JP2006299363A - 電気接点用Cuめっき鋼板の製造方法 - Google Patents

電気接点用Cuめっき鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 導電性,バネ性に優れたCuめっき鋼板を高生産性で製造する。
【解決手段】 C:0.1〜0.6質量%,Si:0.6質量%以下,Mn:0.1〜1.5質量%,P:0.05質量%以下,S:0.05質量%以下の組成で母材硬さ:300HV以下の鋼板をめっき原板に使用する。片面当りめっき厚:1.5μm以上のCuめっき層を鋼板の両面に設けた後、冷間圧延し、300〜500℃×1〜30時間で低温焼鈍する。冷間圧延時の断面減少率Rは、めっき厚T:1.5〜8μmでは15≦R<2.1+17.1T-0.92T2を満足する値,T>8μmでは15〜80%の範囲に設定される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、優れたバネ性及び導電性が要求される電気接点用途に適したCuめっき鋼板を製造する方法に関する。
電気・電子機器に使用される電気接点バネには、バネ性,導電性のバランスが良好なリン青銅が従来から使用されている。リン青銅は、Cuの外にSn:3.5〜9.0質量%,P:0.03〜0.35質量%を含み、導電率が12%IACS程度の銅合金である。素材形状としては、平面が相互接触する方が接触不良が少なく接触抵抗も小さいので、板材が多用されている。また、必要なバネ性を確保するため、バネ限界値:250N/mm2以上の材料が使用されている。
リン青銅は、比重が大きく高価なCuを主成分としているので、電子・電気機器等の部品材料に要求される小型化,軽量化,低コスト化に適した特性を備えていない。薄い接点材により小型化,軽量化を図ることも考えられるが、材料の断面積に比例する導電性を考慮するとリン青銅を薄く成形した接点材では良好な導電性を維持できない。薄肉化による部材強度の低下もリン青銅製接点の欠点である。小型化,軽量化,低コスト化の要求を満足させるためには、従来から使用されているリン青銅に匹敵する導電性を確保した上で薄肉化が可能なバネ性,強度等の機械的特性をもつ接点材料が望まれる。
強度,導電性を両立させた接点材料として、高炭素鋼線にCuめっき層,Niめっき層を設けた電池バネ用鋼線が特許文献1で紹介されている。しかし、当該鋼線をコイル状に巻いたコイルバネを接点部品に使用すると、接点部品が接触する電池等の相手面が平面であることが多く、平面相互間の接触に比較して接触面積が小さくなる。小さな接触面積は、接触不良は勿論、接触抵抗を大きくしてジュール発熱等に起因する電力損失を招く原因となる。鋼線に代えて鋼板を基材に使用することにより、平坦な相手材との面接触が可能になり、必要な接触面積を確保できる。しかし、鋼板表面にCuめっき層,Niめっき層を単に設けただけでは、バネ性,強度等、導電性以外の特性が不足する場合がある。
特開平6-158353号公報
鋼線に代えて鋼板を基材に使用することにより、平坦な相手材との面接触が可能になり、必要な接触面積を確保できる。電気接点バネとしての要求特性を満足させる上では、導電率:12%IACS以上,バネ限界値:250MPa以上が必要である。
本発明者等は、かかる観点から電気接点バネ用素材に材質的な検討を加え、基材との関係でCuめっき層の厚みを調整することによりリン青銅に匹敵する導電性を示し、バネ特性も良好な電気接点バネが得られることを紹介した(特許文献2)。また、基材とCuめっき層との間に所定の厚み関係をもたせることにより、バネ性,導電性を両立させた電気接点バネ材料を紹介した(特許文献3)。
特開2004-25705号公報 特開2004-231996号公報
特許文献2,3共に、バネ限界値を向上させた母材にCuめっき層を形成している。Cuめっきの前後を比較すると、Cuめっき層の形成によって導電率は向上するもののバネ限界値が低下する傾向が窺われ、バネ限界値の低下幅を小さくする上でCuめっき層の厚膜化には制約が加わる。
本発明者等は、Cuめっき層の厚みと導電率,バネ限界値との関係を調査・検討した結果,Cuめっき後の冷間圧延,焼鈍条件が特性に大きな影響を及ぼしていることを見出した。すなわち、焼鈍後の鋼板をCuめっきしていた従来法に代えて冷間圧延,焼鈍前の鋼板をCuめっきし、Cuめっき後の冷間圧延,焼鈍条件で特性を作り込むことができる。
本発明は、かかる知見をベースとし、冷間圧延,焼鈍を適正化することにより、バネ限界値が高く導電率も良好な電気接点バネ用Cuめっき鋼板を提供することを目的とする。
本発明は、C:0.1〜0.6質量%,Si:0.6質量%以下,Mn:0.1〜1.5質量%,P:0.05質量%以下,S:0.05質量%以下,残部が不可避的不純物を除きFeの組成をもつ母材硬さ:300HV以下の鋼板を基材(めっき原板)に使用している。基材をCuめっき浴に送り込み、片面当りめっき厚:1.5μm以上のCuめっき層を鋼板の両面に設ける。次いで、めっき厚:1.5〜8μmの鋼板には式(1)を満足する断面減少率,めっき厚が8μmを超える鋼板には15〜80%の断面減少率で冷間圧延する。冷延後の鋼板は、300〜500℃に1〜30時間保持する低温焼鈍が施される。
15≦R<2.1+17.1T−0.92T2 ・・・・・(1)
ただし、R:断面減少率(%)
T:片面当りのCuめっき厚(μm)
本発明では、冷延工程の前段階にCuめっき工程を組み込んだめっき鋼板製造ラインを採用している。Cuめっき後の鋼帯を冷間圧延するため、冷間圧延,低温焼鈍によって必要特性を付与できる。Cuめっき層も冷間圧延,低温焼鈍されるので、従来よりも高いバネ限界値が得られる。
Cuめっき→冷間圧延への工程変更は、Cuめっき工程の簡略化,ひいては全工程としてみたときの工数低減を可能とし、生産コストの節減,生産効率の向上にもつながる。また、比較的厚いCuめっきコイルを一つ製造しておけば受注後に冷間圧延,低温焼鈍だけですむので、短納期注文にも対応できる。
〔めっき原板〕
鋼材に含まれる合金成分は、程度の差があるものの大半が導電率を低下させる作用を呈する。本発明では、導電率に及ぼす影響を考慮しながらめっき原板に含まれるC,Si,Mn,P,S等を次のように量規制した。
・C:0.1〜0.6質量%
冷間圧延,低温焼鈍によってバネ限界値を向上させるために必要な合金成分であり、電気接点バネ用材料として有用なバネ限界値:250MPa以上を確保するため下限を0.1質量%とした。しかし、C含有量が増加するに従い、導電率が低下する。過剰なC含有は、加工硬化,ひいては冷延工程での負荷を増大させる原因でもある。そこで、0.6質量%を上限とした。
・Si:0.6質量%以下
導電性に悪影響を及ぼす成分であり、少ないほど好ましい。本成分系では、Si含有量の上限を0.6質量%とすることにより、導電性への悪影響を抑えている。
・Mn:0.1〜1.5質量%
バネ限界値,強度の改善に有効な合金成分であり、0.1質量%以上でMnの添加効果がみられる。バネ限界値,強度はMnの増量に伴い改善されるが、Mn含有量が1.5質量%を超えると導電性に及ぼす悪影響が強くなる。
・P:0.05質量%以下
鋼板の延びを低下させる成分であり、少ないほど好ましいので0.05質量%をP含有量の上限とした。
・S:0.05質量%以下
MnS等の硫化物系介在物となって加工性,打抜き性等に悪影響を及ぼすので少ないほど好ましく、本成分系では0.05質量%をP含有量の上限とした。
めっき工程を冷間圧延の前に置いたことからめっき原板がCuめっき層と共に冷間圧延されるので、めっき原板として母材硬さ:300HV以下が必要である。冷間圧延では被圧延材が変形することにより板厚が減少するが、母材とCuめっき層で変形難易度が大きく異なると母材/Cuめっき層の断面積比に変動をきたす。母材,Cuめっき層をほぼ同じ断面減少率で圧下するためには母材/Cuめっき層の硬度差を小さくする必要がある。Cuめっき層の硬さは通常80〜160HVの範囲にあるので、母材硬さを300HV以下とすることにより硬度差を減少した。なお、母材硬さは、鋼材組成,熱間圧延時の巻取り温度,熱間圧延後の焼鈍温度等で調整できる。
〔Cuめっき〕
所定組成に調整されためっき原板は、Cuめっきラインに通板され、Cuめっき層が鋼板両面に形成される。通常、電気Cuめっき法が採用され、硫酸銅めっき浴,ピロリン酸銅めっき浴,シアン化銅めっき浴等が使用される。
Cuめっき層の厚みは、後続する冷延工程の断面減少率との関連で定められるが、最低でも1.5μm以上とする。薄すぎるCuめっき層では、通常程度の取扱いでも母材に達する疵付きが懸念され、冷延工程で圧延ロールとの摩擦が局部的に高くなった場合等にCuめっき層が剥離して母材が露出する虞がある。片面当りめっき厚:1.5μm以上であれば、両面で厚みが異なる差厚めっきを施しても良い。厚すぎるCuめっき層はめっきコストの上昇,生産性低下の原因になるので、30μmを上限とすることが好ましい。
〔冷間圧延〕
母材硬さ:300HV以下のCuめっき鋼板を冷間圧延すると、ほぼ同じ断面減少率で母材,Cuめっき層が圧下される。そのため、冷間圧延の前後で母材とCuめっき層との厚み比率に変動をきたさない。冷間圧延,低温焼鈍の組合せでバネ性を向上させる場合、断面減少率が高くなるほど低温焼鈍後のバネ限界値が高くなる。リン青銅に匹敵するバネ限界値を低温焼鈍後に得る上で、断面減少率:15%以上の冷間圧延が好ましい。
ところで、断面減少率が大きくなると、被圧延材と圧延ロールとの接触部分における摩擦が大きくなる。摩擦の増加に伴いCuめっき層の一部に剥離が生じ、薄いめっき層では母材の露出に至ることもある。そこで、めっき厚を変えたサンプルを種々の断面減少率で冷間圧延し、冷間圧延後のCuめっき鋼板を目視観察することにより、Cuめっき層の剥離有無や母材の露出有無を調査した。
冷間圧延前のめっき厚が8μm以上の場合には断面減少率:82%でもめっき層剥離や母材露出が生じなかった。しかし、過度に大きな断面減少率は冷間圧延機に大きな負荷をかける必要があるので、断面減少率の上限を80%とすることが好ましい。他方、8μm未満のCuめっき層ではめっき層剥離や母材露出が検出された。めっき層剥離や母材露出は、Cuめっき層が薄いほど小さな断面減少率で生じる傾向にあった。
めっき厚,断面減少率がめっき層剥離や母材露出に及ぼす影響から、めっき層が8μm未満と薄いCuめっき鋼板を冷間圧延する場合、めっき厚に応じて断面減少率の上限を下げる必要がある。具体的には、片面当りのCuめっき厚をT(μm),断面減少率をR(%)とするとき、断面減少率Rの上限を2.1+17.1T−0.92T2と設定する。また、表裏で厚みが異なる差厚めっき層を設けたCuめっき鋼板では、薄い方のCuめっき層を基準として適用可能な断面減少率Rを算出する。
〔低温焼鈍〕
低温焼鈍によって冷延材のバネ限界値が向上するが、母材とCuめっき層では焼鈍条件によって次のような特性差が出る。
・母材部
(1) 150℃以上に加熱しないとバネ限界値向上効果が得られない。
(2) 200℃以上に加熱すると、種々の断面減少率で冷間圧延したCuめっき鋼板のバネ限界値が向上する。
(3) 300℃以上の加熱温度で一層高いバネ限界値が得られる。加熱温度が高くなるほどバネ限界値が上昇するが、バネ限界値の上昇傾向は加熱温度:500℃で飽和する。
(4) 600℃を超える加熱温度では再結晶が進行し、バネ限界値が急激に低下する。
加熱温度が特性に及ぼす影響を考慮すると、母材の特性を向上させる上で低温焼鈍時の加熱温度を300〜500℃の範囲で選定する。
・Cuめっき層
Cuめっき層は、400℃程度までの低温焼鈍でバネ限界値が向上するが、400℃を超える加熱温度ではバネ限界値が低下する傾向を示し、550℃を超えるとほぼ下限まで低下する。
このように表層のCuめっき層と母材の鋼は、低温焼鈍によるバネ限界値の変化挙動が異なっている。実際、400℃を超える加熱温度ではCuめっき層のバネ限界値が低下傾向になるが、400〜500℃は母材の鋼がバネ限界値を大きく向上させる温度域である。Cuめっき層,母材鋼のバネ限界値変化挙動を勘案し、300〜500℃の範囲で加熱温度を選定することにより、Cuめっき鋼板のバネ限界値が効果的に向上する。
0.5〜50時間の低温焼鈍で必要特性をCuめっき鋼板に付与できるが、工業的観点から1〜30時間の範囲で保持時間を選定することが好適である。
表1の組成をもつ鋼材を溶製し、鋳造後、板厚:2〜2.5mmの熱延コイルを製造した。酸化スケールを除去した後、そのまま或いは軟質化焼鈍した後で冷間圧延し、種々の板厚に仕上げた。この際、冷間圧延の前(工程A)又は低温焼鈍後(工程B)にCuめっきすることによりCuめっき鋼板を作製した。
〔工程A〕 脱脂→酸洗→Cuめっき→冷間圧延→脱脂→低温焼鈍
〔工程B〕 冷間圧延→脱脂→低温焼鈍→脱脂→酸洗→Cuめっき
Figure 2006299363
〔工程A〕
脱脂・酸洗後の鋼板を電気めっき浴に送り込み、鋼板両面にCuめっき層を形成した。電気めっき浴にはCuSO4:200g/l,H2SO4:50g/lの硫酸浴(浴温:40℃)を用い、電流密度:5A/dm2で電気めっきした。めっき後、Cuめっき層にベンゾトリアゾールを塗布し、めっき層表面を変色防止処理した。
各Cuめっき鋼板を種々の断面減少率で冷間圧延し、脱脂後に低温焼鈍した。
表2は、母材硬さ,冷間圧延前後における母材,Cuめっき層の厚み変化を示す。Cuめっき層の厚みは、各鋼板から切り出されたサンプルを樹脂に埋め込んで鏡面研磨し、任意の視野10箇所のSEM画像から得られる厚みを平均化することにより求めた。また、冷間圧延後の鋼板を目視観察し、母材が部分的に露出しているか否かを調査した結果を表2に併せ示す。
Figure 2006299363
冷間圧延後の鋼板を表3の条件下で焼鈍した。
焼鈍後の鋼板から試験片を切り出し、常法に従って導電率,バネ限界値を測定した。測定結果を表3に併せ示す。
試験片A1は、母材のC含有量が少なすぎたため、適正条件下の冷間圧延,低温焼鈍を施してもバネ性が不十分であった。
試験片A4,A10では、冷間圧延後にCuめっき層の一部が剥離して母材が露出していた。めっき層の剥離又は母材の露出は、上限Ymaxを超える断面減少率で冷間圧延した結果である。
試験片A5では、冷間圧延後にCuめっき層の一部が剥離して母材が露出していた。この場合、冷間圧延時の断面減少率は上限Ymax未満であったが、冷間圧延前のCuめっき層が薄すぎたため取扱い時又は冷間圧延時の多少の不具合に起因して母材露出に至ったものと考えられる。
試験片A8では、上限Ymax未満の断面減少率で冷間圧延しており、Cuめっき層は冷間圧延後にも健全に保たれていた。しかし、後続する焼鈍工程で焼鈍温度が高すぎたため、十分なバネ限界値が得られなかった。
試験片A14では、15%未満の断面減少率で冷間圧延したため、冷間圧延後のCuめっき層は健全であったものの、後続の焼鈍工程で適正条件下で焼鈍しても十分なバネ限界値が得られなかった。
試験番号A16では、母材よりCuめっき層の方が大きな割合で断面減少しており、冷間圧延後に一部に母材露出が検出された。これは、母材の硬さが300HVを超えており、Cuめっき層との硬度差が大きいため、冷間圧延時にCuめっき層が優先的に断面減少した結果である。冷間圧延後にはCuめっき層の厚み比率が冷間圧延前よりも小さくなっているので、導電率も目標値を下回っていた。
これに対し、本発明で規定した条件下で冷間圧延,低温焼鈍したCuめっき鋼板は、冷間圧延後にもCuめっき層の健全性が保たれ、導電率,バネ限界値共に優れていた。
Figure 2006299363
〔工程B〕
冷間圧延での断面減少率,冷間圧延後の厚さ(母材,Cuめっき層),低温焼鈍,電気Cuめっき等の条件が工程Aの試験番号A2,A8〜A10とほぼ同じであるが、低温焼鈍後にCuめっきすることにより試験番号B1〜B6のCuめっき鋼板を製造した。
得られたCuめっき鋼板から切り出された試験片について、同じ条件下で導電率,バネ限界値を測定した。表4の測定結果を工程Aで製造されたCuめっき鋼板の導電率,バネ限界値と比較すると、導電率はほぼ同じ値を示しているがバネ限界値が低くなっていることが判る。この結果から、冷間圧延前にCuめっきすることにより、バネ限界値に優れたCuめっき鋼板が得られることが確認される。
Figure 2006299363
表2の試験番号A9〜A11及び表4の試験番号B4〜B6は寸法(板厚,板幅),重量,長さが同一の母コイルを使用しているが、試験番号A9〜A11では工程Aに従って、試験番号B4〜B6は工程Bに従って製造されたものであり、最終段階で母材,Cuめっき層がほぼ同じ厚みとなるように調整されている。なお、冷間圧延に先立って長さ方向に三等分となるようにコイルを分割した。
表5は、工程A,工程Bそれぞれにおける工程通過状況を示す。工程A,工程Bで大きく異なる点はCuめっきにおける通板長さであり、工程Aでは1コイル,長さにして260mであるが、工程Bでは3コイルの合計が2100mmとかなり長くなっている。通板長さの差は、工程Aよりも工程Bの方が長時間を要することを意味している。しかも、工程Bでは、3コイルを処理するのでコイルの移動や取付け,板継ぎ溶接等にも3コイルの分だけ時間がかかることになる。
以上の結果から、本発明に従った製造方法によるとき、従来法に比較してより高い生産性で導電性,バネ性に優れたCuめっき鋼板が製造されることが判る。しかも、Cuめっきコイルを先造りしておくと、客先の注文内容(板厚仕様,重量等)が判明した後、冷間圧延,低温焼鈍で対応できるため、受注から納品までの期間も短縮できる。
Figure 2006299363

Claims (1)

  1. C:0.1〜0.6質量%,Si:0.6質量%以下,Mn:0.1〜1.5質量%,P:0.05質量%以下,S:0.05質量%以下,残部が不可避的不純物を除きFeの組成をもつ母材硬さ:300HV以下の鋼板を用意し、
    片面当りめっき厚:1.5μm以上のCuめっき層を鋼板の両面に設け、
    めっき厚:1.5〜8μmの鋼板には式(1)を満足する断面減少率,めっき厚が8μmを超える鋼板には15〜80%の断面減少率で冷間圧延し、
    次いで、300〜500℃に1〜30時間保持する低温焼鈍を施すことを特徴とするバネ性に優れたCuめっき鋼板の製造方法。
    15≦R<2.1+17.1T−0.92T2 ・・・・・(1)
    ただし、R:断面減少率(%)
    T:片面当りのCuめっき厚(μm)
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