JP2006297877A - 金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置 - Google Patents

金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属箔や絶縁接着フィルムをシワやスジが生じたりするようなことなく積み重ねることができる金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置を提供する。
【解決手段】 長尺の金属箔1を巻いたロール2と、長尺の絶縁接着フィルム3を巻いたロール4と、回転軸5で回転駆動される巻付け具6とを備え、巻付け具6を回転駆動することによって、各ロール2,4から金属箔1や絶縁接着フィルム3を引き出すと共に、巻付け具6にその両端縁で折り返して金属箔1と絶縁接着フィルム3とを重ね合わせた状態で巻き付けるようにした金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置に関する。この装置において、巻付け具6の回転角度を検出する回転角度検出手段と、回転角度検出手段によって検出される回転角度に応じて、巻付け具6で引張られて各ロール2,4から引き出される際に金属箔1や絶縁接着フィルム3に加わるテンションを調整するテンション調整手段とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ね合わせて成形することによって、金属箔張りの積層板を製造する際に用いられる、金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置に関するものである。
フレキシブルプリント配線板などのプリント配線板は、ポリイミドフィルムなど絶縁接着フィルムの両側に、銅箔など金属箔を重ね、これを加熱加圧成形することによって、両面金属箔張り積層板を作製し、この積層板の両面の金属箔をパターニングして回路形成をすることによって製造されている。そして絶縁接着フィルムの両側に金属箔を重ねて加熱加圧成形するにあたっては、この絶縁接着フィルムの両側に金属箔を重ねたものを一組とし、これの多数組を多段に積み重ねて熱盤の間にセットして、加熱加圧成形を行なうことによって、一度の成形で多数枚の金属箔張り積層板を製造するようにしている。
そして上記のように積層板を成形するに際して、絶縁接着フィルムの両側に金属箔を重ねたものを多段に積み重ねる作業は、金属箔、絶縁接着フィルム、金属箔の順の繰り返しで、所定の寸法にカットされた金属箔と絶縁接着フィルムを一枚ずつ重ねることによって行なわれている。しかし、金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ねの枚数は多数枚であり、しかも金属箔や絶縁接着フィルムは厚みが薄いために、所定の寸法にカットされた金属箔や絶縁接着フィルムを一枚ずつ取り扱うことは困難である。このために、この積み重ねの作業には非常な手間と時間を要するものであった。
そこで、生産性高く金属箔と絶縁接着フィルムを積み重ねることができるようにした、図7に示すような積み重ね装置が提案されている(特許文献1参照)。
すなわちこのものは、長尺の金属箔1を巻いたロール2と、長尺の絶縁接着フィルム3を巻いたロール4と、回転軸5で回転駆動される巻付け具6とを具備して形成されるものであり、巻付け具6を回転駆動することによって、各ロール2,4から金属箔1や絶縁接着フィルム3を巻付け具6で引張って引き出すと共に、巻付け具6にその両端縁で折り返して金属箔1と絶縁接着フィルム3とを重ね合わせた状態で巻き付けて、金属箔1と絶縁接着フィルム3とを積み重ねるようにしてある。
特開2005−14383号公報
上記の図7のように巻付け具6を回転駆動して、各ロール2,4から金属箔1や絶縁接着フィルム3を引張って引き出し、巻付け具6にその両端縁で折り返して金属箔1と絶縁接着フィルム3とを重ね合わせた状態で巻き付けるにあたって、巻付け具6が水平状態となる回転角度θ=0°付近のときには、巻付け具6の上側になる一方の面6cに金属箔1や絶縁接着フィルム3が載置され、この回転角度θ=0°から巻付け具6が回転して、垂直状態となる回転角度θ=90°付近のときに、巻付け具6の一方の端縁6aで金属箔1や絶縁接着フィルム3が折り返され、巻付け具6の一方の面6cに金属箔1や絶縁接着フィルム3が密着するように重ねられる。またこの回転角度θ=90°から巻付け具6が回転して、巻付け具6が水平状態となる回転角度θ=180°付近のときには、巻付け具6の上側になる他方の面6dに金属箔1や絶縁接着フィルム3が載置され、さらにこの回転角度θ=180°から巻付け具6が回転して、垂直状態となる回転角度θ=270°付近のときに、巻付け具6の他方の端縁6bで金属箔1や絶縁接着フィルム3が折り返され、巻付け具6の他方の面6dに金属箔1や絶縁接着フィルム3が密着するように重ねられる。
ここで、各ロール2,4の回転軸には回転を制動する制動手段としてブレーキが設けられており、巻付け具6を回転駆動して金属箔1と絶縁接着フィルム3を巻付け具6に巻き付ける際に、ロール2,4から引き出される金属箔1や絶縁接着フィルム3にテンションが掛けられるようにして、金属箔3や絶縁接着フィルム3が緩まないようにした状態で巻付け具6に巻き付けられるようにしている。そして従来では、このブレーキによるロール2,4の回転を制動する回転制動力は一定であり、巻付け具6の回転角度に応じて回転制動力を制御するようなことは行なわれていず、巻付け具6の回転角度に適合して金属箔1や絶縁接着フィルム3に加わるテンションを制御することも行なわれていない。
しかしながら、巻付け具6が水平状態である回転速度θ=0°付近やθ=180°付近のときには、上記のように巻付け具6の上側になる一方の面6cあるいは他方の面6dに金属箔3及び絶縁接着フィルム3が載置されるが、このときに金属箔1や絶縁接着フィルム3に大きなテンションが掛かっていると、金属箔1や絶縁接着フィルム3は強く引張られた状態になるので、金属箔1や絶縁接着フィルム3に縦のシワやスジが生じるおそれがあるという問題があった。また巻付け具6が垂直状態である回転速度θ=90°付近やθ=270°付近のときには、巻付け具6の一方の端縁6aあるいは他方の端縁6bで金属箔1や絶縁接着フィルム3が折り返されるが、このように巻付け具6の端縁6a,6bで折り返される際に、金属箔1や絶縁接着フィルム3にかかるテンションが小さいと、金属箔1や絶縁接着フィルム3がたるまないようにピンと張った状態で、巻付け具6の一方の面6cあるいは他方の面6dに重ねることができないので、この場合も金属箔1や絶縁接着フィルム3にシワやスジが生じるおそれがあるという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、金属箔や絶縁接着フィルムをシワやスジが生じたりするようなことなく積み重ねることができる金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置は、長尺の金属箔1を巻いたロール2と、長尺の絶縁接着フィルム3を巻いたロール4と、対向する両端縁6a,6bが平行な板状に形成され、この両端縁6a,6b間の中央において各端縁6a,6bと平行に設けられた回転軸5で一方向に回転駆動される巻付け具6とを備え、巻付け具6を回転駆動することによって、各ロール2,4から金属箔1や絶縁接着フィルム3を巻付け具6で引張って引き出すと共に、巻付け具6にその両端縁6a,6bで折り返して金属箔1と絶縁接着フィルム3とを重ね合わせた状態で巻き付けて、金属箔1と絶縁接着フィルム3とを積み重ねるようにした金属箔1と絶縁接着フィルム3の積み重ね装置において、巻付け具6の回転角度を検出する回転角度検出手段7と、回転角度検出手段7によって検出される回転角度に応じて、巻付け具6で引張られて各ロール2,4から引き出される際に金属箔1や絶縁接着フィルム3に加わるテンションを調整するテンション調整手段とを具備して成ることを特徴とするものである。
また請求項2の発明は、請求項1において、上記テンション調整手段に、各ロール2,4の回転制動力を調整するロール制動調整手段9と、回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の回転角度に応じてロール制動調整手段9で調整される回転制動力を制御する制動力制御手段10とを備えて成ることを特徴とするものである。
また請求項3の発明は、請求項2において、回転角度検出手段7によって検出される水平面に対する巻付け具6の回転角度θと、ロール制動調整手段9で調整される回転制動力Fとの関係が、θが0°〜90°の間ではFが徐々に大きくなり、θが90°〜180°の間ではFが徐々に小さくなり、θが180°〜270°の間ではFが徐々に大きくなり、θが270°〜360°の間ではFが徐々に小さくなるように、制動力制御手段10による制御を行なわせるようにして成ることを特徴とするものである。
また請求項4の発明は、請求項2又は3のいずれかにおいて、上記テンション調整手段に、各ロール2,4に巻かれた金属箔1や絶縁接着フィルム3の巻き厚みを検出する巻き厚み検出手段11を備え、巻き厚み検出手段11によって検出された巻き厚みが薄くなるにつれて、ロール制動調整手段9で調整される回転制動力が徐々に小さくなるように、制動力制御手段10による制御を行なわせるようにして成ることを特徴とするものである。
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、上記テンション調整手段に、巻付け具6の回転駆動速度を調整する回転速度調整手段12と、回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の回転角度に応じて回転速度調整手段12による回転駆動速度の調整を制御する回転速度制御手段13とを備えて成ることを特徴とするものである。
また請求項6の発明は、請求項5において、回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の水平面に対する回転角度θと、回転速度調整手段12によって調整される巻付け具6の回転速度Vとの関係が、θが0°〜90°の間ではVが徐々に大きくなり、θが90°〜180°の間ではVが徐々に小さくなり、θが180°〜270°の間ではVが徐々に大きくなり、θが270°〜360°の間ではVが徐々に小さくなるように、回転速度制御手段13による制御を行なわせるようにして成ることを特徴とするものである。
本発明によれば、巻付け具6の回転角度に応じてロール2,4から引き出される金属箔1と絶縁接着フィルム3のテンションを調整することによって、金属箔1と絶縁接着フィルム3とを重ねた状態で巻付け具6に安定して巻き付けることができ、金属箔1と絶縁接着フィルム3とをシワやスジが入ったりするようなことなく積み重ねることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は金属箔1と絶縁接着フィルム3を重ね合わせて積み重ねる装置を示すものであり、回転軸5によって回転駆動される巻付け具6と、銅箔などで形成される長尺の金属箔1を巻いた自由回転するロール2と、ポリイミドフィルムなどで形成される長尺の絶縁接着フィルム3を巻いた自由回転するロール4とを備えている。金属箔1を巻いたロール2は上下に一対備えられており、この上下一対のロール2,2の間に絶縁接着フィルム3を巻いたロール4が配置してある。
巻付け具6は偏平な板状に形成されるものであるが、平面板で形成する他に、枠体で形成することもできる。巻付け具6の対向する両端縁6a,6bは平行な直線縁として形成してあり、巻付け具6の回転軸5はこの両端縁6a,6b間の中央において各端縁6a,6bと平行に設けられている。
図1において20は基台であり、基台20の一端部に巻付け具保持柱21を立設して、この保持柱21の上端に回転軸5を水平に軸支することによって、保持柱21の上端に巻付け具6を回転自在に保持するようにしてある。基台20の他端部にはロール保持柱22が立設してあり、この保持柱22に各ロール2,4の回転軸23を回転自在に軸支することによって、ロール2,4を自由回転する状態で保持するようにしてある。巻付け具6の回転軸5と各ロール2,4の回転軸23とは、それぞれ平行に配置されるものである。ここで、巻付け具6と、ロール保持柱22に上下複数設けられるロール2,4との高さ関係は、巻付け具6の回転軸5が上端と下端のロール2,4のほぼ中間付近に位置するように設定するのが望ましい。
ここで、基台20にはサーボモータなどのモータ25が取り付けてあり、このモータ25と巻付け具6の回転軸5との間に伝動ベルト26などを懸架することによって、モータ25の作動で巻付け具6を一方向に回転駆動することができるようにしてある。そして巻付け具6の回転角度を検出する回転角度検出手段7が設けてある。この回転角度検出手段7は、例えば、サーボモータで形成されるモータ25のロータリーエンコーダで形成されるものであり、図3に示すように、巻付け具6の一方の端縁6aがロール2,4の側を向く水平状態のときを回転角度θ=0°とし、この端縁6aが上方へ移動するように回転して巻付け具6が垂直状態になったときを回転角度θ=90°、さらにこの端縁6aがロール2,4と反対側を向くと共に他方の端縁6bがロール2,4の側を向くように回転して巻付け具6が水平状態になったときを回転角度θ=180°、さらに端縁6aが下方へ移動するように回転して巻付け具6が垂直状態になったときを回転角度θ=270°、そして端縁6aが元の状態に戻って巻付け具6が水平状態になったときを回転角度θ=360°として、0°〜360°の範囲で巻付け具6の回転角度θを検出するようになっている。
また、各ロール2,4は自由回転するが、各ロール2,4の回転軸5には制動手段としてブレーキ28がそれぞれ設けてあり、ロール2,4の回転に制動力を加えるようにしてある。このブレーキ28による回転制動力はロール制動調整手段9によって調整できるようになっている。ブレーキ28は例えば電磁式に作動するものとして形成されるものであり、印加する電圧を調整することによってブレーキ28による回転制動力を調整することができ、印加電圧の制御系でロール制動調整手段9を形成することができるものである。
そして、回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の回転角度θに応じて、ロール2,4に加えられる回転制動力を、制御装置29によってシーケンス制御するようにしてある。すなわち、制御装置29はCPUやメモリー等を内蔵して形成されるものであり、回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の回転角度θに応じて、ロール2,4に加えられる回転制動力を制御するように設定した制御回路で形成される制動力制御手段10が制御装置29に設けてある。
図2に示すように、回転角度検出手段7で検出された巻付け具6の回転角度θのデータが制動力制御手段10に入力されると、回転角度θに応じた回転制動力が決定され、この決定された回転制動力のデータが制動力制御手段10からロール制動調整手段9に出力され、ロール制動調整手段9でブレーキ28の回転制動力が調整されるようにしてある。このように、巻付け具6の回転角度θに応じて、各ロール2,4から引き出される際に金属箔1や絶縁接着フィルム3に加わるテンションを調整する本発明のテンション調整手段は、ロール制動調整手段9と、制動力制御手段10とで形成されるものである。
この制動力制御手段10は、回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の回転角度θが0°、180°、360°付近のときに、ロール2,4に加えられる回転制動力が小さくなるようロール制動調整手段9を制御し、回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の回転角度θが90°、270°付近のときに、ロール2,4に加えられる回転制動力が大きくなるようロール制動調整手段9を制御するように、プログラミングされているものである。
具体的には、回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の回転角度θと、ロール制動調整手段9で調整される回転制動力Fとの関係が、θが0°〜90°の間ではFが徐々に大きくなり、θが90°〜180°の間ではFが徐々に小さくなり、θが180°〜270°の間ではFが徐々に大きくなり、θが270°〜360°の間ではFが徐々に小さくなるように、制動力制御手段10による制御が行なわれるようにプログラミングしてある。図4は巻付け具6の回転角度θと回転制動力Fとの関係を示すグラフであり、回転制動力Fは、0°<30°<60°<90°>120°>150°>180°<210°<240°<270°>300°>330°>360°のように徐々に変化する。
しかして、モータ25を作動させて巻付け具6を回転駆動し、各ロール2,4から金属箔1や絶縁接着フィルム3を巻付け具6で引張って引き出すと共に、巻付け具6にその両端縁6a,6bで折り返して金属箔1と絶縁接着フィルム3とを重ね合わせた状態で巻き付けて、巻付け具6の一方と他方の面6c,6dのそれぞれに金属箔1と絶縁接着フィルム3とを積み重ねる際に、上記のように巻付け具6の回転角度θに応じて各ロール2,4に加える回転制動力Fを制動力制御手段10で制御するものである。そしてこのように巻付け具6の回転角度θに応じてロール2,4の回転制動力Fを制御すると、巻付け具6が水平状態のときにはロール2,4の回転制動力Fが小さいので、ロール2,4から引き出される金属箔1や絶縁接着フィルム3に加わるテンションが小さくなり、巻付け具6の上側になる一方の面6cあるいは他方の面6dに金属箔3及び絶縁接着フィルム3がふわっと載置される。従って、このときに金属箔1や絶縁接着フィルム3に大きなテンションが掛かって強く引張られた状態になることがなく、金属箔1や絶縁接着フィルム3に縦のシワやスジが生じることを防ぐことができるものである。また巻付け具6が垂直状態のときには巻付け具6の一方の端縁6aあるいは他方の端縁6bで金属箔1や絶縁接着フィルム3が折り返されるが、巻付け具6が垂直状態のときはロール2,4の回転制動力Fが大きいので、ロール2,4から引き出される金属箔1や絶縁接着フィルム3に加わるテンションが大きくなり、金属箔1や絶縁接着フィルム3がたるまないようにピンと張った状態で、巻付け具6の一方の面6cあるいは他方の面6dに密着させて重ねることができ、金属箔1や絶縁接着フィルム3にシワやスジが生じることを防ぐことができるものである。
また、各ロール2,4には、ロール2に巻いた金属箔1の巻き厚みや、ロール4に巻いた絶縁接着フィルム3の巻き厚みを検出する巻き厚み検出手段11が設けてある。巻付け具6を回転駆動して金属箔1や絶縁接着フィルム3を巻付け具6に巻き付ける際に、ロール2,4が回転して金属箔1や絶縁接着フィルム3が引き出されるので、ロール2,4の回転数を計測することによって、ロール2に巻いた金属箔1の巻き厚みや、ロール4に巻いた絶縁接着フィルム3を検出することができる。従って、巻き厚み検出手段11はロール2,4の回転数を計測するカウンターで形成することができるものである。
そして図2に示すように、巻き厚み検出手段11で検出されたロール2,4の巻き厚みのデータが制動力制御手段10に入力されると、巻き厚みに応じた回転制動力が決定され、この決定された回転制動力のデータが制動力制御手段10からロール制動調整手段9に出力され、ロール制動調整手段9でブレーキ28の回転制動力が調整されるようにしてある。このように、巻付け具6の回転角度θに応じて、各ロール2,4から引き出される際に金属箔1や絶縁接着フィルム3に加わるテンションを調整する本発明のテンション調整手段は、上記のロール制動調整手段9と、制動力制御手段10と、巻き厚み検出手段11とで形成されるものである。
ここで、巻付け具6を回転駆動し、ロール2,4から金属箔1や絶縁接着フィルム3を引き出して巻付け具6に巻き付けるにあたって、金属箔1や絶縁接着フィルム3は巻付け具6の端縁6a,6bに引掛けられた状態でロール2,4から引き出されることになるが、巻付け具6の回転駆動によって巻付け具6の端縁6a,6bがロール2,4から離れる方向に移動する速度は、巻付け具6の回転角度θが0°や180°付近で最も遅く、徐々に速くなって、巻付け具6の回転角度θが90°や270°付近で最も速くなり、巻付け具6の回転角度θが90°や270°を超えると徐々に遅くなる。従って、巻付け具6が1回転する間に、ロール2,4から金属箔1や絶縁接着フィルム3が引き出される速度は速くなったり遅くなったり変化する。そして金属箔1や絶縁接着フィルム3が引き出される速度が速いときから遅くなるように変化するときには、ロール2,4の回転慣性力が作用し、巻付け具6の回転で金属箔1や絶縁接着フィルム3を引き出す速度よりも、回転慣性力でロール2,4から金属箔1や絶縁接着フィルム3が繰り出される速度が速くなるおそれがあり、このときには金属箔1や絶縁接着フィルム3は弛んだり踊ったりしながら巻付け具6に供給されることになって、安定して巻付け具6に巻き付けることができず、スジやシワの原因になる。このロール2,4の回転慣性力は、ロール2,4に巻いた金属箔1や絶縁接着フィルム3の巻き厚みが薄いときには、その質量が小さいために小さく、影響は小さいが、ロール2,4に巻いた金属箔1や絶縁接着フィルム3の巻き厚みが厚いときには、その質量が大きいために回転慣性力も大きくなり、上記のような問題が起こり易い。
そこで、巻き厚み検出手段11によって検出されたロール2,4の巻き厚みが厚いときには、ロール制動調整手段9で調整される回転制動力Fが大きく、巻き厚み検出手段11によって検出されたロール2,4の巻き厚みが薄くなるときには、ロール制動調整手段9で調整される回転制動力Fが徐々に小さくなるように、制動力制御手段10による制御が行なわれるように、制動力制御手段10の制御回路をプログラミングしてある。図5はロール2,4の巻き厚みと回転制動力Fとの関係を示すグラフである。このグラフにみられるように、ロール2,4に巻いた金属箔1や絶縁接着フィルム3の厚みが9〜35μへのように厚い程、回転制動力Fは高くなるように設定されるものである。
しかして、モータ25を作動させて巻付け具6を回転駆動し、各ロール2,4から金属箔1や絶縁接着フィルム3を引き出して巻付け具6に巻き付ける際に、上記のように、巻き厚み検出手段11によって検出されたロール2,4の巻き厚みが厚いときには、ロール2,4の回転制動力Fが大きく、ロール2,4の巻き厚みが薄くなるときには、ロール2,4の回転制動力Fが小さくなるように制御することによって、ロール2,4の巻き厚みに応じて回転慣性力を抑制することができ、金属箔1や絶縁接着フィルム3が弛んだり踊ったりすることなく巻付け具6に供給して、安定して巻付け具6に巻き付けることができるものであり、スジやシワが発生することを防ぐことができるものである。
尚、このロール2,4の巻き厚みに応じた回転制動力の制御は、上記の巻付け具6の回転角度に応じた回転制動力の制御と平行して同時におこなわれるものである。また、ロール2,4の巻き厚みは、ロール2,4毎に異なるので、巻き厚み検出手段11は各ロール2,4毎に独立して設けられていると共に、またロール制動調整手段9も各ロール2,4のブレーキ28を独立して調整するようにしてあり、各ロール2,4の巻き厚みをそれぞれ検知して、各ロール2,4の回転制動力を制御するようになっている。
一方、巻付け具6には、巻付け具6の回転駆動速度を調整する回転速度調整手段12が設けてある。巻付け具6を回転駆動するサーボモータで形成されるモータ25は、供給電力を制御することによって回転数を調整することができ、巻付け具6の回転駆動速度を調整することができるので、このモータ25への供給電力制御系で回転速度調整手段12を形成することができる。また回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の回転角度θに応じて、巻付け具6の回転駆動速度を調整するように設定した制御回路で形成した回転速度制御手段13が制御装置29に設けてある。
回転角度検出手段7で検出された巻付け具6の回転角度θのデータが回転速度制御手段13に入力されると、回転角度θに応じた回転速度が決定され、この決定された回転速度のデータが回転速度制御手段13から回転速度調整手段12に出力され、回転速度調整手段12でモータ25の回転速度を調整して巻付け具6の回転速度が調整されるようにしてある。このように、巻付け具6の回転角度θに応じて、各ロール2,4から引き出される際に金属箔1や絶縁接着フィルム3に加わるテンションを調整する本発明のテンション調整手段は、回転速度調整手段12と、回転速度制御手段13とで形成されるものである。
この回転速度制御手段13は、回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の回転角度θが0°、180°、360°付近のときに、巻付け具6の回転速度Vが小さくなるよう回転速度調整手段12を制御し、回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の回転角度θが90°、270°付近のときに、巻付け具6の回転速度Vが大きくなるよう回転速度調整手段12を制御するように、プログラミングされているものである。
具体的には、回転角度検出手段7によって検出される巻付け具6の回転角度θと、回転速度調整手段12によって調整される巻付け具6の回転速度Vとの関係が、θが0°〜90°の間ではVが徐々に大きくなり、θが90°〜180°の間ではVが徐々に小さくなり、θが180°〜270°の間ではVが徐々に大きくなり、θが270°〜360°の間ではVが徐々に小さくなるように、回転速度制御手段13による制御を行なわせるようにプログラミングしてある。図6は巻付け具6の回転角度θと巻付け具6の回転速度Vとの関係を示すグラフであり、回転速度Vは、0°<30°<60°<90°>120°>150°>180°<210°<240°<270°>300°>330°>360°のように徐々に変化する。
しかして、モータ25を作動させて巻付け具6を回転駆動し、各ロール2,4から金属箔1や絶縁接着フィルム3を巻付け具6で引張って引き出すと共に、巻付け具6にその両端縁6a,6bで折り返して金属箔1と絶縁接着フィルム3とを重ね合わせた状態で巻き付けて、巻付け具6の一方と他方の面6c,6dのそれぞれに金属箔1と絶縁接着フィルム3とを積み重ねる際に、上記のように巻付け具6の回転角度θに応じて巻付け具6の回転速度を回転速度制御手段13で制御するものである。そしてこのように巻付け具6の回転角度θに応じて巻付け具6の回転速度Vを制御すると、巻付け具6が水平状態のときには回転速度Vが小さいので、巻付け具6で引かれる際に金属箔1や絶縁接着フィルム3に加わるテンションが小さくなり、巻付け具6の上側になる一方の面6cあるいは他方の面6dに金属箔3及び絶縁接着フィルム3がふわっと載置される。従って、このときに金属箔1や絶縁接着フィルム3に大きなテンションが掛かって強く引張られた状態になることがなく、金属箔1や絶縁接着フィルム3に縦のシワやスジが生じることを防ぐことができるものである。また巻付け具6が垂直状態のときには巻付け具6の一方の端縁6aあるいは他方の端縁6bで金属箔1や絶縁接着フィルム3が折り返されるが、巻付け具6が垂直状態のときは回転速度Vが速いので、巻付け具6で引かれる際に金属箔1や絶縁接着フィルム3に加わるテンションが大きくなり、金属箔1や絶縁接着フィルム3がたるまないようにピンと張った状態で、巻付け具6の一方の面6cあるいは他方の面6dに密着させて重ねることができ、金属箔1や絶縁接着フィルム3にシワやスジが生じることを防ぐことができるものである。
尚、この巻付け具6の回転角度θに応じた巻付け具6の回転速度の制御は、単独で行なうようにしてもよいが、上記の巻付け具6の回転角度に応じたロール2,4の回転制動力の制御や、さらにロール2,4の巻き厚みに応じた回転制動力の制御と平行して同時におこなうようにするのが好ましい。従ってこのときには、巻付け具6の回転角度θに応じて、各ロール2,4から引き出される際に金属箔1や絶縁接着フィルム3に加わるテンションを調整する本発明のテンション調整手段は、ロール制動調整手段9と、制動力制御手段10と、回転速度制御手段13とで形成され、あるいはロール制動調整手段9と、制動力制御手段10と、巻き厚み検出手段11と、回転速度制御手段13とで形成されるものである。
本発明の実施の形態の一例を示す正面図である。 同上の制御系のブロック図である。 同上の巻付け具の回転角度を示すものであり、(a)乃至(g)はそれぞれ概略図である。 同上の巻付け具の回転角度とロールの回転制動力との関係を示すグラフである。 同上のロールの巻き厚みとロールの回転制動力との関係を示すグラフである。 同上の巻付け具の回転角度と巻付け具の回転速度との関係を示すグラフである。 従来例を示す正面図である。
符号の説明
1 金属箔
2 ロール
3 絶縁接着フィルム
4 ロール
5 回転軸
6 巻付け具
7 回転角度検出手段
9 ロール制動調整手段
10 制動力制御手段
11 巻き厚み検出手段
12 回転速度調整手段

Claims (6)

  1. 長尺の金属箔を巻いたロールと、長尺の絶縁接着フィルムを巻いたロールと、対向する両端縁が平行な板状に形成され、この両端縁間の中央において各端縁と平行に設けられた回転軸で一方向に回転駆動される巻付け具とを備え、巻付け具を回転駆動することによって、各ロールから金属箔や絶縁接着フィルムを巻付け具で引張って引き出すと共に、巻付け具にその両端縁で折り返して金属箔と絶縁接着フィルムとを重ね合わせた状態で巻き付けて、金属箔と絶縁接着フィルムとを積み重ねるようにした金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置において、巻付け具の回転角度を検出する回転角度検出手段と、回転角度検出手段によって検出される回転角度に応じて、巻付け具で引張られて各ロールから引き出される際に金属箔や絶縁接着フィルムに加わるテンションを調整するテンション調整手段とを具備して成ることを特徴とする金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
  2. 上記テンション調整手段に、各ロールの回転制動力を調整するロール制動調整手段と、回転角度検出手段によって検出される巻付け具の回転角度に応じてロール制動調整手段で調整される回転制動力を制御する制動力制御手段とを備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
  3. 回転角度検出手段によって検出される水平面に対する巻付け具の回転角度θと、ロール制動調整手段で調整される回転制動力Fとの関係が、θが0°〜90°の間ではFが徐々に大きくなり、θが90°〜180°の間ではFが徐々に小さくなり、θが180°〜270°の間ではFが徐々に大きくなり、θが270°〜360°の間ではFが徐々に小さくなるように、制動力制御手段による制御を行なわせるようにして成ることを特徴とする請求項2に記載の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
  4. 上記テンション調整手段に、各ロールに巻かれた金属箔や絶縁接着フィルムの巻き厚みを検出する巻き厚み検出手段を備え、巻き厚み検出手段によって検出された巻き厚みが薄くなるにつれて、ロール制動調整手段で調整される回転制動力が徐々に小さくなるように、制動力制御手段による制御を行なわせるようにして成ることを特徴とする請求項2又は3に記載の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
  5. 上記テンション調整手段に、巻付け具の回転駆動速度を調整する回転速度調整手段と、回転角度検出手段によって検出される巻付け具の回転角度に応じて回転速度調整手段による回転駆動速度の調整を制御する回転速度制御手段とを備えて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
  6. 回転角度検出手段によって検出される巻付け具の水平面に対する回転角度θと、回転速度調整手段によって調整される巻付け具の回転速度Vとの関係が、θが0°〜90°の間ではVが徐々に大きくなり、θが90°〜180°の間ではVが徐々に小さくなり、θが180°〜270°の間ではVが徐々に大きくなり、θが270°〜360°の間ではVが徐々に小さくなるように、回転速度制御手段による制御を行なわせるようにして成ることを特徴とする請求項5に記載の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
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