JP2006298638A - フォークリフト - Google Patents

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Naohiko Maeda
直彦 前田
Kazuya Takashima
一矢 高嶋
Kazuhiko Watabe
和彦 渡部
Masahiro Nemoto
雅裕 根本
Shinya Saito
信也 斎藤
Toshio Wada
俊雄 和田
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Abstract

【課題】フォークでパレットを引き摺って荷崩れが生じることを確実に防止する。
【解決手段】フォークを昇降させかつ進退させることにより、フォークをパレットの差込口に対して差込みまたは抜去し、パレットとパレット上の荷物を荷役するフォークリフトにおいて、フォーク昇降用の油圧シリンダのリフト油圧を検出する油圧ロードセンサを設け、フォークが無負荷状態のときの油圧シリンダのリフト油圧「A」に基づいて油圧変動の許容範囲を「A−β〜A+α」に設定しておく。荷降ろしの際、フォークを下降させてフォーク上のパレットを載置位置に着地させた後に、油圧ロードセンサによって油圧シリンダのリフト油圧「A’」を検出し、当該リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲「A−β〜A+α」内に有る場合に、パレットの差込口からのフォークの抜去動作を行う。
【選択図】 図5

Description

本発明は、荷降ろしの際に、フォークをパレットの差込口からパレットを引き摺らないように抜去する機能を備えたフォークリフトに関するものである。
一般的にフォークリフトは、所定の載置位置に載置されたパレットに対してフォークを前進させることにより、パレットの差込口にフォークを差込み、該フォークを上昇させることにより、パレットとパレット上に積まれた荷物を掬い上げて荷取る。また荷取り後、フォークリフトは、フォークを下降させることにより、フォークで支持しているパレットを所定の載置位置に着地させ、該パレットに対してフォークを後退させることにより、パレットの差込口からフォークを抜去してパレットと荷物を荷降ろしする。
上記の荷降ろしの際に、床面や載置位置の状態によるフォークやパレットの傾き等の要因により、フォークが載置位置に着地させたパレットの上デッキボードまたは下デッキボードに接触した状態で、フォークを後退させてパレットの差込口から抜去して行き、フォークでパレットを引き摺ってしまうことがある。特に、パレットおよび荷物を段積みする場合は、フォークでパレットを着地させる載置位置が、既に荷降ろしされた荷物の上面になるので、荷物の高さのばらつきにより着地後のパレットが傾いてフォークと接触し、フォークを抜去して行くときに、パレットを引き摺ることが起こり易い。そして、フォークでパレットを引き摺っているときに、フォークとパレットとの接触力が大きいと、パレット上の荷物が不安定になって荷崩れし、パレット上から落下して損傷するという事故が発生してしまう。そこで、当該事故の発生を防止する安全対策として、下記の特許文献1、2のような、フォークをパレットの差込口からパレットを引き摺らないように抜去する技術が従来から採用されている。
特許文献1の技術は、荷(パレットまたは荷物のこと)を検出可能な距離が異なる複数の光センサを、リフトブラケットに上下一列に並ぶように設けている。そして、荷降ろしの際の車体を後退させてフォークをパレットの差込口から抜去して行くときに、車体が各光センサの検出可能距離よりもやや長く後退する毎に、対応する光センサの検出状態を確認し、当該光センサが荷の非検出状態にあれば、荷の引き摺りを生じていないと判断して、車体の後退とフォークの抜去とを継続している。また、当該光センサが荷の検出状態にあれば、荷の引き摺りを生じていると判断して、車体の後退を停止しフォークの抜去を中止している。
特許文献2の技術は、荷を支持しているフォークが下降してパレットの上デッキボードから離れた時、即ちフォークのパレットの差込口からの抜去可能時を検出する抜去センサを、複数のフォークのそれぞれに設けている。そして、荷降ろしの際のフォークを下降させて行くときに、各抜去センサにより各フォークの抜去可能時を検出し、最初に検出した抜去可能時から最後に検出した抜去可能時までの間に、全フォークが一様に下降した距離をエンコーダ等により計測して、当該下降距離が所定距離以内であれば、フォークがパレットの下デッキボードと接触していないと判断して、全フォークをパレットの差込口から抜去している。また、当該下降距離が所定距離を上回れば、フォークがパレットの下デッキボードと接触していると判断して、全フォークを抜去せず、音や光により警告を発している。
特開平9−58995号公報 特開2003−267695号公報
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、荷物の色や形状およびパレットの欠けや汚れ等の要因によって、光センサによる荷の検出タイミングがばらついて、パレットの引き摺りを精度良く判断できない場合がある。このため、実際にフォークでパレットを引き摺っていても、引き摺っていないと判断されて、車体の後退が停止されず、フォークの抜去が中止されないおそれがある。また、上述した特許文献2の技術では、フォークや載置位置に着地したパレットの車体の前後方向に対する傾き、および抜去センサから離れたフォーク上の位置(特許文献2では、例えばフォークの先端側の位置)でのパレットの荷取り等の要因によって、抜去センサにより検出できない位置でフォークがパレットの上または下のデッキボードに接触する場合がある。この場合には、フォークがパレットと接触していないと判断されるので、フォークが抜去されて行って、フォークでパレットを引き摺ってしまう。従って、特許文献1、2の技術は、フォークでパレットを引き摺って荷崩れを生じるおそれがあり、荷降ろしの際の安全対策として万全なものではなかった。
本発明は、上記のような問題を解決するものであって、その課題とするところは、フォークでパレットを引き摺って荷崩れが生じることを確実に防止することにある。
本発明では、フォークを昇降させかつ進退させることにより、フォークをパレットの差込口に対して差込みまたは抜去して、パレットと該パレット上に積まれた荷物を荷役するフォークリフトにおいて、フォークを昇降させるための油圧シリンダの油圧を検出する油圧検出手段と、フォークが無負荷状態のときの油圧シリンダの油圧に基づいて設定した油圧変動の許容範囲を記憶する記憶手段と、フォークの昇降動作および進退動作を制御する制御手段とを備え、制御手段は、荷降ろしの際、フォークを下降させて該フォークで支持しているパレットを載置位置に着地させた後に、油圧検出手段によって油圧シリンダの油圧を検出し、検出した当該油圧の油圧変動の許容範囲に対する状態に応じて、フォークを後退させてパレットの差込口から抜去する抜去動作を行う。
上記のようにすると、荷物やパレットの外観状態、フォークや着地後のパレットの車体の前後方向または左右方向に対する傾き、およびフォーク上のパレットの支持位置に関係なく、パレット着地後に、フォークがパレットの上デッキボードに接触している状態、即ちパレットがフォークに載っている状態であれば、油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲よりも高くなる。また、フォークがパレットの下デッキボードに接触している状態、即ちフォークがパレットに載っている状態であれば、油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲よりも低くなる。さらに、フォークがパレットの上下のデッキボードに接触していない状態、即ちフォークでパレットを引き摺らない状態であれば、油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲内に収まる。よって、油圧シリンダの油圧の油圧変動の許容範囲に対する状態から、フォークとパレットとの接触状態を把握することができるので、当該状態に応じてフォークの抜去動作を行うことで、フォークでパレットを引き摺って荷崩れが生じることを確実に防止することが可能となり、荷降ろしの際の安全対策として万全なものとなる。
また、本発明の一実施形態では、制御手段は、パレットを載置位置に着地させた後に、油圧検出手段によって油圧シリンダの油圧を検出し、検出した当該油圧が油圧変動の許容範囲内にある場合にのみ、フォークの抜去動作を行う。
前述した特許文献1の技術では、フォークをパレットの差込口から抜去しながらパレットの引き摺りを判断するため、パレットを引き摺っていると判断してから直ぐに車体の後退を停止させても、車体が完全に停止するまではフォークが抜去されて行き、フォークでパレットを引き摺ってしまう。然るに、上記のようにパレット着地後の油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲内にある場合にのみフォークの抜去動作を行うと、当該油圧が油圧変動の許容範囲内にない場合、即ちフォークがパレットの上デッキボードまたは下デッキボードに接触している状態の場合には、フォークの抜去動作が行われないので、フォークによるパレットの引き摺りを未然に防いで、荷崩れの発生を確実に防止することが可能となる。
また、本発明の他の一実施形態では、制御手段は、パレットを載置位置に着地させた後に、油圧検出手段によって油圧シリンダの油圧を検出し、検出した当該油圧が油圧変動の許容範囲内にあれば、フォークを後退させてパレットの差込口から抜去して行き、検出した当該油圧が油圧変動の許容範囲内になければ、当該油圧の油圧変動の許容範囲に対する高低に応じて、フォークを昇降させかつ後退させてパレットの差込口から抜去して行く。
上記のようにすると、パレット着地後の油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲内にある場合には、フォークがパレットの上下のデッキボードに接触していない状態にあるので、その状態のままフォークを後退させることで、フォークをパレットの差込口からパレットを引き摺ることなく抜去することができる。また、パレット着地後の油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲の上限値より高い場合には、フォークがパレットの上デッキボードに接触して、該パレットを載せている状態にあるので、フォークを下降させかつ後退させることで、フォークをパレットの上デッキボードから離間させて、パレットの差込口からパレットを引き摺ることなく抜去することができる。さらに、パレット着地後の油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲の下限値より低い場合には、フォークがパレットの下デッキボードに接触して、該パレットに載っている状態にあるので、フォークを上昇させかつ後退させることで、フォークをパレットの下デッキボードから離間させて、パレットの差込口からパレットを引き摺ることなく抜去することができる。よって、フォークによるパレットの引き摺りを未然に防いで、荷崩れの発生を確実に防止しながら、荷降ろしを完了することが可能となる。
また、本発明の一実施形態では、パレットが載置位置に着地したことを検出する着地検出手段を備え、制御手段は、着地検出手段によってパレットの着地を検出すると、フォークが静止するまでにかかる静止時間が経過するのを待ってから、油圧検出手段によって油圧シリンダの油圧を検出する。
フォークの昇降中や昇降停止直後は、フォークやフォークを昇降させるリフト機構等の機械的振動により、油圧シリンダの油圧が不安定になり、またフォークの昇降停止時から長時間経過後は、油圧シリンダの各部のリークにより、油圧が低下するため、パレット着地後の油圧シリンダの油圧を正確に検出することができない。然るに、上記のように着地検出手段によってパレットの着地時を検出した後、静止時間が経過するのを待ってから油圧シリンダの油圧を検出すると、フォーク等の機械的振動が収まりかつ油圧シリンダのリークが未だ生じていない状態で、パレット着地後の油圧シリンダの油圧を正確に検出することができる。よって、当該パレット着地後の油圧の油圧変動の許容範囲に対する状態から、フォークとパレットとの接触状態を精度良く把握することができ、フォークでパレットを引き摺って荷崩れが生じるのを一層確実に防止することが可能となる。
また、本発明の一実施形態では、制御手段は、フォークによってパレットと荷物を荷取ってから該パレットと該荷物を荷降ろしするまでの一連の荷役作業を開始する前に、無負荷状態のフォークを所定の高さで静止させて、油圧検出手段によって油圧シリンダの油圧を検出し、検出した当該油圧に基づいて油圧変動の許容範囲を設定して、記憶手段に記憶する。
油圧シリンダの油圧は周囲環境の影響を受けて変動するため、油圧変動の許容範囲を常に一定に設定しておくと、当該許容範囲に対する油圧検出手段により検出した油圧シリンダの油圧の状態から、フォークとパレットとの接触状態を精度良く把握することができない場合がある。また、フォークの動作中や車体の走行中および当該動作停止直後は、フォークリフトの各部の機械的振動により、油圧シリンダの油圧が不安定になり、また当該動作停止時から長時間経過後は、油圧シリンダの各部のリークにより、油圧が低下するため、油圧変動の許容範囲を設定する際に基準となる油圧シリンダの油圧を正確に検出することはできない。さらに、電源投入直後は油圧検出手段が通電による温度上昇により特性が変化するため、油圧変動の許容範囲を設定する際に基準となる油圧シリンダの油圧を正確に検出することはできない。然るに、上記のように一連の荷役作業を開始する前に、無負荷状態のフォークを所定の高さで静止させて、油圧検出手段により油圧シリンダの油圧を検出すると、油圧変動の許容範囲を設定する際に基準となる油圧シリンダの油圧を自動で正確に検出(校正)することができる。そして、検出した当該油圧に基づいて油圧変動の許容範囲を設定することで、荷役作業時の周囲環境に応じた油圧変動の許容範囲を自動で設定することができる。よって、油圧検出手段により検出した油圧シリンダの油圧の油圧変動の許容範囲に対する状態から、フォークとパレットとの接触状態を精度良く把握することができ、フォークでパレットを引き摺って荷崩れが生じるのを一層確実に防止することが可能となる。
また、本発明の一実施形態では、制御手段は、無負荷状態のフォークを下降させてから所定の高さで停止し、該フォークが静止するまでにかかる静止時間が経過するのを待ってから、油圧検出手段によって油圧変動の許容範囲を設定する際に基準となる油圧シリンダの油圧を検出する。
リフト機構の摺動抵抗により、フォークを上昇させて行って所定の高さに停止させた場合の油圧シリンダの油圧は、フォークを下降させて行って所定の高さに停止させた場合の油圧シリンダの油圧よりも大きくなる。このことに鑑みて、上記のように無負荷状態のフォークを下降させて行って所定の高さで停止させかつ静止させて、油圧検出手段により油圧シリンダの油圧を検出すると、荷降ろし動作と同じ状況、即ちフォークを下降させて行って停止させる状況で、油圧変動の許容範囲を設定する際に基準となる油圧シリンダの油圧を検出するので、当該基準となる油圧シリンダの油圧を一層正確に検出(校正)することができる。そして、検出した当該油圧に基づいて油圧変動の許容範囲を設定することで、荷降ろし動作時に、油圧検出手段により検出した油圧シリンダの油圧の油圧変動の許容範囲に対する状態から、フォークとパレットとの接触状態を一層精度良く把握することができる。
また、本発明の一実施形態では、制御手段は、フォークをパレットの差込口から抜去するためのフォークの後退中に、油圧検出手段によって油圧シリンダの油圧を検出し続け、検出した当該油圧が油圧変動の許容範囲内になければ、フォークの後退を停止する。
パレットの着地直後に、フォークがパレットの上下のデッキボードに接触していない状態にあっても、フォーク後退中に、床面の状態等によりフォークの傾きが変化して、フォークがパレットの上デッキボードまたは下デッキボードに接触し、フォークでパレットを引き摺ってしまうおそれがある。然るに、上記のようにフォーク後退中の油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲内にない場合にフォークの後退を停止すると、フォークがパレットの上デッキボードまたは下デッキボードに接触した状態、即ちフォークでパレットを引き摺る状態になったときに、即座にフォークの抜去動作を中止することができ、フォークでパレットを引き摺って荷崩れが生じるのを一層確実に防止することが可能となる。
また、本発明の他の一実施形態では、制御手段は、フォークをパレットの差込口から抜去するためのフォークの後退中に、油圧検出手段によって油圧シリンダの油圧を検出し続け、検出した当該油圧が油圧変動の許容範囲内にあれば、フォークを後退させ続けてパレットの差込口から抜去して行き、検出した当該油圧が油圧変動の許容範囲内になければ、当該油圧の油圧変動の許容範囲に対する高低に応じて、フォークを昇降させかつ後退させ続けてパレットの差込口から抜去して行く。
上記のようにすると、フォーク後退中の油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲内にある場合には、フォークがパレットの上下のデッキボードに接触していない状態にあるので、その状態のままフォークを後退させ続けることで、フォークをパレットの差込口からパレットを引き摺ることなく抜去することができる。また、フォーク後退中の油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲の上限値より高い場合には、フォークがパレットの上デッキボードに接触して、該パレットを載せている状態にあるので、フォークを下降させかつ後退させ続けることで、フォークをパレットの上デッキボードから離間させて、パレットの差込口からパレットを引き摺ることなく抜去することができる。さらに、フォーク後退中の油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲の下限値より低い場合には、フォークがパレットの下デッキボードに接触して、該パレットに載っている状態にあるので、フォークを上昇させかつ後退させ続けることで、フォークをパレットの下デッキボードから離間させて、パレットの差込口からパレットを引き摺ることなく抜去することができる。よって、フォークの抜去動作中に、フォークによるパレットの引き摺りを防いで、荷崩れの発生を確実に防止しながら、荷降ろしを完了することが可能となる。
さらに、本発明の一実施形態では、油圧検出手段によって検出した油圧シリンダの油圧が、油圧変動の許容範囲内にないことを通知する通知手段を備えている。
上記のようにすると、荷降ろしの際に、フォークでパレットを引き摺る状態にあることを作業者に警告して、即座に対処させることができる。また、作業者が当該フォークリフトを運転して荷役作業を行っている場合には、パレットを引き摺る状態にあることを警告することで、作業者にフォークを後退させてパレットの差込口から抜去して行く操作を止めさせることができる。
本発明によれば、パレット着地後の油圧シリンダの油圧の油圧変動の許容範囲に対する状態から、フォークとパレットとの接触状態が把握できるので、当該状態に応じてフォークの抜去動作を行うことで、フォークでパレットを引き摺って荷崩れが生じることを確実に防止することが可能となり、荷降ろしの際の安全対策として万全なものとなる。
図1は、本発明の実施形態に係るフォークリフト100の外観を示す側面図である。図2は、同フォークリフト100の外観を示す平面図である。各図において、フォークリフト100は、カウンタバランス型のフォークリフトであって、無人または有人で荷役作業を行う。詳しくは、図1に示すように車体1上部の運転席2に設けられた運転切替スイッチ14a(図3に図示)の操作により、フォークリフト100の自動運転と手動運転の切り替えが可能となる。自動運転に切り替えられた場合には、フォークリフト100は、自動的に所定の場所へ移動して、荷物WおよびパレットPの荷取りと荷降ろしの作業を行う。一方、手動運転に切り替えられた場合には、フォークリフト100は、運転席2に搭乗した作業者の運転操作により、所定の場所へ移動して、荷物WおよびパレットPの荷取りと荷降ろしの作業を行う。
車体1の底部には、車体1を走行させるために転動する前タイヤ3および後タイヤ4が設けられている。車体1の前部には、マスト5が立設されている。マスト5には、リフト用油圧シリンダ6と、チェーンや滑車等から構成されるリフト機構7と、リフトブラケット8とが設けられている。リフトブラケット8は、油圧シリンダ6の駆動によってリフト機構7が動作することにより、マスト5に沿って昇降する。リフトブラケット8の前部には、略L字形の4本のフォーク9a〜9dが車体1の左右方向へ所定の間隔で並べられて設けられている。4本のフォーク9a〜9dは、リフトブラケット8の昇降動作により一様に昇降動作し、車体1の走行動作により一様に進退動作する。
フォークリフト100は、図示しないホームポジションから、例えばコンベア等から構成される図示しない荷取りステーションまで移動する。そして、荷取りステーションに載置されているパレットPと略同一高さまでフォーク9a〜9dを上昇させた後、該パレットPに対してフォーク9a〜9dを前進させることにより、パレットPの差込口Paにフォーク9a〜9dを差込み、この後フォーク9a〜9dを上昇させることにより、パレットPとパレットP上に積まれた荷物Wを掬い上げて荷取る。このとき、荷取りステーションに4個のパレットPが車体1の前後方向と左右方向に2個ずつ整列されて載置されている場合には、フォークリフト100は、図2に示すように4個のパレットPを4本のフォーク9a〜9dによって一度に所定の載置位置から荷取ることができる。その後、フォークリフト100は、荷取ったパレットPと荷物Wを荷降ろし場所まで搬送して行く。荷降ろし場所が、例えば図1に示すような高所に段積みされた荷物Wの上面の場合は、フォークリフト100は、当該段積みされた荷物Wの上方にフォーク9a〜9dを位置させた後、フォーク9a〜9dを下降させることにより、フォーク9a〜9dで支持しているパレットPを当該段積みされた荷物Wの上面に着地させ、この後パレットPに対してフォーク9a〜9dを後退させることにより、パレットPの差込口Paからフォーク9a〜9dを抜去してパレットPと荷物Wを荷降ろしする。このとき、図2に示すように4個のパレットPを4本のフォーク9a〜9dで支持している場合には、フォークリフト100は、4個のパレットPを4本のフォーク9a〜9dによって一度に所定の載置位置に荷降ろしすることができる。
各フォーク9a〜9dの根元部には、図2に示すように抜去センサ10a〜10dが設けられている。各抜去センサ10a〜10dは、前述の特許文献2で開示された透過型光電センサと回転式レバー等から構成される公知の抜去センサと同一のものであるので、ここでは詳細構造の図示を省略する。荷取りの際に、フォーク9a〜9dを上昇させて、所定の載置位置に載置されたパレットPをフォーク9a〜9dで支持すると、上記回転式レバーがパレットPの上デッキボードPb(図1に図示)に接触して回動し、抜去センサ10a〜10dがON状態になる。また、荷降ろしの際に、フォーク9a〜9dを下降させて、フォーク9a〜9dで支持しているパレットPを所定の載置位置に着地させた後、フォーク9a〜9dがパレットPの上デッキボードPbから所定の間隔まで離間すると、上記回転式レバーが上デッキボードPbに接触しなくなって元の位置に復帰し、抜去センサ10a〜10dがOFF状態になる。
図3は、フォークリフト100の電気的構成を示すブロック図である。図3において、制御部11は、CPUや、RAMおよびROM等のメモリや、時間を計測するタイマから構成されていて、フォークリフト100の各部を制御する。記憶部12は、揮発性または不揮発性のメモリから構成されている。表示部13は、ディスプレイやLEDやランプ等から構成されていて、後述する荷役指令やフォークリフト100の動作状態等を表示する。操作部14は、前述の運転切替スイッチ14aを始めとする各種キーや、フォークリフト100の手動運転用のレバーやハンドルやアクセル等から構成されている。ブザー15は、後述するように油圧シリンダ6の油圧が油圧変動の許容範囲内にないことを通知するためにブザー音を発生する。表示部13、操作部14、およびブザー15は、それぞれ運転席2に設けられている。走行用モータ16は、車体1を走行させるために前述のタイヤ3、4を回転駆動する。測距センサ17は、エンコーダや信号処理回路等から構成されていて、例えば後タイヤ4の回転数により車体1の走行距離や走行方向を検出する。制御部11は、測距センサ17の検出結果から、フォーク9a〜9dの進退距離を認識する。
リフト用油圧シリンダ6は、前述したようにリフトキャリッジ8を介してフォーク9a〜9dをマスト5に沿って一様に昇降させるために作動する。油圧ロードセンサ18は、ひずみゲージやアンプ等の回路や設定部18aから構成されていて、リフト用油圧シリンダ6の油圧(以下、リフト油圧という。)を検出する。設定部18aは、リフト油圧の変動上限値「+α」と変動下限値「−β」を入力するためのキーや、該入力結果とリフト油圧を表示するためのデータ表示部や、該入力結果とリフト油圧を記憶するためのメモリから構成されている。制御部11は、後述するように、油圧ロードセンサ18によって検出したリフト油圧と、設定部18aによって入力された変動上限値「+α」および変動下限値「−β」に基づいて油圧変動の許容範囲を設定し、記憶部12の所定の領域に記憶する。揚高センサ19は、エンコーダやリミットスイッチ等から構成されていて、フォーク9a〜9dの揚高高さを検出する。
抜去センサ10a〜10dは、前述したようにフォーク9a〜9dがパレットPを掬い上げたことと、フォーク9a〜9dがパレットPを着地させて上デッキボードPbから所定の間隔まで離間したこととを検出する。制御部11は、抜去センサ10a〜10dの検出結果から、パレットPが所定の載置位置に着地したことを認識する。通信部20は、無線の通信機から構成されていて、倉庫内の荷物Wの位置や入出庫状況等を管理する上位管理装置30と相互に通信を行う。制御部11は、上位管理装置30から送信される荷役指令を通信部20によって受信して、表示部13に表示させる。なお、荷役指令とは、所定の載置位置に載置された荷物WとパレットPを荷取り、別の所定の載置位置へ搬送して荷降ろしするまでの一連の荷役作業を実行させる指令であり、荷物Wの情報や、荷物WとパレットPの荷取りおよび荷降ろしを行う位置の情報等が含まれている。
上記構成において、制御部11は、本発明における制御手段の一実施形態を構成する。記憶部12は、本発明における記憶手段の一実施形態を構成する。ブザー15は、本発明における通知手段の一実施形態を構成する。油圧ロードセンサ18は、本発明における油圧検出手段の一実施形態を構成する。抜去センサ10a〜10dは、本発明における着地検出手段の一実施形態を構成する。
図4は、自動運転時にフォークリフト100が行う荷役作業の手順を示すフローチャートである。図5は、図4の荷降ろし動作の詳細手順を示すフローチャートである。図6は、図5のフォーク抜去動作の詳細手順を示すフローチャートである。各処理は、制御部11が実行する。図4において、フォークリフト100がホームポジションで待機中に、制御部11は、車体1の走行やフォーク9a〜9dの昇降等といったフォークリフト100の動作を停止した状態で(ステップS1)、前述の上位管理装置30から送信された荷役指令を前述の通信部20によって受信すると(ステップS2)、当該荷役指令を読み込み、表示部13に表示させる(ステップS3)。そして、制御部11は、前述の抜去センサ10a〜10dが全てOFF状態になっていることを確認すると(ステップS4:YES)、フォーク9a〜9d上にパレットPおよび荷物Wが載っていない状態、即ちフォーク9a〜9dが無負荷状態にあると判断し、前述の記憶部12に記憶されている油圧変動の許容範囲をリセット(消去)する(ステップS5)。なお、抜去センサ10a〜10dの故障等の原因により、ステップS4で抜去センサ10a〜10dが全てOFF状態になっていないことを確認すると(ステップS4:NO)、制御部11は、荷役作業を異常終了する。
油圧変動の許容範囲をリセットすると、制御部11は、前述の油圧シリンダ6によって無負荷状態のフォーク9a〜9dを、一旦走行時の高さ(例えば、床面から約600mm)より高い位置(例えば、走行時の高さよりも300mm高い位置)まで上昇させた後に、走行時の高さまで下降させる(ステップS6)。そして、油圧シリンダ6によってフォーク9a〜9dを走行時の高さに停止させると、制御部11は、フォーク9a〜9dが静止するまでにかかる静止時間「T」が経過するのを待つ(ステップS7)。本実施形態では、フォーク9a〜9dや前述のリフト機構7等の機械的振動が収まる最短時間である約3秒を、静止時間「T」として設定している。静止時間「T」が経過すると、制御部11は、直ぐに前述の油圧ロードセンサ18によってリフト油圧「A」を検出する(ステップS8)。次いで、制御部11は、油圧ロードセンサ18の設定部18aから予め作業者等により入力された変動上限値「+α」および変動下限値「−β」を読み込み(ステップS9)、検出したリフト油圧「A」を基準値として変動上限値「+α」および変動下限値「−β」をそれぞれ加減算し、油圧変動の許容範囲を「A−β〜A+α」に設定して、記憶部12に記憶する(ステップS10)。
油圧変動の許容範囲を記憶すると、制御部11は、前述の走行用モータ16によって車体1を走行させて、ホームポジションから荷物WおよびパレットPの荷取り位置(荷取りステーション)へ移動する(ステップS11)。そして、荷取り位置に停止すると、制御部11は、荷取り動作を実行する(ステップS12)。詳しくは、荷取り位置に載置されたパレットPと略同一高さまで油圧シリンダ6によってフォーク9a〜9dを上昇させた後、走行用モータ16によって車体1を前方へ所定距離走行させることにより、フォーク9a〜9dをパレットPに対して前進させてパレットPの差込口Paに差込み、その状態で油圧シリンダ6によってフォーク9a〜9dを上昇させて、パレットPとパレットP上の荷物Wを掬い上げて荷取る。このとき、フォーク9a〜9dで支持しているパレットPの上デッキボードPbと接触している抜去センサ10a〜10dはON状態となる。荷取り動作を完了すると、制御部11は、走行用モータ16によって車体1を走行させて、荷取り位置から荷物WおよびパレットPの荷降ろし位置へ移動する(ステップS13)。そして、荷降ろし位置に停止すると、制御部11は、図5のフローチャートに従って荷降ろし動作を実行する(ステップS14)。
図5において、まず制御部11は、フォーク9a〜9dで支持しているパレットPを荷降ろし位置に着地させるために、フォーク9a〜9dを上昇させかつ前進させて、フォーク9a〜9dを荷降ろし位置の上方(例えば、荷降ろし位置よりも300mm高い位置)に位置させた後に、フォーク9a〜9dを下降させて行く(ステップS21)。そして、抜去センサ10a〜10dが全てOFF状態になると(ステップS22:YES)、制御部11は、パレットPが着地したと判断し、油圧シリンダ6によってフォーク9a〜9dの下降を停止するとともに(ステップS23)、フォーク9a〜9dを静止させるために静止時間「T(約3秒)」が経過するのを待つ(ステップS24)。静止時間「T」が経過すると、制御部11は、直ぐに油圧ロードセンサ18によってリフト油圧「A’」を検出する(ステップS25)。そして、制御部11は、検出したリフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内「A−β≦A’≦A+α」にあるか否かを判定する(ステップS26)。
床面や荷降ろし位置の状態によるフォーク9a〜9dやパレットPの傾き等により、パレットPの着地後に、フォーク9a〜9dがパレットPの上デッキボードPbに接触している状態、即ちパレットPがフォーク9a〜9dに載っている状態にあれば、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲の上限よりも高くなる(A+α<A’)ので、制御部11は、ステップS26でリフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内にないと判断する(ステップS26:NO)。また、フォーク9a〜9dがパレットPの下デッキボードPc(図1に図示)に接触している状態、即ちフォーク9a〜9dがパレットPに載っている状態にあれば、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲の下限よりも低くなる(A’<A−β)ので、制御部11は、ステップS26でリフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内にないと判断する(ステップS26:NO)。このように判断すると、制御部11は、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内にないこと、即ちフォーク9a〜9dとパレットPとが接触していて、フォーク9a〜9dでパレットPを引き摺る状態にあることを通知するために、ブザー15からブザー音を発生して(ステップS27)、荷降ろし動作を異常終了する。
一方、パレットPの着地後に、フォーク9a〜9dがパレットPの上下のデッキボードPb、Pcに接触していない状態、即ちフォーク9a〜9dでパレットPを引き摺らない状態にあれば、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内に収まる(A−β≦A’≦A+α)ので、制御部11は、ステップS26でリフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内にあると判断する(ステップS26:YES)。このように判断すると、制御部11は、図6のフローチャートに従ってフォーク抜去動作を実行する(ステップS28)。
図6において、まず制御部11は、荷降ろし位置に着地させたパレットPの差込口Paからフォーク9a〜9dを抜去するために、走行用モータ16によって車体1を後方へ走行させて行くことにより、フォーク9a〜9dをパレットPに対して後退させて行く(ステップS31)。フォーク9a〜9dの後退中に、制御部11は、所定の周期で油圧ロードセンサ18によってリフト油圧「A’’」を検出し(ステップS32)、検出したリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内「A−β≦A’’≦A+α」にあるか否かを判定する(ステップS33)。
ステップS32でリフト油圧「A’’」を検出したときに、フォーク9a〜9dがパレットPの上下のデッキボードPb、Pcに接触していない状態、即ちフォーク9a〜9dでパレットPを引き摺っていない状態にあれば、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内に収まる(A−β≦A’’≦A+α)ので、制御部11は、ステップS33でリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内にあると判断する(ステップS33:YES)。このように判断すると、制御部11は、パレットPの差込口Paからのフォーク9a〜9dの抜去が完了したか否かを確認する(ステップS34)。ここで、前述の測距センサ17によって検出される車体1の走行距離、即ちフォーク9a〜9dの後退距離が、予め設定された抜去完了距離に到達していなければ、制御部11は、フォーク9a〜9dの抜去が完了していないと判断する(ステップS34:NO)。なお、本実施形態では、フォーク9a〜9dの前方への突出長さ(リーチ)と略同一距離を、抜去完了距離として設定している。フォーク9a〜9dの抜去が完了していないと判断すると、制御部11は、再び、油圧ロードセンサ18によってリフト油圧「A’’」を検出し(ステップS32)、検出したリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内「A−β≦A’’≦A+α」にあるか否かを判定する(ステップS33)。
フォーク9a〜9dの抜去が完了するまでに(ステップS34:NO)、床面の状態等によりフォーク9a〜9dの傾きが変化して、ステップS32でリフト油圧「A’’」を検出したときに、フォーク9a〜9dがパレットPの上デッキボードPbに接触している状態、即ちパレットPがフォーク9a〜9dに載っている状態にあれば、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲の上限よりも高くなる(A+α<A’’)ので、制御部11は、ステップS33でリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内にないと判断する(ステップS33:NO)。また、フォーク9a〜9dがパレットPの下デッキボードPcに接触している状態、即ちフォーク9a〜9dがパレットPに載っている状態にあれば、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲の下限よりも低くなる(A’’<A−β)ので、制御部11は、ステップS33でリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内にないと判断する(ステップS33:NO)。このように判断すると、制御部11は、即座に車体1の走行を停止して、フォーク9a〜9dの後退を停止し(ステップS35)、続けて、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内にないこと、即ちフォーク9a〜9dでパレットPを引き摺る状態にあることを通知するために、ブザー音を発生して(ステップS36)、フォーク抜去動作を異常終了する。
一方、フォーク9a〜9dの後退中に、フォーク9a〜9dがパレットPの上下のデッキボードPb、Pcに接触せず、ステップS32で検出したリフト油圧「A’’」が、油圧変動の許容範囲内にある(A−β≦A’’≦A+α)と判断し続けた状態で(ステップS33:YES)、フォーク9a〜9dの後退距離が抜去完了距離に到達すると、制御部11は、ステップS34でフォーク9a〜9dの抜去が完了したと判断する(ステップS34:YES)。そしてこのように判断すると、制御部11は、車体1の走行を停止して、フォーク9a〜9dの後退を停止し(ステップS37)、フォーク抜去動作を正常終了する。これにより、荷降ろし動作および荷役作業が完了した状態となる。
上述したようにすると、荷物Wの色や形状およびパレットPの欠けや汚れといった外観状態、フォーク9a〜9dや着地後のパレットPの車体1の前後方向または左右方向に対する傾き、およびフォーク9a〜9d上のパレットPの支持位置に関係なく、油圧ロードセンサ18によって検出したリフト油圧「A’」、「A’’」の油圧変動の許容範囲「A−β〜A+α」に対する状態から、フォーク9a〜9dとパレットPとの接触状態を把握することができる。そして、パレットPの着地後のリフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内にある場合(A−β≦A’≦A+α)、即ちフォーク9a〜9dがパレットPの上下のデッキボードPb、Pcに接触しておらず、フォーク9a〜9dでパレットPを引き摺らない状態にある場合に、フォーク抜去動作を行い、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内にない場合(A’<A−βまたはA+α<A’)、即ちフォーク9a〜9dがパレットPの上デッキボードPbまたは下デッキボードPcに接触して、フォーク9a〜9dでパレットPを引き摺る状態にある場合に、フォーク抜去動作を行わないことで、フォーク9a〜9dによるパレットPの引き摺りを未然に防ぐことができる。よって、パレットPの引き摺りによりパレットP上の荷物Wが荷崩れするのを確実に防止することが可能となり、荷降ろしの際の安全対策として万全なものとなる。
また、パレットPの着地直後に、フォーク9a〜9dがパレットPの上下のデッキボードPb、Pcに接触していない状態にあっても、フォーク9a〜9dの後退中に、床面の状態等によりフォーク9a〜9dの傾きが変化して、フォーク9a〜9dがパレットPの上デッキボードPbまたは下デッキボードPcに接触し、フォーク9a〜9dでパレットPを引き摺ってしまうおそれがある。然るに、上述したように、フォーク9a〜9dの後退中のリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内「A−β〜A+α」にない場合に、フォーク9a〜9dの後退を停止することで、フォーク9a〜9dがパレットPの上デッキボードPbまたは下デッキボードPcに接触した状態、即ちフォーク9a〜9dでパレットPを引き摺る状態になったときに、即座にフォーク9a〜9dの抜去を中止することができ、フォーク9a〜9dでパレットPを引き摺って荷崩れが生じるのを一層確実に防止することが可能となる。
また、フォーク9a〜9dの昇降中や昇降停止直後は、フォーク9a〜9dやリフト機構7等の機械的振動により、油圧シリンダ6の油圧が不安定になり、またフォーク9a〜9dの昇降停止時から長時間経過後は、油圧シリンダ6の各部のリークにより、油圧が低下するため、油圧ロードセンサ18によってパレットPの着地後のリフト油圧「A’」を正確に検出することができない。然るに、上述したように、抜去センサ10a〜10dによってパレットPの着地時を検出した後、静止時間「T」が経過するのを待ってから油圧ロードセンサ18によってリフト油圧「A’」を検出することで、フォーク9a〜9d等の機械的振動が収まりかつ油圧シリンダ6のリークが未だ生じていない状態で、パレットPの着地後のリフト油圧「A’」を正確に検出することができる。よって、当該リフト油圧「A’」の油圧変動の許容範囲「A−β〜A+α」に対する状態から、フォーク9a〜9dとパレットPとの接触状態を精度良く把握することができ、フォーク9a〜9dでパレットPを引き摺って荷崩れが生じるのを一層確実に防止することが可能となる。
また、油圧シリンダ6の油圧は周囲環境の影響を受けて変動するため、油圧変動の許容範囲を常に一定に設定しておくと、当該許容範囲に対するリフト油圧「A’」、「A’’」の状態から、フォーク9a〜9dとパレットPとの接触状態を精度良く把握することができない場合がある。また、フォーク9a〜9dの動作中や車体1の走行中および当該動作停止直後は、フォークリフト100の各部の機械的振動により、油圧シリンダ6の油圧が不安定になり、また当該動作停止時から長時間経過後は、油圧シリンダ6の各部のリークにより、油圧が低下するため、油圧変動の許容範囲を設定する際に基準値となるリフト油圧「A」を正確に検出することはできない。さらに、電源投入直後は油圧ロードセンサ18のアンプ等が通電による温度上昇により特性が変化するため、基準値となるリフト油圧「A」を正確に検出することはできない。然るに、上述したように、荷物WおよびパレットPの荷取りから荷降ろしまで一連の荷役作業を開始する前に、無負荷状態のフォーク9a〜9dを走行時の高さで静止させて、油圧ロードセンサ18によりリフト油圧「A」を検出することで、基準値となるリフト油圧「A」を自動で正確に検出(校正)することができる。そして、当該リフト油圧「A」に基づいて油圧変動の許容範囲を設定することで、荷役作業時の周囲環境に応じた油圧変動の許容範囲「A−β〜A+α」を自動で設定することができる。よって、リフト油圧「A’」、「A’’」の油圧変動の許容範囲「A−β〜A+α」に対する状態から、フォーク9a〜9dとパレットPとの接触状態を精度良く把握することができ、フォーク9a〜9dでパレットPを引き摺って荷崩れが生じるのを一層確実に防止することが可能となる。
また、リフト機構7の摺動抵抗により、フォーク9a〜9dを上昇させて行って走行時の高さに停止させた場合の油圧シリンダ6の油圧は、フォーク9a〜9dを下降させて行って走行時の高さに停止させた場合の油圧シリンダ6の油圧よりも大きくなる。このことに鑑みて、上述したように無負荷状態のフォーク9a〜9dを下降させて行って走行時の高さで停止させかつ静止させて、油圧ロードセンサ18によりリフト油圧「A」を検出することで、荷降ろし動作と同じ状況、即ちフォーク9a〜9dを下降させて行って停止させる状況で、油圧変動の許容範囲を設定する際に基準値となるリフト油圧「A」を検出することができ、当該リフト油圧「A」を一層正確に検出(校正)することができる。また、このように検出した当該リフト油圧「A」に基づいて油圧変動の許容範囲を設定することで、リフト油圧「A’」、「A’’」の油圧変動の許容範囲「A−β〜A+α」に対する状態から、フォーク9a〜9dとパレットPとの接触状態を一層精度良く把握することができる。
さらに、リフト油圧「A’」、「A’’」が油圧変動の許容範囲内にない場合に、ブザー音を発生することで、荷降ろしの際に、フォーク9a〜9dでパレットPを引き摺る状態にあることを近くに居る作業者に警告して、即座に対処させることができる。
図7は、本発明の他の実施形態を示す図であって、荷降ろし動作の他の詳細手順を示すフローチャートである。なお、前述した図5のフローチャートと同一処理については、同一符号を付している。図7において、制御部11は、前述したように、フォーク9a〜9dで支持しているパレットPを荷降ろし位置に着地させるために、フォーク9a〜9dを上昇させかつ前進させて、フォーク9a〜9dを荷降ろし位置の上方に位置させた後に、フォーク9a〜9dを下降させて行く(ステップS21)。そして、制御部11は、抜去センサ10a〜10dが全てOFF状態になったことを確認すると(ステップS22:YES)、パレットPが着地したと判断し、フォーク9a〜9dの下降を停止するとともに(ステップS23)、静止時間「T」が経過するのを待つ(ステップS24)。静止時間「T」が経過すると、制御部11は、直ぐに油圧ロードセンサ18によってリフト油圧「A’」を検出し(ステップS25)、当該リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内「A−β≦A’≦A+α」にあるか否かを判定する(ステップS26)。ここで、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内にあれば(ステップS26:YES)、パレットPの着地後に、フォーク9a〜9dがパレットPの上下のデッキボードPb、Pcに接触していない状態、即ちフォーク9a〜9dでパレットPを引き摺らない状態にあるので、制御部11は、フォーク抜去動作を実行する(ステップS28)。
一方、ステップS26でリフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲外「A’<A−βまたはA+α<A’」にあれば(ステップS26:NO)、制御部11は、このように判定した回数をカウントアップし、このように判定したのが「X」回目か否かを確認する(ステップS29a)。なお、本実施形態では、2以上の値を「X」に設定している。このとき、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲外「A’<A−βまたはA+α<A’」にあったのが「X」回目未満であれば(ステップS29a:NO)、制御部11は、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲の上限よりも高い(A+α<A’)か、下限よりも低い(A’<A−β)かを確認する(ステップS29b)。ここで、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲の上限よりも高ければ、パレットPの着地後に、フォーク9a〜9dがパレットPの上デッキボードPbに接触している状態、即ちパレットPがフォーク9a〜9dに載っている状態にあるので、制御部11は、フォーク9a〜9dをパレットPの上デッキボードPbから離間させるために、油圧シリンダ6によってフォーク9a〜9dを所定高さ「H」だけ下降させる(ステップS29c)。これに対して、ステップS29bでリフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲の下限よりも低ければ、パレットPの着地後に、フォーク9a〜9dがパレットPの下デッキボードPcに接触している状態、即ちフォーク9a〜9dがパレットPに載っている状態にあるので、制御部11は、フォーク9a〜9dをパレットPの下デッキボードPcから離間させるために、油圧シリンダ6によってフォーク9a〜9dを所定高さ「H」だけ上昇させる(ステップS29d)。なお、本実施形態では、パレットPの差込口Paの高さからフォーク9a〜9dの厚みを減算した値の半分以下の値を、所定高さ「H」として設定している。
上記のようにフォーク9a〜9dを所定高さ「H」だけ昇降させて停止させると、制御部11は、再び、静止時間「T」が経過するのを待ってから(ステップS24)、直ぐに油圧ロードセンサ18によってリフト油圧「A’」を検出し(ステップS25)、当該リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内「A−β≦A’≦A+α」にあるか否かを判定する(ステップS26)。そして、フォーク9a〜9dを所定高さ「H」昇降させたことにより、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内に収まると(ステップS26:YES)、制御部11は、フォーク抜去動作を実行する(ステップS28)。なお、このフォーク抜去動作の実行直前に、制御部11は、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲外にあると判定した回数のカウント値をクリアする。
一方、フォーク9a〜9dを所定高さ「H」昇降させたにも拘わらず、なおリフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲外「A’<A−βまたはA+α<A’」にあれば(ステップS26:NO)、制御部11は、再び、このように判定した回数をカウントアップし、このように判定したのが「X」回目か否かを確認する(ステップS29a)。このときも、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲外にあったのが「X」回目未満であれば(ステップS29a:NO)、制御部11は、前述したようにリフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲の上限よりも高い(A+α<A’)か、下限よりも低い(A’<A−β)かを確認し(ステップS29b)、当該確認結果に応じて、フォーク9a〜9dを所定高さ「H」だけ下降または上昇させる(ステップS29cまたはステップS29d)。この後、制御部11は、再びステップS24〜ステップS26の処理を実行する。
そして、ステップS26でリフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲外「A’<A−βまたはA+α<A’」にあり(ステップS26:NO)、このように判定したのが「X」回目になると(ステップS29a:YES)、制御部11は、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内にないこと、即ちフォーク9a〜9dでパレットPを引き摺る状態にあることを通知するために、ブザー音を発生して(ステップS27)、荷降ろし動作を異常終了する。このようにフォーク9a〜9dの昇降調整に回数的制限を付けて異常終了するのは、フォーク9a〜9dを昇降させても、フォーク9a〜9dとパレットPとを離間させることができない状態、即ちフォーク9a〜9dでパレットPを引き摺る状態から脱することができないためである。なお、荷降ろし動作を異常終了すると、制御部11は、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲外にあると判定した回数のカウント値をクリアする。
上記のようにすると、パレットPの着地後のリフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲内にある場合(A−β≦A’≦A+α)には、フォーク9a〜9dがパレットPの上下のデッキボードPb、Pcに接触しておらず、フォーク9a〜9dでパレットPを引き摺らない状態にあるので、その状態のままフォーク抜去動作を行うことで、フォーク9a〜9dをパレットPの差込口PaからパレットPを引き摺ることなく抜去することができる。また、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲の上限より高い場合(A+α<A’)には、フォーク9a〜9dがパレットPの上デッキボードPbに接触して、パレットPを載せている状態にあるので、フォーク9a〜9dを下降させることで、パレットPの上デッキボードPbから離間させることができ、その後フォーク抜去動作を行うことで、フォーク9a〜9dをパレットPの差込口PaからパレットPを引き摺ることなく抜去することができる。さらに、リフト油圧「A’」が油圧変動の許容範囲の下限より低い場合(A’<A−β)には、フォーク9a〜9dがパレットPの下デッキボードPcに接触して、パレットPに載っている状態にあるので、フォーク9a〜9dを上昇させることで、パレットPの下デッキボードPcから離間させることができ、その後フォーク抜去動作を行うことで、フォーク9a〜9dをパレットPの差込口PaからパレットPを引き摺ることなく抜去することができる。よって、フォーク9a〜9dによるパレットPの引き摺りを未然に防いで、パレットP上の荷物Wが荷崩れするのを確実に防止しながら、荷降ろし動作を完了することが可能となる。
図8は、本発明の他の実施形態を示す図であって、フォーク抜去動作の他の詳細手順を示すフローチャートである。なお、前述した図6のフローチャートと同一処理については、同一符号を付している。図8において、制御部11は、前述したようにフォーク9a〜9dをパレットPに対して後退させて行って(ステップS31)、当該後退中に、所定の周期で油圧ロードセンサ18によってリフト油圧「A’’」を検出し(ステップS32)、検出したリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内「A−β≦A’’≦A+α」にあるか否かを判定する(ステップS33)。ここで、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内にあれば(ステップS33:YES)、フォーク9a〜9dがパレットPの上下のデッキボードPb、Pcに接触していない状態、即ちフォーク9a〜9dでパレットPを引き摺っていない状態にあるので、制御部11は、パレットPの差込口Paからのフォーク9a〜9dの抜去が完了したか否かを確認する(ステップS34)。そして、フォーク9a〜9dの抜去が完了していないことを確認すると(ステップS34:NO)、制御部11は、再び、ステップS32とステップS33の処理を実行する。
ステップS33でフォーク9a〜9dの後退中のリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲外「A’’<A−βまたはA+α<A’’」にあれば(ステップS33:NO)、制御部11は、このように判定した回数をカウントアップし、このように判定したのが「Z」回目か否かを確認する(ステップS38a)。なお、本実施形態では、2以上の値を「Z」に設定している。このとき、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲外「A’’<A−βまたはA+α<A’’」にあったのが「Z」回目未満であれば(ステップS38a:NO)、制御部11は、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲の上限よりも高い(A+α<A’’)か、下限よりも低い(A’’<A−β)かを確認する(ステップS38b)。ここで、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲の上限よりも高ければ、フォーク9a〜9dの後退中に、フォーク9a〜9dがパレットPの上デッキボードPbに接触している状態、即ちパレットPがフォーク9a〜9dに載っている状態にあるので、制御部11は、フォーク9a〜9dを後退させ続けながら、フォーク9a〜9dをパレットPの上デッキボードPbから離間させるために、油圧シリンダ6によってフォーク9a〜9dを所定高さ「M」だけ下降させる(ステップS38c)。これに対して、ステップS38bでリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲の下限よりも低ければ、フォーク9a〜9dの後退中に、フォーク9a〜9dがパレットPの下デッキボードPcに接触している状態、即ちフォーク9a〜9dがパレットPに載っている状態にあるので、制御部11は、フォーク9a〜9dを後退させ続けながら、フォーク9a〜9dをパレットPの下デッキボードPcから離間させるために、油圧シリンダ6によってフォーク9a〜9dを所定高さ「M」だけ上昇させる(ステップS38d)。なお、本実施形態では、パレットPの差込口Paの高さからフォーク9a〜9dの厚みを減算した値の半分以下の値を、所定高さ「M」として設定している。
上記のようにフォーク9a〜9dを後退させ続けながら所定高さ「M」だけ昇降させると、制御部11は、再び、ステップS32とステップS33の処理を実行する。そして、フォーク9a〜9dを所定高さ「M」昇降させたことにより、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内に収まると(ステップS33:YES)、フォーク9a〜9dがパレットPの上下のデッキボードPb、Pcに接触していない状態にあるので、制御部11は、このフォーク9a〜9dの状態を維持して、フォーク9a〜9dを後退させ続けながら、再び、ステップS34、ステップS32、およびステップS33の処理を実行する。
一方、フォーク9a〜9dを後退させ続けながら所定高さ「M」昇降させたにも拘わらず、なおリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲外「A’’<A−βまたはA+α<A’’」にあれば(ステップS33:NO)、制御部11は、再び、このように判定した回数をカウントアップし、このように判定したのが「Z」回目か否かを確認する(ステップS38a)。このときも、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲外にあったのが「Z」回目未満であれば(ステップS38a:NO)、制御部11は、前述したようにリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲の上限よりも高い(A+α<A’’)か、下限よりも低い(A’’<A−β)かを確認し(ステップS38b)、当該確認結果に応じて、フォーク9a〜9dを後退させ続けながら、所定高さ「M」だけ下降または上昇させる(ステップS38cまたはステップS38d)。この後、制御部11は、再びステップS32およびステップS33の処理を実行する。
そして、ステップS33でリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲外「A’’<A−βまたはA+α<A’’」にあり(ステップS33:NO)、このように判定したのが「Z」回目になると(ステップS38a:YES)、制御部11は、フォーク9a〜9dの後退を停止する(ステップS35)。このようにフォーク9a〜9dの昇降調整に回数的制限を付けて後退を停止させるのは、後退中のフォーク9a〜9dがパレットPに頻繁に接触していて、パレットPを引き摺っているおそれがあるので、パレットPの引き摺りをできる限り小さく抑えるためである。そして続けて、制御部11は、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内にないこと、即ちフォーク9a〜9dでパレットPを引き摺る状態にあることを通知するために、ブザー音を発生して(ステップS36)、フォーク抜去動作を異常終了する。なお、フォーク抜去動作を異常終了すると、制御部11は、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲外にあると判定した回数のカウント値をクリアする。
一方、ステップS33でリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内「A−β≦A’’≦A+α」にあり(ステップS33:YES)、ステップS34でフォーク9a〜9dの抜去が完了したことを確認すると(ステップS34:YES)、制御部11は、フォーク9a〜9dの後退を停止し(ステップS37)、フォーク抜去動作を正常終了する。これにより、荷降ろし動作および荷役作業が完了した状態となる。なお、フォーク抜去動作を正常終了すると、制御部11は、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲外にあると判定した回数のカウント値をクリアする。
上記のようにすると、フォーク9a〜9dの後退中のリフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲内にある場合(A−β≦A’’≦A+α)には、フォーク9a〜9dがパレットPの上下のデッキボードPb、Pcに接触しておらず、フォーク9a〜9dでパレットPを引き摺らない状態にあるので、その状態のままフォーク9a〜9dを後退させ続けることで、フォーク9a〜9dをパレットPの差込口PaからパレットPを引き摺ることなく抜去することができる。また、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲の上限より高い場合(A+α<A’’)には、フォーク9a〜9dがパレットPの上デッキボードPbに接触して、パレットPを載せている状態にあるので、フォーク9a〜9dを下降させかつ後退させ続けることで、フォーク9a〜9dをパレットPの上デッキボードPbから離間させて、パレットPの差込口PaからパレットPを引き摺ることなく抜去することができる。さらに、リフト油圧「A’’」が油圧変動の許容範囲の下限より低い場合(A’’<A−β)には、フォーク9a〜9dがパレットPの下デッキボードPcに接触して、パレットPに載っている状態にあるので、フォーク9a〜9dを上昇させかつ後退させ続けることで、フォーク9a〜9dをパレットPの下デッキボードPcから離間させて、パレットPの差込口PaからパレットPを引き摺ることなく抜去することができる。よって、フォーク抜去動作中に、フォーク9a〜9dによるパレットPの引き摺りを防いで、パレットP上の荷物Wが荷崩れするのを確実に防止しながら、フォーク抜去動作、荷降ろし動作、および荷役作業を完了することが可能となる。
本発明は、以上の実施形態以外にも種々の形態を採用することができる。例えば、以上の実施形態では、透過型光電センサと回転式レバー等から構成される抜去センサ10a〜10dを着地検出手段として用いた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えばパレットを直接検出可能な光電センサやリミットスイッチ等の検出手段を、着地検出手段として用いてもよい。また、例えばフォークで支持しているパレットが着地すると、リフト用油圧シリンダの油圧が急激に低下するという現象が生じるので、当該現象を検出可能な前述の油圧ロードセンサ18のような油圧検出手段を、着地検出手段として兼用してもよい。この場合、センサの使用数を減らして、低コスト化を図ることができる。つまり、着地検出手段は、パレットが載置位置に着地したことを検出することができるものであればよい。
また、以上の実施形態では、ブザー15を通知手段として用いた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えば音声を出力する回路およびスピーカ等から構成される音声出力装置や、光を点灯させるランプまたは警報灯や、文字を表示する回路およびディスプレイ等から構成される表示装置を通知手段として用いてもよい。つまり、通知手段は、油圧検出手段によって検出した油圧シリンダの油圧が油圧変動の許容範囲内にないことを作業者に通知することができるものであればよい。
また、図4の実施形態では、荷役作業毎に、基準値となるリフト油圧「A」を検出(校正)して、油圧変動の許容範囲を設定した例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えば前回の荷役作業を終えてからの経過時間が長い場合にのみ、基準値となるリフト油圧「A」を検出して、油圧変動の許容範囲を設定するようにしてもよい。このようにすると、前回の荷役作業を終えてからの経過時間が短い場合には、前回の荷役作業時に設定された油圧変動の許容範囲に対する油圧シリンダの油圧の状態から、今回の荷役作業時のフォークとパレットとの接触状態を前回と略同程度に精度良く把握することができるとともに、今回の荷役作業の時間短縮を図ることができる。
また、図7および図8の実施形態では、フォーク9a〜9dをパレットPから離間させるための昇降調整に「X」回目または「Z」回目の回数的制限を付けた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えばパレットPに対してフォーク9a〜9dを昇降させた場合の調整高さによる調整量的制限を付けてもよい。また、図8の実施形態では、フォーク9a〜9dの昇降調整に制限を付けないようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、自動運転時のフォークリフト100の荷役作業に、本発明を適用しているが、本発明は、作業者による手動運転時のフォークリフト100の荷役作業にも適用することが可能である。この場合、パレット着地後のリフト油圧またはフォーク後退中のリフト油圧が油圧変動の許容範囲内にないことを通知するためにブザーを発生することは、荷降ろしの際に、作業者にフォークでパレットを引き摺る状態にあることを警告して、フォークの抜去操作を止めさせることができる点で有意義である。
さらに、以上の実施形態では、カウンタバランス型のフォークリフト100に本発明を適用しているが、本発明は、リーチ型の有人または無人のフォークリフトや3方向スタッキングトラックにも適用することが可能である。
本発明の実施形態に係るフォークリフトの側面図である。 同フォークリフトの平面図である。 同フォークリフトの電気ブロック図である。 同フォークリフトの荷役作業手順を示すフローチャートである。 図4の荷降ろし動作手順を示すフローチャートである。 図5のフォーク抜去動作手順を示すフローチャートである。 他の実施形態の荷降ろし動作手順を示すフローチャートである。 他の実施形態のフォーク抜去動作手順を示すフローチャートである。
符号の説明
6 リフト用油圧シリンダ
9a〜9d フォーク
10a〜10d 抜去センサ
11 制御部
12 記憶部
15 ブザー
18 油圧ロードセンサ
100 フォークリフト
A リフト油圧
A’ パレット着地後のリフト油圧
A’’ フォーク後退中のリフト油圧
A−β〜A+α 油圧変動の許容範囲
P パレット
Pa 差込口
Pb 上デッキボード
Pc 下デッキボード
T 静止時間
W 荷物

Claims (9)

  1. フォークを昇降させかつ進退させることにより、フォークをパレットの差込口に対して差込みまたは抜去して、パレットと該パレット上に積まれた荷物を荷役するフォークリフトにおいて、
    前記フォークを昇降させるための油圧シリンダの油圧を検出する油圧検出手段と、
    前記フォークが無負荷状態のときの前記油圧シリンダの油圧に基づいて設定した油圧変動の許容範囲を記憶する記憶手段と、
    前記フォークの昇降動作および進退動作を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、荷降ろしの際、前記フォークを下降させて該フォークで支持しているパレットを載置位置に着地させた後に、前記油圧検出手段によって前記油圧シリンダの油圧を検出し、検出した当該油圧の前記油圧変動の許容範囲に対する状態に応じて、前記フォークを後退させて前記パレットの差込口から抜去する抜去動作を行うことを特徴とするフォークリフト。
  2. 請求項1に記載のフォークリフトにおいて、
    前記制御手段は、前記パレットを載置位置に着地させた後に、前記油圧検出手段によって前記油圧シリンダの油圧を検出し、検出した当該油圧が前記油圧変動の許容範囲内にある場合にのみ、前記フォークの抜去動作を行うことを特徴とするフォークリフト。
  3. 請求項1に記載のフォークリフトにおいて、
    前記制御手段は、前記パレットを載置位置に着地させた後に、前記油圧検出手段によって前記油圧シリンダの油圧を検出し、検出した当該油圧が前記油圧変動の許容範囲内にあれば、前記フォークを後退させて前記パレットの差込口から抜去して行き、検出した当該油圧が前記油圧変動の許容範囲内になければ、当該油圧の前記油圧変動の許容範囲に対する高低に応じて、前記フォークを昇降させかつ後退させて前記パレットの差込口から抜去して行くことを特徴とするフォークリフト。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のフォークリフトにおいて、
    前記パレットが載置位置に着地したことを検出する着地検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記着地検出手段によって前記パレットの着地を検出すると、前記フォークが静止するまでにかかる静止時間が経過するのを待ってから、前記油圧検出手段によって前記油圧シリンダの油圧を検出することを特徴とするフォークリフト。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のフォークリフトにおいて、
    前記制御手段は、前記フォークによって前記パレットと前記荷物を荷取ってから該パレットと該荷物を荷降ろしするまでの一連の荷役作業を開始する前に、無負荷状態の前記フォークを所定の高さで静止させて、前記油圧検出手段によって前記油圧シリンダの油圧を検出し、検出した当該油圧に基づいて前記油圧変動の許容範囲を設定して、前記記憶手段に記憶することを特徴とするフォークリフト。
  6. 請求項5に記載のフォークリフトにおいて、
    前記制御手段は、無負荷状態の前記フォークを下降させて行って所定の高さで停止し、該フォークが静止するまでにかかる静止時間が経過するのを待ってから、前記油圧検出手段によって前記油圧変動の許容範囲を設定する際に基準となる前記油圧シリンダの油圧を検出することを特徴とするフォークリフト。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のフォークリフトにおいて、
    前記制御手段は、前記フォークを前記パレットの差込口から抜去するためのフォークの後退中に、前記油圧検出手段によって前記油圧シリンダの油圧を検出し続け、検出した当該油圧が前記油圧変動の許容範囲内になければ、前記フォークの後退を停止することを特徴とするフォークリフト。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のフォークリフトにおいて、
    前記制御手段は、前記フォークを前記パレットの差込口から抜去するためのフォークの後退中に、前記油圧検出手段によって前記油圧シリンダの油圧を検出し続け、検出した当該油圧が前記油圧変動の許容範囲内にあれば、前記フォークを後退させ続けて前記パレットの差込口から抜去して行き、検出した当該油圧が前記油圧変動の許容範囲内になければ、当該油圧の前記油圧変動の許容範囲に対する高低に応じて、前記フォークを昇降させかつ後退させ続けて前記パレットの差込口から抜去して行くことを特徴とするフォークリフト。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のフォークリフトにおいて、
    前記油圧検出手段によって検出した前記油圧シリンダの油圧が、前記油圧変動の許容範囲内にないことを通知する通知手段を備えたことを特徴とするフォークリフト。
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