JP2006289436A - 線材の圧延方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製品の寸法精度を向上させるために、仕上げ圧延機の後段側に最終圧延機を配置して線材圧延を行なう場合に、圧延材の表面疵、およびコブルの発生を防止して安定して高寸法精度を実現できる線材の圧延方法を提供することである。
【解決手段】仕上げ圧延機(ブロックミル)4の後段側に、最終仕上げ圧延機5としてサイジングミルを備えた線材圧延ラインで、最終仕上げ圧延機5の、入側および出側の被圧延材11の速度V0およびV1をレーザードップラ速度計10a、10bで実測して速度比率V1/V0を、同一仕上げ孔型を用いた被圧延材間で一定に保つように、仕上げ圧延機4または仕上げ圧延機4の前段側圧延機3bのロール隙を調節し、最終仕上げ圧延機5内での減面率の変動を抑制するようにしたのである。それにより、最終仕上げ圧延機5内での被圧延材11の振動を防止でき、振動に伴なう表面疵およびコブル発生を回避できる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、線材、棒鋼の仕上げ圧延工程での表面疵およびコブルの発生を防止して、安定した高寸法精度圧延を実現するための圧延方法に関する。
線材および棒鋼(バーインコイル、以下、まとめて線材と記す)は、図5にレイアウトの1例を示すように、加熱炉1で加熱されたビレット(被圧延材)は、粗圧延機2、中間圧延機3a、3bで圧延された後、仕上げ圧延機4および最終仕上げ圧延機5で圧延されて所望の線径に仕上げられ、巻取り機6でループ状に巻取られる。仕上げ圧延機4にはブロックミルが、最終仕上げ圧延機5には、サイジングミル(サイジング用ブロックミル)がそれぞれ採用され、例えば、仕上げ線径がφ5.5mmの場合、仕上げ圧延機4の出側で60m/s、最終仕上げ圧延機5の出側で100/s程度の高速圧延がなされている。
前記ブロックミルは、周知のように、通常可変速電動機を備えた共通駆動装置で複数のロールスタンドが駆動されるコンパクト圧延機であり、このブロックミルでは各スタンドのロール回転数を個別に調整できないため、各ロールスタンド間に張力が発生するようにロール孔型設計、即ちパススケジュールが設計されている。このブロックミル内のロールスタンド間で張力を発生させる孔型設計は、スタンド間で被圧延材に圧縮力が作用すると被圧延材に振動が発生し、ロール入側および出側のガイド等と接触して表面疵が発生すること、および振動によりロール入側で被圧延材を保持するローラーガイドのローラー間隙が開くことにより、コブルが発生すること等を回避するためである。
近年、製品の寸法精度(仕上げ線径の寸法精度)を向上させるために、図1に示したように、従来から採用されている仕上げ圧延機4(ブロックミル)の後段に、最終仕上げ圧延機5として、低減面率の圧延を可能とするサイジング(精密圧延)機構を備えた圧延機(サイジングミル)が配置されるようになった。例えば、特許文献1には、図6に示すように、被圧延材11のパスラインを挟んで対向する一対の圧延ロール12、12を備えた複数の圧延機14を直列に多段配置した仕上げ圧延機(ブロックミル)16の後段側(下流側)に、一対の圧延ロール24、24を備えたロールスタンド26、28からなる前段側圧延機18と、同様に一対の圧延ロール24、24を備えたロールスタンド30、32からなる後段側圧延機20をタンデム配列した最終仕上げ圧延機(サイジングミル)22が配置されている。そして、この最終仕上げ圧延機(サイジングミル)22で、前段側圧延機18では、減面率が16%以上で、寸法公差が±1%以内になるように圧延を行ない、後段側圧延機22では、減面率が10%以下となるような低減面率圧延を実施する精密圧延方法が開示されている。また、特許文献2には、図7に示すように、電動機35、36、37により共通駆動されるブロックミル型式の多段ロールスタンド31、32、33の、仕上げ前ロールスタンド31入側、前記ロールスタンド31と32の間、および最終仕上げロールスタンド33の出側にレーザードップラ速度計38、39、40をそれぞれ配置して、前記多段ロールスタンド31、32、33の挿入側および抽出側の被圧延材11の速度を実測し、この速度情報を入力した調節計41から電動機35、36、37に指令を出して、ロールスタンド31、32、33のロール回転速度を制御する技術が開示されている。被圧延材11の実測速度に基づくことにより、ロール摩耗や被圧延材の鋼種変更等があっても常に正確な速度制御が可能となり、線材、棒鋼の品質を向上に有益な効果をもたらことが述べられている。
特開2004−358515号公報 特開2004−74228号公報
前記最終仕上げ圧延機としてサイジングミルを配置した場合、通常、仕上げ圧延機4の出側の1つの圧延材寸法(線径)に対して、最終仕上げ圧延機内での断面減少率を変化させて幾つかの仕上げ線径の製品を圧延することにより、仕上げ圧延機4の出側までのロール孔型の共通使用化を拡大したパススケジュールの統合が行なわれている。このため、最終仕上げ圧延機5の場合に比べて、仕上げ圧延機4の最終パスのロール孔型あたりの圧延トン数は大幅に多くなっており、ロール孔型の摩耗により、仕上げ圧延機4の出側の圧延材寸法は、圧延トン数の増加に伴って徐々に大きくなってくる。
前記仕上げ圧延機4の出側の圧延材寸法、即ち最終仕上げ圧延機5の入側の圧延材寸法が大きくなると、通常は最終仕上げ圧延機5の出側の圧延材寸法(仕上げ線径)も大きくなる。しかし、最終仕上げ圧延機5にサイジングミルを配置した場合には、このサイジングミルでは、圧延材の断面形状を整えるだけの極低減面率の圧延が行なわれるだけであるため、入側の圧延材寸法が変動しても、仕上げ線径、即ち製品の寸法精度は大きくは変動しないという特徴がある。また、孔型摩耗のほかに、被圧延材の種類(鋼種)や圧延温度が変化しても、最終仕上げ圧延機5の入側の圧延材寸法は変動するが、上述の理由により、製品の寸法精度に大きな変動は生じない。このように、最終仕上げ圧延機5の入側の圧延材寸法の変動が製品の寸法精度に大きな変動を及ぼさないことが、サイジングミルの1つの利点である。
しかし、最終仕上げ圧延機入側の圧延材寸法の変動は、最終仕上げ圧延機内のロールスタンド間の張力には大きな影響を及ぼす。製品の寸法管理は、最終仕上げ圧延機出側の圧延材寸法(仕上げ線径)の実測により行なうものであるため、仕上げ線径が目標寸法精度内に収まっている場合には、最終仕上げ圧延機のロール隙や入側の圧延材寸法等の調整は行なわないのが通常である。このため、サイジングミルでは、最終仕上げ圧延機の入側圧延材の寸法が変動しても、出側圧延材寸法(製品寸法)の変動が小さいために、前記調整は実施されないことが多く、スタンド間張力が不適正となって、前述のように、表面疵やコブルが発生することがある。
前記特許文献1で開示された精密圧延方法では、図6に示した、最終仕上げ圧延機22の前段側圧延機18と後段側圧延機20との間のスタンド間(圧延機間)張力については何も記載されていない。また、ロール回転数等初期設定の段階で適正張力であったとしても、最終仕上げ圧延機22入側の被圧延材の寸法変動により、前記スタンド間張力も変動するため、表面疵やコブル等の発生を招く虞は解消しない。また、特許文献2に開示された圧延装置の制御方法では、多段ロールスタンド31、32、33の各ロールスタンドは、電動機35、36、37によってそれぞれ共通駆動されており、各ロールスタンドのロール回転数の比率は、予め、増速比(圧延による断面減少に伴って圧延速度が増加する比率)によって固定されているため、ドップラー速度計38、39、40による被圧延材の実測速度に基づいて調節計41を介して、多段ロールスタンド31、32、33毎にロール回転速度を制御しても、最終仕上げ圧延機の前段側圧延機および後段側圧延機に相当する多段ロールスタンド32、33内の各ロールスタンド32a、32b、33a〜33dの回転数を個別に制御できず、従って、これらの各スタンド間張力の制御も行なうことができない。このため、前述のように、前記最終仕上げ圧延機の前段側圧延機入側または後段側圧延機入側での圧延材の寸法変動に伴う振動を回避できず、表面疵やコブル等の発生を招く虞は解消しない。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、製品の寸法精度を向上させるために、仕上げ圧延機(ブロックミル)の後段に最終仕上げ圧延機(サイジングミル)を配置して線材圧延を行なう場合に、前記最終仕上げ圧延機での圧延過程で、圧延材の表面疵、およびコブルの発生を防止して安定して高寸法精度を実現できる線材の圧延方法を提供することである。
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
即ち、請求項1に係る線材の圧延方法は、仕上げ圧延機の後段側に、最終仕上げ圧延機を備えた熱間圧延ラインでの線材の圧延方法であって、前記最終仕上げ圧延機の同一の仕上げ孔型での圧延で、前記最終仕上げ圧延機の、入側の圧延速度V0と出側の圧延速度V1との速度比率V1/V0を被圧延材間で一定に保って、前記最終仕上げ圧延機での被圧延材の断面減少率の変動を抑制するようにしたことを特徴とする。
上記最終仕上げ圧延機として設置されるサイジングミルでは、被圧延材の断面形状を整えるだけの極低減面率の圧延が行なわれるだけであるため、入側の被圧延材の寸法が変動しても、仕上げ線径、即ち製品の寸法は殆んど変化しない。このことは、最終仕上げ圧延機内での被圧延材の減面率が変化していることを意味し、このような減面率の変化が発生すると、最終仕上げ圧延機内のロールスタンド間張力が不適正となって、前述のように、表面疵やコブルが発生することがある。最終仕上げ圧延機内での減面率Rは、この圧延機入側および出側の被圧延材の断面積A0およびA1を用いて、R=(A0−A1)/A0=1−A1/A0により算出されるが、被圧延材の断面積をオンラインで測定することは困難である。いま、被圧延材の圧延機入側および出側の断面積をA0およびA1とすると、圧延過程での質量速度一定の関係から、A0×V0=A1×V1、即ちA0/A1=V1/V0が成立する。従って、減面率Rは、R=1−V1/V0となり、圧延機入側および出側の圧延速度、即ち被圧延材の速度V0、V1を求めて、その比率V1/V0が一定となるようにすれば、最終仕上げ圧延機内での減面率を一定に、即ち減面率の変動を抑制することができ、被圧延材の振動を防止することができる。なお、前記速度比率V1/V0を一定にするその目標速度比率は、孔型圧延スケジュールから予め設定することができる。
請求項2に係る線材の圧延方法は、前記仕上げ圧延機のロール隙を調節することにより、前記最終仕上げ圧延機の入側の被圧延材の断面積を調整して、前記速度比率V1/V0を一定に保つことを特徴とする。
前記速度比率V1/V0が一定になるように制御するためには、V1/V0=A0/A1の関係式が成り立ち、最終仕上げ圧延機出側の被圧延材の断面積A1は一定であるため、最終仕上げ圧延機入側の被圧延材の断面積A0を調整すればよいことがわかる。この被圧延材の入側断面積A0は、仕上げ圧延機のロール隙を調節することによって調整可能である。
請求項3に係る線材の圧延方法は、前記仕上げ圧延機の前段側に設置された圧延機のロール隙を調節することにより、前記最終仕上げ圧延機の入側の被圧延材の断面積を調整して、前記速度比率V1/V0を一定に保つことを特徴とする。
前記最終仕上げ圧延機入側の被圧延材の断面積A0は、仕上げ圧延機の前段側に設置された圧延機のロール隙を調節して、この仕上げ圧延機入側の被圧延材の断面積を変更することによっても調整可能である。
請求項4に係る線材の圧延方法は、前記最終仕上げ圧延機の、入側の圧延速度V0および出側の圧延速度V1をレーザードップラ速度計で実測し、この実測した圧延速度V0およびV1を用いて、前記速度比率V1/V0が一定となるように、前記仕上げ圧延機または、この仕上げ圧延機の前段側に設置された圧延機のロール隙を調整することを特徴とする。
このように、最終仕上げ圧延機の被圧延材の速度を実測することにより、精度よく速度比率V1/V0を求めることができ、予め設定した目標速度比率との偏差を補正する、最終仕上げ圧延機入側の被圧延材の正確な調整指標を得ることができる。
この発明では、仕上げ圧延機(ブロックミル)の後段側に最終仕上げ圧延機(サイジングミル)を備えた熱間圧延ラインでの線材の圧延で、最終仕上げ圧延機の同一の仕上げ孔型での圧延で、前記最終仕上げ圧延機の、入側の被圧延材の速度V0と出側の被圧延材の速度V1との速度比率V1/V0を被圧延材間で一定に保って、最終仕上げ圧延機でのロールスタンド間張力の変動に伴う被圧延材の振動を防止するようにしたので、ロール入側および出側のガイド等と接触して表面疵が発生すること、および振動に起因したコブルが発生等のトラブルを回避し、安定した高寸法精度圧延が実現される。それによって、製品品質および圧延能率の向上がもたらされる。
以下に、この発明の実施形態を添付の図1から図5に基づいて説明する。
図1は、図5に示した線材圧延ラインの仕上げ圧延機列のレイアウトを示したものである。仕上げ圧延機4として、複数(実施形態では8台)のロールスタンド8a〜8gを、交互に90°ロール軸を傾けて配置したブロックミルが設置され、仕上げ圧延機4の後段側、即ち圧延方向の下流側に最終仕上げ圧延機5として、複数(実施形態では4台)のロールスタンド9a〜9dを、交互に90°ロール軸を傾けて配置したサイジング用ミルが設置されている。仕上げ圧延機4の前段側、即ち圧延方向の上流側には、交互に水平、垂直に配置された中間圧延機3bが設置されている。最終仕上げ圧延機5の入側および出側には、レーザードップラ速度計10a、10bが配置され、最終仕上げ圧延機5への、被圧延材11の入側速度V0および出側速度V1が実測して、速度比率F(F=V1/V0)を求めることができる。
前述のように、最終仕上げ圧延機5内での被圧延材の振動を防止するためには、最終仕上げ圧延機5での減面率R(R=1−A1/A0)の変動を抑制して、最終仕上げ圧延機5内のロールスタンド間張力を適正に保つ必要がある。そのためには、最終仕上げ圧延機5の出側の被圧延材11の断面積A1、即ち製品断面積A1は一定であるため、前記速度比率Fが、予め孔型圧延スケジュールにより設定した一定の目標速度比率Faになるように、最終仕上げ圧延機5の入側の被圧延材の断面積A0を調整する必要がある。この被圧延材の入側断面積A0の調整は、仕上げ圧延機4の、少なくとも最後のロールスタンド8gのロール隙を調節することにより、または、仕上げ圧延機4の前段側の圧延機(図1に示した中間圧延機3b)の少なくとも最後のロールスタンド3bfのロール隙を調節して仕上げ圧延機4の入側寸法を調整することにより、可能である。さらに、仕上げ圧延機4の最初のロールスタンド8aのロール隙を調節することよっても、最終仕上げ圧延機5の入側の被圧延材の断面積A0を調整することが可能である。
図2は、仕上げ圧延機4の最後のロールスタンド8gのロール隙の調整量ΔG1と速度比率変動量ΔF(ΔF=Δ(V1/V0))との関係を模式的に示したものである。横軸の仕上げ圧延機4の前段側圧延機のロール隙調整量ΔG1は、仕上げ圧延機4の最後のロールスタンド8gのロール隙調整量を表し、縦軸の速度比率変動量ΔFは、レーザードップラ速度計10a、10bにより実測した被圧延材11の、最終仕上げ圧延機5の入側速度V0および出側速度V1から求めた速度比率F(=V1/V0)と、孔型圧延スケジュールから予め設定した前記入側速度V0Sおよび出側速度V1Sから求めた目標速度比率Fa(Fa=V1S/V0S)との差(F−Fa=V1/V0−V1S/V0S)である。被圧延材の速度およびロール隙調節量の実測により、ΔG1と速度比率変動量ΔFとの関係を予め求めておくことにより、速度比率Fが目標速度比率Faから変動した場合のロール隙の調節量ΔG1が求まり、この速度比率変動量ΔFをフィードバックすることにより、速度比率Fを一定に保つことが可能となる。従って、このロール隙調節によって最終仕上げ圧延機5入側の被圧延材の断面積A0が調整されて、同圧延機5での減面率を一定に保つことができる。なお、前記仕上げ圧延機4の最後のロールスタンド8gの孔型摩耗により、仕上げ圧延機4の被圧延材の断面積、従って、最終仕上げ圧延機5入側の被圧延材の断面積A0は、圧延の進行とともに大きくなる傾向にあるため、この入側の被圧延材の速度V0は小さくなる傾向にある。通常、最終仕上げ圧延機5出側の被圧延材の速度V1(仕上げ圧延速度)は一定であるため、前記速度比率Fは大きくなる傾向にあり、速度比率変動量ΔFも大きくなる傾向にある。このため、速度比率変動量ΔFは、通常、正の値をとり、ロール隙調節量ΔG1は、圧下による調節量を示す。
図3は、仕上げ圧延機4の前段側圧延機(中間圧延機3b)の最後のロールスタンド3bfのロール隙の調節量ΔG0と前記速度比率変動量ΔF(=Δ(V1/V0))との関係を模式的に示したものである。横軸の仕上げ圧延機4の前段側圧延機のロール隙調整量ΔG0は、中間圧延機3bの最後のロールスタンド3bfのロール隙調整量を、縦軸の速度比率変動量ΔFは、図2の場合と同様である。実測により、このΔG0とΔFとの関係を予め求めておくことにより、速度比率F(=V1/V0)が目標速度比率Fa(=V1S/V0S)から変動した場合の前記前段側圧延機のロール隙調節量ΔG0が求まり、速度比率Fを一定に保つことができる。従って、このロール隙調節によって仕上げ圧延機4の入側の被圧延材の断面積を変更することにより、最終仕上げ圧延機5入側の被圧延材の断面積A0が調整されて、最終仕上げ圧延機5での減面率を一定に保つことができる。なお、図2の場合と同様に、速度比率変動量ΔFは、通常、正の値をとり、ロール隙調節量ΔG0は、圧下による調節量を示す。
前記仕上げ圧延機4の最後のロールスタンド8gの、孔型の形状は、圧延の進行(圧延量の増加)とともに、摩耗により、図4(a)に示す、上ロール孔型Kuと下ロール孔型Knで形成される円形状から、同(b)に示すように、楕円に近い形状となる。圧延中の被圧延材の断面形状は、オンライン寸法測定器によってある程度把握できるため、図4(b)に示したような楕円に近い形状の面積を計算し、最終仕上げ圧延機5での減面率Rが一定になるように、仕上げ圧延機4の最後のロールスタンド8gの孔型のロール隙を調節することも不可能ではないが非常に煩雑となり、手間を要する。従って、一定していない楕円に近い形状の被圧延材の断面積とロール隙調節量との関係を求めて、最終仕上げ圧延機5入側の被圧延材の断面積A0を調整することは、減面率Rを一定に保つ精度の観点からも実用的ではない。このため、速度比率Fを介して最終仕上げ圧延機5入側の被圧延材の断面積A0を調整することが手間および精度の観点から妥当である。
図1および図5に示した線材の熱間圧延ラインで、JIS SCM435の155mm角ビレットから直径5.5mmの線材への圧延を、前記速度比率Fを一定に保つように、圧延機のロール隙の調整を行なう場合と行わない場合について、実施した。ここで、仕上げ圧延機4の出側の被圧延材の寸法は直径9mmであり、最終仕上げ圧延機5入側の被圧延材の温度は900℃である。155mm角ビレットから直径5.5mmの線材への孔型圧延スケジュールから予め設定した目標速度比率Faは1.62である。前記レーザードップラ速度計10a、10bにより実測した、最終仕上げ圧延機5の入側および出側の被圧延材の速度V0およびV1から、データ処理装置(図示省略)で速度比率F(=V1/V0)を算出してモニター表示し、この速度比率Fが目標速度比率Fa(=1.62)から変動した場合に、圧延機のロール隙を手動で調節した。圧延機のロール隙調節は、仕上げ圧延機4の最後のロールスタンド8gと、仕上げ圧延機4の前段側の圧延機(中間圧延機3b)の最後のロールスタンド3bfのそれぞれについて行なった。表1に、圧延状況を示す。
Figure 2006289436
表1で、スタンド間の状況の○印は、図1に示した最終仕上げ圧延機5のロールスタンド間で被圧延材の振動が発生していないことを示し、表面疵の○印は、疵発生が認められないことを、△印は許容範囲内で表面疵の発生が認められたことを、×印は、許容範囲外の表面疵の発生が認められたことを示す。また、寸法精度の○印は、仕上げ圧延機5出側の被圧延材の線径(製品直径)が±0.10mmの目標寸法公差内に収まっていたことを示す。
このように、最終仕上げ圧延機の入側および出側の被圧延材の速度V0およびV1の比率である速度比率Fを一定に保つように、即ち予め設定した目標設定速度比率Faとなるように圧延機のロール隙を調節して、最終仕上げ圧延機入側の被圧延材の断面積A0を調整することにより、最終仕上げ圧延機内での減面率Rの変動が抑制されるため、被圧延材の振動および表面疵の発生を防止し、かつ目標寸法精度を満たす線材製品を得ることができる。前記圧延機のロール隙調節は、圧延機に自動圧下装置を取り付けることによって、実測した速度比率Fの目標速度比率Faからの偏差に基づいて、図2および図3に模式的に示した、速度比率変動量ΔF(=ΔV1/V0)とロール隙調節量ΔG1またはΔG0との関係を用いて自動で行なうことも可能である。なお、本発明は、製品直径が上記の5.5mmに限らず、仕上げ圧延機(ブロックミル)の後段側に、最終仕上げ圧延機(サイジングミル)を設置して圧延を行なうすべての製品直径の圧延に適用することが可能である。
線材圧延ラインの仕上げ圧延機列のレイアウトを示す説明図である。 実施形態の仕上げ圧延機のロール隙調節量と被圧延材の速度比率変動量の関係を模式的に示す説明図である。 実施形態の仕上げ圧延機の前段側の圧延機のロール隙調節量と被圧延材の速度比率変動量の関係を模式的に示す説明図である。 (a)、(b)仕上げ圧延機の仕上げ孔型の摩耗の進行を示す説明図である。 線材圧延ラインのレイアウトを示す説明図である。 従来技術の線材仕上げ圧延ラインのレイアウトの一例を示す説明図である。 従来技術の線材仕上げ圧延ラインのレイアウトの他の一例を示す説明図である。
符号の説明
1・・・加熱炉
2・・・粗圧延機列
3a、3b・・・中間圧延機列
4・・・仕上げ圧延機
5・・・最終仕上げ圧延機
6・・・巻取り機
7・・・水冷装置
8a〜8g・・・仕上げ圧延機列のロールスタンド
9a〜9d・・・最終仕上げ圧延機のロ−ルスタンド
10a、10b・・・レーザードップラ速度計
11・・・被圧延材
Ku、Kn・・・ロール孔型

Claims (4)

  1. 仕上げ圧延機の後段側に、最終仕上げ圧延機を備えた熱間圧延ラインでの線材の圧延方法であって、前記最終仕上げ圧延機の同一の仕上げ孔型での圧延で、前記最終仕上げ圧延機の、入側の圧延速度V0と出側の圧延速度V1との速度比率V1/V0を被圧延材間で一定に保って、前記最終仕上げ圧延機での被圧延材の断面減少率の変動を抑制するようにしたことを特徴とする線材の圧延方法。
  2. 前記仕上げ圧延機のロール隙を調節することにより、前記最終仕上げ圧延機の入側の被圧延材の断面積を調整して、前記速度比率V1/V0を一定に保つことを特徴とする請求項1に記載の線材の圧延方法。
  3. 前記仕上げ圧延機の前段側に設置された圧延機のロール隙を調節することにより、前記最終仕上げ圧延機の入側の被圧延材の断面積を調整して、前記速度比率V1/V0を一定に保つことを特徴とする請求項1に記載の線材の圧延方法。
  4. 前記最終仕上げ圧延機の、入側の圧延速度V0および出側の圧延速度V1をレーザードップラ速度計で実測し、この実測した圧延速度V0およびV1を用いて、前記速度比率V1/V0が一定となるように、前記仕上げ圧延機または、この仕上げ圧延機の前段側に設置された圧延機のロール隙を調整することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の線材の圧延方法。


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