JP2006289671A - 農業用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 充分な保温性を保持し、かつ、透明性、機械物性及び耐候性にも優れるポリオレフィン系樹脂からなる農業用フィルムを提供する。
【解決手段】 ポリエチレン系樹脂からなる層を少なくとも2層以上有する積層体からなる農業用フィルムであって、前記ポリエチレン系樹脂からなる層の少なくとも1層は、エチレン共重合比率が50〜80モル%以上であるエチレン−ビニルアルコール共重合体を5重量%以上含有する保温層である農業用フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、充分な保温性を保持し、かつ、透明性、機械物性及び耐候性にも優れるポリオレフィン系樹脂からなる農業用フィルムに関する。
農業用ハウスやトンネル等に展張されている農業用フィルムとしては、保温性・耐候性・透明性・作業性に優れていることらから、ポリ塩化ビニル系フィルムが用いられてきた。しかし、ポリ塩化ビニル系フィルムは、使用後の焼却廃棄時に有毒ガスが発生する等、環境面での問題が指摘されている。そこで、近年ではポリ塩化ビニル系フィルムに代えてポリオレフィン系フィルムの使用が急激に増加している。
ポリオレフィン系フィルムは、価格、加工性、機械強度、廃棄処理の容易さ等、ポリ塩化ビニル系フィルムに比べて多くの利点を有する。しかし、農業用フィルムにおいては、昼間太陽熱を吸収して温度が上昇した大地から、夜間輻射熱を外部に散逸させぬよう、熱を吸収・反射して、ハウス内の温度(気温及び地温)を保持する性能、即ち保温性が求められる。ポリオレフィン系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フィルムに比較してこの保温性が劣るという問題点があった。
ポリオレフィン系フィルムの保温性を改善する方法としては、無機充填剤を配合することが広く知られている。例えば、特許文献1には、無機充填剤としてリチウム―アルミニウム複合水酸化物を配合したポリオレフィン系フィルムが開示されており、特許文献2には、無機充填剤としてハイドロタルサイト類を配合したポリオレフィン系フィルムが開示されている。しかしながら、無機充填剤の配合により充分な保温性を発揮させるためには、大量の無機充填剤を配合する必要があり、得られるポリオレフィン系フィルムの透明性や機械物性が低下してしまうという問題があった。また、ハイドロタルサイト等の無機充填剤は酸性物質を吸着する傾向があり、得られるポリオレフィン系フィルムは耐候性が劣るという問題もあった。更に、ハイドロタルサイト等の無機充填剤は、その内部に水分を含有する性質があり、製造時に充分な脱水処理を施さないとフィルム成膜時に気泡が発生する恐れがあることから、脱水処理に非常な労力がかかり製造コストが高くなるという問題もあった。
これに対して、特許文献3には、無機充填剤の代わりにポリビニルアルコール系樹脂の有機充填剤を配合したポリオレフィン系フィルムも提案されている。ポリビニルアルコール系樹脂は水酸基を有していることから、得られるポリオレフィン系フィルムは高い保温性を有することが期待される。しかしながら、ポリビニルアルコール系樹脂はポリオレフィン系フィルムとの相溶性が悪く、透明性を低下させるという問題があった。
特開平09−176390号公報 特開2000−109623号公報 特開2004−10730号公報
本発明は、上記現状に鑑み、充分な保温性を保持し、かつ、透明性、機械物性及び耐候性にも優れるポリオレフィン系樹脂からなる農業用フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、ポリエチレン系樹脂からなる層を少なくとも2層以上有する積層体からなる農業用フィルムであって、前記ポリエチレン系樹脂からなる層の少なくとも1層は、エチレン共重合比率が50%以上であるエチレン−ビニルアルコール共重合体を5重量%以上含有する保温層である農業用フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、エチレン共重合比率が50〜80%モル以上であるエチレン−ビニルアルコール共重合体は、高い保温性を有するとともに、他のポリオレフィン系フィルムとの相溶性にも優れ、他のポリオレフィン系フィルムと併用した場合にでも高い透明性が得られることを見出した。
従来、これほどにエチレン共重合比率の高いエチレン−ビニルアルコール共重合体自体存在しないかったが、本発明者らは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、水及び/又はアルコールとを混合し、超臨界状態又は亜臨界状態の流体中で反応させることにより得られることを見出した。
本発明の農業用フィルムは、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含有する保温層を有する。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン共重合比率の下限が50モル%、上限が95モル%である。50モル%未満であると、フィルムの成形性が劣り、また、他のポリオレフィン系フィルムと併用した場合に相溶性が劣り高い透明性が得られない。95モル%を超えると、保温性の向上効果が得られない。好ましい下限は60モル%、好ましい上限は90モル%である。
なお、上記保温層が上記エチレン−ビニルアルコール共重合体のみで構成される場合には、エチレン共重合比率は60モル%以上であることが好ましく、さらに好ましくは80モル%以上である。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物が用いられる。用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体は、ケン化度が80モル%以上であること好ましい。80モル%未満であると、得られるエチレン−ビニルアルコール共重合体の保温性が不充分となることがある。より好ましくは85モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、水及び/又はアルコールとを混合し、超臨界状態又は亜臨界状態の流体中で反応させることにより得ることができる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、驚くべきことに超臨界状態又は亜臨界状態の流体中で反応させた場合には、無溶媒系又は無溶媒系に近い条件下であっても極めて高い効率でエチレン−酢酸ビニル共重合体の加水分解又はアルコシド分解が起こり、エチレン−ビニルアルコール共重合体が得られることを見出した。
本明細書において、超臨界流体とは、臨界圧力(以下、Pcともいう)以上、かつ臨界温度(以下、Tcともいう)以上の条件の流体を意味する。また、亜臨界流体とは、超臨界状態以外の状態であって、反応時の圧力、温度をそれぞれP、Tとしたときに、0.5<P/Pc<1.0かつ0.5<T/Tc、又は、0.5<P/Pcかつ0.5<T/Tc<1.0の条件の流体を意味する。上記亜臨界流体の好ましい圧力、温度の範囲は、0.6<P/Pc<1.0かつ0.6<T/Tc、又は、0.6<P/Pcかつ0.6<T/Tc<1.0である。ただし、流体が水である場合には、亜臨界流体となる温度、圧力の範囲は、0.5<P/Pc<1.0かつ0.5<T/Tc、又は、0.5<P/Pcかつ0.5<T/Tc<1.0である。なお、ここで温度は摂氏を表すが、Tc又はTのいずれかが摂氏ではマイナスである場合には、上記亜臨界状態を表す式はこの限りではない。
上記流体としては特に限定されないが、水やアルコール等の有機媒体等の常温常圧で液体であるものであってもよいし、二酸化炭素、窒素、酸素、ヘリウム、アルゴン、空気等の常温常圧で気体であるものであってもよいし、また、これらの混合流体であってもよい。なかでも、二酸化炭素は、比較的容易に超臨界状態又は亜臨界状態にできることに加え、超臨界状態又は亜臨界状態では液体状に近く上記混合物の混練に適し、解圧することにより容易に気化して除去することができることから、好適である。
また、上記流体には、従来公知の酸塩基触媒を添加してもよい。
上記反応の方法としては特に限定されず、上記混合物を入れた耐圧容器中に超臨界状態又は亜臨界状態にある流体を流入させてもよいが、超臨界押出機を用いて押出成型を行う等の、連続的な生産方法が好ましい。また、予め原料となるエチレン−酢酸ビニル共重合体を水又はアルコールに膨潤させておき、通常の押出混練過程を行うことで水/又はアルコールを超臨界又は亜臨界状態にすることで反応を行ってもよい。
上記保温層における上記エチレン−ビニルアルコール共重合体の配合量の下限は5重量%である。5重量%未満であると、充分な保温性向上効果が得られない。配合量の上限については特に限定されず、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体のみからなっていてもよい。
上記保温層における上記エチレン−ビニルアルコール共重合体以外の成分としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の従来から農業用フィルムに使用されているポリエチレン系樹脂が好適である。これらのポリエチレン系樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記ポリエチレン系樹脂の中でも、ポリエチレン樹脂(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)、エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる)、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、より好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合体である。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン共重合比率が高いことから、これらのポリエチレン系樹脂との相溶性に優れ、これらのポリエチレン系樹脂との混合樹脂フィルムも高い透明性を発揮することができる。
本発明の農業用フィルムは、上記保温層と、上記保温層を挟持するエチレン−ビニルアルコール共重合体以外のポリエチレン系樹脂からなる層との少なくとも3層を有する積層体であることが好ましい。上記保温層は、通常のポリエチレン系樹脂フィルムに比べると耐水性が劣るため、保温層が直接風雨にさらされると劣化が促進され、耐久性が低下することがある。また、フィルム成形時においても、巻き取る際にブロッキングを起こす可能性があり、生産性の面でも問題がある。上記保温層を2層のエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有しないポリエチレン系樹脂で挟持したサンドウィッチ構造とすることにより、高い耐候性や生産性を実現することができる。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体以外のポリエチレン系樹脂としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の従来から農業用フィルムに使用されているポリエチレン系樹脂が好適である。これらのポリエチレン系樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記ポリエチレン系樹脂の中でも、ポリエチレン樹脂(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)、エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる)、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、より好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合体である。
本発明の農業用フィルムは、本発明の目的を阻害しない範囲でその他にも、印刷層等の層を有してもよい。
本発明の農業用フィルムは、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じていずれかの層又は全ての層に、ヒンダードアミン系光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外製吸収剤、防霧剤、滑剤、顔料等の添加剤を含有してもよい。
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては特に限定されず、例えば、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−[(1,1,3,3‐テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル] [(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]等が挙げられる。これらのヒンダードアミン系光安定剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記熱安定剤としては特に限定されず、例えば、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤、有機亜燐酸エステル等のキレーターが挙げられる。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤、有機亜燐酸エステル等のキレーターが挙げられる。これらの酸化防止剤は、熱安定剤としての効果をも兼ね備えるものが多い。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート系等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等が挙げられる。
上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ‐3’−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記防霧剤としては特に限定されず、例えば、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤が挙げられる。
上記滑剤としては特に限定されず、例えば、ステアリン酸アマイド等の飽和脂肪酸アマイド、エルカ酸アマイド、オレイン酸アマイド等の不飽和脂肪酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等のビスアマイド等が挙げられる。
本発明の農業用フィルムは、農業用ハウス等に展張する際にその内面に結露した水滴を流滴させる目的で、いずれかの層又は全ての層に防曇剤を練りこんだり、又は、最内面に防曇性被膜を形成させたりしてもよい。
上記いずれかの層又は全ての層に練りこむ防曇剤としては特に限定されないが、例えば、グリセリンステアリン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル、ソルビトールステアリン酸エステル等の多価アルコール飽和脂肪酸エステル;グリセリンオレイン酸エステル、ジグリセリンオレイン酸エステル等の多価アルコール不飽和脂肪酸エステル等が好適に用いられる。
上記最内面に形成する防曇性被膜としては特に限定されず、例えば、コロイダルシリカやコロイダルアルミナに代表される無機酸化ゾルのコーティング膜;無機酸化物ゾルと有機化合物(界面活性剤や樹脂等)等のコーティング膜;界面活性剤を主成分とする液のコーティング膜;ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、多糖類、ポリアクリル酸等の親水性樹脂を主成分とする膜等が挙げられる。
本発明の農業用フィルムの厚さの好ましい下限は20μm、好ましい上限は300μmである。20μm未満であると、必要な機械的強度が得られないことがあり、300μmを超えると、裁断、接合、展張作業等が困難になり取扱い性が低下することがある。より好ましい下限は50μm、より好ましい上限は200μmである。
本発明の農業用フィルムの製造方法としては特に限定されず、例えば、多層インフレーション法、多層Tダイ法、多層ラミネート法、カレンダー法等の従来公知の方法により製造することができる。
本発明の農業用フィルムは、上述の構成からなることにより充分な保温性を保持し、かつ、透明性、機械物性及び耐候性にも優れる。
なお、フィルムの保温性は、一般に赤外線吸収率が高いほど大きくなることから、赤外線吸収率を保温性の指標とすることができる。農業用フィルムとして好ましい保温性を発揮するためには、赤外線吸収率の好ましい下限は88%であり、より好ましい下限は90%である。
本発明の農業用フィルムは、例えば、園芸施設ハウス、トンネル等の被覆フィルムとして好適である。また、園芸施設ハウス、トンネル等内に設置する内張りカーテンとしても好適に用いることができる。
本発明によれば、充分な保温性を保持し、かつ、透明性、機械物性及び耐候性にも優れるポリオレフィン系樹脂からなる農業用フィルムを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(エチレン−ビニルアルコール共重合体の調整)
エチレン共重合比率が81モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製、エバフレックスEV460)100重量部と、蒸留水200重量部とを超臨界押出機に仕込み、200℃、15MPaの二酸化炭素を送り込みながら混練した後、厚さ100μmのシート状にして大気中に押し出した。得られたシートを構成するエチレン−ビニルアルコールの共重合体について、1H−NMR法により分析を行ったところ、酢酸ビニル共重合比率が0.19モル%、ビニルアルコール共重合比率が18.81モル%であり、また、エチレン共重合体比率は原料と同様の81モル%、ケン化度は99モル%であった。このエチレン−ビニルアルコール共重合体をEVOH(1)とした。
エチレン共重合比率が81モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製、エバフレックスEV460)100重量部と、蒸留水200重量部とを超臨界押出機に仕込み、200℃、15MPaの二酸化炭素を送り込みながら混練した後、厚さ100μmのシート状にして大気中に押し出した。得られたシートを構成するエチレン−ビニルアルコールの共重合体について、1H−NMR法により分析を行ったところ、酢酸ビニル共重合比率が3.8モル%、ビニルアルコール共重合比率が15.2モル%であり、また、エチレン共重合体比率は原料と同様の81モル%、ケン化度は80モル%であった。このエチレン−ビニルアルコール共重合体をEVOH(2)とした。
エチレン共重合比率が67モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製、エバフレックスEV150)100重量部と、蒸留水200重量部とを超臨界押出機に仕込み、200℃、15MPaの二酸化炭素を送り込みながら混練した後、厚さ100μmのシート状にして大気中に押し出した。得られたシートを構成するエチレン−ビニルアルコールの共重合体について、1H−NMR法により分析を行ったところ、酢酸ビニル共重合比率が0.33モル%、ビニルアルコール共重合比率が32.67モル%であり、また、エチレン共重合体比率は原料と同様の67モル%、ケン化度は99モル%であった。このエチレン−ビニルアルコール共重合体をEVOH(3)とした。
エチレン共重合比率が67モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製、エバフレックスEV150)100重量部と、蒸留水200重量部とを超臨界押出機に仕込み、200℃、15MPaの二酸化炭素を送り込みながら混練した後、厚さ100μmのシート状にして大気中に押し出した。得られたシートを構成するエチレン−ビニルアルコールの共重合体について、1H−NMR法により分析を行ったところ、酢酸ビニル共重合比率が6.6モル%、ビニルアルコール共重合比率が26.4モル%であり、また、エチレン共重合体比率は原料と同様の67モル%、ケン化度は80モル%であった。このエチレン−ビニルアルコール共重合体をEVOH(4)とした。
エチレン共重合比率が90モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製、エバフレックスP1007)100重量部と、蒸留水200重量部とを超臨界押出機に仕込み、200℃、15MPaの二酸化炭素を送り込みながら混練した後、厚さ100μmのシート状にして大気中に押し出した。得られたシートを構成するエチレン−ビニルアルコールの共重合体について、1H−NMR法により分析を行ったところ、酢酸ビニル共重合比率が0.1モル%、ビニルアルコール共重合比率が9.9モル%であり、また、エチレン共重合体比率は原料と同様の90モル%、ケン化度は99モル%であった。このエチレン−ビニルアルコール共重合体をEVOH(5)とした。
(実施例1〜6)
表1に示した配合組成の3種の樹脂組成物を、各々別々の押出し機に投入して混練した後、(A)層、(B)層、(C)層の厚み比が、1:7:2となるようにインフレーション法で三層共押出成形し、(A)層、(B)層および(C)層の順で積層された、総厚み150μmの三層積層体からなる農業用フィルムを得た。
(比較例1〜7)
表2に示した配合組成の3種の樹脂組成物を、各々別々の押出し機に投入して混練した後、(A)層、(B)層、(C)層の厚み比が、1:7:2となるようにインフレーション法で三層共押出成形し、(A)層、(B)層および(C)層の順で積層された、総厚み150μmの三層積層体からなる農業用フィルムを得た。
(評価)
実施例1〜6及び比較例1〜7で作製した農業用フィルムについて、下記の方法により破断点強度、引裂強度、ヘーズ値、保温性を測定した。
結果を表1、2に示した。
(破断点強度)
テンシロン引張試験機(東洋精機製作所社製)を用いてJIS K 6781に準拠した方法により測定した。
(引裂強度)
エルメンドルフ引裂強度測定機(東洋精機製作所社製)を用いてJIS K 7128に準拠した方法により測定した。
(透明性)
作製直後のフィルムのヘーズ値を、ヘーズ測定機(MDH2000、日本電色工業社製)により測定し、透明性の指標とした。
(保温性)
赤外線分光光度計(FT/IR−410、日本分光社製)を用いて赤外線吸収率を測定し、これを保温性の指標とした。
Figure 2006289671
Figure 2006289671
本発明によれば、充分な保温性を保持し、かつ、透明性、機械物性及び耐候性にも優れるポリオレフィン系樹脂からなる農業用フィルムを提供することができる。

Claims (2)

  1. ポリエチレン系樹脂からなる層を少なくとも2層以上有する積層体からなる農業用フィルムであって、前記ポリエチレン系樹脂からなる層の少なくとも1層は、エチレン共重合比率が50〜80モル%以上であるエチレン−ビニルアルコール共重合体を5重量%以上含有する保温層であることを特徴とする農業用フィルム。
  2. エチレン−ビニルアルコール共重合体を5重量%以上含有する保温層と、前記保温層を挟持するエチレン−ビニルアルコール共重合体以外のポリエチレン系樹脂からなる層との少なくとも3層を有する積層体からなることを特徴とする請求項1記載の農業用フィルム。
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