JP2006299044A - 水性エマルジョン系防水塗料組成物及び塗膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乾燥により肉やせすることが抑制され、乾燥による亀裂が発生せず、高い伸び率を有する防水塗膜を形成することができる水性エマルジョン系防水塗料組成物を提供する。
【解決手段】 固形分としてのアクリル系樹脂10〜50質量部、無機質充填剤成分が30〜70質量部分散されてなる水性エマルジョン系防水塗料組成物であって、無機質充填剤成分として、平均粒子径が40〜200μmの中空粒子と、中空粒子以外の無機質充填剤とを含有し、比重を0.7以上1.2以下とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性エマルジョン系防水塗料組成物及び塗膜に関する。具体的には、0.5mm以上の比較的厚い防水塗膜を形成するのに適し、特に、塗布後の膜が、乾燥により肉やせすることが抑制されるほか、乾燥による亀裂が発生せず、高い伸び率を有する防水塗膜好適に使用することができる水性エマルジョン系防水塗料組成物及び塗膜に関する。
建築物の壁面、屋根、バルコニー、ベランダなどの壁面、風呂場、洗濯場などの床面の防水を目的として、これらの表面に比較的膜厚の厚い塗布膜が形成される。これら壁面に塗布される、厚目で防水を目的とした塗布膜形成用塗料の一つとして、水性エマルジョン系樹脂を有効成分とした水系塗料が広く使用されている。
従来、水性エマルジョン系防水塗料組成物として、特許文献1には、塗膜成分となる樹脂成分と、この樹脂成分の固形分100重量部に対して、無機質充填剤成分30〜100重量部が分散されてなる水性エマルジョン系防水塗料組成物が開示されている。該組成物は、樹脂成分がアクリル系樹脂成分20〜80重量%と、ビチューメン成分80〜20重量%との混合物であり、無機質充填剤成分が表面積15〜400m/gのセピオライト1〜20重量%と、平均粒子径10〜40μmの粒状微粉末成分99〜80重量%との混合物であることを特徴とする。
即ち、特許文献1には、アクリル系樹脂成分と、無機質充填剤成分とを含有する水性エマルジョン系防水塗料組成物が開示され、あわせて、当該無機質充填剤成分として、表面積15〜400m2/gのセピオライト1〜20重量%と、平均粒子径1〜40μmの粒状微粉末成分99〜80重量%との混合物が開示されている。なお、上記特許文献1における「アクリル系樹脂成分」とは、固形分としてのアクリル系樹脂を含んだエマルジョンをさしている。以下の本明細書においては、固形分としてのアクリル系樹脂を含んだエマルジョンをさすときは「アクリル系樹脂エマルジョン」といい、アクリル樹脂そのものの量をさすときは特に「固形分としてのアクリル系樹脂」と表記することがある。
特開2000−129164号公報
しかしながら、本発明者らが検討した結果、特許文献1に記載の水性エマルジョン系防水塗料組成物では、液比重が高いため、塗布後の膜が、乾燥により肉やせして窪みを生じやすく、平坦な施工面に仕上げるためには、何度も塗り重ねたり、厚塗りをしたりするため、施工工程が長くなり、施工日数、施工コストアップしがちであった。
従って、乾燥により肉やせすることが抑制され、乾燥による亀裂が発生せず、高い伸び率を有する防水塗膜を形成することができる水性エマルジョン系防水塗料組成物が望まれる。
本発明者らは鋭意検討した結果、無機質充填剤として、中空粒子を用い、中空粒子以外の無機質充填剤と併用することにより、水性エマルジョン系防水塗料組成物の比重を特定値以下とすることにより、上記課題が解決できることを見出して、本発明を完成した。
かくして、第一の本発明は、固形分としてのアクリル系樹脂10〜50質量部、無機質充填剤成分が30〜70質量部分散されてなる水性エマルジョン系防水塗料組成物であって、無機質充填剤成分として、平均粒子径が40〜200μmの中空粒子と、中空粒子以外の無機質充填剤とが含有されており、比重が0.7以上1.2以下であることを特徴とする水性エマルジョン系防水塗料組成物に存する。ここに「平均粒子径」とは、重量累積粒度分布の50%径により測定した平均粒子径をいうものとする。
上記第一の本発明にかかる水性エマルジョン系防水塗料組成物において、無機質充填剤成分全量を基準として、中空粒子が0.5〜5質量%、中空粒子以外の無機質充填剤が95〜99.5質量%含まれることが好ましい。
また、上記第一の本発明にかかる水性エマルジョン系防水塗料組成物において、中空粒子の真比重が0.05〜0.2であることが好ましい。
さらに、第二の本発明は、固形分としてのアクリル系樹脂を5〜40質量部と、平均粒子径が40μm以上の無機質中空粒子と、該中空粒子以外の無機質充填剤とが含有されており、比重が0.8以上1.5以下であることを特徴とする水性エマルジョン系防水塗膜に存する。
なお、前記特許文献1においては、粒状微粉末として、ガラスビーズが開示されているが、その平均粒子径が1〜40μmであることから本発明におけるような、平均粒子径40μm以上の大きい中空粒子を用いる思想はなく、これによって得られる本発明の効果を何ら示唆していない。これまで、無機質充填剤としては、エマルジョンとしての分散性の確保を主眼に考えて、小さめの粒子径の無機質充填剤を用いるのが常識であった。
これに対して、本発明では、これまで常識的に用いるよりも大きい中空粒子で一部を置き換えることで、肉やせというこれまで解決されていなかった課題を解決し、組成物としての塗布性を損なうことなく塗膜を作成することができたのである。
本発明の水性エマルジョン系防水塗料組成物によれば、乾燥により肉やせすることが抑制されるほか、乾燥による亀裂が発生せず、高い伸び率を有する防水塗膜を形成する水性エマルジョン系防水塗料組成物及び塗膜が提供できるので工業的にきわめて有利である。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る水性エマルジョン系防水塗料組成物は、固形分としてのアクリル系樹脂10〜50質量部、無機質充填剤成分が30〜70質量部分散されてなり、無機質充填剤成分として、平均粒子径が40〜200μmの中空粒子と、中空粒子以外の無機質充填剤とが含有されている。
以下、本発明の水性エマルジョン系防水塗料組成物を構成する各成分に分けて説明する。
<アクリル系樹脂>
本発明の水性エマルジョン系防水塗料組成物を構成する塗膜成分はアクリル系樹脂を含む。この「アクリル系樹脂」は、アクリル酸エステル類を主成分とするアクリル系共重合体である。アクリル酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。アクリル酸エステル類は、上に例示したものに限定されるものではなく、1種でも2種類以上の混合物であってもよい。
上記アクリル酸エステル類と共重合可能な化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ブチルスチレン、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、イソブチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、マレイン酸、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、無水マレイン酸、フマール酸、フマール酸エチル、フマール酸ブチル、イタコン酸、イタコン酸メチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレインなどが挙げられる。共重合可能な化合物は、上に例示したものに限定されるものではなく、1種でも2種類以上の混合物であってもよい。
アクリル酸エステル類を主成分とするアクリル系樹脂は、上記単量体を適宜組合せて、乳化重合法によって製造することができる。乳化重合法によって製造したアクリル系樹脂エマルジョンは、樹脂の平均粒子径が0.2μm以下、固形分の含有量が50〜70質量%の範囲、粘度が25000mPa・s以下(B型粘度計、12rpm、25℃)のものが好ましい。なお、上記アクリル系樹脂エマルジョンはゴム弾性を示すものである。
樹脂の平均粒子径が0.2μmを超えたり、粘度が25000mPa・sを超えると、製品の防水塗料組成物を調製作業時の粘度が大きくなり、好ましくない。
本発明に係る水性エマルジョン系防水塗料組成物の塗膜成分である他の有効成分として、必要に応じてアクリル系樹脂に加え、ビチューメンを乳化したビチューメンエマルジョンを使用してもよい。ビチューメンは、原油を減圧下に蒸留して得られる残渣、あるいは、石炭、オイルサンド、オイルシェール等を乾留することによって得られる粘度の高い半固体状のものをいう。防水塗料組成物として適したビチューメンの性状は、乳化剤によってエマルジョン化したビチューメンエマルジョンであって、固形分が55〜63質量%、比重(JISK2207に準拠した測定値)が0.92〜1.15のものが好ましい。
本発明に係る水性エマルジョン系防水塗料組成物の塗膜成分として、アクリル系樹脂にビチューメンを加えて使用する場合、上記固形分としてのアクリル系樹脂20〜80質量部に対し、上記ビチューメン(固形分換算)80〜20質量部を含有させることが好ましい。この範囲内のアクリル系樹脂とビチューメンとの配合比とすることで、防水塗料組成物に塗布膜の皮張りが生じやすくなることを防止し、かつ、防水塗布膜が柔軟で高い伸び率を発揮できる。アクリル系樹脂にビチューメンを加えて使用する場合、両者の特に好ましい配合割合は、固形分としてのアクリル系樹脂50〜80質量部、ビチューメン(固形分換算)80〜20質量部である。
<無機充填材>
本発明に係る水性エマルジョン系防水塗料組成物には、無機質充填剤成分として、平均粒子径が40μm以上、200μm以下の中空粒子と、中空粒子以外の無機質充填剤とが含有されている。
(1)中空粒子
本発明の水性エマルジョン系防水塗料組成物に配合される中空粒子は、40〜200μmの平均粒子径を有する。平均粒子系は好ましくは55〜100μmである。中空粒子の平均粒子径をかかる範囲に保持することにより、塗料組成物の生産時にシェアに強く、また出来上がった塗料組成物製品の施工性が良好なものとなる。中空粒子の平均粒子径が大きすぎると、製品の外観不良や物性低下を招きやすい。中空粒子の平均粒子径が小さすぎると、塗料組成物中への添加料を多くせねばならず、その結果、真比重の上昇を招き、製品コストも上昇する。
本発明の水性エマルジョン系防水塗料組成物に配合される中空粒子の真比重は0.05〜0.25であることが好ましい。さらに好ましくは、0.1〜0.2である。ここに「真比重」とは、中空体粒子として観念される中空の球体の質量に対する該球体の体積の比である。従って、粒子間に空隙を有する多数の中空粒子の集合体である粉体の「見かけ比重」とは異なるものである。
中空体粒子の真比重が小さすぎると外観不良、物性低下という不都合が生じる。一方、中空体粒子の真比重が大きすぎると、添加量多、価格高という不都合が生じるので好ましくない。
中空体粒子の外殻を構成する材料は、本発明において特に限定されないが、樹脂、ガラス、シラス、セラミックス、ヒル石等を単独で、あるいはこれらのうち複数を組み合わせて好適に使用することができる。中空体粒子は市中において、例えば、日本フェライト社製の「樹脂バルーン」、3M社製の「シラスバルーン」として入手することが可能である。
(2)他の無機充填材
中空粒子以外の無機質充填剤とは、中空部分を有しない、中実の無機質充填剤をさす。中空か中実かは顕微鏡等で粒子を観察することで確認できる。具体的には、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、タルク、クレー、珪藻土、ゼオライト、マイカが挙げられる。なお、他の無機質充填剤として上記した特許文献1にあるセピオライトを単独で、あるいは上記各成分とともに使用してもよい。
他の無機充填材の平均粒子径は、40μm以下、好ましくは20μm以下である。この平均粒子径が大きすぎると、チクソトロピー性に優れた塗料組成物が得られない。一方平均粒子径が小さすぎると、強度に優れた塗料組成物を得ることができない。
(3)中空粒子と他の無機充填材との比率
本発明の水性エマルジョン系防水塗料組成物において、無機質充填剤成分全量を基準として、中空粒子が0.5〜5質量%、中空粒子以外の無機質充填剤が95〜99.5質量%、好ましくは、中空粒子が1.0〜3.0質量%、中空粒子以外の無機質充填剤が97〜99質量%、含まれることが好ましい。中空粒子の比率が上記範囲より高い場合、製品のコストが上昇し、塗料としての施工性が低下する。一方、比率が上記範囲より低いと製品比重が上昇して、塗料を塗布した後の肉やせの傾向が大きくなる。
<他の任意成分>
本発明に係る水性エマルジョン系防水塗料組成物は、上記のアクリル系樹脂及び、中空粒子を含む無機充填材の2成分を必須とするが、必要に応じ、通常の各種添加剤を配合することができる。配合できる他の添加剤としては、例えば、有機繊維、増粘剤、消泡剤、防腐剤、防錆剤、分散剤、湿潤剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。水性エマルジョン系防水塗料組成物に適度のチクソトロピー性を確保する際には、増粘剤、分散剤などを配合するのが好ましい。
<水性エマルジョン系防水塗料組成物>
本発明に係る水性エマルジョン系防水塗料組成物は、固形分としてのアクリル系樹脂10〜50質量部、無機質充填剤成分が30〜70質量部が分散されている。固形分としてのアクリル系樹脂に対して無機質充填剤成分が上記比率より小さいと塗膜強度が低下という不具合が生じる。逆にこの比率が大きすぎると塗膜の伸びが低下という不具合が生じて好ましくない。
本発明に係る水性エマルジョン系防水塗料組成物の比重は、1.2以下であることが必須である。比重の好ましい範囲は0.7〜1.2、さらに好ましい範囲は0.8〜1.2である。塗料組成物の比重が小さすぎると、塗膜の強度が弱くなる。一方、比重が大きすぎると、製品の外観不良、物性の低下が生じやすくなり好ましくない。
<水性エマルジョン系防水塗膜>
本発明の第二の態様である水性エマルジョン系防水塗膜は、本発明の第一の態様である水性エマルジョン系防水塗料組成物を被塗装面に塗布して乾燥させることにより得られる塗膜である。
本発明の水性エマルジョン系防水塗膜は、固形分としてのアクリル系樹脂を5〜40質量部、平均粒子径が40μm以上の無機質中空粒子と、該中空粒子以外の無機質充填剤が含有されており、防水塗膜の比重が0.8〜1.5である。比重をかかる範囲にすることで、肉やせの抑制された美観性の良好な膜となる。
本発明の塗膜において、無機質充填剤として、中空粒子と中実粒子との比率を確認するには、被塗装面に形成された塗膜をはがして、例えばキシレン等の溶剤に溶かして、無機質充填剤を取り出し、粒子の断面を顕微鏡等で観察することにより、判別可能である。
本発明に係る水性エマルジョン系防水塗料組成物は、建築物の外壁面、屋上、屋根、ベランダ、バルコニーなどの屋外の壁面のほか、廊下、浴場、調理場、洗濯場などの水を使用する屋内の床などの防水を目的として、これらの表面に塗布して防水塗膜を形成することができる。塗膜を塗布する対象物はコンクリート、スレート、木板、合板などのいずれであってもよい。防水塗料組成物を塗布する方法は、従来から知られている方法、例えば、刷毛塗り法、ローラー塗り法、フロー塗り法、スプレー塗り法などが挙げられる。塗膜の厚さは、建築物の種類、塗布する場所などにより異なるが、0.5〜5mmの範囲で選ぶことができる。塗膜を塗布する対象物の表面と塗膜との密着力を向上させる目的で、あらかじめアンカーコート剤を塗布することもできる。
本発明に係る水性エマルジョン系防水塗料組成物の塗膜は、自然乾燥法によって乾燥させるが、熱風による強制乾燥法、キャリヤガスによる強制乾燥法などによって乾燥することもできる。本発明に係る防水塗料組成物は、0.5〜5mmの範囲の厚さに厚塗りしても、乾燥により肉やせすることが抑制されるほか、乾燥による亀裂が発生せず、高い伸び率を有する防水塗膜を形成する。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う水性エマルジョン系防水塗料組成物及び塗膜もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
表1に示す組成を有する実施例、比較例各3種類の水性エマルジョン系防水塗料組成物を調製して、以下に示す評価を行った。
(資料の調製)
各組成物の調製に使用した成分の詳細は以下のとおりである。
(アクリル系樹脂エマルジョン):アクリル系樹脂エマルジョンとして、ES−34(中央理化社製;固形分60質量%、粘度4500mPa・s)
(ビチューメンエマルジョン):FLコートタイプ3(昭和シェル石油社製;比重0.978、固形分57.5質量%)
上記のアクリル系樹脂エマルジョン、及びビチューメンエマルジョンを表1に示した割合で混合し、さらに、
セピオライト(楠本化成社製、製品名:PANGEL HV、長さ:0.2〜2μm、幅:100〜300オングストローム、厚さ:50〜100オングストローム、表面積:320m/g、総気孔度:0.70cm/g)、
中空粒子(平均粒子径:30μm、70μm、及び250μmの3種を用いた。それぞれの真比重は、0.2、 0.13、 及び0.05であった。)
炭酸カルシウム(平均粒子径:5μm〜20μm)
消泡剤(販売元:旭電化社 B−1015)
を、表−1に記載の割合で秤量し、混合して水性エマルジョン系防水塗料組成物試料を調製した。
(評価試験)
(1)肉やせ
各水性エマルジョン系防水塗料組成物試料を、上面側が開口された300mm(W)×300mm(L)×3mm(厚さ)の金属製平容器の内部を満たすように充填塗布し20℃、60%湿度(室温)、の条件のもと、2日間かけて乾燥させた。乾燥後の塗膜厚さを測定し、厚みの減少が20%未満のものを「○」、20%以上のものを「×」と判定して記録した。
(2)皮張り性
各水性エマルジョン系防水塗料組成物試料を、金属板の表面にスプレー塗布して、50mm×50mm×5mm(厚さ)の塗布膜を形成し、この塗布膜付金属板を、温度を70℃に調節した温風乾燥機に入れて3分間放置した。10分間経過後に金属板を温風乾燥機から取り出し皮張りの程度を観察した。塗布膜の表面に薄い皮が生じることがなく、金属板の表面で均一に混ぜ合わすことができるものを「○」とし、塗布膜の表面に薄い皮が生じて均一に混ぜ合わすことができないものを「×」として表示した。
(3)乾燥性
各水性エマルジョン系防水塗料組成物試料を、金属板の表面にスプレー塗布して、50mm×50mm×3mm(厚さ)の塗布膜を形成し、この塗布膜付金属板を、温度を20℃湿度を60%に調節した室内で12時間養生した。この養生の後、塗布膜に10mm間隔で格子状の切れ目を形成して20℃の水中に浸漬した。塗布膜が剥がれないものを「○」とし、塗布膜が剥がれたものを「×」として表示した。
(4)亀裂生成の有無
各水性エマルジョン系防水塗料組成物資料を、スレート製の300mm×300mm×10mm(深さ)の箱型容器の内部に、スプレー塗布して、厚さ5mmの塗布膜を形成し、温度を20℃、湿度を60%に調節した室内で48時間養生した。この養生の後、容器側壁からの剥離の有無、塗布膜表面のヒケによる溝の有無、クラックの有無を目視観察した。これらが全く認められないものを「○」とし、いずれかが認められるものを「×」として表示した。
(5)塗布膜の伸び率(破断時)
JIS A6021(2000、建築用塗膜防水材)に準拠して測定した。
上記各評価試験の結果を表1に合わせて示す。
Figure 2006299044
表1から、以下の点が明らかになった。
中空粒子の粒子径が70μm、250μmのものを使用した塗料組成物(実施例1〜3、比較例2)は良好な肉やせ抑制性を示した。さらに粒子径が70μmのものは良好な塗膜の伸び性を示した(実施例1〜3)のに対し、粒子径250μmのものは、塗膜の伸び性が劣った(比較例2)。

Claims (4)

  1. 固形分としてのアクリル系樹脂10〜50質量部、無機質充填剤成分が30〜70質量部分散されてなる水性エマルジョン系防水塗料組成物であって、前記無機質充填剤成分として、平均粒子径が40〜200μmの中空粒子と、中空粒子以外の無機質充填剤とが含有されており、比重が0.7以上1.2以下であることを特徴とする水性エマルジョン系防水塗料組成物。
  2. 前記無機質充填剤成分全量を基準として、前記中空粒子が0.5〜5質量%、前記中空粒子以外の無機質充填剤が95〜99.5質量%含まれることを特徴とする請求項1に記載の水性エマルジョン系防水塗料組成物。
  3. 前記中空粒子の真比重が0.05〜0.25であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性エマルジョン系防水塗料組成物。
  4. 固形分としてのアクリル系樹脂を5〜40質量部と、平均粒子径が40μm以上の無機質中空粒子と、該中空粒子以外の無機質充填剤とが含有されており、比重が0.8以上1.5以下であることを特徴とする水性エマルジョン系防水塗膜。
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