JP2006291032A - 導電性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明導電性塗膜層に導電性高分子を用いていながら、ITOを積層した導電性フィルムと同等の優れた透明性、導電性を有する導電性フィルムを提供すること。
【解決手段】 基材フィルムの少なくとも片面に、下記一般式
【化1】
Figure 2006291032

(式中、RおよびRは相互に独立して水素または炭素数1〜4のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって任意に置換されてもよい炭素数1〜12のアルキレン基を表す)
で表される繰り返し単位からなるポリカチオン状のポリチオフェンとポリアニオンとからなる導電性高分子を含有し、かつ、表面側における該ポリチオフェンが含まれていない層厚さが5nm以下である透明導電性塗膜層を設けて、全光線透過率が70%以上、表面抵抗率が10〜1×10Ω/□である導電性フィルムを得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明性および導電性に優れた導電性フィルムに関するものである。さらに詳しくは、接触抵抗値が改善された、液晶ディスプレイ(LCD)、透明タッチパネル、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ等の透明電極として好適な透明導電性フィルムに関するものである。
従来、液晶ディスプレイ、透明タッチパネル等の透明電極や電磁波シールド材として透明導電性フィルムが好適に用いられている。かかる透明導電性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明フィルム表面の少なくとも片面に、酸化インジウム(In)、酸化錫(SnO)、InとSnOの混合焼結体(ITO)等を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスによって設けたものがよく知られている。
しかし、通常透明導電性フィルムは、ウェブ状での連続加工や打ち抜き加工があり、また、表面加工中も曲げられた状態で用いられたり、また保管されたりするため、上記ドライプロセスにより得られる透明導電性フィルムは、該加工工程や保管している間にクラックが発生して、表面抵抗が増大したりすることがあった。
一方、透明基材フィルムの上に導電性高分子を塗布すること(ウエットプロセス)によって形成される透明導電塗膜層は、膜自体に柔軟性があり、クラックなどの問題は生じがたい。また、導電性高分子を塗布することによって透明導電性フィルムを得る方法は、ドライプロセスとは異なって製造コストが比較的安く、またコーティングスピードも一般的に速いので生産性に優れるという利点もある。このような導電性高分子の塗布によって得られる透明導電性フィルムは、これまで一般的に用いられてきたポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等は、開発の初期段階では高い導電性が得られないため、帯電防止用途などに使用が限定されていたり、導電塗膜層自体の色相が問題となったりしていた。しかし、最近では製法の改良などによりこれらの問題も改善されてきている。例えば、3,4−ジアルコキシチオフェンをポリアニオン存在下で酸化重合することによって得られるポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンとからなる導電性高分子(特許文献1)は、近年の製法の改良(特許文献2および特許文献3)などにより、高い光線透過率を保ったまま非常に低い表面抵抗を発現している。
しかしながら、かかる導電性高分子を透明導電性塗膜層とした透明導電性フィルムは、例えばタッチパネル用の基材として使用した場合には接触抵抗が高いために誤操作の原因となる、また、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ等の透明電極として使用した場合には所定の電導性が得られない、などの問題がある。
特開平1−313521号公報 特開2002−193972号公報 特開2003−286336号公報
本発明は、上記背景技術を鑑みなされたもので、その目的とするところは、導電性高分子を用いていながら、透明性および導電性に優れ、しかも、ITOを積層したものと同等に優れた導電性フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために種々鋭意検討した結果、ポリカチオン状のポリチオフェンとポリアニオンとからなる導電性高分子を用いる場合、透明導電性塗膜層の表層にポリアニオン成分が偏在することを抑制すれば、例えばタッチパネル用の基材として使用した場合の誤操作を抑制でき、また有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ等の透明電極として使用した場合でも、所望の電導性を発現させ得ることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、「基材フィルムの少なくとも片面に、下記一般式
Figure 2006291032
(式中、RおよびRは相互に独立して水素または炭素数1〜4のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって任意に置換されてもよい炭素数1〜12のアルキレン基を表す)
で表される繰り返し単位からなるポリカチオン状のポリチオフェンとポリアニオンとからなる導電性高分子を含有する透明導電性塗膜が設けられた導電性フィルムであって、該透明導電性塗膜の表面側における該ポリチオフェンが含まれていない層厚さが5nm以下であり、かつ、該導電性フィルムの全光線透過率が70%以上、表面抵抗率が10〜1×10Ω/□であることを特徴とする導電性フィルム。」が提供される。
本発明の導電性フィルムは、特定のポリチオフェン系導電性重合体を含有する透明導電性塗膜を形成したもので、透明導電性塗膜のポリチオフェン系導電性重合体が含まれていない表層厚さが5nm以下であるので、ITOと同等以上に優れた透明性、導電性を有すると同時に表面抵抗値も良好である。したがって、液晶ディスプレイ(LCD)タッチパネル、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ等の透明電極として好適に使用することができる。
本発明の導電性フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に、下記一般式
Figure 2006291032
で表される繰り返し単位からなるポリカチオン状のポリチオフェン(以下、“ポリ(3,4−ジ置換チオフェン)”と称することがある)と、ポリアニオンとからなる導電性高分子を構成成分として含有する透明導電性塗膜が形成されている。ここで、上記式中RおよびRは、相互に独立して水素または炭素数が1〜4のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって任意に置換されてもよい炭素数が1〜12のアルキレン基を表す。RおよびRが一緒になって形成される、置換基を有してもよい炭素数が1〜12のアルキレン基の代表例としては、1,2−アルキレン基(例えば、1,2−シクロヘキシレン、2,3−ブチレンなど)があげられる。この1,2−アルキレン基は、α−オレフィン類(例えば、エテン、プロペン、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセンおよびスチレン)を臭素化して得られる1,2−ジブロモアルカン類から誘導される。RおよびRが一緒になって形成される炭素数が1〜12のアルキレン基の好適な置換基は、メチレン、1,2−エチレンおよび1,3−プロピレン基であり、1,2−エチレン基が特に好適である。
一方導電性高分子を構成するポリアニオンとしては、高分子状カルボン酸類(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸など)、高分子状スルホン酸類(例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸など)などがあげられる。これらの高分子状カルボン酸およびスルホン酸類はまた、ビニルカルボン酸およびビニルスルホン酸類と他の重合可能なモノマー類、例えばアクリレート類およびスチレンなどとの共重合体であってもよい。これらのポリアニオンのなかで、ポリスチレンスルホン酸およびその全べてもしくは一部が金属塩であるものが特に好適である。なお、かかるポリアニオンの数平均分子量は、1,000〜2,000,000の範囲が適当であり、特に2,000〜500,000の範囲が好ましい。
なお、上記の導電性高分子を含有する透明導電性塗膜には、導電性能を向上させるという観点からジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが含まれていてもよい。また、分子内にアミド結合を有する室温では液体の水溶性化合物が含まれていてもよい。
これらの化合物は、前記導電性高分子100重量部に対して、10〜1000重量部の範囲、好ましくは30〜600重量部の範囲含有されていることが好ましい。この含有量が10重量部未満の場合には、導電性能の向上効果が低下し、逆に1000重量部を超える場合には、塗膜のヘイズ値が増大して透明性が低下する、塗膜自体の強度が低下して簡単に剥離が生じ、フィルムをロール状に巻き取る際に塗膜が接触した裏面に簡単に転写してしまうなどの不具合が生じやすくなる。なお、ここでいう「導電性高分子100重量部に対して」とは、「導電性高分子の固形分100重量部に対して」という意味である。
次に、本発明にかかる透明導電性塗膜には、得られる塗膜の強度を向上させる目的で、アルコキシシラン化合物を添加してもよい。これらのシラン化合物は、加水分解され、その後の縮合反応された反応生成物の形態で塗膜中に存在する。これらのシラン化合物としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのアルコキシ基以外の反応性官能基を有するトリアルコキシシランがあげられ、特にエポキシ基を有する3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが好ましい。
このようなアルコキシシラン化合物の添加量は、導電性高分子100重量部に対して、20〜500重量部の範囲が好ましい。該添加量が20重量部より少ない場合には塗膜強度の改善効果が小さくなり、一方500重量部を超える場合には表面抵抗率が増大する傾向にある。
このようなシラン化合物の加水分解/縮合を効率よく進行させるためには触媒を併用することが好ましい。触媒としては酸性触媒または塩基性触媒のいずれをも用いることができる。酸性触媒としては、酢酸、塩酸、硝酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、プロピオン酸、しゅう酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が好適である。一方塩基性触媒としてはアンモニア、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等の有機アミン化合物、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物などが好適である。
本発明では上記透明導電塗膜層を形成するためのコーティング組成物としては、前記導電性高分子を主成分として水に分散させた分散液を用いるが、必要に応じてポリエステル、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラールなどの適当な有機高分子材料をバインダーとして添加することができる。
さらに必要に応じて、バインダーを溶解させる目的、もしくは基材フィルムへの濡れ性を改善する目的、固形分濃度を調整する目的などで、水と相溶性のある適当な溶媒を添加することができる。例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド)などが好ましく用いられる。
さらに、上記コーティング組成物には、基材フィルムに対する濡れ性を向上させる目的で、少量の界面活性剤を加えてもよい。好ましい界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステルなど)、およびフッ素系界面活性剤(例えばフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、パーフルオロアルキル4級アンモニウム塩、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールなど)があげられる。
本発明の上記導電性高分子を含有する透明導電性塗膜は、その表層において、前記ポリチオフェンを含有していない層の厚さが5nm以下、好ましくは3nm以下、特に好ましくは2nm以下であることが必要である。この膜厚さが5nmを超える場合には接触抵抗が大きくなって電導性が低下し、例えばタッチパネル用の基材として使用した場合には誤操作の原因となる等の問題が発生し、また、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ等の透明電極として使用した場合には所定の電導性が得られないなどの問題が発生する。
なお、全透明導電塗膜層の厚みは50nm以上、特に70nm以上とし、500nm以下、特に300nm以下とすることが好ましい。該塗膜の厚さが薄すぎると十分な導電性が得られないことがあり、逆に厚すぎると、透明性が不足したり、ブロッキングを起こしたりすることがある。
次に本発明で用いられる基材フィルムは特に制限する必要はないが、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ならびにこれらのブレンドおよび共重合体、ならびにフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂などからなるフィルムが好ましい。
なかでも、ポリエステルフィルム、特に二軸配向したポリエステルフィルムが、寸法安定性、機械的性質、耐熱性、電気的性質などに優れているので好ましく、さらに好ましくはポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン―2,6―ナフタレートが、高ヤング率である等の機械的特性に優れ、耐熱寸法安定性がよい等の熱的特性等に優れているのでより好ましい。なお、基材フィルムの厚みも特に制限されないが、500μm以下が好ましい。500μmより厚い場合には剛性が強すぎて、得られた導電性フィルムをディスプレイなどに貼付ける際の取扱い性が低下しやすい。
以上に説明した本発明の導電性フィルムは、さらにその全光線透過率が70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは83%以上であると同時に透明導電性塗膜側の表面抵抗率が10〜1×10Ω/□、好ましくは10〜5×10Ω/□であることが必要である。全光線透過率が70%未満の場合には透明性が不充分となり、例えばタッチパネルを作成しても暗くて表示画面が見えにくくなるので好ましくない。また、表面抵抗率が1×10Ω/□を超える場合には、抵抗が高すぎて所定の電導性を発現しなくなるので好ましくなく、一方10Ω/□未満の場合には、導電性高分子の使用量が著しく増加して製造コストが上がるため経済的でない。
以上に説明した本発明の導電性フィルムを製造する方法は特に限定する必要はないが、上記透明導電性塗膜層を形成するためのコーティング組成物を塗布、乾燥する際にポリアニオン成分が表層に移行しやすいので、例えば2回以上に分けて塗布する、塗膜形成後にコロナ放電処理やプラズマ放電処理などでポリアニオン成分層を除去する、あるいは、該コーティング組成物を塗布する前にポリアニオン成分との親和性が高い成分を予め基材フィルムに塗布しておく等の方法が好ましい例としてあげられる。なかでもコーティング組成物を2回以上重ねて塗布する方法は、ポリアニオン成分層の厚さが、塗布された透明導電性塗膜層厚さの2〜10%程度と比例していること、および、先に塗布された透明導電塗膜層の上部にポリアニオン成分層が存在するため、ポリアニオン成分との親和性が高い成分が予め塗布されていることとなるので表層のアニオン成分層を薄くできることから好ましい。
また、プラズマ放電処理によるポリアニオン成分層の除去は、近年プラズマ処理技術の発展により、再現性、細かな制御が可能となり、二回重ね塗りと同様に好適な方法のひとつである。
透明導電性塗膜層の塗布方法は、それ自体公知の方法を採用できる。例えばリップダイレクト法、コンマコーター法、スリットリバース法、ダイコーター法、グラビアロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、バーコーター法などが好ましくあげられる。加熱乾燥条件としては80〜160℃で10〜300秒間、特に100〜150℃で20〜120秒間が好ましい。
基材フィルムがポリエステルフィルムの場合には、製膜工程中、特に未延伸フィルムをタテ延伸した後に塗液を塗布し、次いで乾燥・ヨコ延伸した後に熱処理する、インラインコーティング法を採用するのが好ましい。
かかるインラインコーティング法によれば、オフライン加工に比べ、例えば、基材フィルムとの接着性が向上する、熱処理時にクリップでフィルムの両端を把持しているために得られるフィルムにシワが入らず平面性が保持できるといった効果が発揮される。なお、インラインコーティング法での熱処理は、200℃以上で行うことが好ましい。また、塗液を塗布する際には、必要に応じて、さらに密着性・塗工性を向上させるための予備処理として、基材フィルム表面にコロナ放電処理、プラズマ放電処理などの物理的表面処理を施しても構わない。
本発明の導電性フィルムは、上述のとおり基材フィルムの少なくとも片面にポリチオフェン系の透明導電性塗膜層が積層されていることが必要であるが、透明導電性塗膜層が形成される側と反対の面には必要に応じてアンカーコート層、ハードコート層などの塗膜を設けることもできる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における各評価は下記の方法にしたがった。
(1)透明導電性塗膜層の厚み
導電性フィルムから、ミクロトームULTRACUT−Sでフィルム表面に対し垂直に超薄膜切片を切り出し、この超薄膜切片を透過型電子顕微鏡LEM−2000で加速電圧100kVで観察・撮影して層厚を測定した。
(2)ポリチオフェンが含有されない層の厚さ
VG社製、ESCALAB-200(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を用いて、ポリチオフェン起因のピークより算出した。
(3)全光線透過率およびヘイズ
JIS K7150にしたがい、スガ試験機(株)製のヘイズメーターHCM−2Bにて測定した。
(4)表面抵抗率
三菱化学社製Lorester MCP−T600を用いて、JIS K7194に準拠して測定した。測定は任意の箇所を5回測定し、それらの平均値とした。
(5)タッチパネルへの適性テスト
導電性フィルムのタッチパネルへの適性の目安として、モデル的なタッチパネルを作製し、ペン入力によるリニアリティー試験を行った。本テストにおいては、本発明の導電フィルムを100mm×100mmに切り出し、透明導電塗膜層形成面の両端に幅5mmの電極を銀ペーストを塗布して作成した。この電極間に定電圧電源により5Vを印加し、サンプル中心部50mm×50mmの範囲を縦横1mm間隔で(x1, y1)〜(x50, y50)の2500点について電圧Vi,j(i,j=1〜50)を測定した。各電圧測定点での理論電圧Ui,j=V1,1+(V50,50-V1,1)/50×(j-1)からのズレをΔi,j=(Vi,j-Ui,j)/Ui,jで定義し、このΔi,jの絶対値の最大値をリニアリティと定義した。
テストは、導電性フィルムで構成されたパネル板側から、ポリアセタール樹脂からなるペン先半径0.8mmのタッチペンにて荷重250gfをかけて行った。
○:リニアリティーが、3%未満である。
×:リニアリティーが、3%以上である。
[実施例1]
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を主成分とし、シランカップリング剤、ジエチレングリコールとを含んでなる導電性塗料(日本アグファ・ゲバルト(株)社製、商品名:Orgacon S−300)を、マイヤーバーを用いて基材フィルム(PETフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名O3PF8W−100)上に塗布し、140℃で1分間の乾燥を行って膜の厚さが100nmの透明導電性塗膜層を形成した。次いで、この透明導電性塗膜層の上に同じく導電性塗料(日本アグファ・ゲバルト(株)社製、商品名:Orgacon S−300)を、マイヤーバーを用いて再度塗布し、140℃で1分間の乾燥を行って全膜厚さが150nmの透明導電性塗膜層を形成した。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[実施例2]
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を主成分とし、シランカップリング剤、ジエチレングリコールとを含んでなる導電性塗料(日本アグファ・ゲバルト(株)社製、商品名:Orgacon S−300)を、マイヤーバーを用いて基材フィルム(PETフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名O3PF8W−100)上に塗布し、140℃で1分間の乾燥を行って膜の厚さが150nmの透明導電性塗膜層を形成した。得られた導電性フイルムを春日電機製 卓上コロナ放電処理機CG−102型にて、アルミナ電極を使用し、印加電流4A、フイルムと電極の距離1mm、フィルムの処理速度0.1m/sにて6回処理を行なった。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[実施例3]
コロナ放電処理をプラズマ放電処理に変更する以外は、実施例2と同様の操作を行った。この時のプラズマ放電処理は、常圧プラズマ表面処理装置(積水化学工業製AP−T03−L)を用いて、窒素気流下(60L/分)、処理速度0.2m/分にて透明導電層表面にプラズマ処理を4回実施した。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を主成分とし、シランカップリング剤、ジエチレングリコールとを含んでなる導電性塗料(日本アグファ・ゲバルト(株)社製、商品名:Orgacon S−300)を、マイヤーバーを用いて基材フィルム(PETフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名O3PF8W−100)上に塗工し、140℃で1分間の乾燥を行って膜の厚さが150nmの透明導電性塗膜層を形成した。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、導電性塗料Orgacon S−300を、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を1.3重量%含んでなる水分散体(BaytronP:バイエルAG製)100重量部にジエチレングリコール3重量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.65重量部、界面活性剤として、プラスコートRY−2(互応化学工業製)を1重量部加えたコーティング組成物に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
比較例1において、導電性塗料Orgacon S−300を、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を1.3重量%含んでなる水分散体(BaytronP:バイエルAG製)100重量部にジエチレングリコール3重量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.65重量部、界面活性剤として、プラスコートRY−2(互応化学工業製)を1重量部加えたコーティング組成物に変更する以外は、比較例1と同様の操作を行った。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[実施例5]
導電性塗料(日本アグファ・ゲバルト(株)社製、商品名:Orgacon S−300)を、マイヤーバーを用いて基材フィルム(PETフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名O3PF8W−100)上に塗布し、140℃で1分間の乾燥を行って膜の厚さが50nmの透明導電塗膜層を得た。得られた導電性フイルムを春日電機製 卓上コロナ放電処理機CG−102型にて、アルミナ電極を使用し、印加電流4A、フイルムと電極の距離1mm、フィルムの処理速度0.1m/sにて3回処理を行なった。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
Figure 2006291032
表1から明らかなように、本発明の導電性フィルムは透明性および導電性に優れると同時に、タッチパネルの透明電極として使用した場合の適正に優れていることがわかる。
以上に説明した本発明の導電性フィルムは、導電性高分子を用いていながら、ITOを積層したものと同等に優れた透明性、導電性を有しているので、例えば透明タッチパネル、液晶ディスプレイ(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子等の透明電極として好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面に、下記一般式
    Figure 2006291032
    (式中、RおよびRは相互に独立して水素または炭素数1〜4のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって任意に置換されてもよい炭素数1〜12のアルキレン基を表す)
    で表される繰り返し単位からなるポリカチオン状のポリチオフェンとポリアニオンとからなる導電性高分子を含有する透明導電性塗膜が設けられた導電性フィルムであって、該透明導電性塗膜の表面側における該ポリチオフェンが含まれていない層厚さが5nm以下であり、かつ、該導電性フィルムの全光線透過率が70%以上、表面抵抗率が10〜1×10Ω/□であることを特徴とする導電性フィルム。
  2. 透明導電性塗膜の全厚さが50〜500nmである請求項1記載の導電性フィルム。
  3. 全光線透過率が80%以上で、表面抵抗率が10〜5×10Ω/□である請求項1または2記載の導電性フィルム。
  4. 基材フィルムが、ポリエステルフィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の導電性フィルム。
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