JP2006299172A - 気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物およびその利用 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐熱クリープ性および耐寒圧縮性のバランスが良好な気泡を有する成形体を低コストで製造できる技術を提供する。
【解決手段】 平均粒子径が3〜50μmである水膨潤性合成無機層状珪酸塩および平均粒子径が300nm以下である疎水性樹脂が水性媒体に分散された水性分散体を主成分として含む、気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物。該エマルジョン組成物に気体を分散させることにより得られる気泡を有する組成物。該気泡を有する組成物を乾燥させることを特徴とする気泡を有する成形体の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 平均粒子径が3〜50μmである水膨潤性合成無機層状珪酸塩および平均粒子径が300nm以下である疎水性樹脂が水性媒体に分散された水性分散体を主成分として含む、気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物。該エマルジョン組成物に気体を分散させることにより得られる気泡を有する組成物。該気泡を有する組成物を乾燥させることを特徴とする気泡を有する成形体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、気泡を有する成形体を製造するためのエマルジョン組成物、上記エマルジョン組成物に気泡が分散された組成物および上記気泡が分散された組成物を原料とした気泡を有する成形体の製造方法に関するものである。
樹脂中に気体が分散された、気泡を有する成形体は発泡体とも呼ばれ、金属、プラスチック、木材、合板、カーペット等の接合材、建材、内装材、壁紙、断熱材、防音材、制振材、家電用保護材などとして、広く利用されている。
樹脂としては、ゴム、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、ポリウレタン、熱硬化性樹脂等の種々のものが知られているが、安価で環境汚染上問題の少ないアクリルエマルジョンやSBRラテックス等の水性エマルジョン組成物が多用されている(特許文献1、2および3)。
気泡を有する成形体の製造方法は、発泡剤を使う化学的発泡法と、物理的に気体を混合させたものをそのまま成型する物理的発泡法の二種類に大別される。
化学的発泡法は、熱膨張性液体をマイクロカプセル中に封入した微小球体を用いることにより製造されるのが主流である。しかし、微小球体が大変高価であり、気泡を有する成形体の製造コストが高くなる。
物理的発泡法は、エマルジョン組成物に機械的発泡操作を施し、多量の気体を分散せしめた上でこれを塗布、乾燥し、低コストで発泡体を得る方法である。しかしながら、機械発泡させたものを加熱乾燥させると、気泡同士が合一凝集を起し、気泡が大きくなって強度が低下したり、さらには気泡が抜けて発泡体の体積が小さくなりやすいという問題がある。特に生産性を高めようと高温で加熱乾燥させると上記問題の発生が顕著になる。
アクリルやSBR等のビニル重合体エマルションを原料とした気泡を有する成形体は、耐熱クリープ性が低く、へたりと呼ばれる体積減少を起こす場合があるため、使用温度が高い条件・用途では使用が制限される。これを改良する為に、特許文献3には、樹脂に架橋構造を導入することが開示されているが、架橋剤量が多すぎると貯蔵安定性が悪く、架橋剤量が少ないと耐熱クリープ性が不十分となるのでバランスをとることが難しい。
また、耐熱性改良のために架橋構造を導入したり、樹脂のガラス転移温度を上げたりすると、気泡を有する成形体が低温において脆いものとなり、耐寒圧縮性が低下するという問題もある。
すなわち、耐熱クリープ性および耐寒圧縮性のバランスが良好な気泡を有する成形体を低コストで製造できる技術が求められていた。
樹脂としては、ゴム、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、ポリウレタン、熱硬化性樹脂等の種々のものが知られているが、安価で環境汚染上問題の少ないアクリルエマルジョンやSBRラテックス等の水性エマルジョン組成物が多用されている(特許文献1、2および3)。
気泡を有する成形体の製造方法は、発泡剤を使う化学的発泡法と、物理的に気体を混合させたものをそのまま成型する物理的発泡法の二種類に大別される。
化学的発泡法は、熱膨張性液体をマイクロカプセル中に封入した微小球体を用いることにより製造されるのが主流である。しかし、微小球体が大変高価であり、気泡を有する成形体の製造コストが高くなる。
物理的発泡法は、エマルジョン組成物に機械的発泡操作を施し、多量の気体を分散せしめた上でこれを塗布、乾燥し、低コストで発泡体を得る方法である。しかしながら、機械発泡させたものを加熱乾燥させると、気泡同士が合一凝集を起し、気泡が大きくなって強度が低下したり、さらには気泡が抜けて発泡体の体積が小さくなりやすいという問題がある。特に生産性を高めようと高温で加熱乾燥させると上記問題の発生が顕著になる。
アクリルやSBR等のビニル重合体エマルションを原料とした気泡を有する成形体は、耐熱クリープ性が低く、へたりと呼ばれる体積減少を起こす場合があるため、使用温度が高い条件・用途では使用が制限される。これを改良する為に、特許文献3には、樹脂に架橋構造を導入することが開示されているが、架橋剤量が多すぎると貯蔵安定性が悪く、架橋剤量が少ないと耐熱クリープ性が不十分となるのでバランスをとることが難しい。
また、耐熱性改良のために架橋構造を導入したり、樹脂のガラス転移温度を上げたりすると、気泡を有する成形体が低温において脆いものとなり、耐寒圧縮性が低下するという問題もある。
すなわち、耐熱クリープ性および耐寒圧縮性のバランスが良好な気泡を有する成形体を低コストで製造できる技術が求められていた。
本発明は、耐熱クリープ性および耐寒圧縮性のバランスが良好な気泡を有する成形体を低コストで製造できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、平均粒子径が3〜50μmである水膨潤性合成無機層状珪酸塩および平均粒子径が300nm以下である疎水性樹脂が水性媒体に分散された水性分散体を主成分として含むものである。
請求項11に記載の発明の気泡を有する組成物の製造方法は、請求項1〜10のいずれかに記載のエマルジョン組成物に気体を分散させることを特徴とする。
請求項12に記載の発明の気泡を有する組成物は、請求項1〜10のいずれかに記載のエマルジョン組成物に気体を分散させることにより得られるものである。
請求項14に記載の発明の気泡を有する成形体の製造方法は、請求項12または13に記載の組成物を乾燥させることを特徴とする。
請求項11に記載の発明の気泡を有する組成物の製造方法は、請求項1〜10のいずれかに記載のエマルジョン組成物に気体を分散させることを特徴とする。
請求項12に記載の発明の気泡を有する組成物は、請求項1〜10のいずれかに記載のエマルジョン組成物に気体を分散させることにより得られるものである。
請求項14に記載の発明の気泡を有する成形体の製造方法は、請求項12または13に記載の組成物を乾燥させることを特徴とする。
耐熱クリープ性および耐寒圧縮性のバランスが良好な気泡を有する成形体を低コストで製造できた。
本発明の気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、特定の水膨潤性合成無機層状珪酸塩および特定の疎水性樹脂が水性媒体に分散された水性分散体を主成分として含有する。
水膨潤性合成無機層状珪酸塩は、ケイ酸で構成される四面体シート層、アルミニウムやマグネシウムなどを含む八面体シート層およびケイ酸で構成される四面体シート層が積み重なって結合し一枚の結晶層を形成し、その結晶層が積層されている層状構造を有する物質である。厚さが約1ナノメートルで、面の大きさが縦横平均で約100〜100000ナノメートルである結晶層の間に金属カチオンが介在し、この金属カチオンは容易に他のカチオンと交換することができる。本発明で用いられる水膨潤性合成無機層状珪酸塩に含まれる上記金属カチオンは一般にナトリウムまたはリチウムであり、カリウムや多価の金属カチオンではイオン交換性や水膨潤性が著しく低いので使用できない。
水膨潤性合成無機層状珪酸塩としては、合成ヘクトライト、合成マイカ、フッ素化マイカなどを主成分とするものが挙げられる。好ましい水膨潤性合成無機層状珪酸塩は、水膨潤性合成フッ素雲母または水膨潤性合成フッ素ヘクトライトである。このような水膨潤性合成無機層状珪酸塩は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において水膨潤性とは、合成無機層状珪酸塩の結晶層間に水が吸収されて膨潤する性質をいい、日本ベントナイト工業会標準試験方法 JBAS−104−77に準じた方法で測定でき、この値が15ml/2g以上のものである。
水膨潤性合成無機層状珪酸塩が水中で分散した状態での平均粒子径は3〜50μmであり、好ましくは6〜50μmであり、より好ましくは6〜20μmである。3μm未満の場合には水膨潤性合成無機層状珪酸塩同士が凝集する割合が多くなり、樹脂との複合化程度が損なわれるために耐熱クリープ性および耐寒圧縮性のバランスがとれない恐れがある。50μmを超える場合には成形性が損なわれる。
平均粒子径の測定は、回析/散乱法、動的光散乱法、電気抵抗変化による方法、液中顕微鏡撮影後画像処理による方法などにより可能であるが、本発明における平均粒子径は回析/散乱法により測定されるものである。
回析/散乱法による平均粒子径測定は、膨潤してへき開した合成無機層状珪酸塩が水中に分散された分散液に、光を透過させた時に得られる回析/散乱パターンをミー散乱理論などを用いてパターンに最も矛盾の無い粒度分布を計算することによりなされる。
回析/散乱法による平均粒子径測定は、膨潤してへき開した合成無機層状珪酸塩が水中に分散された分散液に、光を透過させた時に得られる回析/散乱パターンをミー散乱理論などを用いてパターンに最も矛盾の無い粒度分布を計算することによりなされる。
回析/散乱法による平均粒子径測定ができる市販の装置としては、レーザー回析・光散乱法による粒度測定装置(コールター社製LS230)、レーザー回析式粒度分布測定装置(島津製作所製SALD3000)、レーザー回析・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA910、LA700およびLA500、マイクロトラックSPA、日機装製MT3000)などが挙げられる。
疎水性樹脂は、気泡を有する成形体を構成するための主要成分であり、水性媒体に安定に分散される樹脂であればよい。アクリルまたはメタクリル単量体単位を主要構成単位として有するビニル重合体は好ましい疎水性樹脂である。
疎水性樹脂は、平均粒子径が300nm以下のものである必要があり、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下である。300nmより大きいと成形性が大きく低下する。平均粒子径の下限は特にないが、通常得られる疎水性樹脂の平均粒子径は10nm以上である。
全構成単量体単位を基準としてアルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレート単位を40質量%以上有するものまたはアルキル基の炭素数が6〜18であるアルキル(メタ)アクリレート単位を30質量%以上有するものは、より好ましい疎水性樹脂である。
疎水性樹脂のガラス転移温度は−60〜30℃が好ましく、−60〜10℃がより好ましく、−60〜−10℃が更に好ましい。ガラス転移温度が30℃を超えると耐寒耐圧縮性が低下する場合がある。2種類以上の疎水性樹脂が併用される場合、耐寒耐圧縮性を損なわない範囲でガラス転移温度が30℃を超える疎水性樹脂が併用されてもよい。
疎水性樹脂は、例えば(メタ)アクリル単量体を主要成分とするビニル単量体を水性媒体中で乳化重合させて得られる。アニオン型乳化剤またはノニオン型乳化剤を使用して上記乳化重合により製造された疎水性樹脂は好ましいものであり、アニオン型乳化剤を使用して乳化重合により製造された疎水性樹脂はより好ましいものである。乳化剤としては一般の低分子乳化剤の他に、高分子乳化剤、反応性乳化剤でもよく、自己乳化型樹脂でも構わない。アニオン型の高分子乳化剤とアニオン型反応性乳化剤が特に好ましい。
水性媒体は、水又は水および水と混和する溶媒からなる混合溶媒を意味する。水と混和する溶媒の例としては、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノアセチレート、エチレングリコールジアセチレート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。水性媒体としては水が好ましいが、水100容量部および水と混和する溶媒100容量部以下の混合溶媒も好ましい。
気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、上記水膨潤性合成無機層状珪酸塩および上記疎水性樹脂が水性媒体に分散された水性分散体を主成分として含むものである。上記組成物は、疎水性樹脂100質量部を基準として、水膨潤性合成無機層状珪酸塩を0.1〜100質量部含むものであることが好ましく、0.1〜50質量部含むものであることがより好ましく、1〜30質量部含むものであることがさらに好ましく、3〜30質量部含むものであることが特に好ましい。水膨潤性合成無機層状珪酸塩の割合が0.1質量部未満であると、成形性が悪い場合があり、得られる成形体は耐熱クリープ性および耐寒圧縮性の不充分なものとなる場合がある。
気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、疎水性樹脂100質量部を基準として、水性媒体を50〜1000質量部含有するものが好ましい。
気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、水溶性高分子をも含有するものが好ましい。その理由は組成物を使用して得られる成形体が耐酸性の優れたものとなるためである。水溶性高分子は、20℃における水への溶解度が1質量%以上であるものが好ましく、ビニルアルコール単位を有する重合体が特に好ましい。
ビニルアルコール単位を有する重合体は、酢酸ビニル重合体の酢酸エステル部分を加水分解(けん化)して得ることができるものであり、通常ビニルアルコール単位および酢酸ビニル単位を有する共重合体である。ここで、けん化の割合はモル百分率で70%以上が好ましく、85%以上のものがさらに好ましい。また、このような範囲のけん化度の共重合体に対しカルボン酸変性、カチオン変性を行い、変性ビニルアルコール重合体としたものも使用することができる。上記重合体は、重量平均分子量3000〜500000であるものが好ましく、3000〜50000であるものがより好ましい。平均分子量が500000を越えると組成物が成形性の悪いもとのなる場合がある。
水溶性高分子の含有割合は、疎水性樹脂100質量部を基準として0.01〜100質量部が好ましく、0.05〜10質量部がより好ましい。水溶性高分子の割合が0.01質量部未満の場合、耐酸性改善の効果が充分でなく、100質量部を越えると耐水性が低下する場合がある。
気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、架橋剤を含有するものが好ましい。架橋剤は、疎水性樹脂または水溶性高分子に作用して架橋構造を形成する成分であり、得られる成形体の耐水性を向上させる。疎水性樹脂または水溶性高分子が有する官能基の種類に応じて、該官能基と反応するか該官能基に配位する2官能以上の化合物から選ばれる。架橋剤が有する官能基の例としては、メチロール基、アルデヒド基、エポキシ基、2価以上の金属、アミノ基、オキサゾリン基などが挙げられ、架橋剤の例としては、メチロール基を有するメラミン−ホルムアルデヒド縮合物、アルデヒド基を有するグリオキザール、エポキシ基を有するポリグリシジルエーテル、炭酸ジルコニウム、ポリアミドアミンポリ尿素樹脂、オキサゾリン基を有する化合物等が挙げられる。
オキサゾリン基を2個以上有する化合物は、組成物の保存安定性、低温での架橋性が優れ、有害なホルマリン発生がないため好ましい架橋剤であり、オキサゾリン基を2個以上含有する重合体は特に好ましい架橋剤である。水溶性高分子がオキサゾリン基を有するものであってもよい。
架橋剤の配合割合は、疎水性樹脂と水溶性高分子の合計量100質量部を基準として0.01〜30質量部が好ましく、0.01〜20質量部がより好ましい。架橋剤が少なすぎると耐水性向上の効果が充分に発揮されず、多すぎると成形性が悪くなる場合がある。
オキサゾリン基を2個以上有する化合物は、組成物の保存安定性、低温での架橋性が優れ、有害なホルマリン発生がないため好ましい架橋剤であり、オキサゾリン基を2個以上含有する重合体は特に好ましい架橋剤である。水溶性高分子がオキサゾリン基を有するものであってもよい。
架橋剤の配合割合は、疎水性樹脂と水溶性高分子の合計量100質量部を基準として0.01〜30質量部が好ましく、0.01〜20質量部がより好ましい。架橋剤が少なすぎると耐水性向上の効果が充分に発揮されず、多すぎると成形性が悪くなる場合がある。
気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、発泡助剤が添加されたものであることが好ましい。発泡助剤はエマルジョン組成物中に形成された気泡が消泡するのを抑制する効果を発揮するものである。具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、整泡剤が添加されたものであることが好ましい。整泡剤はエマルジョン組成物中にきめの細かい(径の小さい)気泡が形成することをサポートする効果を発揮するものである。具体例としては、ステアリン酸アンモニウム、アルキルスルホサクシネート等が挙げられる。
発泡助剤または整泡剤の量は目的に応じて適宜決定されるが、エマルジョン中の固形分100質量部を基準として0.01〜15質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。発泡助剤および整泡剤が併用される場合は、その合計量が上記範囲にあることが好ましい。
気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、必要に応じて、難燃剤、充填剤、ゲル化剤、染顔量、ワックス、増粘剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の添加剤が添加されたものであってもよい。
難燃剤としては、例えばリン酸エステル系、含ハロゲンリン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、水酸化第2鉄、珪砂、クレー、珪藻土等が挙げられる。
難燃剤および充填剤の使用割合は、エマルジョン中の固形分100質量部を基準として、難燃剤および充填剤の合計割合が50質量部以下であることが好ましい。難燃剤、充填剤があわせて50質量部を超えると、エマルジョン組成物を乾燥・成形させるときにエマルジョン組成物中の気泡の数や大きさを維持できずに設計通りの気泡を有する成形体が得られない場合がある。
老化防止剤、紫外線吸収剤及び/または光安定剤、防腐剤の使用割合はそれぞれ5質量部以下であることが好ましい。
難燃剤としては、例えばリン酸エステル系、含ハロゲンリン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、水酸化第2鉄、珪砂、クレー、珪藻土等が挙げられる。
難燃剤および充填剤の使用割合は、エマルジョン中の固形分100質量部を基準として、難燃剤および充填剤の合計割合が50質量部以下であることが好ましい。難燃剤、充填剤があわせて50質量部を超えると、エマルジョン組成物を乾燥・成形させるときにエマルジョン組成物中の気泡の数や大きさを維持できずに設計通りの気泡を有する成形体が得られない場合がある。
老化防止剤、紫外線吸収剤及び/または光安定剤、防腐剤の使用割合はそれぞれ5質量部以下であることが好ましい。
上記成分が配合されたエマルジョン組成物は、気体が導入され、撹拌されることによって気体が分散され、気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物となる。撹拌は、オークスミキサー、ホイッパーなどの撹拌装置を使用して実施することができる。上記の気体導入撹拌工程は、連続的な工程であってもよく、非連続的な工程であってもよい。気体が導入される前のエマルジョン組成物の体積を基準とする気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物の体積は1.3〜10倍であることが好ましく、2〜7倍であることがより好ましい。気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物のかさ比重は通常0.05〜0.9g/cm3の範囲にある。
気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、スプレー塗布、ローラー塗布、ブラシ塗布、刷毛塗りなどの通常の方法により基材に塗布または注型することができる。気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、塗布装置および塗布条件に応じて水等で希釈することができる。
塗布または注型された気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物は、常温または加熱条件において乾燥されて気泡を有する成形体となる。乾燥温度は通常80℃以上、好ましくは100〜170℃である。乾燥時間は通常10分以上、好ましくは15〜40分程度である。気泡を有する成形体は乾燥後の密度が0.05〜0.8g/cm3の範囲のものが好ましい。
気泡を有する成形体の気泡構造は、独立気泡や連続気泡からなっている。このような気泡構造および気泡率は、特に保温・断熱性能に影響するところが大きい。疎水性樹脂の種類、平均粒子径や、エマルション組成物の固形分濃度、気体を導入し分散させる撹拌条件、導入気体の量、発泡助剤や整泡剤の種類と量、乾燥前の組成物の粘度等を調整することにより、所望の特性を与えるように調整できる。
気泡を有する成形体は、単独でシート、緩衝材などとして使用できるほか、複合化された成形体の表面層または中間層を形成することもできる。
本発明により得られる気泡を有する成形体と複合化できる材料に制限はないが、木質材(例えば、単板、合板、パーティクルボード等)、金属(例えば鉄・鋼、アルミニウム、各種合金、強化金属等)、プラスチック(例えば熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチック、強化プラスチック等)、ゴム(例えば天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等)、フォーム(例えば、非架橋アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ABS樹脂等のスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等)、繊維質材(例えば織物、編物、紙等)、皮革(例えば、天然皮革、合成皮革等)等が例示される。
(製造例1)(水膨潤性合成無機層状珪酸塩の水分散液Aの調製)
水膨潤性合成無機層状珪酸塩として合成フッ素雲母(平均粒子径10μm、イオン交換当量45meq/100g)を固形分濃度10質量%となるようにイオン交換水に分散させ、さらに80℃に加温後、ホモジナイザーで1時間攪拌し、水膨潤性合成無機層状珪酸塩の水分散液Aを得た。
(製造例2)(水膨潤性合成無機層状珪酸塩の水分散液Bの調製)
水膨潤性合成無機層状珪酸塩として合成フッ素ヘクトライト(平均粒子径12μm、イオン交換当量75meq/100g)を固形分濃度5質量%となるようにイオン交換水に分散させ、さらに80℃に加温後、ホモジナイザーで1時間攪拌し、水膨潤性合成無機層状珪酸塩の水分散液Bを得た。
(製造例3)(比較用珪酸塩の水分散液Cの調製)
比較用珪酸塩としてモンモリロナイト(平均粒子径1μm、イオン交換当量100meq/100g)を固形分濃度2質量%となるようにイオン交換水に分散させ、さらに80℃に加温後、ホモジナイザーで1時間攪拌し、比較用珪酸塩の水分散液Cを得た。
水膨潤性合成無機層状珪酸塩として合成フッ素雲母(平均粒子径10μm、イオン交換当量45meq/100g)を固形分濃度10質量%となるようにイオン交換水に分散させ、さらに80℃に加温後、ホモジナイザーで1時間攪拌し、水膨潤性合成無機層状珪酸塩の水分散液Aを得た。
(製造例2)(水膨潤性合成無機層状珪酸塩の水分散液Bの調製)
水膨潤性合成無機層状珪酸塩として合成フッ素ヘクトライト(平均粒子径12μm、イオン交換当量75meq/100g)を固形分濃度5質量%となるようにイオン交換水に分散させ、さらに80℃に加温後、ホモジナイザーで1時間攪拌し、水膨潤性合成無機層状珪酸塩の水分散液Bを得た。
(製造例3)(比較用珪酸塩の水分散液Cの調製)
比較用珪酸塩としてモンモリロナイト(平均粒子径1μm、イオン交換当量100meq/100g)を固形分濃度2質量%となるようにイオン交換水に分散させ、さらに80℃に加温後、ホモジナイザーで1時間攪拌し、比較用珪酸塩の水分散液Cを得た。
(製造例4)(疎水性樹脂の水分散液Dの製造)
攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管および滴下ロートを備えた容量3リットルのガラス製4ツ口フラスコにイオン交換水75質量部とラウリルスルホン酸ナトリウム0.7質量部を仕込んだ。一方、イオン交換水43質量部、スチレン10質量部、2−エチルヘキシルアクリレート85質量部、メタクリル酸5質量部、ラウリルスルホン酸ナトリウム0.3質量部をホモジナイザーで混合乳化した単量体混合液を別途調製し、単量体混合液の20%をフラスコに投入した。さらに2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部をフラスコに加えた後、フラスコ内を窒素置換し、80℃に昇温して重合反応をおこなった。30分後、残りの単量体混合液と2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部を別々に上記フラスコ中へ3時間かけて滴下させ、滴下が終了した後82℃において2.5時間反応させて重合を終了した。重合反応液が冷却されてから、10%アンモニア水を添加することによりpHを9に調整し、ガラス転移温度−54℃、固形分濃度40%、粘度50mPa・s、平均粒子径100nmである疎水性樹脂の水分散液Dを得た。
攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管および滴下ロートを備えた容量3リットルのガラス製4ツ口フラスコにイオン交換水75質量部とラウリルスルホン酸ナトリウム0.7質量部を仕込んだ。一方、イオン交換水43質量部、スチレン10質量部、2−エチルヘキシルアクリレート85質量部、メタクリル酸5質量部、ラウリルスルホン酸ナトリウム0.3質量部をホモジナイザーで混合乳化した単量体混合液を別途調製し、単量体混合液の20%をフラスコに投入した。さらに2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部をフラスコに加えた後、フラスコ内を窒素置換し、80℃に昇温して重合反応をおこなった。30分後、残りの単量体混合液と2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部を別々に上記フラスコ中へ3時間かけて滴下させ、滴下が終了した後82℃において2.5時間反応させて重合を終了した。重合反応液が冷却されてから、10%アンモニア水を添加することによりpHを9に調整し、ガラス転移温度−54℃、固形分濃度40%、粘度50mPa・s、平均粒子径100nmである疎水性樹脂の水分散液Dを得た。
(製造例5)(疎水性樹脂の水分散液Eの製造)
攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管および滴下ロートを備えた容量3リットルのガラス製4ツ口フラスコにイオン交換水75質量部とラウリルスルホン酸ナトリウム0.7質量部を仕込んだ。一方、イオン交換水43質量部、スチレン45質量部、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、メタクリル酸5質量部、ラウリルスルホン酸ナトリウム0.3質量部をホモジナイザーで混合乳化した単量体混合液を別途調製し、単量体混合液の20%をフラスコに投入した。さらに2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部をフラスコに加えた後、フラスコ内を窒素置換し、80℃に昇温して重合反応をおこなった。30分後、残りの単量体混合液と2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部を別々に上記フラスコ中へ3時間かけて滴下させ、滴下が終了した後82℃において2.5時間反応させて重合を終了した。重合反応液が冷却されてから、10%アンモニア水を添加することによりpHを9に調整し、ガラス転移温度−10℃、固形分濃度40%、粘度150mPa・s、平均粒子径120nmである疎水性樹脂の水分散液Eを得た。
攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管および滴下ロートを備えた容量3リットルのガラス製4ツ口フラスコにイオン交換水75質量部とラウリルスルホン酸ナトリウム0.7質量部を仕込んだ。一方、イオン交換水43質量部、スチレン45質量部、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、メタクリル酸5質量部、ラウリルスルホン酸ナトリウム0.3質量部をホモジナイザーで混合乳化した単量体混合液を別途調製し、単量体混合液の20%をフラスコに投入した。さらに2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部をフラスコに加えた後、フラスコ内を窒素置換し、80℃に昇温して重合反応をおこなった。30分後、残りの単量体混合液と2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部を別々に上記フラスコ中へ3時間かけて滴下させ、滴下が終了した後82℃において2.5時間反応させて重合を終了した。重合反応液が冷却されてから、10%アンモニア水を添加することによりpHを9に調整し、ガラス転移温度−10℃、固形分濃度40%、粘度150mPa・s、平均粒子径120nmである疎水性樹脂の水分散液Eを得た。
(製造例6)(比較用樹脂の水分散液Fの製造)
攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管および滴下ロートを備えた容量3リットルのガラス製4ツ口フラスコにイオン交換水75質量部とラウリルスルホン酸ナトリウム0.7質量部を仕込んだ。一方、イオン交換水43質量部、スチレン10質量部、2−エチルヘキシルアクリレート85質量部、メタクリル酸5質量部、ニューコール293(日本乳化剤製アニオン乳化剤)4質量部、ニューコール707SF(日本乳化剤製アニオン乳化剤)0.8質量部をホモジナイザーで混合乳化した単量体混合液を別途調製した。フラスコに2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部を加えた後、80℃に昇温した後、単量体混合液と2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部を別々に上記フラスコ中へ3時間かけて滴下させ、さらに80℃で2.5時間反応させて重合を終了した。重合反応液が冷却されてから、10%アンモニア水を添加することによりpHを9に調整し、固形分濃度40%、粘度10mPa・s、平均粒子径720nmである比較用樹脂の水分散液Fを得た。
攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管および滴下ロートを備えた容量3リットルのガラス製4ツ口フラスコにイオン交換水75質量部とラウリルスルホン酸ナトリウム0.7質量部を仕込んだ。一方、イオン交換水43質量部、スチレン10質量部、2−エチルヘキシルアクリレート85質量部、メタクリル酸5質量部、ニューコール293(日本乳化剤製アニオン乳化剤)4質量部、ニューコール707SF(日本乳化剤製アニオン乳化剤)0.8質量部をホモジナイザーで混合乳化した単量体混合液を別途調製した。フラスコに2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部を加えた後、80℃に昇温した後、単量体混合液と2.5%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部を別々に上記フラスコ中へ3時間かけて滴下させ、さらに80℃で2.5時間反応させて重合を終了した。重合反応液が冷却されてから、10%アンモニア水を添加することによりpHを9に調整し、固形分濃度40%、粘度10mPa・s、平均粒子径720nmである比較用樹脂の水分散液Fを得た。
(実施例1〜7、比較例1〜5)
表1に示された原料を混合して、25℃における粘度が約10000MPa・sである組成物を調製した。粘度の調整は、増粘剤アロンB−300(東亞合成株式会社製)を添加することにより行った。
ハンドミキサーを使用して粘度調整された組成物を撹拌した。このとき空気が巻き込まれて気泡(空気の泡)が組成物に分散されるようにした。空気の導入は、空気が導入される前のエマルジョン組成物の体積を基準とする空気が気泡として導入された成形体製造用エマルジョン組成物の体積の倍率(以下、発泡倍率という。)が、表1に記載した設定倍率になるように行った。
空気が気泡として導入された成形体製造用エマルジョン組成物を厚さ3mmのコーターでポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、80℃で2時間乾燥させて気泡を有する成形体を得た。以下の評価において、特に断らない場合の室温は約20℃である。
表1に示された原料を混合して、25℃における粘度が約10000MPa・sである組成物を調製した。粘度の調整は、増粘剤アロンB−300(東亞合成株式会社製)を添加することにより行った。
ハンドミキサーを使用して粘度調整された組成物を撹拌した。このとき空気が巻き込まれて気泡(空気の泡)が組成物に分散されるようにした。空気の導入は、空気が導入される前のエマルジョン組成物の体積を基準とする空気が気泡として導入された成形体製造用エマルジョン組成物の体積の倍率(以下、発泡倍率という。)が、表1に記載した設定倍率になるように行った。
空気が気泡として導入された成形体製造用エマルジョン組成物を厚さ3mmのコーターでポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、80℃で2時間乾燥させて気泡を有する成形体を得た。以下の評価において、特に断らない場合の室温は約20℃である。
(1)気泡が分散されたエマルジョン組成物の保存安定性
60℃において1ヶ月静置し、その前後での粘度変化を評価した。表1における「○」は、粘度変化が小さく保存安定性は良好であったことを意味する。
60℃において1ヶ月静置し、その前後での粘度変化を評価した。表1における「○」は、粘度変化が小さく保存安定性は良好であったことを意味する。
(2)エマルジョン組成物の成形性評価
上記乾燥前の厚さおよび乾燥後の厚さを測定し、乾燥による厚さの変化を求めた。厚さの減少が少ないほど(下記成形性(%)の値が100に近いものほど)成形性が優れていると評価した。
(成形性(%))=(乾燥後の厚さ)/(乾燥前の厚さ)×100
上記乾燥前の厚さおよび乾燥後の厚さを測定し、乾燥による厚さの変化を求めた。厚さの減少が少ないほど(下記成形性(%)の値が100に近いものほど)成形性が優れていると評価した。
(成形性(%))=(乾燥後の厚さ)/(乾燥前の厚さ)×100
(3)成形体の外観
表1における記号は以下のことを意味する。
○:成形体の断面を目視で観察したことろ気泡の大きさおよび分布がほぼ均一であった。
△:成形体の断面を目視で観察したことろ気泡の大きさおよび分布が不均一であった。
×:成形体の断面を目視で観察したことろあまり気泡が導入されていなかった。
表1における記号は以下のことを意味する。
○:成形体の断面を目視で観察したことろ気泡の大きさおよび分布がほぼ均一であった。
△:成形体の断面を目視で観察したことろ気泡の大きさおよび分布が不均一であった。
×:成形体の断面を目視で観察したことろあまり気泡が導入されていなかった。
(4)成形体の耐熱クリープ性評価
得られた気泡を有する成形体を10枚重ねて厚さを測定した。10枚重ねた成形体の上に500g/cm2の荷重をかけて80℃で1時間処理し、処理後の厚さを測定した。処理による厚さの変化を求めた。厚さの減少が少ないほど(下記耐熱クリープ性(%)の値が100に近いものほど)耐熱クリープ性が優れていると評価した。成形性および外観が悪かった比較例1〜3については評価を実施しなかった。
(耐熱クリープ性(%))=(処理後の厚さ)/(処理前の厚さ)×100
得られた気泡を有する成形体を10枚重ねて厚さを測定した。10枚重ねた成形体の上に500g/cm2の荷重をかけて80℃で1時間処理し、処理後の厚さを測定した。処理による厚さの変化を求めた。厚さの減少が少ないほど(下記耐熱クリープ性(%)の値が100に近いものほど)耐熱クリープ性が優れていると評価した。成形性および外観が悪かった比較例1〜3については評価を実施しなかった。
(耐熱クリープ性(%))=(処理後の厚さ)/(処理前の厚さ)×100
(5)成形体の耐寒圧縮回復性評価
得られた気泡を有する成形体を10枚重ねて室温において厚さを測定した。10枚重ねた成形体を半分の厚さとなるように圧縮した状態にして、0℃で1時間保持した。その後圧縮を解除し、室温において1時間静置して厚さの回復処理をし、処理後の厚さを測定した。処理による厚さの回復の程度を求めた。厚さの回復が大きいほど(下記耐寒圧縮回復性(%)の値が100に近いものほど)耐寒圧縮回復性が優れていると評価した。成形性および外観が悪かった比較例1〜3については評価を実施しなかった。
(耐寒圧縮回復性(%))=(処理後の厚さ)/(処理前の厚さ)×100
得られた気泡を有する成形体を10枚重ねて室温において厚さを測定した。10枚重ねた成形体を半分の厚さとなるように圧縮した状態にして、0℃で1時間保持した。その後圧縮を解除し、室温において1時間静置して厚さの回復処理をし、処理後の厚さを測定した。処理による厚さの回復の程度を求めた。厚さの回復が大きいほど(下記耐寒圧縮回復性(%)の値が100に近いものほど)耐寒圧縮回復性が優れていると評価した。成形性および外観が悪かった比較例1〜3については評価を実施しなかった。
(耐寒圧縮回復性(%))=(処理後の厚さ)/(処理前の厚さ)×100
本発明により得られる気泡を有する成形体は、圧縮回復性、弾性強度、耐寒耐圧縮性に優れるだけでなく、保温・断熱性にも優れる。低温・保冷倉庫、冷凍コンテナー、低温・保冷用運搬車、一般輸送機関(例えば、自動車、汽車、電車、船舶等)、し尿処理槽、下水処理槽、アイスボックス、アイスバケット、ピクニック用保冷庫、アイスクリームバッグ、冷凍食品容器、加熱食品容器、保温・保冷コップ、魔法瓶、水筒、冷暖房用ダクト、温・冷水パイプ、温・冷ガス用パイプ、貯湯槽、ガスタンク、吸水設備、建材(例えば、床、壁、天井、屋根等)の幅広い分野において好適に使用できる。
Claims (14)
- 平均粒子径が3〜50μmである水膨潤性合成無機層状珪酸塩および平均粒子径が300nm以下である疎水性樹脂が水性媒体に分散された水性分散体を主成分として含む、気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物。
- 疎水性樹脂100質量部を基準とする水膨潤性合成無機層状珪酸塩の割合が0.1〜100質量部である請求項1に記載のエマルジョン組成物。
- 疎水性樹脂はアクリルまたはメタクリル単量体単位を主要構成単位として有するものである請求項1に記載のエマルジョン組成物。
- 疎水性樹脂は全構成単量体単位を基準としてアルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレート単位を40質量%以上有するものである請求項3に記載のエマルジョン組成物。
- 疎水性樹脂はガラス転移温度が−60〜30℃の範囲のものである請求項1に記載のエマルジョン組成物。
- 水膨潤性合成無機層状珪酸塩は水膨潤性合成フッ素雲母または水膨潤性合成フッ素ヘクトライトである請求項1に記載のエマルジョン組成物。
- 疎水性樹脂100質量部を基準として、0.01〜100質量部の水溶性高分子を含有する請求項1に記載のエマルジョン組成物。
- 疎水性樹脂100質量部を基準として、0.01〜20質量部の架橋剤を含有する請求項1に記載のエマルジョン組成物。
- 発泡助剤を含有する請求項1に記載のエマルジョン組成物。
- 整泡剤を含有する請求項1に記載のエマルジョン組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のエマルジョン組成物に気体を分散させることを特徴とする気泡を有する組成物の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のエマルジョン組成物に気体を分散させることにより得られる気泡を有する組成物。
- 気泡が分散される前の体積を基準として気泡が分散された後の体積が1.3倍以上である請求項12に記載の気泡を有する組成物。
- 請求項12または13に記載の組成物を乾燥させることを特徴とする気泡を有する成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005125912A JP2006299172A (ja) | 2005-04-25 | 2005-04-25 | 気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物およびその利用 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005125912A JP2006299172A (ja) | 2005-04-25 | 2005-04-25 | 気泡を有する成形体製造用エマルジョン組成物およびその利用 |
Publications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102006054471A1 (de) * | 2006-11-18 | 2008-05-21 | Fischerwerke Gmbh & Co. Kg | Kunstmörtelmasse |
CN115010986A (zh) * | 2022-07-11 | 2022-09-06 | 西南石油大学 | 一种超疏水改性三聚氰胺泡沫及其制备方法和应用 |
-
2005
- 2005-04-25 JP JP2005125912A patent/JP2006299172A/ja active Pending
Cited By (4)
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DE102006054471A1 (de) * | 2006-11-18 | 2008-05-21 | Fischerwerke Gmbh & Co. Kg | Kunstmörtelmasse |
DE102006054471B4 (de) * | 2006-11-18 | 2018-10-31 | Fischerwerke Gmbh & Co. Kg | Verwendung eines feinverteilte Gase beinhaltenden Mehrkomponenten-Kunstsharzsystems zur Befestigung von Befestigungselementen |
CN115010986A (zh) * | 2022-07-11 | 2022-09-06 | 西南石油大学 | 一种超疏水改性三聚氰胺泡沫及其制备方法和应用 |
CN115010986B (zh) * | 2022-07-11 | 2023-08-11 | 西南石油大学 | 一种超疏水改性三聚氰胺泡沫及其制备方法和应用 |
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