JP2012207261A - 電気電子部品用銅合金板 - Google Patents

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Abstract

【課題】Cu−Fe−P系銅合金板において、高強度、高導電性、良好な曲げ加工性及び高い耐応力緩和特性を両立させた電気電子部品用銅合金板を提供する。
【解決手段】電気電子部品用銅合金板は、Fe:2.5乃至3.5質量%及びP:0.001乃至0.050質量%を含有し、Mg、Sn及びZnが適量添加されており、残部が銅及び不可避的不純物からなる組成を有し、Cu母相中に第二相が析出した二相組織を有する。そして、圧延方向及び板厚方向からなる断面において、母相の板厚方向における平均結晶粒径Dが2乃至15μmであり、母相の圧延方向における平均結晶粒径をDとして、板厚方向における平均結晶粒径Dに対する比D/Dが1.5以上であり、第二相粒子の圧延方向における平均結晶粒径をDL2、第二相粒子の板厚方向における平均結晶粒径をDn2として、比DL2/Dn2が5以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、端子、コネクタ及びリレー等の電気電子部品用材料、リードフレーム及び放熱板等の半導体機器に使用される部品用材料、並びに自動車用ジャンクションブロック及び民生用電気機器等に使用される電気回路用材料等に使用される電気電子部品用銅合金板に関し、特に、強度、導電性、曲げ加工性及び耐応力緩和特性を向上させた電気電子部品用銅合金板に関する。
近時、例えば自動車分野においては、環境規制への対応又は快適性及び安全性等の向上への要求から、多くの電気電子機器が搭載されるようになり、使用される端子、コネクタ及びリレー等の電気電子部品、リードフレーム及び放熱板等の半導体機器用部品、並びに自動車用ジャンクションブロック及び民生用電気機器等に使用される電気回路は、挟ピッチ化及び小型化が進められている。また、情報通信分野及び民生分野等においても、同様の要求により、電気電子部品等における挟ピッチ化及び小型化が進められている。
これらの電気電子部品等には、高強度のみならず、高い導電率、プレス成形時の優れた曲げ加工性が要求され、更に、例えばエンジンルーム等の高温環境化における通電性を維持するために、耐応力緩和特性が高いことが要求される。
よって、電気電子部品等に使用される銅合金材料において、強度特性、導電性、曲げ加工性又は耐応力緩和特性を向上させる技術が種々提案されている。例えば、特許文献1乃至3において、本願出願人は、Cu−Fe−P系合金において、組成制御を行うことにより、電気電子部品用の銅合金材料において、強度特性、導電性、曲げ加工性又は耐応力緩和性の2以上の項目を両立させる技術を提案した。
即ち、特許文献1において、本願出願人は、Fe:0.5乃至2.4質量%、Si:0.02乃至0.1質量%、Mg:0.01乃至0.2質量%、Sn:0.01乃至0.7質量%、Zn:0.01乃至0.2質量%、P:0.03質量%未満、Ni:0.03質量%以下及びMn:0.03質量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる電気電子部品用銅合金を提案し、電気電子部品用の銅合金材料において、耐力、導電率、ばね限界値、耐応力緩和特性及び曲げ加工性を向上させる技術を提案した。
また、特許文献2において、本願出願人は、Fe:1.0乃至2.5質量%、Si:0.005乃至0.1質量%、Sn:0.05乃至0.5質量%、Mg:0.05乃至0.5質量%、Zn:0.01乃至1.0質量%、H:0.0001質量%以下及びO:0.004質量%以下を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金板又は銅合金条を提案し、特に自動車用の高電圧環境化で使用される端子用材料において、曲げ加工性、ばね限界値、耐応力緩和特性等を向上させる技術を提案した。
更に、特許文献3において、本願出願人は、Fe:1.6乃至2.4質量%、Si:0.02乃至0.2質量%、Zn:0.2乃至3.0質量%、Mg:0.01乃至0.4質量%、Sn:0.01乃至0.2質量%、P:0.01質量%未満、Ni:0.03質量%以下、Mn:0.03質量%以下を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金を提案し、配線接続用の銅合金において、耐力、導電率、耐応力緩和特性を向上させる技術を提案した。
また、特許文献4及び5において、本願発明者はCu−Fe−P系合金において、組成に加えて、更に、圧延表面における板幅方向の平均結晶粒径を3乃至60μmとすることにより、プレス打ち抜き加工性及び曲げ加工性を向上させる技術を提案した。
特開2001−131657号公報 特開2002−294362号公報 特開2003−321720号公報 特開2000−104131号公報 特開2006−37237号公報
しかしながら、上述の従来技術には、以下に示すような問題点がある。特許文献1乃至3の銅合金においては、組成制御により強度特性を向上させているが、銅合金組織における検討が不十分である。即ち、Cu−Fe−P系合金においては、Fe−P化合物の第二相粒子が析出することにより銅合金の強度特性を向上させることができるが、特許文献1乃至3の技術は、銅合金組織の制御についての検討が不十分であり、Fe−P系析出物を銅合金組織中に分散させるための析出物制御についての検討も不十分である。
特許文献4及び5の技術は、銅合金組織の制御について、圧延表面における平均結晶粒径を所定値に制御することにより、プレス打ち抜き加工性及び曲げ加工性を向上させることが開示されているものの、上述の如く、Cu−Fe−P系合金においては、Cu母相中にFe−P系の第二相粒子が析出した二相組織が形成される。よって、圧延表面における銅合金組織を規定するだけでは、所定の曲げ加工性が得られない場合がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、Cu−Fe−P系銅合金板において、高強度、高導電性、良好な曲げ加工性及び高い耐応力緩和特性を両立させた電気電子部品用銅合金板を提供することを目的とする。
本発明に係る電気電子部品用銅合金板は、Fe:2.5乃至3.5質量%及びP:0.001乃至0.050質量%を含有し、更に、Mg:0質量%以上0.40質量%以下、Sn:0質量%以上1.50質量%以下及びZn:0質量%以上2.0質量%以下であり、残部が銅及び不可避的不純物からなる組成を有し、Cu母相中に第二相粒子が析出した二相組織を有する電気電子部品用銅合金板であって、圧延方向及び板厚方向を含む断面において、前記母相の前記板厚方向における平均結晶粒径Dが2乃至15μmであり、前記母相の前記圧延方向における平均結晶粒径をDとして、前記板厚方向における平均結晶粒径をDに対する比D/Dが1.5以上であり、前記第二相粒子の前記圧延方向における平均結晶粒径をDL2、前記第二相粒子の前記板厚方向における平均結晶粒径をDn2として、比DL2/Dn2が5以下であることを特徴とする。
本発明に係る電気電子部品用銅合金板は、更に、Si:0.01乃至0.10質量%及びNi:0.01乃至0.50質量%からなる群から選択された1種以上を含有する組成を有することが好ましい。また、電気電子部品用銅合金板は、更に、Cr:0.001乃至0.300質量%及びMn:0.01乃至0.50質量%からなる群から選択された1種以上を含有する組成を有することができる。更にまた、電気電子部品用銅合金板は、更に、Sの含有量を0.005質量%以下に規制した組成を有することが好ましい。
上述の電気電子部品用銅合金板は、更に、B、C、P、Ca、V、Ga、Ge、Nb、Mo、Hf、Ta、Bi及びPbからなる群から選択された1種以上を夫々0.0001質量%以上含有し、総量で0.1質量%以下含有する組成を有することができ、更に、Be、Al、Ti、Fe、Co、Zr、Ag、Cd、In、Sb、Te、Au及びNiからなる群から選択された1種以上を夫々0.001質量%以上含有し、総量で0.900質量%以下含有する組成を有することが好ましい。
本発明によれば、Fe及びPを含有し、Cu母相中に第二相粒子が析出した二相組織を有する電気電子部品用銅合金板において、Fe、P、Mg、Sn及びZnの含有量を適正範囲とし、更に、圧延方向及び板厚方向を含む断面において、母相の平均結晶粒径及び各方向における平均結晶粒比、並びに第二相粒子の各方向における平均結晶粒比を適正範囲に規定している。よって、電気電子部品用銅合金板において、Fe−Pの析出物により高強度を得ながら、高導電性、良好な曲げ加工性及び高い耐応力緩和特性を両立させることができる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。本願発明者等は、Cu−Fe−P系合金板において、高強度、高導電性、良好な曲げ加工性及び高い耐応力緩和特性を両立させるべく、種々実験検討を行った。その結果、Fe及びPを所定範囲で添加すれば、Fe−Pの第二相粒子がCu母相中に析出し、これにより、強度特性及び導電性が向上し、Cu合金中に固溶したPにより耐応力緩和特性が向上することを知見した。また、曲げ加工性及び導電率の低下を抑制するためには、Mg、Sn及びZnの添加量を所定範囲とすればよいことを知見した。即ち、本発明の電気電子部品用銅合金板は、Fe:2.5乃至3.5質量%、P:0.001乃至0.050質量%を含有し、更に、Mg:0質量%以上0.40質量%以下、Sn:0質量%以上1.50質量%以下及びZn:0質量%以上2.0質量%以下であり、残部が銅及び不可避的不純物からなる組成を有する。
そして、この二相組織を有するCu−Fe−P系の合金板において、組織制御を適正に行うことにより、電気電子部品用の合金板として曲げ加工性も向上することを知見し、本発明を見出した。即ち、本発明においては、圧延方向及び板厚方向を含む断面において、母相の板厚方向における平均結晶粒径Dは、2乃至15μmであり、母相の圧延方向における平均結晶粒径をDとして、板厚方向における平均結晶粒径Dに対する比D/Dが1.5以上であり、第二相粒子の圧延方向における平均結晶粒径をDL2、第二相粒子の板厚方向における平均結晶粒径をDn2として、比DL2/Dn2が5以下である。
以下、本発明における数値限定理由について説明する。
Fe:2.5乃至3.5質量%
Feは銅合金板の製造工程において、熱処理により、Pと結びついてFe−P系化合物を生成し、銅合金組織内にFe−P系化合物が析出して第二相粒子が形成されることにより、強度特性及び導電性が向上する。また、Feの添加により、銅合金の耐熱性も改善される。更に、Cu合金中にFe単体を分散させることによっても、強度特性が向上する。Feの含有量が2.5質量%を下回ると、銅合金材料の強度特性を向上させる効果を十分に得られなくなる。一方、Feの含有量が3.5質量%を超えると、銅合金板の曲げ加工性が低下しやすくなる。よって、本発明においては、電気電子部品用銅合金に必要な強度特性を得るために、Feの添加量を2.5乃至3.5質量%とする。Feの添加量は、望ましくは2.6乃至3.0質量%である。
P:0.001乃至0.050質量%
Pは銅合金板の製造工程において、熱処理により、Feと結びついてFe−P系化合物を生成し、銅合金組織内にFe−P系の第二相粒子が析出することにより、強度特性及び導電性が向上する。また、Pの添加により、銅合金の耐熱性も改善される。更に、Cu合金に固溶したPは耐応力緩和特性を向上させる。Pの含有量が0.001質量%を下回ると、Fe−P系化合物の生成が不十分となり、銅合金材料の強度特性を向上させる効果を十分に得られなくなり、Pの含有量が0.050質量%を上回ると、銅合金板の導電性、曲げ加工性が低下しやすくなる。よって、本発明においては、電気・電子部品用銅合金に必要な強度特性を得るために、Pの添加量を0.001乃至0.050質量%とする。
母相の板厚方向における平均結晶粒径D :2乃至15μm
端子等の電気電子部品用銅合金に要求される曲げ加工性は、一般的には、平均結晶粒径が小さく、かつ結晶粒径のばらつきが小さいほど良好となる。平均結晶粒径を小さくするためには、再結晶を伴う焼鈍温度を比較的低温に制御する方法があるが、Cu−Fe−P系合金の結晶粒成長は局部的に不均一になることが多く、そのため、ある程度結晶粒を成長させた組織の方が、曲げ加工性の確保には好適である。圧延方向及び板厚方向を含む断面において、母相の板厚方向における平均結晶粒径Dが2μm未満であると、組織中に再結晶前の圧延組織が残留し、曲げ加工性及び耐応力緩和特性が劣化する。また、再結晶後の冷間加工量が大きいことにより、母相の板厚方向における平均結晶粒径Dが2μm未満となる場合においても、組織中に過剰な歪みが蓄積されて曲げ加工性が劣化する。一方、母相の平均結晶粒径Dが15μmを超えると、結晶粒界への応力集中が顕著となり、曲げ加工性が劣化する。よって、本発明においては、母相の板厚方向における平均結晶粒径Dを2乃至15μmとする。母相の板厚方向における平均結晶粒径Dは、望ましくは5乃至10μmである。
母相の板厚方向における平均結晶粒径D に対する圧延方向における平均結晶粒径D の比D /D :1.5以上
銅合金板において、結晶粒の形状は曲げ加工性に大きな影響を与える。即ち、一般的には、圧延が施された銅合金板は、曲げ加工の際に、圧延方向に平行方向の曲げ軸を中心とした曲げ加工(B.W.(Bad Way)曲げ)が施されるが、近時の電気電子部品への小型化への要求から、圧延方向に垂直な(板厚)方向の曲げ軸を中心とした曲げ加工(G.W.(Good Way)曲げ)における加工性の向上も望まれている。よって、本発明においては、特に、G.W.曲げ加工性に優れた銅合金板を得るために、圧延方向及び板厚方向を含む断面において、母相の圧延方向における平均結晶粒径Dを、母相の板厚方向における平均結晶粒径Dに対する比D/Dで1.5以上に制御する。この比D/Dが1.5未満であると、G.W曲げ加工性が低下し、例えば曲げ加工後の銅合金材料の外表面に割れが発生する。
第二相粒子の板厚方向における平均結晶粒径D n2 に対する圧延方向における平均結晶粒径D L2 の比D L2 /D n2 :5以下
Cu−Fe−P系合金においては、Fe−P化合物又はFeが母相中に析出して第二相粒子が形成され、これがCu母相中に分散することによって高い強度特性が得られる。この第二相中のFe−P化合物及びFeに起因する第二相粒子は、銅合金の曲げ加工性に大きく影響を及ぼす。本発明においては、圧延方向及び板厚方向を含む断面において、第二相粒子の圧延方向における平均結晶粒径DL2を板厚方向における平均結晶粒径Dn2に対する比DL2/Dn2で最適化することにより、電気電子部品用材料として使用される銅合金板において、特に、G.W.曲げの際に有用な曲げ加工性が得られる。即ち、第二相粒子の圧延方向における平均結晶粒径DL2は、第二相粒子の板厚方向における平均結晶粒径Dn2に対する比DL2/Dn2が5以下であり、望ましくはDL2/Dn2が4以下、更に望ましくはDL2/Dn2が2以下である。この比DL2/Dn2が5を超えると、例えば曲げ加工後の銅合金材料の外表面に割れが発生する。
Zn:0質量%以上2.0質量%以下
本発明の銅合金材料を電気電子部品に加工した際には、例えばその表面には、Snめっきが施されるが、Znを添加することによって、Snめっきの耐熱剥離性が向上する。このSnめっきの耐熱剥離性を向上させるために、Znを添加する場合には、0.5質量%以上添加することが好ましい。一方、Znの含有量が2.0質量%を超えると、銅合金板の曲げ加工性及び導電率が低下しやすくなるため、Znの含有量は0質量%以上2.0質量%以下とする。
Mg:0質量%以上0.40質量%以下
Mgは組織中に固溶することによって、銅合金板の強度特性及び耐応力緩和特性を向上させる。その効果を得るために、Mgを添加する場合には、0.01質量%以上添加することが好ましい。一方、Mgの添加量が0.40質量%を超えると、曲げ加工性及び導電率が低下しやすくなるため、Mgの含有量は0質量%以上0.40質量%以下とする。また、Mgの添加量は0.05乃至0.40質量%であることが好ましい。
Sn:0質量%以上1.50質量%以下
Snは、Mgと同様に、組織中に固溶することによって、銅合金板の強度特性及び耐応力緩和特性を向上させる。その効果を得るために、Snを添加する場合には、0.03質量%以上添加することが好ましい。一方、Snの添加量が1.50質量%を超えると、曲げ加工性及び導電率が低下しやすくなるため、Snの含有量は0質量%以上1.50質量%以下とする。また、Snの添加量は0.1乃至1.0質量%であることがより好ましく、更に好ましくは0.2乃至0.7質量%である。
Cr:0.001乃至0.300質量%
Crは、銅合金板の熱間加工性を向上させる。その効果を得るために、本発明においては、Crを0.001質量%以上添加することが好ましい。一方、0.300質量%を超えるCrは、銅合金組織中に晶出物を生成させて、銅合金板の曲げ加工性が低下しやすくなる。従って、Crの含有量は0.001乃至0.300質量%であり、更に0.001乃至0.100質量%であることが好ましい。
Mn:0.01乃至0.50質量%
Mnは、銅合金板の熱間加工性を向上させる。その効果を得るために、本発明においては、Mnを0.01質量%以上添加することが好ましい。一方、Mnの添加量が0.50質量%を超えると、銅合金板の導電率が低下しやすくなる。従って、Mnの含有量は0.01乃至0.50質量%であり、更に0.01乃至0.30質量%であることが好ましい。
Si:0.01乃至0.10質量%
Siは、銅合金板の強度特性及び耐応力緩和特性を改善させる。その効果を得るために、本発明においては、Siを0.01質量%以上添加することが好ましい。一方、Siの添加量が0.10質量%を超えると、銅合金板の導電性が低下しやすくなる。従って、Siの含有量は0.01乃至0.10質量%であることが好ましい。
Ni:0.01乃至0.50質量%
Niは、強度特性を改善させるために、0.01質量%以上添加することが好ましい。一方、Niの添加量が0.50質量%を超えると、銅合金板の導電性が低下しやすくなる。従って、Niの含有量は0.01乃至0.50質量%であることが好ましい。
S:0.005質量%以下に規制
Sは、他の固溶元素との間で化合物を形成することにより、銅合金板の耐応力緩和特性及び曲げ加工性を低下させやすくする。そのためSの含有量は0.005質量%以下に規制することが好ましく、更に好ましくは0.002質量%以下に規制する。
B、C、P、Ca、V、Ga、Ge、Nb、Mo、Hf、Ta、Bi及びPb:1種以上を夫々0.0001質量%以上、総量で0.1質量%以下
B、C、P、Ca、V、Ga、Ge、Nb、Mo、Hf、Ta、Bi及びPbの各元素は、プレス打ち抜き性を向上させる作用を有する。その効果を得るために、本発明においては、これらの元素を添加する場合には、1種以上の元素を夫々0.0001質量%以上添加することが好ましい。一方、これらの元素の添加量が総量で0.1質量%を超えると、銅合金板の熱間加工性が低下しやすくなる。従って、上記元素を添加する場合には、1種以上を夫々0.0001質量%以上、総量で0.1質量%以下含有させることが好ましい。
Be、Al、Ti、Fe、Co、Zr、Ag、Cd、In、Sb、Te、Au及びNi:1種以上を夫々0.001質量%以上、総量で0.9質量%以下
Be、Al、Ti、Fe、Co、Zr、Ag、Cd、In、Sb、Te、Au及びNiの各元素は、プレス打ち抜き性を向上させる作用を有する。また、Ti及びZrについては、更に熱間加工性を向上させる効果がある。その効果を得るために、本発明においては、これらの元素を添加する場合には、1種以上の元素を夫々0.001質量%以上添加することが好ましい。一方、これらの元素の添加量が総量で0.9質量%を超えると、熱間及び冷間加工性が低下しやすくなる。従って、上記元素を添加する場合は、1種以上の元素を夫々0.001質量%以上、総量で0.9質量%以下含有させることが好ましい。なお、Be、Al、Ti、Fe、Co、Zr、Ag、Cd、In、Sb、Te、Au及びNiからなる群から選択された1種以上の元素に加えて、B、C、P、Ca、V、Ga、Ge、Nb、Mo、Hf、Ta、Bi及びPbからなる群から選択された1種以上の元素を添加する場合には、これらの元素の添加量は、総量で1.0質量以下とする。
次に、本発明に係る電気電子部品用銅合金板の製造方法について説明する。本発明においては、所定の組成を有する材料を溶解・鋳造し、均熱処理後、熱間圧延により板材に成形し、この熱間圧延後の板材を急冷した後、1回目の冷間圧延(以下、1次冷間圧延)を施す。そして、冷間圧延後の板材に1次焼鈍による熱処理を施した後、2回目の冷間圧延(以下、2次冷間圧延)により、所定形状に成形し、その後、2次焼鈍を施すことにより、銅合金組織内の歪みを除去する。本発明においては、母相及び第二相粒子からなる金属組織において、圧延方向及び板厚方向を含む断面に所望の結晶粒組織を得るために、上記均熱処理工程、熱間加工工程、急冷工程、1次冷間圧延工程、1次焼鈍工程、2次冷間圧延工程及び2次焼鈍工程のうち、特に、均熱処理工程、熱間加工工程、1次焼鈍工程、2次冷間圧延工程及び2次焼鈍工程における処理条件を調整する。以下、各工程について説明する。
均熱処理は850℃以上で10分間以上保持する条件で行い、引き続き、熱間圧延を行う。この熱間圧延は、成形された板材が例えば大気により冷却されても、その実体温度が700℃以上であるうちに終了する。熱間圧延を終了する温度が700℃未満であると、銅合金組織内に析出する第二相粒子が粗大化して、品質の局的なばらつきが生じやすくなる。次に、熱間圧延後の板材を水冷等により急冷する。
次に、急冷後の板材に冷間で1次冷間圧延を施す。この際、圧延加工率は任意であるが、最終的な板材の板厚及び2次冷間加工における圧延加工率に合わせて調節する。
本発明においては、1次冷間圧延後の板材に例えば450乃至650℃で30分間乃至24時間の1次焼鈍処理を施すことにより、金属組織内に析出を伴う再結晶処理を施す。即ち、この焼鈍処理により、金属組織内には、「銅合金組織の再結晶」と「Fe−P系化合物の析出」が同時に発生し、「銅合金組織の再結晶」により、製品の曲げ加工性、耐応力緩和特性が改善され、「Fe−P系化合物の析出」により、製品の導電性、耐熱性及び強度特性が向上する。焼鈍温度が450℃未満又は焼鈍時間が30分未満であると、加熱処理不足により、銅合金内に1次冷間圧延後の組織が残留し、母相の平均結晶粒径が例えば2μm未満となる。よって、銅合金板の曲げ加工性及び耐応力緩和特性が低下する。またFe−P系化合物の析出が不十分となり、銅合金板の導電性、耐熱性及び強度特性が低下する。一方、焼鈍温度が650℃を超えると、銅合金の組織が粗大となり、例えば母相の平均結晶粒径が15μmを超え、その結果、曲げ加工性が低下する。また、Fe−P系化合物が粗大となり、強度特性が低下する。また、焼鈍時間が24時間を超える場合は、エネルギーロスが高くなり経済的に非効率的である。
次に、焼鈍処理後の板材に、2次冷間圧延処理を施す。このときの圧延加工率を所定範囲にすることにより、銅合金組織内における各結晶粒の形状が本発明の範囲となるように調節される。また、2次冷間圧延により、金属組織内に加工歪みが蓄積し、銅合金板の強度特性が改善される。即ち、2次冷間圧延工程における圧延加工率は、例えば25乃至70%である。この2次冷間圧延工程における加工率が25%未満であると、圧延方向及び板厚方向を含む断面において、母相の平均結晶粒径比D/Dが1.5未満となり、G.W曲げ加工性の優位性が得にくくなる。また、圧延により金属組織内に蓄積される歪み量が低下し、十分な強度特性が得にくくなる。2次冷間圧延工程における加工率が70%を超えると、金属組織内に蓄積される歪み量は飽和して、強度特性の向上が得にくくなる一方、例えば第二相粒子の平均結晶粒径比が5を超えるか、又は母相の板厚方向における平均結晶粒径が2μm未満となり、曲げ加工性が著しく低下する。
次に、2次冷間圧延処理後の銅合金板に、250乃至450℃、20乃至1000秒の熱処理条件により歪取り焼鈍を施し、250乃至450℃の低温下で可動する歪の除去を行い、耐応力緩和特性を改善させる。熱処理温度が250℃未満又は熱処理時間が20秒未満の場合には、可動歪の除去が不十分となり、耐応力緩和特性が低下しやすくなる。一方、熱処理温度が450℃を超えるか、又は熱処理時間が1000秒を超える場合には、歪の除去が過剰となり強度特性が低下しやすくなる。
以上のようにして、本発明の電気電子部品用銅合金板が製造される。この銅合金板は、Fe−Pの析出により、強度が高く、また、圧延方向及び板厚方向からなる断面において、母相の平均結晶粒径及び各方向における平均結晶粒比並びに第二相粒子の各方向における平均結晶粒比が所定範囲内であり、高い導電率、良好な曲げ加工性及び高い耐応力緩和特性が両立されたものとなる。
以下、本発明による効果について、本発明を満足する実施例をその比較例と対比して説明する。
(第1実施例)
第1実施例においては、同一の製造条件により製造された電気電子部品用銅合金について、組成又は結晶粒径を変化させた実施例である。先ず、表1−1及び表1−2に示す組成を有する銅合金をクリプトル炉に投入し、大気中、木炭被覆下で溶解・鋳造を行った。次に、鋳塊に950℃の温度で1時間均熱処理を行い、続いて熱間圧延加工を施した。このとき、熱間圧延終了温度を700℃とし、その後、速やかに水冷を行い、厚さ20mmの銅合金板を得た。次に板の両面を1mmずつ面削加工した後、1次冷間圧延加工により、銅合金板の厚さを0.5mmまで圧延した。その後、550℃の温度で240分間焼鈍処理を行い、焼鈍処理後の銅合金板の表面を研磨して酸化物を除去した。引き続き、加工率50%の条件で2次冷間圧延加工を施すことにより、板厚が0.25mmの薄板を得た。この薄板に対して、350℃の温度で60秒の歪取焼鈍を行い、実施例及び比較例の供試材とした。
そして、各実施例及び比較例の供試材から切り出した試験片について、下記の要領にて結晶粒径を測定し、また、引張試験(0.2%耐力測定)、導電率測定、W曲げ試験及び耐応力緩和特性試験に供した。
(結晶粒径の測定)
各試験片を、圧延方向及び板厚方向を含む断面が観察面となるように冷間埋め込み樹脂に埋め込み、2400番の耐水研磨紙で研磨後、1μmのダイヤモンドスプレーを塗布したバフにて仕上げ研磨を行った。そして、研磨後の各試験片をクロム酸及び塩化第二鉄により結晶粒界を腐食させて観察試料を得た。各実施例及び比較例の観察試料について、光学顕微鏡を用いて400倍の倍率の組織写真を得、組織写真から結晶粒径を測定した。板厚方向の結晶粒径は、切断法により、1000μmの範囲における結晶粒径を測定し、その平均値を算出して母相の板厚方向における平均結晶粒径Dとした。また、圧延方向についても、同様の方法により平均結晶粒径Dを算出し、この算出結果を基に、比D/Dを算出した。第二相粒子については、100μm四方の範囲内で観察される直径が1μm以上の結晶粒子について、夫々板厚方向及び圧延方向の粒径を測定し、その平均値を算出して板厚方向における平均結晶粒径Dn2及び圧延方向における平均結晶粒径DL2とし、この算出結果を基に、比DL2/Dn2を算出した。各実施例及び比較例について、母相の圧延方向における平均結晶粒径D及び平均結晶粒径比D/Dと、第二相粒子の平均結晶粒径比DL2/Dn2を表1−2にあわせて示す。
(引張試験)
上記板厚が0.25mmの薄板を、夫々圧延方向に垂直の方向が長手方向となるように、JIS Z2201に規定された5号試験片に加工し、各実施例及び比較例の試験片に対してJIS Z2241に規定された引張試験を行い、各試験片の0.2%耐力を測定した。そして、0.2%耐力が450N/mmであった場合を合格(○)とした。
(導電率測定)
上記板厚が0.25mmの薄板を、夫々圧延方向が長手方向となるように幅10mm、長さ30mmの試験片に加工し、各実施例及び比較例の試験片に対してJIS H0505に規定された非鉄金属材料導電率測定法に準拠し、ダブルブリッジ式電気抵抗測定装置により電気抵抗を測定し、平均断面積法により導電率を算出した。そして、導電率が45%IACS以上であった場合を合格(○)とした。
(W曲げ試験)
各実施例及び比較例の薄板を、夫々圧延方向が長手方向となるようにL.D.(Longitudinal Direction)試験片、及び圧延方向に垂直の方向が長手方向となるようにT.D.(Transverse Direction)試験片に切り出し、幅10mm、長さ30mmの各試験片に対して、JCBA T307に規定されたW曲げ試験を行った。この際、曲げ試験に使用した治具のR部の半径は、0.25mmとした。そして、W曲げ試験後のL.D.試験片及びT.D.試験片について、曲げ部外側の表面を光学顕微鏡(倍率50倍)で観察した。そして、いずれの試験片にも割れが発生しなかった場合を合格(○)と判定し、いずれか一方でも割れが発生した場合を不合格(×)と判定した。
(耐応力緩和特性試験)
各実施例及び比較例の薄板を、夫々圧延方向に垂直の方向が長手方向となるように幅10mm、長さ60mmの短冊状の試験片を切り出し、日本電子材料工業会標準規格EMAS 1011に規定されている片持ち梁方式による応力緩和率の測定を行った。即ち、各試験片について、下記数式1により算出される負荷応力が0.2%耐力の80%の大きさとなるようにスパン長さを設定し、試験片をジグに固定した。
Figure 2012207261
そして、各試験片をジグに固定した状態で、オーブンにより150℃の温度で1000時間の過熱を行った。加熱後のジグから負荷応力を除荷し、除荷後のたわみ変位[mm]を測定し、下記数式2により、応力緩和率を測定した。そして、応力緩和率が30%以下であった場合を耐応力緩和特性が良好(○)であると評価した。
Figure 2012207261
上記各引張試験(0.2%耐力測定)、導電率測定、W曲げ試験及び耐応力緩和特性試験の結果を表2に示す。




























Figure 2012207261
Figure 2012207261
Figure 2012207261
表2に示すように、実施例No.1乃至23は、本発明の範囲を満足するので、0.2%耐力が高く、高導電率、良好な曲げ加工性及び高い耐応力緩和特性を両立できており、電気電子部品用の銅合金板として好適に使用することができる。
この実施例No.1乃至23のうち、実施例No.4乃至23は、Mg及びSnを適量含有することにより、他の実施例に比して、0.2%耐力が大きく、耐応力緩和特性も高かった。
比較例No.24は、Feの含有量が本発明の範囲を超え、また、第二相中における圧延方向及び板厚方向の平均結晶粒径比DL2/Dn2も本発明の範囲を超えたので、曲げ加工性が劣化した。比較例No.25は、Feの含有量が本発明の範囲未満であったため、Fe−P系の第二相の析出を観察できず、銅合金板の0.2%耐力が低下した。
比較例No.26は、Pの含有量が本発明の範囲未満であったため、銅合金板の0.2%耐力及び導電率が低下した。比較例No.27は、Pの含有量が本発明の範囲を超えていたので、銅合金板の曲げ加工性が劣化した。
比較例No.28は、Znの含有量が過多となったことにより、曲げ加工性が劣化した。比較例No.29及び30は、Mg又はSnの含有量が多く、曲げ加工性が低下し、比較例No.30は、Sn量過多により導電率も低下した。
(第2実施例)
第2実施例においては、同一の組成を有する銅合金から製造される銅合金板について、1次冷間圧延後に行う熱処理(1次焼鈍)条件及び2次冷間加工率の変化が、製造される銅合金板の結晶粒径及び各特性に及ぼす影響を調査した。即ち、表3に示すように、本実施例においては、Cu−2.8Fe−0.03P−1.0Zn−0.10Mg−0.10Snの組成を有する銅合金から、第1実施例と同様に、板厚が0.25mmの試験片を製造した。本実施例においては、水冷工程後の面削加工までの加工条件は、第1実施例と同様であり、2次冷間圧延における加工率を変化させるが、最終的な銅合金板の板厚を0.25mmとするために、1次冷間圧延における加工率を95乃至98%の範囲で変化させた。そして、表3に示すように、1次焼鈍における焼鈍条件及び2次冷間圧延における加工率を種々変化させた。そして、製造された各試験片について、第1実施例と同様に結晶粒径を測定し、また、引張試験(0.2%耐力測定)、導電率測定、W曲げ試験及び応力緩和特性試験に供した。結晶粒径の測定値及び各試験結果を表4に示す。なお、評価方法については、第1実施例と同一である。
















Figure 2012207261
Figure 2012207261
表4に示すように、実施例No.31乃至38は、母相の平均結晶粒径D、母相の圧延方向及び板厚方向における平均結晶粒径比D/D、並びに第二相粒子の圧延方向及び板厚方向における平均結晶粒径比DL2/Dn2が本発明の範囲を満足するので、0.2%耐力が高く、高導電率、良好な曲げ加工性及び耐応力緩和特性が得られ、比較例No.39乃至43に比して、1以上の項目で優れていた。このように、本発明においては、組成に加えて、銅合金組織中の結晶粒径を圧延方向及び板厚方向の双方の関係により規定することにより、電気電子部品用の銅合金板として最適な材料を得ることができる。
これに対して、比較例No.39は、1次焼鈍温度が400℃と低く、加熱処理不足により、銅合金内に1次冷間圧延後の組織が残留し、母相の板厚方向における平均結晶粒径Dが小さくなり、これにより、曲げ加工性及び耐応力緩和特性が劣化した。一方、比較例No.40は、1次焼鈍における加熱温度が高く、銅合金の組織が粗大となり、母相の板厚方向における平均結晶粒径Dが16μmまで大きくなり、曲げ加工性が劣化した。
比較例No.41は、1次焼鈍時間が短く、加熱処理不足により、銅合金内に1次冷間圧延後の組織が残留し、母相の板厚方向における平均結晶粒径Dが小さくなり、これにより、曲げ加工性及び耐応力緩和特性が劣化した。また、Cu母相中へのFe−P系の第二相が十分に析出できず、銅合金板の導電率が低下した。
比較例No.42は、2次冷間工程における加工率が小さく、金属組織内における加工歪みの蓄積不足により0.2%耐力が低下した。一方、比較例No.43は、2次冷間工程における加工率が大きく、母相の板厚方向における平均結晶粒径Dが1.8μmまで小さくなり、曲げ加工性が劣化した。

Claims (6)

  1. Fe:2.5乃至3.5質量%及びP:0.001乃至0.050質量%を含有し、更に、Mg:0質量%以上0.40質量%以下、Sn:0質量%以上1.50質量%以下及びZn:0質量%以上2.0質量%以下であり、残部が銅及び不可避的不純物からなる組成を有し、Cu母相中に第二相粒子が析出した二相組織を有する電気電子部品用銅合金板であって、
    圧延方向及び板厚方向を含む断面において、前記母相の前記板厚方向における平均結晶粒径Dが2乃至15μmであり、前記母相の前記圧延方向における平均結晶粒径をDとして、前記板厚方向における平均結晶粒径をDに対する比D/Dが1.5以上であり、前記第二相粒子の前記圧延方向における平均結晶粒径をDL2、前記第二相粒子の前記板厚方向における平均結晶粒径をDn2として、比DL2/Dn2が5以下であることを特徴とする電気電子部品用銅合金板。
  2. 更に、Si:0.01乃至0.10質量%及びNi:0.01乃至0.50質量%からなる群から選択された1種以上を含有する組成を有することを特徴とする請求項1に記載の電気電子部品用銅合金板。
  3. 更に、Cr:0.001乃至0.300質量%及びMn:0.01乃至0.50質量%からなる群から選択された1種以上を含有する組成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気電子部品用銅合金板。
  4. 更に、Sの含有量を0.005質量%以下に規制した組成を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気電子部品用銅合金板。
  5. 更に、B、C、P、Ca、V、Ga、Ge、Nb、Mo、Hf、Ta、Bi及びPbからなる群から選択された1種以上を夫々0.0001質量%以上含有し、総量で0.1質量%以下含有する組成を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気電子部品用銅合金板。
  6. 更に、Be、Al、Ti、Fe、Co、Zr、Ag、Cd、In、Sb、Te、Au及びNiからなる群から選択された1種以上を夫々0.001質量%以上含有し、総量で0.900質量%以下含有する組成を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気電子部品用銅合金板。
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