JP2006288795A - 歩行補助装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば歩行に難を有する人間の歩行を支援する歩行補助装置において、広い設置スペースを必要とすることなく、使い勝手を良くする。
【解決手段】床面1から立ち上がる側壁面2に床面1と略平行に設けられるガイドレール10と、ガイドレール10にその長手方向に沿って移動可能に取り付けられるスライダ20と、スライダ20に一端が取り付けられて片持ち梁状に支持されるアシストバー30とを含む。アシストバー30は、少なくとも人間の両手を横並びに配置した状態で掴める長さに設定されていて、床面1に対し略平行でかつガイドレール10の長手方向に対し略直交する横向き姿勢とされている。
【選択図】図5
【解決手段】床面1から立ち上がる側壁面2に床面1と略平行に設けられるガイドレール10と、ガイドレール10にその長手方向に沿って移動可能に取り付けられるスライダ20と、スライダ20に一端が取り付けられて片持ち梁状に支持されるアシストバー30とを含む。アシストバー30は、少なくとも人間の両手を横並びに配置した状態で掴める長さに設定されていて、床面1に対し略平行でかつガイドレール10の長手方向に対し略直交する横向き姿勢とされている。
【選択図】図5
Description
本発明は、例えば歩行に難を有する人間の歩行を支援する歩行補助装置に関する。
例えば下肢に衰えの生じた老人、病弱者、あるいは、下肢に疾病を有する障害者等の移動に際しては、例えば、車椅子等の相応の移動手段が必要になる。
例えば公的な建物等では、歩行補助用の手摺りを設けたり、車椅子等の使用を考慮して、歩行路の幅を大きくしたりするようになっていることが多い。
しかしながら、一般的な個人住宅、各種の私的建物、あるいは旧来の公的建物等にあっては、その多くが健常者の利用を前提とした設備になっているために、歩行補助用の手摺りがないことが多く、また、歩行路の幅が小さくて車椅子等の使用に適していないと言える。
近年における福祉意識の高まりの中で、歩行に難を有する者が建物内において快適に移動できるようにすることが必要となっており、移動式の手摺りがいろいろ考えられている。
この移動式の手摺りとして、例えば、一対の平行なガイドレールを壁面に設置し、この一対のガイドレールにグリップバーを移動可能に取り付けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。グリップバーは、壁面に近接して配置されており、歩行者がグリップバーを掴んで、グリップバーを動かしつつ移動する。
また、天井にガイドレールを設置し、このガイドレールに吊り輪のような把持部材を移動可能に取り付けたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−221896号公報
特開平10−94571号公報
上記従来例では、いずれも、歩行路等の幅を大きくする必要がないという点で優れているものの、グリップバーや把持部材を単に片手で持つものが主流であって、両手で持つ場合には身体を斜め向きにしなければならないので、身体を支えきれないことが多い等、満足のできるものではないと言える。
本発明は、例えば歩行に難を有する人間の歩行を支援する歩行補助装置において、広い設置スペースを必要とすることなく、使い勝手を良くすることを目的としている。
本発明に係る歩行補助装置は、床面から立ち上がる側壁面に前記床面と略平行に設けられるガイドレールと、このガイドレールにその長手方向に沿って移動可能に取り付けられるスライダと、このスライダに一端が取り付けられて片持ち梁状に支持されるアシストバーとを含み、前記アシストバーは、少なくとも人間の両手を横並びに配置した状態で掴める長さに設定されていて、前記床面に対し略平行でかつ前記ガイドレールの長手方向に対し略直交する横向き姿勢とされていることを特徴としている。
なお、床面とは、廊下や階段等の歩行路や、各居室、便所、洗面室、浴室、玄関、玄関ポーチ等のあらゆる場所の床のことを意味している。
また、アシストバーの長さは、設置対象となる空間を考慮して適宜設定すればよく、例えば人間の両手を横並びに配置した状態で掴める長さを最低限確保できれば、特に設定されない。
但し、アシストバーの長さを、人間の平均的な肩幅に相当する長さに設定すれば、使用者の支援が確実にできて、設置スペースも無駄に大きくする必要がなくなり、好ましい。
この構成によれば、例えば歩行に難を有する人間が、床面を移動するにあたって、立ち上がって移動方向に正対した姿勢で、そのまま両腕を自然に垂れ下げれば、両手でアシストバーを掴むことが可能になるとともに、そのまま下向きに体重を加えるようにすれば、立ち上がった状態で比較的楽に身体が支えられることになる。そうした状態で、ガイドレールに沿ってアシストバーを進行方向に押すようにすれば、ガイドレールに沿った歩行や移動が比較的楽に行えるようになる。
また、側壁面にガイドレールを設置して、そのガイドレールにアシストバーを取り付けるだけで施工が簡単に行える。
上記歩行補助装置のアシストバーは、必要に応じてガイドレール寄りの一端側を支点として上向きに傾動可能に構成されたものとすることができる。
この構成によれば、例えばアシストバーを使用しないときに、このアシストバーを上向きに跳ね上げることにより、このアシストバーが床面上で邪魔にならなくなる。
上記歩行補助装置のアシストバーは、側壁面において前記ガイドレールの下側に所定間隔離れた位置に略平行に設置されるサポート用ガイドレールをさらに有し、前記スライダは、前記ガイドレールと前記サポート用ガイドレールとの両方にそれらの長手方向に沿って移動可能に取り付けられるものとされており、前記アシストバーの自由端側と、前記スライダにおけるサポート用ガイドレール側部分とに補強部材が掛け渡されたものとすることができる。
この構成では、片持ち梁状のアシストバーを複数の部品を用いてサポートおよび補強しているから、アシストバーに対して使用者の体重が作用したときの耐荷重性が向上する。
上記歩行補助装置のアシストバーには、所定の操作を受けたときに、音、光、電気信号あるいはそれらの組み合わせ等からなる警報を行う警報装置が設けられたものとすることができる。
この構成によれば、歩行補助装置を使って歩行している最中に、誰かを呼びたいとき等に、警報装置を使うことで、簡単に第三者を呼び出せるようになる。つまり、万一、歩行中に、気分が悪くなる等、体調が悪くなったときに、第三者に早期に知らせることができるので、有利となる。
本発明に係る歩行補助装置によれば、横向き姿勢のアシストバーを片手だけでなく正対した姿勢でかつ両手で掴むことが可能となるから、例えば立ち上がる行為や前進歩行する行為を、バランス良く、また足腰等に可及的に負担をかけることなく比較的簡単に行えるようになる。
以下、本発明の実施形態を図1から図7に示して説明する。これらの図に示す歩行補助装置は、ガイドレール10と、スライダ20と、アシストバー30とを含む構成である。
ガイドレール10は、図1および図2に示すように、適宜の建物において歩行路や居室等の床面1から立ち上がる側壁面2に設置されるものであって、この実施形態では、平坦な床面1と略平行、つまり略水平方向に沿って設置される。
このガイドレール10の設置は、例えばビスやボルト等を用いて行うことができ、このガイドレール10の設置高さについても使用者の体格を考慮して適宜設定することができる。
さらに、ガイドレール10は、図3に示すように、長尺な帯板形状の胴体11における二つの長辺にそれぞれ一側へ向けて突出する鍔12,13が一体に設けられている。
なお、上鍔12は、胴体11の上側長辺から水平方向に突出されてから途中で下向きに略直角に屈曲されて、さらに略直角に屈曲されて胴体11へ向けてわずかに突出するような形状になっている。下鍔13は、胴体11の下側長辺から斜め上向きに突出された形状である。これら胴体11と上下の鍔12,13とでもってアシストバー30の移動を案内する溝(符号省略)を形成している。
スライダ20は、ガイドレール10にその長手方向に沿って移動可能に取り付けられるものであり、後で詳細に説明する。
アシストバー30は、スライダ20に取り外し可能に装着されるものであって、その一端側がスライダ20に取り付けられることでガイドレール10に対して片持ち梁状に支持されたようになっている。
このアシストバー30は、少なくとも人間の両手を横並びに配置した状態で掴める長さ、好ましくは人間の平均的な肩幅に相当する長さに設定された丸棒からなり、その直径寸法は例えば人間の平均的な大きさの手で掴みやすい大きさに設定される。
このアシストバー30には、その長手方向全長と略同寸法のフィッティングベルト40が取り付けられている。
このフィッティングベルト40は、図1から図3に示すように、その一端および他端がアシストバー30の長手方向一端および他端にそれぞれ固定されており、アシストバー30を使用者が手で掴んだときに、手の甲側を押さえるようにして手が離れにくいようにするものである。
なお、後で詳細に説明するが、アシストバー30は、図1および図3の実線で示すようにガイドレール10と略平行つまり水平でかつガイドレール10の長手方向に直交する横向きに真っ直ぐにした横向き姿勢にできる他、必要に応じて図1および図3の二点鎖線で示すようにガイドレール10寄りの適所を支点として上向きに跳ね上げて垂直に倒立させた倒立姿勢にできるようになっている。
スライダ20は、図2および図3に示すように、フレーム21に連結部22および複数(例えば四つ)の車輪23・・・を設けた構成である。
フレーム21は、上下二つずつ合計四つの突片21a,21b,21c,21dそれぞれの基端部21eを互いに一体的に結合した構成になっている。
上側に配置される二つの突片21a,21bは、平面視略V字形となるように水平方向に延びている。下側に配置される二つの突片21c,21dは、平面視略V字形となるように斜め下向きに延びている。
連結部22は、有底の円筒部材からなり、その底壁部側がフレーム21の基端部21eにヒンジ24を介して上向きに傾動可能に連結されている。
このヒンジ24は、例えば連結部22を略水平姿勢から例えば約90度上向きに傾動可能な可動範囲に設定されたものであって、連結部22を略水平姿勢から下向きに動かないようになっている。
要するに、ここでのヒンジ24は、連結部22およびアシストバー30を略水平な横向き姿勢から略垂直な倒立姿勢にわたって傾動可能とするものであれば何でもよく、一般的に公知のいろいろなタイプのものを使用することができる。
この連結部22の内穴にアシストバー30の一端が取り外し可能に嵌入固定されるようになっている。この連結部22に対するアシストバー30の固定は、例えば連結部22の内穴の内周に雌ねじを形成し、アシストバー30の一端部分外周に雄ねじを形成して、それらを螺合するねじ込み構造とすることによって行えるが、その他の一般的に公知の固定構造を採用することも可能である。
車輪23・・・は、上側突片21a,21bおよび下側突片21c,21dの各先端部分にそれぞれ厚み方向に沿って植設された支軸ボルト25・・・に、一つずつ図示していない転がり軸受またはすべり軸受を介して回転自在に支持されている。
この車輪23・・・のうち、上側突片21a,21bに取り付けられる車輪23は、その全体がガイドレール10の上鍔12内に非脱落状態で転動可能に挿入されているとともに、その外周面が上鍔12の自由端に設けてある微小突条部12aの端面に当接されている。一方、下側突片21c,21dに取り付けられる車輪23は、その外周面がガイドレール10の下鍔13の先端に当接されるようになっている。
これにより、上側の車輪23は、胴体11と上鍔12の微小突条部12aとに転動可能になっており、下側の車輪23は、下鍔13に転動可能になっている。
なお、すべての車輪23の外周面は、凹状に形成されていて、ガイドレール10の微小突条部12aや下鍔13から外れにくくなっている。また、車輪23の素材としては、適度な硬さや強度を有する適宜の合成樹脂材料あるいは適宜の金属材料などで形成することができる。
ところで、この実施形態では、図2から図4に示すように、上述したアシストバー30の自由端側つまり他端側に、警報装置50を付設している。
この警報装置50は、ケース内部に警報音発生器(図示省略)が装備されていて、ケースの一端面に前記警報音発生器における駆動スイッチのスイッチ片51が突出するように設けられている。
この警報装置50は、そのスイッチ片51がアシストバー30の他端側に設けられる係合穴30aに挿入されることによって、アシストバー30に装着されるようになっている。つまり、警報装置50がアシストバー30から取り外されることによってスイッチ片51が係合穴30aから抜き出されたときに、前記警報音発生器における駆動スイッチがオン動作して、警報音を発生するように構成されている。
なお、前記警報音発生器の代わりに、予め登録していた第三者の携帯電話に電話コールまたは電子メールを送信する送信器を装備してもよい。要するに、警報装置50としては、所定の操作を受けたときに、音、光、電気信号あるいはそれらの組み合わせ等からなる警報を行うものとすることができる。
この構成によれば、歩行補助装置を使って歩行している最中に、誰かを呼びたいとき等に、警報装置50を使うことで、簡単に第三者を呼び出せるようになる。つまり、万一、歩行中に、気分が悪くなる等、体調が悪くなったときに、第三者に早期に知らせることができるので、有利となる。
この実施形態での警報装置50では、例えば図3に示すように、ケースに床面側や前方を照射するLED等の照明器具60が設けられている。
この照明器具60は、例えば夜間等にアシストバー30を使用して歩行するときに、例えば警報装置50のケースを所定角度回すことによってスイッチオンさせる等して点灯させれば、図6に示すように、床面側や前方を照射することができるので、安全に歩行することが可能になる。
なお、上述したような構成の歩行補助装置であれば、側壁面2に設置したガイドレール10に対して、予めスライダ20にアシストバー30を組み立てた組立体を取り付けるようにして歩行補助装置を組み立ててもよいし、また、アシストバー30を組み立てずに、まず、スライダ20をガイドレール10に取り付けてから、このスライダ20にアシストバー30を取り付けるようにして歩行補助装置を組み立ててもよい。
次に、上述した歩行補助装置の利用方法について説明する。
まず、図5に示すように、例えば歩行に難を有する人間が、床面1を移動するにあたって、立ち上がった状態で両手でアシストバー30を掴んで下向きに体重を加えるようにすれば、立ち上がった状態で身体が支えられることになる。
その状態のまま、ガイドレール10に沿ってアシストバー30を押すようにすれば、ガイドレール10に沿った歩行や移動が比較的楽に行えるようになる。
また、アシストバー30を使用しない場合には、このアシストバー30を上向きに跳ね上げて側壁面2に沿うように倒立させることによって、このアシストバー30が出っ張らずに済むから、アシストバー30が床面1上で邪魔にならず、その周辺を広く使えるようになる。特に、図7に示すように、便器3へ着座する場合とか、便器3から立ち上がる場合等に、便利である。
なお、図示していないが、スライダ20に対しアシストバー30を倒立姿勢にした状態で不動に保持するようにロックするロック機構を設けることが可能である。
その場合、例えば図1、図3、図7に示すように、アシストバー30を倒立姿勢にしてその状態を保持させれば、アシストバー30が倒れてくる心配がなくなる。しかも、例えば便器3へ着座する行為とか、便器3から立ち上がる行為とかを行う場合等に、使用者が片手でアシストバー30を掴むことにより、前記行為を身体のふらつき等を確実に抑えて安全に行えるようになる等、使い勝手がよくなる。
以上説明した歩行補助装置では、アシストバー30を水平姿勢にしておけば、使用者が起立して両手でアシストバー30を掴むとともに、体重を預けるようにした状態でもって、アシストバー30を進行方向に押しながら歩行することが可能となるから、使用者の足腰の負担を軽減したうえでバランス良く安定して歩行することが可能になる。
しかも、歩行補助装置を、側壁面2に設置されるガイドレール10、ガイドレール10に取り付けられるスライダ20と、スライダ20に取り付けられるアシストバー30とで構成してあることから、例えば一般家屋等の廊下等に家屋の施工後でもコンパクトに設置することができる。
これにより、健常者の利用を前提とした設備、つまり歩行補助用の手摺りがなかったり、歩行路の幅が小さくて車椅子等の使用に適していない建物であっても、当該建物を改造することなく、上記歩行補助装置を簡単かつ安価に設置することができる。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
(1)上記実施形態において、アシストバー30の断面形状や、長さ寸法は特に限定されるものではなく、適宜に設定することができる。また、アシストバー30にフィッティングベルト40、警報装置50、照明器具60等を装備していなくてもよい。さらに、図示していないが、アシストバー30の外周面に、滑り止めとして長手方向に沿う溝と突条とを円周方向交互に設けることができる。
(2)上記実施形態において、ガイドレール10の長手方向所定位置に、警報装置50や照明器具60の駆動電源(図示省略)を充電するための充電設備を設けることができる。
この充電設備としては、例えば図8に示すように、ガイドレール10の所定位置に正負一対の電極パッドを有する充電用プレート65を設け、この充電用プレート65に家屋の交流電源を結線した構造とする。その一方で、アシストバー30については、図示していないが、警報装置50や照明器具60の駆動電源の位置からスライダ20までの位置に電源供給線を設け、例えばスライダ20のガイドレール10側に、前記電源供給線に接続されるとともに充電用プレート65に接触する接触子を設けるようにする。
この場合、例えば充電用プレート65上にスライダ20を配置するようにして停止させることによって、スライダ20の接触子を充電用プレート65に接触させることによって、警報装置50や照明器具60の駆動電源を充電することが可能になる。
なお、図示していないが、ガイドレール10側またはアシストバー30側に、充電可能状態と充電不可能状態とに切り替えるためのスイッチを設けるようにしてもよい。
(3)本発明に係る歩行補助装置は、廊下、各居室、便所、洗面室、浴室、玄関、玄関ポーチ等のあらゆる場所に個別に設置できることはもちろん、適宜の複数場所に跨って連続して設置することが可能である。
具体的に、例えば図9に示すように、ガイドレール10を廊下1Aから居室1B等に跨って連続的に施工することができる。
その場合、引き戸5の閉側受け板6の上下方向途中部分を切り欠き、この切り欠き6aにガイドレール10を通すように設置すればよい。
このようにすれば、例えば廊下1Aから居室1Bへの移動、あるいはそれ以外の隣り合う二つの空間における相互の移動を、アシストバー30を使用して簡単に行うことが可能になる。
(4)上記実施形態において、図示していないが、ガイドレール10の長手方向任意位置でスライダ20およびアシストバー30の移動を使用者の意思によって停止させるためのブレーキ機構を設けることも可能である。
このブレーキ機構を設ける場合において、ブレーキ操作は、例えば図10の(a)に示す状態から図10の(b)に示す状態のように、アシストバー30を例えば時計方向(あるいは反時計方向でも可能)に所定角度回すことによって行うようにし、スライダ20にブレーキをかけた状態で停止させるようにするロックボタンを適宜の位置に設けることも可能である。
このようなブレーキ機構を装備していれば、例えば歩行補助装置を階段に設置する場合において、例えば上り下りいずれか一方の一段毎にブレーキをかけることによってスライダ20およびアシストバー30を不動にすれば、上り下りが比較的安全かつ容易に行えるようになる。
(5)上記実施形態において、図示していないが、アシストバー30を上向きに傾けるときに、任意の角度で姿勢保持できるよう段階的に調節可能とする調節機構を設けることも可能である。
この構成によれば、アシストバー30を上向きに傾かせるときに、任意の角度で姿勢保持させることが可能になるから、使い勝手がよくなる。
(6)図11から図13に本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、アシストバー30の強度および支持部分の強度を高めるように工夫している。
まず、図11に示すように、側壁面2においてガイドレール10の下側にサポート用ガイドレール10Aを所定間隔離して略平行に設置している。
ガイドレール10とサポート用ガイドレール10Aとは、それぞれ長尺な帯板形状の胴体11,11Aにおける二つの長辺にそれぞれ一側へ向けて突出する鍔12,12A,13,13Aが一体に設けられている。
なお、上鍔12,12Aは、胴体11,11Aの上側長辺から水平方向に突出されてから途中で下向きに略直角に屈曲されている。下鍔13,13Aは、胴体11,11Aの下側長辺から水平方向に突出されてから途中で上向きに略直角に屈曲されている。
スライダ20は、ガイドレール10とサポート用ガイドレール10Aとの両方にそれらの長手方向に沿って移動可能に取り付けられる構成とされている。
このスライダ20は、外筒26と、この外筒26の内孔内に相対回転可能に挿入される芯棒27とを有したヒンジ構造になっている。外筒26の上端側および下端側には略水平方向に突出する軸部26a,26bが設けられており、これら各軸部26a,26bには、それぞれ図示していないすべり軸受または転がり軸受を介してピニオンギヤ28A,28Bが取り付けられている。各ピニオンギヤ28A,28Bは、ガイドレール10とサポート用ガイドレール10Aの各下鍔13,13Aの内部に固定されたラックギヤ16A,16Bにそれぞれ噛合されている。
また、各軸部26a,26bには、ブラケット26c,26dを介してガイドローラ29A,29Bが回転可能に取り付けられている。各ガイドローラ29A,29Bは、ガイドレール10とサポート用ガイドレール10Aの各上鍔12,12Aの内部に収納配置された状態で、それぞれ、各胴体11,11Aと各上鍔12,12Aの下向き突片の内面とに転動可能とされている。
アシストバー30は、図12に示すように、その一端がスライダ20の芯棒27の上端側に固定されていて、このアシストバー30の自由端側と、スライダ20の芯棒27の下端側とに斜め姿勢の棒状の第1補強部材31が掛け渡されるとともに、アシストバー30の基端側と、斜め姿勢の第1補強部材31の基端側とに略垂直方向に沿う姿勢の棒状の第2補強部材32が掛け渡されていることによって、正面から見て三角形となるように構成されている。
このアシストバー30は、スライダ20の外筒26と芯棒27とからなるヒンジによって、図13に示すように、横向き姿勢から側壁面2へ近づく向きに略水平方向に所定角度(約90度)だけ旋回可能になっている。
このような構成の歩行補助装置では、上記実施形態で説明した効果と同様の効果が得られるうえ、使用者を支えるためのアシストバー30の強度やその支持部分の剛性が可及的に高められているから、上記実施形態よりも耐荷重性、耐久性において優れたものになっている。
なお、ガイドレール10およびサポート用ガイドレール10Aに対してスライダ20を移動可能にするために、いわゆるラックアンドピニオン式のギヤを用いているが、図示しないが単純な車輪を用いることもできる。
1 床面
2 側壁面
10 ガイドレール
20 スライダ
21 フレーム
22 連結部
23 車輪
24 ヒンジ
30 アシストバー
2 側壁面
10 ガイドレール
20 スライダ
21 フレーム
22 連結部
23 車輪
24 ヒンジ
30 アシストバー
Claims (4)
- 床面から立ち上がる側壁面に前記床面と略平行に設けられるガイドレールと、このガイドレールにその長手方向に沿って移動可能に取り付けられるスライダと、このスライダに一端が取り付けられて片持ち梁状に支持されるアシストバーとを含み、
前記アシストバーは、少なくとも人間の両手を横並びに配置した状態で掴める長さに設定されていて、前記床面に対し略平行でかつ前記ガイドレールの長手方向に対し略直交する横向き姿勢とされていることを特徴とする歩行補助装置。 - 前記アシストバーは、必要に応じてガイドレール寄りの一端側を支点として上向きに傾動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の歩行補助装置。
- 前記側壁面において前記ガイドレールの下側に所定間隔離れた位置に略平行に設置されるサポート用ガイドレールをさらに有し、
前記スライダは、前記ガイドレールと前記サポート用ガイドレールとの両方にそれらの長手方向に沿って移動可能に取り付けられるものとされており、
前記アシストバーの自由端側と、前記スライダにおけるサポート用ガイドレール側部分とに補強部材が掛け渡されていることを特徴とする請求項1に記載の歩行補助装置。 - 前記アシストバーには、所定の操作を受けたときに、音、光、電気信号あるいはそれらの組み合わせ等からなる警報を行う警報装置が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の歩行補助装置。
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