JP2006290080A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦性の向上を図ることのできる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】カーカス20を、ビードコア11のタイヤ幅方向内方側からタイヤ幅方向外方側に向けて巻き返して形成されるターンアッププライ22と、ビードコア11のタイヤ幅方向外方側でターンアッププライ22と重なるように配設されるターンダウンプライ23とにより構成する。また、2枚のチェーファー30でターンダウンプライ23を挟み込む。これにより、加硫時にターンアッププライ22に張力が発生した場合でも、ターンダウンプライ23及びチェーファー30で、ターンアッププライ22の張力方向のずれを抑制することができる。また、チェーファー30を設けることより、ビードコア11とリム40との間に位置する部分に、ゴム以外の部材を増やすことができる。この結果、ビードコア11とリム40との嵌合力が向上し、操縦性の向上を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。特に、この発明は、操縦性を向上させることのできる空気入りタイヤに関するものである。
従来の空気入りタイヤでは、リムと嵌合する部分であるビード部は、当該空気入りタイヤを装着した車両の走行中に応力が作用し易いため、耐久性を向上させるために様々な手法が用いられている。例えば、特許文献1では、ターンアップさせたカーカス層とターンダウンさせたカーカス層とを設け、ターンダウンさせたカーカス層をテキスタイルコードからなる補強層で挟み込んでいる。これにより、ターンアップ部とターンダウン部とが共に保護されるので、空気入りタイヤの転動時に繰り返し応力が作用することに起因するセパレーションを抑制できる。この結果、ビード部の耐久性を向上させることができる。
特開平4−43101号公報
しかしながら、ターンアップさせたカーカス層は、ビードコアのタイヤ幅方向内方からタイヤ径方向内方、さらに、タイヤ幅方向外方にかけて取り囲むように形成されており、また、当該カーカス層には張力が作用し易くなっている。このため、空気入りタイヤの加硫時に、カーカス層は、当該カーカス層に作用する張力によって張力が作用する方向にずれる虞があった。このように、カーカス層がずれると、加硫終了後のカーカス層の初期張力が小さくなり、操縦性が低下する虞があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操縦性の向上を図ることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ幅方向における両側に位置するそれぞれのサイドウォール部のタイヤ径方向内方にビード部が設けられており、一方の前記ビード部から他方の前記ビード部にかけて配設された複数のカーカスを有する空気入りタイヤにおいて、前記ビード部はビードコアを有しており、前記複数のカーカスのうち、少なくとも1枚の前記カーカスは、前記サイドウォール部方向から前記ビード部に向かう際に前記ビードコアのタイヤ幅方向内方側から前記ビード部に配設され、且つ、前記ビードコアのタイヤ幅方向内方からタイヤ幅方向外方にかけて巻き返されるターンアッププライとして設けられており、前記複数のカーカスのうち、少なくとも1枚の前記カーカスは、前記サイドウォール部方向から前記ビード部に向かう際に前記ビードコアのタイヤ幅方向外方側から前記ビード部に配設されると共に、一部が前記ターンアッププライと重ねられたターンダウンプライとして設けられており、前記ターンダウンプライは、前記ターンアッププライと重ねられている部分の少なくとも一部が2枚の平織り補強層に挟み込まれていることを特徴とする。
この発明では、ターンダウンプライを2枚の平織り補強層で挟み込んでおり、この平織り補強層は、当該平織り補強層を構成する繊維が網目状に交差して形成されているため、表面の摩擦係数が高くなっている。このため、この平織り補強層でターンダウンプライを挟み込むことにより、ターンダウンプライに張力が作用した場合にでも、ターンダウンプライは動き難くなる。
また、ターンアッププライとターンダウンプライとは、ビードコアに対して異なる方向から設けられている。このため、空気入りタイヤの加硫時にターンアッププライとターンダウンプライとの双方に張力が生じた場合には、ターンアッププライとターンダウンプライとが重ねられている部分では、双方の張力の方向は互いに反対方向になる。このため、ターンアッププライは、当該ターンタッププライに生じる張力による加硫時のずれが抑制される。さらに、ターンダウンプライは摩擦係数が高い平織り補強層に挟まれており、張力が作用した場合でも動き難くなっているので、ターンダウンプライと重ねられている部分を有するターンアッププライも動き難くなっている。これにより、加硫時にターンアッププライに張力が作用した場合でも、ターンアッププライがずれることを、より確実に抑制することができ、加硫終了後のターンアッププライの初期張力を確保できる。この結果、操縦性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ターンダウンプライの端部は、ビードヒール部に位置していることを特徴とする。
この発明では、サイドウォール部の方向から設けられるターンダウンプライの端部がビードヒール部に位置しているため、ビードコアのタイヤ径方向内方側にはターンダウンプライは設けられていないことになる。ここで、ターンダウンプライの端部がビードコアのタイヤ径方向内方側に設けられる場合には、当該空気入りタイヤ製造時にその位置が安定しない虞がある。この場合、ビード部とリムとの嵌合力が安定しない虞があるが、この発明では、ターンダウンプライの端部がビードコアのタイヤ径方向内方側に設けられていないため、ビード部とリムとを、より確実に嵌合させることができる。この結果、より確実に操縦性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記2枚の平織り補強層のうち1枚の前記平織り補強層は、重ねられた前記ターンアッププライと前記ターンダウンプライとに挟み込まれていることを特徴とする。
この発明では、2枚の平織り補強層のうち、1枚の平織り補強層をターンダウンプライとターンアッププライとで挟み込んでいる。このため、2枚の平織り補強層とターンアッププライとターンダウンプライとは交互に配置されることになるので、加硫時にターンアッププライやターンダウンプライに張力が作用した場合に、これらが重なっている部分がずれることを、より確実に抑制できる。従って、ターンアッププライに作用する張力によって、当該ターンアッププライが加硫時にずれることを、より確実に抑制することができ、加硫後のターンアッププライの初期張力を、より確実に確保できる。この結果、操縦性の向上を図ることができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、操縦性の向上を図ることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向において赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいう。図1は、この発明に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。この空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外側となる部分に形成されるトレッド部(図示省略)のタイヤ幅方向の端部から、タイヤ径方向における内方側の所定の位置までに、サイドウォール部5が設けられている。つまり、サイドウォール部5は空気入りタイヤ1の2ヶ所に設けられており、タイヤ幅方向における両側に位置している。さらに、それぞれのサイドウォール部5のタイヤ径方向内方側には、ビード部10が設けられている。このビード部10は、サイドウォール部5と同様に当該空気入りタイヤ1の2ヶ所に設けられており、赤道面(図示省略)を対称にして赤道面の反対側にも設けられている。また、ビード部10にはビードコア11が設けられており、ビード部10のタイヤ径方向内方側の部分はビードベース12として形成されている。このビードベース12は、ビードコア11のタイヤ径方向内方側に位置している。
また、前記トレッド部、前記サイドウォール部5及びビード部10には、カーカス20が設けられている。このカーカス20はテキスタイルコードからなる2枚の層、つまり、複数のコードがラジアル方向に沿って形成された2枚のプライ21によって構成されており、2枚のプライ21は、トレッド部の位置では隣接して重なっている。さらに、このカーカス20は、サイドウォール部5におけるトレッド部寄りの位置では、2枚のプライ21が隣接して重なっており、ビード部10に近付くに従って、2枚のプライ21は離間する。この2枚のプライ21のうち、1枚のプライ21は、サイドウォール部5方向からビード部10に向かう際に、ビードコア11のタイヤ幅方向内方側からビード部10に配設されており、このプライ21はターンアッププライ22として設けられている。また、ターンアッププライ22は、ビードコア11のタイヤ幅方向内方からビードコア11のタイヤ径方向内方を通り、さらに、ビードコア11のタイヤ幅方向外方を通っており、その端部はサイドウォール部5方向に位置している。つまり、ターンアッププライ22は、ビード部10で巻き返されている。
また、2枚のプライ21のうちのもう一方のプライ21はターンダウンプライ23として設けられている。このターンダウンプライ23は、サイドウォール部5方向からビード部10に向かう際に、ビードコア11のタイヤ幅方向外方側からビード部10に配設されている。このように、配設されるターンダウンプライ23の端部であるターンダウンプライ端部24は、ビードベース12におけるタイヤ幅方向外方側付近の部分であるビードヒール部13に位置している。
また、ターンダウンプライ23とターンアッププライ22とは、共にビードコア11よりもタイヤ幅方向外方に位置している部分を有しているため、この部分はタイヤ幅方向において重なっている。具体的には、ターンダウンプライ23の方が、ターンアッププライ22よりもタイヤ幅方向外方に位置している。また、これらのターンダウンプライ23とターンアッププライ22とは離間しており、このためターンダウンプライ23とターンアッププライ22とは、離間して重ねられている。
ビード部10には、これらのカーカス20以外に、平織り補強層となるチェーファー30が2枚設けられている。このチェーファー30は、ナイロンなどの有機繊維からなる複数のコードが編み込まれることにより形成されており、このため、有機繊維からなる複数のコードが網目状に交差している。
このように形成される2枚のチェーファー30は、所定の範囲が接触して重なっており、他の部分は離間している。また、このチェーファー30は、ターンアッププライ22の巻き返されている部分に沿って形成されている。具体的には、ターンアッププライ22の巻き返されている部分において、ターンアッププライ22がビードコア11よりもタイヤ幅方向内方に位置している位置では、2枚のチェーファー30は接触して重なった状態でターンアッププライ22よりもタイヤ幅方向内方に位置し、ターンアッププライ22側のチェーファー30はターンアッププライ22に接触している。また、ターンアッププライ22がビードコア11よりもタイヤ径方向内方に位置している位置では、2枚のチェーファー30は接触して重なった状態でターンアッププライ22よりもタイヤ径方向内方に位置し、ターンアッププライ22側のチェーファー30はターンアッププライ22に接触している。
また、ターンアッププライ22がビードコア11よりもタイヤ幅方向外方に位置している位置では、2枚のチェーファー30は共にターンアッププライ22よりもタイヤ幅方向外方に位置しているが、この部分では、2枚のチェーファー30同士は、接触せずに離れている。このように、互いに離れている2枚のチェーファー30は、この位置ではターンアッププライ22よりもタイヤ幅方向外方に位置するターンダウンプライ23を挟み込んでおり、2枚のチェーファー30は共にターンダウンプライ23に接触している。また、ターンダウンプライ23を挟み込んでいる2枚のチェーファー30のうち、タイヤ幅方向内方側に位置するチェーファー30は、この位置ではターンダウンプライ23のタイヤ幅方向内方に位置するターンアッププライ22の、タイヤ幅方向外方側の面に接触している。このため、このチェーファー30は、ターンダウンプライ23とターンアッププライ22とに挟み込まれており、さらに、2枚のチェーファー30とターンアッププライ22とターンダウンプライ23とは、交互に配置されている。また、これにより、ターンアッププライ22とターンダウンプライ23とは、チェーファー30を介して重ねられている。
なお、このチェーファー30の両端部のうち、ビードコア11よりもタイヤ幅方向外方側に位置する部分の端部、即ち、ターンダウンプライ23を挟み込んでいる部分のタイヤ径方向外方部分の端部は、タイヤ径方向における位置が、ビードコア11のタイヤ径方向において最もタイヤ径方向外方に位置する部分から、空気入りタイヤ1をリム40に装着した場合における当該リム40が有するリムフランジ41のタイヤ径方向の最外方に位置する部分までの間に位置するように形成されているのが好ましい。また、チェーファー30の両端部のうち、ビードコア11よりもタイヤ幅方向内方側に位置する部分の端部、即ち、2枚のチェーファー30が互いに接触している側のタイヤ径方向外方部分の端部は、タイヤ径方向における位置が、ビードコア11のタイヤ径方向において最もタイヤ径方向内方に位置する部分から最もタイヤ径方向外方に位置する部分までの間に位置するように形成されているのが好ましい。
カーカス20及びチェーファー30は、ビード部10ではこのように形成されており、カーカス20は、赤道面の反対側に形成されるビード部10にかけて連続して形成されている。また、この赤道面の反対側のビード部10においても、カーカス20のターンアッププライ22、ターンダウンプライ23、及び2枚のチェーファー30は上記と同様な形態で形成されている。
この空気入りタイヤ1は、上述したように構成されており、カーカス20は、両端部付近がタイヤ幅方向の両側に位置するビード部10で固定されている。このため、当該空気入りタイヤ1の製造時における加硫工程では、カーカス20にラジアル方向の張力が発生する。この張力は、ターンアッププライ22及びターンダウンプライ23の双方に発生するが、ターンアッププライ22は、サイドウォール部5方向からビード部10に向かう際にビードコア11のタイヤ幅方向内方側からビード部10に配設され、ビードコア11のタイヤ幅方向内方からタイヤ幅方向外方にかけて巻き返されている。このため、ターンアッププライ22に発生する張力は、ビードコア11のタイヤ幅方向内方側に位置する部分においては、タイヤ径方向内方からタイヤ径方向外方に引っ張られ、ビードコア11のタイヤ幅方向外方側に位置する部分においては、タイヤ径方向外方からタイヤ径方向内方に引っ張られる方向の力となる。
一方、ターンダウンプライ23は、サイドウォール部5方向からビード部10に向かう際にビードコア11のタイヤ幅方向外方側からビード部10に配設されている。さらに、このターンダウンプライ23は、ビードコア11よりもタイヤ幅方向外方側付近の部分が、チェーファー30を介してターンアッププライ22とタイヤ幅方向において重ねられている。このため、ターンダウンプライ23に発生する張力は、ビードコア11のタイヤ幅方向外方側の位置において、タイヤ径方向内方からタイヤ径方向外方に引っ張られる方向の力となる。即ち、ターンダウンプライ23に発生する張力は、ビードコア11よりもタイヤ幅方向外方側付近に位置するターンアッププライ22に対して、当該ターンアッププライ22に発生する張力と反対方向の力で作用する。これにより、ターンアッププライ22が、当該ターンアッププライ22に発生する張力によって加硫時にずれることが抑制される。即ち、ターンアッププライ22とターンダウンプライ23とは、ビードコア11に対して異なる方向から設けられているため、加硫時にターンアッププライ22に張力が生じた場合でも、ビードコア11付近ではターンアッププライ22の張力の方向と異なる方向の張力が生じるターンダウンプライ23によって、ターンアッププライ22がずれることを抑制することができる。
また、ターンダウンプライ23は、2枚のチェーファー30によって挟み込まれている。このチェーファー30は、複数のコードが網目状に交差しているので、表面の摩擦係数が高くなっている。このため、ターンダウンプライ23に張力が発生した場合でも、ターンダウンプライ23のターンダウンプライ端部24付近は動き難くなっている。従って、加硫時にターンアッププライ22に張力が発生した場合でも、ターンダウンプライ端部24付近が動き難くなっているのでターンアッププライ22も動き難くなり、当該ターンアッププライ22がずれることを、より確実に抑制することができる。これにより、加硫終了後のターンアッププライ22の初期張力を確保することができる。さらに、チェーファー30を2枚設けることにより、ビードコア11のタイヤ径方向内方に位置する部分にゴム以外の部材を増やすことができ、ビード部10とリム40との嵌合時にビードコア11とリム40との間の部分にゴム以外の部材を増やすことができる。これにより、嵌合力を向上させることができるので、空気入りタイヤ1を安定してリム40に装着することができる。これらの結果、操縦性の向上を図ることができる。
また、2枚のチェーファー30のうち、1枚のチェーファー30をターンダウンプライ23とターンアッププライ22とで挟み込むことにより、2枚のチェーファー30とターンアッププライ22とターンダウンプライ23とが、交互に配置されている。これにより、加硫時にカーカス20に張力が発生した場合に、ターンアッププライ22とターンダウンプライ23とが重なっている部分がずれることを、より確実に抑制できる。従って、ターンアッププライ22に張力が発生した場合でも、この張力によって当該ターンアッププライ22が加硫時にずれることを、より確実に抑制することができ、加硫後のターンアッププライ22の初期張力を、より確実に確保できる。この結果、より確実に操縦性の向上を図ることができる。
また、ターンダウンプライ端部24が、ビードヒール部13に位置しているため、ビードコア11のタイヤ径方向内方側にはターンダウンプライ23は設けられていないことになる。このため、ターンダウンプライ端部24がビードコア11のタイヤ幅方向外方で、且つ、ビードコア11のタイヤ径方向内方側に位置することにより、ビードコア11のタイヤ径方向内方側にターンダウンプライ23が設けられている場合のように、ビードコア11のタイヤ径方向内方側のターンダウンプライ23の位置が安定せず、ビード部10とリム40との嵌合力が安定しなくなるようなことを抑制できる。これにより、ビード部10とリム40との嵌合力を、より安定させることができる。この結果、より確実に操縦性の向上を図ることができる。
また、チェーファー30のうち、ビードコア11よりもタイヤ幅方向外方に位置している部分の端部のタイヤ径方向における位置を、ビードコア11のタイヤ径方向において最もタイヤ径方向外方に位置する部分から、リムフランジ41におけるタイヤ径方向の最外方に位置する部分までの間に位置するように形成することにより、チェーファー30の端部付近の部材への応力集中を抑制することができる。この結果、破損を抑制し、耐久性の向上を図ることができる。また、チェーファー30は、ビードベース12においてタイヤ幅方向内方に位置する部分であるビードトウ部14の補強も兼ねているので、チェーファー30のうち、ビードコア11よりもタイヤ幅方向内方に位置している部分の端部のタイヤ径方向における位置を、ビードコア11のタイヤ径方向における最外方の位置と最内方の位置との間に位置するように形成することにより、ビードトウ部14を、より確実に補強することができる。
図2は、実施の形態の空気入りタイヤの変形例を示す図である。なお、上述した実施の形態では、ターンダウンプライ23の端部であるターンダウンプライ端部24がビードヒール部13に位置しているが、ターンダウンプライ端部24は、ビードヒール部13以外の部分に位置していてもよい。例えば、図2に示すように、ターンダウンプライ端部24は、ビードトウ部14方向に位置し、ビードコア11のタイヤ径方向内方にターンダウンプライ23が位置していてもよい。ターンダウンプライ端部24がビードヒール部13以外の部分に位置している場合でも、ターンダウンプライ23が2枚のチェーファー30によって挟み込まれ、且つ、ターンダウンプライ23とターンアッププライ22とが重なるように形成されていればよい。これにより、加硫時にカーカス20に張力が発生した場合でも、この張力によるターンアッププライ22の張力方向へのずれを、ターンダウンプライ23で抑制することができる。この結果、加硫後のターンアッププライ22の初期張力を確保することができ、より確実に操縦性の向上を図ることができる。
図3は、実施の形態の空気入りタイヤの変形例を示す図である。また、上述した実施の形態では、ターンアッププライ22とターンダウンプライ23とが共に1枚ずつ設けられているが、これらのターンアッププライ22及びターンダウンプライ23は、共に1枚以外の枚数でもよい。例えば、図3に示すように、ターンアッププライ22とターンダウンプライ23とは、共に2枚ずつ設けてもよい。この2枚のターンダウンプライ23のうちの1枚を2枚のチェーファー30で挟み込むことにより、ターンアッププライ22に発生する張力によって加硫時にターンアッププライ22がずれることを、ターンダウンプライ23で抑制できる。また、ビードコア11よりもタイヤ径方向内方に位置する部分にゴム以外の部材が多くなるので、ビード部10とリム40との嵌合力を、より確実に向上させることができる。この結果、より確実に操縦性の向上を図ることができる。
以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来の空気入りタイヤと本発明の空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、リムずれ、操縦性の2項目について行なった。
試験方法は、195/65R15サイズの空気入りタイヤ1を15×6JJのリム40に組み付けて、空気圧を200kPa(無負荷時)に設定し、この空気入りタイヤ1を車両に装着する。リムずれについては、この車両で時速100km/hから0.8Gの制動を10回繰り返し、その後のリムずれ量を角度で測った。角度が小さい方が、リムずれに対する性能が優れている。操縦性については、上記の車両を走行させ、その際の操縦性をドライバー官能評価によって評価し、後述する従来例の空気入りタイヤ1の操縦性を100とする指数で示した。指数が大きい程、操縦性が優れている。
試験をする空気入りタイヤ1は、従来例が1種類と、本発明が3種類、さらに、本発明と比較する比較例が1種類を、上記の方法で試験する。なお、以下に示すターンアッププライ22、ターンダウンプライ23及びチェーファー30の枚数は、全て一つのビード部10に位置している枚数である。従来例となる空気入りタイヤ1は、ターンアッププライ22及びターンダウンプライ23が共に1枚ずつ設けられている。また、チェーファー30も1枚になっている。また、ターンダウンプライ23の位置は、ビードトウ部14付近に位置している。さらに、チェーファー30とターンダウンプライ23の位置関係は、チェーファー30がターンダウンプライ23の外方に位置している。また、比較例となる空気入りタイヤ1は、ターンアッププライ22が2枚で、ターンダウンプライ23は0枚になっている。また、チェーファー30は1枚になっている。
これに対し、本発明1の空気入りタイヤ1は、ターンアッププライ22及びターンダウンプライ23が共に1枚ずつ設けられている。また、チェーファー30は2枚になっている。また、ターンダウンプライ23の位置は、ビードトウ部14付近に位置している。さらに、チェーファー30とターンダウンプライ23との位置関係は、2枚のチェーファー30がターンダウンプライ23を挟み込んでいる(図2参照)。また、本発明2の空気入りタイヤ1は、本発明1の空気入りタイヤ1と同様にターンアッププライ22及びターンダウンプライ23が共に1枚ずつ設けられており、チェーファー30は2枚設けられている。また、ターンダウンプライ23の位置は、ビードヒール部13付近に位置している。さらに、チェーファー30とターンダウンプライ23との位置関係は、2枚のチェーファー30がターンダウンプライ23を挟み込んでいる(図1参照)。また、本発明3の空気入りタイヤ1は、ターンアッププライ22、ターンダウンプライ23及びチェーファー30が2枚ずつ設けられている。また、ターンダウンプライ23の位置は、ビードヒール部13付近に位置している。さらに、チェーファー30とターンダウンプライ23との位置関係は、2枚のチェーファー30が1枚のターンダウンプライ23を挟み込んでいる(図3参照)。
これらの従来例、比較例及び本発明1〜3の空気入りタイヤ1を上記の方法で評価試験をし、得られた結果を表1−1及び表1−2に示す。これらの表1−1及び表1−2のうち、表1−1は従来例及び比較例の評価試験の結果を表示しており、表1−2は本発明1〜3の評価試験の結果を表示している。
Figure 2006290080
Figure 2006290080
表1−1及に表1−2に示した上記の試験結果で明らかなように、チェーファー30を設けた場合でも、チェーファー30が1枚のみの場合ではビードコア11とリム40との間に位置するゴム以外の部材が少ないため、ビード部10とリム40との嵌合力が弱く、リムずれが生じやすい(従来例)。また、ターンダウンプライ23を設けずにターンアッププライ22を2枚にしてチェーファー30が1枚の場合には、加硫時においてカーカス20に張力が発生した場合に、この張力によるターンアッププライ22のずれを抑制する部材がないので、加硫時にターンアッププライ22にずれが生じ易い。このため、操縦性が低下する虞ある(比較例)。
これに対し、本発明1〜3のように、ターンアッププライ22と共にターンダウンプライ23を設けてこれらの一部が重なるようにし、さらにチェーファー30を2枚設けてこれらのチェーファー30でターンダウンプライ23を挟み込むことにより、加硫時にカーカス20に張力が発生した場合でも、この張力によるターンアッププライ22の張力方向のずれを、ターンダウンプライ23及びチェーファー30で抑制することができる。従って、加硫後のターンアッププライ22の初期張力を確保できる。また、チェーファー30を2枚設けることにより、ビードコア11とリム40との間に位置するゴム以外の部材を多くすることができるので、ビード部10とリム40との嵌合力を向上させることができる。これらの結果、リムずれを低減することができ、操縦性の向上を図ることができる。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、カーカスを有する空気入りタイヤに有用であり、特に、操縦性の向上を図る場合に適している。
この発明に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 実施の形態の空気入りタイヤの変形例を示す図である。 実施の形態の空気入りタイヤの変形例を示す図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
5 サイドウォール部
10 ビード部
11 ビードコア
12 ビードベース
13 ビードヒール部
14 ビードトウ部
20 カーカス
21 プライ
22 ターンアッププライ
23 ターンダウンプライ
24 ターンダウンプライ端部
30 チェーファー
40 リム
41 リムフランジ

Claims (3)

  1. タイヤ幅方向における両側に位置するそれぞれのサイドウォール部のタイヤ径方向内方にビード部が設けられており、一方の前記ビード部から他方の前記ビード部にかけて配設された複数のカーカスを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記ビード部はビードコアを有しており、
    前記複数のカーカスのうち、少なくとも1枚の前記カーカスは、前記サイドウォール部方向から前記ビード部に向かう際に前記ビードコアのタイヤ幅方向内方側から前記ビード部に配設され、且つ、前記ビードコアのタイヤ幅方向内方からタイヤ幅方向外方にかけて巻き返されるターンアッププライとして設けられており、
    前記複数のカーカスのうち、少なくとも1枚の前記カーカスは、前記サイドウォール部方向から前記ビード部に向かう際に前記ビードコアのタイヤ幅方向外方側から前記ビード部に配設されると共に、一部が前記ターンアッププライと重ねられたターンダウンプライとして設けられており、
    前記ターンダウンプライは、前記ターンアッププライと重ねられている部分の少なくとも一部が2枚の平織り補強層に挟み込まれていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ターンダウンプライの端部は、ビードヒール部に位置していることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記2枚の平織り補強層のうち1枚の前記平織り補強層は、重ねられた前記ターンアッププライと前記ターンダウンプライとに挟み込まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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