JP2006299337A - 金属塩の付着した固体材料の洗浄方法 - Google Patents

金属塩の付着した固体材料の洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体材料表面の酸化が抑制された、金属塩の付着した固体材料の洗浄方法の提供。
【解決手段】
金属塩の付着した固体材料を、(1)脱酸素処理及び/又は水素供給処理をされた、水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール又はグリセリン;(2)液体アンモニア;又は(3)該金属塩溶融塩を除く溶融塩(例えば、アルカリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハロゲン化物の単独塩、その混合塩、NHClとZnClとの混合塩など)のいずれかの洗浄液中に投入し、該金属塩を該洗浄液に溶解させて、該金属塩を該固体材料から除去する工程を包含する、固体材料の洗浄方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属塩が付着した固体材料を、該塩を溶解する液体に投入し、該塩を液体中に溶解、除去することによる固体材料の洗浄方法に関するものである。例えば、溶融塩中に存在する金属、合金、化合物等からなる固体材料(バルク、膜、多孔体、微粒子)を、浴から引き上げて回収すると、該固体材料に溶融塩が付着し、該溶融塩を溶解する性質を有する液体に溶融塩が付着した固体材料を投入し、該金属塩を該液体中に分離し、固体材料を洗浄する方法に関する。
溶融塩中で様々な化学反応が進行することが知られており、例えば溶融塩中でめっきをする方法などが知られている(例えば、特許文献1参照)。溶融塩浴中に浸漬した状態にある固体材料を回収した場合、固体材料表面に塩が少なからず付着しており、その塩を除去するために、従来は蒸留水又はエチレングリコールによる洗浄が一般に行われてきた。しかし、従来の洗浄方法では、蒸留水又はエチレングリコールが溶存酸素を含んでいるため、洗浄過程で固体材料の表面に酸化物皮膜が形成される場合があった。特に、固体材料の形状が微粒子である場合や、多孔体のような微細複雑形状である場合には、表面酸化の進行によって材料物性に大きな影響を与える場合もあるため、回収・洗浄時の表面酸化を抑制しつつ、付着した塩を分離又は除去する技術が求められていた。
特開平5−186893号公報
したがって、本発明は、固体材料表面の酸化が抑制された、金属塩の付着した固体材料の洗浄方法の提供を目的とする。
本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、(1)脱酸素処理又は水素供給された、水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール又はグリセリン;(2)液体アンモニア;又は(3)溶融塩で金属材料に付着した金属塩を溶解することによって、固体材料から金属塩を分離できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の洗浄方法を提供するものである。
項1.
金属塩の付着した固体材料を、
(1)脱酸素処理及び/又は水素供給処理をされた、水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール又はグリセリン;
(2)液体アンモニア;又は
(3)該金属塩溶融塩を除く溶融塩
のいずれかの洗浄液中に投入し、該金属塩を該洗浄液に溶解させて、該金属塩を該固体材料から除去する工程を包含する、固体材料の洗浄方法。
項2.洗浄液が(1)脱酸素処理又は水素供給処理をされた、水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール又はグリセリンである項1に記載の固体材料の洗浄方法。
項3.洗浄液が(2)液体アンモニアである項1に記載の固体材料の洗浄方法。
項4.洗浄液が(3)該金属塩溶融塩を除く溶融塩である項1に記載の固体材料の洗浄方法。
項5.溶融塩がアルカリ金属ハロゲン化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物からなる群から選択される1種類の単独塩である項1又は4に記載の固体材料の洗浄方法。
項6.溶融塩がアルカリ金属ハロゲン化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物からなる群から選択される2種類以上の混合塩である項1又は4に記載の固体材料の洗浄方法。
項7.溶融塩がNHClとZnClとの混合塩である項1又は4に記載の固体材料の洗浄方法。
項8.固体材料に付着した金属塩が溶融塩の固化物である項1〜7のいずれかに記載の固体材料の洗浄方法。
なお、本明細書において、脱酸素処理又は水素供給処理をされた水を洗浄液として使用する洗浄方法を「水洗浄」、脱酸素処理又は水素供給処理をされたエチレングリコール、ポリエチレングリコール又はグリセリンを洗浄液として使用する洗浄方法を「非水溶液洗浄」、液体アンモニアを洗浄液として使用する洗浄方法を「液体アンモニア洗浄」、溶融塩を洗浄液として使用する洗浄方法を「溶融塩洗浄」と称することがある。これらの洗浄方法は適宜組み合わせることが可能である。
本発明では、金属塩の付着した固体材料から金属塩を除去する。除去された金属塩を必要に応じて再利用することができる。本発明の固体材料の洗浄方法は、固体材料に付着した金属塩を溶解する液(洗浄液)に固体材料を接触させることにより、該金属塩を溶解し、固体材料から該金属塩を分離するものである。
本発明では、固体材料の融点、昇華点、分解温度及び電極電位に応じて、適切な洗浄方法を選択することができる。固体材料が金属及び/又は非金属(B、C、Si等)を含む場合の、融点あるいは昇華点、分解温度及び電極電位に応じた固体材料の群分けを下記表1に示す。
Figure 2006299337
なお固体材料が合金や化合物である場合にも上表1に記載の融点、昇華点、分解温度及び電極電位に基づき群分けされる。各群に属する金属及び非金属種の例を下記に示す。
第I群:B,C,Si,Fe,Ni,Nb,Ta,W
第II群:Sc,Ti,Y,Zr,Dy,Th
第III群:Cu,Ag,Au,Pr,Eu
第IV群:Ca,La,Nd,U
第V群:Ga,Sn,Pb,Pu
第VI群:Mg,Al,Zn,Cd,Np
本発明において洗浄対象となる固体材料は、金属塩が付着した金属(合金、化合物も含む)製の材料(以下、金属塩付着固体材料と称することがある)であれば制限されない。固体材料の形状も制限はなく、例えば微粒子、粉末、多孔体、成形物、塊状体、平板、薄膜、筒状体などが広く包含される。また、固体材料に付着している金属塩は特に制限されない。例えば、一般に溶融塩中で固体材料を処理した際に付着する金属塩である。このような金属塩としては、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属ホウ酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属ホウ酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属硝酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、遷移金属ハロゲン化物、希土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属チオ硫酸塩、アルカリ金属シアン化物などが例示され、これら金属塩は1種単独でも良いし、2種以上組み合わせても良い。
アルカリ金属ハロゲン化物としては、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、LiCl、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、CsBr、LiI、NaI、KI、RbI、CsI等が例示され、アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、MgF、CaF、SrF、BaF、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MgBr、CaBr、SrBr、BaBr、MgI、CaI、SrI、BaI等が例示される。なお、金属塩付着固体材料には、付着金属塩が分離される限り、金属塩以外の成分が付着していてもよい。
好ましい金属塩付着固体材料は、固体材料に溶融塩処理を施すことによって発生する冷却されて固化した溶融塩の付着した固体材料である。このような固体材料に付着する金属塩としては上記のアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物が例示され、なかでも下記に示す混合溶融塩の固化物が特に好ましい。
塩化リチウム:塩化カリウム=30〜70mol%:70〜30mol%、好ましくは45〜55mol%:55〜45mol%。
塩化リチウム:塩化カリウム:塩化セシウム=57.5:13.3:29.2mol%。
以下、各洗浄方法について説明する。
1.水洗浄
水洗浄は、脱酸素処理をされた水及び/又は水素供給処理をされた水を洗浄液とし、該洗浄液中に金属塩の付着した固体材料を投入し該金属塩を溶解させ、固体材料と金属塩とを分離する工程を包含することを特徴とする。水洗浄では、脱酸素処理及び/又は水素供給処理(以下、酸化防止処理と称することがある)された水中に金属塩が付着した固体材料を投入すると金属塩が溶解する。したがって、本洗浄方法では、洗浄対象となる固体材料の種類は水により悪影響を受けるものでなければよく、特に限定されない。例えば、第I群から第VI群に属する固体材料の洗浄に適用できる。また、固体材料に付着した金属塩は水に溶解するものであればよい。除去対象となる金属塩は、例えばアルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ土類金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ土類金属ヨウ化物、アルカリ金属炭酸塩(リチウム塩を除く)、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属硝酸塩、遷移金属ハロゲン化物、希土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属チオ硫酸塩、アルカリ金属シアン化物である。
水洗浄処理において使用される洗浄液は、脱酸素処理をされた水及び/又は水素供給処理をされた水(酸化防止処理された水)である。脱酸素処理は、水中の溶存酸素を除去する方法であれば広く採用できる。例えば、蒸留を2回以上繰り返して水中の溶存酸素を追い出す方法、水中に不活性ガス(例えばヘリウム、アルゴン、窒素)など)を供給してバブリングする方法などが採用できる。水素供給処理は、水素が還元剤として作用することで、水素を供給する領域での酸化反応を積極的に抑制する方法である。例えば、水中に水素ガスを供給することによって固体材料の酸化は抑制される。水中に水素ガスを供給する際には、水素ガスが小さな気泡となるように供給することが好ましい。水素ガスの供給はバブリングによる方法でも良いし、次のような電解を利用する方法でも良く、特に制限されない。電解を利用する方法は、Ni、Pt、Fe等の水素過電圧の小さい金属製のメッシュを水浴底部に設けて陰極とし、水素ガス拡散電極、白金板、炭素棒などを陽極とし、電解することによって陰極で水素を発生させると、還元作用の強い、非常に小さな水素気泡を水に連続供給できることから、非常に好ましい(図1参照)。この方法では、陽極において酸素が発生するため、固体材料と酸素を分離するための手段を設けることが好ましい。例えば、水浴中にガラスフィルター、イオン交換膜、多孔性セラミックス板などを設置し、陰極側に金属塩付着固体材料を投入する。なお、陽極として水素ガス拡散電極を採用すると酸素が発生しないため好ましい態様であり、固体材料と酸素を分離するための手段は不要となる。また、陽極として水素ガス拡散電極を使用する場合、陰極で水素気泡となって消費される水素イオンを陽極から連続的に供給できる。水素ガス電極は、ニッケルや白金などから成る表面積の大きいメッシュや多孔体、あるいはこれを構造体としその表面に希土類などの触媒が担持されている反応部と、反応部と電気的接触を取るためのリード部、反応部への水素を含むガスの導入路、などを含む電極である。このような電解における電解条件(通電量、電流密度、電流波形など)は洗浄効果が得られる範囲内で適宜設定できる。
水洗浄は不活性ガス及び/又は還元ガス(例えば水素ガス)雰囲気下で行うことが好ましい。洗浄時の水温は、一般に水温の上昇に伴い金属塩の溶解速度が上昇することを考慮すると、通常10〜80℃、好ましくは20〜50℃である。なお、水洗浄時間等の他の洗浄条件は、被洗浄物の量、水温、固体材料に付着した金属塩の種類等に応じて適宜選択できる。さらにまた、金属塩の溶解を促進するため、撹拌、超音波振動などを併用することもできる。
また、洗浄液には、必要に応じて還元剤を添加することができる。還元剤としては水素化ホウ酸ナトリウム、ヒドラジン水溶液などが例示される。また、界面活性剤を添加することによって金属塩の溶解を促進することができる。界面活性剤としては、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが例示される。洗浄液における界面活性剤の濃度は0.05〜0.2重量%程度が好ましい。
水洗浄は、2回以上繰り返すこともできるし、循環する水中で連続的に行うこともできる。洗浄後は、不活性ガス(例えばアルゴン、ヘリウムなど)雰囲気や還元(例えば水素ガスなど)雰囲気で公知の方法により乾燥させて、固体材料を得ることができる。
2.液体アンモニア洗浄
液体アンモニア洗浄は、液体アンモニアを洗浄液とし、該洗浄液中に金属塩の付着した固体材料を投入し該金属塩を液体アンモニアに溶解させ、固体材料と金属塩とを分離する工程を包含することを特徴とする。液体アンモニア洗浄では、液体アンモニア中に金属塩が付着した固体材料を投入すると金属塩が液体アンモニアに溶解する。したがって、本洗浄方法では、洗浄対象となる固体材料の種類は液体アンモニアにより悪影響を受けるものでなければよく、特に限定されない。例えば、第I群から第VI群に属する固体材料の洗浄に適用できる。また、固体材料に付着した金属塩は水に溶解するものであればよい。除去対象となる金属塩は、例えばアルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ土類金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ土類金属ヨウ化物である。
液体アンモニア洗浄において使用される洗浄液は液体アンモニアである。液体アンモニア(沸点;約−33.4℃)を入れた容器をアンモニアが液状を維持する温度、好ましくは−40℃以下、より好ましくは−50℃以下に保持し、液体アンモニアに金属塩付着固体材料を投入し、金属塩を液体アンモニアに溶解する。洗浄時間等の洗浄条件は被洗浄物の量、固体材料に付着した金属塩の種類、洗浄温度等に応じて適宜選択できる。金属塩を溶解後、固体材料を液体アンモニアから取り出し、液体アンモニアの沸点以上の温度に放置することによって固体材料に付着した液体アンモニアが気化し、固体材料を得ることができる。一方、濾過等の固液分離方法によって固体材料を取り出した残りの液体を液体アンモニアの沸点以上の温度に放置することによって、液体アンモニア中に溶解した金属塩を回収することができる。本発明はこのような金属塩の回収方法も包含しうる。なお、固体材料を取り出した際に付着する液体アンモニア中にも微量の金属塩が存在することがあり、この液体アンモニアを気化させて得られる固体材料において該金属塩が存在することがあり、その存在が好ましくない場合には、液体アンモニア洗浄を繰り返すことで該金属塩を除去できるし、水洗浄、非水洗浄により該金属塩を除去することもできる。
本洗浄方法では、極めて低温での処理であることから、固体材料の表面酸化の抑制には非常に有利である。なお、液体アンモニアは一部の金属(例えば、アルミニウム、亜鉛、マンガンなど)に対して腐食性を有するが、そのような金属に付着した金属塩の洗浄に際しては洗浄時間を短くすることによって適応できる。
3.非水洗浄
非水洗浄は、脱酸素処理をされた及び/又は水素供給処理をされたエチレングリコール、ポリエチレングリコール又はグリセリンを洗浄液とし、該洗浄液中に金属塩の付着した固体材料を投入し該金属塩を溶解させ、固体材料と金属塩とを分離する工程を包含することを特徴とする。非水洗浄では、脱酸素処理及び/又は水素供給処理(酸化防止処理)されたエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量1000以下のものが好ましい)又はグリセリン中に金属塩が付着した固体材料を投入すると金属塩が溶解する。したがって、本洗浄方法では洗浄対象となる固体材料の種類は洗浄液により悪影響を受けるものでなければよく、特に限定されない。例えば、第I群から第VI群に属する固体材料の洗浄に適用できる。また、固体材料に付着した金属塩は洗浄液に溶解するものであればよい。除去対象となる金属塩は、例えばアルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ土類金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ土類金属ヨウ化物である。
酸化防止処理としては、水洗浄において記載した処理方法が採用できる。酸化防止処理された洗浄液を容器内に入れ、この洗浄液に金属塩付着固体材料を投入し、金属塩を洗浄液に溶解させる。洗浄時間は被洗浄物の量、固体材料に付着した金属塩の種類、洗浄温度等に応じて適宜選択できる。非水洗浄処理は、不活性ガス及び/又は還元ガス(例えば水素ガス)雰囲気下で行われることによって、固体材料の酸化がより抑制される。なお、非水洗浄は、2回以上繰り返すこともできるし、循環する洗浄液中で連続的に行うこともできる。さらにまた、金属塩の溶解を促進するため、撹拌、超音波振動などを併用することもできる。
非水洗浄後、固体材料を洗浄液から取り出し、不活性ガス(例えば、アルゴン、ヘリウムなど)又は還元(例えば水素ガスなど)雰囲気下にて、洗浄液の沸点以上の温度に加熱することによって固体材料に付着した洗浄液が気化し、固体材料を得ることができる。また、洗浄液から取り出した固体材料を酸化防止処理されたアルコール、アセトンなどの低沸点有機溶媒で洗浄した後、不活性ガス(例えば、アルゴン、ヘリウムなど)又は還元(例えば水素ガスなど)雰囲気下にて、低沸点有機溶媒の沸点以上の温度に加熱することによっても、固体材料に付着した低沸点有機溶媒が気化し、固体材料を得ることができる。
4.溶融塩洗浄
溶融塩洗浄は、溶融塩を洗浄液とし、該洗浄液中に金属塩の付着した固体材料を投入して該金属塩を溶解させ、固体材料と金属塩とを分離する工程を包含することを特徴とする。なお、洗浄液の溶融塩は、除去対象となる金属塩とは相違する金属塩の溶融塩である。
溶融塩洗浄では、洗浄液中に金属塩付着固体材料を投入し洗浄後、固体材料に付着する溶融塩を除去することとなる。すなわち、固体材料に付着した金属塩を溶融塩に置き換え、固体材料に付着した該溶融塩を除去する。溶融塩を除去する方法としては、気化させる方法、水洗浄方法、液体アンモニア洗浄方法、非水洗浄方法などが挙げられる。
固体材料に付着した金属塩が、水洗浄、液体アンモニア洗浄又は非水洗浄によって除去できない金属塩(例えば、LiF、MgF、CaFなど)である場合、金属塩付着固体材料を溶融塩中に投入して金属塩を溶解して固体材料と金属塩を分離するとともに溶融塩の付着した固体材料が得られるが、上記の溶融塩を除去する方法によって除去可能な溶融塩を洗浄液として使用しておくことによって、固体材料から溶融塩を除去することができる。
一方、固体材料に付着した金属塩が、水洗浄、液体アンモニア洗浄又は非水洗浄によって除去できる金属塩である場合には、これらの洗浄方法によって洗浄することも可能であるし、溶融塩洗浄によって金属塩を溶融塩に置き換え、溶融塩を除去して洗浄することも可能である。
したがって、溶融塩洗浄における洗浄液としては、固体材料に付着した金属塩を溶解させ、固体材料の融点よりも高い融点を有し、固体材料に悪影響を与えず、溶融塩を除去する方法によって除去可能な溶融塩を使用する。このような、溶融塩としては、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属ホウ酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属ホウ酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属硝酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、遷移金属ハロゲン化物、希土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属チオ硫酸塩、アルカリ金属シアン化物、ハロゲン化アンモニウムなどが例示され、1種単独で使用することもできるし、2種以上組み合わせて使用することもできる。
アルカリ金属ハロゲン化物としては、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、LiCl、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、CsBr、LiI、NaI、KI、RbI、CsI等が例示され、アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、MgF、CaF、SrF、BaF、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MgBr、CaBr、SrBr、BaBr、MgI、CaI、SrI、BaI等が例示される。アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物以外の溶融塩としては、NHCl、ZnCl、両者の混合塩、AlClなどが例示される。
また、洗浄液として使用する溶融塩は、洗浄後の溶融塩を除去する方法に応じて、適宜選択される。溶融塩を除去する方法が溶融塩を気化させる方法である場合、溶融塩を気化させる際に、必要に応じて減圧下で、溶融塩を気化させて除去することとなる。したがって、洗浄液として使用する溶融塩は、蒸気圧の高い塩が好ましい。この場合、好ましい溶融塩としては、LiCl、LiBr、LiI、NaCl、NaBr、NaI、KCl、KBr、KI、CsCl、CsBr、CsI、MgCl、CaBrなどの単独塩、NHClとZnClとの混合塩などが例示され、より好ましくはLiCl、LiBr、LiIの単独塩、NHClとZnClとの混合塩である。
溶融塩を除去する方法が水洗浄、液体アンモニア洗浄又は非水洗浄である場合、溶融塩洗浄により固体材料に付着する溶融塩がこれらの洗浄方法により除去されることとなる。したがって、洗浄液として使用する溶融塩は、これらの溶融塩を除去する方法において洗浄可能な金属塩の溶融塩を使用する。この場合、洗浄液として好ましい溶融塩は、上記の水洗浄、液体アンモニア洗浄、非水洗浄の説明において洗浄対象となる金属塩の溶融塩である。
洗浄液は、酸化防止処理されていることが、固体材料の酸化防止の点から望ましい。酸化防止処理は、水洗浄において記載した処理方法を溶融塩に適用することによって可能である。また、溶融塩洗浄では、LiHを添加することでHを生成させ、このHの酸化反応により陽極で水素を発生させる(図3)また、溶融塩洗浄処理は、不活性ガス(例えばアルゴンガス、窒素ガス)及び/又は還元ガス(例えば水素ガス)雰囲気下で行われることによって、固体材料の酸化がより抑制される。なお、溶融塩洗浄は、2回以上繰り返すこともできるし、循環する洗浄液中で連続的に行うこともできる。さらにまた、金属塩の溶解を促進するため、撹拌、超音波振動などを併用することもできる。
さらに、溶融塩にLiH、LiNなどの還元性を有する化合物を添加することが望ましい。ただし、NHCl、ZnCl、MgClを含む溶融塩中にLiH、LiNを添加するとNH の還元、Zn(II)の還元が起こるため、その添加は行わない方がよい。還元性を有する化合物の添加量は溶融塩中、通常0.01〜10mol%、好ましくは0.1〜5mol%である。
以下、溶融塩洗浄の代表的な洗浄方法である、単独溶融塩洗浄、混合溶融塩洗浄、NHCl−ZnClの混合溶融塩について説明する。
5.単独溶融塩
単独溶融塩洗浄は、金属塩の付着した固体材料を、単独塩の溶融塩洗浄液中に投入し、該金属塩を該洗浄液に溶解させて、該金属塩を該固体材料から除去する工程を包含する、固体材料の洗浄方法である。本洗浄方法において、リチウムハロゲン化物(LiCl、LiBr、LiIなど)溶融塩を洗浄液として使用した場合には、溶融塩洗浄後に固体材料に付着する溶融塩(リチウムハロゲン化物)を気化させることが可能であることから、上記の水洗浄、液体アンモニア洗浄又は非水洗浄を必ずしも必要としない。このため、固体材料又は固体材料に付着した金属塩が、上記の水洗浄、液体アンモニア洗浄又は非水洗浄によって洗浄できないものである場合であっても、リチウムハロゲン化物を洗浄液として使用する溶融塩洗浄によって洗浄することが可能である。
本洗浄方法において洗浄液として使用される溶融塩は、1種類の単独塩であり、その例示としては、溶融塩洗浄における説明が参照される。また、本洗浄方法では、洗浄液である単独溶融塩を、単独溶融塩の溶融する温度より高い温度(好ましくは融点より10℃〜400℃高い温度、より好ましくは融点より30℃〜250℃高い温度)で、固体材料の融点、昇華点及び分解温度より低い温度に保持する。例えば、溶融塩としてLiClを使用する際には630℃程度に保持し、LiBrを使用する際には560℃程度に保持し、LiIを使用する際には480℃程度に保持する。
特に、洗浄液にLiH、LiNなどの還元性を有する化合物を添加し、Ni、Pt、Fe等の水素過電圧の小さい金属製のメッシュを浴底部に設けて陽極とし、水素ガス電極、Al板、炭素棒などを陰極とし、電解することによって水素を発生させると、還元力の強い、非常に小さな水素気泡を溶融塩に連続供給できることから、非常に好ましい(図3参照)。陰極として面積の大きなAl板や炭素棒を使用する場合、陰極における還元によって生成するLiがAl−Li合金やC−Li化合物として固定化される。また、陰極として水素ガス電極を使用する場合、陽極で水素気泡となって消費される水素化物イオン(H)を陰極から連続的に供給できる。水素ガス電極は、水洗浄における説明が参照される。このような電解における電解条件(通電量、電流密度、電流波形など)は洗浄効果が得られる範囲内で適宜設定できる。
上記工程により処理された固体材料は冷却されると溶融塩が若干付着するため、溶融塩を除去する工程を設ける。溶融塩を除去する工程としては、例えば、溶融塩を気化させる方法、水洗浄、液体アンモニア洗浄、非水洗浄などが採用できる。洗浄液としてリチウムハロゲン化物を使用した場合であれば、リチウムハロゲン化物塩の付着した固体材料を通常800〜1200℃、好ましくは800〜1000℃の不活性ガス(好ましくはアルゴンガスや窒素ガス)雰囲気下で加熱処理することによってリチウムハロゲン化物塩を気化させ、固体材料から分離することができる。気化させる方法は、減圧下で行うと除去速度が大きくなるため好ましい。また、水素等を含む還元性ガス雰囲気下で行うと、材料表面の酸化を抑制するため好ましい。加熱処理時間は固体材料の融点あるいは分解温度、リチウムハロゲン化物塩の量、加熱温度等に応じて適宜設定できる。水洗浄、液体アンモニア洗浄及び非水洗浄については各洗浄方法についての説明が参照される。
また、溶融塩を除去するために溶融塩を気化させる方法を採用する場合には、上記のように、気化のための温度が通常800℃以上となることから、固体材料はこのような高温によって変質等の悪影響を受けないものが使用できる。例えば、上記第I群又は第II群に属する金属製の固体材料が挙げられる。
6.混合溶融塩洗浄
混合溶融塩洗浄は、金属塩の付着した固体材料を、混合塩の溶融塩洗浄液中に投入し、該金属塩を該洗浄液に溶解させて、該金属塩を該固体材料から除去する工程を包含する、固体材料の洗浄方法である
混合溶融塩中に金属塩付着固体材料を投入すると固体材料に付着した金属塩が溶解して溶融塩中に分離される。したがって、本洗浄方法は混合溶融塩温度より高い温度の融点・あるいは分解温度を有する固体材料の洗浄、例えば第I群〜第IV群に属する金属製の固体材料の洗浄に適する。
混合溶融塩は、2種以上の金属塩の溶融塩であり、その例示としては、溶融塩洗浄における説明が参照される。好ましくは、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属臭化物、アルカリ土類金属ヨウ化物、NHCl、ZnClなどから選択される2種以上の溶融塩である。好ましい混合溶融塩はLiCl及びKClの混合溶融塩、LiBr及びKBrの混合溶融塩、LiI及びKIの混合溶融塩、NHCl及びZnClの混合塩であり、特に下記組成の混合溶融塩が好ましい。なお、NHCl及びZnClの混合塩による洗浄については別途項目を設けて説明する。
LiCl:KCl=45〜75mol%:55〜25mol%、好ましくは55〜65mol%:45〜35mol%。
LiBr:KBr=50〜80mol%:50〜20mol%、好ましくは60〜70mol%:40〜30mol%。
LiI:KI=45〜75mol%:55〜25mol%、好ましくは55〜65mol%:45〜35mol%。
混合溶融塩を使用する前に、酸化防止処理を行っておくことが、酸化防止の観点から望ましい。
本洗浄方法では、混合溶融塩の入った浴を、混合溶融塩の溶融する温度より高い温度で固体材料の融点より低い温度(好ましくは融点より10℃〜400℃高い温度、より好ましくは融点より20℃〜250℃高い温度)で、固体材料の融点、昇華点及び分解温度より低い温度に保持する。例えば、LiBr−KBr(68:32mol%;融点320℃)を使用する際には350℃程度に保持し、LiI−KI(60:40mol%;融点260℃)を使用する際には280℃程度に保持する。
特に、単独溶融塩の場合と同様に、洗浄液にLiH、LiNなどの還元性を有する化合物を添加し、Ni、Pt、Fe等の水素過電圧の小さい金属製のメッシュを浴底部に設けて陽極とし、水素ガス電極、Al板、炭素棒などを陰極とし、電解することによって水素を発生させると、還元力の強い、非常に小さな水素気泡を溶融塩に連続供給できることから、非常に好ましい(図3参照)。なお、洗浄液がリチウムを含まない溶融塩の場合であって、KやNaが析出する場合には陰極として炭素棒を使用することが好ましい。
上記工程により処理された固体材料は冷却されると混合溶融塩が若干付着するため、混合溶融塩を除去する工程を設ける。混合溶融塩を除去する工程としては、例えば、水洗浄、液体アンモニア洗浄、非水洗浄などが採用できる。特に、金属ハロゲン化物が液体アンモニアに対する溶解度が大きいため、溶融塩として金属ハロゲン化物を使用する場合には、液体アンモニア洗浄が好ましい。水洗浄、液体アンモニア洗浄及び非水洗浄については各洗浄方法についての説明が参照される。
7.NH Cl−ZnCl の混合溶融塩
NHCl−ZnCl混合溶融塩融塩洗浄は、金属塩の付着した固体材料を、NHCl溶融塩及びZnClの混合塩の溶融洗浄液中に投入し、該金属塩を該洗浄液に溶解させて、該金属塩を該固体材料から除去する工程を包含する、固体材料の洗浄方法である。
NHCl−ZnCl混合溶融塩中に金属塩が付着した卑な金属材料を投入すると、卑な金属が酸化され陽イオンとなって溶融塩中に溶け出し、アンモニウムウイオン(NH )とZn(II)イオンが還元される。したがって、本洗浄方法は貴な金属材料の洗浄、すなわち第I群、第III群、第V群に属する金属製の金属材料の洗浄に適する。また、NHCl−ZnCl混合溶融塩を使用すると洗浄時の温度を200〜300℃程度と比較的低温とすることが可能であり、上記のリチウムハロゲン化物溶融塩洗浄、混合溶融塩洗浄と比較して低いことから、より融点の低い固体材料の洗浄が可能である。
本洗浄方法において使用される混合溶融塩を構成するNHCl及びZnClの含有量は洗浄効果を損なわない限り特に制限されないが、好ましくはNHCl:ZnCl=30〜60mol%:70〜40mol%、より好ましくは40〜50mol%:60〜50mol%である。
本洗浄方法では、混合溶融塩の入った浴を、混合溶融塩の溶融する温度より高い温度で固体材料の融点より低い温度(好ましくは融点より10〜200℃高い温度、より好ましくは融点より20〜150℃高い温度)に保持する。例えば、NHCl−ZnCl(46:54mol%;融点180℃)を使用する際には200℃程度に保持する。
また、本洗浄方法では、混合溶融塩処理を還元ガス(例えば水素ガス)雰囲気下で行えば、固体材料の酸化はより抑制される。さらに、溶融塩中にエアーポンプ等により水素ガスを供給することによって固体材料の酸化はよりいっそう抑制される。特に、水素気泡を混合溶融塩に連続供給できることから、非常に好ましい。
また、本洗浄方法では、洗浄によって固体材料から分離されて混合溶融塩中に存在する金属塩を混合溶融塩から分離することもできる。例えば浴温を300℃程度に保持し、混合溶融塩の一部に200℃程度に保持された冷却部を設けると、固体材料に付着した金属塩は300℃程度の混合溶融塩に溶融し、200℃程度の冷却部で析出する。
したがって、本洗浄方法において金属塩の分離又は回収をも目的とする場合には、混合溶融塩中に温度差を設ける構成とすることができる。このような構成において、冷却部とそれ以外の混合溶融塩の温度差は通常20〜200℃、好ましくは50〜150℃である。また冷却部の温度は、通常180〜250℃、好ましくは180〜220℃であり、それ以外の混合溶融塩の温度は、通常270〜400℃、好ましくは280〜320℃である。冷却部の構成は、溶融塩を冷却でき、金属塩の析出を許容できるものであれば特に制限されない。例えば試験管形状の金属管(例えばアルミナ管)を混合溶融塩中に浸漬し、金属管を冷却するために金属管内に空気又は不活性ガス(例えばアルゴンガス)を供給し、金属管温度を金属塩が析出する温度に制御することによって冷却部とすることができる(図4参照)。このような冷却部を設けた混合溶融塩中に金属塩付着固体材料を投入すると、溶融した金属塩が金属管(冷却部)で析出する。
上記工程により処理された固体材料は冷却されると混合溶融塩が若干付着するため、混合溶融塩を除去する工程を設ける。混合溶融塩を除去する工程としては、例えば、混合溶融塩を気化させる方法、水洗浄、非水洗浄などが採用できる。
混合溶融塩を気化させる方法では、混合溶融塩が溶融状態のまま付着した固体材料から混合溶融塩を除去する。溶融状態の混合溶融塩の付着した固体材料を、減圧下、400〜700℃、好ましくは400〜600℃に加熱処理することによって混合溶融塩を気化させ、固体材料から分離することができる(図4右下参照)。
さらに、混合溶融塩を気化させる方法では、気化した混合溶融塩を冷却(300℃以下、好ましくは0〜170℃)することによって液化もしくは固化したNHCl−ZnCl金属塩を回収することができる(図4右下参照)。本発明はこのようなNHCl−ZnCl金属塩の回収方法も包含しうる。さらに、上記の冷却部を設ける構成とした場合には、上記と同様な加熱処理で混合溶融塩を気化させることにより冷却部に析出した金属塩と混合溶融塩とを分離し、析出した金属塩を回収できる。さらに気化した塩を固化温度まで冷却することによりNHCl−ZnCl金属塩を回収できる。なお、この場合、混合溶融塩中に存在する固体材料は沈降、遠心分離、濾過などの方法で予め分離しておくことが好ましい。本発明はこのような固体材料に付着した金属塩の回収方法及びNHCl−ZnCl金属塩の回収方法も包含しうる。
本発明によれば、固体材料の表面酸化を抑制しつつ、固体材料に付着した金属塩を除去できる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1:NH Cl−ZnCl 混合溶融塩洗浄
図4に概略図として示されたNHCl−ZnCl溶融塩洗浄装置を使用し、固体材料の洗浄を行った。100gのNHCl−ZnCl(46:54mol%)をアルゴン雰囲気下、300℃で保持し、緩やかなアルゴンバブリングを12時間行った。NHCl−ZnCl溶融塩中に、アルミナ管(φ15mm)を浸漬させ、管内へアルゴンガスをフローさせることでこのアルミナ管を冷却し、管内温度が180℃となるように設定した。
別途、LiCl−KCl塩(10g)を400℃で加熱して溶融し、ここに1gのCu微粒子(平均粒径1μm)を添加し、冷却固化させて塩付着固体材料を製造した。この塩付着固体材料を冷却部の設けられたNHCl−ZnCl溶融塩中に添加した。塩付着固体材料添加後、2時間が経過した時点で、アルミナ管を引き上げた。アルミナ管表面には白い析出物が付着していた。このアルミナ管を450℃の真空容器内で5時間保持した後、乾燥雰囲気中で白い析出物を回収した。回収された析出物の重量を測定した後、X線回折により分析したところ、LiClに帰属されるピーク及びKClに帰属されるピークが確認された。重量測定の結果、固体材料に付着していたLiCl−KCl塩の95%がアルミナ管を用いた冷却部で析出していた。
実施例2:水洗浄
イオン交換膜を使用しない点、陽極をパイレックス管で多い、管の底にガラスフィルターを固定した点以外は、図1に概略図として示された水洗浄装置と同じ装置を使用し、固体材料の洗浄を行った。
ビーカーの底に白金メッシュ(30×30、100メッシュ)を沈めてこれを陰極とし、陽極にはグラッシーカーボン電極を用いて、定電流電解により白金メッシュから小さな水素気泡を連続的に発生させた。なお、陽極は、パイレックス管で覆いをし、管の底にガラスフィルターを固定することで、発生する酸素ガスが洗浄浴に広がりにくい構造とした。
アルゴン雰囲気下の簡易グローブボックス内で、500ccの蒸留水をビーカーに用意し、脱酸素処理として、流量100cc/分で5 k秒以上でアルゴンバブリングを行い、脱酸素処理水(Ar)を製造した。アルゴン及び水素混合ガス(10%)を使用し同様にして脱酸素処理を行い、脱酸素処理水(Ar+H)を製造した。また、脱酸素処理を行わなかった蒸留水(未脱酸素処理水)を用意した。なお、脱酸素処理水はともに、溶存酸素濃度が0.3mg/l以下にまで低下していた。また、この脱酸素処理を行った蒸留水(脱酸素処理水)を大気中に12時間晒すと、飽和に近い8mg/lまで酸素濃度は上昇した。
別途、LiCl−KCl塩(10g)を400℃で加熱して溶融し、ここに1gのCu微粒子(平均粒径1μm)を添加し、冷却固化させて塩付着固体材料とした。この塩付着固体材料を各ビーカーに添加した。1時間の洗浄、遠心分離、洗浄液の交換を1サイクルとし、このサイクルを2回繰り返した後、水中から固体材料を取り出し、室温で真空乾燥して回収して、固体材料(Cu微粉末)を得た。脱酸素処理水(Ar)又は脱酸素処理水(Ar+H)による洗浄によって得られたCu微粒子は、洗浄前と同じく明るい金色を呈していた。これに対し、未脱酸素処理水による洗浄によって得られたCu微粒子は黒ずんだ色を呈していた。
これらのCu微粒子表面をXPSにより分析した結果を図5に示す。なお、深さ方向の酸化状態の変化を見るために、微粒子表面にアルゴンイオンでスパッタリングを施した(100秒間×2回)。このような微粒子にスパッタリングを施した場合、全ての微粒子の表面が均等にスパッタされるわけではないので、酸化物の組成を定量的に評価することはできないものの、酸化層の厚みや、酸素濃度の定性的な比較であれば可能である。未脱酸素処理水で洗浄したCu微粒子の場合、Cu2pの結合エネルギーにおいて、CuO、CuOのものと見られる結合エネルギーのシフトが見られ、スパッタリング後もショルダーとして残っている。200秒間のスパッタリングで、酸化物の存在はかなり減少していることから、酸化物相自体は、数nm程度の薄いものであると考えられる。従って、高温の溶融塩中で酸化されたものではなく、その後の洗浄過程において酸化されたと言える。一方、脱酸素処理水(Ar)で洗浄したCu微粒子の場合には、最表面には僅かながらCuOの存在が確認されるが、100秒間のスパッタリングにより酸化物は消失している。水素を含有する脱酸素処理水(Ar+H)で洗浄したCu微粒子の場合には、酸化物の存在は殆ど確認できない。以上の結果から、脱酸素処理を施した蒸留水で洗浄することにより、洗浄時における材料表面の酸化が抑制されること、さらに還元雰囲気で脱酸素処理を施した蒸留水で洗浄することで、その抑制効果がさらに増すことが分かった。
実施例3:液体アンモニア洗浄
図2に概略図として示された液体アンモニア洗浄装置を使用し、固体材料の洗浄を行った。まず、ドライアイスで冷却したパイレックス製容器Aに液体アンモニア30ccを保持した(図2(1))。別途、LiCl−KCl塩(10g)を400℃で加熱して溶融し、ここに1gのNi微粒子(平均粒径1μm)を添加し、冷却固化させて塩付着固体材料を製造した。この塩付着固体材料を容器B内に保持し、容器Aから液体アンモニアをコンデンスした(図2(2))。LiCl−KClが目視で確認できなくなるまで洗浄した後、パイレックス製パイプで接続したパイレックス容器Cに、液体アンモニア上澄みを、Ni微粒子が混入しないように移した(図2(3))。容器Bには、Ni微粒子の容器Cへの移動を防ぐためのストッパーが内部に設置されている。続いて、容器B、Cを真空排気したところ、容器Bには主にNi微粒子が、容器Cには白色物質が得られた。この白色物質は、XRD分析の結果LiClおよびKClであることが確認され、容器C内に回収されたLiClおよびKClの総量は9.9gであった。
実施例4:非水洗浄
アルゴン雰囲気下の簡易グローブボックス内で、100ccのエチレングリコールをビーカーに用意し、5時間のアルゴンバブリングによる脱酸素処理を行った。別途、LiCl−KCl塩(10g)を400℃で加熱して溶融し、ここに1gのCu微粒子(平均粒径1μm)を添加し、冷却固化させて塩付着固体材料を準備した。この塩付着固体材料を、上記の脱酸素処理を施したエチレングリコール中に添加し、アルゴン雰囲気下の簡易グローブボックス内で、50℃で撹拌しつつ洗浄を行った。2時間の洗浄、遠心分離、洗浄液の交換を1サイクルとし、このサイクルを2回繰り返した後、エチレングリコール中に残ったCu微粒子を取り出し、室温で真空乾燥して回収した。また、これとは別に、脱酸素処理を行わなかったエチレングリコールを用いて上記と同じ洗浄を行って回収したCu微粒子も用意した。
脱酸素処理を施したエチレングリコールで洗浄を行ったCu微粒子は、溶融塩中に投入前のものと同じく、明るい金色を呈していた。脱酸素処理を行わなかったエチレングリコールで洗浄を行ったCu微粒子は、僅かに黒ずんだ色となっていた。
実施例1と同様にして、Cu微粒子表面をXPSにより分析したところ、脱酸素処理されたエチレングリコールで洗浄を行ったCu微粒子では酸化物の存在は殆ど確認できなかった。一方、脱酸素処理されていないエチレングリコールで洗浄を行ったCu微粒子については、未脱酸素処理水で洗浄したものに見られたCuOの存在はほとんど確認できなかったが、200秒のスパッタリング後もCuOの存在が確認された。以上の結果から、脱酸素処理を施したエチレングリコールで洗浄することにより、洗浄時における固体材料表面の酸化が抑制されることが分かった。
本発明の洗浄方法は、金属塩の付着した固体材料の洗浄に関する分野、金属塩の回収又は再利用に関する分野に適用できる。
図1は、水洗浄の一実施態様に使用される装置の概略図である。 図2は、液体アンモニウム洗浄の一実施態様に使用される装置の概略図である。 図3は、リチウムハロゲン化物溶融塩洗浄の一実施態様に使用される装置の概略図である。 図4は、NHCl−ZnCl溶融塩洗浄の一実施態様に使用される装置の概略図である。 図5は、実施例2において測定されたXPSの測定結果を表す。縦軸は強度(任意単位)を示し、横軸は結合エネルギー(eV)を示す。▽はCu、■はCu2O、●はCuOを示す。

Claims (8)

  1. 金属塩の付着した固体材料を、
    (1)脱酸素処理及び/又は水素供給処理をされた、水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール又はグリセリン;
    (2)液体アンモニア;又は
    (3)該金属塩溶融塩を除く溶融塩
    のいずれかの洗浄液中に投入し、該金属塩を該洗浄液に溶解させて、該金属塩を該固体材料から除去する工程を包含する、固体材料の洗浄方法。
  2. 洗浄液が(1)脱酸素処理又は水素供給処理をされた、水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール又はグリセリンである請求項1に記載の固体材料の洗浄方法。
  3. 洗浄液が(2)液体アンモニアである請求項1に記載の固体材料の洗浄方法。
  4. 洗浄液が(3)該金属塩溶融塩を除く溶融塩である請求項1に記載の固体材料の洗浄方法。
  5. 溶融塩がアルカリ金属ハロゲン化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物からなる群から選択される1種類の単独塩である請求項1又は4に記載の固体材料の洗浄方法。
  6. 溶融塩がアルカリ金属ハロゲン化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物からなる群から選択される2種類以上の混合塩である請求項1又は4に記載の固体材料の洗浄方法。
  7. 溶融塩がNHClとZnClとの混合塩である請求項1又は4に記載の固体材料の洗浄方法。
  8. 固体材料に付着した金属塩が溶融塩の固化物である請求項1〜7のいずれかに記載の固体材料の洗浄方法。
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