JP2006286597A - 組成物またそれから得られるイオン伝導性電解質及びそれを用いた二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 重合性を消失した塩モノマー誘導体と、塩モノマーを必須成分とすることを特徴とする組成物。重合性を消失した塩モノマー誘導体と、塩モノマーとを含んで合成される重合体を特徴とする組成物。重合性を消失した塩モノマー誘導体と、塩モノマーを含んで合成される重合体とを必須成分とすることを特徴とする組成物。前記組成物から得られるイオン伝導性電解質。前記イオン伝導性電解質を構成要素とすることを特徴とする二次電池。
Description
したがって、高いイオン伝導性を発現し、さらにサイクル特性を向上する高分子電解質が求められていた。
1. 重合性を消失した塩モノマー誘導体と、塩モノマーを必須成分とすることを特徴とする組成物。
2. 重合性を消失した塩モノマー誘導体と、塩モノマーとを含んで合成される重合体を特徴とする組成物。
3. 重合性を消失した塩モノマー誘導体と、塩モノマーを含んで合成される重合体とを必須成分とすることを特徴とする組成物。
4. 前記重合性を消失した塩モノマー誘導体は、少なくとも2個の塩モノマーの連鎖生長末端反応よりなる誘導体、塩モノマーの連鎖生長末端と重合開始剤との反応よりなる誘導体、塩モノマーの連鎖成長末端と重合禁止剤との反応よりなる誘導体、塩モノマーの連鎖成長末端と連鎖移動剤との反応よりなる誘導体、からなる群より少なくとも1つ選ばれるものである第1項〜第3項のいずれかに記載の組成物。
5. 前記重合性を消失した塩モノマー誘導体は、塩モノマーの重合性官能基が付加反応により重合性を消失した誘導体である第1項〜第3項のいずれかに記載の組成物。
6. 第1項〜第5項のいずれか記載の組成物から得られるイオン伝導性電解質。
7. 第6項に記載のイオン伝導性電解質を構成要素とすることを特徴とする二次電池。
本発明において、重合性を消失した塩モノマー誘導体は、イオン伝導性電解質を可塑化する効果により、電解質塩のイオンの移動度を向上させ、イオン伝導性電解質とした場合、高いイオン伝導性を発現し、かつ、これを用いた二次電池においてはサイクル特性を向上させることができる。その作用は、常温における性状が固体でも液体でも、その効果は発現するものである。この理由についての詳細はわからないが、上記イオン伝導性電解質を構成する、塩モノマーを含んで合成される重合体と極めて相溶性がよく、イオン伝導性電解質内に、均一にナノサイズで分散するために、分子レベルでの可塑化効果が格段によいためではないかと考えられる。この可塑化効果を十分に発現させるため、本発明に用いる重合性を消失した塩モノマー誘導体の数平均分子量は、好ましい下限値が200、より好ましい下限値が500、好ましい上限値が50,000、より好ましい上限値が10,000である。数平均分子量が前記範囲内にあると、イオン伝導電解質の電気化学安定性および可塑化効果がより優れる。
具体的には、窒素原子が4つの置換基Rで置換された四級アンモニウムカチオンがまず挙げられる。置換基Rは、置換または無置換の、アルキル基CnH2n+1−、アリール基(Rc)m−C6H5-m−、アラルキル基(Rc)m−C6H5-m−CnH2n−、アルケニル基Rc−CH=CH−Rc−、アラルケニル基(Rc)m−C6H5-m−CH=CH−Rc−、アルコキシアルキル基Rc−O−CnH2n−、アシルオキシアルキル基Rc−COO−CnH2n−(前記置換基Rにおける、Rcは、置換もしくは無置換の、炭素数20以下のアルキル基、または水素であり、複数ある場合は互いに異なっても良い。mは1以上5以下の整数。nは1以上20以下の整数。)などを例示することができる。また、置換基Rはヘテロ原子を含んでも良い。また、4つのRは各々異なっても、同一であってもかまわない。ただし、4つの置換基の内、少なくとも一つは重合性官能基を有する。
上記R、Rcにおいて置換された場合の置換基とは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの直鎖または分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基などの環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基等の直鎖または分岐のアルコキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの環状のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、プロポキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、p−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基等のアリール基、フェノキシ基、m−メチルフェノキシ基、o−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、m−クロロフェノキシ基、o−クロロフェノキシ基、p−n−ブチルフェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、m−メチルフェニルチオ基,o−メチルフェニルチオ基、o−エチルフェニルチオ基、p−プロピルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基等のアリールチオ基、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、n−プロピルカルボニルアミノ基、イソプロピルカルボニルアミノ基、n−ブチルカルボニルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、イソプロポキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基等のアルコキシカルボニルアミノ基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基等のアルキルカルボニル基、メチルカルボキシ基、エチルカルボキシ基、n−プロピルカルボキシ基、イソプロピルカルボキシ基、n−ブチルカルボキシ基等のアルキルカルボキシ基、メトキシカルボキシ基、エトキシカルボキシ基、n−プロポキシカルボキシ基、イソプロポキシカルボキシ基、n−ブトキシカルボキシ基等のアルコキシカルボキシ基、メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルエトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、n−プロポキシカルボニルメトキシ基、イソプロポキシカルボニルメトキシ基、n−ブトキシカルボニルメトキシ基等のアルコキシカルボニルアルコキシ基等を挙げることができる。ここに挙げられた置換基にはハロゲンが含まれていても良い。また、この他には、シアノ基やフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等も挙げることができる。
本発明に用いる重合性を消失した塩モノマー誘導体に用いる重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル又はアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、ナフチルアミン、β−ナフトール、フェノチアジン、ピリジン、ニトロベンゼン、o−トルキノンおよびアリールホスファイト等を挙げることができるが、好ましくは、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル又はアリール置換ハイドロキノンである。
また、開始温度の調整目的あるいは熱開始反応/光開始反応の併用や時間差開始などを目的として、これらの開始剤を複数種混合して用いることも可能である。
また、これらの重合開始剤は、重合性を消失した塩モノマー誘導体を得る以外にも、塩モノマーやその他のモノマーを用いる場合にも利用することができる。
重合開始剤を用いる場合は、電解質系中に含まれる全ての重合性官能基のモル数に対して、0.01〜30mol%程度であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜20mol%である。
また、上記モノマー類における含有量の割合としては、塩モノマーが0.1〜99.9wt%、重合性を消失した塩モノマー誘導体が0.1〜99.9wt%が好ましく、より好ましくは塩モノマーが0.5〜99.5wt%、重合性を消失した塩モノマー誘導体が0.5〜99.5wt%である。
[塩モノマー(1)の合成及び精製]
2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸10.36g(50mmol)を、メタノール300ml/蒸留水10mlに溶解し、これに炭酸銀13.79g(50mmol)を添加して、水浴中(22℃)で穏やかに3時間連続攪拌し、濾過後、無色透明の溶液を得た。この濾液に、50mmolのメタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド(50%水溶液)を滴下反応させた。反応は定量的に進行した。反応副生成物である塩化銀を濾別し、無色透明のメタノール/水溶液を回収した。この濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、冷暗所で終日静置することにより目的物を再結晶させ、無色透明の板状結晶を回収した。得られた塩モノマー(1)はプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により組成確認を実施した。
アルゴン雰囲気(露点温度:−60℃以下)にてメタノール30mlに塩モノマー(1)10.00gを加え完全に溶解させた。十分脱気したのち熱重合開始剤過酸化ベンゾイル(BPO)1.2gを加えしっかり撹拌し均一に溶解させた。その後80℃、30分加熱し重合させた。得られたポリマー溶液をアセトンで再沈させた後、濾過により白色の重合性を消失した塩モノマー誘導体(11)を回収した。得られた固体は、60℃の真空乾燥機中で3時間乾燥させた。重合性を消失した塩モノマー誘導体(11)は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、重合性官能基が完全に消失していることを確認した。
十分に乾燥した上記塩モノマー(1)0.25g、重合性を消失した塩モノマー誘導体(11)0.1g、LiClO40.025g、ジメチルアクリルアミド(DMAAm)0.125g、過酸化ベンゾイル0.0015gを乾燥アルゴン雰囲気(露点温度:−60℃以下)にてそれぞれ秤量し、それを脱水メタノール10mlにより完全に溶解させ、充分脱気させた。得られた溶液をテフロン(登録商標)シート上でキャストし、室温で溶媒を除去した後に、80℃で4時間加熱し、膜状のイオン伝導性電解質<LE1>を得た。
上記で得られたイオン伝導性電解質<LE1>について、交流インピーダンス法により、イオン伝導度を測定した。測定の際の周波数範囲は50Hz〜30MHz、電圧は0.5Vとした。測定の結果、室温(20℃)に於けるイオン伝導度は5.0×10-4S/cmであった。
正極活物質として、LiCoO2を85重量%、導電剤としての黒鉛を5重量%と、結着剤としてのポリ(ビニリデンフルオライド)を10重量%とを混合して、正極合剤を調製し、この正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン中に分散させて、スラリー状の正極合剤とした。この正極合剤を、正極集電体として用いる厚み20μmのアルミニウム箔の両面に、均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで正極を得た。
まず、負極活物質として粉砕した黒鉛粉末を90重量%と、結着剤としてポリ(ビニリデンフルオライド)を10重量%とを混合して、負極合剤を調製し、この負極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン中に分散させて、スラリー状の負極合剤とした。この負極合剤を、負極集電体として用いる厚み15μmの銅箔の両面に、均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで負極を得た。
次に、上記で得られた正極とイオン伝導性電解質と負極を貼り合わせ単層セルとし、このセルをポリエステルフィルム−アルミニウムフィルム−変性ポリオレフィンフィルムの三層構造のラミネートフィルムからなる外装体に挿入し封止して二次電池を得た。
電池の組み立て後、25℃、500mAの定電流電圧充電を上限4.2Vまで2時間行い、次に500mAでの放電(1時間率放電)を終止電圧2.5Vまで行った。これを1サイクルとして充放電を100サイクル行い、1サイクル目の放電容量を100%としたときの100サイクル目の容量維持率を求めた。100サイクル後の容量維持率は、95%であった。
[塩モノマー(2)の合成]
実施例1の、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド(50%水溶液)の代わりに、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド10.385gを用いて滴下反応させ、反応副生成物である塩化銀を濾別し、無色透明のメタノール/水溶液を回収した。この濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、溶媒を完全に除去し、無色透明の液状塩モノマー(2)を得た。得られた塩モノマー(2)はプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により組成確認を実施した。
実施例1の塩モノマー(1)の代わりに塩モノマー(2)を、過酸化ベンゾイルの代わりt−ブチルハイドロパーオキサイド0.12gに用いる以外は実施例1と同様にして白色の重合性を消失した塩モノマー誘導体(12)を得た。重合性を消失した塩モノマー誘導体(12)は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、重合性官能基が完全に消失していることを確認した。
実施例1の塩モノマー(1)、重合性を消失した塩モノマー誘導体(11)の代わりに、それぞれ塩モノマー(2)、重合性を消失した塩モノマー誘導体(12)を用いる以外は、実施例1と同様にして、イオン伝導性電解質<LE2>を得た。
上記で得られたイオン伝導性電解質<LE2>について実施例1と同様にイオン伝導度を測定した。測定の結果、室温(20℃)に於けるイオン伝導度は5.6×10-4S/cmであった。
実施例1のイオン伝導性電解質<LE1>の代わりに、イオン伝導性電解質<LE2>を用いる以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池<LB2>を得た。
上記で得られたリチウム二次電池<LB2>を用い、実施例1と同様にして100サイクル目の容量維持率を求めた結果、100サイクル後の容量維持率は、96%であった。
[重合性を消失した塩モノマー誘導体(13)の合成および精製]
実施例1に重合禁止剤であるモノメチルエーテルハイドロキノン0.12gを重合後に使用する以外は実施例1と同様にして白色の重合性を消失した塩モノマー誘導体(13)を得た。重合性を消失した塩モノマー(13)は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、重合性官能基が完全に消失していることを確認した。
実施例1の重合性を消失した塩モノマー誘導体(11)の代わりに、重合性を消失した塩モノマー誘導体(13)を用いる以外は、実施例1と同様にして、イオン伝導性電解質<LE3>を得た。
上記で得られたイオン伝導性電解質<LE3>について実施例1と同様にイオン伝導度を測定した。測定の結果、室温(20℃)に於けるイオン伝導度は5.5×10-4S/cmであった。
実施例1のイオン伝導性電解質<LE1>の代わりに、イオン伝導性電解質<LE3>を用いる以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池<LB3>を得た。
上記で得られたリチウム二次電池<LB3>を用い、実施例1と同様にして100サイクル目の容量維持率を求めた結果、100サイクル後の容量維持率は、92%であった。
[イオン伝導性電解質<LE4>の調製]
十分に乾燥した上記塩モノマー(1)0.25g、LiClO40.025g、ジメチルアクリルアミド0.125gを乾燥アルゴン雰囲気(露点温度:−60℃以下)にてそれぞれ秤量し、3mlメタノール中で撹拌しモノマー溶液を得た。これを十分に脱気したのち、過酸化ベンゾイル0.0015gを加えて、均一に溶解したのち、80℃で30分加熱し、その後重合性を消失した塩モノマー誘導体(11)を混合し、それにメタノール7ml添加して、得られた溶液をテフロン(登録商標)シート上でキャストし、室温で溶媒を除去した後に、80℃で4時間加熱し、膜状のイオン伝導性電解質<LE4>を得た。
上記で得られたイオン伝導性電解質<LE4>について実施例1と同様にイオン伝導度を測定した。測定の結果、室温(20℃)に於けるイオン伝導度は5.8×10-4S/cmであった。
実施例1のイオン伝導性電解質<LE1>の代わりに、イオン伝導性電解質<LE4>を用いる以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池<LB4>を得た。
上記で得られたリチウム二次電池<LB4>を用い、実施例1と同様にして100サイクル目の容量維持率を求めた結果、100サイクル後の容量維持率は、90%であった。
[重合性を消失した塩モノマー誘導体(14)の合成]
実施例1に連鎖移動剤であるn−オクチルメルカプタン0.12gを加熱開始2時間後に添加する以外は実施例1と同様にして白色の重合性を消失した塩モノマー誘導体(14)を得た。重合性を消失した塩モノマー誘導体(14)は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、重合性官能基が完全に消失していることを確認した。
実施例1の重合性を消失した塩モノマー誘導体(11)の代わりに、重合性を消失した塩モノマー誘導体(14)を用い、ジメチルアクリルアミドを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして、イオン伝導性電解質<LE5>を得た。
上記で得られたイオン伝導性電解質<LE5>について実施例1と同様にイオン伝導度を測定した。測定の結果、室温(20℃)に於けるイオン伝導度は5.4×10-4S/cmであった。
実施例1のイオン伝導性電解質<LE1>の代わりに、イオン伝導性電解質<LE5>を用いる以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池<LB5>を得た。
上記で得られたリチウム二次電池<LB5>を用い、実施例1と同様にして100サイクル目の容量維持率を求めた結果、100サイクル後の容量維持率は、90%であった。
[重合性を消失した塩モノマー(15)の合成]
実施例1で得られた塩モノマー(1)1gを10mlのメタノールに溶解させ、ジエチルアミン0.16g添加し、攪拌しながら40℃で6時間反応させた。反応溶液をエバポレーターで減圧濃縮し、溶媒を完全に除去し、無色透明の重合性を消失した塩モノマー誘導体(15)を得た。重合性を消失した塩モノマー(15)は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、重合性官能基が完全に消失していることを確認した。
実施例1の重合性を消失した塩モノマー誘導体(11)の代わりに、重合性を消失した塩モノマー誘導体(15)を用い、ジメチルアクリルアミドを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして、イオン伝導性電解質<LE6>を得た。
上記で得られたイオン伝導性電解質<LE6>について実施例1と同様にイオン伝導度を測定した。測定の結果、室温(20℃)に於けるイオン伝導度は5.8×10-4S/cmであった。
実施例1のイオン伝導性電解質<LE1>の代わりに、イオン伝導性電解質<LE6>を用いる以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池<LB6>を得た。
上記で得られたリチウム二次電池<LB6>を用い、実施例1と同様にして100サイクル目の容量維持率を求めた結果、100サイクル後の容量維持率は、93%であった。
[イオン伝導性電解質<LE7>の調製]
実施例1の塩モノマー(1)0.485g、LiClO40.025gを乾燥アルゴン雰囲気(露点温度:−60℃以下)にて十分に脱気したのち、過酸化ベンゾイル(BPO)0.0015gを加えて、均一に溶解させ、80℃で30分加熱し、イオン伝導性電解質<LE7>を得た。
上記で得られたイオン伝導性電解質<LE7>について実施例1と同様にイオン伝導度を測定した。測定の結果、室温(20℃)に於けるイオン伝導度は1.0×10-4S/cmであった。
実施例1のイオン伝導性電解質<LE1>の代わりに、イオン伝導性電解質<LE7>を用いる以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池<LB7>を得た。
上記で得られたリチウム二次電池<LB7>を用い、実施例1と同様にして100サイクル目の容量維持率を求めた結果、100サイクル後の容量維持率は、67%であった。
Claims (7)
- 重合性を消失した塩モノマー誘導体と、塩モノマーを必須成分とすることを特徴とする組成物。
- 重合性を消失した塩モノマー誘導体と、塩モノマーとを含んで合成される重合体を特徴とする組成物。
- 重合性を消失した塩モノマー誘導体と、塩モノマーを含んで合成される重合体とを必須成分とすることを特徴とする組成物。
- 前記重合性を消失した塩モノマー誘導体は、少なくとも2個の塩モノマーの連鎖生長末端反応よりなる誘導体、塩モノマーの連鎖生長末端と重合開始剤との反応よりなる誘導体、塩モノマーの連鎖成長末端と重合禁止剤との反応よりなる誘導体、および塩モノマーの連鎖成長末端と連鎖移動剤との反応よりなる誘導体からなる群より少なくとも1つ選ばれるものである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 前記重合性を消失した塩モノマー誘導体は、塩モノマーの重合性官能基が付加反応により重合性を消失した誘導体である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜5のいずれか記載の組成物から得られるイオン伝導性電解質。
- 請求項6に記載のイオン伝導性電解質を構成要素とすることを特徴とする二次電池。
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