JP2006294211A - 光情報記録再生方法、及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光の近接場効果を用いた、高効率かつ隣接ビットへのクロスライトの影響を軽減し、高品質の信号を記録可能な光情報記録再生方法、及びその装置を提供すること。
【解決手段】平板状の基板上に、記録再生光の波長以下のサイズの微細構造を形成した微細構造層を備えた光情報記録媒体の前記微細構造層に、前記記録再生光の波長以下の微小開口を備えたプローブで情報を記録あるいは再生する光情報記録再生方法であって、前記微細構造の大きさを2Rとし、微細構造の中心位置をP、プローブの中心位置をCとし、また、前記CとPの水平方向の間隔をTとするとき、T≦R/2のときにのみ、前記記録再生光を照射することを特徴とする方法、並びにこれを具体化した装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、近接場光学効果を用いた超高密度でデータの記録再生を行う光情報記録再生方法、及びその装置に関するものである。
近年、オーディオ及びビデオ動画像(motion picture )ファイル,テキストファイルなどのような多様なタイプの情報が組み合わされたマルチメディア時代への進展に伴い、大容量の情報を迅速に処理し格納する大容量の情報を記録及び格納する媒体が必要になりつつある。今後、さらに普及すると予想される高鮮明(high-definition )動画像とVOD(Video-On-Demand )のような双方向性画像通信が実現されると、情報記録媒体及び格納媒体の容量は、さらに増大されることになる。
このような要請に従い、現在広く使用される記録媒体に対する多様な記録及び再生方式が提案されているが、このような、データの記録再生方法の一つとして、光を用いて記録媒体(光情報記録媒体)に記録,再生を行う方法がある。光を用いた記録の方法の代表的な例としては、特定の高分子材料に所定の光を照射してその分子構造を変化させることによる局所的な屈折率の変化を用いるものや、一般に希土類金属と遷移金属からなるアモルファス合金薄膜に所定の磁界中で光を照射し、局所的にキュリー点または補償点以上に加熱することにより局所的な磁化方向を変化させるものなどがある。
これらの方法では、レーザ光をレンズ光学系で集光したものを、光情報記録媒体に照射し、このレーザ光のスポット径が記録マークの大きさを決定する重要なパラメータになっている。すなわち、レーザ光のスポットの大きさを小さくすればするほど、光情報記録媒体に多くの情報を記録し、再生することができ、高記録密度を達成することができる。このためには、レーザ光の波長を短くし、光ピックアップの対物レンズの開口数(NA)を増加させれば良い。
しかし、レーザ光の波長を短くし、対物レンズの開口数を増加させた場合に低減可能なレーザ光のスポットの大きさは、該レーザ光の波長程度までである。例えば、レーザ光の波長を短くするため、現在、DVD用の光源として用いられる赤色半導体レーザ(〜660nm )に代わって、青色半導体レーザ(〜400nm )を前記DVDの光源に用いると、前記DVDの単位面積当たりに記録可能な情報量は、赤色半導体レーザを用いた場合の光情報記録媒体の情報量に比べて、約2.5倍ほど向上させることができる。
しかし、このような方法では、光のスポット径は光の回折限界により、光情報記録媒体の情報記録密度を向上させるには限界がある。従って、前記したような問題点に鑑みて、テラバイト(TB terabyte)級の情報量を処理する際の、従来技術とは全く異なる原理に基づく技術として、近接場光学またはボリュームホログラム(Volume Hologram ),光化学ホールバーニング(photo-chemical hole burning),3次元光記録などのような超高密度記録方式が提案されている。しかし、前記ボリュームホログラム及び光化学ホールバーニングにおいては、光情報記録媒体の使用環境に大きな制約があり、実用化し難いという欠点があった。
一般に、光の回折理論に基いて、光集束スポットの大きさ(直径)は、光源波長及び開口数により決定され、前記光集束スポットの大きさの低減程度により、光情報記録媒体の情報記録密度の上限が決定される。かつ、光の回折現象は、レンズを用いて光のビームの大きさを小さくするほど、ビームが広くなる性質を有するので、これを数式に示すと、θ〜λ/dとなる。式中、θは回折角を表わし、dはビームの直径を表わし、λは光の波長を表わす。すなわち、回折理論に基づけば、レンズを利用してビームの大きさを小さくするほど回折角は大きくなり、ビームの大きさを所定値以下に低減することはできない。
従って、光情報記録媒体の記録密度の限界は、d〜1.22λ/NAと近似的に表わされる光の回折理論により決定される。ここで、NAは対物レンズの開口数を表わす。すなわち、レーザ光の波長(λ)が短いほど、かつ、レンズの開口数(NA)が大きくなるほど、集光されるビームの大きさは小さくなり、光情報記録媒体の記録面密度は、スポットの大きさの自乗に反比例して増大し、光の波動性による回折現象により、1ビット当たり記録及び再生可能な情報の最小の大きさはほぼ光の波長程度になる。
従って、このような従来の技術においては、光の波長を短くし、開口数が大きいレンズを用いて集束光のスポットの大きさを小さくし、記録密度を増大させる方法が最善であり、この方法により得られる記録密度は、20〜30Gbit/in が限界になると予想される。すなわち、従来のシステムでは、光を電磁気波として利用するため、記録密度を向上させるとき、回折限界に伴う制約が避けられないという問題点があった。
そこで、このような回折限界を克服するため、近接場領域(物質の表面から光波長以下の距離)の近接場に存在する光を光情報記録媒体への光源として用いる方法が提案されている。すなわち、光の波長よりも小さい開口から発生する近接場光は、原則的に放射されない。この近接場光を開口付近に位置した材料と相互作用させて、光情報記録媒体への情報の記録及び再生を行うことにより、回折限界を克服し、従来の光記録の情報記録密度を飛躍的に向上できる可能性がある。
高速で情報の記録再生を行うために、平面アレイ型プローブが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。ここでは、シリコン基板を異方性エッチングすることにより、同一基板上に微小開口をアレイ状に作製している。従って、1つの素子にプローブが多数個あることになり、素子自体の掃引速度はそれほど高速である必要はない。碁盤目状に並んだプローブに対し光情報記録媒体は回転するように配置され、2次元平面上に配置されたプローブはそれぞれ記録媒体上の異なった点を通過することになる。
また、これらの平面開口プローブは、Si基板を異方性エッチングにより掘り込むことで微小開口を作製していた。この場合、レーザ光がプローブを通過する部分は、空洞でありより高効率な光出力(すなわち、より高速な光書き込み,読み出しを行うため)が必要となったときに、この空洞部分を光の閉じ込め効果の高い屈折率の高い物質で充填する必要があった。
この課題に対して、透明な基板上に高屈折率材料からなる円錐台状の突起が形成されているとともに、近接場光プローブの製造方法において、上記高屈折率材料からなる円錘台状の突起をドライエッチングにより形成した近接場光プローブが提案されている(例えば、特許文献3参照)。この近接場プローブでは、寸法制御性が良く、また屈折率を高くしているため、微小開口から出射される光等の到達性に優れている。
また、複数の微小開口列を有し、当該微小開口の近傍に近接場光を発生させて光記録媒体に記録・再生を行なうための平面開口プローブを形成する方法として、基板上に感光性樹脂膜を形成する工程と、少なくとも、リング形状パターンを有するフォトマスクと、拡散光成分を有する露光手段とを用い、基板上に円錐形感光性樹脂パターンの潜像を形成する工程と、円錐形感光性樹脂パターンの潜像を現像する工程と、円錐形感光性樹脂パターンをドライエッチングにより基板に転写する工程により、透明な基板上に円錐台状の突起が形成されている近接場光プローブが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、近接場記録方法に適した光記録再生媒体及び、その製造方法として、光スポットの案内溝を構成する凹凸において、この凹もしくは凸部の少なくとも一方の、前記案内溝に直交する方向における断面形状を、光スポットの光軸に対して直交する辺を有しないように形成した光情報記録再生媒体、この光記録再生媒体を用いてトラッキング方法を改良した光情報記録再生方法、並びに、矩形状の凹凸を形成し、熱処理により前記矩形状の凹凸を変形するようにした光情報記録再生媒体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
さらに、照射光強度に依存して凹部または凸部を形成する感光材料を用いた被加工品に対し、強度を制御された照射光を用いて、感光材料面に微細な凹凸形状を加工する微細光加工方法により、微細光加工や光情報記録媒体において、単一の感光材料及び光学系によって簡易かつ安価に、微細な凹凸形状の加工、もしくは2値または多値の凹凸形状の情報記録ビットを形成する方法も提案されている。(例えば、特許文献6参照)
また、記録媒体上に光の波長以下のサイズの微細構造と記録層を形成し、光の波長以下の微小開口を備えた平面型プローブの微小開口から放射する近接場光により、記録媒体上の記録層に情報を記録し、プローブから放射する近接場光の記録媒体に記録層に対する結合を高め、高効率でかつ安定に情報を記録し再生する方法が提案されている(例えば、特許文献7参照)。
また、従来のDVDなどの相変化型光記録では、記録マークの両端に信号を乗せるマーク長記録が用いられている。この場合、長いマークと短いマークが混在するため、記録マーク歪の影響を受けやすい。特に長いマークではレーザー光照射時における熱の蓄積により記録マークの形状が涙状にゆがんでしまう。これを避けるために複数の記録パルスで1つのマークを記録するマルチパルス記録法が用いられている。このマルチパルス記録法では、記録時において、まず所定の長さのパルス光を照射した後に、それよりも短いパルス光を複数回照射することにより、熱の蓄積をコントロールし良好な記録マークの形成を行っている。しかしながら、記録媒体上に光の波長以下のサイズの微細構造がある場合には、従来のグレーティング形状の記録媒体に記録するのとは異なるため、従来同様のマルチパルス記録法とは異なる記録方法で記録を行う必要がある。
特許第3023085号公報 特開平11−191238号公報 特開2002−340773号公報 特開2003−317301号公報 特開2000−322772号公報 特開2003−39400号公報 特開2003−308632号公報
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、光の近接場効果を用いた、高効率かつ隣接ビットへのクロスライトの影響を軽減し、高品質の信号を記録可能な光情報記録再生方法、及びその装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る光情報記録再生方法は、平板状の基板上に、記録再生光の波長以下のサイズの微細構造を形成した微細構造層を備えた光情報記録媒体の前記微細構造層に、前記記録再生光の波長以下の微小開口を備えたプローブで情報を記録あるいは再生する光情報記録再生方法であって、前記微細構造の大きさ(直径)を2Rとし、微細構造の中心位置をP、プローブの中心位置をCとし、また、前記CとPの水平方向の間隔をTとするとき、T≦R/2のときにのみ、前記記録再生光を照射することを特徴とする。
請求項1に記載の光情報記録再生方法によれば、微細構造の大きさを2Rとし、微細構造の中心位置をP、プローブの中心位置をCとし、また、前記CとPの水平方向の間隔をTとするとき、T≦R/2のときにのみ、前記記録再生光を照射するように構成したことにより、隣接微細構造間のクロスライトを軽減することができ、高効率かつ安定に高品質の大容量の情報を記録,再生することができる。
本発明は、上記方法を用いる光情報記録再生装置として具体化することができる。
すなわち、本発明に係る光情報記録再生装置は、上記光情報記録再生方法を用いて光情報記録媒体の前記微細構造層に情報を記録あるいは再生する光情報記録再生装置であって、前記光情報記録媒体の保持手段と、前記光情報記録媒体の前記微細構造層に、前記記録光の波長以下の微小開口を備えたプローブと、このプローブに対し前記光情報記録媒体を相対移動させる移動手段と、前記微細構造の大きさを2Rとし、微細構造の中心位置をP、プローブの中心位置をCとし、また、前記CとPの水平方向の間隔をTとするとき、前記Tの値とR/2とを比較し、T≦R/2のときにのみ、前記記録光を照射するよう制御する記録光の制御手段を有することを特徴とする(請求項2)。
請求項2に記載の光情報記録再生装置によれば、光情報記録媒体の保持手段と、前記光情報記録媒体の前記微細構造層に、前記記録再生光の波長以下の微小開口を備えたプローブと、このプローブに対し前記光情報記録媒体を相対移動させる移動手段と、前記微細構造の大きさを2Rとし、微細構造の中心位置をP、プローブの中心位置をCとし、また、前記CとPの水平方向の間隔をTとするとき、前記Tの値とR/2とを比較し、T≦R/2のときにのみ、前記記録再生光を照射するよう制御する記録光の制御手段を有するように構成したことにより、隣接微細構造間のクロスライトを軽減することができ、高効率かつ安定に高品質の大容量の情報を記録(並びに再生)することが可能な光情報記録再生装置を実現することができる。
ここで、前記記録再生光が単一パルスである(請求項3)か、マルチパルスである(請求項4)ことことが好ましい。
請求項3に記載の光情報記録再生装置によれば、照射する光が1パルスであるため、光源装置の駆動回路が単純になり、低コストかつ、従来より高効率かつ安定に高品質の大容量の情報を記録あるいは再生することができる。
また、請求項4に記載の光情報記録再生装置によれば、照射する光がマルチパルスであるため、記録マークを安定に形成することができ、従来より高効率かつ安定に高品質の大容量の情報を記録あるいは再生することができる。
また、請求項5に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜4のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記微細構造層の微細構造の大きさと前記プローブの開口寸法とが等しいことを特徴とする。
請求項5に記載の光情報記録再生装置によれば、基板上に形成された微細構造の大きさと波長以下の微小開口を備えたプローブの開口寸法が等しいため、従来より高効率かつ安定に大容量の情報を記録あるいは再生することができる。
また、請求項6に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜5のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記光情報記録媒体の支持体である前記基板が、ガラス基板の表面全面に高屈折率化できるイオンを注入し、その表面にレジストにより微細な凹凸を形成する工程,前記レジストを後退させながら前記ガラス基板をエッチングしてガラス基板表面に所定の凹凸を形成する工程,前記レジストを除去する工程,さらに表面全体に金属膜を形成する工程,レジスト層を除去するリフトオフの工程により作製された光情報記録媒体から構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の光情報記録再生装置によれば、上述のように構成したため、安定かつ安価に光情報記録媒体を作製することが可能になり、さらに、より高効率にプローブ先端に設けられた微小開口からの光を記録媒体に結合することができ、良好な記録マークの形成,高SN比での信号の再生が可能になる。
また、請求項7に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜6のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記光情報記録媒体が、前記ガラス基板の表面にレジストにより微細な凹凸を形成する工程,前記レジストを後退させながらガラス基板をエッチングしてガラス基板表面に所定の凹凸を形成する工程,レジストを除去する工程,表面全体に金属膜を形成する工程,レジスト層を除去するリフトオフの工程の各工程により作製されたものであることを特徴とする。
請求項7に記載の光情報記録再生装置によれば、上述のように構成したため、より高効率にプローブ先端に設けられた微小開口からの光を記録媒体に結合することができ、安定かつ安価に光記録再生媒体を作製することが可能になり、さらに、良好な記録マークの形成,高SN比での信号の再生が可能になる。
また、請求項8に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜6のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記光情報記録媒体が、前記ガラス基板の表面全面にコバルト酸化物系ナノガラス薄膜をスパッタリング法により形成した後、その表面にレジストにより微細な凹凸を形成する工程,前記レジストを後退させながらガラス基板をエッチングしてガラス基板表面に所定の凹凸を形成する工程,レジストを除去する工程,表面全体に金属膜を形成する工程,レジスト層を除去するリフトオフの工程の各工程により作製されたものであることを特徴とする。
請求項8に記載の光情報記録再生装置によれば、上述のように構成したため、安定かつ安価に光記録再生媒体を作製することが可能になり、さらに、より高効率にプローブ先端に設けられた微小開口からの光を記録媒体に結合することができ、良好な記録マークの形成,高SN比での信号の再生が可能になる。
また、請求項9に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜8のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記光情報記録媒体として、その基板表面が、光の波長よりも小さい凹凸を有しているものを使用することを特徴とする。
請求項9に記載の光情報記録再生装置によれば、光情報記録媒体の基板表面が、光の波長よりも小さい凹凸を有しているため、より高効率にプローブ先端に設けられた微小開口からの光を記録媒体に結合することができ、良好な記録マークの形成,高SN比での信号の再生が可能になる。
また、請求項10に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜9のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記光情報記録媒体として、その微細構造層の微細構造部分が誘電体であり、それ以外の領域がより高い屈折率を有するものを使用することを特徴とする。
請求項10に記載の光情報記録再生装置によれば、前記微細構造層を、微細構造部分が誘電体、それ以外の領域がより高い屈折率を有するため、より高効率にプローブ先端に設けられた微小開口からの光を記録媒体に結合することができ、良好な記録マークの形成,高SN比での信号の再生が可能になる。
また、請求項11に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜10のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記光情報記録媒体として、その微細構造層の微細構造部分が誘電体で、それ以外の領域が金属によって形成されているものを使用することを特徴とする。
請求項11に記載の光情報記録再生装置によれば、前記微細構造層を、微細構造部分が誘電体、それ以外の領域が金属によって形成されているため、より高効率にプローブ先端に設けられた微小開口からの光を記録媒体に結合することができ、良好な記録マークの形成,高SN比での信号の再生が可能になる。
また、請求項12に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜11のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記光情報記録媒体の最表面にダイヤモンドライクカーボン層が形成されていることを特徴とする。また、請求項13に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜11のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記光情報記録媒体の最表面にSiN層が形成されていることを特徴とする。
請求項12に記載の光情報記録再生装置によれば、光情報記録媒体の最表面がダイヤモンドライクカーボンで形成されているため、表面の磨耗に強く高信頼性で情報の記録再生を行うことが可能になる。また、請求項13に記載の光情報記録再生装置によれば、光情報記録媒体の最表面がSiNで形成されているため、表面の磨耗に強く高信頼性で情報の記録(並びに再生)を行うことが可能になる。
また、請求項14に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜13のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記プローブが、窒化シリコン膜を形成した石英基板上に円柱状のレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとして前記窒化シリコン膜をドライエッチングにより除去し、前記石英基板をストッパー層として、光学的に透明な石英基板上に高屈折率材料からなる突起を設けた平面プローブであることを特徴とする。
請求項14に記載の光情報記録再生装置によれば、上述のように構成したことにより、微細な記録マークを高密度、高効率かつ安定に記録(並びに再生)することができる。
また、請求項15に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜14のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記平面プローブと前記光情報記録媒体とが非接触状態であって、前記平面プローブと前記光情報記録媒体との距離が使用光源波長以下に保持されていることを特徴とする。
請求項15に記載の光情報記録再生装置によれば、平面プローブと光学記録媒体とが非接触状態であって、平面プローブと光学記録媒体との距離が使用光源波長以下の領域に保持されているため、微細な記録マークを高密度、高効率かつ安定に記録あるいは再生することができる。
また、請求項16に記載の光情報記録再生装置は、請求項2〜15のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、前記光情報記録媒体に近接して保持された平面プローブから発生する近接場光により所望の情報を前記光情報記録媒体に記録する光情報記録再生装置であって、所定波長のレーザビームを出射する光源と、前記レーザビームを対物レンズに導き、この対物レンズを介して前記レーザビームを前記平面プローブに照射する照明光学系と、前記平面プローブで反射した反射光を受光する検出光学系とを有し、前記平面プローブに光を集光するための前記対物レンズの出射面に相対した、前記平面プローブのレーザ光入射面の表面部上に、無反射コーティング膜が形成されることを特徴とする。
請求項16に記載の光情報記録再生装置によれば、上述のように構成したことにより、高効率かつ安定に平面プローブにレーザビームを結合することができ、光情報記録媒体に情報を高効率かつ安定に記録(並びに再生)することができる。
また、請求項17に記載の光情報記録再生装置は、請求項16に記載の光情報記録再生装置において、前記無反射コーティング膜が、3層以上の誘電体膜により構成されていることを特徴とする。
また、請求項18に記載の光情報記録再生装置は、請求項16または17に記載の光情報記録再生装置において、前記無反射コーティング層の厚さが、100nm以上であることを特徴とする。
請求項17に記載の光情報記録再生装置によれば、無反射コーティング膜は、3層以上の誘電体膜により構成されているため、より高効率かつ安定に平面プローブにレーザビームを結合することができ、光情報記録媒体に情報を高効率かつ安定に記録あるいは再生することができる。
また、請求項18に記載の光情報記録再生装置によれば、無反射コーティング層の厚さは、100nm以上であるため、十分な機械的強度を持ち安定であり、高効率かつ安定に平面プローブにレーザビームを結合することができ、微小な案内溝に正確にトラッキング可能であり、記録媒体に情報を高効率かつ安定に記録あるいは再生することができる。
本発明によれば、光の近接場効果を用いた、高効率かつ隣接ビットへのクロスライトの影響を軽減し、高品質の信号を記録可能な光情報記録再生方法、及びその装置を提供することが可能になるという顕著な効果を奏する。
以下、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の光情報記録再生方法並びにその装置について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学情報記録再生方法の要点を説明する図である。図1に示すように、入射波長よりも十分小さい大きさを持った微小開口を備えたプローブ13から近接場光を情報記録媒体11に照射する。光情報記録媒体(以下、単に記録媒体ともいう)11上には、プローブの微小開口とほぼ同じ大きさを持った微細構造12が形成されている。この微細構造12に、プローブ13から近接場光を照射することにより、予め記録媒体11上に形成された微細構造12に記録されている情報を再生することが可能である。また、記録媒体11に記録可能な材料を形成することにより、追記型あるいは書き換え型の情報記録が可能である。
〔第一の実施形態〕
図2に、本発明の一実施形態に係る光情報記録再生方法を用いる光情報記録再生装置の要部構成を示す。図1に示したプローブ13は、平面型基板27の底面に突起形状で形成されている。このプローブは、アレイ状に形成することが可能であり、アレイ化されたプローブからは、逐次的あるいは並列的に記録媒体30からの情報再生が可能である。この平面プローブ部は、スライダ状に基板27の底面に形成されており、ホルダ28に支持され、回転する記録媒体30上を掃引される。
記録媒体30は、波長以下の微細構造29を持ち、また、表面は保護層を備え、スライダ部との摩擦による磨耗に耐えるように構成されている。半導体レーザ21から照射された光は、コリメータレンズ22により平行光束に変換され、ビームスプリッタ23に入射する。ビームスプリッタを通過した光束は、対物レンズ26によってスライダ27の底面に形成された平面プローブ部にスポットを結像し、平面プローブ先端部より近接場光を発生させる。
発生した近接場光は、記録媒体30に形成された微細構造29に結合する。再生の場合、記録媒体30から反射する近接場光成分をスライダ27の底面に形成された平面プローブ部で検出する。検出した近接場光は、プローブ部分を通して対物レンズ26により平行光束に変換され、ビームスプリッタ23で偏向されて、結像レンズ24で光検出器25上にスポットを結ぶ。この検出器25上の光強度の明暗により、記録媒体30上に記録された情報を再生することができる。
〔第二の実施形態〕
また、図3に示すように、基板を透過した光を検出することによっても、情報の記録,再生を行うことができる。この場合には、図2に示した実施例1の場合と異なり、ビームスプリッタ23が不要であり、結像レンズ34で光検出器35上にディスク表面の近接場光を照射した部分の光を結像し検出する。この検出器35上の光強度の明暗により、記録媒体30上に記録された情報を再生することができる。
本発明においては、記録媒体の基板表面に、例えば円柱形状の微細構造を形成することにより、微小開口を有するプローブからの近接場光を、高効率に利用することが可能である。図2に示した微細構造29の平面図の一例を、図4に示す。ここでは、微細構造41がx軸上に配置され、近接場プローブの開口42がx軸正方向に掃引されて、微細構造41上を通過していく。
ある微細構造の中心位置Pを原点に取り、その微細構造の半径をRとし、近接場光を照射するプローブの中心位置をCとしたとき、プローブ中心位置Cと微細構造の中心Pの水平方向の間隔をTとする。このとき、プローブの位置と、照射された近接場光の微細構造中の光強度との関係を、図5に示す。プローブ中心位置Cが微細構造中心Pの直上に位置したとき、照射した近接場光がもっとも効率よく微細構造に結合し、プローブ中心位置Cと微細構造中心Pとの距離が離れるに従って、結合する光強度が下がっていく関係があることがわかる。
隣接した微細構造の中間に、プローブ中心が位置した場合、各々の微細構造に結合する近接場光の強度が一番低くなる。従って、ある微細構造に近接場光を照射して記録を行う場合、プローブ中心位置Cと微細構造の中心Pの水平方向の間隔Tが0になる場合、一番効率良く記録することができる。実際に所望の微細構造に記録する場合には、図5から、プローブ中心が微細構造上を通過しているときのみ、光を照射すると、隣接微細構造にクロスライトする影響を一番少なくすることができる。
本発明においては、微細構造に近接場光を照射して記録を行う場合に、上述のように、プローブ中心が微細構造上を通過しているときのみ記録光を照射することを特徴とするものである。このプローブ中心が微細構造上を通過しているときのみ記録光を照射するようにする制御は、図2,図3中に符号20で示されている制御部において行われる。
一例としては、制御部20は、予め決められている装置の基準動作クロックに基づいて、プローブ中心が微細構造上を通過するタイミングを求め、このタイミングで記録光を照射するように制御する。
ここでは、前記微細構造の大きさ(直径)を2Rとし、微細構造の中心位置をP、プローブの中心位置をCとしたとき、CとPの水平方向の間隔をTとするとTがR/2と等しいか、あるいは小さいとき(すなわち、T≦がR/2)にのみ、記録用の光を照射すればよいことがわかる(請求項1,2)。
この条件にすることで、記録媒体上を通過するプローブから、光記録媒体に結合する近接場光のパワーが最大値になる場合(すなわちプローブ中心とドット中心が一致したとき)の8割程度になる位置においてのみ光を照射することになり、良好な記録マークを形成することができる。また、記録パワーの8割程度に記録閾値を設けることで、再生時に光を照射することによって生じる再生光劣化の問題を回避することができる。
ここで、照射する光は、単一のパルス光でもよく、複数のパルスによって構成されるパルス列でもよい(請求項3,4)。
このような記録法は、従来のDVDなどの相変化型光記録で用いられている、記録時において、まず所定の長さのパルス光を照射した後に、それよりも短いパルス光を複数回照射するマルチパルス記録法とは異なり、単一のパルス光、もしくは同じ周期の短いパルス光を複数回照射するパルス列で微細構造を有する記録媒体に、より良好な記録マークを形成することができる。
また、光近接場においては、微小開口を有するプローブの先鋭部に設けられた開口半径の大きさと、照射される媒体の構造の大きさがほぼ同じときに、開口先端から媒体に結合する光強度は最大になる(請求項5,9)。従って、記録再生媒体にプローブ開口半径と同程度の微細構造が形成されているとき、微細構造がない平面形状のときに比べて高効率で光を利用することができるので、微細構造の大きさRはプローブ開口半径と同程度であることが望ましく、微細構造間の間隔は微細構造の大きさ以上であることが望ましい。
また、この場合、図1に示すプローブ13と記録媒体11の間隔は、入射光の波長より十分接近していることが必要である(請求項15)。
また、この場合には、図2に示すように作製した平面型近接場光ピックアップを、浮上型ヘッド27に形成することにより、記録媒体と上記光ピックアップの微小開口部の間隔を一定かつ微小に保つことが可能になり、より微少な記録マークが形成できるようになって、超高密度記録が可能である。
記録媒体側の微細構造は、屈折率の実部がある間隔で変化しているもの、あるいは虚部すなわち、吸収率がある間隔で変化している構造などでもよい。図2,図3に示す基板30としては、例えば化学強化ガラス(アルミノシリケート系ガラスなど),石英ガラスなどが使用可能であり、その厚みは通常0.5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1.2mmである(請求項6〜8)。
記録媒体側の微細構造は、例えば、図6(a)〜(e)に示すような方法で作製可能である。ここに示す例では、ガラス基板62の表面全面にイオンを注入し、高屈折率層66を形成する(図6(a))。次に、その表面にレジスト63により円柱形状の凹凸を形成した後(図6(b))、このレジスト63を後退させながらガラス基板をエッチングして、ガラス基板表面に所定の微細構造の凹凸64を形成する(図6(c))。
さらに、レジスト63を残した状態で、表面全体に金属膜65を形成した後(図6(d))、リフトオフ法により、レジスト63上の金属膜65を除去する(図6(e))ことにより、微細構造を有した情報記録媒体を構成することができる。なお、図6(c)においてレジスト63を除去した後、金属膜65を形成し、表面を研磨することにより、図6(e)に示したものと同じ構造を作製することも可能である(請求項11)。
ガラス基板としては、例えば化学強化ガラス(アルミノシリケート系ガラスなど),石英ガラスなどが使用可能であり、その厚みは通常0.5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1.2mmである。不純物としては、ナトリウム,カリウム,リチウム,マグネシウム,タリウムなどが挙げられるが、特に分極率の大きいイオンもしくは分極能力の大きいイオンが良い。前者としては、Tl(タリウム)がよい。また、後者としては、Li(リチウム)がよい。
さらに、基板表面に、選択的にイオン注入するには、イオン半径が大きい前者のTlが良い。イオンの注入は例えばイオン注入法,イオン交換法,エレクトロフロート法などがあるが、特にイオン注入法が好ましい。この場合、注入するイオン濃度を大きくすることにより、屈折率も大きくなる。従って、凸部の屈折率は、注入するイオンの種類やその注入ドープ量を変えることで、簡単に変えることができる。
また、上記した屈折率を高めるために導入する物質としては種々のものがあるが、例えばイオン交換法の場合では、イオン交換を効率よく行うために高温ガラス中での移動度が十分大きくなければならないこと及びガラス中に多量にドープしてもその性質を損なわないことなどの条件から、1価イオンが選択される。さらに、光プローブ(例えば、光ファイバープローブや平面プローブ)の性能を高めるためには、なるべく屈折率を高める効果を持ったイオンが望まれる。
このことを考慮するとタリウムイオン(Tl+)やセシウムイオン(Cs+)が適当である。タリウムイオン(Tl+)は、外殻電子配列が非希ガラス型(18+2)構造であり、高温ガラス中で拡散し易くしかもガラス編目修飾イオンとして多量にガラスに添加することができ、かつ大きな屈折率変化を得ることができる(請求項6)。
金属膜65の形成は、金属蒸着,メッキ,電着など任意の方法を採用することができる。金属としては、アルミニウム,金,銀などがあるが、特に酸化性の低いものが好ましい(請求項11)。
上記以外にも、コバルト酸化物系ナノガラス薄膜を形成しても良い。Co薄膜を通常良く用いられる高周波スパッタリング法により室温で形成することにより、基板62上に、Co薄膜66を形成することが可能である(請求項8)。
また、図6に示した高屈折率層66を形成することなく、基板62に直接フォトリソグラフィーの処理を行い、ガラス基板そのものをエッチングした後、図7(b)〜(d)の工程を行うことにより、同様の微細構造を有する情報記録媒体を作製することが可能である(請求項7)。
また、金属膜65の代わりに、高屈折率層66よりも低い屈折率を持つ誘電体を蒸着などにより形成しても良い。この場合には、低屈折率層が図2中の微細構造12形状になるように、レジストパターン63を作製する必要がある(請求項10)。
図2,図3中に示した半導体レーザ光源は、直線偏光であることが好ましく、直線偏光は偏光板を挿入してもよいが、レーザダイオード(LD:半導体レーザ)などはそれ自体が直線偏光をもっているので、そのまま、または偏光板と組合せて発生させることができる。平面微小開口上部に1/4波長板と偏光ビームスプリッタを配置して、入射光と信号光の偏波面を90度回転させることにより、信号光をより高いSN比で検出することが可能である。また、この場合、半導体レーザへの戻り光を抑制することが可能であり、レーザの発振状態を良好に保つことが可能であるため、良好な記録マークの形成,再生信号を安定に検出することができる。
また、光情報記録媒体の最表面は、近接場平面プローブと波長以下の距離に近づいて高速に走引するため、記録層の磨耗を防ぐための保護層が必要である。保護層としては、近接場光はプローブからの染み出しが波長以下であるため、記録層までの距離をできるだけ近づけるために、厚みが薄く、光の吸収がほとんどない材料が望ましい。本発明では、上記条件を満足する材料として、ダイヤモンドライクカーボンを用いた。
この保護膜の形成は、スパッタリング,イオンビームスパッタリングやCVD法などの成膜装置で可能である。本実施例では、最表面保護膜としてダイヤモンドライクカーボンをCVD法により作製した。また、保護層としてはSINを使用することも可能である。このSiN保護層も、スパッタリング,イオンビームスパッタリングやCVD法などの成膜装置で形成することが可能である(請求項12,13)。
また、近接場光を発生させるプローブとしては、平面型プローブアレイを利用することもできる。この平面型プローブの作製方法の1例を、図8に示す。透明な基板(石英基板)82に、高屈折率材料として窒化シリコン膜86を形成する。この窒化シリコン膜はSiHとNHを700〜1100度の高温下で熱反応させる高温熱CVD法で成膜することができる。この窒化シリコン膜の膜厚は、2μm以上であることが望ましい。
ここでは、高屈折率材料として窒化シリコン膜を挙げたが、他の高屈折率材料でもなんら問題無い。例えば、石英ガラス上にSiOをスパッタ(基板表面から1μm程度)したのち、N原子あるいはC原子の侵入層を作製する。C原子の場合、CH4をソースガスとするイオン注入法により石英ガラスへイオン注入、またN原子の場合、SiHとNOを原料とする熱分解CVD法によってSiOを成膜することにより高屈折率層を形成することができる。
この高屈折率層は、上記方法以外にも他のCVD,真空蒸着,スパッタリング等や熱拡散法によっても形成できる。また、SOI基板と呼ばれる、シリコン単結晶基板に酸化シリコンのバッファー層が形成されている基板を使用し、上記SOI基板とガラス基板に電極を設け約300度程度の温度雰囲気中で適当な電圧を印可することによりSOI基板とガラス基板を接合することにより、石製基板上に高屈折率材料を形成することができる。
別の方法としては、接合する石英基板表面を十分に洗浄し、SOI基板の活性シリコン層を張り合わせ、窒素雰囲気中900℃以上で熱処理することにより接合することが可能である。また接合する石英基板とSOIの接合面を鏡面研磨しRCA洗浄し、1×10−9Torr以下の真空度のチャンバー内でArのFAB(Fast Atom Beam )を300sec程度同時に照射し、10MPaの圧力で圧着することにより接合することができる。
この石英基板82上に窒化シリコン膜86を成膜した基板に、半導体プロセスのフォトリソグラフ技術を用いて円柱状のレジストパターン83を形成する。この円柱状のレジストパターン83は、シリコンの突起を形成する領域に作製される。このレジストパターン83をマスクとして窒化シリコン膜86をドライエッチングにより除去する。このエッチング時に、石英基板82をストッパー層とすることで、光学的に透明な石英基板上に高屈折率材料からなる突起からなる近接場光学プローブ85を形成することができる。
また、エッチング時間を調節することにより、石英基板82上にレジストパターン83が無い領域の窒化シリコン膜86を基板上に残して、石英基板82上に高屈折率材料からなる突起からなる近接場光学プローブ85を形成することができる(請求項13)。この後、基板82の裏面にスパッタ等で反射防止膜87をコーティングすることで、平面型プローブを形成することができる(請求項16)。
ここで、ドライエッチングの条件を変化させることにより、形成された窒化シリコン突起の形状を変化させることができる。ドライエッチングは、平行平板型のRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いた。ここでガス種、処理圧力、RFパワーを最適条件に変化させることで各種形状の窒化シリコン突起が形成できる。このエッチング時に透明基板32をストッピングレイヤーとすることで、透明基板上に円柱もしくは円錐形のシリコン突起から成る近接場光プローブを形成することができる。
平面プローブのレーザ光が入射する上面には、反射防止膜が形成されている。反射防止膜がない場合に比べ、例えば、MgFの反射防止膜を140nm形成した場合、反射率は4%から1.4%に軽減することができる。単層の薄膜としてはMgF以外にも、SiO,CeFなども使用可能である。従って、反射率が低下した分、近接場光を効率良く発生させることができるため、高効率かつ高速に信号を検出することが可能になる(請求項17)。
また、反射防止膜を単層膜から多層膜に変更することで、単層膜の場合より、広い波長域で低い反射率を得ることが可能になる。例えば、入射波長より十分小さい開口を備えた平面型プローブに、MgFからなる膜厚140nmの第1の誘電体膜を形成し、第2の誘電体膜は、CeOからなる厚さが96nmの薄膜、第3の誘電体膜として、厚さが108nmのSiOからなる薄膜から構成した場合、反射率をほぼ0にすることが可能である(請求項18)。
なお、上記実施形態は、いずれも本発明の一例を示したものであり、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を変更しない範囲内で適宜の変更・改良を行ってもよいことはいうまでもない。
例えば、前述の制御部による記録光の照射タイミングの制御方法としては、光検出器から得られる近接場光の強度変化信号に基づいて制御することも考えられる。
本発明の一実施形態に係る光学情報記録再生方法の要点を説明する図である。 一実施例に係る光情報記録再生装置の要部構成を示す図である。 他の実施例に係る光情報記録再生装置の要部構成を示す図である。 微細構造の一例を示す平面図である。 プローブの位置と照射された近接場光の微細構造中の光強度との関係を示す図である。 記録媒体上の微細構造の作製方法の一例を説明する図である。 記録媒体上の微細構造の作製方法の他の例を説明する図である。 平面型プローブアレイの作製方法の一例を説明する図である。
符号の説明
11 光情報記録媒体
12 微細構造
13 プローブ
20 制御部
21 半導体レーザ
22 コリメータレンズ
23 ビームスプリッタ
24,34 結像レンズ
25,35 光検出器
26 対物レンズ
27 平面型基板
28 ホルダ
29 微細構造
30 光情報記録媒体
62 ガラス基板
63 レジスト
64 微細構造の凹凸
65 金属膜
66 高屈折率層
82 透明な基板(石英基板)
83 レジストパターン
85 近接場光学プローブ
86 窒化シリコン膜
87 反射防止膜

Claims (18)

  1. 平板状の基板上に、記録光の波長以下のサイズの微細構造を形成した微細構造層を備えた光情報記録媒体の前記微細構造層に、前記記録光の波長以下の微小開口を備えたプローブで情報を記録あるいは再生する光情報記録再生方法であって、前記微細構造の大きさを2Rとし、微細構造の中心位置をP、プローブの中心位置をCとし、また、前記CとPの水平方向の間隔をTとするとき、T≦R/2のときにのみ、前記記録光を照射することを特徴とする光情報記録再生方法。
  2. 請求項1に記載の光情報記録再生方法を用いて光情報記録媒体の前記微細構造層に情報を記録あるいは再生する光情報記録再生装置であって、前記光情報記録媒体の保持手段と、前記光情報記録媒体の前記微細構造層に、前記記録光の波長以下の微小開口を備えたプローブと、このプローブに対し前記光情報記録媒体を相対移動させる移動手段と、前記微細構造の大きさを2Rとし、微細構造の中心位置をP、プローブの中心位置をCとし、また、前記CとPの水平方向の間隔をTとするとき、前記Tの値とR/2とを比較し、T≦R/2のときにのみ、前記記録光を照射するよう制御する記録光の制御手段を有することを特徴とする光情報記録再生装置。
  3. 前記記録光が単一パルスであることを特徴とする請求項2に記載の光情報記録再生装置。
  4. 前記記録光がマルチパルスであることを特徴とする請求項2に記載の光情報記録再生装置。
  5. 前記微細構造層の微細構造の大きさと前記プローブの開口寸法とが等しいことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  6. 前記光情報記録媒体として、ガラス基板の表面全面に高屈折率化できるイオンを注入し、その表面にレジストにより微細な凹凸を形成する工程、前記レジストを後退させながら前記ガラス基板をエッチングしてガラス基板表面に所定の凹凸を形成する工程、前記レジストを除去する工程、さらに表面全体に金属膜を形成する工程、レジスト層を除去するリフトオフの工程、より作製されたものを用いることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  7. 前記光情報記録媒体が、前記ガラス基板の表面にレジストにより微細な凹凸を形成する工程,前記レジストを後退させながらガラス基板をエッチングしてガラス基板表面に所定の凹凸を形成する工程,レジストを除去する工程,表面全体に金属膜を形成する工程,レジスト層を除去するリフトオフの工程の各工程により作製されたものであることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  8. 前記光情報記録媒体が、前記ガラス基板の表面全面にコバルト酸化物系ナノガラス薄膜をスパッタリング法により形成した後、その表面にレジストにより微細な凹凸を形成する工程,前記レジストを後退させながらガラス基板をエッチングしてガラス基板表面に所定の凹凸を形成する工程,レジストを除去する工程,表面全体に金属膜を形成する工程,レジスト層を除去するリフトオフの工程の各工程により作製されたものであることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  9. 前記光情報記録媒体として、その基板表面が、前記記録再生光の波長よりも小さい凹凸を有しているものを使用することを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  10. 前記光情報記録媒体として、その微細構造層の微細構造部分が誘電体であり、それ以外の領域がより高い屈折率を有するものを使用することを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  11. 前記光情報記録媒体として、その微細構造層の微細構造部分が誘電体で、それ以外の領域が金属によって形成されているものを使用することを特徴とする請求項2〜10のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  12. 前記光情報記録媒体の最表面にダイヤモンドライクカーボン層が形成されていることを特徴とする請求項2〜11のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  13. 前記光情報記録媒体の最表面にSiN層が形成されていることを特徴とする請求項2〜11のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  14. 前記プローブが、窒化シリコン膜を形成した石英基板上に円柱状のレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとして前記窒化シリコン膜をドライエッチングにより除去し、前記石英基板をストッパー層として、光学的に透明な石英基板上に高屈折率材料からなる突起を設けた平面プローブであることを特徴とする請求項2〜13のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  15. 前記平面プローブと前記光情報記録媒体とが非接触状態であって、前記平面プローブと前記光情報記録媒体との距離が使用光源波長以下に保持されていることを特徴とする請求項2〜14のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  16. 前記光情報記録媒体に近接して保持された平面プローブから発生する近接場光により所望の情報を前記光情報記録媒体に記録する光情報記録再生装置であって、所定波長のレーザビームを出射する光源と、前記レーザビームを対物レンズに導き、この対物レンズを介して前記レーザビームを前記平面プローブに照射する照明光学系と、前記平面プローブで反射した反射光を受光する検出光学系とを有し、前記平面プローブに光を集光するための前記対物レンズの出射面に相対した、前記平面プローブのレーザ光入射面の表面部上に、無反射コーティング膜が形成されることを特徴とする請求項2〜15のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  17. 前記無反射コーティング膜は、3層以上の誘電体膜により構成されていることを特徴とする請求項16に記載の光情報記録再生装置。
  18. 前記無反射コーティング層の厚さは、100nm以上であることを特徴とする請求項16または17に記載の光情報記録再生装置。
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