JP2006284744A - 投影型映像表示装置用照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光源の発光量をリアルタイムで制御でき、投影映像の品質低下を招くことなく、常に所望の光量で映像を投影できる投影型映像表示装置用照明装置を提供する。
【解決手段】照明光束を映像に応じて変調して投影表示する投影型映像表示装置に用いる照明装置40において、照明光束を出射する光源7と、光源7からの照明光束を複数の光束に分割する第1レンズアレイ11と、第1レンズアレイ11で分割された複数の光束が入射する第2レンズアレイ12と、第2レンズアレイ12を経た照明光束を受けて所定の偏光成分を出射させる偏光板13と、第2レンズアレイ12を経た照明光束の一部を受光する第1光検出器73と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶プロジェクタ等の投影型映像表示装置に用いる照明装置に関するものである。
従来、スクリーンに映像を投射して表示する投影型映像表示装置として、水銀ランプ等を有する光源からの白色光をダイクロイックミラー等の色分離光学系によりR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色光に分光し、各原色光を液晶ライトバルブやDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)等の光変調素子で変調した後、ダイクロイックプリズム等の色合成プリズムにより合成して、投射光学系を経てスクリーンに拡大投射するようにしたものが知られている。
このような投射型映像表示装置では、スクリーン上に投射される映像の光量を適正に調整する必要がある。その調整方法として、例えば、分光された各原色光の光路中に位相差板および偏光板を配置し、位相差板を光軸中心に回動させて偏光板との相対的な角度を変更することにより透過光量を調整したり、光源への供給電力を変更して発光量を調整したり、投射光学系にモータ等により開閉駆動可能に絞りを配置して透過光量を調整したり、する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−258063号公報
上記の特許文献1に開示の光量調整方法は、ユーザが、スクリーンに表示される映像を観察しながら、ユーザ入力部のタッチパネルを介して調整指示を与えることにより、その調整指示に応じて位相差板や絞りの駆動および光源への供給電力を制御して光量を調整するようになっているので、ユーザの所望する光量に調整することが可能となる。
しかしながら、光量調整がユーザによる指示によって行われるため、調整後に、電源電圧が変動して光源からの発光量が変化した場合には、その変化に追従できず、映像品質が低下することが懸念される。
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、光源の発光量をリアルタイムで制御でき、投影映像の品質低下を招くことなく、常に所望の光量で映像を投影し得るように適切に構成した投影型映像表示装置用照明装置を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に係る投影型映像表示装置用照明装置の発明は、
照明光束を映像に応じて変調して投影表示する投影型映像表示装置に用いる照明装置において、
照明光束を出射する光源と、
上記光源からの照明光束を複数の光束に分割する第1レンズアレイと、
上記第1レンズアレイで分割された複数の光束が入射する第2レンズアレイと、
上記第2レンズアレイを経た照明光束を受けて所定の偏光成分を出射させる偏光板と、
上記第2レンズアレイを経た照明光束の一部を受光する第1光検出器と、
を有することを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の投影型映像表示装置用照明装置において、
上記偏光板は、偏光分離膜と波長板とを有する偏光ビームスプリッタアレイからなることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の投影型映像表示装置用照明装置において、
上記第2レンズアレイおよび/または上記偏光板を保持するホルダと、上記ホルダを弾性支持部材を介して変位可能に支持する支持部材と、上記ホルダを上記支持部材に対して変位させる電磁駆動手段とを有することを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の投影型映像表示装置用照明装置において、
上記ホルダの上記支持部材に対する位置を検出するための位置検出手段を有することを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の投影型映像表示装置用照明装置において、
上記第2レンズアレイを経た照明光束を回折させるホログラム素子を有し、上記ホログラム素子の回折光を上記第1光検出器で受光するように構成したことを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の投影型映像表示装置用照明装置において、
上記ホログラム素子は、直線偏光依存性を有することを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の投影型映像表示装置用照明装置において、
上記ホログラム素子を、上記偏光板の出射面に形成したことを特徴とするものである。
請求項8に係る発明は、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の投影型映像表示装置用照明装置において、
上記ホログラム素子は、光学特性の異なる二つの回折領域を有し、一方の回折領域の回折光は上記第1光検出器で受光し、他方の回折領域の回折光は半導体位置検出器からなる第2光検出器で受光するように構成したことを特徴とするものである。
本発明によれば、第2レンズアレイを経た照明光束の一部を第1光検出器で受光するようにしたので、その出力に基づいて光源の発光量をリアルタイムで制御することが可能となる。したがって、電源電圧の変動による光量変化にも迅速に対応できるので、投影映像の品質低下を招くことなく、常に所望の光量で映像を投影することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る照明装置を搭載した投影型映像表示装置の概略構成を示すものである。
この投影型映像表示装置は、R,G,B用の液晶ライトバルブを有する三板式の液晶プロジェクタを示すもので、筐体1に装填された光学ボックス2および投射レンズ3を有している。
光学ボックス2には、水銀ランプ等のランプ5およびこれを装着する楕円リフレクタ6を有する光源7が配置されており、ランプ5から発せられた光は、楕円リフレクタ6によって反射された後、照明光束として収束され、UV/IR(紫外/赤外光)除去フィルタ8を経て凹レンズまたはトーリックレンズからなるレンズ9により平行光束に変換されてシリンドリカルレンズアレイからなる第1レンズアレイ11に入射し、ここで複数の光束に分割された後、同様のシリンドリカルレンズアレイからなる第2レンズアレイ12に入射して再合成されて偏光板13に入射する。
偏光板13は、公知のPS変換素子で、偏光分離膜と波長板とを有する偏光ビームスプリッタアレイからなり、ここで照明光束はP偏光またはS偏光の直線偏光とされる。
偏光板13から出射される直線偏光の照明光束は、トーリック機能を有するコンデンサレンズ16および反射ミラー17を経てダイクロイックミラー18に入射し、ここでR光が反射、その他の光が透過されて、R光が分離される。
このダイクロイックミラー18で分離されたR光は、反射ミラー19で反射された後、フィールドレンズ20aおよび入射側の偏光板21を経て液晶ライトバルブ(液晶パネル)22に入射して変調され、その変調されたR光(R光の分光画像)が出射側の偏光板23を経てダイクロイックプリズム24に入射される。
ダイクロイックミラー18を透過した光は、ダイクロイックミラー25に入射し、ここでG光が反射、B光が透過されて、G光とB光とが分離される。ダイクロイックミラー25で分離されたG光は、フィールドレンズ20bおよび入射側の偏光板27を経て液晶ライトバルブ28に入射して変調され、その変調されたG光(G光の分光画像)が出射側の偏光板29を経てダイクロイックプリズム24に入射される。
また、ダイクロイックミラー25で分離されたB光は、リレーレンズ30、反射ミラー31、リレーレンズ32、反射ミラー33、フィールドレンズ20cおよび入射側の偏光板34を経て液晶ライトバルブ35に入射して変調され、その変調されたB光(B光の分光画像)が出射側の偏光板36を経てダイクロイックプリズム24に入射される。
ダイクロイックプリズム24に入射したR,G,B光の分光画像は、該ダイクロイックプリズム24で合成され、その合成像が投射レンズ3により図示しないスクリーンに投影される。
さらに、ランプ5や液晶ライトバルブ22,28,35等を冷却すると共に、後述する加振動作によって照明装置の第2レンズアレイ12および偏光板13から離脱した塵埃粒子を外部に吹き飛ばすため、光学ブロック2内への外気導入用のファン37と排気用のファン38が設けられている。なお、図1では、ファン37によって導入された外気が光学ブロック2内にこもることなく、ファン38からスムーズに排気されるように、光学ブロック2内に排気ダクト39を設けて、導入された外気が光学ブロック2内の適宜の箇所から排気ダクト39に逃げるようにしてある。
本実施の形態では、光源7、UV/IR除去フィルタ8、レンズ9、第1レンズアレイ11、第2レンズアレイ12、偏光板13、コンデンサレンズ16および反射ミラー17を含んで照明装置40を構成している。
以下、本実施の形態の照明装置40について、図2〜図5を参照して説明する。
図2は、照明装置40の全体構成を示す断面図である。この照明装置40は、第1支持部材41、第2支持部材42および第3支持部材43を有している。第1支持部材41には、UV/IR除去フィルタ8、レンズ9、第1レンズアレイ11が支持されていると共に、UV/IR除去フィルタ8側の端面に、光源7を構成する楕円リフレクタ6の開口端部が取り付けられている。
第2支持部材42は、磁性材で形成されている。この第2支持部材42には、第2レンズアレイ12および偏光板13が支持されている。本実施の形態では、第2レンズアレイ12および偏光板13をホルダ51に保持し、このホルダ51を第2支持部材42に変位可能に支持している。このため、図3に光軸方向から見た正面図を示すように、ホルダ51には、その対向する両側面の中央部(重心付近)に、弾性支持部材である2枚の板バネ52a,52bのそれぞれの一端部が固定されており、これら板バネ52a,52bのそれぞれの他端部が、第2支持部材42に形成された折り曲げ部42a,42bおよび間座56a,56bを貫通してプリント基板53aに半田付けされている。
板バネ52a,52bは、ホルダ51を光軸方向にスムーズに変位可能とすると共に、ホルダ51への板バネ52a,52bの取り付け部を結ぶ直線を中心にホルダ51を回動可能とするため、図4に詳細に示すように、幅方向中央部が長さ方向に亘って開口していると共に、ホルダ51側の取り付け端部は、U字状にくびれており、このくびれ部分にシリコンゲル等のダンパ材54が保持されている。また、折り曲げ部42a,42bには、板バネ52a,52bが貫通する補助筒55a,55bが取り付けられ、これら補助筒55a,55bの内部にも、シリコンゲル等のダンパ材54が充填されている。
なお、ホルダ51への板バネ52a,52bの取り付け部は、それらの取り付け部を結ぶ直線が、シリンドリカルレンズからなる第2レンズアレイ12の母線方向と平行となっており、ホルダ51は第2レンズアレイ12の母線方向を中心に回動可能となっている。
プリント基板53aには、ホルダ51側の表面で、折り曲げ部42a,42bの間に位置して、光軸方向に延在し、かつ光軸方向に2分割された2つの空芯のコイル61a,61bが装着されている。これらコイル61a,61bは、それらのコアが第2支持部材42に形成された折り曲げ部42cに進入して接着されている。これにより、プリント基板53aおよびコイル61a,61bは第2支持部材42に固定されている。
一方、コイル61a,61bと対向するホルダ51の側面には、厚さ方向に磁化された永久磁石62a,62bが極性を反転して取り付けられ、コイル61a,61bにフレキシブル配線基板63を介して互いに逆方向の電流を流すことにより、永久磁石62a,62bとの電磁作用によって、ホルダ51に光軸方向の駆動力を作用させるようになっている。
また、プリント基板53aには、ホルダ51の光軸方向の位置や加振動作を検出するため、永久磁石62a,62bの境界と対向するように位置検出手段を構成するホール素子64が取り付けられている。
第2支持部材42には、さらに、ホルダ51を挟んで折り曲げ部42cと反対側にも折り曲げ部42dが形成されており、この折り曲げ部42dには、プリント基板53bに装填された空芯のコイル65が軸方向に延在するように挿入されて接着固定されている。また、コイル65と対向するホルダ51の側面には、厚さ方向に磁化された永久磁石66が取り付けられ、コイル65にフレキシブル配線基板63を介して電流を流すことにより、永久磁石66との電磁作用によって、ホルダ51に光軸方向の駆動力を作用させるようになっており、これらコイル65と永久磁石66および上記のコイル61a,61bおよび永久磁石62a,62bによって、ホルダ51を第2支持部材42に対して変位させるムービングマグネット方式の電磁駆動手段が構成されている。
上記の第2支持部材42は、第1支持部材41との間にコイルバネや皿バネ等の弾性部材、あるいは厚さの異なるスペーサを介して、複数の取り付けネジ67により第1支持部材41に対して光軸方向の傾きが調整され、調整後は接着剤で第1支持部材41に固定されるようになっている。
さらに、本実施の形態では、ランプ5の発光量およびホルダ51の加振動作を検出するため、偏光板13の出射側表面に直線偏光依存性およびレンズパワーを有するホログラム素子71が一体に形成されている。ホログラム素子71は、図5に照明光学系の概略構成を示すように、光軸を通る直線を境に分割された光学特性の異なる二つの回折領域71a,71bを有している。これら回折領域71a,71bは、格子ピッチや回折方向が異なっており、一方の回折領域71aで回折された+1次回折光または−1次回折光が、図2に示すようにコンデンサレンズ16および反射ミラー17を経てピンフォトダイオードからなる第1光検出器73で受光され、他方の回折領域71bで回折された+1次回折光または−1次回折光が、コンデンサレンズ16および反射ミラー17を経て半導体位置検出器(PSD)からなる第2光検出器74で受光されるようになっている。なお、図5では、コンデンサレンズ16および反射ミラー17の図示を省略してある。
第3支持部材43には、コンデンサレンズ16および反射ミラー17が支持されていると共に、上述した第1光検出器73および第2光検出器74が支持されている。ここで、コンデンサレンズ16は、第3支持部材43の入射側開口43aを覆うように取り付けられている。また、第1光検出器73および第2光検出器74は、第3支持部材43の出射側端面に取り付けられたプリント基板75に装填されて、出射側開口43bの近傍に配置されている。プリント基板75には、出射側開口43bに対応する位置に開口75aが形成されていると共に、この開口75aを覆うようにカバーガラス76が設けられている。
第3支持部材43は、上記のコンデンサレンズ16、反射ミラー17、プリント基板75およびカバーガラス76によって密封される構造となっており、これにより内部への塵埃の侵入を防止して、コンデンサレンズ16および反射ミラー17の表面、並びに第1光検出器73および第2光検出器74の受光面に塵埃が付着しないようになっている。
この第3支持部材43は、図示しない取り付けネジにより第1支持部材41に固定される。
次に、本実施の形態に係る投影型映像表示装置の制御回路の概略構成について、図6に示すブロック図を参照して説明する。
制御回路は、モード選択スイッチ101、CPU102、発振回路(OSC)103、塵埃除去用共振駆動回路105、判別回路106、アナログ/デジタル(A/D)変換回路107、サーボ回路108、温度センサ109、ファン駆動回路110、光源駆動回路111、オートパワーコントロール(APC)回路112、および表示回路113を有している。
モード選択スイッチ101は、赤外線式のリモコンや手動操作によって投影型映像表示装置の動作モード、本実施の形態では第2レンズアレイ12および偏光板13を加振する塵埃除去モードか、映像を投影表示する映像表示モードかを選択するもので、その選択された動作モードはCPU102で検出される。
OSC103は、CPU102の制御のもとに塵埃除去モード時に駆動され、その発振周波数により塵埃除去用共振駆動回路105を介してコイル61a,61b,65に給電して第2レンズアレイ12および偏光板13を駆動するようになっている。
判別回路106は、例えばウインドコンパレータにより構成され、塵埃除去モード時に、第2支持部材42に設けられたホール素子64や第3支持部材43に設けられた第2光検出器74の出力に基づいて加振動作の良否を判別するもので、その判別結果はCPU102に供給される。
A/D変換回路107は、映像表示モード時に、ホール素子64や第2光検出器74からのアナログ出力信号をデジタル信号に変換してサーボ回路108に供給する。
サーボ回路108は、ゲイン回路や位相補償回路等を有しており、CPU102の制御のもとに映像表示モード時に駆動されて、A/D変換回路107の出力に基づいてコイル61a,61b,65に給電し、これにより第2レンズアレイ12および偏光板13を光軸に対して直交する状態に位置決めするようになっている。
温度センサ109は、例えば光源7の近傍に配置され、その出力はCPU102に供給される。
ファン駆動回路110は、外気導入用のファン37および排気用のファン38を駆動するもので、動作モードおよび温度センサ109の出力に基づいてCPU102により制御されるようになっている。
光源駆動回路111は、映像表示モード時に、CPU102の制御のもとにランプ5を駆動する。また、APC回路112は、映像表示モード時に、CPU102の制御のもとに、第1光検出器73の出力に基づいて光源駆動回路111を介してランプ5の発光量を制御するようになっている。
表示回路113は、CPU102によって制御されるもので、メッセージ等を表示する表示素子や、第2レンズアレイ12および偏光板13の加振動作状態や、ファン37,38の動作状態を表示する複数のLEDを有している。
なお、CPU102は、モード選択スイッチ101の状態、判別回路106および温度センサ109の出力に基づいて所定のプログラムに従って各部の動作を制御するもので、このCPU102には、塵埃除去モード時に、第2レンズアレイ12および偏光板13の加振時間やファン37,38の駆動時間等をプログラムに従った各種の設定時間駆動するための複数のタイマを内蔵している。
以下、モード選択スイッチ101によって映像表示モードが選択された場合の要部の動作について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、モード選択スイッチ101によって映像表示モードが選択されたのをCPU102が検出したら(ステップS1)、光源駆動回路111を介してランプ5を点灯させると共に、第2レンズアレイ12および偏光板13の加振動作(ステップS2)、および外気導入用・排気用ファン37,38の駆動(ステップS3)を並行して開始させる。
すなわち、ステップS2では、OSC103を駆動し、その出力に基づいて塵埃除去用共振駆動回路105を介してコイル61a,61b,65に所要の交番電流を供給して第2レンズアレイ12および偏光板13を加振させて、それらの表面に付着した塵埃を除去し、ステップS3では、ファン駆動回路110を介してファン37,38を駆動して、除去した塵埃を装置外部に排出する。
なお、ステップS2での第2レンズアレイ12および偏光板13の加振動作においては、コイル61a,61bによる駆動力の方向と、コイル65による駆動力の方向とを同一方向として、第2レンズアレイ12および偏光板13を光軸方向にほぼ平行に振動させるか、あるいはコイル61a,61bによる駆動力の方向と、コイル65による駆動力の方向とを反対方向として、第2レンズアレイ12および偏光板13を、板バネ52a,52bによる支持点を結ぶ直線を中心に正逆方向に回動振動させる。
第2レンズアレイ12および偏光板13の加振動作を開始したら、表示回路113における加振動作表示用の例えば緑色LEDを点灯させる(ステップS4)と共に、CPU102の内蔵タイマをリセットして(ステップS5)、第1設定時間(例えば、15秒)が経過したか否かを監視する(ステップS6)。また、この第1設定時間中、CPU102は、ホール素子64および/または第2光検出器74の出力による判別回路106での判定結果を受けて、第2レンズアレイ12および偏光板13が正常に加振されているか否か、すなわちコイル61a,61b,65に断線等の異常があるか否かを判断し(ステップS7)、異常がある場合には、塵埃除去用共振駆動回路105からのコイル61a,61b,65への電流の供給を遮断して、第2レンズアレイ12および偏光板13の加振動作を中止する(ステップS8)と共に、表示回路113における緑色LEDを点滅させる(ステップS9)。
これに対し、第2レンズアレイ12および偏光板13が正常に加振され、かつ第1設定時間が経過したら、引き続き第2設定時間(第1設定時間経過時点から例えば15秒)が経過するまで加振動作を継続させ(ステップS10)、その時間が経過した時点で加振動作を終了させる(ステップS11)と共に、緑色LEDを消灯させる(ステップS12)。
一方、ステップS3での外気導入用・排気用のファン37,38の駆動においては、その駆動開始により表示回路113におけるファン動作表示用の例えば黄色LEDを点灯させる(ステップS13)と共に、該表示回路113の表示素子に例えば「塵埃除去動作中」のメッセージを表示させ(ステップS14)、さらにCPU102の内蔵タイマをリセットして(ステップS15)、第3設定時間(例えば、30秒〜60秒の任意の時間)が経過したか否かを監視する(ステップS16)。
また、この第3設定時間中、CPU102は、ステップS7の判断結果が正常か否か、すなわち第2レンズアレイ12および偏光板13の加振動作が正常であったか否かを判断し(ステップS17)、異常があった場合には、表示回路113の表示素子にその旨のメッセージ、例えば「加振異常」を表示して(ステップS18)、全ての動作を終了する。
これに対し、加振動作が正常で、かつ第3設定時間が経過したら、黄色LEDを消灯させる(ステップS19)と共に、表示素子に例えば「塵埃除去動作終了」等のメッセージを表示する(ステップS20)。
その後、CPU102は、サーボ回路108の駆動に切り替え、これによりA/D変換回路107から得られるホール素子64の出力および/または第2光検出器74の出力に基づいて、ホルダ51を板バネ52a,52bによる支持点を結ぶ直線を中心に正逆方向に回動させて、第2レンズアレイ12および偏光板13が光軸方向の所定位置に位置するように、すなわち第2レンズアレイ12が第1レンズアレイ11と平行となるようにサーボ制御する(ステップS21)と共に、第1光検出器73の出力に基づいてAPC回路112および光源駆動回路111を介してランプ5の発光量が予め設定した所定の発光量となるように発光量をフィードバック制御する(ステップS22)。また、CPU102は、温度センサ109の出力を監視して設定温度以下か否かを判断し(ステップS23)、設定温度を超えるときはファン37,38を駆動して(ステップS24)、光学ボックス2内を設定温度以下に維持する。
なお、ステップS21での第2レンズアレイ12および偏光板13のサーボ制御においては、コイル61a,61bによる駆動力の方向と、コイル65による駆動力の方向とを同一方向として、第2レンズアレイ12および偏光板13を光軸方向にほぼ平行に移動させるか、あるいはコイル61a,61bによる駆動力の方向と、コイル65による駆動力の方向とを反対方向として、第2レンズアレイ12および偏光板13を、板バネ52a,52bによる支持点を結ぶ直線を中心に回動させて、第2レンズアレイ12および偏光板13を光軸方向の所定位置に位置させる。
上記のステップS21〜S24を、モード選択スイッチ101による映像表示モードのオフが検出されるまで(ステップS25)繰り返し、映像表示モードのオフが検出されたら全ての動作を終了する。
次に、モード選択スイッチ101によって塵埃除去モードが選択された場合の要部の動作について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、モード選択スイッチ101によって塵埃除去モードが選択されたのをCPU102が検出したら(ステップS31)、光源駆動回路111によりランプ5を点灯させることなく、第2レンズアレイ12および偏光板13の加振動作(ステップS32)および外気導入用・排気用ファン37,38の駆動(ステップS33)を並行して開始させる。
その後は、加振動作においては、ステップS34〜S42に示すように、図7に示したステップS4〜S12と同様の処理を実行する。ただし、この塵埃除去モードでは、ランプ5が点灯していないので、ステップS37は、ホール素子64の出力に基づく判別回路106の結果から加振動作の正常・異常を判定する。
また、外気導入用・排気用ファン37,38の駆動においては、ステップS43〜S50に示すように、図7に示したステップS13〜S20と同様の処理を実行して、塵埃除去モードにおける処理を終了する。
以上のように、本実施の形態によれば、照明装置40を構成する偏光板13の出射面側にホログラム素子71を設けて、その回折光を第1光検出器73で受光するようにしたので、その出力に基づいてランプ5の発光量をリアルタイムで制御することができる。したがって、電源電圧の変動による光量変化にも迅速に対応できるので、投影映像の品質低下を招くことなく、常に所望の光量で映像を投影することができる。
また、第2レンズアレイ12および偏光板13をホルダ51に保持し、このホルダ51を板バネ52a,52bを介して変位可能に第2支持部材42に支持してムービングマグネット方式の電磁駆動手段により駆動するようにしたので、簡単な構成で第2レンズアレイ12および偏光板13を加振することができる。しかも、ホルダ51の光軸方向の位置、すなわち第2レンズアレイ12および偏光板13の光軸方向の位置を検出するホール素子64や第2光検出器74を設け、その出力に基づいて加振動作の異常も検出するようにしたので、第2レンズアレイ12および偏光板13を確実に加振して塵埃を除去することができ、信頼性を向上することができる。
さらに、映像表示動作中は、位置検出手段であるホール素子64および/または第2光検出器74の出力に基づいて、第2レンズアレイ12および偏光板13が光軸方向の所定位置に位置し、第2レンズアレイ12が第1レンズアレイ11と平行となるようにサーボ制御するようにしたので、外部振動に影響されることなく、映像を常に合焦状態で投影表示することができる。しかも、本実施の形態では、コンデンサレンズ16を、トーリック機能を有して構成したので、第1レンズアレイ11と第2レンズアレイ12との拡大率を下げることができ、これによりサーボ回路108によるホルダ51の位置制御が容易になる。
なお、上記実施の形態では、映像表示モードにおいて、その開始時に塵埃除去動作を実行するようにしたが、同様の塵埃除去動作を、映像表示モードの終了時にも実行するようにしたり、或いは映像表示モードでは塵埃除去動作は行わないようにして、映像表示モードと塵埃除去モードとを完全に独立させたりすることもできる。
また、ホログラム素子71は、偏光板13の出射面側に一体に形成する場合に限らず、第2レンズアレイ12の出射面、コンデンサレンズ16の出射面、反射ミラー17の表面、或いはカバーガラス76の入射面に一体に形成することもでき、それに応じて第1光検出器73および第2光検出器74の配置を変更すればよい。また、ホログラム素子71を別体に形成して、第2レンズアレイ12以降の光路中に配置してもよい。さらに、このようなホログラム素子71を用いることなく、第2レンズアレイ12を経た照明光束の一部を第1光検出器で直接受光して、ランプ5の発光量を制御することもできる。また、ホール素子64による位置検出に変えて、フォトリフレクタを用いてホルダ51の位置を検出するように構成することもできる。
(第2実施の形態)
図9は、本発明の第2実施の形態における照明装置の要部の構成を示す図で、第1実施の形態の図3に相当するものである。
本実施の形態は、ホルダ51を変位可能に支持する弾性支持部材として、片側2本ずつの合計4本のL字型の板バネや、断面が円形または矩形のワイヤからなるバネ80a〜80d(80c,80dは図示せず)を用いて、ホルダ51をその重心付近で支持している。バネ80a;80b,80c;80dは、それぞれ折り曲げ部42a,42bおよび間座56a;56b,56c,56d(56c,56dは図示せず)を貫通してプリント基板53aに半田付けされている。なお、折り曲げ部42a,42bのバネ80a;80b,80c;80dがそれぞれ貫通する部分は、ホルダ51側に向けてテーパ状に拡開されており、その内部にはダンピング材としてシリコンゲル81が充填されている。
また、コイル61aおよび/または61b(図2参照)の光軸と直交する両側部分には、永久磁石62aおよび/または62b(図2参照)と対向して、ホルダ51を光軸と直交する方向に駆動するためのコイル82a,82bが装着されており、これらコイル82a,82bのコア内には、ヨーク83a,83bが接着固定されている。同様に、コイル61a,61bとはホルダ51を介して反対側に配置されるコイル65(図2参照)の光軸と直交する両側部分にも、ホルダ51を光軸と直交する方向に駆動するためのコイル82c,82d(図示せず)が装着されていると共に、それらのコイルのコア内にはヨークが接着固定されている。その他の構成は、第1実施の形態と同様である。
本実施の形態では、ホルダ51の加振動作として、コイル61a,61b,65を用い、それらの駆動力の発生方向を同一方向とする光軸方向への平行加振、コイル82a〜82dを用い、それらの駆動力の発生方向を同一方向とする光軸と直交する方向への平行加振、コイル82a〜82dを用い、コイル82a,82bとコイル82c,82dとの駆動力の発生方向を反対方向とする光軸を中心とする回動加振、およびこれらの加振態様を適宜組み合わせた加振、の中から一つまたは複数の加振態様を適宜選択して実行する。
このように、本実施の形態では、第2レンズアレイ12および偏光板13を保持するホルダ51を、4本のバネ80a〜80dを介して第2支持部材42に変位可能に支持すると共に、ホルダ51を光軸と直交する方向に加振させるコイル82a〜82dを付加したので、ホルダ51を種々の加振態様で加振することができる。したがって、投影型映像表示装置の使用環境に応じた加振態様でホルダ51を加振させることができるので、塵埃を効率よく除去することが可能となり、装置の信頼性をより向上することができる。また、ホルダ51が光軸と直交する方向に変位可能であることから、後段の液晶ライトバルブの変調領域に対する照明光束の位置制御も行うことができ、これにより液晶ライトバルブの変調領域全体に照明光束を確実に入射させることができ、良好な品質で映像を投影表示することができる。
なお、本実施の形態では、ホルダ51を光軸と直交する方向に駆動するコイルを、光軸方向へ駆動するコイル上に重ねて設けたが、例えば図10に示すように、光軸方向駆動用のコイル85と光軸直交方向駆動用のコイル86とを同一平面に並べて配置するように、それぞれのコイルのコア内にプリント基板(図示せず)に結合された磁性体(ヨーク)87,88を進入させて接着固定することもできる。
以上説明した各実施の形態には、下記に示す各発明が含まれる。
(1)請求項1乃至9のいずれか一項に記載の投影型映像表示装置用照明装置を備えることを特徴とする投影型映像表示装置。
(2)上記光源を駆動する光源駆動回路と、上記第1光検出器からの出力に基づいて上記光源駆動回路を介して上記光源の発光量が所定値となるように制御するオートパワーコントロール回路とを備えることを特徴とする上記(1)に記載の投影型映像表示装置。
(3)請求項3乃至5のいずれか一項に記載の投影型映像表示装置用照明装置を備えると共に、上記電磁駆動手段の駆動を制御する制御手段を備えることを特徴とする投影型映像表示装置。
(4)上記制御手段は、上記電磁駆動手段を加振駆動する共振駆動回路と、上記電磁駆動手段をサーボ駆動するサーボ回路と、上記共振駆動回路による加振駆動と上記サーボ回路によるサーボ駆動とを選択するモード選択スイッチとを有することを特徴とする上記(3)に記載の投影型映像表示装置。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、第2レンズアレイ12および偏光板13を駆動する電磁駆動手段をムービングマグネット方式としたが、ムービングコイル方式とすることもできる。また、偏光板13を固定し、第2レンズアレイ12のみを変位可能に支持して駆動するように構成することもできるし、第2レンズアレイ12を固定し、偏光板13のみを変位可能に支持して駆動するように構成することもできる。また、第1レンズアレイ11および第2レンズアレイ12は、レンズ面を互いに向かい合わせて配置する場合に限らず、逆に平坦面を互いに向かい合わせて配置したり、それぞれのレンズ面を光源7側に向けて配置したりすることもできる。また、ホログラム素子71は、第1レンズアレイ11または第2レンズアレイ12の平坦面に形成することもできる。さらに、照明装置40の全体を密閉構造として、電磁駆動手段を省略することもできる。この場合には、第2レンズアレイ12や偏光板13を、弾性支持部材を介することなく支持部材に固定すればよい。
本発明の第1実施の形態に係る投影型映像表示装置の概略構成を示す図である。 図1に示す照明装置の全体構成を示す断面図である。 図2に示す第2支持部材を光軸方向から見た正面図である。 図3に示す弾性支持部材および補助筒の部分斜視図である。 照明光学系の概略構成を示す図である。 第1実施の形態に係る投影型映像表示装置の制御回路の概略構成を示すブロック図である。 第1実施の形態による映像表示モードの要部の動作を示すフローチャートである。 同じく、塵埃除去モードの要部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施の形態に係る照明装置の要部の構成を示す図である。 第2実施の形態の変形例を説明するための図である。
符号の説明
1 筐体
2 光学ボックス
3 投射レンズ
5 ランプ
6 リフレクタ
7 光源
8 UV/IR除去フィルタ
9 レンズ
11 第1レンズアレイ
12 第2レンズアレイ
13 偏光板
16 コンデンサレンズ
17,19,31,33 反射ミラー
18,25 ダイクロイックミラー
20a,20b,20c フィールドレンズ
21,23,27,29,34,36 偏光板
22,28,35 液晶ライトバルブ(液晶パネル)
24 ダイクロイックプリズム
30,32 リレーレンズ
37,38 ファン
39 排気ダクト
40 照明装置
41 第1支持部材
42 第2支持部材
43 第3支持部材
51 ホルダ
52a,52b 板バネ
53a,53b プリント基板
54 ダンパ材
55a,55b 補助筒
61a,61b,65 コイル
62a,62b,66 永久磁石
63 フレキシブル配線基板
64 ホール素子
71 ホログラム素子
71a,71b 回折領域
73 第1光検出器
74 第2光検出器
75 プリント基板
76 カバーガラス
80a,80b バネ
81 シリコンゲル
82a,82b,85,86 コイル
83a,83b ヨーク
85,86 コイル
87,88 ヨーク
101 モード選択スイッチ
102 CPU
103 発振回路(OSC)
105 塵埃除去用共振駆動回路
106 判別回路
107 アナログ/デジタル(A/D)変換回路
108 サーボ回路
109 温度センサ
110 ファン駆動回路
111 光源駆動回路
112 オートパワーコントロール(APC)回路
113 表示回路

Claims (8)

  1. 照明光束を映像に応じて変調して投影表示する投影型映像表示装置に用いる照明装置において、
    照明光束を出射する光源と、
    上記光源からの照明光束を複数の光束に分割する第1レンズアレイと、
    上記第1レンズアレイで分割された複数の光束が入射する第2レンズアレイと、
    上記第2レンズアレイを経た照明光束を受けて所定の偏光成分を出射させる偏光板と、
    上記第2レンズアレイを経た照明光束の一部を受光する第1光検出器と、
    を有することを特徴とする投影型映像表示装置用照明装置。
  2. 上記偏光板は、偏光分離膜と波長板とを有する偏光ビームスプリッタアレイからなることを特徴とする請求項1に記載の投影型映像表示装置用照明装置。
  3. 上記第2レンズアレイおよび/または上記偏光板を保持するホルダと、上記ホルダを弾性支持部材を介して変位可能に支持する支持部材と、上記ホルダを上記支持部材に対して変位させる電磁駆動手段とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の投影型映像表示装置用照明装置。
  4. 上記ホルダの上記支持部材に対する位置を検出するための位置検出手段を有することを特徴とする請求項3に記載の投影型映像表示装置用照明装置。
  5. 上記第2レンズアレイを経た照明光束を回折させるホログラム素子を有し、上記ホログラム素子の回折光を上記第1光検出器で受光するように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の投影型映像表示装置用照明装置。
  6. 上記ホログラム素子は、直線偏光依存性を有することを特徴とする請求項5に記載の投影型映像表示装置用照明装置。
  7. 上記ホログラム素子を、上記偏光板の出射面に形成したことを特徴とする請求項6に記載の投影型映像表示装置用照明装置。
  8. 上記ホログラム素子は、光学特性の異なる二つの回折領域を有し、一方の回折領域の回折光は上記第1光検出器で受光し、他方の回折領域の回折光は半導体位置検出器からなる第2光検出器で受光するように構成したことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の投影型映像表示装置用照明装置。

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