水性分散液を110℃で1時間乾燥させた後に再度測定した平均粒径D(μm)との比率D/dで表される値である。
繊維にこれらの無機微粉末を塗布する方法としては、予め無機微粉末を水等の分散媒に分散させた分散浴を用意し、繊維を該分散浴に浸漬させた後乾燥を行うのが好ましい。なお、無機微粉末の分散を均一に行うために、有機または無機の分散助剤を分散浴中に添加したり、あるいは、糸条の集束性を向上させるために帯電防止剤や増粘剤を併用してもよい。
無機微粉末の繊維に対する付着量は0.3〜2.5重量%、好ましくは0.7〜1.5重量%の範囲が適当である。該付着量が0.3重量%未満の場合には、高温での熱延伸および/または熱処理時に単繊維間の融着を十分に抑制することが困難となる。一方、該付着量が2.5重量%を超える場合には、高温での熱延伸および/または熱処理後に繊維表面に付着している無機化合物を除去する工程において、繊維上に残存する無機微粉末を除去する際の除去効率が低下し、また、除去設備の大型化が必要となる。
さらに、驚くべきことに、本発明に用いられる、凝集度が2.0以下であり、不活性な親水性粒状結晶である無機微粉末は、単に融着防止機能を有するのみでなく、乾燥後および高温延伸時においても粒状結晶構造を維持することから、繊維間摩擦及び繊維−金属間摩擦を抑制し、その結果、熱延伸倍率を高めることが出来るので、最大延伸倍率を向上させることが出来る。
このことから、本発明における全延伸倍率は、15〜25倍が好ましい。さらに好ましくは16〜20倍が好適である。全延伸倍率が15倍未満の場合、0.85dtex以下のパラ型全芳香族コポリアミド極細繊維を得るためには、紡糸口金から吐出されるポリマー量を著しく少なくするか、紡糸速度を速める必要がある。しかしながら、紡糸口金から吐出されるポリマー量が著しく少ない場合や、紡糸速度を速めた場合には、吐出されたポリマー溶液流と凝固液界面との衝突による衝撃や凝固液との摩擦抵抗により糸揺れや糸切れが発生し、繊度斑(U%)の少ないパラ型全芳香族コポリアミド極細繊維を得ることが困難となる。
一方、延伸倍率が25倍を超える場合には、熱延伸時の走行糸自身の随伴気流により集束性が低下するため、糸切れや毛羽が発生易くなるので好ましくない。このように本発明では、全延伸倍率を15倍以上とすることで、紡糸口金から吐出されるポリマー量の低下を抑制し、繊度斑(U%)の少ないパラ型芳香族コポリアミド極細繊維が得られるばかりか、単糸繊度の細化による生産性の低下さえも抑制することが可能となるのである。
本発明における無機微粉末を除去する方法としては特に限定する必要がない。例えば特開昭63−149934号公報に開示の、水付与処理と空気流噴射処理とを組合わせることにより、極めて容易に除去することができる。
かくして得られるパラ型全芳香族コポリアミド繊維の単糸繊度としては、0.1〜0.85dtexであることが望ましい。単糸繊度が0.1dtex未満の条件では、口金細孔から吐出されるポリマー溶液量が少なすぎてエアーギャップで不安定になり、本発明の目的である、繊度斑(U%)を1.5%以下に抑制することが困難となる場合がある。
また、上記パラ型全芳香族コポリアミド繊維の引張強度は18cN/dtex以上、引張伸度は3.5%以上、初期モジュラスは450cN/dtex以上であることが、補強材として使用した場合のマトリックスに対する十分な補強効果が得られるので好ましい。
非融着性微粉末の繊維表面への付着量は、あまりに多いと撚糸工程、製織工程などの後加工工程でスカムが発生しやすくなり、また、補強材として使用する場合には各種マトリックスとの接着性が低下して十分な補強効果が得られなくなる。一方あまりに少ないと、単繊維間、繊維とガイドなどの摩擦体との間の摩擦が大きくなってフィブリル化や単糸切れが発生しやすくなる。したがって、該無機微粉末の付着量は1.5〜14mg/mであることが好ましい。
また、上記無機微粉末は、その吸水量が20〜350ml/100gの範囲にあること、特に40〜250ml/100gの範囲にあることが好ましい。該吸水量が20ml/100g未満の場合には、水性分散液中での該無機微粉末の沈降速度が著しく速くなるため、均一な水性分散液を保持することが困難となる。一方、該吸水量が350ml/100gを超える場合には、該無機微粉末を繊維表面に均一に付着させるためには水性分散液濃度を低下させることが必要となるため、設備が大型化する等の問題が発生する。さらには、無機微粉末が水性分散液中で膨潤するため、加熱時に繊維表面で無機化合物の層を形成しやすくなり、延伸および/または熱処理後に繊維表面がら無機微粉末を除去することが困難となる。
ここでいう吸水量は、以下の方法で求めた値である。すなわち、該無機微粉末を105℃で1時間乾燥させた後にデシケーター内で室温まで放冷して重量W(g)を測定する。次いで、該無機微粉末にビュレットを用いて水を滴下し、吸水した無機微粉末が急激にやわらかくなる直前までに滴下した水の量V(ml)を測定し、吸水量をV/Wにより算出する。
本発明で使用する親水性無機微粉末は、上記の要件に加えて、単繊維問に十分拡散させて単繊維表面に均一に付着させるためにはその粒子径はできるだけ小さいことが好ましく、平均粒径が5μm以下、特に3μm以下のものが好ましい。さらに、上記無機微粉末は、その硬さがモース硬度で5以下、特に4以下であることが好ましい。無機微粉末の硬さがモース硬度で5超える場合には、高温で熱延伸および/または熱処理を行う際の、設備表面の磨耗劣化が増大する傾向にある。本発明で有効に使用できる無機微粉末は数多く存在するが、珪酸化合物が好適である。なかでも、無水珪酸アルミニウム、アルミノ珪酸ナトリウムから選ばれた1種または2種の混合物が好適である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。尚、実施例中における各物性は下記の方法により測定した。
(1)吸水量
無機微粉末を105℃で1時間乾燥させた後にデシケーター内で室温まで放冷して重量W(g)を測定する。次いで、該無機微粉末にビュレットを用いて水を4〜5滴ずつ滴下し、金属ヘラでよく練り合わせる。無機微粉末と水との混合物がらせん状に巻くか、または吸水した無機微粉末が急激にやわらかくなる直前までに滴下した水の量V(ml)を測定し、吸水量をV/Wにより算出する。
(2)凝集度
無機微粉末の10重量%水性分散液を作成し、粒度分布計で平均粒径d(μm)を測る。次に該水性分散液を110℃で1時間乾燥させ、溶媒を蒸発させて乾固させた後の無機化合物を再度10重量%の水性分散液として平均粒径D(μm)を測る。凝集度GはD/dで表される値である。
(3)繊度、引張強度、引張伸度、弾性率
JIS L1013に準拠して測定した。
(4)融着
試料繊維のフィラメント総数(N)のうち、融着がなく、1本ずつに分離可能なフィラメント数(n)を数え、(N−n)/2N×100により融着度(%)を求める。この測定を5回行い、平均値をとる。
(5)無機微粉末の付着量
予め仕上げオイルを付与しない試料を約3gサンプリングする。次いで該試料を120℃で1時間乾燥した後にその重量A(g)を精秤する。次いで、この試料を800℃の焼却炉中で完全に灰化させ、灰化後の灰分重量B(g)を測定し、B/(A−B)×100で付着量(%)を算出する。
また、上記方法により得られた非融着性微粉末の付着量の重量%をD(%)、単糸の繊度をS(dtex)、単糸フィラメントの半径をR(μm)として、(S×D×10)/(2×R×π×10−2)により付着量(mg/m)を算出する。
(6)製品品位
ワインダーにて1kg巻のチーズ状に巻き取られた製品の表面および側面を目視で観察し、5mm以上の毛羽の数から判断した。毛羽が2個以下の場合を良、2個を超えると不可と判断した。
(7)繊度斑
ツェルベーガーウースター社製のUSTER 4型を用いて、100m/分の走行速度で測定した。
[実施例1〜3、比較例1]
水分率が100ppm以下のN−メチル−ピロリドン(以下NMPという)112.9部、パラフェニレンジアミン1.506部、3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル2.789部を常温下で反応容器に入れ、窒素中で溶解した後、攪拌しながらテレフタル酸クロリド5.658部を添加した。最終的に85℃で60分問反応せしめ、透明の粘稠なポリマー溶液を得た。次いで22.5重量%の水酸化カルシウムを含有するNMPスラリー9.174部を添加し、中和反応を行った。得られたポリマーの対数粘度は3.337であった。
得られたポリマー溶液を用い、表2に記載の紡糸口金を用いてNMP30重量%水溶液の凝固浴に押し出し湿式紡糸した。紡糸口金面と凝固浴との距離は5mmとした。紡糸口金から紡出された繊維を水洗し、絞りローラに通して表面付着水を除去し、表1に示すような性状を有する濃度10.0重量%の無機微粉末(無水珪酸アルミニウムの平均粒径1.1μm、アルミノ珪酸ナトリウムの平均粒径2.1μm)の水系分散浴に約1秒間浸漬し、次いで絞りローラに通し、無機微粉末液の付着した糸を得た。
引き続いて、該糸を表面温度が200℃の乾燥ローラを用いて完全に乾燥させた後、540℃で表2に示すような延伸倍率にて熱延伸した。
得られた延伸糸に、まずシャワー水量10L/分で水を吹き付けて、延伸糸を十分に湿潤させた。次いで、内径が1.5mm、長さ10mmのエアーノズルを通して200L/分の空気流を貢射した。これらの操作を2回繰り返した後、仕上げ油剤を付着量が2.5重量%となるように付与し、500m/分の速度で巻き取った。得られた繊維の評価結果を表2に示す。
[比較例2、3]
実施例1において、非融着化物質として用いられる無機微粉末を珪酸マグネシウム(平均粒径1.4μm)と含水珪酸アルミニウム(平均粒径1.5μm)を4対1の割合で混合し、無機微粉末を2.0重量%とした水系分散浴に変更し、表2記載の紡糸口金と延伸倍率にて熱延伸すること以外は実施例1と同様に実施した。結果を表2に併せて示す。
Figure 2006299476
Figure 2006299476
本発明によれば、先ず繊維表面に不活性で且つ凝集度が2.0以下の親水性無機微粉末の水性分散液を塗布して、単繊維表面をこの無機微粉末で被覆した後に高温で15倍以上に熱延伸しているので、該工程での単繊維間融着発生を抑制することができるだけでなく、延伸後は該無機微粉末を容易に除去することができる。
さらに、細繊度化に伴う生産性の低下を抑制することが出来、しかも、得られた繊維には単繊維間融着が殆ど無く、しかも撚糸や製織等の後加工での工程安定性がよく、スカム発生等の問題もない。さらには、ゴム、樹脂等の各種マトリックスの補強材として使用しても、該マトリックスとの接着性にも優れているので、優れた補強効果を発現するといった特徴も有し、単糸繊度が0.1〜0.85dtexであるにも関わらず、繊度斑が1.5%以下である品質斑の少ない優れた物性を有しており、その工業的価値は極めて大である。

Claims (8)

  1. パラ型全芳香族コポリアミド繊維の表面に凝集度が2.0以下であり、不活性な親水性粒状結晶である無機微粉末の水性分散液を塗布し、さらに高温で全延伸倍率が15〜25倍となるように熱延伸した後に、該繊維に付着している無機微粉末の一部を除去することを特徴とするパラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法。
  2. パラ型全芳香族コポリアミド繊維の単糸繊度が0.1〜0.85dtex、引張強度が18cN/dtex以上、引張伸度が3.5%以上、初期モジュラスが450cN/dtex以上で、無機微粉末の付着量が1.5〜14mg/mである請求項1記載のパラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法。
  3. パラ型全芳香族コポリアミド繊維の繊度斑(U%)が1.5%以下である請求項1又は2記載のパラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法。
  4. 無機微粉末の吸水量が20〜350ml/100gである請求項1〜3のいずれか1項に記載のパラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法。
  5. 無機微粉末の平均粒径が5μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のパラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法。
  6. 無機微粉末のモース硬度が5以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のパラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法。
  7. 無機微粉末が珪酸化合物の微粉末である請求項1〜6のいずれか1項に記載のパラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法。
  8. 珪酸化合物が無水珪酸アルミニウムまたはアルミノ珪酸ナトリウムの微粉末である請求項7記載のパラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法。
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