JP2006193708A - フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アクリル系樹脂の透明性を維持しながら、屈折率や耐熱性を向上させた樹脂を提供することを目的とする。
【解決手段】 カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基を含有する(メタ)アクリル系重合体と、これらの基と反応可能な官能基を有するフルオレン化合物を反応させて得られるフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体、およびその製造方法を提供した。アクリル系樹脂の透明性を維持しながら、屈折率や耐熱性を向上することができるうえ、簡便に樹脂を製造することが可能であり、有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高屈折率、透明性、耐熱性を有する光学特性に優れた樹脂およびその製造方法に関する。
ポリメタクリル酸メチルをはじめとする(メタ)アクリル系樹脂は、その透明性を活かして光学材料等として多岐に利用されている。ところが、その耐熱性の低さから耐熱性を要求される用途においては使用できないという問題があった。
(メタ)アクリル系樹脂の耐熱性を向上させる方法としては、(メタ)アクリル系重合体にアルキルアミンなどを反応させ、イミド化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、多岐の用途に合わせて多岐の特性の耐熱性の向上した樹脂が求められており、これとは異なる樹脂も求められている。
一方、フルオレン骨格がポリマー化学構造中に含有されているポリマーとしては、フルオレン環を有する重合性化合物を含有する重合性組成物を重合する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。フルオレン骨格を有する重合体は、耐熱性が高く、屈折率等の光学特性に優れることが知られている。しかし、その製造法は、まずフルオレン環を有する化合物を(メタ)アクリル酸と反応させて得たアクリル系モノマーを、次に重合設備を用い、重合する方法であり、製造プロセスとしては煩雑であった。
米国特許4,246,374号公報 特開平7−13135号公報
そこで本発明の課題は、高い透明性を維持しつつ、耐熱性に優れ、屈折率等の光学特性が改良された、フルオレン骨格を含む(メタ)アクリル系重合体、および、その簡便な製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究の結果、フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体およびその製造方法を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基を含有する(メタ)アクリル系重合体と、これらの基と反応可能な官能基を有するフルオレン化合物を反応させて得られるフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体(請求項1)、
前記カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基が、(メタ)アクリル酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸−t−ブチルから選ばれる1以上のモノマーに由来する基である前記フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体(請求項2)、
前記(メタ)アクリル系重合体が、更にメタクリル酸メチルから誘導される構造を有していることを特徴とする、前記フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体(請求項3)、
カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基と反応可能な官能基が、水酸基であることを特徴とする、前記フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体(請求項4)、
前記フルオレン化合物が、9−フルオレニルメタノールであることを特徴とする、前記フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体(請求項5)、
カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基を含有する(メタ)アクリル系重合体と、これらの基と反応可能な官能基を有するフルオレン化合物を反応させることを特徴とするフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法(請求項6)、
前記カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基が、(メタ)アクリル酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸−t−ブチルから選ばれる1以上のモノマーに由来する基である前記フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法(請求項7)、
前記(メタ)アクリル系重合体が、更にメタクリル酸メチルから誘導される構造を有していることを特徴とする前記フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法(請求項8)、
カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基と反応可能な官能基が、水酸基であることを特徴とする、前記フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法(請求項9)、
前記フルオレン化合物が、9−フルオレニルメタノールであることを特徴とする、前記フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法(請求項10)、
(メタ)アクリル酸−t−ブチルモノマーを含む組成物を重合して重合体を形成し、重合体中のt−ブチル基を脱離する工程を通した後に、フルオレン化合物を反応させることを特徴とする、フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法(請求項11)、
(メタ)アクリル酸−t−ブチルモノマーを含む組成物を重合して重合体を形成し、これに対し直接フルオレン化合物を反応させることを特徴とする、フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法(請求項12)に関する。
本発明に係るフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル系樹脂の透明性を維持しながら、屈折率や耐熱性を向上させることができ、光学材料用途に好適な重合体樹脂を提供することが出来る。また、本発明は、そのような(メタ)アクリル系重合体の簡便な製造方法を提供することができる。
本発明のフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体を得るために使用する(メタ)アクリル系重合体は、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基を含有していれば各種構造のものが使用可能であるが、更に(メタ)アクリル酸エステル構造を含んで構成されていることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル構造を与えるモノマー成分としては、特に限定はなく各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−2―エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、クロトン酸メチル、ケイ皮酸メチル等が挙げられ、これら単独で使用しても、複数種を併用して使用しても構わない。また特に前記例示したものに限定されるものではない。これら(メタ)アクリル酸エステル系モノマーのうち、光学用途に特に好適であるという理由で、メタクリル酸メチルが好ましい。
また、スチレンやα−メチルスチレンなどの、(メタ)アクリル酸エステル構造を与えるモノマーと共重合可能な単量体が、共重合されていても構わない。
一方、カルボン酸基、カルボン酸無水物基から選ばれる1以上の基は各種方法で(メタ)アクリル系重合体に導入することが可能であるが、この構造を与えるモノマー原料を用いて導入する場合、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、4−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、2−ビニル安息香酸等が使用可能であり、中でも、フルオレン化合物との反応性が高いという点で、(メタ)アクリル酸、無水グルタル酸または無水マレイン酸等のカルボン酸無水物基を含有するモノマーが好ましい。
(メタ)アクリル系重合体中のカルボン酸基、カルボン酸無水物基から選ばれる1以上の基の含有率は特に限定されないが、耐熱性が高くなりすぎたり、得られた重合体の親水性が高くなり耐水性が悪くなるために、5〜50モル%が好ましく、10〜30モル%が最も好ましい(尚、2つのカルボン酸基から形成されるカルボン酸無水物基は2単位として計算する)。
即ち、本発明のカルボン酸基、カルボン酸無水物基から選ばれる1以上の基を含有する(メタ)アクリル系重合体は、カルボン酸基、カルボン酸無水物基を与えるモノマーと、(メタ)アクリル酸エステル構造を与えるモノマー、および必要に応じて、他のモノマーを共重合することにより好適に得ることが出来る。重合方法としては、特に限定されず公知の方法、すなわち、乳化重合、マイクロサスペンション重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等を利用できる。乳化重合、マイクロサスペンジョン重合、懸濁重合では、水を媒体として使用するので、重合中の発熱の制御が容易、有害な有機溶剤を使用する必要がない等のメリットがあり、好ましい。
水を媒体とした重合法を使用する場合、アクリル酸等の親水性モノマーを使用すると、モノマーの親水性が高いために、水を媒体とした系中で重合体粒子の凝集が起こるために安定した重合が困難となり、重合体中に高い比率でカルボン酸基、カルボン酸無水物基を導入することは一般的に難しい。カルボン酸基、カルボン酸無水物基を高含有率で導入したい場合は、例えば化学的に保護されたカルボン酸基を有するモノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを共重合した後に、保護基を脱離させる方法を用いることができる(また場合によっては、フルオレン化合物により直接置換させることも可能である)。そのような保護基としては各種のものを用いることができるが、特にt−ブチル基(より具体的には、カルボン酸t−ブチルエステル基)が、入手性、および、脱離の容易性から好ましい。
t−ブチル基を保護基とするカルボン酸基含有モノマーとしては、アクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−t−ブチル等を好適に使用することができるが、カルボン酸−t−ブチル基を有し、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合可能なモノマーであれば特に限定されず使用することができる。
尚、例えば(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとt−ブチルエステルモノマーの共重合体は、乳化重合、マイクロサスペンジョン重合、懸濁重合などにより製造することができるが、これらに限定されるものではない(重合法は、水を媒体としたものに限るわけでなく、各種重合法が使用可能である。)。
一方、t−ブチル基を有するカルボン酸t−ブチルエステル基を使用する際には、フルオレン化合物と反応させる前に、t−ブチル基を脱離する工程を入れることでより確実に反応を行わせることも可能であるが、t−ブチル基の脱離容易性を利用し、カルボン酸t−ブチルエステル基の状態で直接フルオレン化合物を反応させることも可能であり、この場合、より容易に製造することが可能となる。
t−ブチル基を脱離する方法としては、共重合体を単純に加熱する方法、酸触媒を使用する方法等が挙げられる。加熱のみにより脱離を進行させる場合は、加熱温度は200〜280℃の範囲が好ましい。200℃未満の場合はt−ブチル基の脱離が十分ではなく、280℃を超えると共重合体の分解が生じ易くなるため好ましくない。
触媒を使用する場合は、パラトルエンスルホン酸、四塩化チタン、チタンテトライソプロピルオキシド、塩化アルミニウムなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。触媒を用いる場合は、加熱温度をより低くすることができ、共重合体の熱分解を抑制しやすく好ましい。
また、t−ブチル基の脱離の際に、高温に加熱すると、生成したカルボン酸基どうしが縮合して酸無水物基が部分的に生成しやすい。そのような酸無水物基は非常に反応性が高く、フルオレン化合物との反応が容易になるというメリットがあるが、フルオレン化合物との反応後、カルボン酸基が重合体に残存する可能性が高いため、耐水性が悪くなる可能性がある。
本発明におけるカルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基と反応可能な官能基を有するフルオレン化合物としては各種が使用可能であるが、特に水酸基を有するものが好ましく、例えば9−フルオレニルメタノール、9−フルオレニルエタノール、9−フルオレニル−n−プロパノール、9−フルオレニル−i−プロパノール、9−アミノフルオレン、9−エチニル−9−フルオレノール、9−フルオレノール、9−ヒドロキシフルオレン−9−カルボン酸、9−フェニル−9−フルオレノール、2−アミノ−9−フルオレノン、2−ヒドロキシ−9−フルオレノン等が挙げられる。その中でも9−フルオレニルメタノールが反応性が高く、耐熱性の向上効果が高いことから、特に好ましい。
フルオレン化合物の導入量は、好ましくは(メタ)アクリル系重合体100モル%に対しモノマー単位で5〜50モル%であり、更に好ましくは5〜30モル%、最も好ましくは、5〜20モル%である。50モル%を超えると樹脂の柔軟性が低下し、もろくなってしまう。また5モル%未満では得られた重合体の屈折率や耐熱性が不十分となる。
またフルオレン化合物の導入量は、(メタ)アクリル系重合体中のカルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基の含有量に関係なく決めることができる。すなわち、(メタ)アクリル系重合体中のカルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基、カルボン酸t−ブチルエステル基の全ての部分にフルオレン化合物を反応させても良いし、そのうちの一部に反応させても良い。尚、耐水性が要求される場合には、フルオレン化合物の導入量は、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基の和と等モルとすることが好ましい。
カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基を含有する(メタ)アクリル系重合体に対し、フルオレン化合物を導入する方法としては、特に限定されないが、酸触媒、例えば、塩化水素、硫化水素、硫酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸などのプロトン酸の存在下に加熱する方法が挙げられる。これら触媒は単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもかまわない。
この他、N,N‘−ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水剤を使用することも可能である。また、カルボン酸基を、塩化チオニル、五塩化リン、三塩化リン等の存在化下に、一旦、酸塩化物とした後、上記のフルオレン化合物と反応させてもよい。
また、(メタ)アクリル系モノマーと(メタ)アクリル酸−t−ブチルモノマーを共重合して得られる重合体に、酸触媒、例えば、塩化水素、硫化水素、硫酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸などのプロトン酸の存在下で、カルボン酸基および/またはカルボン酸無水物基と反応可能な官能基を有するフルオレン化合物を反応させることも可能である。
これらカルボン酸および/またはカルボン酸無水物を含有する(メタ)アクリルモノマー単位を含む(メタ)アクリル系重合体とフルオレン化合物を反応させて得られる重合体は樹脂成型体やフィルム、繊維等としても使用することができる。
尚、正確に確認した訳ではないが、フルオレン化合物の導入で屈折率や耐熱性が向上する理由は、電子密度やポリマー分子運動が抑制されることによるものと推察される。
以下に、カルボン酸基および/またはカルボン酸無水物基を含有する(メタ)アクリル系重合体の製造例を示すが、これらに限定されるものではない。
(製造例1)
温度計、攪拌器、冷却管を備えた反応容器に、5000gの水、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水和物を0.08g、硫酸鉄(II)・七水和物を0.02g、ホルムアルデヒド硫酸ナトリウムを10g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを10g入れ、窒素雰囲気下、60℃に保ちながら攪拌した。この混合物Aに、メタクリル酸メチルモノマー1476g、メタクリル酸t−ブチルモノマー524g、クメンヒドロパーオキサイド6g、t−ドデシルメルカプタン2.4gを混合した液体Bを、250g/時間の割合で混合物Aに添加した。添加開始4時間後、および6時間後にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを混合物Aにそれぞれ4g添加した。混合液体Bを全量添加後、1時間そのまま混合物を攪拌し、室温に低下し、雰囲気を空気に入れ替えした。
得られた混合物に30wt%の塩化カルシウム水溶液を133gを添加し、さらにこれを100℃に昇温し、脱水、乾燥してメタクリル酸メチル/メタクリル酸t−ブチル共重合体1850gを得た。
得られたメタクリル酸メチル/メタクリル酸t−ブチル共重合体36gを三つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、60℃で204gのトルエンに溶解した。次に、パラトルエンスルホン酸・一水和物0.72gを添加し、120℃に昇温して4時間攪拌した。その後、室温にした後、400gのTHFにて回収し、協和化学キョーワード500SHを1.44g添加して、パラトルエンスルホン酸・一水和物を中和した。中和物をろ過した液体から溶媒を除去してメタクリル酸を含有するアクリルモノマー単位を20モル%含むメタクリル酸メチル系重合体30gを得た。
(製造例2)
製造例1と同じ方法により得たメタクリル酸メチル/メタクリル酸t−ブチル共重合体40gを、プラストミルにて250℃で5分間溶融させ、メタクリル酸および無水グルタル酸を含有するアクリルモノマー単位を20モル%含むメタクリル酸メチル系重合体32gを得た。
(製造例3)
製造例1でメタクリル酸メチルモノマーを1861g、メタクリル酸t−ブチルモノマーを139gとした以外は、製造例1と同様に製造し、メタクリル酸を5モル%含むメタクリル酸メチル系重合体32gを得た。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
前記製造例3で得られたカルボン酸を含有するアクリルモノマー単位を5モル%含むアクリル系重合体25.85gと9−フルオレニルメタノール2.55gとN,N‘−ジシクロヘキシルカルボジイミド2.68gを、THF207gに溶解し、60℃にて6時間攪拌し、沈殿物をろ過した後、溶媒を除去して反応生成物を25g得た。
(比較例1)
ポリメタクリル酸メチル樹脂を比較例に用いた。
反応物の評価は下記の方法により実施した。
(1)耐熱性:反応物を示差走査熱量計{島津製DSC−50}を用いて、20℃/分にて測定したガラス転移温度Tgにて評価した。
(2)屈折率:反応物を塩化メチレン/メタノール=1/1の混合溶媒に30wt%の濃度で溶解し、そのポリマー溶液をキャスティングし、60ミクロンのフィルムを得た。このフィルムを屈折計{ATAGO製の3T}を用いて測定した。
(3)透明性:屈折率評価の場合と同様にして得られたフィルムを濁度計{日本電色製NDH−300A}を用いて測定した全光線透過率にて評価した。
これらの方法に基づき、実施例、比較例で得られた反応物の評価結果を表1に示した。
その結果、実施例1の反応物は屈折率や耐熱性が比較例1と比べて高く、透明性は同等であることが判った。
Figure 2006193708

Claims (12)

  1. カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基を含有する(メタ)アクリル系重合体と、これらの基と反応可能な官能基を有するフルオレン化合物を反応させて得られるフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体。
  2. 前記カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基が、(メタ)アクリル酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸−t−ブチルから選ばれる1以上のモノマーに由来する基であることを特徴とする、請求項1記載のフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体。
  3. 前記(メタ)アクリル系重合体が、更にメタクリル酸メチルから誘導される構造を有していることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体。
  4. カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基と反応可能な官能基が、水酸基であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体。
  5. 前記フルオレン化合物が、9−フルオレニルメタノールであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体。
  6. カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基を含有する(メタ)アクリル系重合体と、これらの基と反応可能な官能基を有するフルオレン化合物を反応させることを特徴とするフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  7. 前記カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基が、(メタ)アクリル酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸−t−ブチルから選ばれる1以上のモノマーに由来する基であることを特徴とする、請求項6記載のフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  8. 前記(メタ)アクリル系重合体が、更にメタクリル酸メチルから誘導される構造を有していることを特徴とする請求項6または7のいずれか1項に記載のフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  9. カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基と反応可能な官能基が、水酸基であることを特徴とする、請求項6から8のいずれか1項に記載のフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  10. 前記フルオレン化合物が、9−フルオレニルメタノールであることを特徴とする、請求項6から9のいずれか1項に記載のフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  11. (メタ)アクリル酸−t−ブチルモノマーを含む組成物を重合して重合体を形成し、重合体中のt−ブチル基を脱離する工程を通した後に、フルオレン化合物を反応させることを特徴とする、フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  12. (メタ)アクリル酸−t−ブチルモノマーを含む組成物を重合して重合体を形成し、これに対し直接フルオレン化合物を反応させることを特徴とする、フルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
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