JP2006296127A - 電磁アクチュエータ - Google Patents

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宏 涌田
Takenobu Horino
武信 堀野
Shinya Mori
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Abstract

【課題】 本発明は、可動子を振動駆動するときの電力消費を少なくすることができると共に、可動子の振幅寸法を調整可能な電磁アクチュエータを提供すること。
【解決手段】 本発明の電磁アクチュエータのコイルヨーク8には、第1コイル6の一方の面に密着して第1ヨーク片8bが、第2コイル7の他方の面に密着して第2ヨーク片8cがそれぞれ形成され、マグネット2は、一方と他方の面に第1、第2マグネットヨーク3、4が密着して配設され、
コイル5に無通電時における可動子であるマグネット2は、少なくとも第1ヨーク片8bから第1マグネットヨーク3までと、第2ヨーク片8cから第2マグネットヨーク4までとの寸法がほぼ同じになるセンタ位置で動きが停止することを特徴とする電磁アクチュエータ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁アクチュエータに係わり、各種流体の流量制御等に好適な電磁アクチュエータに関する。
従来の 電磁アクチュエータは、図11に示すように、圧力室31において、流体の吸引および排出を繰り返して動作する例えばポンプに用いているもので説明すると、ポンプドライバの振動制御手段32は、所定の周波数の電圧をコイル33(固定子)に印加することで、コイル33に周期的な磁束が発生して、永久磁石からなるマグネット34(可動子)がコイル33に周期的に吸引されて所定の周波数で振動する。これに伴って、ダイアフラム35も振動する。
ここで、所定周波数の電流を、コイル33に通電することで、ダイアフラム35およびマグネット34が振動する。
前記ダイアフラム35とこのダイアフラム35に固着されているマグネット34が振動しているとき、その1回の往復振動に伴って圧力室31内で、流体の吸入および排出が行われる。
まず、ダイアフラム35の1回の往振動において、ダイアフラム35が上方に変形するときは、圧力室31内の圧力が低下して、吸入側の第1逆止弁36が開き、吸入口37から流体が圧力室31に流入する。
その後、圧力室31の内外の圧力差が無くなって、圧力室31への流体の流れが停止する。次ぎに、ダイアフラム35の1回の往復振動において、ダイアフラム35が下方に変形するときは、吸入口37から圧力室31内に流れ込んだ流体が圧縮されて、排出側の第2逆止弁38が開き、排出口39から流体が外部に排出される。
このような従来の電磁アクチュエータは、マグネット34の振動に伴ってダイアフラム35が振動を繰り返すことで、流体の吸入、排出を繰り返して、例えば流体を一方向に供給可能なポンプ動作を実現できる。
実開2001−263250号公報
しかし、従来の電磁アクチュエータは、マグネット34を往復振動させる時に、上方および下方の両方向のどちらに振動させる時も、コイルに電流を通電しなければならなかったので、消費電力が大きくなる問題があった。
また、従来の電磁アクチュエータをポンプに用いた場合に、流体の排出量を少なくする時は、可動子の振幅数を少なくしていた。しかし、可動子の振幅数が少なくなると流体の排出量にムラが発生する問題があった。
本発明は前述したような課題を解決し、可動子を振動駆動するときの電力消費を少なくすることができると共に、可動子の振幅寸法を調整可能な電磁アクチュエータを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための第1の手段として本発明の電磁アクチュエータは、一方と他方の面に異なる磁極を着磁したマグネットと、このマグネットの端面と所定のギャップを有して配設したコイルとを備え、
前記コイルは、コイルヨークに収納されてセンタヨークを挟んで積層配置した第1、第2の2個のコイルからなり、前記マグネット側または前記コイル側のいずれか一方を可動子、いずれか他方を固定子とし、前記2個のコイルに通電して発生する磁束が前記マグネットの磁束に作用して、前記可動子が所定の振幅で振動可能になっており、
前記コイルヨークには、前記第1コイルの一方の面に密着して第1ヨーク片が、前記第2コイルの他方の面に密着して第2ヨーク片がそれぞれ形成され、前記マグネットは、前記一方と他方の面に第1、第2マグネットヨークが密着して配設され、
前記コイルに無通電時における前記可動子は、少なくとも前記第1ヨーク片から前記第1マグネットヨークまでと、前記第2ヨーク片から前記第2マグネットヨークまでとの寸法がほぼ同じになるセンタ位置で動きが停止することを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第2の手段として本発明は、前記可動子を前記センタ位置に位置させた状態で、前記第1マグネットヨークから前記センターヨークまでを寸法Aとし、前記第1マグネットヨークから前記第1ヨーク片までを寸法Bとして、
前記マグネットまたは前記第1、第2マグネットヨークの厚さ寸法を可変することにより、前記寸法AおよびBが可変するようになっており、
前記コイルに無通電時において、前記寸法AとBの関係がA>Bの場合には、前記可動子が前記センタ位置に位置して動きが停止し、前記寸法AとBの関係がA<Bの場合には、前記可動子が少なくとも前記第1マグネットヨークと前記第1ヨーク片とが接近する片側位置に移動して動きが停止することを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第3の手段として本発明は、前記センタ位置、または前記片側位置に位置している時の前記可動子は、前記第1、第2コイルに通電することで所定の振幅で振動することを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第4の手段として本発明は、前記可動子は、前記マグネット側で構成し、前記固定子は、前記コイル側で構成したことを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第5の手段として本発明は、前記コイルは、リング状に形成され、前記マグネットは、前記コイルの内周側に配設したことを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第6の手段として本発明は、前記マグネットは、リング状に形成され、前記コイルは、前記マグネットの内周側に配設したことを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第7の手段として本発明は、一方と他方の面に異なる磁極を着磁してセンタヨークを挟んで積層配置した第1、第2の2個のマグネットと、このマグネットの端面と所定のギャップを有して配設したコイルとを備え、前記マグネット側または前記コイル側のいずれか一方を可動子、いずれか他方を固定子とし、前記コイルに通電して発生する磁束が前記マグネットの磁束に作用して、前記可動子が所定の振幅で振動可能になっており、前記コイルヨークには、前記コイルの一方と他方の面に第1、第2ヨーク片が密着して形成されされ、前記マグネットは、前記第1マグネットの一方の面に密着して第1マグネットヨークが、前記第2マグネットの他方の面に密着して第2マグネットヨークがそれぞれ配設され、
前記コイルに無通電時における前記可動子は、少なくとも前記第1ヨーク片から前記第1マグネットヨークまでと、前記第2ヨーク片から前記第2マグネットヨークまでとの寸法がほぼ同じになるセンタ位置で動きが停止することを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第8の手段として本発明は、前記可動子を前記センタ位置に位置させた状態で、前記センタヨークから前記第1ヨーク片までを寸法Aとし、前記第1マグネットヨークから前記第1ヨーク片までを寸法Bとして、
前記マグネットまたは前記マグネットヨークの厚さ寸法を可変することにより、前記寸法AおよびBが可変するようになっており、
前記コイルに無通電時において、前記寸法AとBの関係がA>Bの場合には、前記可動子が前記センタ位置に位置して動きが停止し、前記寸法AとBの関係がA<Bの場合には、前記可動子が少なくとも前記第1マグネットヨークと前記第1ヨーク片とが接近する片側位置に移動して動きが停止することを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第9の手段として本発明は、前記センタ位置、または前記片側位置に位置している時の前記可動子は、前記第1、第2コイルに通電することで所定の振幅で振動することを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第10の手段として本発明は、前記可動子は、前記マグネット側で構成し、前記固定子は、前記コイル側で構成したことを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第11の手段として本発明は、前記コイルは、リング状に形成され、前記マグネットは、前記コイルの内周側に配設したことを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第12の手段として本発明は、前記マグネットは、リング状に形成され、前記コイルは、前記マグネットの内周側に配設したことを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第13の手段として本発明は、前記マグネットと前記コイルとの間の前記所定のギャップには、前記振動する前記可動子が前記固定子側に傾くのを防止するためのスペーサを配設したことを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第14の手段として本発明は、前記マグネットからなる前記可動子には、中心から上下に突出する支持軸が形成され、この支持軸を前記固定子を支持する取付部材側に形成した軸受け部に上下動可能に支持したことを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第15の手段として本発明は、前記可動子を上下からサンドイッチ状に挟持して前記可動子を前記センタ位置で支持可能な弾性を有する一対のダイアフラムを配設したことを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第16の手段として本発明は、前記ダイアフラムは、前記支持軸が嵌合して前記可動子を支持可能な嵌合孔を有し、この嵌合孔から等距離で等間隔の位置に複数の貫通孔を形成していることを特徴とする。
本発明の電磁アクチュエータのコイルヨークには、第1コイルの一方の面に密着して第1ヨーク片が、第2コイルの他方の面に密着して第2ヨーク片がそれぞれ形成され、マグネットは、一方と他方の面に第1、第2マグネットヨークが密着して配設され、
コイルに無通電時における可動子は、少なくとも第1ヨーク片から第1マグネットヨークまでと、第2ヨーク片から第2マグネットヨークまでとの寸法がほぼ同じになるセンタ位置で動きが停止するので、コイルに印加する電流が半分で可動子を振動させることができ、低消費電力の電磁アクチュエータを提供できる。
また、マグネットまたは第1、第2マグネットヨークの厚さ寸法を可変することにより、寸法AおよびBが可変するようになっており、
コイルに無通電時において、前記寸法AとBの関係がA>Bの場合には、可動子がセンタ位置に位置して動きが停止し、寸法AとBの関係がA<Bの場合には、可動子が少なくとも第1マグネットヨークと第1ヨーク片とが接近する片側位置に移動して動きが停止するので、固定子が同じで厚さの異なる可動子を交換するだけで振幅の異なるアクチュエータを提供でき、標準化して部品点数を削減できる。
また、センタ位置、または片側位置に位置している時の可動子は、第1、第2コイルに通電することで所定の振幅で振動するので、可動子の厚さを換えることで可動子を異なる振幅で振動させることができる。
また、可動子は、マグネット側で構成し、固定子は、コイル側で構成したので、コイルに通電するリード線等の配線が容易である。
また、コイルは、リング状に形成され、マグネットは、コイルの内周側に配設したので、内周側のマグネットを可動子とすることで、バルブあるいはポンプの駆動用として用いるのに容易である。
また、マグネットは、リング状に形成され、コイルは、マグネットの内周側に配設したので、内周側のコイルを固定子とすることで、コイルへの配線が容易である。
また、コイルヨークには、コイルの一方と他方の面に第1、第2ヨーク片が密着して形成されされ、マグネットは、第1マグネットの一方の面に密着して第1マグネットヨークが、第2マグネットの他方の面に密着して第2マグネットヨークがそれぞれ配設され、
コイルに無通電時における可動子は、少なくとも第1ヨーク片から第1マグネットヨークまでと、第2ヨーク片から第2マグネットヨークまでとの寸法がほぼ同じになるセンタ位置で動きが停止するので、コイルに印加する電流が半分で可動子を振動させることができ、低消費電力の電磁アクチュエータを提供できる。
また、マグネットまたはマグネットヨークの厚さ寸法を可変することにより、寸法AおよびBが可変するようになっており、
コイルに無通電時において、寸法AとBの関係がA>Bの場合には、可動子がセンタ位置に位置して動きが停止し、寸法AとBの関係がA<Bの場合には、可動子が少なくとも第1マグネットヨークと第1ヨーク片とが接近する片側位置に移動して動きが停止するので、固定子が同じで厚さの異なる可動子を交換するだけで振幅の異なるアクチュエータを提供でき、標準化して部品点数を削減できる。
また、センタ位置、または片側位置に位置している時の可動子は、第1、第2コイルに通電することで所定の振幅で振動するので、可動子の厚さを換えることで可動子を異なる振幅で振動させることができる。
また、可動子は、マグネット側で構成し、固定子は、コイル側で構成したので、コイルに通電するリード線等の配線が容易である。
また、コイルは、リング状に形成され、マグネットは、コイルの内周側に配設したので、内周側のマグネットを可動子とすることで、バルブあるいはポンプの駆動用として用いるのに容易である。
また、マグネットは、リング状に形成され、コイルは、マグネットの内周側に配設したので、内周側のコイルを固定子とすることで、コイルへの配線が容易である
また、マグネットとコイルとの間の所定のギャップには、振動する可動子が固定子側に傾くのを防止するためのスペーサを配設したので、可動子と固定子との間のスペーサで可動子が倒れるのを防止できる。
そのために、可動子を高精度に振動させることができる。
また、マグネットからなる可動子には、中心から上下に突出する支持軸が形成され、この支持軸を固定子を支持する取付部材側に形成した軸受け部に上下動可能に支持したので、スペーサが無くても、可動子の傾きを防止でき、部品点数を削減できる。
また、可動子を上下からサンドイッチ状に挟持して可動子をセンタ位置で支持可能な弾性を有する一対のダイアフラムを配設したので、コイルに無通電時に、可動子を確実にセンタ位置で動きを停止させることができる。
また、ダイアフラムは、支持軸が嵌合して可動子を支持可能な嵌合孔を有し、この嵌合孔から等距離で等間隔の位置に複数の貫通孔を形成しているので、ダイアフラムに剛性があったとしても嵌合孔で剛性を弱めて、可動子を確実に振動させることができる。
以下、本発明の電磁アクチュエータの実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を説明する要部断面図であり、図2〜図4はその動作を説明する概略図であり、図5は、第1の実施の形態の変形例を説明する概略図であり、図6、図7は本発明の第2の実施の形態を説明する概略図であり、図8は本発明の第1の実施の形態の変形例を説明する要部断面図であり、図9、図10は図8の更なる変形例を説明する要部断面図である。
まず、本発明の第1の実施の形態の電磁アクチュエータ1は、図1に示すように、一方の面(図示上面)と他方の面(図示下面)とに、互いに異なる磁極(例えば一方の面がN極、他方の面がS極)が着磁された所定厚さのマグネット2が中央部に配設されている。
前記マグネット2は、外形が円形状の外周面2aを有し、一方の面(図示上面)には、マグネット2と同じ外径寸法の磁性材料からなる第1マグネットヨーク3が接着剤等で密着して固着されている。
前記第1マグネットヨーク3は、中央部に所定高さで突出する軸部3aが形成されている。
また、マグネット2の下面には、第1マグネットヨーク3と略同形状の第2マグネットヨーク4が接着剤等で固着され、この第2マグネットヨーク4は、中央部に所定高さで下方に突出する軸部4aが形成されている。
そして、マグネット2と第1、第2マグネットヨーク3、4とで可動子を構成している。
また、可動子である円形状のマグネット2の外周端面2aと寸法Gのギャップを有して、リング状のコイル5が外側に配設されている。
即ち、リング状のコイル5の内周面5aの内側に寸法Gのギャップを挟んで円形状のマグネット2が位置している。
また、コイル5は、第1、第2の2個のコイル6、7を有し、この第1、第2の2個のコイル6、7が、後述するコイルヨーク8のセンタヨーク8aを挟んで上下に積層配置されている。
前記第1、第2コイル6、7は、磁性材料からなる所定厚さのコイルヨーク8に覆われて、マグネット2の外周端面2aと対向する内周面5a側が露出している。
前記第1、第2コイル6、7を覆うコイルヨーク8は、前記第1、第2コイル6、7を図示上下に仕切るセンタヨ−ク8aが形成されていると共に、第1コイル6の一方の面(図示上面)に第1ヨーク片8bが、第2コイル7の他方の面(図示下面)に第2ヨーク片8cがそれぞれ密着して配設されている。
即ち、コイル5は、センタヨーク8aを挟んで積層配置した第1、第2の2個のコイル6、7からなり、マグネット2側が可動子、コイル5側が固定子となっている。
このような本発明の電磁アクチュエータ1は、第1、第2の2個のコイル6、7に一方向と他方向の電流を交互に通電して発生する磁束が、マグネット2の磁束に作用して、可動子であるマグネット2が所定の振幅で図示上下方向に振動可能になっている。
そして、本発明の電磁アクチュエータ1の動作を説明すると、まず、図2の概略図に示すように、コイルに無通電時におけるマグネット2を、第1ヨーク片8bから第1マグネットヨーク3までの寸法と、第2ヨーク片8cから第2マグネットヨーク4までの寸法とがほぼ同じになるセンタ位置(センタヨーク8aの厚さ方向の中心線Cと、可動子であるマグネット2の厚さ方向の中心とが同一線上になった位置)に位置させる。
前記可動子であるマグネット2をセンタ位置に位置させた状態で、第1マグネットヨーク3からコイル5側のセンターヨーク8aまでを寸法をAとし、第1マグネットヨーク3から第1ヨーク片8bまでを寸法Bとする。
前記寸法AおよびBは、マグネット2または第1、第2マグネットヨーク3、4の厚さ寸法を可変することにより可変可能になっている。
そして、第1、第2コイル6、7に対して無通電状態で、マグネット2をセンタ位置に位置させた時の磁路は、図2に示すように、マグネット2の例えば上面側に着磁したN極から放出される磁力線が、第1マグネットヨーク3から固定子側であるコイルヨーク8のセンタヨーク8aを経由して、第2ヨーク片8cからマグネット2の第2マグネットヨーク4を介して下面側のS極に戻る第1ルートDと、N極から放出される磁力線が、第1マグネットヨーク3から第1ヨーク片8bを経由して、第2ヨーク片8cからマグネット2の第2マグネットヨーク4を介して下面側のS極に戻る第2ルートEとの2つのルートがある。
そして、第1、第2コイル6、7に対して無通電状態で、マグネット2の厚さを厚くして、図2に示すように、寸法AとBの関係がA>Bの場合には、コイルヨーク8を引き付けるマグネット2の磁力が、第1ルートDの磁路より第2ルートEの磁路の方が強くなり、可動子であるマグネット2がセンタ位置に保持されて動きが停止する。
この状態で、第1、第2コイル6、7に所定方向の電流を通電することで、マグネット2は、図3に示すように、例えば矢印F方向に上昇する。
この時のマグネット2の上昇位置は、コイルヨーク8の第1ヨーク片8bから第1マグネットヨーク3までと、センタヨーク8aからの第2マグネットヨーク4までとの寸法が略同じになる。
そして、第1、第2コイル6、7への通電を解除すると、マグネット2は自身の磁力で、センタ位置に自動復帰するようになっている。
また、マグネットを上昇させたときに第1、第2コイル6、7に通電した電流と逆向きの電流を第1、第2コイルに通電すると、マグネット2は、図3の2点鎖線で示す位置まで降下し、第1、第2コイル6、7への通電を解除すると、マグネット2はセンタ位置の初期位置に自動復帰する。
また、マグネット2の厚さを薄くして、図4の概略図に示すように、寸法AとBの関係がA<Bの場合には、マグネット2の磁力が第2ルートEの磁路より第1ルートDの磁路の方が強くなる。
このことにより、マグネット2の上面側がN極となっている時は、マグネット2が矢印J方向に上昇して、第1マグネットヨーク3と第1ヨーク片8bとが接近する上方側の片側位置に移動して動きが停止する。
また、マグネット2の下面をN極とすると、マグネット2が矢印K方向に降下して、第2マグネットヨーク4と第2ヨーク片8cとが接近する下方側の片側位置に移動して動きが停止する。
このような第1の実施の形態の電磁アクチュエータ1は、第1、第2コイル6、7に無通電状態において、可動子であるマグネット2がセンタ位置、あるいは片側位置にて停止し、この状態で第1、第2コイル6、7に所定の電流を通電すると、マグネット2が上昇、あるいは降下し、再度第1、第2コイル6、7を無通電とすることで、マグネット2が初期位置、あるいは上昇または降下後の片側位置に移動、保持される。
このような電磁アクチュエータを、例えば液体燃料を燃料電池に供給するための流体供給機構(図示せず)のバルブ駆動用として用いることで、可動子であるマグネット2が上昇時には、バルブを確実に閉じ、マグネット2が降下時には、バルブを確実に開放するようにすることができる。
そして、例えばバルブを閉じる時、あるいは開放する時のみ、コイル5に通電すればよいので、省電力化が可能である。
あるいは、第1、第2コイル6、7に無通電時において、図2に示すような、可動子であるマグネット2がセンタ位置に位置するものだと、流体供給機構(図示せず)のポンプ駆動用として用いることで、例えばセンタ位置から上方側の片側位置までの半分の振幅で、ポンプ室内の流体を外部に排出することができ、マグネット2がセンタ位置に戻る時は、コイル5に通電しなくてもマグネット2が自動復帰し、外部の流体タンク内にある流体をポンプ室内に吸入することができる。即ち、可動子であるマグネット2が半分の振幅で良く、1回の振動に要する時間を短縮して振動数を増やすことができる。
そのために、1回の振動で排出される流体の排出量は減るが、流体をムラ無く連続して排出することができる。例えば燃料電池等への燃料供給に最適である。
尚、本発明の第1の実施の形態では、マグネット2の厚さを可変することで、寸法AおよびBを可変することで説明したが、第1、第2マグネットヨーク3、4の厚さを可変して、寸法AおよびBを可変するようにしたものでも良い。
また、可動子をマグネット2で説明し、固定子をコイル5で説明したが、可動子をコイル5、固定子をマグネット2にしたものでも良い。
また、リング状の2個の第1、第2コイル6、7の内周側に、マグネット2を配設したもので説明したが、図5に示すように、マグネット9をリング状に形成し、コイル10はマグネット9の内周側に配設し、コイル10、またはマグネット9のいずれか一方を可動子に、いずれか他方を固定子にしたものでも良い。
また、本発明の第2の実施の形態の電磁アクチュエータ11として、図6に示すように、一方と他方の面に異なる磁極を着磁してセンタヨーク12を挟んで積層した可動子である第1、第2の2個のマグネット13、14とが配置されている。前記第1マグネット13の一方の面(図示上面)には、磁性材料からなる第1マグネットヨーク15が、第2マグネット14の他方の面(図示下面)には、磁性材料からなる第2マグネットヨーク16がそれぞれ密着して配設されている。
また、2個の第1、第2マグネット13、14の端面と寸法Gのギャップを有してリング状のコイル17が配設されている。前記コイル17は、U字状のコイルヨーク18に収納されて、一方と他方の面に第1、第2ヨーク片18a、18bが密着して形成されている。
前記第1、第2マグネット13、14を、第1ヨーク片18aから第1マグネットヨーク15までと、第2ヨーク片18bから第2マグネットヨーク16までとの寸法がほぼ同じになるセンタ位置に位置させた状態で、センタヨーク12から第1ヨーク片18aまでを寸法Aとし、第1マグネットヨーク15から第1コイルヨーク18aまでを寸法Bとする。
そして、第1、第2マグネット13、14または第1、第2マグネットヨーク15、16の厚さ寸法を可変することにより、寸法AおよびBが可変するようになっている。
前記コイル17に無通電時において、図6に示す寸法AとBの関係がA>Bの場合には、可動子である第1、第2マグネット13、14がセンタ位置に位置して動きが停止し、寸法AとBの関係がA<Bの場合には、可動子である第1、第2マグネット13、14が、少なくとも第1マグネットヨーク15と第1ヨーク片18aとが接近する片側位置に移動して動きが停止するようになっている。
尚、本発明の第2の実施の形態では、リング状のコイル17の内周側に第1、第2マグネット13、14を配設したもので説明したが、図7に示すように、リング状の第1、第2マグネット19、20の内周側に1個のコイル21を配設し、コイル21を可動子としたものでも良い。
また、第2の実施の形態では、内周側に位置する部材を可動子とし、外周側に位置する部材を固定子としたが、外周側を可動子とし、内周側を固定子としたものでも良い。
また本発明の第1の実施の形態の変形例として、図8に示すように、マグネット2からなる可動子の外周面2aと、コイル5の内周面5aとの間の所定のギャップGには、図示上下方向に振動する可動子であるマグネット2が固定子であるコイル5側に、マグネットの磁力で傾くのを防止するためのスペーサ21が配設され、このスペーサ21と可動子であるマグネット2の外周面2aとの間に微小な隙間Sが形成されている。
そのために、マグネット2は、スペーサ21に沿ってスムーズに図示上下に振動することができる。
また、可動子であるマグネット2のその他の倒れ防止策として、図9に示すように、固定子であるコイル5を固定部材22に支持し、第マグネットヨーク3の軸部3aを固定部材22の第1軸受け部22aに支持し、第2マグネットヨーク4の軸部4aを固定部材22の第2軸受け部22bに上下動可能に支持することにより、マグネット2の倒れ防止できる。
即ち、可動子であるマグネット2には、中心から上下に突出する支持軸3a、4aが形成され、この支持軸3a、4aを固定子であるコイル5を支持する固定部材22側に形成した軸受け部22a、22bに上下動可能に支持したものでも良い。
また、可動子である、マグネット2を確実にセンタ位置に位置させる方法として、図10に示すように、可動子であるマグネット2を上下からサンドイッチ状に挟持して可動子であるマグネット2をセンタ位置で支持可能な弾性を有する一対のダイアフラム23、23を配設したものでも良い。
前記ダイアフラム23は、弾性有する薄肉のゴム等からなり、コイル5に無通電状態では、第1フラム23、23の弾性力で可動子であるマグネット2が常に確実にセンタ位置で動きを停止させることができる。
前記ダイアフラム23、23は、支持軸3a、4aが嵌合して可動子であるマグネット2を支持可能な嵌合孔23aを有し、この嵌合孔23aから等距離で等間隔の位置に複数の貫通孔(図示せず9を形成したものでも良い。
このように、第1フラムに貫通孔を形成する形成することにより、第1フラムの剛性を弱めて、可動子であるマグネット2の上下方向に振動を容易にしている。
本発明の第1の実施の形態を説明する要部断面図である。 図1の動作を説明する概略図である。 図1の動作を説明する概略図である。 図1はの動作を説明する概略図である。 第1の実施の形態の変形例を説明する概略図である。 本発明の第2の実施の形態を説明する概略図である。 本発明の第2の実施の形態を説明する概略図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例を説明する要部断面図である。 図8の更なる変形例を説明する要部断面図である。 図8の更なる変形例を説明する要部断面図である。 従来のスイッチ装置の要部断面図である。
符号の説明
1 本発明の第1の実施の形態の電磁アクチュエータ
2 マグネット
2a 外周面
3 第1マグネットヨーク
4 第2マグネットヨーク
5 コイル
6 第1コイル
7 第2コイル
8 コイルヨーク
8a センタヨーク
8b 第1ヨーク片
8c 第2ヨーク片
11 第2に実施の形態の電磁アクチュエータ

Claims (16)

  1. 一方と他方の面に異なる磁極を着磁したマグネットと、このマグネットの端面と所定のギャップを有して配設したコイルとを備え、
    前記コイルは、コイルヨークに収納されてセンタヨークを挟んで積層配置した第1、第2の2個のコイルからなり、前記マグネット側または前記コイル側のいずれか一方を可動子、いずれか他方を固定子とし、前記2個のコイルに通電して発生する磁束が前記マグネットの磁束に作用して、前記可動子が所定の振幅で振動可能になっており、
    前記コイルヨークには、前記第1コイルの一方の面に密着して第1ヨーク片が、前記第2コイルの他方の面に密着して第2ヨーク片がそれぞれ形成され、前記マグネットは、前記一方と他方の面に第1、第2マグネットヨークが密着して配設され、
    前記コイルに無通電時における前記可動子は、少なくとも前記第1ヨーク片から前記第1マグネットヨークまでと、前記第2ヨーク片から前記第2マグネットヨークまでとの寸法がほぼ同じになるセンタ位置で動きが停止することを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 前記可動子を前記センタ位置に位置させた状態で、前記第1マグネットヨークから前記センターヨークまでを寸法Aとし、前記第1マグネットヨークから前記第1ヨーク片までを寸法Bとして、
    前記マグネットまたは前記第1、第2マグネットヨークの厚さ寸法を可変することにより、前記寸法AおよびBが可変するようになっており、
    前記コイルに無通電時において、前記寸法AとBの関係がA>Bの場合には、前記可動子が前記センタ位置に位置して動きが停止し、前記寸法AとBの関係がA<Bの場合には、前記可動子が少なくとも前記第1マグネットヨークと前記第1ヨーク片とが接近する片側位置に移動して動きが停止することを特徴とする請求項1記載の電磁アクチュエータ。
  3. 前記センタ位置、または前記片側位置に位置している時の前記可動子は、前記第1、第2コイルに通電することで所定の振幅で振動することを特徴とする請求項1、または2記載の電磁アクチュエータ。
  4. 前記可動子は、前記マグネット側で構成し、前記固定子は、前記コイル側で構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  5. 前記コイルは、リング状に形成され、前記マグネットは、前記コイルの内周側に配設したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  6. 前記マグネットは、リング状に形成され、前記コイルは、前記マグネットの内周側に配設したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  7. 一方と他方の面に異なる磁極を着磁してセンタヨークを挟んで積層配置した第1、第2の2個のマグネットと、このマグネットの端面と所定のギャップを有して配設したコイルとを備え、前記マグネット側または前記コイル側のいずれか一方を可動子、いずれか他方を固定子とし、前記コイルに通電して発生する磁束が前記マグネットの磁束に作用して、前記可動子が所定の振幅で振動可能になっており、前記コイルヨークには、前記コイルの一方と他方の面に第1、第2ヨーク片が密着して形成されされ、前記マグネットは、前記第1マグネットの一方の面に密着して第1マグネットヨークが、前記第2マグネットの他方の面に密着して第2マグネットヨークがそれぞれ配設され、
    前記コイルに無通電時における前記可動子は、少なくとも前記第1ヨーク片から前記第1マグネットヨークまでと、前記第2ヨーク片から前記第2マグネットヨークまでとの寸法がほぼ同じになるセンタ位置で動きが停止することを特徴とする電磁アクチュエータ。
  8. 前記可動子を前記センタ位置に位置させた状態で、前記センタヨークから前記第1ヨーク片までを寸法Aとし、前記第1マグネットヨークから前記第1ヨーク片までを寸法Bとして、
    前記マグネットまたは前記マグネットヨークの厚さ寸法を可変することにより、前記寸法AおよびBが可変するようになっており、
    前記コイルに無通電時において、前記寸法AとBの関係がA>Bの場合には、前記可動子が前記センタ位置に位置して動きが停止し、前記寸法AとBの関係がA<Bの場合には、前記可動子が少なくとも前記第1マグネットヨークと前記第1ヨーク片とが接近する片側位置に移動して動きが停止することを特徴とする請求項7記載の電磁アクチュエータ。
  9. 前記センタ位置、または前記片側位置に位置している時の前記可動子は、前記第1、第2コイルに通電することで所定の振幅で振動することを特徴とする請求項7、または8記載の電磁アクチュエータ。
  10. 前記可動子は、前記マグネット側で構成し、前記固定子は、前記コイル側で構成したことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  11. 前記コイルは、リング状に形成され、前記マグネットは、前記コイルの内周側に配設したことを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  12. 前記マグネットは、リング状に形成され、前記コイルは、前記マグネットの内周側に配設したことを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  13. 前記マグネットと前記コイルとの間の前記所定のギャップには、前記振動する前記可動子が前記固定子側に傾くのを防止するためのスペーサを配設したことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  14. 前記マグネットからなる前記可動子には、中心から上下に突出する支持軸が形成され、この支持軸を前記固定子を支持する取付部材側に形成した軸受け部に上下動可能に支持したことを特徴とする請求項4または5、および請求項10または11記載の電磁アクチュエータ。
  15. 前記可動子を上下からサンドイッチ状に挟持して前記可動子を前記センタ位置で支持可能な弾性を有する一対のダイアフラムを配設したことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  16. 前記ダイアフラムは、前記支持軸が嵌合して前記可動子を支持可能な嵌合孔を有し、この嵌合孔から等距離で等間隔の位置に複数の貫通孔を形成していることを特徴とする請求項15記載の電磁アクチュエータ。
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