JP2006298265A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スライドドアのスライド動作に伴なう抵抗を低減することが可能な車両用空調装置を提供すること。
【解決手段】 スライドドア30がフェイス開口部21とフット開口部22との間をスライド移動するときには、スライドドア30をドアシャフト50のギア54により開口部22の開口面に直交する方向に移動し、ドアシャフト60のギア64により両開口部21、22の開口面に平行な方向に両開口部21、22から離れた状態でスライド移動した後、ドアシャフト40のギア44により開口部21の開口面に直交する方向に移動する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ケースに設けられた開口部をスライドドアによって開閉する車両用空調装置に関する。
従来技術として、下記特許文献1に開示された車両用空調装置がある。この車両用空調装置では、フェイス吹出口に繋がるフェイス開口部とフット吹出口に繋がるフット開口部とが空調ケースに並設されている。そして、スライドドアが両開口部の開口面に沿ってスライドし両開口部を開閉するようになっている。
特開平11−254944号公報
しかしながら、上記従来技術の車両用空調装置では、スライドドアがスライド動作するときに、スライドドアは空調ケース(具体的には開口部周縁のシール面)に対して摺接しながら移動する。したがって、スライドドアのスライド動作に伴ない摩擦力による抵抗が大きくなり易いという問題がある。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、スライドドアのスライド動作に伴なう抵抗を低減することが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
内部に空気通路を形成したケース(11)と、
ケース(11)に設けられ、空気通路を流れる空気を流通するための開口部(21、22)と、
開口部(21、22)を開閉するスライドドア(30)と、
スライドドア(30)を駆動するための駆動手段(70、100)と、
駆動手段(70、100)からの駆動力を受けて従動する第1従動側ギア(45、55)を有し、第1従動側ギア(45、55)が受けた駆動力を伝達してスライドドア(30)を開口部(21、22)の開口面に略直交する方向に移動する第1リンク手段(34、40、50)と、
駆動手段(70、100)からの駆動力を受けて従動する第2従動側ギア(65)を有し、第2従動側ギア(65)が受けた駆動力を伝達してスライドドア(30)を開口部(21、22)から離隔した状態で開口面に略平行な方向にスライド移動する第2リンク手段(37、60)とを備えることを特徴としている。
これによると、スライドドア(30)により開口部(21、22)を開閉するときには、駆動手段(70、100)からの駆動力を、第1リンク手段(34、40、50)を介してスライドドア(30)に伝達し、スライドドア(30)を開口部(21、22)の開口面に略直交する方向に移動することができる。
また、駆動手段(70、100)からの駆動力を、第2リンク手段(37、60)を介してスライドドア(30)に伝達し、スライドドア(30)を開口部(21、22)の開口面に略平行な方向に、開口部(21、22)から離れた状態でスライド移動することができる。
したがって、スライドドア(30)のスライド動作に伴なう摩擦力が発生し難く、スライド動作に伴なう抵抗を低減することが可能である。
また、請求項2に記載の発明では、第1従動側ギア(45)および第2従動側ギア(65)のうち一方の従動側ギア(45)が駆動手段(70、100)からの駆動力を受けて従動するときには、他方の従動側ギア(65)は固定されることを特徴としている。
これによると、駆動手段(70、100)からの駆動力が第1リンク手段(34、40、50)を介してスライドドア(30)に伝達されているときには、第2従動側ギア(65)を固定し、駆動手段(70、100)からの駆動力が第2リンク手段(37、60)を介してスライドドア(30)に伝達されているときには、第1従動側ギア(45)を固定することができる。
スライドドア(30)が開口部(21、22)を開閉するときには、スライドドア(30)が開口部(21、22)の開口面に略直交する方向に移動する動作と、スライドドア(30)が開口部(21、22)の開口面に略平行な方向に開口部(21、22)から離れた状態でスライド移動する動作とを行なう。
そして、一方の動作が行なわれているときには、他方の動作に係る従動側ギアは固定される。すなわち、一方の従動側ギアを介した動作が行なわれているときに、他方の従動側ギアが移動することはない。
したがって、スライドドア(30)が開口部(21、22)を繰り返し開閉するときには、駆動手段(70、100)からの駆動力は、両従動側ギアの同一部位において伝達される。
これにより、スライドドア(30)が開口部(21、22)を繰り返し開閉するときに、スライドドア(30)を同一パターンで安定して移動することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、
駆動手段(70、100)は、駆動力源(100)と、駆動力源(100)に接続し第1従動側ギア(45、55)および第2従動側ギア(65)と噛み合う駆動側ギア(70)とからなり、
第1従動側ギア(45、55)および第2従動側ギア(65)は、それぞれ周方向の一部に切欠き部(47、57、67)を有する円筒ギアであり、
駆動側ギア(70)は、第1従動側ギア(45、55)および第2従動側ギア(65)の歯部(46、56、66)と噛み合う歯部(73)と、第1従動側ギア(45、55)および第2従動側ギア(65)の切欠き部(47、57、67)に嵌り込むリブ部(76)とを有することにより、
一方の従動側ギア(45)の歯部(46)と駆動側ギア(70)の歯部(73)とが噛み合い一方の従動側ギア(45)が従動するときには、他方の従動側ギア(65)の切欠き部(67)に駆動側ギア(70)のリブ部(76)が嵌り込み他方の従動側ギア(65)を固定することができる。
また、請求項4に記載の発明では、
切欠き部(47、57、67)は第1従動側ギア(45、55)および第2従動側ギア(65)のそれぞれにおいて軸方向の一部に設けられているとともに、軸方向の残部には歯部(46、56、66)を残存させ、
駆動側ギア(70)におけるリブ部(76)に並設された第1、第2従動側ギア(45、55、65)の軸方向の残部に対応する部位(75)は、軸方向の残部に残存させた歯部(46、56、66)と干渉しないように形成されていることを特徴としている。
これによると、第1、第2従動側ギア(45、55、65)の円周方法における切欠き部(47、57、67)形成部位であっても、駆動側ギア(70)の歯部(73)を噛合わせて第1、第2従動側ギア(45、55、65)を回転することができる。
また、切欠き部(47、57、67)に駆動側ギア(70)のリブ部(76)を嵌り込ませて第1、第2従動側ギア(45、55、65)を固定した状態から、駆動側ギア(70)の歯部(73)を前記軸方向残部に設けた歯部(46、56、66)に噛合わせて第1、第2従動側ギア(45、55、65)を回転状態とすることができる。
また、請求項5に記載の発明では、
駆動側ギア(70)は、歯部(73)が円周状面(74)に形成されるとともに、リブ部(76)が円周状面(75)からの高さが一定となるように形成され、
第1従動側ギア(45、55)および第2従動側ギア(65)には、切欠き部(47、57、67)が駆動側ギア(70)のリブ部(76)に対応して径内方向に向かって陥没する円弧状に形成されていることを特徴としている。
これによると、円弧状の切欠き部(47、57、67)に高さ一定のリブ部(76)が嵌り込み、従動側ギア(45、55、65)を固定しているときに、不用意に従動側ギア(45、55、65)がずれることを防止できる。
また、請求項6に記載の発明では、駆動力源(100)は、単一の駆動力源(100)であることを特徴としている。
これによると、1つの駆動力源(100)により駆動側ギア(70)を駆動して、第1従動側ギア(45、55)および第2従動側ギア(65)のうち、一方の従動側ギア(45)の歯部(46)と駆動側ギア(70)の歯部(73)とが噛み合い一方の従動側ギア(46)が従動するときには、他方の従動側ギア(65)の切欠き部(67)に駆動側ギア(70)のリブ部(76)が嵌り込み他方の従動側ギア(65)を固定することができる。
すなわち、1つの駆動力源(100)により、スライドドア(30)が開口部(21、22)の開口面に略直交する方向に移動する動作と、スライドドア(30)が開口部(21、22)の開口面に略平行な方向に開口部(21、22)から離れた状態でスライド移動する動作とを安定して行なうことができる。
このように、スライドドア(30)が複数の動作を行なう場合であっても、駆動力源を複数設ける必要がないので、コストを比較的抑制することが可能である。
また、請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、駆動側ギア(70)は、第1従動側ギア(45、55)および第2従動側ギア(65)と噛み合う共通のギア部材(70)であることを特徴としている。
これによると、共通の駆動力源(100)および駆動側ギア(70)からなる共通の駆動手段(70、100)により、スライドドア(30)が開口部(21、22)の開口面に略直交する方向に移動する動作と、スライドドア(30)が開口部(21、22)の開口面に略平行な方向に開口部(21、22)から離れた状態でスライド移動する動作とを安定して行なうことができる。
このように、スライドドア(30)が複数の動作を行なう場合であっても、駆動力源(100)ばかりでなく駆動側ギア(70)も複数設ける必要がないので、構成を簡素化し、コストを更に抑制することが可能である。
また、請求項8に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、駆動手段(70、100)は、駆動力源(100)と、駆動力源(100)に接続し第1従動側ギア(45、55)および第2従動側ギア(65)と噛み合う駆動側ギア(70)とからなり、
駆動力源(100)は、単一の駆動力源(100)であることを特徴としている。
これによると、1つの駆動力源(100)により、スライドドア(30)が開口部(21、22)の開口面に略直交する方向に移動する動作と、スライドドア(30)が開口部(21、22)の開口面に略平行な方向に開口部(21、22)から離れた状態でスライド移動する動作とを行なうことができる。
このように、スライドドア(30)が複数の動作を行なう場合であっても、駆動力源を複数設ける必要がないので、コストを比較的抑制することが可能である。
また、請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の発明において、駆動側ギア(70)は、第1従動側ギア(45、55)および第2従動側ギア(65)と噛み合う共通のギア部材(70)であることを特徴としている。
これによると、共通の駆動力源(100)および駆動側ギア(70)からなる共通の駆動手段(70、100)により、スライドドア(30)が開口部(21、22)の開口面に略直交する方向に移動する動作と、スライドドア(30)が開口部(21、22)の開口面に略平行な方向に開口部(21、22)から離れた状態でスライド移動する動作とを安定して行なうことができる。
このように、スライドドア(30)が複数の動作を行なう場合であっても、駆動力源(100)ばかりでなく、第1従動側ギア(45、55)および第2従動側ギア(65)と噛み合う駆動側ギア(70)も複数設ける必要がないので、構成を簡素化し、コストを更に抑制することが可能である。
また、請求項10に記載の発明では、
第1リンク手段(34、40、50)は、スライドドア(30)から開口部(21、22)側に立設されたラック(34)と、ラック(34)と噛み合うギア(44、54)とを有し、
ラック(34)およびギア(44、54)は、スライドドア(30)のスライド方向に直交する方向において開口部(21、22)の開口領域外に配設されていることを特徴としている。
第1リンク手段(34、40、50)を構成するラック(34)およびギア(44、54)、すなわちスライドドア(30)を開口部(21、22)の開口面に略直交する方向に移動するためのラック(34)およびギア(44、54)をスライドドア(30)の開口部(21、22)側に設ける場合に、ラックを開口領域内に立設すると、ラックとギアとの噛み合い位置を開口部(21、22)の内側とする必要がある。
開口部(21、22)内でギアと噛み合うラックが設けられたスライドドアは、スライド移動するときにラックが開口部(21、22)の周縁に干渉してしまい、スライド動作を容易に行なうことはできない。
本請求項に記載の発明によれば、第1リンク手段(34、40、50)を構成するラック(34)およびギア(44、54)は、スライドドア(30)のスライド方向に直交する方向において開口部(21、22)の開口領域外に配設されている。したがって、スライドドア(30)がスライド移動するときに、開口部(21、22)の縁部に干渉することはない。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施形態における車両用空調装置の室内ユニットのうち空調ユニット部分の概略構成を示す縦断面図であり、図2は、図1におけるA−A線断面図である。また、図3は、図1と同一方向から見た空調ユニット部分の正面図である。
なお、本実施形態の車両用空調装置は、車室内が大きいワンボックス車等の後席側空間を空調する後席用空調装置に係るものである。
本実施形態の車両用空調装置の通風系は、車両後方部の床面近傍位置において車両外壁と車両内壁との間に設置され、大別して、空調ユニット10と図示しない送風機ユニットとの2つの部分が並設されている。なお、空調ユニット10は、車両の上下方向に対し、図1に示す形態で配置されている。
図示しない送風機ユニット部は周知のごとく車室内空気を送風する送風機を備え、この送風機は周知の遠心多翼ファン(例えばシロッコファン)を電動モータにて回転駆動するものである。
空調ユニット10は、1つの共通の空調ケース(本発明におけるケースに相当)11内に蒸発器(冷房用熱交換器)12とヒータコア(暖房用熱交換器)13とを内蔵するタイプのものである。
空調ケース11はポリプロピレンのような、ある程度弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成形品からなり、分割された複数のケースからなる。この分割されたケースは、上記熱交換器12、13、後述のドア等の機器を収納した後に、金属バネクリップ、ネジ等の締結手段により一体に結合されて空調ケース11を構成する。
空調ケース11の最も下方部の部位には、空気流入口14が配設されており、この空気流入口14には、前述の送風機ユニットから送風される空気が流入する。
空調ケース11内において、空気流入口14直後の部位に蒸発器12が空気通路の全域を横切るように配置されている。この蒸発器12は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空気から吸収して、空気を冷却するものである。
そして、蒸発器12の空気流れ下流側(車両上方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア13が隣接配置されている。このヒータコア13は、蒸発器12を通過した冷風を再加熱するものであって、その内部に高温のエンジン冷却水(温水)が流れ、この冷却水を熱源として空気を加熱するものである。
また、空調ケース11内で、ヒータコア13の図中右方側部位には、このヒータコア13をバイパスして空気(冷風)が流れるバイパス通路である冷風バイパス通路15が形成されている。そして、ヒータコア13の図中右端部の車両下方側の部位に、ヒータコア13を通る空気(温風)と冷風バイパス通路15を通る空気(冷風)の風量割合を調整するエアミックスドア16が配置されている。
エアミックスドア16は平板状のものであって、水平方向に配置された回転軸16aと一体に結合されており、この回転軸16aとともに図中左右方向に回動可能になっている。
ヒータコア13および冷風バイパス通路15の下流側(車両上方側)の部位には、冷風バイパス通路15からの冷風とヒータコア13からの温風とを合流させて、冷風と温風とを混合させる冷温風混合空間20が形成されている。
空調ケース11の上面部において、図示右方側の部位には、フェイス開口部21が開口している。このフェイス開口部21は冷温風混合空間20から温度制御された空気が流入するものである。フェイス開口部21は、図示しないフェイスダクトを介して後席用フェイス吹出口に接続され、この吹出口から車室内後席側の乗員頭部に向けて風を吹き出す。
また、空調ケース11の上面部において、フェイス開口部21の図示左方側には、フェイス開口部21に並んでフット開口部22が開口している。このフット開口部22も冷温風混合空間20から温度制御された空気が流入するものである。フット開口部22は、図示しないフットダクトを介して後席用フット吹出口に接続され、この吹出口から車室内後席側の乗員足元に向けて風を吹き出す。
フェイス開口部21およびフット開口部22は、1枚のスライドドア30により開閉される。開閉ドアとしてスライドドアを採用することにより、回動タイプの板ドアに対し搭載スペース(上下方向のスペース)を抑制することができる。ここで、フェイス開口部21およびフット開口部22は、本実施形態における開口部である。
図1および図2に示すように、スライドドア30は、3本のドアシャフト(シャフト部材)40、50、60(フェイス用ドアシャフト40、フット用ドアシャフト50、スライド用ドアシャフト60)、駆動側ギア70等を介して、共通の(単一の)駆動力源であるサーボモータ100の駆動力により作動するようになっている。
なお、図2では、フェイス用ドアシャフト40およびフット用ドアシャフト50の図示を省略している。
図1および図2に示すように、スライドドア30は、平板状のドア部31と、直線状ギアが形成されたラック柱部(ラックに相当)34およびラック部37とにより構成されている。
ドア部31は樹脂製(本例ではポリブチレンテレフタレート樹脂)のドア板部32の片面(開口部側面)に樹脂製(本例ではウレタン樹脂製)発泡体からなるパッキン33を貼着して形成されており、ラック柱部34およびラック部37はドア板部32に一体成形されている。
前述のフェイス開口部21とフット開口部22とは略同一の矩形状に形成されている。また、ドア部31も矩形状に形成され、ドア部31は両開口部21、22より一回り大きく形成され、両開口部21、22のいずれかが閉塞できるようになっている。
図2に示すように、ラック柱部34は、ドア部31の上面側(開口部側)に一対立設されている。そして、図1に示すように、それぞれのラック柱部34には、フェイス用ドアシャフト40と係合するための第1ラック面(第1ラック歯形成面)35と、フット用ドアシャフト50と係合するための第2ラック面(第2ラック歯形成面)36とが形成されている。
一対のラック柱部34は、スライドドア30のスライド方向に直交する方向(図2図示左右方向)において開口部21、22(図2ではフット開口部22のみ図示)の開口領域の外側に配設されている。
一方、ラック部37は、ドア部31の下面側に、スライドドア30スライド方向に延設されている。
スライドドア30には、ドア板部32のスライド方向に直交する両側の側面に、それぞれ一対のガイドピン32aが一体成形されている。
また、空調ケース11の内壁面には、スライドドア30のガイドピン32aと係合してスライドドア30を案内するガイド溝111が形成されている。ガイド溝111は、一対のガイド溝111a、一対のガイド溝111b、および1本のガイド溝111cからなり、互いに連通している。
一対のガイド溝111aは、フェイス開口部21の下方側において上下方向に延びており、スライドドア30がフェイス開口部21の開口面に対し直交する方向に移動するときに、一対のガイドピン32aを案内するようになっている。
一対のガイド溝111bは、フット開口部22の下方側において上下方向に延びており、スライドドア30がフット開口部22の開口面に対し直交する方向に移動するときに、一対のガイドピン32aを案内するようになっている。
また、1本のガイド溝111cは、両開口部21、22の下方側において、ガイド溝111a、111bの下端相互を繋ぐように水平方向に延び、スライドドア30が両開口部21、22の開口面に沿ってスライド移動するときに、一対のガイドピン32aを案内するようになっている。
図4は、樹脂製(本例ではポリアセタール樹脂製)のフェイス用ドアシャフト40を示しており、(a)は正面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。また、図5は、樹脂製(本例ではフェイス用ドアシャフト40と同様にポリアセタール樹脂製)のスライド用ドアシャフト60を示しており、(a)は正面図、(b)は(a)におけるC−C線断面図である。
なお、フット用ドアシャフト50は、フェイス用ドアシャフト40と同一の構成であり、図4では、図示するドアシャフトをフット用ドアシャフト50とした場合の符号も併記して、フット用ドアシャフト50の詳細説明は省略する。
図4(a)に示すように、フェイス用ドアシャフト40は、円柱状のシャフト部41を有し、このシャフト部41の図示左右両端部近傍にスライドドア30のラック柱部34の第1ラック面35と噛合うためのギア(ピニオンギア)44が設けられている。なお、フット用ドアシャフト50のギア54は、スライドドア30のラック柱部34の第2ラック面36と噛合うためのものである。
シャフト部41の図示左方端部には、シャフト部41より径小部位が設けられており、この部位は、空調ケース11に回転自在に支持される支持端部42となっている。
フェイス用ドアシャフト40の図示右方端部には、駆動側ギア70と噛合うための歯部46を有する従動側円筒ギア(第1従動側ギアに相当)45が一体成形されている。そして、従動側円筒ギア45には、回転軸方向の一部(本例では図示左方側の略半分)に切欠き部47が形成されている。
この切欠き部47は、図4(b)に示すように、周方向の一部に従動側円筒ギア45の回転軸の方向(中心方向、径内方向)に向かって陥没する円弧状に形成され、底面は円弧状面48となっている。
フェイス用ドアシャフト40の従動側円筒ギア45形成部位の根元には径小部位が設けられ、この部位は、空調ケース11に回転自在に支持される支持端部43となっている。
図5(a)に示すように、スライド用ドアシャフト60は、ギア64を除いてフェイス用ドアシャフト40およびフット用ドアシャフト50と同一の構成をなしている。
スライド用ドアシャフト60は、円柱状のシャフト部61を有し、このシャフト部61の中央部にスライドドア30のラック部37と噛合うためのギア(ピニオンギア)64が設けられている。シャフト部61の図示左方端部には、シャフト部61より径小部位が設けられており、この部位は、空調ケース11に回転自在に支持される支持端部62となっている。
スライド用ドアシャフト60の図示右方端部には、駆動側ギア70と噛合うための歯部66を有する従動側円筒ギア(第2従動側ギアに相当)65が一体成形されている。そして、従動側円筒ギア65には、回転軸方向の一部(本例では図示左方側の略半分)に切欠き部67が形成されている。
この切欠き部67は、図5(b)に示すように、周方向の一部に従動側円筒ギア65の回転軸の方向(中心方向、径内方向)に向かって陥没する円弧状に形成され、底面は円弧状面68となっている。
スライド用ドアシャフト60の従動側円筒ギア65形成部位の根元には径小部位が設けられ、この部位は、空調ケース11に回転自在に支持される支持端部63となっている。
図6は、駆動側ギア70を示しており、(a)は正面図、(b)は下面図である。
図6(a)に示すように、駆動側ギア70は、サーボモータ100の出力軸と接続する回転軸71と、回転軸71を中心とした円盤状部72とが一体成形された樹脂製(本例ではポリブチレンテレフタレート樹脂製)のギア部材である。
図6(a)、(b)に示すように、駆動側ギア70の円板状部72には、外周面の周方向の一部に、従動側円筒ギア45、55、65の歯部46、56、66と噛合う歯部73が形成され、外周面の周方向の残部に、従動側円筒ギア45、55、65の切欠き部47、57、67に嵌り込むリブ部76が形成されている。
リブ部76は、従動側円筒ギア45、55、65の切欠き部47、57、67に対応して円板状部72の厚さ方向略半分に形成され、歯部73の円弧状の歯底面74から延びる円弧状面75からの高さが一定となっている。
これにより、リブ部76は、従動側円筒ギア45、55、65切欠き部47、57、67の円弧状面48、58、68に沿って嵌り込むようになっている。
また、円弧状面75は歯底面74から延設されているので、リブ部76が切欠き部47、57、67に嵌り込んだときに、円弧状面75は、従動側円筒ギア45、55、65の切欠き部47、57、67に並設された部位(本発明における軸方向の残部)の歯部46、56、66と干渉しないようになっている。
換言すれば、歯底面74と円弧状面75とで回転軸71を中心とした円周状面を形成しているので、リブ部76が切欠き部47、57、67に嵌り込んだときに、円弧状面75は、従動側円筒ギア45、55、65の切欠き部47、57、67に並設された部位の歯部46、56、66と干渉しないようになっている。
上述のスライドドア30、ドアシャフト40、50、60、駆動側ギア70、およびサーボモータ100が図1〜3に示すように組み合わせられることにより、駆動側ギア70の歯部73と従動側円筒ギア45の歯部46とが噛合ったときには、サーボモータ100の出力が伝達されて、スライドドア30がフェイス開口部21に対し開口面に直交する方向に動作する。
また、駆動側ギア70の歯部73と従動側円筒ギア55の歯部56とが噛合ったときには、サーボモータ100の出力が伝達されて、スライドドア30がフット開口部22に対し開口面に直交する方向に動作する。
また、駆動側ギア70の歯部73と従動側円筒ギア65の歯部66とが噛合ったときには、サーボモータ100の出力が伝達されて、スライドドア30が両開口部21、22から離れた位置において両開口部21、22の開口面に沿ってスライド動作する。
なお、図3に示すように、駆動側ギア70の回転軸71を中心とした歯部73形成領域角度αは、回転軸71を中心とした従動側円筒ギア45、65の配置角度βより若干小さく設定するとともに、回転軸71を中心とした従動側円筒ギア55、65の配置角度γより若干小さく設定している。
したがって、駆動側ギア70の歯部73は、従動側円筒ギア45、55、65の歯部46、56、66のうち複数の歯部と同時に噛み合うことはない。すなわち、スライドドア30の上記3動作は、同時に行なわれることはない。
従動側円筒ギア45、55、65を従動させる単一の駆動力源であるサーボモータ100と、従動側円筒ギア45、55、65に噛み合う共通のギア部材である駆動側ギア70とからなる構成が、本実施形態における駆動手段である。
また、第1従動側ギアである従動側円筒ギア45を有するフェイス用ドアシャフト40とラック柱部34とからなる構成、および第1従動側ギアである従動側円筒ギア55を有するフット用ドアシャフト50とラック柱部34とからなる構成が、ともに、本実施形態における第1リンク手段である。
また、第2従動側ギアである従動側円筒ギア65を有するスライド用ドアシャフト60とラック部37とからなる構成が、本実施形態における第2リンク手段である。
次に、上記構成に基づき本実施形態の車両用空調装置の作動について説明する。
車両用空調装置は、周知のように、空調操作パネルに設けられた各種操作部材からの操作信号および空調制御用の各種センサからのセンサ信号が入力される電子制御装置(図示せず)を備えており、この制御装置の出力信号に基づいてエアミックスドア16の駆動手段やサーボモータ100が駆動され、各ドア16、30の位置が制御される。
サーボモータ100により、図7(a)に示すように、駆動側ギア70が図示右回転方向(時計回り方向)に最も回転した位置にあるときには、スライドドア30は、図7(b)に示すように、フェイス開口部21を開口するとともにフット開口部22を閉塞し、フェイス吹出モードを形成する。
フェイス吹出モードでは、主に冷風が必要とされることが多い。そして、最大冷房状態が設定されると、エアミックスドア16が図1に示す左側の2点鎖線の位置に操作され冷風バイパス通路15を全開する。
したがって、この状態では、図示しない送風機ユニットからの送風空気が空気流入口14より空調ユニット10内に流入し、まず、蒸発器12にて冷却されて冷風となる。そして、この冷風がエアミックスドア16により冷風バイパス通路15を通過して、冷温風混合空間20を経て、フェイス開口部21に流入する。そしてフェイス開口部21から図示しないフェイスダクト、後席用フェイス吹出口を経て、車室内後席側の乗員上半身に向けて冷風を吹き出す。
エアミックスドア16を最大冷房状態から最大暖房側へ回動操作することにより、冷風バイパス通路15の開度を減少するとともに、ヒータコア13で加熱された温風を冷温風混合空間20に流入させることができ、冷風バイパス通路15からの冷風とヒータコア13からの温風との風量割合を調整できる。これにより、フェイス吹出モードにおける吹出空気温度を任意に調整できる。
上記状態から、サーボモータ100により、図7(a)に示すように、駆動側ギア70が図示左回転方向(反時計回り方向)に回転すると、駆動ギア70の歯部73がフット用ドアシャフト50の従動側円筒ギア55の歯部56と噛み合っているので、従動側円筒ギア55を図示右方向に回転させる。
この回転は、フット用ドアシャフト50のシャフト部51、ギア54を介してスライドドア30のラック柱部34の第2ラック面36に伝達され、スライドドア30は、図7(b)に示すように、図示下方向に移動する。
このとき、スライドドア30のガイドピン32aは、ガイド溝111b内を案内されるので、スライドドア30は姿勢を崩すことなく下方に向かって移動する。
このようにスライドドア30が下方に移動しているとき、図7(a)に示すように、駆動ギア70は、リブ部76がフェイス用ドアシャフト40の従動側円筒ギア45の切欠き部47に嵌り込むとともに、スライド用ドアシャフト60の従動側円筒ギア65の切欠き部67に嵌り込み、従動側円筒ギア45、65を固定して回転させない。
駆動側ギア70のリブ部76に隣接する円弧状面75は、従動側円筒ギア45、65の歯部46、66と干渉しないので、リブ部76が切欠き部47、67内を移動できるとともに、移動中も従動側円筒ギア45、65の上記固定状態を維持する。
スライドドア30がフット開口部22の下方に移動して、ラック部37がスライド用ドアシャフト60のギア64と噛み合う位置となったときに、駆動ギア70のリブ部76がフット用ドアシャフト50の従動側円筒ギア55の切欠き部57に嵌り込み、従動側円筒ギア55を固定する。これにより、スライドドア30の下方への移動は中止される。
そして、スライドドア30の下方への移動を中止した直後に、駆動ギア70の歯部73がスライド用ドアシャフト60の従動側円筒ギア65の歯部66と噛み合い、図8(a)に示すように、従動側円筒ギア65を図示右方向に回転させる。
この回転は、スライド用ドアシャフト60のシャフト部61、ギア64を介してスライドドア30のラック部37に伝達され、スライドドア30は、図8(b)に示すように、図示右方向にスライド移動する。
このとき、スライドドア30のガイドピン32aは、ガイド溝111c内を案内されるので、スライドドア30は両開口部21、22の開口面から離れた状態のまま、姿勢を崩すことなくスライド移動する。
このようにスライドドア30がスライド移動しているとき、図8(a)に示すように、駆動ギア70は、リブ部76がフェイス用ドアシャフト40の従動側円筒ギア45の切欠き部47に嵌り込むとともに、フット用ドアシャフト50の従動側円筒ギア55の切欠き部57に嵌り込み、従動側円筒ギア45、55を固定して回転させない。
駆動側ギア70のリブ部76に隣接する円弧状面75は、従動側円筒ギア45、55の歯部46、56と干渉しないので、リブ部76が切欠き部47、57内を移動できるとともに、移動中も従動側円筒ギア45、55の上記固定状態を維持する。
図8(b)に示すように、スライドドア30がスライド移動しているときには、ラック柱部34の上端近傍部位は、両開口部21、22の開口面より上方側を移動する。前述したように、ラック柱部34は、スライドドア30のスライド方向に直交する方向において開口部21、22の開口領域の外側に配設されている。したがって、図9に図8(b)におけるD−D線断面図を示すように、ラック柱部34の上端近傍部位を、両開口部21、22の開口面より上方側を移動させることができる。
これにより、次に説明するラック柱部34とフェイス開口部21内に配設された(フェイス開口部21の内側開口面より上方側に配設された)フェイス用ドアシャフト40のギア44との噛み合わせを行なうことができる。これは、フット開口部22側におけるラック柱部34とフット用ドアシャフト50のギア54との噛み合わせにおいても同様である。
スライドドア30がフット開口部22の図8(b)図示右方向に移動して、ラック柱部34の第1ラック面35がフェイス用ドアシャフト40のギア44と噛み合う位置となったときに、駆動ギア70のリブ部76がスライド用ドアシャフト60の従動側円筒ギア65の切欠き部67に嵌り込み、従動側円筒ギア65を固定する。これにより、スライドドア30のスライド移動は中止される。
そして、スライドドア30のスライド移動を中止した直後に、駆動ギア70の歯部73がフェイス用ドアシャフト40の従動側円筒ギア45の歯部46と噛み合い、図10(a)に示すように、従動側円筒ギア45を図示右方向に回転させる。
この回転は、フェイス用ドアシャフト40のシャフト部41、ギア44を介してスライドドア30のラック柱部34の第1ラック面35に伝達され、スライドドア30は、図10(b)に示すように、図示上方向に移動する。
このとき、スライドドア30のガイドピン32aは、ガイド溝111a内を案内されるので、スライドドア30は姿勢を崩すことなくフェイス開口部21に向かって上方に移動する。
このようにスライドドア30が上方に移動しているとき、図10(a)に示すように、駆動ギア70は、リブ部76がフット用ドアシャフト50の従動側円筒ギア55の切欠き部57に嵌り込むとともに、スライド用ドアシャフト60の従動側円筒ギア65の切欠き部67に嵌り込み、従動側円筒ギア55、65を固定して回転させない。
駆動側ギア70のリブ部76に隣接する円弧状面75は、従動側円筒ギア55、65の歯部56、66と干渉しないので、リブ部76が切欠き部57、67内を移動できるとともに、移動中も従動側円筒ギア55、65の上記固定状態を維持する。
駆動側ギア70が図示左回転方向に最も回転した位置に到達したときには、スライドドア30は、図10(b)に示すように、フェイス開口部21を閉塞するとともにフット開口部22を開口し、フット吹出モードを形成する。
フット吹出モードでは、主に温風が必要とされることが多い。そして、最大暖房状態が設定されると、エアミックスドア16が図1中右側の二点鎖線の位置に操作され冷風バイパス通路15を全閉する。
したがって、この状態では、図示しない送風機ユニットからの送風空気が空気流入口14より空調ユニット10内に流入し、まず、蒸発器12にて冷却されて冷風となる。そして、この冷風がエアミックスドア16によりヒータコア13で再加熱され、冷温風混合空間20を経て、フット開口部22に流入する。
フット開口部22に流入した温風は、図示しないフットダクト、フット吹出口を経て、車両内後席側の乗員足元に向けて吹き出される。
エアミックスドア16を最大暖房状態から最大冷房側へ回動操作することにより、ヒータコア13を通過する風量を減少するとともに、冷風バイパス通路15を開放してヒータコア13をバイパスした冷風を冷風バイパス通路15から冷温風混合空間20に流入させることができ、冷風バイパス通路15からの冷風とヒータコア13からの温風との風量割合を調整できる。これにより、フット吹出モードにおける吹出空気温度を任意に調整できる。
スライドドア30が移動しているときには、フェイス開口部21およびフット開口部22がともに開口される。特に図8(b)に示すように、フェイス開口部21とフット開口部22との開口面積比が略同一となったときに、バイレベル吹出モードを形成する。
このとき、エアミックスドア16はそれぞれ最大冷房位置と最大暖房位置との中間位置(例えば、図1に示す実線位置)に操作される。
この状態では、図示しない送風機ユニットからの送風空気が空気流入口14より空調ユニット10内に流入し、送風空気が蒸発器12にて冷却されて冷風となる。そして、この冷風がエアミックスドア16により、冷風バイパス通路15を流れる部分とヒータコア13で再加熱される部分とに振り分けられる。
ヒータコア13で加熱された温風は、冷温風混合空間20において、冷風バイパス通路15からの冷風と混合され、フェイス開口部21およびフット開口部22へ向かう。フェイス開口部21へは冷風バイパス通路15からの冷風が流れやすく、フット開口部22へはヒータコア13からの温風が流れやすくなっている。
その結果、フェイス開口部21を通って後席側乗員の上半身に吹き出される吹出空気温度が、フット開口部22を通って後席側乗員の足元に吹き出される吹出空気温度より若干低くなり、頭寒足熱型の快適な温度分布が得られる。
上述の作動説明では、フェイス吹出モード→バイレベル吹出モード→フット吹出モードの順に吹出モードを変化させるときの動作について説明したが、駆動側ギア70の回転方向を変化させることで、逆方向の動作や、途中で反転する動作を行なうことも可能である。
上述の構成および作動によれば、スライドドア30をフェイス開口部21およびフット開口部22を開閉するために両開口部21、22間をスライド移動するときには、スライドドア30を開口部21、22の開口面に直交する方向に移動した後、両開口部21、22の開口面に平行な方向に、両開口部21、22から離れた状態(両開口部が形成された空調ケース面から離れた状態)でスライド移動することができる。
したがって、スライドドア30のスライド動作に伴なう摩擦力が発生し難く、スライド動作に伴なう抵抗を低減することができる。
また、スライドドア30が開口部21、22を閉塞するときには、スライドドア30は開口面に直交する方向から空調ケース11の開口部21、22周縁部に当接するので、スライドドア30と空調ケース11とが摺接することがない。
したがって、本実施形態のようにドア板部32の片面にパッキン33を貼着したシンプルで比較的安価なスライドドア30を採用することができる。
また、3本のドアシャフト40、50、60の従動側円筒ギア45、55、65のうち、1つの従動側円筒ギアの歯部と、駆動側ギア70の歯部73とが噛み合っているときには、他の2つの従動側円筒ギアの切欠き部に、駆動側ギア70のリブ部76が嵌まり込んで、これら2つの従動側円筒ギアを固定している。
したがって、スライドドア30が、両開口部21、22の開口面に直交する方向に移動する動作およびフェイス開口部21とフット開口部22との間を両開口部21、22の開口面から離れた状態でスライドする動作を組み合わせて繰り返し行なう場合に、駆動側ギア70の歯部73と各従動側円筒ギア45、55、65の歯部46、56、66とは同一部位が相互に噛み合う。
また、各ドアシャフト40、50、60のギア44、54、64と各ラック35、36、37とも同一部位が相互に噛み合う。
これにより、スライドドア30が両開口部21、22を繰り返し開閉するときに、ギア間の歯部相互の噛み合わせがずれることなく、スライドドア30を安定して作動することができる。
従動側円筒ギア45、55、65の切欠き部47、57、67は、従動側円筒ギア45、55、65の軸方向の一部に設けられているとともに、軸方向の残部には歯部46、56、66を残している。また、駆動側ギア70では、リブ部76に並ぶ部位を、従動側円筒ギア45、55、65の前記残部に残された歯部46、56、66に干渉しない円弧状面75としている。
これによると、従動側円筒ギア45、55、65の円周方法における切欠き部47、57、67形成部位であっても、駆動側ギア70の歯部73を噛合わせて従動側円筒ギア45、55、65を回転することができる。すなわち、切欠き部47、57、67の有無に係わらず駆動側ギア70の歯部73と噛合わせることができる。
また、切欠き部47、57、67に嵌り込んだ駆動側ギア70のリブ部76を抜くときには、駆動側ギア70の歯部73を従動側円筒ギア45、55、65の前記軸方向残部に残した歯部46、56、66に噛合わせて、従動側円筒ギア45、55、65を固定した状態から、従動側円筒ギア45、55、65を回転する状態に確実に復帰させることができる。
また、駆動側ギア70には、歯部73が円弧状の歯底面74に形成されるとともに、リブ部76が歯底面74とともに円周状面を形成する(歯底面74から中心を同一として延びる)円弧状面75からの高さが一定となるように形成されるとともに、従動側円筒ギア45、55、65には、切欠き部47、57、67が駆動側ギア70のリブ部76に対応して回転軸の方向に向かって陥没する円弧状に形成されている。
したがって、円弧状の切欠き部47、57、67に高さ一定のリブ部76が嵌り込み、従動側円筒ギア45、55、65を固定しているときに、不用意に従動側円筒ギア45、55、65がずれることを防止できる。
これらにより、前述したスライドドア30の安定した繰り返し作動を可能としている。
また、本実施形態では、駆動力源であるサーボモータ100、および駆動側ギア70をそれぞれ1つとしている。すなわち、従動側円筒ギアを備えた3本のドアシャフト40、50、60に対し、サーボモータ100および駆動側ギア70を共通化している。
したがって、3本のドアシャフト40、50、60を介して駆動力を伝達しスライドドア30に複数の動作を行なわせるものであっても、サーボモータ100および駆動側ギア70を複数設ける必要がないので、構成を簡素化し、コストを抑制することが可能である。
(他の実施形態)
上記一実施形態では、ラック柱部34およびこれと噛み合うドアシャフト40、50のギア44、54は、スライドドア30のスライド方向に直交する方向において両開口部21、22の開口領域の外側に一対配設されていたが、スライドドア30のスライド方向に直交する方向において両開口部21、22の開口領域外に配設されるものであれば、両側に設けるものでなくてもかまわない。
例えば、図11に上記一実施形態の図2に対応する図を示すように、両開口部21、22(フェイス開口部21は図示省略)を分割して形成し、分割した開口部21、22の間にラック柱部34を設けるものであってもよい。
上記一実施形態では、スライドドア30を開口部21、22の開口面に直交する方向に安定して上下動するために、一対のラック柱部34をスライドドア30の対称位置に配設していた。図11に示す例によれば、ラック柱部34を1本としても、スライドドア30の略中央部に配設することが可能であり、安定した上下動を行なうことが可能である。
また、上記一実施形態では、駆動側ギア70は円板状のギアであったがこれに限定されるものではない。例えば、扇状のギアに歯部とリブ部とを形成したものであってもよいし、直線状のギア(ラック)に歯部とリブ部とを形成したものであってもよい。
また、上記一実施形態では、スライドドア30は、開口部21、22の開口面に直交する方向に移動するときや、両開口部21、22の開口面に沿ってスライドするときに、直線的に移動するものであったが、ラック柱部34のラック面35、36やラック部37を曲線状に形成し、スライドドア30が、開口部21、22の開口面に略直交する方向に移動したり、両開口部21、22の開口面に沿って略直線状(例えば円弧状)にスライドしたりするものであってもよい。
また、上記一実施形態では、共通のサーボモータ100と駆動側ギア70とにより従動側ギア45、55、65を駆動していたが、駆動側ギアは複数設けるものであってもよい。例えば、各従動側ギアに対応して3つ設けるものであってもよい。また、駆動力源であるサーボモータも複数設けるものであってもかまわない。
また、上記一実施形態では、開口部はフェイス開口部21およびフット開口部22の2つとしていたが、スライドドアが開閉する開口部は、1つもしくは3つ以上であっても本発明を適用して有効である。
また、上記一実施形態では、本発明をリア空調ユニット10の吹出モードドアに適用した例について説明したが、これに限定されるものではない。本発明はフロント空調ユニットの吹出モードドアにも適用可能であり、他の空気通路切替部のスライドドア(例えば内外気切換スライドドアやエアミックススライドドア)にも適用可能である。
本発明を適用した一実施形態における車両用空調装置の室内ユニットのうち空調ユニット部分の概略構成を示す縦断面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 空調ユニット部分の正面図である。 フェイス用ドアシャフト40、フット用ドアシャフト50を示す、(a)は正面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。 スライド用ドアシャフト60を示す、(a)は正面図、(b)は(a)におけるC−C線断面図である。 駆動側ギア70を示す、(a)は平面図、(b)は下面図である。 フェイス吹出モード時の、(a)は空調ユニットの要部正面図であり、(b)は要部断面図である。 スライドドア30スライド動作時(バイレベル吹出モード時)の、(a)は空調ユニッ部の要部正面図であり、(b)は要部断面図である。 図8(b)におけるD−D線断面図である。 フット吹出モード時の、(a)は空調ユニットの要部正面図であり、(b)は要部断面図である。 他の実施形態における空調ユニットの要部断面図である。
符号の説明
11 空調ケース(ケース)
21 フェイス開口部(開口部)
22 フット開口部(開口部)
30 スライドドア
34 ラック柱部(ラック、第1リンク手段の一部)
37 ラック部(第2リンク手段の一部)
40 フェイス用ドアシャフト(第1リンク手段の一部)
45 従動側円筒ギア(第1従動側ギア)
50 フット用ドアシャフト(第1リンク手段の一部)
55 従動側円筒ギア(第1従動側ギア)
60 スライド用ドアシャフト(第2リンク手段の一部)
65 従動側円筒ギア(第2従動側ギア)
70 駆動側ギア(共通のギア部材、駆動手段の一部)
100 サーボモータ(駆動力源、単一の駆動力源、駆動手段の一部)

Claims (10)

  1. 内部に空気通路を形成したケース(11)と、
    前記ケース(11)に設けられ、前記空気通路を流れる空気を流通するための開口部(21、22)と、
    前記開口部(21、22)を開閉するスライドドア(30)と、
    前記スライドドア(30)を駆動するための駆動手段(70、100)と、
    前記駆動手段(70、100)からの駆動力を受けて従動する第1従動側ギア(45、55)を有し、前記第1従動側ギア(45、55)が受けた前記駆動力を伝達して前記スライドドア(30)を前記開口部(21、22)の開口面に略直交する方向に移動する第1リンク手段(34、40、50)と、
    前記駆動手段(70、100)からの駆動力を受けて従動する第2従動側ギア(65)を有し、前記第2従動側ギア(65)が受けた前記駆動力を伝達して前記スライドドア(30)を前記開口部(21、22)から離隔した状態で前記開口面に略平行な方向にスライド移動する第2リンク手段(37、60)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記第1従動側ギア(45)および前記第2従動側ギア(65)のうち一方の従動側ギア(45)が前記駆動手段(70、100)からの駆動力を受けて従動するときには、他方の従動側ギア(65)は固定されることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記駆動手段(70、100)は、
    駆動力源(100)と、
    前記駆動力源(100)に接続し前記第1従動側ギア(45、55)および前記第2従動側ギア(65)と噛み合う駆動側ギア(70)とからなり、
    前記第1従動側ギア(45、55)および前記第2従動側ギア(65)は、それぞれ周方向の一部に切欠き部(47、57、67)を有する円筒ギアであり、
    前記駆動側ギア(70)は、前記第1従動側ギア(45、55)および前記第2従動側ギア(65)の歯部(46、56、66)と噛み合う歯部(73)と、前記切欠き部(47、57、67)に嵌り込むリブ部(76)とを有し、
    前記一方の従動側ギア(45)の歯部(46)と前記駆動側ギア(70)の歯部(73)とが噛み合い前記一方の従動側ギア(45)が従動するときには、前記他方の従動側ギア(65)の切欠き部(67)に前記駆動側ギア(70)のリブ部(76)が嵌り込み前記他方の従動側ギア(65)が固定されることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記切欠き部(47、57、67)は前記第1従動側ギア(45、55)および前記第2従動側ギア(65)のそれぞれにおいて軸方向の一部に設けられているとともに、前記軸方向の残部には前記歯部(46、56、66)が設けられ、
    前記駆動側ギア(70)における前記リブ部(76)に並設された前記軸方向の残部に対応する部位(75)は、前記軸方向の残部に設けられた歯部(46、56、66)と干渉しないように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記駆動側ギア(70)は、前記歯部(73)が円周状面(74)に形成されるとともに、前記リブ部(76)が前記円周状面(75)からの高さが一定となるように形成され、
    前記第1従動側ギア(45、55)および前記第2従動側ギア(65)には、前記切欠き部(47、57、67)が前記リブ部(76)に対応して径内方向に向かって陥没する円弧状に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記駆動力源(100)は、単一の駆動力源(100)であることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記駆動側ギア(70)は、前記第1従動側ギア(45、55)および前記第2従動側ギア(65)と噛み合う共通のギア部材(70)であることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記駆動手段(70、100)は、
    駆動力源(100)と、
    前記駆動力源(100)に接続し前記第1従動側ギア(45、55)および前記第2従動側ギア(65)と噛み合う駆動側ギア(70)とからなり、
    前記駆動力源(100)は、単一の駆動力源(100)であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  9. 前記駆動側ギア(70)は、前記第1従動側ギア(45、55)および前記第2従動側ギア(65)と噛み合う共通のギア部材(70)であることを特徴とする請求項8に記載の車両用空調装置。
  10. 前記第1リンク手段(34、40、50)は、
    前記スライドドア(30)から前記開口部(21、22)側に立設されたラック(34)と、
    前記ラック(34)と噛み合うギア(44、54)とを有し、
    前記ラック(34)および前記ギア(44、54)は、前記スライドドア(30)のスライド方向に直交する方向において前記開口部(21、22)の開口領域外に配設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111086369A (zh) * 2018-10-23 2020-05-01 翰昂汽车零部件有限公司 车辆用空调装置

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