JP2006290887A - 脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法 - Google Patents

脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法を提供する。
【解決手段】不飽和脂質をアミノ酸と直接反応させないでピリジンチオニルクロライドを触媒に使用して反応の活性度が増加された不飽和脂質クロライド誘導体を形成して、または乳化剤を使用して不飽和脂質をアミノ酸と反応させることにより脂質の粒子サイズを小さくして非常に微細なナノ粒子サイズ(50nm以下)にすることにより、脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質に転換させるにおいて、反応転換率が99%以上になることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法に関するものである。
不飽和脂質は、抗癌、抗炎症(アトピー性皮膚疾患)、肥満抑制、痴ほう症予防、視力強化、心血管系疾患治療等、人体に非常に必須な効能を持ち、人体内で水溶性状態のリポタンパク質(lipoprotein)形態で存在する。すなわち、不飽和脂質は、脂質とタンパク質またはアミノ酸の複合体として構成され、その中で人体で低密度リポタンパク質(low density lipoprotein)と中性脂質の数値が増加すると、心血管系疾患のような各種疾患が発生するようになる。
したがって、これを抑制して予防するために、高純度の不飽和脂肪酸を摂取服用する研究が非常に活発に進められていて大きな効果を得て来ている。
しかし、これらは水に溶解しない脂溶性脂質[脂肪酸(fatty acid)、中性脂質(triglyceride)、脂肪酸エステル等]の形態で存在するため、血液内に直接的に注射することが不可能である。したがって、主に軟質カプセルの形態で体内に吸収したり飲用したりしている。
上記のような問題点を解決するために、脂質の水溶性脂質化に対する多くの研究が進められて来た。
第一に、アルカリ金属塩(Na、K、Ca等)を使用した塩化方法に対して研究されて来た。しかし、このような方法は強い塩基性水溶液形態で存在するため、その毒性及び刺激性によって人体に適用するには大きな問題が提議されているのが実情である。
第二に、乳化剤及びデキストリン、牛乳タンパク質を使用した微細カプセル化方法に関して研究されて来た。しかし、このような方法は乳化剤が生体親和的で溶解性が優秀でなければならないという制約が伴い、同時に熱及び光のような環境に対しても高い安定性が要求されている。
また、特許文献1には、塩基性アミノ酸を含む水溶性脂質複合体及びその製造方法に関して記載されている。しかし、上記方法は不飽和脂質と塩基性アミノ酸のみを反応させたもので、これは塩基性アミノ酸を除いた酸性、中性、芳香族等、自然に存在するすべてのアミノ酸が不飽和脂質(特に脂肪酸)と直接的に反応しないので、脂肪酸と反応できる塩基性アミノ酸だけで反応させたものである。また、上記方法によって製造された脂質複合体が微細カプセル化方法より溶解度及び吸水性が優秀であっても、先に説明したアルカリ金属による塩化方法同様、塩基性アミノ酸を使用するため、人体に対する刺激性問題が提議される。また、上記方法は食品、医薬品、化粧品素材に応用する時、中性、弱酸性剤形に転換する時、酸添加による不飽和脂質の分解が起きるため、熱、空気及び光による酸化を避けることができず、安定性の側面でも非常に不利である。また、上記方法は塩基性アミノ酸を水に完全溶解させた溶液に脂溶性である脂肪酸を徐々に注入して、その撹拌速度を2000rpmに維持して反応させなければならないので、水と油を分子水準で完全に溶解後、反応させることができない短所がある。よって、未反応の脂肪酸が常に残存するようになり、それらによって安全性及び安定性が落ち、商業化工程において非常に品質水準を下げる有害な物質に転落するようになる。
以上のことに鑑みて、本発明者等は不飽和脂質を水溶性脂質に転換させる時、未反応の不飽和脂質を水溶性脂質に転換させるための方法を模索中に、すべての不飽和脂質とすべてのアミノ酸を結合させることができる最適の条件を捜し出して反応させることにより、不飽和脂質が水溶性脂質に99%以上転換され、安全性及び安定性が優秀であることを確認して本発明を完成した。
大韓民国特許出願第10-2003-30853号
本発明は、脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法を提供する。
本発明は、脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法を提供する。以下、本発明について詳しく説明する。
本発明による脂溶性不飽和脂質(特に、脂肪酸)を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法では、触媒を使用する方法と乳化剤を使用する方法を含む。
第一に、本発明による触媒を使用して不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法は、
1-1):脂溶性不飽和脂質をピリジンに加えて完全溶解させて、そこにチオニルクロライドを分割注入して不飽和脂質クロライド誘導体を製造する工程、
1-2):上記1-1)で製造した不飽和脂質クロライド誘導体を無水エチルアルコールとアミノ酸を溶解した溶液に加えて、触媒存在下で反応させて水溶性脂質複合体を形成する工程、及び、
1-3):上記1-2)で製造した溶液を真空乾燥させてエチルアルコールを除去して、水を加えて水溶化させた後、凍結乾燥器を使用して水溶性脂質複合体を回収する工程からなる。
第二に、本発明による乳化剤を使用して不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法は、
2-1):脂溶性不飽和脂質及び水の温度を4℃〜-1℃に維持して、撹拌速度3,000〜7,000rpmで撹拌しながら乳化剤を加えて乳化させる工程、
2-2):上記2-1)工程で製造した乳化溶液にアミノ酸を加えて水溶性脂質複合体を形成する工程、及び、
2-3):上記2-2)で製造した溶液を凍結乾燥器を使用して水溶性脂質複合体を回収する工程からなる。
また、本発明による脂溶性不飽和脂質(特に、中性脂質)を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法は、触媒を使用する方法と乳化剤を使用する方法を両方含んで製造し、
3-1):脂溶性不飽和脂質、水及びエチルアルコール、水酸化ナトリウム、及びリン酸を加えて二つの相を形成する工程、
3-2):上記3-1)工程で形成された下層部掖を除去して、上層部液にピリジンを加えて完全溶解させて、そこにチオニルクロライドを分割注入して不飽和脂質クロライド誘導体を製造する工程、
3-3):上記3-2)工程で製造した不飽和脂質クロライド誘導体を無水エチルアルコールに加えて、温度を4℃〜-1℃に維持して撹拌速度3,000〜7,000rpmで撹拌しながら乳化剤を加えて乳化させる工程、
3-4):上記3-3)工程で製造した乳化溶液にアミノ酸を加えて、触媒存在下で反応させて水溶性脂質複合体を形成する工程、及び
3-5):上記3-4)で製造した溶液を真空乾燥させてエチルアルコールを除去して、水を加えて水溶化させた後、凍結乾燥器を使用して水溶性脂質複合体を回収する工程からなる。
下記に、上記方法を工程別に詳しく説明する。
上記1-1)工程で、不飽和脂質をピリジンに完全溶解させて、4℃の温度でチオニルクロライドを少量ずつ分割注入する。万一、少量ずつ分割注入をしない場合、反応が激しく進行して不飽和脂質の酸敗を避けることができない。約40分間チオニルクロライドを分割注入しながら撹拌すると結晶体が形成され、これを常温で2時間位静置させた後、ろ過して不飽和脂質クロライド誘導体を結晶体で得る。本発明では不飽和脂質をアミノ酸と直接反応させないで不飽和脂質クロライド誘導体を形成することにより、反応の活性度を増加させる。
上記1-2)工程で、上記1-1)工程で製造した不飽和脂質クロライド誘導体を無水エチルアルコールとアミノ酸を溶解した溶液に加えて4℃で反応させる。ここで、触媒としてピリジンとチオニルクロライド(1:1)を加える。触媒を加えると、溶液に存在する固体粒子が溶解しながらアミノ酸不飽和脂質複合体が形成される。
上記1-3)工程で、上記1-2)工程で製造した反応物が澄んだ状態になった時点で反応を終結した後、この溶液を真空回転蒸発器を使用してエチルアルコールを除去して水を加えて水溶化させた後、凍結乾燥器を使用して水溶性複合体を回収する。
上記2-1)工程で、脂溶性不飽和脂質及び水を温度4℃〜-1℃、より好ましくは4℃に維持して、撹拌速度3,000〜7,000rpm、より好ましくは5,000rpm以上で撹拌しながら水と脂溶性不飽和脂質の完全溶解及び安定性を増大させるために乳化剤を加えて乳化させる。乳化剤を入れると脂質の粒子サイズが小さくなり非常に微細なナノ粒子サイズ(50nm以下)になって界面張力を最小化して反応できる表面積を極大化させることにより反応転換率が99%以上になる。ここで、使用する乳化剤としては、溶液全体重量の1〜3重量%のレシチン、1〜3重量%のショ糖脂肪酸エステル、及び0.02〜0.08重量%のアスコルビン酸が好ましく、溶液全体重量の2重量%のレシチン、2重量%のショ糖脂肪酸エステル、及び0.05重量%のアスコルビン酸を使用することがより好ましい。
上記2-2)工程で、上記2-1)工程で製造した乳化溶液にアミノ酸を徐々に加えて水溶性脂質複合体を製造する。ここで、アミノ酸を徐々に注入する理由は、一度に多量を注入すると急激な反応により反応物の粘度が高くなって円滑な撹拌が不可能になるためである。万一、一度に多量のアミノ酸を注入して反応を進行させると、上記反応物がゼリーのような瞬間的な固形化状態に進行して水溶性脂質状態への完全な転換を誘導することができないため、それによる酸化安定性の欠如による体内の毒性問題を避けることができなくなる。
上記2-3)工程で、上記2-2)で製造した溶液を凍結乾燥器を使用して水溶性脂質複合体を回収する。
本発明による脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法に使用される不飽和脂質は、脂肪酸、中性脂質、脂肪酸エステル、及びステロイド等を含み、この中で脂肪酸は炭素数が10乃至30で、結合数が1乃至6個である不飽和脂肪酸が好ましく、さらに好ましくは、ミリストレイン酸(myristoleic acid)、パルミトレイン酸(palmitoleic acid)、ガンマリノレン酸(γ-linolenic acid)、アルファリノレン酸(α-linolenic acid)、オレイン酸(oleic acid)、リノール酸(linoleic acid)、共役リノール酸(conjugated linoleic acid)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、及び EPA(エイコサペンタエン酸)からなる群から選択された1種以上を含む。本発明で使用される不飽和脂肪酸は、これを含む食品の形態も含む。例えば、上記不飽和脂肪酸は、オレイン酸またはリノール酸を含む一般的な月見草種子油または精製魚油の形態であり得る。
また、脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法に使用されるアミノ酸は、イソロイシン(Isoleucine)、ロイシン(Leucine)、リジン(Lysine)、フェニルアラニン(Phenylalanine)、メチオニン(Methionine)、スレオニン(Threonine)、トリプトファン(Trytophane)、バリン(Valine)からなる必須アミノ酸、及びアラニン(Alanine)、アルギニン(Arginine)、アスパラギン(Asparagine)、シスチン(Cysteine)、グルタミン(Glutamine)、ヒスチジン(Histidine)、プロリン(Proline)、セリン(Serine)、チロシン(Tyrosine)、グリシン(Glycine)からなる非必須アミノ酸の中から選択された1種以上を含み、これに限定されない。
本発明による水溶性複合体の生成をIR分析機を使用して測定した結果、水溶性複合体のカルボキシル基イオン(COO-)のピークが 1560cm-1と 1395cm-1で現われる(図1参照)。
また、本発明による水溶性脂質複合体の過酸化価は、DHAオイル及び従来の方法によって製造した水溶性脂質複合体より低く現われるので、安定性面で優れている(図2参照)。
本発明の脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法は、これらの酸及び塩基性による安全性及び毒性に対する問題点を改善して、既存の方法より、熱、空気及び光のような環境要因に対する安定性を増大させると同時に人体に対する吸収力及び水に対する溶解度を大きく増加させることにより体内服用及び吸収が容易になり、これによって製造された水溶性脂質複合体は、人体注射用、飲食品用、シロップ、水溶性クリーム、ローション等の医薬及び健康食品分野、または機能性化粧品分野等に幅広く適用することができる。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は、本発明をより易しく理解するために提供するものであり、これによって本発明の内容が限定されるものではない。
触媒を使用した脂肪酸から水溶性脂質複合体を製造する方法
1.共役リノール酸クロライド誘導体の製造
共役リノール酸(80%)100gをピリジン50mlに完全溶解させて、4℃の温度でチオニルクロライド50mlを少量ずつ分割注入した。万一、少量ずつ分割注入しない場合は反応が激しく進行して共役リノール酸の酸敗を避けることができない。約40分間チオニルクロライドを分割注入しながら撹拌すると結晶体が形成され、これを常温で約2時間静置させた後、ろ過して共役リノール酸クロライド誘導体を結晶体で得た。
2.グリシン共役リノール酸複合体の製造
上記共役リノール酸クロライド100gを無水エタノール1lとグリシン50gが溶解された溶液に加えて4℃で反応させた。ここで、触媒として、ピリジンとチオニルクロライド(1:1)5mlを加えた。触媒を加えると溶液に存在する固体粒子が溶解されてグリシン共役リノール酸複合体が形成される。上記反応物が澄んだ状態になった時点で反応を終結した後、この溶液を真空回転蒸発器を使用してエチルアルコールを除去して水100mlを加えて水溶化させた後、凍結乾燥器を使用して水溶性複合体143gを回収した。上記水溶性複合体の生成をIR分析機を使用して測定し、結果は図1に示した。
図1に示されたように、本発明による水溶性複合体のカルボキシル基イオン(COO-)のピークが、1560cm-1と 1395cm-1で現われることを確認することができた。
触媒を使用した脂肪酸から水溶性脂質複合体の製造方法
1.DHAクロライド誘導体の製造
共役リノール酸の代りにDHAを使用して上記実施例1の1と同様に製造して、DHAクロライド誘導体を結晶体で得た。
2.リジンDHA複合体の製造
上記実施例1の2でグリシンの代わりにリジンを使用し、ピリジンとチオニルクロライド(1:1) 5mlを3mlにして、上記1で製造したDHAクロライド誘導体を上記実施例1の2と同様に製造して水溶性複合体139gを回収した。
上記水溶性複合体の生成をIR分析機を使用して測定し、結果は図1に示した。
図1に示されたように、本発明による水溶性複合体のカルボキシル基イオン(COO-)のピークが、1560cm-1と1395cm-1で現われることを確認することができた。
乳化剤を使用した脂肪酸から水溶性脂質複合体の他の製造方法
共役リノール酸200gと水1lを温度4℃に維持し、撹拌速度5000rpmで撹拌しながら溶液全体重量の2%のレシチン、2%のショ糖脂肪酸エステル、0.05%のアスコルビン酸を加えて乳化させた。以後、グリシン(100g)とリジン(100g)の混合粉末を徐々に加えて均一相になるまで4℃、5000rpmの反応条件を維持させた。上記反応物が澄んだ状態になった時点で反応を終結した後、この溶液を凍結乾燥器を使用して水溶性複合体393gを回収した。
上記水溶性複合体の生成をIR分析機を使用して測定し、結果は図1に示した。
図1に示されたように、本発明による水溶性複合体のカルボキシル基イオン(COO-)のピークが、1560cm-1と1395cm-1で現われることを確認することができた。
中性脂質から水溶性脂質複合体の製造方法
ボラジ油(ガンマリノール酸20%)100gと、水及びエチルアルコールの重量比が同等な300gを加えて撹拌速度3000rpmで撹拌しながら水酸化ナトリウム40gを加えた。以後、リン酸 60gを加えて形成された二つの相の下層部液を除去後、上層部液にピリジン50mlを加えて、4℃の温度でチオニルクロライド50mlを少量ずつ分割注入した。約40分間チオニルクロライドを分割注入しながら撹拌すると結晶体が形成され、これを常温で約2時間静置させた後、ろ過してガンマリノール酸クロライド誘導体を結晶体で得た。上記ガンマリノール酸クロライド誘導体を1lの無水エチルアルコールに加えて、温度4℃に維持して撹拌速度5000rpmで撹拌しながら溶液全体重量の 2%のレシチン、2%のショ糖脂肪酸エステル、0.05%のアスコルビン酸を加えて固体相を溶液に乳化させた。以後、グリシン、フェニルアラニン、リジン等のアミノ酸混合粉末(それぞれ50g)を徐々に加えて、触媒としてピリジンチオニルクロライド(1:1)混合液10mlを入れた後、均一相になるまで 4℃、5000rpmの反応条件を維持させた。上記反応物が澄んだ状態になった時点で反応を終結した後、この溶液を真空回転蒸発器を使用してエチルアルコールを除去した後、凍結乾燥器を使用して水溶性複合体240gを回収した。
上記水溶性複合体の生成をIR分析機を使用して測定し、結果は図1に示した。
図1に示されたように、本発明による水溶性複合体のカルボキシル基イオン(COO-)のピークが、1560cm-1と1395cm-1で現われることを確認することができた。
実験例:過酸化価の測定方法(AOCS方法)
本発明による水溶性脂質複合体の過酸化価を調べるために、下記の実験を遂行した。
上記実施例1で製造した水溶性脂質複合体2gを250mlの三角フラスコに加えて、アセト酸/クロロホルム(3/2(v/v))混合溶媒20mlを加えて溶解させた。上記溶液に飽和KI溶液0.5mlを加えて暗所で1分間放置した。溶液を暗所から取り出した後、蒸留水20mlを加えた後、澱粉指示薬(Starch indicator)を入れた。0.01N チオ硫酸ナトリウムで紫色が無色になるまで滴定した。過酸化価は、下記数式1で計算した。
結果は、図2に示した。
[数1]
過酸化価(Peroxide Value) = [(S-B)×100]/W
※ S : 試料の滴定値
B : ブランク(blank)の滴定値
W : 試料の量(g)
図2に示されたように、本発明による水溶性脂質複合体の過酸化価は、DHAオイル及び従来の方法によって製造した水溶性脂質複合体より低く現われるので、安定性の面で優れていることが分かる。
本発明の脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法は、これらの酸及び塩基性による安全性及び毒性に対する問題点を改善させ、既存の方法より、熱、空気及び光のような環境要因に対する安定性を増大させると同時に、人体に対する吸収力及び水に対する溶解度を大きく増加させることにより、体内服用及び吸収が容易になるため、本発明の方法で製造した水溶性脂質複合体は人体注射用、飲食品用、シロップ、水溶性クリーム、ローション等、医薬及び健康食品分野、または機能性化粧品分野等に幅広く適用することができる。
本発明による水溶性脂質複合体の生成をIRスペクトルで示した図である。 本発明による水溶性脂質複合体の時間帯別で過酸化価を測定した結果を示した図である。

Claims (9)

1-1):脂溶性不飽和脂質をピリジンに加えて完全溶解させて、ここにチオニルクロライドを分割注入して不飽和脂質クロライド誘導体を製造する工程、
1-2):上記1-1)で製造した不飽和脂質クロライド誘導体を無水エチルアルコールとアミノ酸が溶解されている溶液に加えて、触媒存在下で反応させて水溶性脂質複合体を製造する工程、及び
1-3):上記1-2)で製造した溶液を真空乾燥させてエチルアルコールを除去して、水を加えて水溶化させた後、凍結乾燥器を使用して水溶性脂質複合体を回収する工程からなる
脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法。
2-1):脂溶性不飽和脂質及び水を温度4℃〜-1℃に維持し、撹拌速度3,000〜7,000 rpmで撹拌しながら乳化剤を加えて乳化させる工程、
2-2):上記2-1)工程で製造した乳化溶液にアミノ酸を加えて水溶性脂質複合体を形成する工程、及び
2-3):上記2-2)で製造した溶液を凍結乾燥器を使用して水溶性脂質複合体を回収する工程からなる、脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法。
3-1):脂溶性不飽和脂質、水及びエチルアルコール、水酸化ナトリウム、及びリン酸を加えて二つの相を形成する工程、
3-2):上記3-1)工程で形成された下層部液を除去して、上層部液にピリジンを加えて完全溶解させ、そこにチオニルクロライドを分割注入して不飽和脂質クロライド誘導体を製造する工程、
3-3):上記3-2)工程で製造した不飽和脂質クロライド誘導体を無水エチルアルコールに加えて、温度を4℃〜-1℃に維持して撹拌速度3,000〜7,000rpmで撹拌しながら乳化剤を加えて乳化させる工程、
3-4):上記3-3)工程で製造した乳化溶液にアミノ酸を加えて、触媒存在下で反応させて水溶性脂質複合体を形成する工程、及び
3-5):上記3-4)で製造した溶液を真空乾燥させてエチルアルコールを除去して、水を加えて水溶化させた後、凍結乾燥器を使用して水溶性脂質複合体を回収する工程からなる、脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法。
上記脂溶性不飽和脂質が、脂肪酸、中性脂質、脂肪酸エステル、及びステロイドからなる群から選択されたことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法。
上記脂肪酸が、炭素数10乃至30で、結合数が1乃至6個である不飽和脂質であることを特徴とする、請求項4記載の脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法。
上記脂肪酸が、ミリストレイン酸(myristoleic acid)、パルミトレイン酸(palmitoleic acid)、ガンマリノレン酸(γ-linolenic acid)、アルファリノレン酸(α-linolenic acid)、オレイン酸(oleic acid)、リノール酸(linoleic acid)、共役リノール酸(conjugated linoleic acid)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、及びEPA(エイコサペンタエン酸)からなる群から選択された1種以上を含むことを特徴とする、請求項5記載の脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法。
上記1-2)工程または3-4)工程で触媒が、ピリジンとチオニルクロライドを1:1の割合で混合したことを特徴とする、請求項1または請求項3に記載の脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法。
上記2-1)工程または3-3)工程において乳化剤として、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、及びアスコルビン酸を含むことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法。
上記乳化剤が、溶液全体重量の1〜3重量%のレシチン、1〜3重量%のショ糖脂肪酸エステル、及び0.02〜0.08重量%のアスコルビン酸を含むことを特徴とする、請求項8に記載の脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法。
JP2006105113A 2005-04-11 2006-04-06 脂溶性不飽和脂質を水溶性脂質へ転換する転換率を向上させる方法 Withdrawn JP2006290887A (ja)

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