JP5006538B2 - マイクロポンプおよび駆動体 - Google Patents

マイクロポンプおよび駆動体

Info

Publication number
JP5006538B2
JP5006538B2 JP2005345101A JP2005345101A JP5006538B2 JP 5006538 B2 JP5006538 B2 JP 5006538B2 JP 2005345101 A JP2005345101 A JP 2005345101A JP 2005345101 A JP2005345101 A JP 2005345101A JP 5006538 B2 JP5006538 B2 JP 5006538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driving
valve
electromagnet
micropump
permanent magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005345101A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007146795A (ja
Inventor
元章 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikkiso Co Ltd filed Critical Nikkiso Co Ltd
Priority to JP2005345101A priority Critical patent/JP5006538B2/ja
Publication of JP2007146795A publication Critical patent/JP2007146795A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5006538B2 publication Critical patent/JP5006538B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Description

本発明は、微量の流体の流れを制御するマイクロポンプ、および、当該マイクロポンプに設けられた駆動体に関する。
従来から、医療や分析、あるいは、インクジェットプリンタの分野において、微量の流体搬送を行うためのマイクロポンプが知られている(例えば、特許文献1,2など)。このマイクロポンプは、ポンプ室と、ポンプ室への流体の流入出を制御するバルブを備えている。ポンプ室の一壁面は薄く形成されており、この部分がダイアフラムとして機能する。また、バルブの弁体も、薄く形成されている。そして、このダイアフラムおよび弁体に、圧電素子からなる駆動体を接合し、圧電素子とともにダイアフラムおよび弁体を変形させることにより、流体の吸引、吐出を実現していた。
ここで、既述の通り、マイクロポンプは、医療分野や分析分野で多用される。かかる分野においては、安全性や信頼性を担保するために、使用のたびに、マイクロポンプを廃棄、交換している。この廃棄の際には、当然、マイクロポンプに接合された駆動体も廃棄しなければならない。
特開2000−249074号公報 特許第3130483号公報
従来のマイクロポンプの駆動体である圧電素子は、電圧の印加により伸縮する素子であり、この圧電素子を駆動体として利用するためには、当該圧電素子に電気配線を施すことが必須となる。この電気配線作業は、接続対象である圧電素子が微細であるため、極めて細かく、煩雑な作業となった。また、高精度の技術を要するこの配線作業では、短絡や断線といった配線不良が生じやすかった。さらに、配線作業にかかるコストも高かった。
かかる電気配線部を含む圧電素子を、使用のたびに廃棄、交換した場合、配線不良に基づくマイクロポンプの動作不良の生じる確率が高くなるという問題があった。また、電気配線部は高コストであるため、この電気配線部を使用の度に廃棄、交換すれば、マイクロポンプ全体のコストも当然、高くなった。
そこで、本発明では、より安定して動作でき得るマイクロポンプ、および、駆動体を提供することを目的とする。
本発明のマイクロポンプは、流体の流れを制御するマイクロポンプであって、薄板状に形成された弁体の駆動で開閉されるバルブと、薄板状に形成されたダイアフラムの駆動で流体に流れを付加するポンプ室と、弁体またはダイアフラムを駆動対象物として駆動する1以上の駆動体と、を備え、各駆動体は、強磁性体または永久磁石からなり、駆動対象物に接続された可動部と、磁化自在の電磁石であって、マイクロポンプの可動部に対向する位置に着脱自在に取り付けられ、磁化されることにより可動部との間に磁力を生じさせる電磁石と、可動部と駆動対象物との間に介在し、可動部から与えられる駆動力を駆動対象物に伝達する弾性体と、を有し、電磁石の磁化により生じる磁力で可動部が駆動することにより、駆動対象物を駆動することを特徴とする。
好適な態様では、可動部の少なくとも一部が、弾性体の内部に埋め込まれている場合、可動部は、その側面に、駆動方向に略垂直な方向に延びる突起部が形成されていることが望ましい。また、弾性体は、可動部の駆動方向に略垂直な方向に延びる突起部が形成された空間内に充填されることも望ましい。また、可動体は、その駆動方向に略平行な貫通孔が形成されることも望ましい。他の好適な態様では、可動部が、永久磁石からなる場合に、可動部は、電磁石の磁化により生じる磁力に基づく反発力で駆動対象物を駆動する。
他の本発明である駆動体は、マイクロポンプに設けられたバルブの弁体またはポンプ室のダイアフラムを駆動対象物として駆動する駆動体であって、強磁性体または永久磁石からなり、駆動対象物に接続された可動部と、磁化自在の電磁石であって、マイクロポンプの可動部に対向する位置に着脱自在に取り付けられ、磁化されることにより可動部との間に磁力を生じさせる電磁石と、可動部と駆動対象物との間に介在し、可動部から与えられる駆動力を駆動対象物に伝達する弾性体と、を有し、電磁石の磁化により生じる磁力で可動部が駆動することにより、駆動対象物を駆動することを特徴とする。
本発明によれば、電気配線(コイルへの通電線)が必要な電磁石は、マイクロポンプに対して着脱自在となっている。そのため、マイクロポンプの廃棄、交換の際にも、電磁石のみを取り外して保存しておくことができる。その結果、電気配線を連続して使用することができる。これにより、配線不良等を低減することができ、より安定した動作が可能となる。また、高価な電気配線部が連続して使用できるため、マイクロポンプ全体のコストを低減できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態であるマイクロポンプ10の構成を示すブロック図である。このマイクロポンプ10は、医療や分析の分野で多用されるもので、微量の流体の吸引、吐出が可能となっている。また、安全性や信頼性を担保するために、その使用のたびに本体部を廃棄、交換できるようになっている。
マイクロポンプ10は、流体に流れを付加するポンプ部14と、外部からポンプ室22への流体の流入を許容する吸込側バルブ12と、ポンプ室22から外部への流体の流出を許容する吐出側バルブ16と、を備えている。
ポンプ部14は、一壁面がダイアフラム24(薄膜)で構成されたポンプ室22を備えており、ダイアフラム24には駆動体30bが接合されている。駆動体30bは、ダイアフラム24に力を伝達することで、ダイアフラムを変形させる。そして、この変形によりポンプ室22の容積が可変することで、流体に流れが付加される。吸込側バルブ12は、吸込側弁座18と吸込側弁体20および吸込側弁体20に接合された駆動体30aから構成される。吸込側弁体20は、薄膜状に構成されており、駆動体30aによって変形させられる。そして、この変形により吸込側弁座18との間隙が可変され、バルブが開閉される。吐出側バルブ16も、同様に、吐出側弁座26と吐出側弁体28および吐出側弁体28に接合された駆動体30cから構成される。薄膜状の吐出側弁体28は、駆動体30cによって変形させられ、この変形によりバルブが開閉される。
駆動体30は、後に詳説するように、弾性体32の内部に埋め込まれた永久磁石34と、当該永久磁石34との間に磁力を生じさせる電磁石36と、を備えている。電磁石36は、制御部38に電気的に接続されており、適宜、磁化される。そして、この磁化により駆動体30に駆動力が生じる。
このマイクロポンプ10は、通常、安全性や信頼性担保のために、使用の度に廃棄、交換される。このとき、廃棄、交換されるのは、電磁石36および制御部38を除いたマイクロポンプの本体部40、すなわち、図1において破線で囲まれた部分のみである。電磁石36および制御部38は、廃棄されることなく、連続して使用される。
次に、このマイクロポンプ10の具体的構成について説明する。図2は、マイクロポンプ10の概略断面図である。マイクロポンプ10のポンプ室22は、ガラス製の基板42に形成された凹部を、所定の形状に加工されたシリコン製の第一加工板44で覆うことにより形成される。第一加工板44のポンプ室22に対向する部分は、凹部が形成されており、この凹部の底面がダイアフラム24として機能する。このダイアフラム24には、後述する駆動体30bが接合されている。そして、この駆動体30bがダイアフラム24に対して略垂直の方向(図1における上下方向)に駆動することによりダイアフラム24が変形し、ポンプ室22の容積変化が生じるようになっている。
ポンプ室22の一端には、吸込側バルブ12の弁座、吸込側弁座18が接続されている。吸込側弁座18は、基板42に形成された流路48であり、その一端はポンプ室22に接続され、他端は所定の形状に加工されたシリコン製の第二加工板46に近接対向している。第二加工板46の吸込側弁座18に対向する部分は凹部が形成されており、この凹部の底面が吸込側バルブ12の弁体、吸込側弁体20となる。吸込側弁体20には、駆動体30aが接合されており、吸込側弁体20が当該駆動体30aの駆動に伴い変形することで吸込側バルブ12が開閉される。基板42の吸込側弁体20に近接する位置には、吸込用流路47が形成されている。吸込用流路47の一端は外部に、他端は吸込側弁座18に接続されており、吸込側バルブ12が開放状態になれば、流体が吸込用流路47から吸込側弁座18へ、吸込側弁座18からポンプ室22へと流れ込む。
基板42には、さらに、吐出用流路50も形成されている。これは、ポンプ室22に隣接して設けられた流路で、その一端は外部に接続され、他端は第一加工板44に近接対向している。この吐出用流路50の第一加工板44側の端部は、吐出側バルブ16の弁座、吐出側弁座26として機能する。第一加工板44の吐出側弁座26に対向する部分には、凹部が形成されており、この凹部の底面が吐出側バルブ16の弁体、吐出側弁体28として機能する。吐出側弁体28には、吸込側弁体20と同様に、駆動体30cが接合されており、当該駆動体30cの駆動によって吐出側バルブ16が開閉される。
なお、本実施形態では、基板42をガラス製、第一加工板44および第二加工板46をシリコン製としているが、当然、他の材質から形成されてもよい。ただし、血液などの生体体液などを取り扱い対象の流体とする場合は、基板42および第一、第二加工板44,46は生体適合材料で形成されることが望まれる。ガラスは、生体適合性が良く、単結晶シリコンも生体適合性が比較的良好である。シリコンを酸化させて酸化膜にすると二酸化珪素となり、単結晶シリコンよりも生体適合性が向上する。生体適合性が良い材料としては、他にPC(ポリカーボネイト)、PMMA(ポリメタメチルクリレート)、PVC(塩化ビニル)、超高分子量PE(ポリエチレン)、さらにチタンなどの金属、酸化アルミニウムなどのセラミック材料や、ダイヤモンド、サファイヤ、ルビー等の宝石類がある。また、記述の流路や凹部は、エッチング等の加工技術により形成される。
次に、各バルブ12,16およびポンプ部14に設けられた駆動体30a,30b,30cの構成について、あるバルブ60に設けられた駆動体を例に説明する。図3は、あるバルブ60周辺の拡大図であり、(A)はバルブ開放時の状態を、(B)はバルブ閉鎖時の状態を示している。以下で説明する駆動体30の構成は、吸込側バルブ12、吐出側バルブ16およびポンプ部14に設けられた駆動体30a,30b,30cの構成と同様である。
本実施形態の駆動体30は、磁力により駆動することを特徴の一つとしている。すなわち、駆動体30は、永久磁石34と電磁石36とを備えており、電磁石36の磁化および磁化解除により生じる永久磁石34の駆動力を弾性体32を介して弁体62に伝達している。
具体的には、永久磁石34は、弁体62を構成する凹部の内部に設けられている。永久磁石34は、弁体62に対して略垂直の磁束線を生じるように、弁体62に対向配置されている。この永久磁石34は、凹部の内部に充填された弾性体32に埋め込まれている。弾性体32は、所定の弾性と耐薬性を備えた材料、たとえば、シリコンゴムや、PEエステルエラストマー、発泡PE、シリコン系ゲルなどからなる。弾性体32は、凹部の上端まで完全に充填されており、永久磁石34は弾性体32の略中央部分に埋め込まれる。ただし、後に詳説するように、永久磁石34の多少の位置ずれは弾性体32により吸収されるため、その位置決めは厳密に行われる必要はない。また、本実施形態では、永久磁石34を弾性体32の内部に埋め込んでいるが、場合によっては、永久磁石34の一部または全部が弾性体32から突出していてもよい。ただし、その場合であっても、剛性体である永久磁石34と撓みを生じる弁体62との間には、一定量の弾性体32が介在することが望ましい。
凹部の上面は、電磁石36により覆われる。換言すれば、電磁石36は永久磁石34に対向配置される。電磁石36は、図示しない固着手段により加工板68の上に固着されている。ただし、ここで用いられる固着手段は、螺合や係合など、適宜、取り外しが可能な手段である。これは、必要に応じて電磁石36をマイクロポンプの本体部から分離するためである。電磁石36は、磁性材料からなる芯材36aと、当該芯材36aの周囲に巻回されたコイル36bと、からなる。コイル36bは、図示しない制御部に接続されており、適宜、通電される。この通電により電磁石36は磁化される。つまり、電磁石36は、制御部の制御によって、適宜、磁化、あるいは、磁化解除される。また、この電磁石36は、磁化された際に、永久磁石34との間に、磁力に基づく反発力が生じるように構成されている。換言すれば、電磁石36および永久磁石34の対向面は、同一の極性となるように配置されている。
電磁石36が磁化されない状態では、電磁石36と永久磁石34との間には反発力は生じない。そのため、図3(A)に図示するように、弁体62は、変形することなく、弁座64との間に所定の間隙66を形成した状態を維持する。このとき、流体は、弁座64と弁体62との間隙66の通過が可能となる。つまり、電磁石36の磁化が解除されている場合、バルブ60は開放状態となる。
一方、電磁石36が、磁化した場合、永久磁石34との間に磁力に基づく反発力が生じる。反発力が生じた場合、電磁石36は、加工板68に固着されているため、その位置で静止する。弾性体32の内部に埋め込まれた永久磁石34は、反発力を受けて、弁体62の方向(図3における下方向)へと駆動する。この永久磁石34の駆動により、永久磁石34と弁体62との間に介在する弾性体32が弁体62方向に押圧される。そして、この押圧力は弁体62に伝達され、弁体62は撓みを生じ、弁座64に当接する(図3(B))。弁体62と弁座64が当接することにより、バルブ60が閉鎖される。つまり、電磁石36が磁化されることにより、バルブ60は閉鎖状態となる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の駆動体30は、電磁石36の磁化を制御することにより、バルブの開閉を制御できる。また、この駆動体30をポンプ室のダイアフラムに接合すれば、電磁石36の磁化を制御することで、ポンプ室の容積を制御できる。
ところで、記述したように、医療や分析の分野においては、安全性や信頼性を担保するために、使用のたびにマイクロポンプを廃棄、交換している。従来の圧電素子を駆動体としていたマイクロポンプでは、駆動体も使用の度に廃棄、交換されていた。ここで圧電素子には、電圧印加のために電気配線がなされており、この電気配線を行うには極めて高精度の技術が必要となり、この配線部分はコスト増加の一因となっていた。使用の度に、この電気配線部分を廃棄、または、再配線することは、マイクロポンプ全体のコストを大幅に増加させる原因であった。また、電気配線の不良、たとえば、断線やショートなどが生じる確率も高くなり、マイクロポンプの信頼性低下の原因にもなっていた。
一方、本実施形態の駆動体30は、永久磁石34、弾性体32、および、電磁石36から構成される。このうち、永久磁石34および弾性体32は、マイクロポンプの本体部に固着されており、本体部との分離は困難となっている。一方、電磁石36は、ネジ等の着脱自在の装着手段で本体部に装着されており、本体部との分離は比較的容易となっている。また、永久磁石34および弾性体32は制御部との間に何らの配線もされていないのに対し、電磁石36のコイル36bは制御部に電気的に接続されている。換言すれば、永久磁石34および弾性体32は制御部から電気的に分離されているが、電磁石36は制御部に電気的に接続されている。つまり、本実施形態の駆動体30は、制御部との分離が困難であるが本体部からの分離が容易なステータ(電磁石36)と、制御部との分離が容易であるが本体部からの分離が困難な駆動部(永久磁石34および弾性体32)と、から構成される。
このうち、ステータ(電磁石36)側には、制御部との電気配線(コイル36b)が含まれており、この電気配線には高精度の技術を必要とする。このステータも、使用の度に廃棄、交換した場合、マイクロポンプ10のコストアップや信頼性低下を招く。しかし、本実施形態のステータ、すなわち、電磁石36は、マイクロポンプ10の本体部からの分離が容易な構成となっている。そのため、マイクロポンプ10の本体部を廃棄する際に、当該電磁石36を本体部から分離しておけば、電気配線を含む電磁石36は廃棄を免れる。一方、永久磁石34および弾性体32を含むマイクロポンプの本体部のみを廃棄、交換すれば、信頼性や安全性は十分担保できる。そして、新しく交換されたマイクロポンプ10の本体部に、廃棄を免れた電磁石36を装着すれば、再び、磁力により駆動する駆動体30が構成される。つまり、高価、かつ、高精度の電気配線を含む電磁石36は、連続して使用することができる。その結果、マイクロポンプ10のコストを低減できる。また、断線やショートといった配線不良を低減できるためマイクロポンプの信頼性を向上できる。なお、電磁石36と永久磁石34との間に反発力が生じ得るのであれば、電磁石36の位置決め精度は厳密でなくてもよい。高い精度が要求されないため、新しいマイクロポンプ10の本体部への電磁石36の装着は、比較的、簡易に行うことができる。
ところで、本実施形態では、永久磁石34と駆動対象物(弁体またはダイアフラム)との間に弾性体32を介在させている。これは、剛性体である永久磁石34と、略弧状に変形する駆動対象物と、の形状の相違を吸収するためである。すなわち、図4に図示するように、駆動対象物である弁体62に永久磁石34を接着剤等により直接、接着することも考えられる。この場合であっても、電磁石36の磁化により永久磁石34は駆動し、弁体62に撓みを生じさせることは可能である。しかし、このとき弁体62は弧状に撓むのに対し、剛性体である永久磁石34の底面は平坦面を維持し続ける。その結果、永久磁石34が弁体62から剥離してしまい、両者が分離してしまう。両者が分離すると、適切に駆動力の伝達ができず、駆動対象物を正常に駆動できない。一方、永久磁石34および弁体62の間に弾性体32が介在すれば、この両者の形状の相違を弾性体32が吸収する。その結果、弁体62(またはダイアフラム)および永久磁石34の分離という問題が防止され、常に適切な駆動力伝達が可能となる。
もちろん、永久磁石34として、所定の弾性を備える程度まで薄く形成された磁石や、ゴムに磁石粉を混入したゴム磁石等を用いることで、上記の問題を解決することも可能である。しかし、その場合であっても、永久磁石34および駆動対象物(弁体またはダイアフラム)との間に弾性体32を介在させることが望ましい。特に、駆動対象物が高い位置精度を必要とする弁体である場合、弾性体32を介在させることが望ましい。これについて図5を用いて説明する。
弁体62は、略弧状に撓んで対向配置されている弁座64に当接することでバルブ60を開閉する。この弁体62の撓み中心Xが弁座64の中心Zからずれていた場合、弁体62は弁座64の上面を確実に覆うことができず、バルブ60を確実に閉鎖できない。そのため、弁体62には、高い位置精度が求められる。
かかる弁体62に弾性を備えた永久磁石34が直接接着されている場合について説明する。このとき、弁体62の撓みの中心Xは、永久磁石34の中心Yとほぼ一致する。したがって、永久磁石34の中心Yが予め設定された撓み中心Z(通常は弁体62中心)からずれていると、弁体62の撓み中心Xも予め設定された撓み中心Zからずれることになる。その結果、弁体62が弁座64の上面を覆うことができず、バルブ60を完全に閉鎖できなくなる。
一方、永久磁石34と弁体62との間に弾性体32が介在する場合、永久磁石34の駆動力は弾性体32を介して弁体62に伝達される。このとき、弾性体32は、駆動力を均等に分散して弁体62に伝達する。かかる均等な力を受けた弁体62は、最も撓み易い位置、すなわち、弁体62の中心を中心として撓む。その結果、弁座64の上面を確実に覆うことができ、確実なバルブ60の開閉動作が可能となる。つまり、永久磁石34と弁体62との間に弾性体32を介在させることで、永久磁石34の位置ずれを吸収することができる。その結果、バルブ60の開閉動作の信頼性を向上できる。また、永久磁石34の配置に高い位置決め精度が不要となるため、コストも低減できる。
以上の説明から明らかなように本実施形態によれば、磁力で駆動する駆動体30を用いることで、マイクロポンプ10のコストを低減でき、また、その信頼性も向上できる。また、駆動体30の永久磁石34と弁体62との間に弾性体32を介在させることで、より一層のコスト削減、および、信頼性向上が図れる。
なお、上記で説明した構成は一例であり、駆動体30や、マイクポンプ全体の構成は適宜、変更可能である。例えば、図6に図示するように、永久磁石34の側面および弁体62(またはダイアフラム)を構成する凹部の側面に、永久磁石の駆動方向に略垂直に伸びる突起部70,72を設けてもよい。かかる突起部70,72を設けることにより、弾性体32の上下方向の流動が防止される。記述したように、永久磁石34から生じる駆動力は弾性体32を介して伝達される。しかし、弾性体32が流動、特に、上下方向に流動した場合は、適切な駆動力伝達がなされない。しかし、図6に図示するように、永久磁石の駆動方向に略垂直に延びる突起部70,72を凹部側面および永久磁石34の側面に設けることにより、弾性体32が当該突起部70,72に引っ掛かる。その結果、弾性体32の上下方向の流動が大幅に低減され、より確実な駆動力伝達が可能となる。
また、永久磁石34の側面に突起部72を設けることにより、弾性体32と永久磁石34との一体性が向上する。つまり、永久磁石34が上方に駆動すれば、その周囲の弾性体32も上方に移動し、永久磁石34が下方に駆動すれば、その周囲の弾性体32も下方に移動する。その結果、磁力に基づく吸引力で、弁体62を駆動することも可能となる。例えば、図7に図示するように、予め、弁体62が撓んで弁座64上面を覆うように弾性体32を凹部内に充填しておく。また、電磁石36が磁化された場合には、電磁石36および永久磁石34の間には、磁力に基づく吸引力が生じるように構成しておく。この場合、電磁石36の磁化解除時には、弁体62は撓んでおり、バルブ60は閉鎖されている。一方、電磁石36が磁化された場合、電磁石36と永久磁石34との間には、磁力に基づく吸引力が生じる。この吸引力によって、永久磁石34は、電磁石36の方向(図7における上方向)に駆動する。このとき、永久磁石34の周囲の弾性体32は突起部72に係止して、永久磁石34とともに電磁石36の方向に駆動する。そして、この弾性体32の駆動により弁体62の撓みが解消され、弁体62および弁座64の間に間隙66が形成される。その結果、バルブ60が開放される。つまり、突起部70等を設けて永久磁石34と弾性体32との一体性を向上することにより、磁力に基づく吸引力でも弁体62の駆動が可能となる。そして、磁力に基づく吸引力で弁体を駆動するのであれば、永久磁石を強磁性材料、例えば、鉄、ニッケルなどに代えてもよい。
また、図8に図示するように、永久磁石34に貫通孔74を設けてもよい。貫通孔74を設けることにより、弁体62(またはダイアフラム)と永久磁石34との間に介在する弾性体32に含有されている空気76が除去されやすくなる。すなわち、弾性体32は、最初は高い流動性を有した状態で凹部内に充填され、この流動性の高い弾性体32内部に永久磁石34が埋め込まれる。そして、凝固剤の添加等により弾性体32の流動性の低減が図られる。ここで、弾性体32の内部に空気76(気泡)が含有されたまま、凝固されると、駆動力の伝達性能が低下する。そのため、弾性体32は、流動性が高いうちに、極力含有空気76の除去が図られることが望ましい。通常、弾性体32に含有された空気76は、放置、または、振動の付加等で弾性体32の上面まで移動させられ、除去される。しかし、永久磁石34と弁体62との間に介在する弾性体32に含まれる空気76は、永久磁石34に遮られてしまうため、弾性体32の上面まで至ることが困難になる。しかし、永久磁石34に貫通孔74を設ければ、この貫通孔74を通じて空気76が弾性体32上面まで到達することができるため、より確実に弾性体32内部の空気76を除去できる。その結果、より確実な駆動力の伝達が可能となる。なお、この貫通孔74の数や形状は、適宜、変更可能である。
また、本実施形態では、吸込側バルブ12、吐出側バルブ16、ポンプ部14の全てに磁力駆動型の駆動体30を設けている。しかし、必ずしも、これら全てに当該駆動体30を設ける必要はなく、少なくとも一つの弁体またはダイアフラムに磁力駆動型の駆動体30が接合されていればよい。
本発明の実施形態であるマイクロポンプの構成を示すブロック図である。 マイクロポンプの概略断面図である。 あるバルブ周辺の拡大図であり、(A)はバルブ開放時の、(B)はバルブ閉鎖時の様子を示す。 弁体に直接、剛性体の永久磁石を接着した場合のバルブ周辺の拡大図である。 弁体に直接、弾性を備えた永久磁石を接着した場合のバルブ周辺の拡大図である。 他の駆動体の一例を示す図である。 他の駆動体の一例を示す図であり、(A)はバルブ閉鎖時の、(B)はバルブ開放時の様子を示す。 他の駆動体の一例を示す図であり、(A)はバルブ周辺の拡大断面図であり、(B)は(A)におけるX−X断面図である。
符号の説明
10 マイクロポンプ、12 吸込側バルブ、14 ポンプ部、16 吐出側バルブ、18,26,64 弁座、20,28,62 弁体、22 ポンプ室、24 ダイアフラム、30 駆動体、32 弾性体、34 永久磁石、36 電磁石、38 制御部、40 本体部、42 基板、44 第一加工板、46 第二加工板、70,72 突起部、74 貫通孔。

Claims (6)

  1. 流体の流れを制御するマイクロポンプであって、
    薄板状に形成された弁体の駆動で開閉されるバルブと、
    薄板状に形成されたダイアフラムの駆動で流体に流れを付加するポンプ室と、
    弁体またはダイアフラムを駆動対象物として駆動する1以上の駆動体と、
    を備え、各駆動体は、
    強磁性体または永久磁石からなり、駆動対象物に接続された可動部と、
    磁化自在の電磁石であって、マイクロポンプの可動部に対向する位置に着脱自在に取り付けられ、磁化されることにより可動部との間に磁力を生じさせる電磁石と、
    可動部と駆動対象物との間に介在し、可動部から与えられる駆動力を駆動対象物に伝達する弾性体と、
    を有し、電磁石の磁化により生じる磁力で可動部が駆動することにより、駆動対象物を駆動することを特徴とするマイクロポンプ。
  2. 請求項1に記載のマイクロポンプであって、
    可動部の少なくとも一部が、弾性体の内部に埋め込まれている場合、
    可動部は、その側面に、駆動方向に略垂直な方向に延びる突起部が形成されていることを特徴とするマイクロポンプ。
  3. 請求項1または2に記載のマイクロポンプであって、
    弾性体は、可動部の駆動方向に略垂直な方向に延びる突起部が形成された空間内に充填されることを特徴とするマイクロポンプ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のマイクロポンプであって、
    可動体は、その駆動方向に略平行な貫通孔が形成されることを特徴とするマイクロポンプ
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロポンプであって、
    可動部が、永久磁石からなる場合に、
    可動部は、電磁石の磁化により生じる磁力に基づく反発力で駆動対象物を駆動することを特徴とするマイクロポンプ。
  6. マイクロポンプに設けられたバルブの弁体またはポンプ室のダイアフラムを駆動対象物として駆動する駆動体であって、
    強磁性体または永久磁石からなり、駆動対象物に接続された可動部と、
    磁化自在の電磁石であって、マイクロポンプの可動部に対向する位置に着脱自在に取り付けられ、磁化されることにより可動部との間に磁力を生じさせる電磁石と、
    可動部と駆動対象物との間に介在し、可動部から与えられる駆動力を駆動対象物に伝達する弾性体と、
    を有し、電磁石の磁化により生じる磁力で可動部が駆動することにより、駆動対象物を駆動することを特徴とする駆動体。
JP2005345101A 2005-11-30 2005-11-30 マイクロポンプおよび駆動体 Expired - Fee Related JP5006538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005345101A JP5006538B2 (ja) 2005-11-30 2005-11-30 マイクロポンプおよび駆動体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005345101A JP5006538B2 (ja) 2005-11-30 2005-11-30 マイクロポンプおよび駆動体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007146795A JP2007146795A (ja) 2007-06-14
JP5006538B2 true JP5006538B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=38208481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005345101A Expired - Fee Related JP5006538B2 (ja) 2005-11-30 2005-11-30 マイクロポンプおよび駆動体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5006538B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5329183B2 (ja) * 2008-11-10 2013-10-30 シャープ株式会社 マイクロポンプ
JP5935099B2 (ja) * 2011-03-30 2016-06-15 国立大学法人東北大学 マイクロアクチュエータ
KR102445223B1 (ko) * 2020-12-30 2022-09-19 제주대학교 산학협력단 마이크로 펌프

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5647279U (ja) * 1979-09-20 1981-04-27
JPH08135777A (ja) * 1994-11-04 1996-05-31 Hitachi Ltd 自動変速機の変速制御装置
JPH08135577A (ja) * 1994-11-10 1996-05-28 Riken Keiki Co Ltd 電磁駆動式エアポンプ
JP3130483B2 (ja) * 1997-03-31 2001-01-31 セイコーインスツルメンツ株式会社 マイクロポンプ
JP2005226593A (ja) * 2004-02-16 2005-08-25 Kayaba Ind Co Ltd ポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007146795A (ja) 2007-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10781808B2 (en) Valve, fluid control device, and sphygmomanometer
US7104767B2 (en) Diaphragm pump for medical applications
EP3346131B1 (en) Fluid control apparatus and method for adjusting fluid control apparatus
CN102979703B (zh) 流体控制装置
EP2568176B1 (en) Fluid control device
US7198250B2 (en) Piezoelectric actuator and pump using same
JP4957480B2 (ja) 圧電マイクロポンプ
EP2037124A1 (en) Piezoelectric pump
JP2006296127A (ja) 電磁アクチュエータ
US20070251589A1 (en) Valve mechanism and flow channel substrate
JP2019052642A (ja) 気体輸送装置
WO2007111049A1 (ja) マイクロポンプ
JP5006538B2 (ja) マイクロポンプおよび駆動体
JP5429317B2 (ja) 圧電マイクロポンプ
US20140107589A1 (en) Electromagnetically actuated valve and related methods of use
CN111712661B (zh) 电磁阀、血压计以及设备
JP2016200067A (ja) 流体制御装置
EP3456967B1 (en) Gas transportation device
JP4878848B2 (ja) マイクロポンプおよびその製造方法、駆動体
EP3456255A1 (en) Valve, fluid control device, and blood-pressure monitor
JP2006220056A (ja) 流体搬送装置
JP2001317647A (ja) マイクロバルブおよびマイクロポンプ
JP2007138764A (ja) マイクロポンプ
KR102445223B1 (ko) 마이크로 펌프
JP5329183B2 (ja) マイクロポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120522

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120525

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees