JP2006291890A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内部に空間を有するハウジング11と、該ハウジング11内に配置され、空間内に取り込まれた冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構と、該圧縮機構を駆動する回転軸13と、ハウジング11内に潤滑油を貯める油溜まり15aとを具備してなるスクロール圧縮機10であって、油溜まり15aが、リブB3を挟んで配置される潤滑油供給ポンプ14のポンプ吸込口29a及び潤滑系統を循環した潤滑油の油戻し口31を備え、ポンプ吸込口29aから油戻し口31へ向けて潤滑油を流す連通流路FがリブB3を迂回して形成されている。
【選択図】図1
Description
このような圧縮機においては、ハウジング内に油溜まりがあると、電動機やバランスウエイトの回転により油溜まりの潤滑油が巻き上げられて油面に乱れを生じ、潤滑油の吸引不良を引き起こすことがある。このような回転体の撹拌による潤滑油の吸引不良を防止するため、たとえばバランスウエイトをカバーで覆ったり、潤滑油の吸込口を回転軸の電動機側端部に設けたり、あるいは、潤滑油の吸引パイプとバランスウエイトとの間に遮蔽プレートを設けることが行われている。(たとえば、特許文献1参照)
一方、実際の給油系統においては、ハウジング内の油溜まりに潤滑油を戻す必要があるため、たとえば油溜まりに連通する油戻し口等が設けられている。このような油戻し口等においては、油溜まりに戻る潤滑油の流れがあるので、潤滑油の流れの勢いが油溜まりの油面を乱す原因となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、圧縮機の油溜まりに戻す潤滑油の流れが油面を乱し、この油面の乱れにより潤滑油の安定供給が妨げられることを防止した圧縮機を提供することを目的としている。
請求項1に記載の圧縮機は、内部に空間を有するハウジングと、該ハウジング内に配置され、前記空間内に取り込まれた冷媒を圧縮する圧縮機構と、該圧縮機構を駆動する回転軸と、前記ハウジング内に潤滑油を貯める油溜まりとを具備してなる圧縮機であって、
前記油溜まりが、仕切部材を挟んで配置される潤滑油供給ポンプの吸込口及び潤滑系統を循環した潤滑油の油戻し口を備え、前記吸込口から前記油戻し口へ向けて潤滑油を流す連通流路が前記仕切部材を迂回して形成されていることを特徴とするものである。
この場合、前記仕切部材は、前記油落とし穴より前記圧縮機構側まで設けられていることが好ましい。
図2は、本実施形態に係るスクロール圧縮機10の構成例を示す図であって、その回転軸の軸線を含む断面で見た場合の縦断面図である。図示のスクロール圧縮機10は、内部に密閉空間mが形成されるハウジング11と、このハウジング11内に配置され、密閉空間m内に取り込まれた冷媒ガスを圧縮するスクロール圧縮機構12と、このスクロール圧縮機構12を駆動する回転軸13と、この回転軸13の駆動により密閉空間m内に潤滑油を供給する潤滑系統の潤滑油供給ポンプ14とを主たる要素として構成されたものである。
フロントハウジング15の内側には、図4に示すように、リブB1〜B6が放射状に立設されているとともに、リブB1の先端からリブB5の先端にかけて、後述するバランスウエイトWの回転による潤滑油の巻き上げを防止する目的でカバー部材(油巻き上げ防止カバー)30が設けられている。このカバー部材30により、後述する潤滑油の油溜まり15aは、4つの区画(部屋)A1〜A4に分割されるようになっている。また、これらの区画A1〜A4は、連通孔19(図2参照)により互いに連通しているので、潤滑油がこれら区画A1〜A4内に溜まる一体の油溜まり15aとして機能する。なお、油溜まり15aに溜まる潤滑油の油面高さは、スクロール圧縮機10を停止した状態において、通常は回転軸13付近となるよう設定される。
なお、図中の符号18は、これらフロントハウジング15及びリアハウジング16間の接合部分をシールして、内部空間の密閉状態を保つOリングである。
カバー部材30の先端面30aはケーシング26の壁面と当接しており、フロントハウジング15の下方空間及び両側方空間が、半径方向内側(回転軸側)の空間と半径方向外側(ハウジング側)の空間とに二分されるようになっている(図4参照)。半径方向外側の空間は、連通孔19を介して集油部16cと連通する油溜まり15aとなっており、スクロール圧縮機構12や各軸受等の各摺動部分の潤滑に使用される潤滑油が貯溜されるようになっている。
固定スクロール20は、固定端板20aとその内面に立設された渦巻状壁体20bとを備え、固定端板20aの中央部には、吐出ポート20cが形成されている。この吐出ポート20cは、吐出弁23により開閉される。
また、旋回スクロール21は、リアハウジング16の内部に固定されたケーシング26に摺動自在に支持されており、旋回スクロール21とケーシング26との間には、旋回スクロール21の公転旋回運動を許容するがその自転を阻止する自転阻止機構として、オルダムリング22が設けられている。
回転軸13の内部には、前述した潤滑油供給ポンプ14から供給される潤滑油を、前述したボス21c内の軸受メタル25や、スクロール圧縮機構12、第2軸受28等の潤滑を要する各摺動部分に向けて導くための潤滑油供給路13bが形成されている。
この結果、冷媒ガスが吸入ポート16aを介してハウジング11のスクロール圧縮機構12へ導入され、図示省略の経路を経てスクロール圧縮機構12の圧縮室Cに吸入される。そして、旋回スクロール21の公転旋回運動によって圧縮室Cの容積が徐々に減少するのに伴い、冷媒ガスは圧縮されながら圧縮機構外側から中央部に導かれる。そして、所定値以上の高圧に圧縮された冷媒ガスが吐出弁23を押し開けることにより、冷媒ガスは吐出ポート20cからリアハウジング16の吐出ポート16bを経て外部に吐出されるようになっている。
潤滑油供給ポンプ14に吸い上げられた潤滑油は潤滑油供給路13bを通り、第2軸受28、軸受メタル25、及びスクロール圧縮機構12等の潤滑を要する各摺動部分に供給されて潤滑した後、油落とし穴32を経て油溜まり15aに戻る。また、一部の潤滑油は冷媒ガスと共に圧縮室Cに吸入され、吐出ポート16bを経て外部に吐出される。その後、図示省略のオイルセパレータ及び潤滑油回収流路等を介して、圧縮機外に設置された図示省略の潤滑油タンクに回収される。
このため、潤滑油供給ポンプ14のポンプ吸込口29a及び潤滑系統を循環した潤滑油の油戻し口31との間に形成される連通流路Fは、潤滑油の流れる流路が略U字状に長く設定されたものとなる。このような構成を採用することにより、油戻し口31から流入する潤滑油の勢いにより発生した油面の乱れは、ポンプ吸入口29a側へ直線的に伝播することなく、ポンプ吸入口29a側に到達するまでに減衰される。特に、潤滑油がU字状に流れる連通流路Fは、直線的な流れと比較して大きな減衰を得ることができるので、ポンプ吸込口29a周辺における油面の乱れを小さくすることができる。
このような油落とし穴32は、上述した油戻し口31と同様に、油溜まり15aの油面を乱す原因となるが、その出口開口32aをリブB3で分割された油溜まり15aの一方に集める配置としたので、ポンプ吸込口29a周辺における油面の乱れを最小限に抑えて潤滑油を安定供給することができる。
このような一体構造を採用することにより、たとえばフロントハウジング15とリブB3との間に隙間が形成されるようなことはなく、従って、潤滑油の流れはU字状とした連通流路Fを全量が確実に流れて減衰される。すなわち、フロントハウジング15に一体化されたリブB3は、漏れ等の流出が生じる隙間を形成することのない完全な仕切部材として機能し、しかも、部品点数及びコストの低減にも有効である。なお、リブB3は、必ずしもフロントハウジング15及びカバー部材30の両方と一体成型する必要はなく、たとえばリブB3をフロントハウジング15と一体成型する構成や、リブB3をカバー部材30と一体成型してフロントハウジング15と結合する構成など、フロントハウジング15及びカバー部材30のいずれか一方と一体成型してもよい。
この変形例では、仕切部材となるリブB3を挟んでポンプ吸込口29a側となる油溜まり15aの底面を、油戻し口31側よりも低く設定してある。すなわち、油戻し口31が設けられて連通流路Fの上流側となる区画A2の底面を、ポンプ吸込口29aが設けられて連通流路Fの下流側となる区画A3より高くすることにより、潤滑油は重力により油戻し口31側からポンプ吸込口29aに向けてスムーズに流れる。このため、油溜まり15aの油面が低下した場合であっても、油溜まり15a内の潤滑油はポンプ吸込口29aの周辺に集まるので、潤滑油供給ポンプ14により潤滑油を確実に吸い込んで給油することができる。
具体例をあげると、たとえば図3及び図4に示すように、回転軸13を挟んで左右に一対の油戻し口31,31′を予め設けておき、いずれか一方を選択して図示省略の潤滑油循環ポンプと連結すればよい。図示の例では、使用しない油戻し口31,31′については、盲プラグ等をねじ込んで塞ぐようになっている。
また、油落とし穴32についても、予め左右一対設けて使用しない一方を塞いだり、あるいは、組付け位置を約90度回転させて所望の方向に潤滑油を落下させるようにしてもよい。
以下、図6及び図7に基づいて、本発明をガスヒートポンプ式空気調和装置の室外機ユニットに設置される一対のスクロール圧縮機10A,10Bに適用する場合の具体例を説明する。この具体例では、室外機ユニット50に左右一対のスクロール圧縮機10A,10Bが設置され、1台のエンジン51を駆動源としてベルト駆動により運転される。
なお、ポンプ吸込口29aや油落とし穴32については、圧縮機内部に切替弁を設置して選択切換を可能にしてもよい。
また、上述したスクロール圧縮機10は、上述したような定置用のものだけでなく、車載用のものとすることもできる。
さらに、圧縮機としては上述したスクロール圧縮機10に限定されるものではなく、斜板式圧縮機や往復動式圧縮機等とすることもできる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
11 ハウジング
12 スクロール圧縮機構
13 回転軸
14 潤滑油供給ポンプ
15 フロントハウジング
15a 油溜まり
29 連通路
29a ポンプ吸込口
30 カバー部材
31 油戻し口
32 油落とし穴
32a 出口開口
B3 リブ(仕切部材)
F 連通流路
m 密閉空間
Claims (6)
- 内部に空間を有するハウジングと、該ハウジング内に配置され、前記空間内に取り込まれた冷媒を圧縮する圧縮機構と、該圧縮機構を駆動する回転軸と、前記ハウジング内に潤滑油を貯める油溜まりとを具備してなる圧縮機であって、
前記油溜まりが、仕切部材を挟んで配置される潤滑油供給ポンプの吸込口及び潤滑系統を循環した潤滑油の油戻し口を備え、前記吸込口から前記油戻し口へ向けて潤滑油を流す連通流路が前記仕切部材を迂回して形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 軸受給油後の潤滑油を前記油溜まりに戻す油落とし穴が、前記仕切部材の前記油戻し口側に向けて潤滑油を排出するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
- 前記仕切部材は、前記油落とし穴より前記圧縮機構側まで設けられていることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
- 前記仕切部材が、前記ハウジング及び油巻き上げ防止カバーの少なくとも一方と一体成形されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の圧縮機。
- 前記仕切部材を挟んで前記吸込口側の底面を低く設定したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の圧縮機。
- 前記吸込口、前記油戻し口及び前記油落とし穴の少なくとも一つが、選択可能な複数の設置位置を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005115569A JP2006291890A (ja) | 2005-04-13 | 2005-04-13 | 圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2005115569A Pending JP2006291890A (ja) | 2005-04-13 | 2005-04-13 | 圧縮機 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0649790U (ja) * | 1992-12-18 | 1994-07-08 | 株式会社東芝 | 横形圧縮機 |
JPH0727079A (ja) * | 1993-07-06 | 1995-01-27 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 横置型密閉電動圧縮機 |
JP2004218629A (ja) * | 2002-12-26 | 2004-08-05 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 圧縮機および圧縮機システム |
-
2005
- 2005-04-13 JP JP2005115569A patent/JP2006291890A/ja active Pending
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