JP2006299142A - イオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 (メタ)アクリル酸エステル系重合体の屈折率は低く、高い屈折率を必要とする用途への展開は制限されていた。(メタ)アクリル酸エステル系重合体に比べて高い屈折率を有する重合体が望まれていた。
【解決手段】 (メタ)アクリル酸エステル単位(一般式(1))と、特定構造のイオウ含有単位(一般式(2))を含んで形成されることを特徴とするイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を提供した。
また、一般式(1)で表される繰り返し単位を含有してなる(メタ)アクリル酸エステル系重合体に、チオール系化合物(一般式(3))を反応させることを特徴とするイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法を提供した。
【選択図】 なし
【解決手段】 (メタ)アクリル酸エステル単位(一般式(1))と、特定構造のイオウ含有単位(一般式(2))を含んで形成されることを特徴とするイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を提供した。
また、一般式(1)で表される繰り返し単位を含有してなる(メタ)アクリル酸エステル系重合体に、チオール系化合物(一般式(3))を反応させることを特徴とするイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法を提供した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、新規なイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体、更にこの重合体の製造方法に関する。
ポリメタクリル酸メチルを代表とする(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、ガラスと比較して成形性、加工性が良好で、割れにくい、さらに軽量、安価という特徴などから、液晶ディスプレイや光ディスク、ピックアップレンズなどへの展開が検討され、一部実用化されている。
しかし、(メタ)アクリル酸エステル系重合体の屈折率は低く、高い屈折率を必要とする用途への展開は制限されていた。
この課題に対して種々の検討がなされており、屈折率を高くする試みとして、例えば、含硫黄アクリル酸エステルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この化合物はアクリル酸エステルであり、実際にレンズなどに利用する為には当該化合物を合成し、さらにこれを重合する必要があり、工程が煩雑になる。
特開平5−230013号公報
本発明は、従来の技術が有する上記課題に鑑みてなされるものであり、(メタ)アクリル酸エステル系重合体等に比べて屈折率が向上した重合体を提供することを目的する。また、その樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を鑑み鋭意検討した結果、下記一般式(1)、(2)で表される繰り返し単位を含んで形成されることを特徴とするイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を提供した。
(但し、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数6〜10のアリール基を示す。)
(但し、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R6は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基を示す。)
このイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体等に比べて高い屈折率を有している。
また、一般式(1)で表される繰り返し単位を含有してなる(メタ)アクリル酸エステル系重合体に、下記一般式(3)で表されるチオール系化合物を反応させることを特徴とする前記のイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法を提供した。
(但し、R6は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基を示す。)
また、触媒存在下で反応させることを特徴とする前記のイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法を提供した。
これによれば、イオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を簡便に提供することが可能となる。
本発明のイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体等に比べて高い屈折率を有していることから、より幅広い分野で使用することが可能となる。また、本発明の製造方法によれば、特殊な重合設備が必要なく、簡便かつ安価にイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造することが可能であり、有用である。
本発明は、下記一般式(1)、(2)で表される繰り返し単位を含んで形成されることを特徴とするイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体に関するものである。
(但し、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数6〜10のアリール基を示す。)
(但し、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R6は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基を示す。)
一般式(1)で表される繰り返し単位のことを、以下(メタ)アクリル酸エステル単位と呼ぶことがある。尚、(メタ)アクリル酸エステル単位としては、メタクリル酸アルキルエステルやアクリル酸アルキルエステル等が含まれ、より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。また、無水マレイン酸等の酸無水物またはそれらと炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとのハーフエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸などもチオエステル化反応が可能であり、本発明に使用可能である。これらの中で、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
これら一般式(1)で表される繰り返し単位は、単一の種類でもよく、R1、R2、R3が異なる複数の種類を含んでいてもかまわない。
本発明のイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を構成する、一般式(2)で表される繰り返し単位としては、各種構造のものが使用可能であるが、具体的には、−R6部分が、−C6H4−CH3であるものや、−CH2−C6H5等が挙げられる。
これら一般式(2)で表される繰り返し単位は、単一の種類でもよく、R4、R5、R6が異なる複数の種類を含んでいてもかまわない。
この様な、一般式(1)、(2)で表される繰り返し単位を含んで形成されるイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、一般式(1)で表される繰り返し単位を含有してなる(メタ)アクリル酸エステル系重合体に、下記一般式(3)で表されるチオール系化合物を反応させることによって簡便に製造することが可能である。またこの反応は、触媒存在下で行うことにより、より容易に製造することが可能となる。この製造方法によれば、特殊な重合設備が必要なく、簡便かつ安価にイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造することが可能である。
(但し、R6は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基を示す。)
本発明で使用可能な一般式(3)で表されるチオール系化合物としては、メルカプト基(SH)を含有すれば特に限定がないが、具体例としては、メタンチオール、エタンチオール、1−プロパンチオール、2−プロパンチオール、1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、2−メチル−2−プロパンチオール、1−デカンチオール、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1−ヘキサノールなどの脂肪族チオール、シクロヘキサンチオールなどの脂環式チオール、ベンゼンチオール、2,5−ジメチルベンゼンチオール、2,6−ジメチルベンゼンチオール、3,4−ジメチルベンゼンチオール、3,5−ジメチルベンゼンチオール、2,5−ジメトキシベンゼンチオール、3,4−ジメトキシベンゼンチオール、4−(ジメトキシチオ)ベンゼンチオール、o−トルエンチオール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール、α−トルエンチオール、2−メチル−α−トルエンチオール、3−メチル−α−トルエンチオール、4−メチル−α−トルエンチオール、4−メトキシ−α−トルエンチオール、トリフェニルメタンチオール、ナフタレン−2−チオールなどの芳香族チオール、チオフェン−2−チオール、フルフリルメルカプタン、2−メルカプトチアゾリン、ベンズオキサゾール−2−チオール、2−ベンズオキサゾールチオール、5−メトキシベンゾチアゾール−2−チオール、5−メチル−2−ベンズイミダゾールチオール、5−メトキシ−2−ベンズイミダゾールチオールなどが挙げられる。
尚、本発明のイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、上記の方法とは別に、下記一般式(4)および一般式(5)で表される単量体を重合して形成することも可能である。また、これら2つの方法を併用してイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造することも可能である。
(但し、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R9は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数6〜10のアリール基を示す。)
(但し、R10およびR11は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R12は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基を示す。)
一方、本発明におけるイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、本発明の本質が損なわれない限りにおいて、スチレンやα−メチルスチレン、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なモノマーが共重合されていても構わない。
本発明におけるイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の分子量は特に制限されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が1×104ないし5×105であることが好ましい。Mwが1×104未満の場合には、成形品とした場合の機械的強度が不足し、5×105より大きい場合には、溶融時の粘度が高く、成形加工性が低下することがある。
本発明におけるイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体のガラス転移温度は110℃以上が好ましく、120℃以上がさらに好ましい。ガラス転移温度が110℃より低い場合は環境温度の影響を受け、変形するなどの課題があり、使用が制限される。
本発明におけるイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の屈折率(20℃におけるナトリウムD線による測定)は1.495以上が好ましく、1.500以上がさらに好ましい。屈折率が1.495より低い場合はレンズ用途などへの適用が困難となることがある。
本発明で使用する触媒とは、(メタ)アクリル酸エステル系重合体中のエステル基とチオール系化合物の反応(以下、この反応をチオエステル化反応と呼ぶことがある。)を促進するものである。
本発明では、一般的に使用されているエステル交換触媒がいずれも使用可能であり、例えばアルカリ金属炭酸塩やアルカリ金属重炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属重炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、ルイス酸、プロトン酸などを例示できる。
ここでアルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸フランシウム等を挙げることができるが、特に炭酸カリウムと炭酸セシウムが好ましい。
また、アルカリ土類金属炭酸塩としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等を挙げることができるが、特に炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムが好ましい。
また、アルカリ金属重炭酸塩としては、重炭酸リチウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸ルビジウム、重炭酸セシウム、重炭酸フランシウム等を挙げることができるが、特に重炭酸カリウムが好ましい。
また、ルイス酸とは電子対を受容できる化合物であり、具体的にはスズ系化合物、亜鉛系化合物、イッテルビウム系化合物、チタン系化合物、バナジウム系化合物、ジルコニウム系化合物、ハフニウム系化合物、スカンジウム系化合物等を挙げることができるが、特にチタン系化合物、バナジウム系化合物、ジルコニウム系化合物、ハフニウム系化合物、スカンジウム系化合物が好ましい。
また、プロトン酸とは、H+を放出可能な物質であり、具体的には塩化水素、硫化水素、硫酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などを例示できるが、特にトリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。
また、用いる触媒は単独で使用しても、複数種を混合して使用しても、チオエステル化反応が進行する限り、どちらでも構わない。
本発明のイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造は、各種環境下で行うことが可能であるが、特にチオエステル化反応に対して不活性な溶媒中に溶解させた後、チオール系化合物と反応させることが好ましい。
チオエステル化反応を溶媒中で行う場合、反応装置としては溶解した溶液を加熱、攪拌でき、チオール系化合物を添加できる構造であれば特に制限はなく、圧力容器内で行っても、常圧下でガラス容器等を用いて反応を行ってもよい。また、反応副生成物のアルコールを取り除くことにより反応の進行が促進される場合が多く、場合によっては反応副生成物を系外に除外する器具や装置を用いても構わないし、反応副生成物のみ吸収するようなモレキュラーシーブ等の吸収剤や反応副生成物のみと反応するような反応剤を使用して反応系から除外しても構わない。
チオエステル化反応で使用する溶媒、又はチオール系化合物の沸点が非常に低い場合、チオエステル化反応は高温での反応が必要な場合が多いため、圧力容器内で行うことが好ましい。
また、チオエステル化反応で使用する溶媒は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体を溶解させるものであることが好ましいく、更に、反応生成物であるイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体も溶解することが可能なものであることが好ましい。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の溶媒を例示することができる。
本発明における触媒、未反応のチオール系化合物及び反応副生成物のアルコールは、常法に従って反応生成物のイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体から分離され、必要に応じて濾過、溶剤による抽出、脱揮等の精製処理をして所望の製品として取得することが可能である。
本発明におけるイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、それ自体で用いてもよく、または他の熱可塑性ポリマーとブレンドして使用しても構わない。
イオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体単独、または他の熱可塑性ポリマーとブレンドして得られる組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形などのような各種プラスチック加工法によって様々な成形品に加工できる。
また、イオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を溶解可能な溶剤、例えば塩化メチレンなどに溶解させ、流延法やスピンコート法によっても成形することも可能である。
本発明におけるイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の成形加工の際には、一般に用いられる酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、収縮防止剤などを本発明の目的が損なわれない範囲で添加してもよい。
本発明におけるイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる成形体は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体等に比べて高い屈折率を有していることから、、例えば、カメラやVTR、プロジェクター用の撮影レンズやファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズなどの映像分野、CDプレイヤーやDVDプレイヤー、MDプレイヤーなどの光ディスク用ピックアップレンズなどのレンズ分野、CDプレイヤーやDVDプレイヤー、MDプレイヤーなどの光ディスク用の光記録分野、液晶用導光板、偏光子保護フィルムや位相差フィルムなどの液晶ディスプレイ用フィルム、表面保護フィルムなどの情報機器分野、光ファイバ、光スイッチ、光コネクターなどの光通信分野、自動車ヘッドライトやテールランプレンズ、インナーレンズ、計器カバー、サンルーフなどの車両分野、眼鏡やコンタクトレンズ、内視境用レンズ、滅菌処理の必要な医療用品などの医療機器分野、道路透光板、ペアガラス用レンズ、採光窓やカーポート、照明用レンズや照明カバー、建材用サイジングなどの建築・建材分野、電子レンジ調理容器(食器)、家電製品のハウジング、玩具、サングラス、文房具、などに使用可能である。
本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例で測定した物性の各測定方法は次の通りである。
(1)反応率の測定(1H−NMR)
反応生成物10mgを重クロロホルム1gに溶解し、Varian Gemini−300MHzを用いて、1H−NMRを測定した。3.5〜3.7ppm付近に検出されるポリメチルメタクリレートのエステル部分のメチル基の積分値を3で割った値を(A)、3.8〜4.2ppm付近に検出される反応生成物であるベンジルチオエステルのメチレン基の積分値を2で割った値を(B)とし、反応率は(B)/{(A)+(B)}として算出した。
反応生成物10mgを重クロロホルム1gに溶解し、Varian Gemini−300MHzを用いて、1H−NMRを測定した。3.5〜3.7ppm付近に検出されるポリメチルメタクリレートのエステル部分のメチル基の積分値を3で割った値を(A)、3.8〜4.2ppm付近に検出される反応生成物であるベンジルチオエステルのメチレン基の積分値を2で割った値を(B)とし、反応率は(B)/{(A)+(B)}として算出した。
(2)イオウ含有率(元素分析)
反応生成物を用いて、ヤナコ製CHNレコーダーMT−5を用いて元素分析を測定し、得られたS%から反応率を求めた。
反応生成物を用いて、ヤナコ製CHNレコーダーMT−5を用いて元素分析を測定し、得られたS%から反応率を求めた。
(3)ガラス転移温度(DSC)
反応生成物10mgを用いて、示差走査熱量計(DSC、(株)島津製作所製DSC−50型)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定し、中点法により決定した。
反応生成物10mgを用いて、示差走査熱量計(DSC、(株)島津製作所製DSC−50型)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定し、中点法により決定した。
(4)屈折率
反応生成物を塩化メチレンにて溶解させ、キャスティング法により膜厚50μmのフィルムを作製し、アッベ屈折率計(アタゴ社製、3T)にて屈折率(nD)を測定した。中間液として、2−ブロモナフタレンを用いた。
反応生成物を塩化メチレンにて溶解させ、キャスティング法により膜厚50μmのフィルムを作製し、アッベ屈折率計(アタゴ社製、3T)にて屈折率(nD)を測定した。中間液として、2−ブロモナフタレンを用いた。
(5)IRスペクトルによるチオエステル基の確認
生成物のペレットをそのまま用いて、SensIR Tecnologies社製TravelIRを用いて、室温にてIRスペクトルを測定した。得られたスペクトルより、1670cm-1の吸収の有無を確認した。
生成物のペレットをそのまま用いて、SensIR Tecnologies社製TravelIRを用いて、室温にてIRスペクトルを測定した。得られたスペクトルより、1670cm-1の吸収の有無を確認した。
(実施例1)
ポリメチルメタクリレート1.0g(住友化学製スミペックスLG)、チオール化合物であるであるp−トルエンチオール1.24g、非反応性溶剤としてトルエンを60mL、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸を75mg入れ、アルゴン雰囲気中、トルエン還流下、精留塔及びディーンスタークを用いて副生するメタノールを除去し、12時間反応させた。反応溶液をヘキサンに再沈澱させ、濾過後、乾燥させ生成物を得た。得られた生成物のチオール導入率は10%であり、元素分析の結果S%は2.9%であった。ガラス転移温度は117℃であった。また、屈折率は1.502であった。
ポリメチルメタクリレート1.0g(住友化学製スミペックスLG)、チオール化合物であるであるp−トルエンチオール1.24g、非反応性溶剤としてトルエンを60mL、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸を75mg入れ、アルゴン雰囲気中、トルエン還流下、精留塔及びディーンスタークを用いて副生するメタノールを除去し、12時間反応させた。反応溶液をヘキサンに再沈澱させ、濾過後、乾燥させ生成物を得た。得られた生成物のチオール導入率は10%であり、元素分析の結果S%は2.9%であった。ガラス転移温度は117℃であった。また、屈折率は1.502であった。
(実施例2)
反応系中にモレキュラーシーブ(4A1/8)10gを共存させた以外は、実施例1と同様に行った。得られた生成物のチオール導入率は8%であり、元素分析の結果S%は2.4%であった。ガラス転移温度は115℃であった。また、屈折率は1.500であった。
反応系中にモレキュラーシーブ(4A1/8)10gを共存させた以外は、実施例1と同様に行った。得られた生成物のチオール導入率は8%であり、元素分析の結果S%は2.4%であった。ガラス転移温度は115℃であった。また、屈折率は1.500であった。
(実施例3)
チオール化合物としてα−トルエンチオール1.24g、トルエンを70mL、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸を150mgとした以外は、実施例1と同様に行った。得られた生成物のチオール導入率は60%であり、元素分析の結果S%は13.1%であった。ガラス転移温度は164℃であった。また、屈折率は1.557であった。
チオール化合物としてα−トルエンチオール1.24g、トルエンを70mL、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸を150mgとした以外は、実施例1と同様に行った。得られた生成物のチオール導入率は60%であり、元素分析の結果S%は13.1%であった。ガラス転移温度は164℃であった。また、屈折率は1.557であった。
(実施例4)
チオール化合物としてα−トルエンチオール2.48g、トルエンを70mL、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸を150mgとした以外は、実施例1と同様に行った。得られた生成物のチオール導入率は77%であり、元素分析の結果S%は15.8%であった。ガラス転移温度は174℃であった。また、屈折率は1.576であった。
チオール化合物としてα−トルエンチオール2.48g、トルエンを70mL、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸を150mgとした以外は、実施例1と同様に行った。得られた生成物のチオール導入率は77%であり、元素分析の結果S%は15.8%であった。ガラス転移温度は174℃であった。また、屈折率は1.576であった。
1H−NMRスペクトル測定結果を図1に示した。また、IRスペクトル測定結果を図2に示した。
(実施例5)
チオール化合物としてα−トルエンチオール4.96g、トルエンを70mL、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸を105mgとした以外は、実施例1と同様に行った。得られた生成物のチオール導入率は98%であり、元素分析の結果S%は18.0%であった。ガラス転移温度は185℃であった。また、屈折率は1.599であった。
チオール化合物としてα−トルエンチオール4.96g、トルエンを70mL、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸を105mgとした以外は、実施例1と同様に行った。得られた生成物のチオール導入率は98%であり、元素分析の結果S%は18.0%であった。ガラス転移温度は185℃であった。また、屈折率は1.599であった。
(比較例1)
ポリメチルメタクリレート(住友化学製スミペックスLG)のガラス転移温度は105℃であった。また、屈折率は1.491であった。
ポリメチルメタクリレート(住友化学製スミペックスLG)のガラス転移温度は105℃であった。また、屈折率は1.491であった。
Claims (3)
- 触媒存在下で反応させることを特徴とする請求項2に記載のイオウ含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法。
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