図1は車載型楽曲再生システム10の概略構成図である。車載型楽曲再生システム10は、1個のヘッドユニット11と、複数個のポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c・・・とを装備する。典型的なヘッドユニット11はカーナビゲーション装置に実装され、該カーナビゲーション装置がヘッドユニット11の機能を併せ持つ。ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c・・・は、各ユーザに所持され、自動車の車内へ適宜、持ち込んで、ケーブル又は無線を介してヘッドユニット11へ切り離し自在に接続可能になっている。ケーブルは例えばUSBケーブルやLANケーブルであってよく、無線は例えば無線LANやブルートゥース(bluetooth)等であってもよい。ヘッドユニット11は、ハードディスク装置12内にMP3等の楽曲圧縮ファイルで記録されている楽曲をそれ自体で再生可能になっている。各ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c・・・も、それ自体で不揮発性メモリ29にMP3等の楽曲圧縮ファイルで記録されている楽曲を再生自在になっている。不揮発性メモリ29は、例えばハードディスク装置又はフラッシュメモリ等から成る。楽曲は、1曲ごとに所定のフォーマットの規定に従い圧縮されたMP3,WMA,AAC等の楽曲圧縮ファイルとしてハードディスク装置12及び不揮発性メモリ29に記録されている。
ヘッドユニット11は、ハードディスク装置12の他に、情報処理部13、アンプ14、表示部15、キー16及び情報保存部17を装備する。情報処理部13は、各種のプログラムに従って所定の演算を行うCPU20を備える。情報処理部13は、各種の情報を例えばLCD(liquid crystal display)から成る表示部15に表示し、ユーザは、ヘッドユニット11への指示をキー16を操作することにより行い、キー16への入力情報は、情報処理部13へ送られて、情報処理部13において対応の処理が行われる。ユーザによるヘッドユニット11への指示は、リモコン(図示せず)を介して行うこともできる。
情報保存部17は、フラッシュメモリ等の不揮発メモリから成り、CPU20によりデータを適宜、読書き自在になっている。情報保存部17は、プレイリスト情報22、再生履歴情報23及び機器接続情報24等を保存する。プレイリスト情報22には、ヘッドユニット11の所有者専用のプレイリストだけでなく、複数ユーザに共通する後述のプレイリストに係る情報も含み、プレイリスト情報22はプレイリストの再利用のために保存されている。再生履歴情報23とは、ヘッドユニット11における過去所定期間内の楽曲の再生履歴に係る情報であり、機器接続情報24は、その保存時にどのようなポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c・・・がヘッドユニット11に接続されていたかを検出するための情報である。車載型楽曲再生システム10及び各ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c・・・は、MAC(Media Access Control)アドレス等のIDが付与され、該IDにより相互に識別自在になっている。スピーカ18は、ヘッドユニット11とは別体で設けられ、アンプ14からのオーディオ信号を音へ変換する。ヘッドユニット11が、ハードディスク装置12内の楽曲を再生する場合には、情報処理部13が、ハードディスク装置12から楽曲のファイルを読み込んで、対応の規格(例:MP3,WMA)に基づきデコードして、アナログのオーディオ信号を生成し、それをアンプ14へ出力する。アンプ14は、アナログオーディオ信号を増幅し、スピーカ18へ出力する。
ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c・・・は、ユーザの衣服のポケットに格納可能な例えばiPod(米国アップル社登録商標)等の楽曲再生器であり、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ29を内蔵する。不揮発性メモリ29には多数の楽曲がMP3やWMA等のオーディオフォーマットのファイルで記録されている。各ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c・・・は、ヘッドユニット11からの再生指示を受け付けると、指示のあった楽曲ファイルを読み込んで、対応の規格(例:MP3,WMA)に基づきデコードして、アナログ又はデジタルのオーディオ信号を生成する。そして、そのオーディオ信号を、車載型楽曲再生システム10との通信の規格に変換して、車載型楽曲再生システム10へ伝送するようになっている。
図2はハードディスク装置12及び不揮発性メモリ29における楽曲ファイル32のデータ構造を示している。各楽曲の音声データはMP3等の規格により圧縮された楽曲ファイル形式でハードディスク装置12及び不揮発性メモリ29に記録される。各楽曲ファイル32はヘッダとデータ部とを備え、データ部には、オーディオ信号を圧縮した音声データが記録され、また、ヘッダには、ジャンル、アーティスト、タイトル(楽曲名)等の付帯情報が記録される。各楽曲の付帯情報は、所定の楽曲編集ソフトにより楽曲ファイル32を作成する際に、例えば、CDのデータベースGrace note CDDB(http://www.cddb.com)から適宜入手して入力作業を省いたり、自ら、テキスト入力したりして、音声データと共に楽曲ファイル32内に格納することができる。Grace note CDDBでは、楽曲(トラック)の付帯情報として、タイトル、アーティスト、レーベル、発売年、クレジット情報、ジャンル・・・が定義されている。なお、楽曲は、ハードディスク装置12及び不揮発性メモリ29においてフォルダを利用して管理されており、フォルダは、通常、アルバムに対応し、アルバムの付帯情報として、前述のGrace note CDDBでは、アルバムについてのタイトル、アーティスト、レーベル、ジャンル等が定義されている。典型的な楽曲ファイル32は、ハードディスク装置12及び不揮発性メモリ29において所定のフォルダ内に格納されている。楽曲に係る情報には、楽曲自体(トラック自体)の楽曲ファイル32に格納されている付帯情報だけでなく、フォルダ(アルバム)の付帯情報をも含めることができる。
図3は嗜好情報ファイル33の構造図である。嗜好データは、ハードディスク装置12及び不揮発性メモリ29に、所定のファイル名(拡張子も含む)の嗜好情報ファイル33に格納されて記録される。ヘッドユニット11及びポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c・・・の所有者は、所定のプログラムにより音楽に関する自分の好みを嗜好データを嗜好情報ファイル33に格納して、ハードディスク装置12及び不揮発性メモリ29に登録できるようになっている。嗜好データは、例えば、好きなジャンル、嫌いなジャンル、嫌いなアーティスト及びプレイリストについて登録できる。嗜好データは、登録が必須のものではなく、ユーザによっては嗜好情報ファイル33をハードディスク装置12及び不揮発性メモリ29に記録していない場合もある。図3では、プレイリストが、好き嫌いの情報と共に嗜好情報ファイル33に格納されているが、嗜好データとは別個のファイルに記録されてもよい。嗜好情報ファイル33は通常、メタファイルとして利用される。また、嗜好情報ファイル33は、ヘッドユニット11及びポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c・・・が必須に保有していなければならないものではなく、ユーザのポータブルオーディオプレーヤによっては嗜好情報ファイル33がないことがあるとする。
ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c・・・の所有者としての各ユーザの楽曲についての好き嫌い(嗜好)は、嗜好情報ファイル33が存在しなくも、他のデータにより代替できる。例えば、ユーザが自分のポータブルオーディオプレーヤに保有する付帯情報(ジャンルやアーティスト名等)付き楽曲に基づき、各ジャンルの総曲数を調べ、多ければ、それは該ユーザが特に好んでいるジャンルと、判断できる。また、ポータブルオーディオプレーヤに再生履歴が存在している場合には、再生履歴に基づきジャンルやアーティストについての聴取頻度や聴取回数を調べ、それらの大きい又は多いものは該ユーザが特に好んでいるジャンルやアーティストと判断できる。
図4は携帯電話35におけるメタファイル36のデータ構造を示している。携帯電話35は、ヘッドユニット11にケーブルや無線を介して切り離し自在に接続される。メタファイル36は携帯電話35の不揮発性メモリ37に記憶され、メタファイル36の各フィールドには、楽曲ファイル32(図2)におけるヘッダ部分の付帯情報の各情報要素名が記録される。ヘッドユニット11は、携帯電話35のメタファイル36から各情報要素名を読み込むことにより、携帯電話35のユーザの嗜好情報を検出できる。
携帯電話35におけるメタファイル36の作成方法には、ユーザが携帯電話35に対して、アドレス帳への電話番号登録と同様な編集操作で、テキストデータを入力して、メタファイル36を直接、作成することの外に、ユーザが携帯電話35をオーディオ再生機器に接続して、該オーディオ再生機器のメタデータ又はメタファイルを転送することがある。携帯電話35等へのメタデータ等の転送元のオーディオ再生機器には、例えば、パソコン、携帯型再生装置、又はホームオーディオ機器が挙げられる。それらメタデータ等の転送元のオーディオ再生機器は、ユーザ自身の所有のものに限定されず、嗜好情報が許容範囲内であれば、家族や知人等の他人の所有するものであってもよい。
携帯電話35等へのメタデータ等の転送元のオーディオ再生機器からのメタデータ等の構築方法には、ユーザの嗜好をテキスト入力するだけでなく、例えば、好みの1個の楽曲をオーディオ再生機器において再生している期間に所定のキーを操作することによりその再生楽曲の付帯情報(例えばジャンルやアーティスト)がユーザのお気に入りの嗜好情報として一気に登録されるようにしたり、ユーザが、楽曲の再生中に、それが好みと判断すれば、そのつど、キーを操作し、所定期間にわたりキー操作の回数をカウントし、嗜好データが統計データとして作成されるようになっていてもよい。
車載型楽曲再生システム10における3人のユーザA,B,Cによるグループ用プレイリスト構築方法について説明する。ユーザAは運転者でもあり、ヘッドユニット11はユーザAの自動車に装備されているものとする。ここでは、ユーザAのヘッドユニット11は、ハードディスク装置12に楽曲を全く有していないか、又は接続されたポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cからのデコード済みのオーディオ信号を受信して、オーディオ信号に係るオーディオを放音器52から出力可能になっているものの、ヘッドユニット11自身では楽曲ファイルをデコードする機能を装備しないタイプのものとする。ユーザA,B,Cはポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cを所持する。
最初、ユーザAのみが、他には誰も同乗させることなく、自分の自動車を運転している。ヘッドユニット11にはポータブルオーディオプレーヤ28aをUSBケーブルで接続し、ポータブルオーディオプレーヤ28a専用のプレイリストをヘッドユニット11において作成し、該ポータブルオーディオプレーヤ28a専用のプレイリストに基づき再生された楽曲を聞いている。
或る場所からユーザB,CがユーザAの自動車に同乗し、ポータブルオーディオプレーヤ28b,28cがそれぞれワイヤレス及びUSBによりヘッドユニット11へ接続されたと仮定する。ユーザB,Cは、グループ用プレイリストに基づく楽曲再生に参加するならば、ポータブルオーディオプレーヤ28b,28cをエントリモードへ切替え、拒否するならば、エントリモードへ切替えは行わないことにする。全面許容の一律のエントリモードの他に、エントリモードを複数個に分割して設定することもできる。第1のエントリモードは、ヘッドユニット11への自分のポータブルオーディオプレーヤの保有楽曲の楽曲信号の送信は許容するが、嗜好情報の送信は禁止するもの、第2のエントリモードは嗜好情報の送信は許容するが、楽曲信号の送信は禁止するもの、第3のエントリモードは楽曲信号及び嗜好情報の両方の送信を許容するものである。ここでは、全面許容の一律のエントリモードを想定し、ユーザB,C共にエントリモードへ切り替えたとする。
ヘッドユニット11は、ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cのメタデータを収集する。嗜好情報に関して、ユーザA,Bは共に好きなジャンルがロックとジャズ、ユーザCは好きなジャンルがロックのみであったとする。この場合、ロックはグループ員全員の好きなジャンルとなっているので、ヘッドユニット11は、自動的に、選択条件を、「ジャンルがロックに属する楽曲」に設定する。
嗜好情報に関して、ユーザA,B,Cは共に好きなジャンルがロックとジャズであったとする。この場合は、その旨を表示部15に表示し、今回の選択条件をロック及びジャズのどちらにするかをグループに決定させる。その他の方法としては、選択条件をロックかジャスかのいずれかに属する楽曲と自動設定することもできる。この選択条件の場合に、プレイリストへの登録数の制限が20曲であれば、ロック及びジャズの楽曲がそれぞれ10個ずつ登録されることになる。
ヘッドユニットは、嗜好情報の収集結果を表示部15に表示するともできる。表示部15への嗜好情報の収集結果の表示はランキング形式を採用することもできる。例えば、ユーザA,Bは共に好きなジャンルがロックとジャズ、ユーザCは好きなジャンルがロック及びポップスであったとする。ランキング形式の表示では、一位にロック、二位にジャズ、三位にポップが表示される。グループは、今回の選択条件を、必ずしも一位のジャンルに設定することなく、二位以下のものを設定してもよい。
図5は各ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cの不揮発性メモリ29に楽曲データとして格納されている楽曲ファイルを、ジャンルを区別して示している、楽曲ファイルの符号のA,B,Cはそれぞれポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cが保有している楽曲ファイルであることを意味し、添え字のr,jはそれぞれロック及びジャズの楽曲ファイルであることを意味し、さらに、3番目の添え字1,2,3,・・・は、ポータブルオーディオプレーヤ別及びジャンル別の順番を示している。図5において、「・・・」はロック及びジャズ以外の楽曲ファイルが格納されていることを意味する。
ユーザA,B,Cの協議に従い又はヘッドユニット11による自動設定により、今回のグループ用プレイリスト作成の基礎とする選択条件はロックに属する楽曲に設定されたとする。ヘッドユニット11は、該選択条件に基づき、ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cの保有楽曲の中から、ジャンルがロックである楽曲を選択する。ここで、ジャンルがロックに属する楽曲が、ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cにそれぞれ50、40,10個、存在し、グループ全体の総数が100曲であったとする。
ヘッドユニット11は、グループ用プレイリストの最大登録数(該最大登録数はあらかじめのユーザ設定やグループ用プレイリスト作成ごとのユーザ選択ができるようになっている。ここでは20とする。)に対し、5:4:1の配分で、すなわちそれぞれ10,8,2曲ずつポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cから該当楽曲を選択し、これら選択した楽曲をグループ用プレイリストに登録する。
図6は各ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cから選択した楽曲に基づき作成されたグループ用プレイリスト41における楽曲登録状況及び再生順を示している。ジャンルがロックに属する楽曲の選択条件選択条件に対して各ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cから選択された楽曲Ar1,Ar2,Ar3,・・・、Br1,Br2,Br3,・・・Cr1,Cr2,Cr3,・・・がグループ用プレイリスト41に登録される。また、再生順は、ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cの順番で1個ずつ再生するものとし、最後のポータブルオーディオプレーヤ28cの楽曲を再生した次は、再び、最初のポータブルオーディオプレーヤ28aの楽曲の再生へ戻る循環形式となっている。
その後、ユーザAの自動車は、休憩や給油等のために、エンジンを停止する。ヘッドユニット11は、情報保存部17にプレイリスト情報22として、エンジン停止前のグループ用プレイリスト及びその再生履歴を保存する。そして、エンジンが再始動した時には、(a)リジューム再生するか、すなわち、プレイリスト情報22を読み出して、エンジン停止前のグループ用プレイリストを再利用するか、また、(b)グループ用プレイリストを再構築するか、すなわち、エンジン再始動時に接続されているポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cの保有楽曲について、選択条件に該当する楽曲の選択を新規にやり直すかのいずれかを実施する。
休憩中に各ポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28cの保有楽曲の追加、又は削除が行われている可能性があるので、(a)又は(b)の実行に先立ち又は並行して、それら追加及び削除をチェックする。そして、追加又は削除があったときには、対応の処理を行う。また、情報保存部17の記憶容量には制限があるので、グループ用プレイリストの再生履歴は、エンジン停止前の所定時間(例:6時間)とか、所定数(例:約100曲)とかに制限することになる。
図7はエンジンキーの挿抜に基づくプレイリスト構築方法40aのフローチャートである。ヘッドユニット11は、前述したように、自動車に装備されている。自動車では、エンジンキーの位置について、OFF、ACC(アクセサリー)、ON、STARTの4位置が時計方向へ規定され、ヘッドユニット11の電源は、エンジンキーのOFF位置では、切になり、他の位置では、入になる。また、自動車のエンジンは、エンジンキーが一旦ACC又はOFFの位置へ切り替えられると、次にSTART位置にされてエンジンが始動されるまで停止状態を維持する。図7〜図9において、ACCオフとは、エンジンキーがOFF位置にあることを意味し、ACCオンとは、エンジンキーがACC、ON、START位置にあることを意味する。エンジンキーがACC位置にあるときは、エンジンは停止しているが、ヘッドユニット11は、そのパワースイッチがオンになっていれば、作動状態になっている。したがって、ACCオンとエンジン作動中とは、厳密には一致しないが、図7〜図9のフローチャートにおいて両者は一致するとして話を進める。
S401では、ACCオフか否かを調べ、ACCがオフになりしだい、S402へ進む。S402では、ACCがオンになったか否かを調べ、オンになりしだい、S403へ進む。S403では、ACCオフの期間にエンジンキーが挿抜されたか否かを判定し、該判定の結果が正であれば、S404へ進み、否であれば、S406へ進む。エンジンキーの挿抜があったということは、運転者が自動車を駐車して、自動車から離れたことを意味し、ACCがオフとなっている期間に、グループのメンバーの変更の可能性が高まる。また、エンジンキーの挿抜がなかったということは、例えば、ガソリンスタンドで給油のためにエンジンキーをOFF位置にした場合のように、ドライバーが自動車内にいるか、エンジンをかけたまま少しの間だけ外へ出ており、グループのメンバーの変更の可能性は低い考えられる。
S404では、プレイリストを再構築する。この再構築では、選択条件について、ACCオフ前のプレイリストに適用した選択条件と同一のものを使用してよいし、また、今回は前回と別のものを設定してもよい。S405では、ACCがオンからオフへ切り替わった時のプレイリストに登録されて既再生の楽曲は、S404で再構築したプレイリストから削除する。こうして、前回のプレイリスト再生のときと同一の楽曲が流れるのを回避できる。S406では、前回使用していたプレイリストをレジューム機能を使って読み出して、これを以降のプレイリストとして利用する。S407では、修正されたプレイリスト又は読み出したプレイリストに基づき楽曲再生を実行する。
こうして、グループ用プレイリストによる楽曲再生の中断が生じ、その後、中断期間終了した場合に、グループ用プレイリストの楽曲再生再開時では、メンバーの入れ替えの可能性の高いときには、プレイリストを再構築し、メンバーの入れ替えの可能性の低いときは、前回のグループ用プレイリストを再利用する。
図8はエンジン停止期間の長さに基づくプレイリスト構築方法40bのフローチャートである。図7のプレイリスト構築方法40aにおけるステップと同一のステップは、同符号で示し、説明を省略する。プレイリスト構築方法40bは、プレイリスト構築方法40aのS403がS410に置き換えられただけである。S410では、S402までのエンジン停止期間が所定値以上であるか否かを判定する。そして、該判定が正であれは、S404へ進み、否であれば、S406へ進む。ユーザは、エンジンを止めてから、エンジンキーをACC位置にしたまま、グループ用プレイリストによる楽曲再生を聞いていて、その後、エンジンキーをオフ位置にすることがあり、そのような場合は、エンジン停止期間はグループ用プレイリストによる楽曲再生の中断期間より長くなる。エンジン停止期間が長いと、グループのメンバーの変更の可能性が高まり、プレイリストを再構築した方が望ましくなる。
図9はグループ保有楽曲の変更に基づくプレイリスト構築方法40cのフローチャートである。図7のプレイリスト構築方法40aにおけるステップと同一のステップは、同符号で示し、説明を省略する。グループ保有楽曲の変更は、プレイリストによる楽曲再生中断期間に、メンバーの出入りがあったとき、メンバーの誰かが、新楽曲をダウンロードしたり、自分のポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c,・・・から削除したときに、起きる。また、グループ保有楽曲の個数に増減が無くても、グループ保有楽曲に変更があるときがある。例えば、或る一人のメンバーが、楽曲を1個、削除するとともに、新規な楽曲をダウンロードした場合である。S420におけるグループ保有楽曲の変更は、典型的には、中断期間開始直前に使用していたプレイリストに適用した選択条件に該当する楽曲の変更である。
S420では、グループ保有楽曲に変更があったかを調べる。変更が無ければS406へ進む。楽曲追加の変更があったときは、楽曲消失の変更の有無に関係なく、S425へ進む。楽曲追加の変更がなく、楽曲消失の変更のみがあったときは、S430へ進む
S425では、追加楽曲優先で、図7のS404と同じくプレイリストを再構築する。追加楽曲優先とは、プレイリストの登録数に制限があるとき、選択条件に該当する楽曲が制限数以内に絞り込まなければならないが、その絞込み時に排除されないようにすることである。S426では、図7のS405と同様に、ACCがオンからオフへ切り替わった時のプレイリストに登録されて既再生のも楽曲は、S404で再構築したプレイリストから削除する。
S430では、図7のS406と同様に、前回使用していたプレイリストをレジューム機能を使って読み出す。S431では、該プレイリストから、消失プレイリストを削除する修正を行う。
図10は楽曲処理装置50の機能ブロック図である。楽曲処理装置50及び携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・の一例はそれぞれヘッドユニット11(図1)及びポータブルオーディオプレーヤ28a,28b,28c・・・(図1)である。放音器52の一例はスピーカ18(図1)である。記憶装置53の一例はハードディスク装置12(図1)である。前述のヘッドユニット11は、楽曲を自分のハードディスク装置12に保有して、それら保有楽曲を再生して、再生音をスピーカ18から出力自在になっているが、楽曲処理装置50は、楽曲を自分では保有することなく、携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・の保有楽曲のみの再生音をスピーカ18から出力自在になっていてもよい。両者を区別するとき、前者の楽曲処理装置50を「楽曲保有型楽曲処理装置50」と呼び、後者の「非保有型楽曲処理装置50」と呼ぶことにする。楽曲保有型楽曲処理装置50は、本発明を適用するために、1個以上の携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・を接続されればよいが、非保有型楽曲処理装置50は、2個以上の携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・を接続される必要がある。楽曲保有型楽曲処理装置50の場合、該楽曲保有型楽曲処理装置50に保有している楽曲は、該楽曲保有型楽曲処理装置50の所有者(自動車のドライバーや楽曲処理装置50を居間等に配備する家庭の住人等)の保有する楽曲となる。
すなわち、楽曲保有型楽曲処理装置50は、1個以上の携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・を接続され、各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・からの楽曲信号を受信して該楽曲信号に係る再生音を放音器52より出力可能になっているとともに、自身が装備する記憶装置53内の楽曲を再生して、再生音を放音器52から出力可能になっている。
また、非保有型楽曲処理装置50は2個以上の携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・を接続され、各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・からの楽曲信号を受信して該楽曲信号に係る再生音を放音器52より出力可能になっている。
各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・から楽曲処理装置50への楽曲信号は、典型的には、各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・において楽曲ファイルをデコードして、デコード後のオーディオ信号である。この場合、楽曲処理装置50は、携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・から受信したオーディオ信号を、単に、増幅するのみで放音器52から再生音を出力することができる。各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・から楽曲処理装置50への楽曲信号は、楽曲ファイルデータであってもよい。この場合は、楽曲処理装置50は、受信した楽曲ファイルをデコードして、オーディオ信号を生成する必要がある。
楽曲処理装置50は、楽曲選択手段55、プレイリスト作成手段56及び再生手段57を有している。楽曲保有型楽曲処理装置50では、楽曲選択手段55は、楽曲処理装置50及び各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・が保有する楽曲の中から所定の選択条件に該当する楽曲を選択する。非保有型楽曲処理装置50では、楽曲選択手段55は、各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・が保有する楽曲の中から所定の選択条件に該当する楽曲を選択する。
プレイリスト作成手段56は、選択された楽曲を再生対象楽曲として登録したプレイリストを作成する。再生手段57は、プレイリストに登録されている楽曲を1個ずつ再生する。
選択条件には、肯定条件(例:過去1週間以内に聴取した楽曲という条件)だけでなく、否定条件(例:過去1週間以内に聴取しなかった楽曲という条件)を含むものとする。選択条件には、典型的には、グループ内で好まれている楽曲を抽出するような選択条件が設定されるが、面白さとしては、過半数のユーザには嫌われているが少数のユーザには好まれている楽曲を抽出する選択条件があってもよい。
選択条件は、例えば、(a)楽曲処理装置50においてあらかじめ標準の幾つかが用意されていて、楽曲処理装置50のユーザによりそれらの中から1個をユーザ設定しておくようになっているか、(b)グループの楽曲を新規に作成するごとに、作成に先立ち、それら選択条件から1個を選択するようにするか、(c)グループの楽曲を新規に作成するごとに、ユーザが手動で設定するかされる。
典型的な楽曲処理装置50では、プレイリスト作成手段56の作成するプレイリストに登録される楽曲数には、制限があるが、無制限の場合もある。また、楽曲数の制限には、20曲以内とか、楽曲数で直接制限される場合の他に、プレイリストの全曲の総再生時間が30分以内というように、総再生時間により規定される場合もある。さらに、選択条件によっては、楽曲選択手段55が全員の楽曲処理装置50又は携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・から選択した楽曲の総数が、プレイリストの制限数に達しないこともあり得る。プレイリストに登録する楽曲数に制限がある場合であって、選択条件に該当する楽曲の個数が制限数を越えるときには、楽曲選択手段55は、選択数を制限数内とするために、選択条件に該当する全部の楽曲の中から所定の優先基準に従い絞込みを行う必要がある。優先基準としては、例えば、多数のユーザが保有している楽曲を優先したり、逆に、一人のユーザしか保有していない楽曲を優先したりする基準がある。
こうして、複数のユーザが、楽曲処理装置50又は携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・に記録して自動車の車内又は建物の室内へ持ち寄った楽曲について、選択条件を設定して、該選択条件に合致する楽曲を選択して、音楽を全員で楽しむことができる。
なお、プレイリストは、その最後の楽曲を再生後、破棄することなく、情報保存部17にプレイリスト情報22として保存し、次の場面では、プレイリストを新たに作成することなく、プレイリスト情報22を読み出して、再利用することができる。プレイリストに基づく再生は、プレイリストの最後の楽曲まで行くことなく、ユーザの都合により途中終了することも可能であり、再利用(レジューム)したい場合には、途中終了時に情報保存部17にプレイリスト情報22として保存する。プレイリスト情報22には、プレイリスト自体の情報の他に、途中終了のときに最後に再生した楽曲に係る情報等、その他の情報も含めることができる。
以下、楽曲処理装置50についてさらなる具体例を説明する。
選択条件とは、楽曲の付帯情報、楽曲処理装置50若しくは各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・における楽曲再生履歴、楽曲処理装置50若しくは各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・におけるユーザ別プレイリスト、又は楽曲処理装置50若しくは各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・における楽曲嗜好情報、又は楽曲処理装置50若しくは各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・が共通に保有している若しくは保有していない楽曲に係る選択条件である。
楽曲の付帯情報に係る選択条件とは、図2に関連して説明したように、ジャンル、アーティスト若しくは年代に係る選択条件である。楽曲再生履歴とは各楽曲についての再生回数に係る選択条件である。ユーザ別プレイリストに係る選択条件とはユーザ別プレイリストに登録されている楽曲に係る選択条件である。楽曲嗜好情報に係る選択条件とは、図3に関連して説明したように、特定のジャンル、アーティスト若しくは年代についての好き嫌いに係る選択条件である。
楽曲選択手段55は、楽曲の再生機能を有しない携帯型情報機器であって楽曲処理装置50に切り離し自在に接続される携帯型情報機器より接続時に選択条件に係る情報を入手して該情報を反映した選択条件に該当する所定の複数個の楽曲を楽曲処理装置50又は携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・の保有楽曲の中から選択してもよい。携帯型情報機器の一例は、携帯電話35(図4)である。ユーザによっては、携帯型楽曲再生機器を持っていないことがあり、自分の嗜好情報が、選択条件に反映されず、疎外感を抱くことがある。そのようなユーザが携帯電話を持っていたら、該携帯電話に記録されている嗜好情報を楽曲処理装置50へ伝送し、楽曲処理装置50は、該嗜好情報を考慮した選択条件を設定可能になる。なお、携帯電話における嗜好情報の登録は、アドレス帳編集ソフトウェアのようなソフトウェアを使用することにより、アドレス帳への電話番号登録のような形式で実現可能である。
選択数に制限がある場合には、楽曲処理装置50又は各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・からそれぞれ選択する楽曲の個数を、楽曲処理装置50又は各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・において選択条件に該当する楽曲の個数比に基づくものにする。例えば、選択条件に該当する楽曲が、楽曲処理装置50及び携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・にそれぞれ100,50,30,20あったとし、制限数が20であるとする。個数比は約分すると、10:5:3:2であるので、楽曲処理装置50及び携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・からそれぞれ10,5,3,2個ずつ選択されることになる。制限数は、楽曲処理装置50におけるユーザ設定により予め行なわれたり、プレイリストを作成するつど、指定可能であったりする。厳密な個数比では、選択数が小数となってしまう楽曲処理装置50又は携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・では、小数第一位を四捨五入等の処理を実施し、最終選択数を制限数に合わせる。最終選択数が制限数より若干、少なくなってもよいとする。
楽曲処理装置50はさらに再生順番決定手段60を有している。再生順番決定手段60は、選択された楽曲の再生順番を、再生楽曲の保有元としての楽曲処理装置50若しくは各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・が循環する順番形式で、又は楽曲処理装置若しくは各携帯型楽曲再生機器において選択条件に該当する楽曲の個数に基づく順番形式で決定する。プレイリスト作成手段56は、選択された楽曲を、決定された再生順番に表示したプレイリストを作成する。再生手段57は、プレイリスト上の再生順番に基づき楽曲を再生する。
典型的なプレイリストでは、登録された各楽曲は、プレイリストにおいて、例えば楽曲名、楽曲名以外のメタデータ(アーティスト名やジャンル等)、携帯型楽曲再生機器情報(例:誰々の携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・からの楽曲である)、及び/CODEC(COmpression/DECompression)情報に対応付けて表示される。また、典型的なプレイリストでは、楽曲は、再生順番の早い方から遅い方へ上から順番に並ぶ。
選択された楽曲の再生順番を、再生楽曲の保有元としての楽曲処理装置50若しくは各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・が循環する順番形式例として次の(a)、及び楽曲処理装置若しくは各携帯型楽曲再生機器において選択条件に該当する楽曲の個数に基づく順番形式例として次の(b),(c)を挙げる。
(a)楽曲処理装置50又は各携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・からその選択楽曲を1曲ずつ順に再生し、残りの選択楽曲がなくなった楽曲処理装置50又は携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・は、スキップする再生順番方式で、全部の選択楽曲を再生する。すなわち、(携帯型楽曲再生機器51aからの選択楽曲が1個しかなかった場合):楽曲処理装置50の1曲目→携帯型楽曲再生機器51aの1曲目→携帯型楽曲再生機器51bの1曲目→携帯型楽曲再生機器51cの1曲目→楽曲処理装置50の2曲目→携帯型楽曲再生機器51bの2曲目→携帯型楽曲再生機器51cの2曲目・・・
(b)楽曲処理装置50及び携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・の内で選択楽曲の一番多かった機器の全選択曲→その次に多かった機器の全選択曲→・・・→一番少なかった機器の全選択曲
(c)選択楽曲の一番少なかった機器の1曲→その次に少なかった機器の曲を比率に応じた数(前述の100:50:30:20の例では、5:2.5:1.5:1となり、1.5は四捨五入すると2であるので、2)→・・・→一番多かった機器の曲を比率に応じた数(前述の100:50:30:20の例では、5)→選択楽曲の一番少なかった機器の1曲→・・・
別の再生順番方式を採用する楽曲処理装置50では、再生順番決定手段60は、目的地までの誘導路上の所定地点に関連する楽曲が、該所定地点の通過予測時刻に再生されるように、楽曲の再生順番を決定する。再生手段57は、選択された楽曲を、決定された再生順番に並べたプレイリストを作成する。再生手段57は、プレイリスト上の再生順番に基づき楽曲を再生する。
誘導路上の所定地点を通過する時の楽曲再生の具体例を説明する。楽曲処理装置50は、ヘッドユニット11のように、カーナビゲーション装置に実装されることがある。ユーザが、カーナビゲーション装置搭載の自動車でドライブする際、出発時に、目的地を設定してルート検索すると、旅行時間及び通過地点と各通過地点を通過する予想時刻が判明する。これを基にプレイリスト上の再生順番を決定する。
例えば、東京駅から湘南海岸経由で伊豆方面へドライブに出掛けるとする。東京駅に集合して、カーナビゲーション装置により伊豆を目的地として及び湘南海岸を経由地としてルート探索を実施し、今回のドライブコースを設定する。カーナビゲーション装置は、誘導路と共に、誘導路上の各通過地点の予想通過時刻を計算する。該予想通過時刻に基づき湘南海岸を通過する頃に、海に関連した楽曲を再生するようなプレイリストをプレイリスト作成時に作成することができる。
楽曲処理装置50は、さらに、現在地検出手段63を有してもよい。現在地検出手段63は、GPS等を用いて現在地を検出する。再生手段57は、プレイリストに登録されている楽曲であってかつ現在地に関連する楽曲を再生する。典型的なプレイリストでは、楽曲名が楽曲の再生順番に上から下へ並ぶが、現在地関連の楽曲を再生する場合には、プレイリスト上の再生順番が、適宜、変更されることになる。例えば、現在地が海の見える道路である場合には、海に関連の楽曲がプレイリストから選択されて再生される。現在地の検出タイミングは、典型的には、現在地に関連する楽曲の再生が開始する少し前、例えばその前の楽曲を再生していて、次の再生楽曲を決める時である。
楽曲処理装置50は、また、楽曲処理装置50及び携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・の全部が保有する楽曲に基づき所定の選択条件を決めて、楽曲処理装置50及び携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・の1個が保有する楽曲の中から所定の選択条件に該当する所定の楽曲を選択してもよい。すなわち、選択条件に合致する楽曲は、楽曲処理装置又は1個の携帯型楽曲再生機器から行う。ただし、その場合においても、グループ全体の嗜好を反映するために、選択条件は、全体、すなわち楽曲処理装置50及び携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・の全部が保有する楽曲に基づき決める。
楽曲処理装置50は、楽曲処理装置50及び別々の携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・から同一の楽曲が重複選択されてプレイリストに登録されている場合には、該同一の楽曲の内、再生順番が2番目以降のものについては、そのまま再生するか又は再生をスキップするかする。再生をスキップする場合には、ユーザは同一の楽曲を繰り返し聞かなくて済む。重複選択のために、スキップする楽曲を図6のCr2とすると、Cr2をスキップする代わりに、例えば、Cr3を再生してもよい、すなわち、スキップされた楽曲を選択されている携帯型楽曲再生機器から、再生待ち順が、スキップされた楽曲の次である楽曲を、スキップされた楽曲の代わりに再生するのである。さらに、重複選択のために、スキップする楽曲を図6のCr2とすると、Cr2をスキップする代わりに、例えば、Crxを再生してもよい、Crxとは、スキップされた楽曲Cr2を選択された携帯型楽曲再生機器cの保有楽曲であって、今回の選択条件には該当していたものの、登録数制限のために、図6のプレイリストへの登録から漏れた楽曲である。
或る楽曲処理装置50では、プレイリスト作成手段56は、楽曲処理装置50及び別々の携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・から同一の楽曲が重複選択された場合には、該重複選択された楽曲の内の1個のみが登録されるように、プレイリストを作成してもよい。プレイリストに重複して登録されていないということは、同一の楽曲が繰り返し再生されないことを意味する。ここで、再生順番決定手段60は、重複選択された楽曲の内の1個のみがプレイリストに登録される楽曲は、重複選択のなかった他の楽曲より再生順番を前に又は後ろに決定してもよい。そして、プレイリスト作成手段56は、選択された楽曲を、決定された再生順番に並べたプレイリストを作成する。再生手段57は、プレイリスト上の再生順番に基づき楽曲を再生する。これにより、重複選択された楽曲の内の1個のみがプレイリストに登録される楽曲の再生が、最初又は最後に再生されることになる。
プレイリスト作成手段56が、楽曲処理装置50及び別々の携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・から同一の楽曲が重複選択された場合には、該重複選択された楽曲の内の1個のみが登録されるように、プレイリストを作成したときについて、付言する。グループのメンバーがユーザA,B,Cの三人であって、携帯型楽曲再生機器51a,51b,51cはそれぞれユーザA,B,Cの所有とする。グループ用プレイリストに基づく楽曲再生の再生順では、例えば、携帯型楽曲再生機器51aからの選択楽曲→携帯型楽曲再生機器51bからの選択楽曲→携帯型楽曲再生機器51cからの選択楽曲→携帯型楽曲再生機器51aからの選択楽曲→・・・と、携帯型楽曲再生機器51a,51b,51cから選択楽曲を循環形式で1個ずつ再生する再生順を採用することがある。ユーザA,B,Cとは別個の仮のユーザXを想定し、該ユーザXが所有する仮の携帯型楽曲再生機器xを想定し、重複選択されたために重複選択楽曲の1個のみがプレイリストに登録されている楽曲は携帯型楽曲再生機器xからの選択楽曲とみなす。そして、グループ用プレイリストに基づく楽曲再生の再生順では、携帯型楽曲再生機器51xからの選択楽曲→携帯型楽曲再生機器51aからの選択楽曲→携帯型楽曲再生機器51bからの選択楽曲→携帯型楽曲再生機器51cからの選択楽曲→携帯型楽曲再生機器51xからの選択楽曲→・・・と、携帯型楽曲再生機器x,51a,51b,51cから選択楽曲を循環形式で1個ずつ再生する再生順を採用してもよい。
楽曲選択手段55は、所定の選択条件に該当する楽曲が楽曲処理装置50及び携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・に重複して保有されている場合には、該楽曲を選択から除外する。これにより、ユーザは自分の保有していない楽曲を聞くことができる。
楽曲処理装置50は、自動車又は建物内に配備されるものである。すなわち、本発明は、車室内での実施に限定されず、家庭やレジャー施設の室内で実施されてもよい。
携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・の1個が、楽曲処理装置50であってもよい。この場合、携帯型楽曲再生機器51a,51b,51c・・・の1個が、楽曲処理装置50を兼ねる結果、専用の楽曲処理装置50は不要となる。
別の楽曲処理装置50は、携帯型情報機器(例:携帯電話)を接続されて、携帯型情報機器から嗜好情報を入手し、これに基づき選択条件を設定して、該当する楽曲を自身の保有楽曲の中から選択し、選択した楽曲に基づきプレイリストを作成し、該プレイリストに基づく楽曲再生を行うことができるようになっている。すなわち、別の楽曲処理装置50は、自身が装備する記憶装置53内の楽曲を再生して、再生音を放音器から出力可能になっている。楽曲選択手段51は、楽曲の再生機能を有しない又は再生可能な楽曲を保有していない携帯型情報機器であって楽曲処理装置に切り離し自在に接続される携帯型情報機器より接続時に選択条件に係る情報を入手して該情報を反映した選択条件に該当する楽曲であって楽曲処理装置50自身の保有する楽曲の中から選択する。プレイリスト作成手段56は、選択された楽曲を再生対象楽曲として登録したプレイリストを作成する。再生手段57は、プレイリストに登録されている楽曲を1個ずつ再生する。
図11は楽曲処理装置70の機能ブロック図である。該楽曲処理装置70は、前述の楽曲処理装置50(図10)に、グループ用プレイリストに基づく楽曲再生の中断期間終了時のグループ用プレイリスト構築機能を追加したものとなっている。楽曲処理装置70も、楽曲処理装置50と同様に、楽曲を自分のハードディスク装置等の記憶装置73に保有して、それら保有楽曲を再生して、再生音を放音器72から出力自在になっていてもよいし、楽曲を自分では保有することなく、携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲のみの再生音を放音器72から出力自在になっていてもよい。両者を区別するとき、前者の楽曲処理装置70を「楽曲保有型楽曲処理装置70」と呼び、後者の楽曲処理装置70を「非保有型楽曲処理装置70」と呼ぶことにする。楽曲保有型楽曲処理装置70は、本発明を適用するために、1個以上の携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・を接続されればよいが、非保有型楽曲処理装置70は、2個以上の携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・を接続される必要がある。楽曲保有型楽曲処理装置70の場合、該楽曲保有型楽曲処理装置70に保有している楽曲は、該楽曲保有型楽曲処理装置70の所有者(自動車のドライバー又は楽曲処理装置70を居間等に配備する家庭の住人)の保有する楽曲となる。
すなわち、楽曲保有型楽曲処理装置70は、1個以上の携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・を接続され、各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・からの楽曲信号を受信して該楽曲信号に係る再生音を放音器72より出力可能になっているとともに、自身が装備する記憶装置73内の楽曲を再生して、再生音を放音器72から出力可能になっている。
また、非保有型楽曲処理装置70は、2個以上の携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・を接続され、各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・からの楽曲信号を受信して該楽曲信号に係る再生音を放音器72より出力可能になっている。
楽曲処理装置70は、楽曲選択手段75、プレイリスト作成手段76、中断期間検出手段78、有無検出手段79、再作成手段80及び再利用手段81を有している。楽曲保有型楽曲処理装置70の楽曲選択手段75は、楽曲処理装置70及び各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・が保有する楽曲の中から所定の選択条件に該当する楽曲を選択する。非保有型楽曲処理装置70の楽曲選択手段75は、各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・が保有する楽曲の中から所定の選択条件に該当する楽曲を選択する。
プレイリスト作成手段76は、選択された楽曲を再生対象楽曲として登録したプレイリストを作成する。再生手段77は、プレイリストに登録されている楽曲を1個ずつ順番に再生する。中断期間検出手段78は、プレイリストに基づく再生手段77による楽曲の再生の中断期間を検出する。有無検出手段79は、中断期間終了時までの所定事実の有無を検出する。再作成手段80は、楽曲選択手段75及びプレイリスト作成手段76にそれらの処理を再実行させてプレイリストを再作成する。再利用手段81は、中断期間開始に先立ちプレイリストを保存し中断期間終了後では保存したプレイリストを読み出して、該プレイリストを再生手段77に再利用させる。制御手段82は、中断期間の終了時では、所定事実の有無に基づき再作成手段80及び再利用手段81のいずれかを起動させる。
中断期間開始に先立ってのプレイリストの保存は、中断期間検出手段78が中断期間開始時を検出した際に、プレイリストを不揮発性メモリ95へ保存することにより行われてよい。不揮発性メモリ95の一例は、図1の情報保存部17である。記憶装置73が不揮発性メモリ95を兼用することもできる。中断期間終了後における保存したプレイリストを読み出し一例は、図7〜図9におけるS406である。所定事実の例は、図7〜図9におけるS403,S410,S420である。
中断期間終了時に再作成手段80によって再作成されるプレイリストに適用される選択条件の典型は、前回、再生中断されたプレイリストに適用された選択条件と同一である。しかし、前回、再生中断されたプレイリストに適用された選択条件とは別個に設定してもよい。例えば、中断期間に新規加入したグループ員の好みのジャンルが、前回、再生中断されたプレイリストに適用された選択条件に係るジャンルとは相違しており、新規加入したグループ員の好みのジャンルが以前からのグループ員の好みのジャンルにもなっている場合には、中断期間終了後の選択条件に係るジャンルは、新規加入したグループ員の好みのジャンルへ変更することもできる。
こうして、種々の原因によりグループ用プレイリストに基づく楽曲再生の中断があっても、中断期間終了後では、適切なグループ用プレイリストを使用して、すなわち、グループ員の出入り等にもかかわらず、支障のない楽曲再生を図りつつ、プレイリスト再利用による迅速化も達成できる。
楽曲処理装置楽曲処理装置70のさらなる具体的態様について説明する。
所定事実とは、(a)中断期間中に楽曲処理装置70が搭載される車両のエンジンキーの挿抜があった事実、(b)中断期間終了時までのエンジン停止が所定時間以上となっている事実、(c)選択条件に該当する楽曲処理装置70若しくは各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に変更があった事実、(d)選択条件の因子となっている各ユーザの嗜好情報であって各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・に登録されている嗜好情報に変更があった事実、(e)中断期間中に再生ソースを楽曲処理装置70若しくは各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲以外のソースへ切り替えた事実、(f)中断期間が所定時間以上であった事実の内の2個以上の事実の組み合わせ又は1個の事実から成る。
組み合わせには、例えば(a)及び(b)について、それらをアンド条件で結合する組み合わせの外、(b)を(a)の親条件条件に対する子条件とする垂直的な組み合わせも含むものとする。
事実(a)の適用例は図7のプレイリスト構築方法40aである。事実(b)の適用例は図8のプレイリスト構築方法40bである。事実(c)の適用例は図9のプレイリスト構築方法40cである。
事実(c)における「選択条件に該当する楽曲処理装置70若しくは各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に変更があった」の「変更」には、新規楽曲の追加と、楽曲の消失が含まれる。中断期間における追加楽曲数と消失楽曲数とが等しい場合のように、グループ全体の保有個数は不変であっても、新規楽曲の追加と、楽曲の消失が起きていることがある。
楽曲処理装置70におけるグループ用プレイリストに基づく楽曲再生の中断は、運転者(運転者はユーザでもある。)が、例えば、楽曲処理装置70本体の電源スイッチをオフにした時、又は楽曲処理装置70本体の電源スイッチをオンにしたままだが、運転者がエンジンキーをOFF位置へ切り替えた時に生じる。また、中断期間の終了は、中断状態から、エンジンキーがACC位置又はON位置へ切り替わるか、楽曲処理装置70本体の電源スイッチがオンにされるかして、エンジンキーがACC位置又はON位置でかつ楽曲処理装置70本体の電源スイッチがオンになった時、起きる。さらに、ソースをチューナ等へ切り替えた時及びプレイリスト再生へ戻した時にも中断開始及び終了が生じる。
(a)について、例えば、中断期間中に楽曲処理装置70が搭載される車両のエンジンキーの挿抜があった事実が有りの場合は、グループ員の変更がある可能性が高いので、中断期間終了時には、プレイリストを再作成し、該事実無しの場合には、一般的に、中断期間が短く、グループ員の変更がある可能性が低いので、中断期間終了時には、前回のプレイリスト、すなわち中断期間開始直前のプレイリストを再利用する。例えば、ガソリンスタンドの給油では、運転者は、エンジンキーをOFF位置にはするが、エンジンキーの挿抜を行わないのが普通である。
(b)について、例えば、中断期間終了時までのエンジン停止が所定時間以上となっている事実が有りの場合には、グループ員の変更がある可能性が高いので、中断期間終了時には、プレイリストを再作成し、該事実無しの場合には、一般的に、グループ員の変更がある可能性が低いので、中断期間終了時には、前回のプレイリスト、すなわち中断期間開始直前のプレイリストを再利用する。例えば、ガソリンスタンドの給油のためのエンジンキーのOFF位置切替では、中断期間は短い。
(c)について、例えば、選択条件に該当する楽曲処理装置70若しくは各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に変更があった事実が有りの場合には、中断期間終了時には、プレイリストを再作成し、該事実無しの場合には、中断期間終了時には、前回のプレイリスト、すなわち中断期間開始直前のプレイリストを再利用する。
(d)について、例えば、選択条件(中断期間開始前のプレイリストに適用されていた選択条件)の因子となっている各ユーザの嗜好情報であって各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・に登録されている嗜好情報に変更があった事実が有りの場合には、プレイリストを再作成し、該事実無しの場合には、中断期間終了時には、前回のプレイリスト、すなわち中断期間開始直前のプレイリストを再利用する。ユーザの嗜好情報の変更とは、例えば、好きなジャンルをジャズからロックへ変更したり、好きなジャンルについて、ジャズに加えて、ロックを追加したり、好きなジャンルを今までロックとジャズに登録していたのをロックを削除したりすることである。
(e)について、例えば、中断期間中に再生ソースを楽曲処理装置70若しくは各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲以外のソースへ切り替えた事実が有りの場合には、該事実に因る中断は、一時的なものであり、グループ員の変更がある可能性が低いので、中断期間終了時には、前回のプレイリスト、すなわち中断期間開始直前のプレイリストを再利用する。該事実無しの場合には、中断が一時的なものではなく、比較的長期にわたっていて、グループ員の変更がある可能性が高いので、中断期間終了時には、プレイリストを再作成する。
(f)について、例えば、中断期間が所定時間以上であった事実が有りの場合は、グループ員の変更がある可能性が高いので、中断期間終了時には、プレイリストを再作成し、該事実無しの場合には、一般的に、中断期間が短く、グループ員の変更がある可能性が低いので、中断期間終了時には、前回のプレイリスト、すなわち中断期間開始直前のプレイリストを再利用する。
(c)、(d)又は(e)の事実から成る所定事実が適用される楽曲処理装置70は、自動車又は建物内に配備されるものである。すなわち、前述の事実(a)又は(b)が適用される楽曲処理装置70は、自動車に装備されるものに限定されるが、(c)、(d)又は(e)の事実が適用される楽曲処理装置70は、自動車に装備されるものだけでなく、家庭等に配備されるものであってもよい。
再作成手段80は、楽曲選択手段75による楽曲の選択数に制限がある場合、選択条件に該当する楽曲処理装置70又は各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に追加楽曲が存在する事実に因る起動では、該追加楽曲を優先的に選択するように、楽曲選択手段75に処理させる。プレイリスト構築方法40c(図9)のS425はこの一例である。これにより、グループのユーザは、中断期間に追加された楽曲を確実に聞くことができる。
再作成手段80は、選択条件に該当する楽曲処理装置70又は各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に追加楽曲が存在する事実に因る起動では、該追加楽曲の再生順番が他の楽曲の再生順番より早くなるように、プレイリスト作成手段76に処理させる。これにより、これにより、グループのユーザは、中断期間に追加された楽曲を、グループ用プレイリストによる楽曲再生開始後、速やかに聞くことができる。
制御手段82は、選択条件に該当する楽曲処理装置70又は各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に追加楽曲が存在せず消失楽曲が存在する場合には、再利用手段81を起動させるとともに、再生手段77には再利用プレイリストに登録されている消失楽曲について再生をスキップさせる。楽曲の消失のみがあった場合には、プレイリスト構築方法40c(図9)のS430で説明したように、グループ用プレイリストの再作成ではなく、中断期間前に使用していたグループ用プレイリストを再利用して、該再利用グループ用プレイリストの消失楽曲をスキップすることができる。
選択条件に該当する楽曲処理装置70又は各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に追加楽曲が存在せず消失楽曲が存在する場合には、再利用手段81を起動させるとともに、もし、該消失楽曲を保有楽曲から選択された楽曲処理装置70又は携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・とは別の楽曲処理装置70又は携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・が保有しているならば、該別の楽曲処理装置70又は携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・から該消失楽曲に係る選択条件信号を受信して該消失楽曲を再生手段77に再生させる。これにより、スキップ楽曲を最小限に留めることができる。
制御手段82は、中断期間の終了時では、所定事実の有無の代わりに、ユーザからの指示に基づき再利用手段81及び再作成手段80のいずれかを起動させる。ユーザは、自分の希望により、グループ用プレイリストの再利用、再作成を選択できる。
中断期間終了時までのエンジン停止が所定時間以上となっている事実における所定時間、中断期間中に再生ソースを楽曲処理装置70若しくは各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲以外の別ソースへ切り替えていた場合に別ソース選択時間が所定時間以上となっている事実における所定時間、又は中断期間が所定時間以上であった事実における所定時間は、ユーザ設定可能となっていることが好ましい。
携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の1個が、楽曲処理装置70であってもよい。この場合、携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の1個が、楽曲処理装置50を兼ねる結果、専用の楽曲処理装置70は不要となる。
図12は楽曲処理方法100のフローチャートである。前述の図7〜図9のプレイリスト構築方法40a,40b,40cは楽曲処理方法100の具体例である。楽曲処理方法100は楽曲保有型楽曲処理装置70及び非保有型楽曲処理装置70に適用される。楽曲保有型楽曲処理装置70に適用される楽曲処理方法100では、S101において、楽曲処理装置70及び各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・が保有する楽曲の中から所定の選択条件に該当する楽曲を選択する。非保有型楽曲処理装置70に適用される楽曲処理方法100では、S101において、各携帯型楽曲再生機器が保有する楽曲の中から所定の選択条件に該当する楽曲を選択する。
S102では、選択された楽曲を再生対象楽曲として登録したプレイリストを作成する。S103では、プレイリストに登録されている楽曲を1個ずつ順番に再生する。S104,S105では、プレイリストに基づく楽曲の再生の中断期間を検出する。S106では、中断期間終了時までの所定事実の有無を検出する。S107では、中断期間の終了時では、所定事実の有無に基づき再作成のプレイリスト及び再利用プレイリストいずれかに基づき楽曲を再生する。
楽曲処理方法100においても、楽曲処理装置70と同様の具体的態様が可能である。すなわち、所定事実とは、中断期間中に楽曲処理装置70が搭載される車両のエンジンキーの挿抜があった事実、中断期間終了時までのエンジン停止が所定時間以上となっている事実、選択条件に該当する楽曲処理装置70若しくは各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に変更があった事実、選択条件の因子となっている各ユーザの嗜好情報であって各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・に登録されている嗜好情報に変更があった事実、中断期間中に再生ソースを楽曲処理装置70若しくは各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲以外のソースへ切り替えた事実、中断期間が所定時間以上であった事実の内の2個以上の事実の組み合わせ又は1個の事実から成る。
S107では、楽曲の選択数に制限がある場合、選択条件に該当する楽曲処理装置70又は各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に追加楽曲が存在する事実に因るプレイリストの再作成では、該追加楽曲を優先的に選択する。
S107では、選択条件に該当する楽曲処理装置70又は各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に追加楽曲が存在する事実に因るプレイリストの再作成では、該追加楽曲の再生順番が他の楽曲の再生順番より早くなるように、プレイリストを再作成する。
S107では、選択条件に該当する楽曲処理装置70又は各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に追加楽曲が存在せず消失楽曲が存在する場合には、プレイリストを再利用するとともに、該再利用プレイリストに基づく楽曲再生では、再利用プレイリストに登録されている消失楽曲について再生をスキップする。
S107では、選択条件に該当する楽曲処理装置70又は各携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・の保有楽曲に追加楽曲が存在せず消失楽曲が存在する場合には、再利用プレイリストを使用するとともに、該消失楽曲を保有楽曲から選択された楽曲処理装置70又は携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・とは別の楽曲処理装置70又は携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・が保有しているときには、該別の楽曲処理装置70又は携帯型楽曲再生機器71a,71b,71c,・・・から該消失楽曲に係る選択条件信号を受信して該消失楽曲を再生する。
中断期間の終了時では、すなわち、S107では、所定事実の有無の代わりに、ユーザからの指示に基づきプレイリストの再作成かプレイリストの再利用かを切り替える。
本発明のプログラムは、楽曲処理装置70の各手段として機能させる。本発明のプログラムは、また、コンピュータに楽曲処理方法100の各ステップをコンピュータに実現させる。
70:楽曲処理装置、71a,71b,71c:携帯型楽曲再生機器、72:放音器、73:記憶装置、75:楽曲選択手段、76:プレイリスト作成手段、77:再生手段、78:中断期間検出手段、79:有無検出手段、80:再作成手段、81:再利用手段、82:制御手段、100:楽曲処理方法。