JP4133841B2 - 光情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4133841B2
JP4133841B2 JP2004004906A JP2004004906A JP4133841B2 JP 4133841 B2 JP4133841 B2 JP 4133841B2 JP 2004004906 A JP2004004906 A JP 2004004906A JP 2004004906 A JP2004004906 A JP 2004004906A JP 4133841 B2 JP4133841 B2 JP 4133841B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
optical information
light
information recording
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004004906A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005202987A (ja
Inventor
浩章 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2004004906A priority Critical patent/JP4133841B2/ja
Publication of JP2005202987A publication Critical patent/JP2005202987A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4133841B2 publication Critical patent/JP4133841B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Optical Head (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

本発明は、光情報記録媒体の製造方法に関し、詳細には近接場光学効果を用いた超高密度で情報を記録し再生できる光情報記録媒体の製造方法に関する。
近年、オーディオ、ビデオ動画像(motion picture)ファイルやテキストファイルなどのような多様なタイプの情報が組み合わされたマルチメディア時代への進展に伴い、大容量の情報を迅速に処理し格納する大容量の情報を記録する記録媒体が必要になっている。また、今後、更に普及されると予想される高鮮明(high-definition)動画像とVOD(Video-On-Demand)のような双方向性画像通信が実現されると、情報記録媒体の容量は更に増大されることになる。
このような要請に従い、現在広く使用される記録媒体に対する多様な記録及び再生方式が提案されているが、このような情報の記録再生方法の一つとして、光を用いて記録媒体に記録し再生する方法がある。光を用いた記録の方法の代表的な例としては、特定の高分子材料に所定の光を照射してその分子構造を変化させることによる局所的な屈折率の変化を用いる方法、一般に希土類金属と遷移金属からなるアモルファス合金薄膜を所定の磁界中で光を照射し、局所的にキュリー点又は補償点以上に加熱することにより局所的な磁化方向を変化させる方法などがある。
ところで、これらの方法ではレーザ光をレンズ光学系で集光して記録媒体に照射し、このレーザのスポット径が記録マークの大きさを決定する重要なパラメータになっている。即ち、レーザ光のスポットの大きさを小さくすればするほど、光記録媒体に多くの情報を記録し、再生することができ、高記録密度を達成することができる。このためにはレーザ光の波長を短くし、光ピックアップの対物レンズの開口数(NA)を増加させれば良い。しかし、レーザ光の波長を短くし、対物レンズの開口数を増加させて低減可能なレーザ光のスポットの大きさは、当該レーザ光の波長程度まである。そこで、レーザ光の波長を短くするため、現在、DVDの光源として用いられる赤色半導体レーザ(〜660nm)に代わって、青色半導体レーザ(〜400nm)をDVDの光源に用いると、DVDの単位面積当たり記録可能な情報量は、赤色半導体レーザを用いた場合の記録媒体の情報量に比べて、約2.5倍ほど向上させることができる。
しかし、このような方法によれば、光のスポット径は光の回折限界により、記録媒体の情報記録密度を向上するには限界がある。従って、前記したような問題点に鑑みて、テラバイト(TB;terabyte)級の情報量を処理する際の、従来技術とは全く異なる原理に基づく技術として、近接場光学又はボリュームホログラム(Volume Hologram)、光化学ホールバーニング(photo-chemical hole burning)、3次元光記録などのような超高密度記録方式が提案されている。しかし、ボリュームホログラム及び光化学ホールバーニングにおいては、記録媒体の使用環境に大きな制約があり、実用化し難いという欠点があった。
一般に、光の回折理論に基づいて、光集束スポットの大きさ(長径)は、光源波長及び開口数により決定され、光集束スポットの大きさの低減程度により、記録媒体の情報記録密度の上限が決定される。また、光の回折現象は、レンズを用いて光のビームの大きさを小さくするほど、ビームが広くなる性質を有するもので、これを数式に示すと、
θ≒λ/d (1)
となる。ただし、θは回折角を表し、dはビームの直径(waist)を表し、λは光の波長を表す。即ち、回折理論に基づき、レンズを利用してビームの大きさを小さくするほど、回折角は大きくなり、ビームの大きさを所定値以下に低減することはできない。従って、光記録媒体の記録密度の限界は、
d≒1.22λ/NA (2)
と近似的に表される光の回折理論により決定される。ここでNAは対物レンズの開口数を表す。即ち、レーザ光の波長(λ)が短いほど、かつレンズの開口数(NA)が大きくなるほど、集光されるビームの大きさは小さくなり、記録媒体の記録面密度は、スポットの大きさの自乗に反比例して増大し、光の波動性による回折現象により、1ビット当たり記録及び再生可能な情報の最小の大きさはほぼ光の波長程度になる。
従って、このような従来の技術においては、光の波長を短くし、開口数が大きいレンズを用いて集束光のスポットの大きさを小さくし、記録密度を増大させる方法が最善であり、この方法により得られる記録密度は、20〜30Gbit/in2が限界になると予想される。すなわち、従来の技術では、光を電磁気波として利用するため、記録密度を向上させるとき、回折限界に伴う制約が避けられないという問題点があった。
そこで、このような回折限界を克服するため、近接場領域(物質の表面から光波長以下の距離)の近接場に存在する光を記録媒体への光源として用いた方法が提案されている。すなわち、光の波長よりも小さい開口から発生する近接場光は原則的に放射されない。この近接場光を開口付近に位置した材料と相互作用させることを用いて、記録媒体への情報の記録及び再生を行うことにより、回折限界を克服し、従来の光記録の情報記録密度を飛躍的に向上できる可能性がある。
また、高速で情報の記録再生を行うために、平面アレイ型プローブが、例えば特許文献1又は特許文献2に提案されている。この平面アレイ型プローブはシリコン基板を異方性エッチングすることにより同一基板上に微小開口をアレイ状に作製している。よって、1つの素子にプローブが多数個あることになり、素子自体の掃引速度はそれほど高速である必要はない。マトリクス状に並んだプローブに対し記録媒体は回転するように配置され、2次元平面上に配置されたプローブはそれぞれ記録媒体上の異なった点を通過することになる。また、これらの平面開口プローブは、Si基板を異方性エッチングにより掘り込むことで微小開口を作製している。この場合、レーザ光がプローブを通過する部分は空洞であり、より高効率な光出力、すなわちより高速な光書き込み、読み出しをすることが必要となったときに、この空洞部分を光の閉込め効果の高い屈折率の高い物質で充填する必要があった。
更に、上述した従来の方式において、得られる信号強度は従来の伝播光を用いた方式に比べ小さく、実用に供するためには更になる信号強度向上を図る必要がある。
ここで、近接場光の伝播は、物質表面との相互作用によって影響されるため、その強度分布も物質表面の形状に、そして微小開口と照射される媒体の間隔によって左右される。すなわち、先鋭部の微小開口から記録媒体の表面に照射される近接場光は、微小開口から離れるに従って拡散し、この拡散によって微小開口の先端の大きさに比較して大きな領域の記録層の状態が変化する。これに対して高密度記録を行うために記録層の状態が変化する領域を小さくしようとすると、偽証開口と記録媒体とを更に接近させることが必要になる。このような条件を満足し、近接場光を用い、より高効率で信号光を検出することができる光情報記録媒体と光情報記録再生装置が特許文献3に提案されている。この特許文献3に開示されている光情報記録媒体は、図7に示すように、平板状の基板71と、この基板71上に光の波長以下のサイズの微細構造を形成した微細構造層72と、この微細構造層72の上部に形成された記録層73を備えている。また、特許文献3に開示されている光情報記録再生装置は、上記の光情報記録媒体の記録層73に、光の波長以下の微小開口を備えたプローブで情報を記録し再生する装置である。よって、特許文献3によれば、高効率かつ安定に情報を記録し再生することができる。
特許第3,023,085号明細書 特開平11−191238号公報 特開2003−308632号公報
しかしながら、上記特許文献3では、微細構造層の上部に、高い屈折率を有する記録層が形成されているため、微小構造層内部の光電界強度分布の特性図である図8からわかるように、高屈折率を有する記録層がある場合は、無い場合に比べて信号強度のピーク値で約3倍程度、信号強度が下がってしまい、実用化に適さないという問題点があった。
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、光の近接場効果を用い、高効率で、かつ高い信号強度を得ることでき、高い実用性を得られる光情報記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本発明の光情報記録媒体の製造方法によれば、ガラス基板の表面全面に高屈折率化できるイオンを注入し、その表面にレジストにより微細な凹凸を形成し、このレジストを後退させながらガラス基板をエッチングしてガラス基板表面に所定の回折格子状の凹凸を形成し、レジストを除去した後、回折格子状の凹凸の表面全体に金属膜を形成し、レジスト層を除去するリフトオフ処理を施して微細構造記録層を形成する。よって、より高効率にプローブ先端に設けられた微小開口からの光を光情報記録媒体に結合することができ、安定かつ安価に光記録媒体を作製することが可能になり、さらに良好な記録マークの形成、高SN比での信号の再生が可能になる。
また、本発明の光情報記録媒体の製造方法によれば、ガラス基板の表面にレジストにより微細な凹凸を形成し、このレジストを後退させながらガラス基板をエッチングしてガラス基板表面に所定の回折格子状の凹凸を形成し、レジストを除去した後、回折格子状の凹凸の表面全体に金属膜を形成し、レジスト層を除去するリフトオフ処理を施して微細構造記録層を形成する。よって、より高効率にプローブ先端に設けられた微小開口からの光を光情報記録媒体に結合することができ、安定かつ安価に光情報記録媒体を作製することが可能になり、さらに良好な記録マークの形成、高SN比での信号の再生が可能になる。
更に、微細構造記録層の表面全体に保護層を形成することにより、表面の磨耗に強く高信頼性で情報の記録再生を行うことが可能になる光情報記録媒体を製造できる。
本発明の光情報記録媒体の製造方法によれば、より高効率にプローブ先端に設けられた微小開口からの光を光情報記録媒体に結合することができ、安定かつ安価に光記録媒体を作製することが可能になり、さらに良好な記録マークの形成、高SN比での信号の再生が可能になる。

図1は本発明の光情報再生装置の動作原理を示す概略図である。同図に示すように、入射光の波長よりも十分小さい大きさを持った微小開口を備えたプローブ11から近接場光を光情報記録媒体12に照射する。光情報記録媒体12上にはプローブ11の微小開口の大きさ、例えば直径とほぼ同じ直径を持った例えば円柱形状のような微細構造13が形成されている。よって、この微細構造13にプローブ11から近接場光を照射することにより、予め光情報記録媒体12に形成された微細構造13自体に記録されている情報を再生することが可能である。なお、光情報記録媒体12に記録可能な材料を形成することにより、追記型又は書き換え型の情報記録が可能である。
図2は本発明の第1の実施形態に係る光情報再生装置の構成を示す概略断面図である。同図において、図1に示したプローブ11は平面型基板の底面に突起形状で形成されている。このプローブはアレイ状に形成することが可能であり、アレイ化されたプローブから、逐次的あるいは並列的に光情報記録媒体からの情報を再生可能である。この平面プローブはスライダ27の底面に形成され、ホルダ28に支持され、回転する光情報記録媒体30上を走引される。上述したように、光情報記録媒体30は波長以下の大きさ、例えば波長以下の直径の円柱形状を成す微細構造を有する微細構造記録層29を有し、上述したようにこの微細構造記録層29に情報を記録できるのである。なお、微細構造記録層29の表面は後述する保護層を備え、図示していないスライダ部との磨耗に耐えるように構成されてもよい。半導体レーザ21から照射された光はコリメータレンズ22により平行光束に変換されビームスプリッタ23に入射する。ビームスプリッタ23を通過した光束は対物レンズ26によってスライダ27の底面に形成された平面プローブにスポットを結像し、平面プローブの先端部より近接場光を発生させる。発生した近接場光は光情報記録媒体30に形成された微細構造記録層29に結合する。情報を再生する場合、光情報記録媒体30の微細構造記録層29から反射する近接場光の成分をスライダ27の底面に形成された平面プローブで検出する。検出した近接場光はプローブを通して対物レンズ26により平行光束に変換され、ビームスプリッタ23で偏向されて、結像レンズ24で光検出器25上にスポットを結ぶ。この光検出器24上の光強度の明暗により、光情報記録媒体30上に記録された情報を再生することができる。
次に、図3は本発明の第2の実施形態に係る光情報再生装置の構成を示す概略断面図である。同図において図2と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示すように、基板を透過した光を検出することでも情報の記録再生を行うことができる。この場合には図2に示した光情報再生装置と異なりビームスプリッタ23が不要であり、結像レンズ24で光検出器25上に光情報記録媒体30の表面を透光した近接場光を結像し検出する。この光検出器25上の光強度の明暗により、光情報記録媒体30の微細構造記録層29に記録された情報を再生することができる。
なお、図2及び図3に示した半導体レーザ21は直線偏光であることが好ましく、直線偏光は偏光板を挿入してもよいが、レーザダイオードなどはそれ自体直線偏光をもっているので、そのまままたは偏光板と組合せて発生させることができる。平面微小開口上部に1/4波長板と偏光ビームスプリッタを配置することにより、入射光と信号光の偏波面を90度回転させることにより信号光をより高いSN比で検出することが可能である。また、この場合半導体レーザへの戻り光を抑制することが可能であり、レーザの発振状態を良好に保つことが可能であり、良好な記録マークを形成することができ、再生信号を安定に検出することができる。
以上説明したように、本発明においては、光情報記録媒体の基板表面に、例えば円柱形状の微細構造記録層を形成することにより、微小開口を有するプローブから、高効率に近接場光を利用することが可能である。光近接場においては、微小開口を有するプローブの先鋭部に設けられた開口半径の大きさと、照射される媒体の構造の大きさがほぼ同じ時に、開口先端から媒体に結合する光強度は最大になる。実際に、光情報記録媒体中での光電界強度分布特性を図4に示す。図4は、図2においてプローブ11の微小開口の直径を30nm、光情報記録媒体12に形成した微細構造13の直径をプローブ11と同じ30nm、プローブ11と光情報記録媒体12との間隔を5nmとした時の、光情報記録媒体12の表面から10nmの部分の光電界強度分布特性図である。この図4からわかるように、微細構造記録層がない場合に比べて、光情報記録媒体の内部の光電界強度が14倍程度に増強されていることがわかる。よって、光情報記録媒体又は光情報記録再生媒体にプローブ開口の半径と同程度の微細構造記録層が形成されると、微細構造記録層がない平面形状のときに比べて高効率で光を利用することができ、更に高信号強度を得られ、かつ安定に記録し再生動作を行うことが可能になる。また、この場合、プローブ11と光情報記録媒体12の間隔は入射光の波長より十分接近していることが必要である。また、この場合には図2に示すように作製した平面型近接場光ピックアップを浮上型ヘッドとしてのスライダ27に形成することにより、光情報記録媒体と光ピックアップの微小開口部の間隔を一定、かつ微小に保つことが可能になり、より微少な記録マークが形成できることにより超高密度記録が可能となる。
なお、光情報記録媒体側の微細構造記録層は屈折率の実部がある間隔で変化しているもの、あるいは虚部すなわち、吸収率がある間隔で変化している構造などでもよい。図2の基板30としては、例えばアルミノシリケート系ガラスなどの化学強化ガラス、石英ガラスなどがあり、その厚みは通常0.5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1.2mmとする。
次に、上述した本発明の光情報記録媒体の微細構造記録層は例えば以下に述べるような方法で作製可能である。図5は本発明の光情報記録媒体の製造工程の一例を示す工程断面図である。
先ず、同図の(a)に示すように、光情報、例えばガラス基板51の表面全面にイオンを注入し、高屈折率層52を形成する。そして、同図の(b)に示すように、高屈折率層52の表面にレジストパターン53により円柱形状の凹凸を形成する。その後、同図の(c)に示すように、レジストパターン53を後退させながらガラス基板51をエッチングしてガラス基板51の表面に所定の回折格子状の凹凸を有する微細構造記録層54を形成する。更に、同図の(d)に示すように、レジストパターン53を残した状態で、表面全体に遮光膜として機能する金属膜55を形成する。そして、同図の(e)に示すように、リフトオフ法によりレジストパターン53上の金属膜55を除去することにより、微細構造記録層54を有した光情報記録媒体を構成することができる。
なお、図5の(c)においてレジストパターン53を除去した後、金属膜55を形成し、表面を研磨することにより図5の(e)に示したものと同じ構造を作製することも可能である。また、ガラス基板51としては、例えばアルミノシリケート系ガラスなどの化学強化ガラス、石英ガラスなどがあり、その厚みは通常0.5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1.2mmである。不純物としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、タリウムなどが挙げられるが、とくに分極率の大きいイオンもしくは分極能力の大きいイオンが良い。分極率の大きいイオンとしては、Tl(タリウム)が良い。分極能力の大きいイオンとしては、Li(リチウム)が良い。さらに、基板表面に、選択的にイオン注入するには、イオン半径が大きい、分極率の高いTlが良い。イオンの注入はたとえばイオン注入法、イオン交換法、エレクトロフロート法などがあるが、とくにイオン注入法が好ましい。この場合、注入するイオン濃度を大きくすることにより、屈折率も大きくなる。よって、凸部の屈折率は、注入するイオンの種類やその注入ドープ量を変えることで、簡単に変えることができる。また、上記した屈折率を高めるために導入する物質としては種々のものがあるが、例えばイオン交換法の場合では、イオン交換を効率よく行うために高温ガラス中での移動度が十分大きくなければならないこと及びガラス中に多量にドープしてもその性質を損なわないことなどの条件から1価イオンが選択される。更に、光プローブ、例えば光ファイバープローブや平面プローブの性能を高めるためには、なるべく屈折率を高める効果を持ったイオンが望まれる。このことを考慮するとタリウムイオン(Tl+)やセシウムイオン(Cs+)が適当である。タリウムイオン(Tl+)は、外殻電子配列が非希ガラス型(18+2)構造であり、高温ガラス中で拡散し易くしかもガラス編目修飾イオンとして多量にガラスに添加することができ、かつ大きな屈折率変化を得ることができる。
また、図5の金属膜55の形成は、金属蒸着、メッキ、電着など任意の方法を採用することができる。更に、金属としてはアルミニウム、金や銀などがあるが、特に酸化性の低いものが好ましい。上記以外にも、コバルト酸化物系ナノガラス薄膜を形成しても良い。CoO薄膜を通常良く用いられる高周波スパッタリング法により室温で形成することにより、図5のガラス基板51上に、CoO薄膜を形成することが可能である。
更に、図5の(a)に示した高屈折率層52を形成することなく、基板51に直接フォトリソグラフィーを行い、ガラス基板51そのものをエッチングした後、図5の(b)〜(d)の工程を行うことにより、同様の微細構造記録層を有した光情報記録媒体を作成することが可能である。
また、金属膜55の代わりに、高屈折率層52よりも低い屈折率を持つ誘電体を蒸着などにより形成しても良い。この場合は、この低屈折率層が図2中の微細構造12の形状になるように、レジストパターン53を作製する必要がある。
更に、光情報記録媒体の最表面は近接場平面プローブと波長以下の距離に近づいて高速に走引するため、微細構造記録層の磨耗を防ぐための保護層が必要である。保護層として近接場光はプローブからの染み出しが波長以下であるため、記録層までの距離をできるだけ近づけるために、厚みが薄く、光の吸収がほとんどない材料が望ましい。本発明では上記条件を満足する材料として例えばダイヤモンドライクカーボンを用いた。この保護膜の形成はスパッタリング、イオンビームスパッタリングやCVD法などの成膜装置で可能である。本実施例では最表面保護膜としてダイヤモンドライクカーボンをCVD法により作製した。また、保護層としてはSiNを使用することも可能である。このSiNの保護層もスパッタリング、イオンビームスパッタリングやCVD法などの成膜装置で形成することが可能である。
また、近接場光を発生させるプローブとしては、平面型プローブアレイを利用することもできる。ここで、この平面型プローブアレイの作製方法の一例を図6に示す。図6の(a)に示すように、透明な石英基板61に高屈折率材料として窒化シリコン膜62を形成する。この窒化シリコン膜62はSiHとNHを700〜1100度の高温下で熱反応させる高温熱CVD法で成膜することができる。この窒化シリコン膜62の膜厚は2μm以上であることが望ましい。ここでは高屈折率材料として窒化シリコン膜を挙げたが、他の高屈折率材料でもなんら問題ない。例えば、石英基板61上にSiOを1μm程度スパッタしたのち、N原子あるいはC原子の侵入層を作製する。C原子の場合、CHをソースガスとするイオン注入法により石英基板61へイオン注入し、一方N原子の場合、SiHとNOを原料とする熱分解CVD法によってSiOを成膜することにより高屈折率層を形成することができる。この高屈折率層は上記方法以外にもほかのCVD、真空蒸着、スパッタリング等や熱拡散法によっても形成できる。また、SIO基板と呼ばれるシリコン単結晶基板に酸化シリコンのバッファ層が形成されている基板を使用し、SOI基板と石英基板61に電極を設け、約300度程度の温度雰囲気中で適当な電圧を印加することによりSOI基板と石英基板61を接合することにより、石英基板61上に高屈折率材料を形成することができる。また、別の方法としては、接合する石英基板61の表面を十分に洗浄し、SOI基板の活性シリコン層を張り合わせ、窒素雰囲気中900℃以上で熱処理することにより接合することが可能である。更に、接合する石英基板61とSOI基板の接合面を鏡面研磨してRCA洗浄し、1.333×10Pa以下の真空度のチャンバ内でArのFAB(Fast Atom Beam)を300sec程度同時に照射し、10MPaの圧力で圧着することにより接合することができる。
次に、図6の(b)に示すように、この石英基板61上に窒化シリコン膜62を成膜した基板に、半導体プロセスのフォトリソグラフ技術を用いて円柱状のレジストパターン63を形成する。この円柱状のレジストパターン63は、シリコンの突起を形成する領域に作製される。そして、図6の(c)に示すように、このレジストパターン63をマスクとして窒化シリコン膜62をドライエッチングにより除去する。このエッチング時に、石英基板61をストッパー層とすることで、光学的に透明な石英基板61上に高屈折率材料からなる突起からなる近接場光プローブ64を形成することができる。また、エッチング時間を調節することにより、石英基板61上にレジストパターン63が無い領域の窒化シリコン膜62を石英基板61上に残して、石英基板61上に高屈折率材料からなる突起からなる近接場光プローブ64を形成することができる。そして、図6の(d)に示すように、レジストパターン63を酸素プラズマによるレジストアッシングを行い除去する。このあと、図6の(e)に示すように、窒化シリコン膜62及び近接場光プローブ64の表面に、反射防止膜65をスパッタ等により成膜する。この反射防止膜65を光の染み込み深さ以上に蒸着することにより、近接場光プローブ64から生じる近接場光以外を遮断することができる。最後に、図6の(f)に示すように、石英基板61の裏面にスパッタ等で反射防止膜66をコーティングすることで、平面型プローブアレイを形成することができる。
ここで、上述のドライエッチングの条件を変化させることにより、形成された近接場光プローブ64の形状を変化させることができる。ドライエッチングは、平行平板型のRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いた。ここでガス種、処理圧力、RFパワーを最適条件に変化させることで各種形状の近接場光プローブ64が形成できる。このエッチング時に石英基板61をストッピングレイヤとすることで、石英基板61上に円柱もしくは円錐形のシリコン突起から成る近接場光プローブを形成することができる。
また、図6の(e)に示すように、平面プローブのレーザ光が入射する上面には、反射防止膜65が形成されている。反射防止膜65がない場合に比べ、例えば、MgFの反射防止膜を140nm形成した場合、反射率は4%から1.4%に軽減することができる。単層の薄膜としてはMgF以外にも、SiO、CeFなども使用可能である。よって、反射率が低下した分、近接場光を効率良く発生することができるため、高効率かつ高速に信号を検出することが可能になる。
更に、図6の(e)に示す反射防止膜65を単層膜から多層膜にすることで、単層膜の場合より、広い波長域で低い反射率を得ることが可能になる。例えば、入射波長より十分小さい開口を備えた平面型プローブに、MgFからなる膜厚140nmの第1の誘電体膜を形成し、第2の誘電体膜は、CeOからなる厚さが96nmの薄膜、第3の誘電体膜として、厚さが108nmのSiOからなる薄膜から構成した場合、反射率をほぼ0にすることが可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
本発明の光情報再生装置の動作原理を示す概略図である。 本発明の第1の実施形態に係る光情報再生装置の構成を示す概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る光情報再生装置の構成を示す概略断面図である。 光情報記録媒体中での光電界強度分布を示す特性図である。 本発明の光情報記録媒体の製造工程の一例を示す工程断面図である。 平面型プローブアレイの作製工程の一例を示す工程断面図である。 従来の光情報記録媒体を示す部分断面図である。 従来の光情報記録媒体における微小構造層内部の光電界強度分布を示す特性図である。
符号の説明
11;プローブ、12,30;光情報記録媒体、13;微細構造、
21;半導体レーザ、22;コリメータレンズ、23;ビームスプリッタ、
24;結像レンズ、25;光検出器、26;対物レンズ、27;スライダ、
28;ホルダ、29;微細構造記録層。

Claims (3)

  1. ガラス基板の表面全面に高屈折率化できるイオンを注入し、その表面にレジストにより微細な凹凸を形成し、該レジストを後退させながらガラス基板をエッチングしてガラス基板表面に所定の回折格子状の凹凸を形成し、レジストを除去した後、回折格子状の凹凸の表面全体に金属膜を形成し、レジスト層を除去するリフトオフ処理を施して微細構造記録層を形成することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法
  2. ガラス基板の表面にレジストにより微細な凹凸を形成し、該レジストを後退させながらガラス基板をエッチングしてガラス基板表面に所定の回折格子状の凹凸を形成し、レジストを除去した後、回折格子状の凹凸の表面全体に金属膜を形成し、レジスト層を除去するリフトオフ処理を施して微細構造記録層を形成することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法
  3. 前記微細構造記録層の表面全体に保護層を形成する請求項1又は2に記載の光情報記録媒体の製造方法
JP2004004906A 2004-01-13 2004-01-13 光情報記録媒体の製造方法 Expired - Fee Related JP4133841B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004004906A JP4133841B2 (ja) 2004-01-13 2004-01-13 光情報記録媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004004906A JP4133841B2 (ja) 2004-01-13 2004-01-13 光情報記録媒体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005202987A JP2005202987A (ja) 2005-07-28
JP4133841B2 true JP4133841B2 (ja) 2008-08-13

Family

ID=34819381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004004906A Expired - Fee Related JP4133841B2 (ja) 2004-01-13 2004-01-13 光情報記録媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4133841B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8228764B2 (en) 2008-12-19 2012-07-24 Sony Corporation Recording/reproducing apparatus and recording/reproducing system

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8228764B2 (en) 2008-12-19 2012-07-24 Sony Corporation Recording/reproducing apparatus and recording/reproducing system
US8520476B2 (en) 2008-12-19 2013-08-27 Sony Corporation Recording/reproducing apparatus and recording/producing system
US8520475B2 (en) 2008-12-19 2013-08-27 Sony Corporation Recording/reproducing apparatus and recording/producing system

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005202987A (ja) 2005-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6614742B2 (en) Optical head, magneto-optical head, disk apparatus and manufacturing method of optical head
KR100508418B1 (ko) 광헤드및광디스크장치
JP4230087B2 (ja) 光学再生記録方法および光学装置
JP4119846B2 (ja) 高密度光記録媒体、その記憶装置及び、その記録再生方法
JP2006302454A (ja) 光情報記録媒体及びその作製方法、及び光学情報処理装置
JP4705530B2 (ja) 光記録媒体とその基板、及び該基板の成形用スタンパ
JP4133841B2 (ja) 光情報記録媒体の製造方法
JP3842162B2 (ja) 光情報記録媒体と情報記録再生装置及び光情報記録媒体の製造方法
JP2007164950A (ja) 光情報記録媒体およびそれを用いた光情報記録再生装置
JP2006260634A (ja) 光情報記録媒体及び光学情報処理装置
JP2006099926A (ja) 光磁気記録媒体および層構造
JP2005276321A (ja) 光情報記録装置、光情報再生装置及び光情報記録再生装置
JP3963427B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2006294211A (ja) 光情報記録再生方法、及びその装置
JP2004213702A (ja) 光情報記録装置、光情報記録媒体及び平面型プローブアレイの製造方法
JP2000293888A (ja) 近接場光により記録・再生を行う光記録媒体、その製造方法およびそれを用いた記録方式、再生方式
JP2007035192A (ja) 光情報記録媒体、光情報記録装置、光情報記録媒体の製造方法、製造プログラム及び記憶媒体
JP4265941B2 (ja) 光学ヘッド装置および光情報記録再生装置
JP2006164410A (ja) 光情報記録媒体及びその製造方法並びに光情報記録装置
JP4135150B2 (ja) 光情報記録再生装置
JP4532459B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2002109779A (ja) 近接場光ヘッド、近接場光ヘッドの製造方法、光情報記録装置、及び光情報再生装置
JP2004280932A (ja) 光情報記録再生装置および該装置に用いる平面プローブの作製方法
JP2000163794A (ja) 光ヘッド、ディスク装置、光学素子、および光ヘッドの製造方法
JP2007265593A (ja) 光ディスク、光ディスク基板および光ディスク原盤ならびに、これらの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080501

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080527

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080602

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130606

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees