JP2003019509A - 条鋼材の圧延方法及び圧延装置 - Google Patents

条鋼材の圧延方法及び圧延装置

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JP2003019509A JP2001206874A JP2001206874A JP2003019509A JP 2003019509 A JP2003019509 A JP 2003019509A JP 2001206874 A JP2001206874 A JP 2001206874A JP 2001206874 A JP2001206874 A JP 2001206874A JP 2003019509 A JP2003019509 A JP 2003019509A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 張力を計算などで求めることなく、即時に張
力制御を行うことができるようにした条鋼材の圧延方法
及び圧延装置を提供すること。 【解決手段】 条鋼材の圧延方法は、上流側ロールスタ
ンド1と下流側ロールスタンド2間を走行する圧延材8
の移動速度を基にして、圧延材8の張力が適正値になる
よう、上流側又は下流側のロールスタンド1又は2の駆
動モータ3又は5を制御すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、条鋼材の圧延方法
及び圧延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】条鋼連続圧延機における圧延材の寸法精
度は、圧延材に作用する張力に影響を受け、張力が大き
くなれば、偏径差が大きくなる(真円度が悪くなる)。
一方、張力がなくなると、ロールスタンド間で圧延材が
脈動してコブル(ミスロール:圧延材が通過中に詰まる
こと)が発生する。そのため、コブルを発生することな
く、圧延材の寸法精度向上と、寸法変動低減を実現する
ためには、圧延材に作用するテンション(張力)を最小
かつ一定に制御する必要がある。
【0003】従来より、条鋼連続圧延機における張力制
御技術として、線材の振動周波数から張力を検知し、そ
の周波数に基づき線材の張力を算出して、その張力を制
御する方法(特開平9−21713号公報参照)、圧延
中の圧延材の寸法変動から張力を検知し、その張力を制
御する方法(特開平7−32022号公報参照)、及
び、上流側圧延機出側と下流側圧延機入側における各々
の圧延材移動速度の差から張力を検知し、その張力を一
定に制御する方法(特開昭59−118212号公報参
照)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の張力制御技
術は、圧延材の寸法精度に影響を与える張力を制御する
ために、操業情報を基に、張力を一旦計算し、その張力
の計算値が適正範囲に収まるように圧延機のローラ回転
数を制御しており、計算時間遅れや計算誤差などの課題
を有するものであった。そこで、本発明は、張力を計算
などで求めることなく、即時に張力制御を行うことがで
きるようにした条鋼材の圧延方法及び圧延装置を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本発明の条鋼
材の圧延方法の特徴とするところは、上流側ロールスタ
ンドと下流側ロールスタンド間を走行する圧延材の移動
速度を基にして、圧延材の張力が適正値になるよう、上
流側又は下流側のロールスタンドの駆動モータを制御す
る点にある。以下、本発明の解決原理を説明する。圧延
材の寸法精度を左右する張力は、上流側と下流側のロー
ルスタンドでのロール回転数のバランスと、上流側ロー
ルスタンド出側の圧延材寸法と下流側ロールスタンドで
の圧下量によって影響を受ける。
【0006】従って、張力制御に際しては、まず、上流
側と下流側のロールスタンドでのロール回転数のバラン
スを制御しなければならない。本発明においては、ロー
ルスタンド間の圧延材の移動速度を測定する。この場
合、圧延材の移動速度は、そのトップ部が上流側のロー
ルスタンドを通過し未だ下流側ロールスタンドに噛み込
んでいない状態での移動速度(以下、「トップ部移動速
度V0」という)と、圧延材のトップ部が下流側ロール
スタンドに噛み込んだ状態での圧延材移動速度(以下、
「ミドル部移動速度V1」という)と、圧延材ボトム部
が上流側ロールスタンドを抜け下流側ロールスタンドの
みに噛み込んだ状態での圧延材移動速度(以下、「ボト
ム部移動速度V2」という)の3態様がある。
【0007】本発明では、前記V0、V1、V2を測定
すると共に、V0、V1、及びV2の関係が最適になる
よう、ロールスタンドのロール回転数を制御するのであ
る。即ち、ロールスタンド間の圧延材に作用する張力が
ゼロの場合には、V0=V1=V2の関係が成立し、V
0<V1<V2の場合には、圧延材に正の張力が作用し
ていることになり、V0>V1>V2の場合には、圧延
材に負の張力が作用することになる。従って、圧延中の
コブルを防止して、且つ圧延材の寸法精度を向上させる
ためには、V0<V1<V2を維持しつつ、V0=V1
=V2の状態に近づけることが理想である。
【0008】本発明における、上流側ロールスタンドと
下流側ロールスタンド間を走行する圧延材の移動速度を
基にして、圧延材の張力が最適値になるように、上流側
又は下流側のロールスタンドの駆動モータを制御すると
は、圧延材の移動速度が前記理想状態(V0<V1<V
2を維持しつつ、V0=V1=V2の状態に近づける)
になるよう、ロールスタンドの駆動モータを制御するこ
とを意味する。従って、前記従来技術で掲げた特開昭5
9−118212号公報に記載の圧延材の移動速度を測
定するものとは、その解決原理が全く相違するものであ
る。
【0009】なお、ロールスタンド間のロール回転数の
バランスを見るとき、ボトム部移動速度V2を知ること
は必須ではなく、最低限、V0とV1を知れば、ロール
スタンド間の張力を最適値に制御することができるの
で、本発明は、前記解決原理で例示した具体的方法に限
定されるものではない。本発明によれば、条鋼材の移動
速度を基に圧延速度を制御するように構成しているの
で、従来のような張力計算をする必要がなくなり、制御
のための計算時間遅れや計算誤差の発生がなくなる。
【0010】本発明においては、前記圧延材の寸法情報
と、該圧延材における適正張力のときの移動速度とを予
めテーブル化しておき、実稼働に際して、前記移動速度
を実測し、該実測移動速度が前記テーブル情報の移動速
度になるよう、前記ロールスタンドの駆動モータを制御
するのが好ましい。また、本発明の特徴とするところ
は、ΔVa=V1/V0が所定範囲内になるよう、ロー
ルスタンドの駆動モータを制御する点にある。V0やV
1の絶対値を用いるよりも、ΔVa=V1/V0という
無次元化したパラーメータを用いる方が、制御が容易に
なる。
【0011】更に、前記圧延材のボトム部が上流側のロ
ールスタンドを抜け下流側のロールスタンドに噛み込ん
だ状態での圧延材移動速度をV2とし、ΔVb=V2/
V0、ΔVc=V2/V1が所定範囲内になるよう、ロ
ールスタンドの駆動モータを制御するのが好ましい。前
記下流側ロールスタンド出側の圧延材の寸法偏差が所定
範囲内になるよう、ロールスタンドの駆動モータを制御
するのが好ましい。前記下流側ロールスタンド出側の圧
延材の寸法が所定範囲内になるよう、ロールスタンドの
圧下位置を制御するのが好ましい。
【0012】本発明の条鋼材の圧延装置の特徴とすると
ころは、上流側ロールスタンドと下流側ロールスタンド
間を走行する圧延材の移動速度を測定する移動速度測定
装置と、該移動速度測定装置により測定された圧延材の
移動速度を基にして、圧延材の張力が適正値になるよ
う、上流側又は下流側のロールスタンドの駆動モータを
制御する主制御装置とを有する点にある。前記主制御装
置は、圧延材の寸法情報と、該圧延材における適正張力
のときの移動速度とを予め記憶する記憶手段と、前記移
動速度測定装置により実測した実測移動速度が、前記記
憶手段に記憶した移動速度になるよう、前記ロールスタ
ンドの駆動モータを制御する速度制御装置とを備えてい
るのが好ましい。
【0013】前記速度制御装置は、前記移動速度測定装
置により実測された、圧延材のトップ部が上流側のロー
ルスタンドを通過し下流側のロールスタンドに噛み込む
までの圧延材の実測移動速度をV0とし、圧延材のトッ
プ部が下流側のロールスタンドに噛み込んだ状態での圧
延材の実測移動速度をV1として、ΔVa=V1/V0
を求める演算手段を有し、前記記憶手段は、圧延材の寸
法情報と、該圧延材における適正張力のときの移動速度
とを前記ΔVaの形式で記憶した適正値テーブルを有
し、さらに前記速度制御装置は、前記実測ΔVaが、適
正値テーブルΔVaになるよう、ロールスタンドの駆動
モータの回転数を補正するモータ回転数補正手段を有す
るのが好ましい。
【0014】前記下流側ロールスタンドの出側に、圧延
材の寸法を測定する寸法測定装置が設けられ、前記主制
御装置には、前記寸法測定装置により測定された圧延材
の寸法が目標値より外れている場合、当該寸法が目標値
になるよう前記ロールスタンドの駆動モータを制御する
寸法精度補正手段が設けられているのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明の実
施の形態を説明する。図1に示すものは、条鋼材圧延装
置の概要であり、熱間線材圧延ラインの一部が例示され
ている。この条鋼材圧延装置においては、上流側ロール
スタンド1と下流側ロールスタンド2とが所定距離を置
いて直列に配置されている。上流側ロールスタンド1
は、粗圧延機とされており、連続圧延機であるVブロッ
ク・ミルが例示されている。下流側ロールスタンド2
は、仕上圧延機とされており、連続圧延機であるレジュ
ーシング・サイジング・ミルが例示されている。両ロー
ルスタンド1,2は、約50mの間隔をおいて設置され
ている。
【0016】前記上流側ロールスタンド1には、複数列
のワークロールが直列状に配置されており、これらワー
クロールを回転駆動させるための単一の駆動モータ3が
設けられている。また、各ワークロールの圧下量を設定
する圧下装置4が設けられている。下流側ロールスタン
ド2も、複数列のワークロールが直列状に配置されてお
り、これらワークロールを回転駆動する単一の駆動モー
タ5が設けられている。また、各ワークロールの圧下量
を設定する圧下装置6が設けられている。
【0017】前記上流側ロールスタンド1及び下流側ロ
ールスタンド2の各駆動モータ3,5や、圧下装置4,
6等を制御する主制御装置7が設けられている。前記上
流側ロールスタンド1と下流側ロールスタンド2の間
に、圧延材8の移動速度を測定するための移動速度測定
装置9が設けられている。この移動速度測定装置9は、
線速計を有する。この線速計は、レーザードップラ線速
計から成り、両ロールスタンド1,2間の略中央部に配
置されており、圧延材8のトップ部移動速度V0、ミド
ル部移動速度V1、及び、ボトム部移動速度V2を測定
する。
【0018】前記線速計9が測定する圧延材8の移動速
度が、トップ部移動速度V0、ミドル部移動速度V1、
又は、ボトム部移動速度V2の何れであるかを認識する
ために、上流側ロールスタンド1の出側に第1位置検出
センサ10と、下流側ロールスタンド2の入側に第2位
置検出センサ11が設けられている。これら位置検出セ
ンサ10,11は、高温の圧延材8を検知することがで
きる熱鋼検出センサにより構成されている。第1位置検
出センサ10のみが圧延材8を検出しているとき、トッ
プ部移動速度V0と認識し、第1及び第2位置検出セン
サ10,11の両方が圧延材8を検出しているとき、ミ
ドル部移動速度V1と認識し、第2位置検出センサ11
のみが検出しているときはボトム部移動速度V2と認識
するよう、前記主制御装置7が構成されている。
【0019】更に、前記両ロールスタンド1,2間に
は、圧延材8の寸法を測定する第1寸法測定装置12
と、圧延材8の張力を測定する張力測定装置13とが設
けられている。また、下流側ロールスタンド2の出側に
は、圧延材8の寸法を測定する第2寸法測定装置14が
設けられている。前記第1及び第2寸法測定装置12,
14は、圧延材8を挟んで配置された投光器と受光器を
有し、この投受光器の一対が一体的に圧延材8の軸心回
りに回転することにより、回転各位置での圧延材8の外
径寸法を計測するものであり、この計測結果は、前記主
制御装置7に送られ、該主制御装置7において、寸法偏
差(=偏径差:測定各位置での外径の差)が求められる
よう構成されている。
【0020】前記張力測定装置13は、圧延材8に強制
変位を与えるためのローラ15と、該ローラ15の昇降
装置16と、この昇降装置16のローラ昇降量を測定す
るための変位センサと、昇降時のローラ反力を測定する
ための荷重計から構成されている。この張力測定原理
は、ロールスタンド1,2間を移動する圧延材8に強制
変位を与え、その強制変位量と圧延材8の反力から張力
を計算するものであり、これらの処理は前記主制御装置
7において行われる。
【0021】前記主制御装置7は、前記移動速度測定装
置9により測定された圧延材8の移動速度を基にして、
圧延材8の張力が最適値になるよう、下流側のロールス
タンド2の駆動モータ5を制御するよう構成されてい
る。即ち、前記主制御装置7は、圧延材8の寸法情報
と、該圧延材における適正張力のときの移動速度とを予
め記憶する記憶手段17と、前記移動速度測定装置9に
より実測した実測移動速度が、前記記憶手段17に記憶
した移動速度になるよう、前記ロールスタンド2の駆動
モータ5を制御する速度制御装置18とを備えている。
【0022】前記速度制御装置18は、前記移動速度測
定装置9により実測された、トップ部移動速度V0、ミ
ドル部移動速度V1、及び、ボトム部移動速度V2か
ら、ΔVa=V1/V0、ΔVb=V2/V0、及び、
ΔVc=V2/V1を求める演算手段19を有する。前
記記憶手段17は、圧延材8の寸法情報と、該圧延材8
における適正張力のときの移動速度とを前記ΔVa、Δ
Vb、ΔVcの形式で記憶した適正値テーブルを有す
る。
【0023】即ち、図2〜5に示すものは、仕上がり直
径6.4mmの線材の圧延テストのデータである。図2
の左側の線図は、下流側ロールスタンドの回転数を10
0%としたとき(以下「1本目」という)、同図右側の
線図は、下流側ロールスタンドの回転数を101%にし
たとき(以下「2本目」という)の線速チャートであ
る。図3、4は、前記1本目、2本目のテストのとき、
前記張力測定装置13により、圧延材8に作用する張力
を求めたものであり、図3は、圧延材8の持ち上げスト
ロークと持ち上げ荷重の関係を示し、これらの関係よ
り、1本目及び2本目の張力が計算される。
【0024】そして、図4は、その時のΔVaをパラメ
ータとしたときの張力を示す。図5は、張力と製品寸法
の関係を示し、第2寸法測定装置14により測定された
圧延材8の外径の短径が縦軸に示されている。1本目
は、適正張力のため、製品寸法6.4mmに対して、真
円であり、2本目は、張力が大きくなっているため、短
径が6.38mmとなっていることがわかる。而して、
前記記憶手段17に格納されている適正値テーブルと
は、図4のような形式で、鋼種、温度、線径など毎に、
適正張力におけるΔVa、ΔVb、ΔVcの値が予め記
憶されているものである。
【0025】前記速度制御装置18は、前記実測ΔV
a、ΔVb、ΔVcが、適正値テーブルΔVa、ΔV
b、ΔVcになるよう、下流側ロールスタンド2の駆動
モータ5の回転数を補正するモータ回転数補正手段20
を有する。前記主制御装置7には、前記第2寸法測定装
置14により測定された圧延材8の外径寸法偏差が目標
値より外れている場合、当該寸法が目標値になるよう前
記ロールスタンド2の駆動モータ5を制御する寸法精度
補正手段21が設けられている。
【0026】前記圧延装置を用いて線条材を圧延すると
き、主制御装置7に、設定線速、ロール径、リード率ク
ラッチパターンなどの初期値が設定される。これら設定
値に基づき、上流側ロールスタンド1の駆動モータ3や
圧下装置4、及び、下流側ロールスタンド2の駆動モー
タ5や圧下装置6が制御される。記憶手段17には、所
定のデータが記憶されている。圧延材8が両ロールスタ
ンド1,2間を通過するとき、移動速度測定装置9によ
り圧延材8の移動速度が測定されると共に、第2寸法測
定器14により圧延材8の寸法が測定される。
【0027】実測ΔVa、ΔVb及びΔVcが、記憶手
段17の適正ΔVa、ΔVb及びΔVcに対して所定範
囲内にあるか否かが判断され、所定範囲外のとき、適正
値になるよう、モータ回転数補正手段20により駆動モ
ータ5の回転数が補正される。また、圧延材8の寸法偏
差が目標値よりも大きい場合には、圧延材8に過大な張
力が作用しているものと判断し、ΔVa、ΔVb及びΔ
Vcが小さくなるように、下流側ロールスタンド2のワ
ークロール回転数が低下するよう、寸法精度補正手段2
1により、駆動モータ5の回転数が制御される。
【0028】この場合、コブルを発生させないために、
ΔVa、ΔVb及びΔVcが1以下にならないようにし
なければならない。また、圧延中に(未だボトム部移動
速度V2が検出されていない状態)、圧延材8の寸法偏
差を調整する必要がある場合、圧延時の移動速度データ
としては、V0、V1及びΔVaしかないため、圧延材
8の寸法偏差が目標値に収まるようΔVaを1に近づけ
るように下流側ロールスタンド2のロール回転数を低下
させていく。この場合においても、コブルを発生させな
いために、ΔVaが1以下にならないようにしなければ
ならない。
【0029】なお、前記主制御装置7は、前記第2寸法
測定装置14により測定された圧延材8の外径寸法が仕
上目標値より外れている場合、当該寸法が目標値になる
よう下流側ロールスタンド2の圧下装置6を制御するよ
うに構成されている。従来の圧延機駆動モータの回転数
制御方式では、圧延材移動速度、ロール径、リード率な
どの設定値から、上流側及び下流側のロールスタンドの
駆動モータの回転数を制御するものであり、圧延材寸法
精度改善のためには、下流側ロールスタンド出側での圧
延材寸法データを観察しながら、駆動モータ回転数の微
調整を手動で行う必要があった。
【0030】しかし、本発明の圧延材張力制御方法を適
用すれば、圧延材8の移動速度変化量情報(ΔVaな
ど)と圧延材寸法情報(寸法偏差)をリアルタイムに判
定することができ、圧延材寸法精度が目標値から外れて
いる場合には、圧延材8の移動速度変化量情報と圧延材
寸法情報に基づいて、モータ回転数補正を行うことで、
圧延中にコブルを発生させることなく、圧延材寸法の偏
径量の最小化を容易に行うことができる。また、圧延材
8の移動速度調整を行う際の張力変化によるコブル発生
を防止する方策として、ロールスタンド1,2間に張力
測定装置13を配置して、圧延材に作用する張力を定量
化して監視することも可能である。
【0031】本張力測定装置13を併用すれば、圧延材
移動速度調整時に圧延材8に作用する張力の変動を検知
することができるため、ロール回転数調整時の急激な張
力変動によるコブルの発生を防止することができる。
尚、本発明は、前記実施の形態に示すものに限定される
ものではなく、例えば、張力調整のために下流側ロール
スタンドに代えて、上流側ロールスタンドの駆動モータ
を制御するようにしてもよい。また、上流側と下流側の
両方の駆動モータを制御するようにしてもよい。
【0032】さらに、実施の態様では、ΔVa、ΔV
b、ΔVcの三つのパラメータを用いたが、少なくと
も、ΔVaを用いた制御であればよい。また、無次元化
した線速変化量ΔVaを用いることなく、絶対値のV
0、V1等を用いてもよい。また、移動速度の外に、寸
法偏差にも基づき張力を制御するようにしているが、寸
法偏差に基づく制御は必須でない。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、張力を計算などで求め
ることなく、即時に張力制御を行うことができるように
したので、計算時間遅れや計算誤差などの問題がなくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態を示す条鋼材の圧
延装置の概要図である。
【図2】図2は、線速チャート図である。
【図3】図3は、線材持ち上げ荷重データのグラフであ
る。
【図4】図4は、線速変化量ΔVaと張力の関係を示す
グラフである。
【図5】図5は、張力と製品寸法精度(短径)の関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 上流側ロールスタンド 2 下流側ロールスタンド 5 駆動モータ 7 主制御装置 8 圧延材 9 移動速度測定装置 14 寸法測定装置 17 記憶手段 18 速度制御装置 19 演算手段 20 モータ回転数補正手段 21 寸法精度補正手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇津野 秀夫 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 菅野 直紀 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 串田 仁 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 今岡 洋史 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会 社神戸製鋼所神戸製鉄所内 Fターム(参考) 4E024 AA10 BB03 BB06 CC01 CC03 EE01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流側ロールスタンドと下流側ロールス
    タンド間を走行する圧延材の移動速度を基にして、圧延
    材の張力が適正値になるよう、上流側又は下流側のロー
    ルスタンドの駆動モータを制御することを特徴とする条
    鋼材の圧延方法。
  2. 【請求項2】 前記圧延材の寸法情報と、該圧延材にお
    ける適正張力のときの移動速度とを予めテーブル化して
    おき、実稼働に際して、前記移動速度を実測し、該実測
    移動速度が前記テーブル情報の移動速度になるよう、前
    記ロールスタンドの駆動モータを制御することを特徴と
    する請求項1記載の条鋼材の圧延方法。
  3. 【請求項3】 圧延材のトップ部が上流側のロールスタ
    ンドを通過し下流側のロールスタンドに噛み込むまでの
    圧延材移動速度をV0とし、圧延材のトップ部が下流側
    のロールスタンドに噛み込んだ状態での圧延材の移動速
    度をV1とし、ΔVa=V1/V0が所定範囲内になる
    よう、ロールスタンドの駆動モータを制御することを特
    徴とする条鋼材の圧延方法。
  4. 【請求項4】 前記圧延材のボトム部が上流側のロール
    スタンドを抜け下流側のロールスタンドに噛み込んだ状
    態での圧延材移動速度をV2とし、ΔVb=V2/V
    0、ΔVc=V2/V1が所定範囲内になるよう、ロー
    ルスタンドの駆動モータを制御することを特徴とする請
    求項3記載の条鋼材の圧延方法。
  5. 【請求項5】 前記下流側ロールスタンド出側の圧延材
    の寸法偏差が所定範囲内になるよう、ロールスタンドの
    駆動モータを制御することを特徴とする請求項3又は4
    記載の条鋼材の圧延方法。
  6. 【請求項6】 前記下流側ロールスタンド出側の圧延材
    の寸法が所定範囲内になるよう、ロールスタンドの圧下
    位置を制御することを特徴とする請求項3〜5の何れか
    一つに記載の条鋼材の圧延方法。
  7. 【請求項7】 上流側ロールスタンドと下流側ロールス
    タンド間を走行する圧延材の移動速度を測定する移動速
    度測定装置と、 該移動速度測定装置により測定された圧延材の移動速度
    を基にして、圧延材の張力が最適値になるよう、上流側
    又は下流側のロールスタンドの駆動モータを制御する主
    制御装置とを有することを特徴とする条鋼材の圧延装
    置。
  8. 【請求項8】 前記主制御装置は、圧延材の寸法情報
    と、該圧延材における適正張力のときの移動速度とを予
    め記憶する記憶手段と、 前記移動速度測定装置により実測した実測移動速度が、
    前記記憶手段に記憶した移動速度になるよう、前記ロー
    ルスタンドの駆動モータを制御する速度制御装置とを備
    えていることを特徴とする請求項7記載の条鋼材の圧延
    装置。
  9. 【請求項9】 前記速度制御装置は、前記移動速度測定
    装置により実測された、圧延材のトップ部が上流側のロ
    ールスタンドを通過し下流側のロールスタンドに噛み込
    むまでの圧延材の実測移動速度をV0とし、圧延材のト
    ップ部が下流側のロールスタンドに噛み込んだ状態での
    圧延材の実測移動速度をV1として、ΔVa=V1/V
    0を求める演算手段を有し、 前記記憶手段は、圧延材の寸法情報と、該圧延材におけ
    る適正張力のときの移動速度とを前記ΔVaの形式で記
    憶した適正値テーブルを有し、 前記速度制御装置は、前記実測ΔVaが、適正値テーブ
    ルΔVaになるよう、ロールスタンドの駆動モータの回
    転数を補正するモータ回転数補正手段を有することを特
    徴とする請求項8記載の条鋼材の圧延装置。
  10. 【請求項10】 前記下流側ロールスタンドの出側に、
    圧延材の寸法を測定する寸法測定装置が設けられ、 前記主制御装置には、前記寸法測定装置により測定され
    た圧延材の寸法が目標値より外れている場合、当該寸法
    が目標値になるよう前記ロールスタンドの駆動モータを
    制御する寸法精度補正手段が設けられていることを特徴
    とする請求項7〜9の何れか一つに記載の条鋼材の圧延
    装置。
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