JP2006292054A - クイックコネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価に製造及び組み付けができるクイックコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタハウジング3のリテーナー保持部9に、径方向対称位置で、リテーナー窓59、59を形成し、リテーナー窓59、59にそれぞれ、リテーナーアーム63、63を配置する。リテーナーアーム63を、長方形プレート体のアーム本体65と、このアーム本体65の軸方向他端部に一体的に設けた操作端部67とから形成する。アーム本体65の軸方向他端部の幅方向両端部を、軸部69を介してリテーナー窓59の周方向両端部(周方向両端面)に一体的に接続する。
【選択図】 図1
【解決手段】コネクタハウジング3のリテーナー保持部9に、径方向対称位置で、リテーナー窓59、59を形成し、リテーナー窓59、59にそれぞれ、リテーナーアーム63、63を配置する。リテーナーアーム63を、長方形プレート体のアーム本体65と、このアーム本体65の軸方向他端部に一体的に設けた操作端部67とから形成する。アーム本体65の軸方向他端部の幅方向両端部を、軸部69を介してリテーナー窓59の周方向両端部(周方向両端面)に一体的に接続する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば自動車のガソリン燃料配管の接続に用いられるクイックコネクタに関する。
ガソリン燃料配管などの流体配管の接続に用いられるコネクタとパイプ体との接続は、例えば特許文献1に記載されているように、パイプ体の外周面の端部に環状係合突部を形成して挿入端部を構成しておき、この環状係合突部がコネクタとスナップ係合するようにパイプ体の挿入端部をコネクタに相対的に挿入してパイプ体とコネクタとを抜け止め状態とすることにより行われる。このように使用されるクイックコネクタは、軸方向一方側にチューブ接続部を有し、軸方向他方側にリテーナー保持部が形成された筒状のコネクタハウジングと、パイプ体の環状係合突部とスナップ係合するパイプ体係合部分が形成された本体部を有して、リテーナー保持部内に嵌め付けられた、コネクタハウジングとは別個のリテーナーと、から構成されていて、パイプ体は、挿入端部の環状係合突部がこのリテーナーのパイプ体係合部分にスナップ係合するようにリテーナー内に相対的に挿入されてコネクタに接続されることとなる。コネクタに接続されたパイプ体の挿入端部とコネクタハウジングとの間の密封は、コネクタハウジングに設けられた環状のシール部材によって行われる。
クイックコネクタのコネクタハウジング、リテーナー及び環状のシール部材は、クイックコネクタに要求される、チューブ及びパイプ体の締結機能、ガソリン等の内部流体シール性、内部流体非透過性、耐低温性及び防水機能などを満足するために個別に設計されているが、その他に、環状のシール部材を軸方向に位置決めするためのブッシュなどもクイックコネクタには必要となる。
そして、それぞれの機能を有するコンポーネントが組み合わされて、アッセンブリとしてのクイックコネクタは要求性能を全般的に発揮するわけだが、部品点数が多いので、製造コスト及び組み付けコストが高いといった問題点を指摘される場合もある。
そこで本発明は、安価に製造及び組み付けができるクイックコネクタを提供することを目的とする。
この目的を達成するための本発明のクイックコネクタは、軸方向一方側にチューブ接続部が設けられ、軸方向他方側にリテーナー保持部が形成されたコネクタハウジングと、このコネクタハウジング内に相対的に挿入されるパイプ体の挿入端部に形成された環状係合突部とスナップ係合するように、前記リテーナー保持部に設けられたリテーナー手段と、前記コネクタハウジング及びこのコネクタハウジング内に挿入された前記パイプ体の前記挿入端部の間を密封するように、前記コネクタハウジング内に嵌められている環状のシール部材と、を備え、前記チューブ接続部の外周に嵌め付けられたチューブを前記パイプ体に連結するためのクイックコネクタであって、前記リテーナー手段は、前記リテーナー保持部に一体的に形成されているものである。ここでは、コネクタハウジングとリテーナー手段とを別個に製造する必要がなく、かつ、組み立て時に、コネクタハウジングにリテーナー手段を組み付けるといった必要もなくなる。リテーナー手段は、例えば比較的硬質の弾性体として形成される。
リテーナー手段に要求される、チューブ及びパイプ体の締結機能を阻害することなく、リテーナー手段をリテーナー保持部に一体的に形成するには、リテーナー保持部の径方向対称位置にリテーナー窓を設けるととともに、リテーナー手段を、それぞれのリテーナー窓に配置されたリテーナーアームを有するように、あるいはリテーナーアームとして構成し、一対のリテーナーアームを、コネクタハウジング内に挿入されるパイプ体の環状係合突部が、リテーナーアームの間隔を押し広げながら相対的に進行し、リテーナーアームの軸方向一端部とスナップ係合するように、リテーナー窓又はリテーナー窓周辺に一体的に接続形成しておくといったことが考えられる。挿入時にパイプ体は、環状係合突部によってリテーナーアームの間隔を押し広げながら進行するので、パイプ体の挿入作業に不都合は生じない。パイプ体の環状係合突部は、挿入完了時点で、リテーナーアームの軸方向一端部とスナップ係合するので、パイプ体はリテーナーアームによって確実に抜け止めされることとなる。環状係合突部とリテーナーアームの軸方向一端部との係合は、リテーナーアームの軸方向一端部に幅方向に延びる係合スリットを形成しておき、この係合スリット内に環状係合突部が嵌り込んで行われるようにしてもよい。あるいは、リテーナーアームの軸方向一端が、環状係合突部の軸方向他方側面と係合して行われるようにすることもできる。リテーナー窓は、コネクタハウジングの軸方向他端又はリテーナー保持部の軸方向他端で開放するように形成できる。また、リテーナーアームの軸方向他端部には、パイプ体の抜き取り時などに利用する、押圧用の操作端部が形成される場合が多いが、操作端部が、コネクタハウジングの軸方向他端又はリテーナー保持部の軸方向他端よりも軸方向他方側に突出しないように、又は延びないように構成することができる。このように構成することにより、クイックコネクタ又はコネクタハウジングを、軸方向長さを抑えてコンパクトに形成できる。他方で、操作端部をコネクタハウジングの軸方向他端よりも軸方向他方側に突出又は位置させておけば、操作性が向上する。
パイプ体の挿入性を高めるために、リテーナーアームの軸方向他端部の幅方向両側を、軸部を介して、リテーナー窓の周方向両端部と一体的に接続し、かつ、少なくとも内面が軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜するように形成しておくのが好ましい。ここでは、リテーナーアーム同士の軸方向他方側の間隔をパイプ体の環状係合突部の径よりも広くしておくことができる。また、リテーナーアームを軸部を中心として回転変形させることができるので、リテーナーアームの軸方向一方側は広がりやすくなっている。
リテーナーアームの軸方向他端部に、リテーナー窓から外側に突出するように(すなわち、少なくとも外端部がリテーナー窓よりも外側に位置するように)操作端部を形成しておき、一対の操作端部を外側から、例えば挟んで押圧することにより、リテーナーアームの軸方向一端側の間隔を広げることができるように構成すれば、リテーナーアームとの係合を解除してパイプ体をコネクタハウジングから相対的に抜き取る場合に便利である。ここでは、操作端部を押圧すると、リテーナーアームは、軸部を中心として回転的に変形し、リテーナーアームの軸方向一方側の間隔が拡大する。より具体的には、リテーナーアームを、例えば、軸方向他端部(あるいは軸方向他端面)又は操作端部の軸方向他端部(あるいは軸方向他端面)がリテーナー窓の軸方向他端部と当接するまで、軸部を中心として回転的に変形できるように構成する。このように構成することにより、すなわち、軸方向他端部がリテーナー窓の軸方向他端部と当接すると、それ以上リテーナーアームを押圧して回転変形させることができないように構成することにより、不用意に無理な力を加えてしまっても、リテーナーアームが破損してしまうといったことがなくなる。そして、軸方向他端部がリテーナー窓の軸方向他端部と当接したときには、リテーナーアームの軸方向一方側がパイプ体の挿入端部に形成された環状係合突部が通過(軸方向他方側に移動)できるように開く、といったように構成できる。
クイックコネクタに要求される機能を分担するために、環状のシール部材は複数本設けられる場合が多い。この場合には、環状のシール部材の一部を、コネクタハウジングの内周面に成形時に形成された環状溝に嵌め込こみ、環状のシール部材の残りを、コネクタハウジングの内周面に形成された大径部内に嵌め込むとともに、この大径部内にブッシュを嵌め付けて軸方向に位置決めするのが好ましい。このように構成することにより、軸方向両側でコネクタハウジングにブッシュを嵌め付けておくといった必要がなくなる。あるいは、環状のシール部材すべてを、コネクタハウジングの内周面に成形時に形成された環状溝に嵌め込むこともできる。このように構成することにより、ブッシュを省くことができる。例えば、環状のシール部材を2本(あるいは3本)設け、それぞれを、別々に形成されている、あるいは、軸方向に間隔を有して形成されている2つ(あるいは3つ)の環状溝に嵌め込む。環状溝又は/及び大径部はチューブ接続部の内周面に形成されることが望ましい。このように構成することにより、クイックコネクタあるいはコネクタハウジングの全長を短くすることができる。また、チューブ接続部の外周には、例えば、樹脂チューブ等の流体不透過性を有する、チューブが嵌め付けられることとなるので、内部流体と接触又は直接接触するチューブ接続部の個所がチューブにより覆われることとなる。したがって、このチューブ接続部の個所を通過することによる、内部流体の微量な蒸散を効果的に抑制できる。
以上述べたように、本発明のクイックコネクタを用いれば、安価に配管接続構造を構成できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る第1のクイックコネクタの斜視図、図2は第1のクイックコネクタの正面図、図3は第1のクイックコネクタの軸方向に沿った断面図、図4は第1のクイックコネクタの径方向に沿った断面図である。
第1のクイックコネクタ1は、筒状のコネクタハウジング3と、このコネクタハウジング3に一体的に設けられたリテーナー手段5と、を備えて構成されている。
コネクタハウジング3にはPA12GF30(ガラス繊維30強化ナイロン12)が素材として用いられる。また、コネクタハウジング3は、耐燃料透過性に優れ、かつコスト的にも有利なPOM(ポリアセタール)を素材として形成することもできる。コネクタハウジング3は、軸方向一方側の円筒状の樹脂チューブ接続部7と、軸方向他方側のほぼ円筒状のリテーナー保持部9とから一体的に構成され、軸方向一端から軸方向他端に貫通する貫通孔11を有している。樹脂チューブ接続部7は、外周面が軸方向他方側に向かって緩やかに拡径する断面直角三角形状の軸方向一方側部13と、軸方向一方側部13の軸方向他方側でほぼ単純な円筒状に延びている外周面に、断面四角形状の抜け止め環状突出部15及び軸方向他方側に向かって拡径する断面直角三角形状の2本の抜け止め環状突出部17、17が、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって順次、軸方向に間隔を有して形成された軸方向他方側部19と、から構成され、外周又は外周面に樹脂チューブ21がきつく嵌め付けられて接続される(図5参照)。軸方向他方側部19の軸方向一端外周面23(軸方向一方側部13と抜け止め環状突出部15との間)は小径にあるいは深い環状溝として形成されていて、この軸方向一端外周面23には、樹脂チューブ21との間を密封するシール用Oリング25が嵌め付けられる(図3参照)。
リテーナー保持部9又はリテーナー保持部9内よりも軸方向一方側のコネクタハウジング3の内周面、あるいは樹脂チューブ接続部7の内周面は、軸方向一方側の大径の収容部27と軸方向他方側の小径の支持部29とから形成されていて、収容部27の軸方向他方側には、軸方向一方側の第1のOリング31と軸方向他方側の第2のOリング33とがカラー35を介して、すなわち軸方向に間隔を有して並んで嵌められ、収容部27の軸方向一方側には円筒状の樹脂ブッシュ37が嵌め付けられている。樹脂ブッシュ37は、軸方向一端部に径方向外側に多少広がる環状係合部39を一体的に有し、外周面の軸方向一端寄りに低い環状突出部41を備え、内径が支持部29の内径と同一あるいはほぼ同一に形成されていて(環状係合部39の内周面は軸方向一方側に向かって拡径するテーパ状に形成されている)、環状突出部41が、収容部27の軸方向一端寄りに形成されている浅い環状凹部43内に嵌り込み、環状係合部39の軸方向他方側の外周面が樹脂チューブ接続部7あるいは軸方向一方側部13の軸方向一端部と当接するように、収容部27内に嵌め付けられている。環状係合部39は、樹脂チューブ接続部7の軸方向一端から軸方向一方側に突出して突出部45を構成していて(図5も参照)、環状係合部39の軸方向一方側の外周面(突出部45の外周面)は、軸方向一方側部13のテーパ状の外周面を軸方向一方側に延長するように、軸方向一方側部13の外周面とほぼ連続して位置しているが(環状係合部39の軸方向一方側の外周面の軸方向他端は、軸方向一方側部13の軸方向一端とほぼ同一の外径を有している)、より詳しく説明すると、軸方向一方側部13の外周面の軸方向一端から、径方向外側に若干拡径しながら軸方向一方側に向かって延び(図5の符号47参照)、そして、軸方向一方側部13のテーパ状の外周面とほぼ同一の角度でテーパ状に縮径しながら軸方向一方側に向かって延びる(図5の符号49参照)ように形成され、符号47部分と49部分との間に係合部分51を構成している(図5も参照)。したがって、環状係合部39の軸方向一方側の外周面は、少なくとも係合部分51個所で、樹脂チューブ接続部7あるいは軸方向一方側部13の軸方向一端の外径よりも大径に形成されている。第1のOリング31及び第2のOリング33は、収容部27及び支持部29の間の段差部53と樹脂ブッシュ37とに挟まれて軸方向に位置決めされている。樹脂ブッシュ37は、例えばPA12GF30又はPOMを素材として形成されている。
第1のOリング31は耐燃料透過性に優れたFKM(フッ素ゴム)によって形成され、第2のOリング33は耐低温性に優れるFVMQ(フロロシリコーンゴム)によって形成されている。なお、カラー35は、断面形状が径方向外側に向かって幅が狭くなる台形状に形成されていて、第1のOリング31及び第2のOリング33がパイプ体挿入時につぶされて軸方向に膨らんだとき、第1のOリング31及び第2のOリング33が入り込むスペースが確保されている。このように構成することにより、比較的大径で変形しやすい第1のOリング31及び第2のOリング33に、パイプ体挿入に際して無理な変形が生じるのを効果的に防止できる。
支持部29(支持部29はリテーナー保持部9の軸方向一方側に多少入り込むまで延びている)の軸方向他方側(ここではリテーナー保持部9又はリテーナー保持部9内の軸方向一端部)には、断面正方形状の環状溝55が形成されていて、この環状溝55内には、第3のOリング57が嵌められている。環状溝55の幅は、第3のOリング57の径よりも若干広く、第3のOリング57がパイプ体挿入時につぶされて軸方向に膨らんだときに、環状溝55からはみ出ないように構成されている。このように構成することにより、比較的大径で変形しやすい第3のOリング57に、パイプ体挿入に際して無理な変形が生じるのを効果的に防止できる。環状溝55は、コネクタハウジング3の成形時に形成されている。
第3のOリング57はNBR/PVC(アクリロニトリル‐ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム)によって形成されているが、FKM、FVMQ、NBR(アクリロニトリル‐ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)又はTPO(サーモプラスチックオレフィン)によって形成してもよい。
第1のOリング31と第2のOリング33との間に確保される軸方向間隔は、第2のOリング33と第3のOリング57との間に確保される軸方向間隔よりも狭い(具体的には第2のOリング33と第3のOリング57との間に確保される軸方向間隔のほぼ3分の1乃至2分の1)。
樹脂チューブ接続部7よりも大径に形成されたほぼ円筒状のリテーナー保持部9には、径方向対称位置に対向して同一構造のリテーナー窓59、59が形成され、リテーナー窓59、59の間のそれぞれの外周面の軸方向一方側には、径方向対称位置で、軸方向に僅かの間隔を設けて2本の同一形状の突条61、61が平行して周方向に延びるように形成されている。2本の突条61、61の間の外周面の部分は平面状に形成されていて、この突条61、61間には、例えば、接続確認用のチェッカーが取り付けられる。
リテーナー窓59、59にはそれぞれ、リテーナーアーム63、63が配置されている。リテーナーアーム63は、リテーナー窓59の周方向幅よりも多少狭い幅を有し、リテーナー窓59の軸方向長さよりも短い長さを有する、断面(幅方向又は周方向に沿った断面)が外側に若干膨らむ円弧状のほぼ長方形プレート体として形成されているアーム本体65と、このアーム本体65の軸方向他端部外面に全幅にわたって延びるように一体的に設けられた、径方向外側に突出する薄肉状操作端部67とから形成されている。ここでは、例えば、操作端部67全体が、又は操作端部67ほぼ全体がリテーナー窓59よりも外側に位置している。あるいは、操作端部67は、少なくとも外端部がリテーナー窓59よりも外側に位置するように形成される。リテーナーアーム63は、軸方向他端がリテーナー窓59の軸方向他端と若干の隙間が開くように位置し、アーム本体65が軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜して延びるようにリテーナー窓59内に配置されていて、軸方向他端部又はアーム本体65の軸方向他端部の幅方向両端部(幅方向両端面又は両側面)が、軸部69を介してリテーナー窓59の周方向両端部(周方向両端面)に一体的に接続されている。軸部69は、例えば断面4角形状の細い連結体に形成されて、両端部がそれぞれ、アーム本体65の軸方向他端部の幅方向端およびリテーナー窓59の周方向端に一体的に接続されている。なお、アーム本体65は、軸方向一方側に向かって漸次薄肉となるように形成されている。
アーム本体65の軸方向一端部は、内面側が、挿入されるパイプ体71の挿入端部73(図3の仮想線参照)の外周面とほぼ同一の径方向位置に配置されるように、リテーナー保持部9内に入り込んでいる。また、支持部29は、リテーナー窓59の軸方向一端よりも軸方向他方側まで延びるように形成されているが、支持部29の軸方向他端面(支持部29の軸方向他端に位置する端面)75は、アーム本体65の軸方向一端との間に、パイプ体71の挿入端部73に形成された環状係合突部77の厚みよりも若干広い隙間が開くように配置されている。なお、接続確認用のチェッカーの爪が係合する部分などを確保するために、リテーナー窓59の軸方向一端側に位置する、支持部29の軸方向他端部の個所の外面は、凹むように形成されている。また、支持部29は、全長にわたって、パイプ体71の挿入端部73の外径とほぼ同一の大きさの内径を有している。
第1のクイックコネクタ1に、軸方向他端開口からパイプ体71の挿入端部73が相対的に挿入されると、挿入端部73の外周に形成されている環状係合突部77がアーム本体65の内面を押圧する。そうすると、アーム本体65は、軸部69を中心として、軸方向一端部が径方向外側に変位するように、あるいは開き変位するように回転変形する(アーム本体65自体も多少変形するように構成される場合もある)。したがって、パイプ体71の挿入端部73は、アーム本体65、65の間隔を徐々に広げながら、相対的にコネクタハウジング3内に挿入されていく。そして、パイプ体71の環状係合突部77がアーム本体65の軸方向一端を越えると、アーム本体65、65が、軸部69を中心として、軸方向一端部がコネクタハウジング3の軸心方向に変位するように、弾性的に復帰回転変形する。このようにして、アーム本体65、65の軸方向一端がパイプ体71の環状係合突部77と抜け止め方向にスナップ係合することとなる。この状態では、環状係合突部77は、支持部29の環状の軸方向他端面75と、アーム本体65の軸方向一端との間に挟まれているので、内径が、環状係合突部77の外径よりも小さい支持部29の軸方向他端面75により、パイプ体71はコネクタハウジング3に対して挿入止めされていることとなる。
パイプ体71は、アーム本体65、65の操作端部67、67を外側から押圧し、アーム本体65を軸部69を中心として、軸方向一端部が径方向外側に変位するように回転変形させ、アーム本体65の軸方向一端と環状係合突部77との係合を解除することにより、コネクタハウジング3から相対的に引き出すことができる。アーム本体65は、操作端部67の軸方向他端面(図3の符号A参照)がリテーナー窓59の軸方向他端(図3の符号B参照)と当接するまで回転変位させることができるように構成されている。
なお、パイプ体71に係合凸部を形成し、コネクタハウジング3(コネクタハウジング3の内周面)に、パイプ体71に形成された係合凸部が嵌り込む係合凹部を形成して、パイプ体挿入時に、係合凸部と係合凹部とを周方向に係合させることにより、コネクタハウジング3に対する挿入されたパイプ体71の周方向の動きを規制することができる。パイプ体71の周方向の動きを規制することにより、Oリング31等の傷みを効果的に防止することができる。
コネクタハウジング3の樹脂チューブ接続部7に嵌め付けられて接続された樹脂チューブ21は、樹脂チューブ接続部7の外周よりも小さな内径を有するように、また、樹脂ブッシュ37の環状係合部39の軸方向一方側の外周面よりも小さな内径を有するように形成されていて、樹脂チューブ接続部7が、樹脂チューブ21の嵌め付け側に相対的に圧入されることにより、この樹脂チューブ接続部7にきつく嵌め付けられた状態で接続されている。嵌め付けられた樹脂チューブ21は、図5から明らかなように、樹脂ブッシュ37の環状係合部39の軸方向一方側の外周面と全体的に密着し、環状係合部39の軸方向一方側の外周面を全体的に締め付けている。ここでは、係合部分51は樹脂チューブ21の内面に食い込んでいる。
図6は第2のクイックコネクタを示す断面図である。
第2のクイックコネクタ79では、第1のクイックコネクタ1の樹脂チューブ接続部7の軸方向一方側の構造が変更されているが、その他の構成には変わりがないので(第1のOリング31の素材は変更されている)、変更個所に関してのみ説明し、同一構成の部分は同一の符号を付して説明を概略的には省略する。第2のクイックコネクタ79の樹脂チューブ接続部81の内周面は、軸方向全長にわたってパイプ体71の挿入端部73の外径とほぼ等しい内径を有するように形成されている。すなわち、樹脂チューブ接続部81の内周面の軸方向一方側は、軸方向他方側の支持部29と同一の内径を有するように形成されている。樹脂チューブ接続部81の内周面の軸方向中間には、断面正方形状の環状溝83が形成されていて、この環状溝83内には、第1のOリング31が嵌められている。第1のOリング31には、耐燃料透過性と耐低温性に優れた材料、例えばビニリデンフラロイド、パーフロロメチルビニルエーテル、テトラフロロエチレン及び臭化オレフィンとの共重合体(例えばVitonGLT又はGFLT:Viton、GLT及びGFLTは商品名)などを用いることができる。環状溝83の幅は、第1のOリング31の径よりも若干広く、第1のOリング31がパイプ体挿入時につぶされて軸方向に膨らんだときに、環状溝83からはみ出ないように構成されている。このように構成することにより、比較的大径で変形しやすい第1のOリング31に、パイプ体挿入に際して無理な変形が生じるのを効果的に防止できる。ここでは、第2のOリング33は省かれている。また、環状溝83は、第2のクイックコネクタ79のコネクタハウジング3の成形時に形成されている。
樹脂チューブ接続部81は、外周面が軸方向他方側に向かって緩やかに拡径する断面直角三角形状の軸方向一方側部85と、軸方向一方側部85の軸方向他方側でほぼ単純な円筒状に延びている外周面に、断面四角形状の抜け止め環状突出部15及び軸方向他方側に向かって拡径する断面直角三角形状の2本の抜け止め環状突出部17、17が、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって順次、軸方向に間隔を有して形成された軸方向他方側部87と、から構成されていて、この軸方向他方側部87の内周面に環状溝83が形成されている。軸方向一方側部85の外周面は、軸方向一端から軸方向他端に至るまで拡径する単純なテーパ状に形成され、軸方向一方側部85の軸方向一端部の内周面87は、軸方向一方側に向って軸方向一端面89に至るまで比較的急に拡径するテーパ状に形成されていて、軸方向一端面89は、狭い幅を有する環状端面として形成されている。
本発明のクイックコネクタは、例えば、自動車のフューエル配管に用いられて、部品点数の少ない配管接続構造を構成する。
1 第1のクイックコネクタ
3 コネクタハウジング
7、81 チューブ接続部
9 リテーナー保持部
21 樹脂チューブ
31 第1のOリング(シール部材)
33 第2のOリング(シール部材)
57 第3のOリング(シール部材)
63 リテーナーアーム(リテーナー手段)
71 パイプ体
73 挿入端部
77 環状係合突部
79 第2のクイックコネクタ
3 コネクタハウジング
7、81 チューブ接続部
9 リテーナー保持部
21 樹脂チューブ
31 第1のOリング(シール部材)
33 第2のOリング(シール部材)
57 第3のOリング(シール部材)
63 リテーナーアーム(リテーナー手段)
71 パイプ体
73 挿入端部
77 環状係合突部
79 第2のクイックコネクタ
Claims (7)
- 軸方向一方側にチューブ接続部が設けられ、軸方向他方側にリテーナー保持部が形成されたコネクタハウジングと、このコネクタハウジング内に相対的に挿入されるパイプ体の挿入端部に形成された環状係合突部とスナップ係合するように、前記リテーナー保持部に設けられたリテーナー手段と、前記コネクタハウジング及びこのコネクタハウジング内に挿入された前記パイプ体の前記挿入端部の間を密封するように、前記コネクタハウジング内に嵌められている環状のシール部材と、を備え、前記チューブ接続部の外周に嵌め付けられたチューブを前記パイプ体に連結するためのクイックコネクタであって、
前記リテーナー手段は、前記リテーナー保持部に一体的に形成されている、ことを特徴とするクイックコネクタ。 - 前記リテーナー保持部の径方向対称位置にはリテーナー窓が形成され、前記リテーナー手段は、それぞれの前記リテーナー窓に配置されたリテーナーアームを有していて、
一対の前記リテーナーアームは、前記コネクタハウジング内に挿入される前記パイプ体の前記環状係合突部が、前記リテーナーアームの間隔を押し広げながら相対的に進行し、前記リテーナーアームの軸方向一端部とスナップ係合するように、前記リテーナー窓又は前記リテーナー窓周辺に一体的に接続形成されている、ことを特徴とする請求項1記載のクイックコネクタ。 - 前記リテーナーアームはそれぞれ、軸方向他端部の幅方向両側が、軸部を介して、前記リテーナー窓の周方向両端部と一体的に接続され、かつ、少なくとも内面が軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜するように形成されている、ことを特徴とする請求項2記載のクイックコネクタ。
- 前記リテーナーアームの軸方向他端部には、前記リテーナー窓から外側に突出するように、操作端部が形成されていて、一対の前記操作端部を外側から押圧することにより、前記リテーナーアームの軸方向一方側の間隔を広げることができるように構成されている、ことを特徴とする請求項3記載のクイックコネクタ。
- 前記環状のシール部材は複数本設けられていて、この環状のシール部材の一部は、前記コネクタハウジングの内周面に成形時に形成された環状溝に嵌め込まれ、前記環状のシール部材の残りは、前記コネクタハウジングの内周面に形成された大径部内に嵌め込まれ、かつ、この大径部内に嵌め付けられたブッシュによって軸方向に位置決めされている、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のクイックコネクタ。
- 前記環状のシール部材は複数本設けられていて、この環状のシール部材すべてが、前記コネクタハウジングの内周面に成形時に形成された環状溝に嵌め込まれている、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のクイックコネクタ。
- 前記環状のシール部材は2本設けられ、それぞれが、別々に形成されている2つの前記環状溝に嵌め込まれている、ことを特徴とする請求項6記載のクイックコネクタ。
Priority Applications (1)
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JP2005112760A JP2006292054A (ja) | 2005-04-08 | 2005-04-08 | クイックコネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005112760A JP2006292054A (ja) | 2005-04-08 | 2005-04-08 | クイックコネクタ |
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Cited By (1)
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-
2005
- 2005-04-08 JP JP2005112760A patent/JP2006292054A/ja not_active Withdrawn
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