JP2006281635A - 成形品吸引取出し捕捉装置 - Google Patents

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Takeshi Hashimoto
健 橋本
Motoo Makino
基生 槙野
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Abstract

【課題】 微細な成形品であっても確実に捕捉し、かつ、成形品が衝突する危険を回避できる検出手段によって成形品が捕捉されているか否を検出することで、成形品の歩留りを向上させる。また、検出手段の設置作業性を向上させるとともに、イニシャルコストおよびランニングコストを削減できる成形品吸引取出し捕捉装置を提供する。
【解決手段】 捕捉ボックス17の吸込口17Bの吸引空気流量を検出する流量検出手段18を設け、この流量検出手段18で検出された吸引空気流量が略設定値の場合には、成形品23が通気・捕捉部材24に捕捉されたと判断し、設定値を超える吸引空気流量が予め設定された時間以上継続して流量検出手段18で検出された場合には、成形品23が通気・捕捉部材24に捕捉されていないと判断して、吸引空気流発生手段25の運転を停止制御する制御手段26を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、成形品吸引取出し捕捉装置に係り、詳しくは、樹脂成形機によって成形された成形品を金型から取出して、樹脂成形機外の所定位置に移送させる成形品取出機のチャックユニットとして機能する成形品吸引取出し捕捉装置に関するものである。
従来、樹脂成形機によって成形された成形品を吸着保持する吸着装置として、所定圧力の圧縮空気を供給する圧縮空気供給源と、供給される圧縮空気により負圧を発生させる負圧発生装置と、成形品を負圧により吸着保持する吸着部材とを配管にて接続した吸着装置において、圧縮空気供給源および負圧発生装置間の配管に設けられ、該配管内の負圧を検出する負圧検出部材と、この負圧検出部材により検出される負圧が所定値以上の場合には、吸着部材に成形品が吸着されたことを検出して圧縮空気開閉部材の開状態を維持制御する一方、負圧検出部材により検出される所定値以下の負圧が予め設定された時間以上継続する場合には、圧縮空気開閉部材を閉動制御して負圧発生装置に対する圧縮空気の供給を遮断する制御手段を備えた構造のものが提案されている(特許文献1)。
特開2004−82296号公報
ところが、特許文献1に記載されている吸着装置では、たとえば、コネクターや軸挿通孔を備えたギアのような微細な成形品の吸着に際しては、負圧が所定値以上に上がらず、したがって、吸着による成形品の取出しを見込めない場合が生じる。このため、特許文献1に記載されている吸着装置は、前述した微細な成形品を樹脂成形機の金型から取出して、樹脂成形機外の所定位置に移送させる成形品取出機のチャックユニットとしての使用が制限される。
そこで、微細な成形品を樹脂成形機の金型から取出して、樹脂成形機外の所定位置に移送させる成形品取出機のチャックユニットとしては、吸引空気流発生手段の運転によって発生する吸引空気流を吸い込む吸込口が開口されているとともに、この吸込口が吸引空気の流れを許容し、かつ、吸引空気流に吸引されて同伴する成形品の捕捉が可能な通気・捕捉部材で塞がれている成形品吸引取出し捕捉装置が使用されている。
この種の成形品吸引取出し捕捉装置であれば、たとえ前述のような微細な成形品であっても、これらの成形品を吸引空気流で吸引して同伴させることにより確実に捕捉することができるので、当該成形品を樹脂成形機の金型から取出して、樹脂成形機外の所定位置に移送させる成形品取出機のチャックユニットとして使用することができる。
ところで、前記従来の成形品吸引取出し捕捉装置では、成形品が捕捉されているか否を検出する検出手段として、光電式センサや有接点式センサなどが捕捉装置に近接して設置される。このため、吸引空気流に吸引されて同伴する成形品が前記センサ類に衝突して損傷し成形品の品質を低下させるおそれがあり、これが成形品の歩留りを低下させる要因になっているとともに、反対に成形品で前記のセンサ類を損傷させる問題が生じることもある。また、光電式センサの設置に際しては、成形品の形状や大きさなどに基づいて綿密な光軸調整を行うことが要求され、有接点式センサの設置に際しては、成形品の形状や大きさなどに基づいて綿密な位置決めを行うことが要求されるなど検出手段の設置作業が煩雑である問題点を有している。
一方、前記従来の成形品吸引取出し捕捉装置では、成形品を同伴して吸引するのに十分な吸引空気量を確保するために、定格出力の大きい大容量の吸引空気流発生手段が使用されている。したがって、イニシャルコストおよびランニングコストが嵩さむ経済的な難点をも併有している。
本発明は、このような問題を解決するものであって、その目的とするところは、コネクターや軸挿通孔を備えたギアのような微細な成形品であっても確実に捕捉することができるものでありながら、吸引空気流に吸引されて同伴する成形品が衝突する危険を回避できる検出手段によって成形品が捕捉されているか否を検出することで、成形品の歩留りを向上させるとともに、検出手段の設置作業性を向上させることができるばかりか、イニシャルコストおよびランニングコストを削減できる成形品吸引取出し捕捉装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る成形品吸引取出し捕捉装置は、吸引空気流発生手段の運転によって発生する吸引空気流を吸い込む吸込口が開口されているとともに、この吸込口には吸引空気の流れを許容し、かつ、吸引空気流に吸引されて該吸込口に同伴する成形品の捕捉が可能な通気・捕捉部材が設けられている成形品吸引取出し捕捉装置において、前記吸込口の吸引空気流量を検出する流量検出手段が設けられ、この流量検出手段で検出された吸引空気流量が略設定値の場合には、前記通気・捕捉部材に成形品が捕捉されたと判断して前記吸引空気流発生手段の運転を継続制御して成形品の捕捉を所定時間維持する一方、前記設定値を超える吸引空気流量が予め設定された時間以上継続して前記流量検出手段で検出された場合には、前記通気・捕捉部材に成形品が捕捉されていないと判断して前記吸引空気流発生手段の運転を停止制御する制御手段を備えていることを特徴とするものである。
これによれば、吸引空気流発生手段を運転することで、成形品吸引取出し捕捉装置の吸込口から吸引空気流が吸い込まれる。この状態で成形品吸引取出し捕捉装置の吸込口を樹脂成形機の金型内に保持されている成形品に近付けると、当該成形品は前記吸込口から吸い込まれる吸引空気流に吸引されて吸込口に同伴し、この吸込口に設けた通気・捕捉部材で捕捉することができる。
一方、通気・捕捉部材によって成形品が捕捉されると、捕捉された成形品の主として大きさに相当して吸込口の通路断面積が縮小され、これに応じて吸込口の吸引空気流量が低下する。吸込口の吸引空気流量は流量検出手段で検出される。したがって、吸引空気流量が略設定値である場合、つまり、吸引空気流量が設定値の±15%の範囲である場合には、通気・捕捉部材に成形品が捕捉されたと判断して前記吸引空気流発生手段の運転を継続制御しながら成形品の捕捉を所定時間維持しつつ成形品を金型外部の解放位置へ移送し、ここで解放して回収することができる。
他方、前記設定値を超える吸引空気流量が予め設定された時間以上継続して流量検出手段で検出された場合には、前記通気・捕捉部材に成形品が捕捉されていないと判断して前記吸引空気流発生手段の運転を停止させ、吸引空気の流れを遮断して、つぎの成形品の捕捉に備えることができる。
また、本発明は、前記通気・捕捉部材によって1回当たりに捕捉される成形品の大きさ、形状、重量および孔の有無などに応じて、該成形品を吸引して前記吸込口に同伴させる同伴吸引空気量を設定し、前記制御手段により前記吸引空気流発生手段の運転を制御して前記設定された同伴吸引空気量に相当する吸引空気を前記吸込口から吸い込ませるように構成することが好ましい。このようにすることで、定格出力の大きい大容量の吸引空気流発生手段の使用を回避して、適正な定格出力で、かつ、適正容量の吸引空気流発生手段を使用することができる。したがって、イニシャルコストおよびランニングコストを削減して、経済的な有利性を確保することもできる。
本発明によれば、成形品が捕捉されているか否を検出するための光電式センサや有接点式センサなどが不要になるので、吸引空気流に吸引されて同伴する成形品が前記センサ類に衝突して品質を低下させるのを回避して、成形品の歩留りを向上させることができる。また、吸込口の吸引空気流量を検出する流量検出手段は、吸込口から吸引空気流発生手段に至る吸引空気流通系の適所に容易に設置できるので、従来のセンサ類の設置と比較して設置作業がきわめて簡単になる。このため、設置作業性が大幅に向上する。
図1(a)は本発明の実施形態を示す斜視図、図1(b)は本発明の実施形態に適用される吸引空気流通系の一例を示す系統図である。これらの図において、樹脂成形機の固定プラテン1の上面にはトラバース型の成形品取出機3の固定ベース5が固定され、該固定ベース5には樹脂成形機の軸線に直交する矢印X方向(幅方向)にのびる横行フレーム2が支持され、この横行フレーム2には、樹脂成形機の軸線方向(矢印Y方向)にのびる引抜きフレーム4の基部が矢印X方向の進退移動を自在に組付けられ、引抜きフレーム4には、矢印Z方向の昇降が可能な昇降ユニット6が矢印Y方向の進退移動を自在に引抜きフレーム4に組付けられている。
前記横行フレーム2は、数値制御可能な直線用第1サーボモータ(不図示)によって矢印X方向に進退移動し、また、昇降ユニット6は、数値制御可能な直線用第2サーボモータ(不図示)によって矢印Y方向に進退移動するとともに、数値制御可能な直線用第3サーボモータ(不図示)または数値制御可能なシリンダ装置からなり、その下端部に成形品吸引取出し捕捉ボックス17が取付けられている。
前記成形品吸引取出し捕捉ボックス17は、たとえば、コネクターや軸挿通孔を備えたギアのような微細な成形品を樹脂成形機の金型から取出して、樹脂成形機外の所定位置に移送させる成形品取出機のチャックユニットとして機能するもので、図2にも示されているように、密閉構造の中空部17Aを有し、この中空部17Aを外部に連通させる複数個の吸込口17Bが1つの壁面を貫通して設けたものであり、これら吸込口17Bの入口は、吸引空気の流れFを許容し、かつ、吸引空気流Fに吸引されて同伴する前記微細な成形品23の捕捉が可能な金網またはパンチングメタルからなる通気・捕捉部材24で塞がれているとともに、通気・捕捉部材24には、吸込口17Bに対応する位置に成形品23を導くリング状のガイド部材17Cが取付けられている。
また、成形品吸引取出し捕捉ボックス17の中空部17Aは、吸気通路19を介してたとえばブロアーからなる吸引エア発生機構(吸引空気流発生手段)25の吸気口25aに連通しており、この吸引空気流発生手段25の運転・停止制御は、制御ボックス8に内装されている吸引エア発生制御機構(制御手段)26から出力される制御信号によって制御されるとともに、吸気通路19を流れる吸引空気流量を検出する吸引エア流量検出機構(流量検出手段)18が成形品吸引取出し捕捉ボックス17近傍に設けられている。なお、図1(a)において、10は操作ボックス、12は電源線、14はタイバー、16は成形機インターフェイスケーブルを示す。
図3は、本発明に係る成形品吸引取出し捕捉装置の電気的構成を示したブロック図である。26は吸引エア発生制御機構(制御手段)、25は吸引エア発生機構(吸引空気流発生手段)、18は吸引エア流量検出機構(流量検出手段)、17は成形品把持機構部(成形品吸引取出し捕捉ボックス)で、これらは図1に示したものと同じである。20はROMおよびRAMからなる記憶部で、ROMには成形品取出しに必要な動作プログラムなどの制御プログラムが書き込まれ、RAMには制御データが読み取りまたは書き込み可能に記憶されている。また、22は制御部を示す。
図4は、成形品吸引取出し捕捉装置が行う成形品23の取出し捕捉手順を示したフローチャートである。
前記構成による成形品23の取出しについて説明する。
先ず、図1の成形品吸引取出し捕捉ボックス17を樹脂成形機の操作側に位置する待機位置に移動した状態で待機させる。そして、樹脂成形機から成形動作の終了に伴って型開完了信号が成形品取出機3に出力されると、成形品吸引取出し捕捉ボックス17を型開した金型間で可動金型に相対する位置に進入させた後に、第2の直線用サーボモータを駆動して、捕捉ボックス17を可動金型内に保持された成形品23に近接する位置に前進させる。
ここで吸引空気流発生手段25を運転して(図4のステップS1)、成形品吸引取出し捕捉ボックス17の吸込口17Bから吸引空気流を吸い込む。この状態で捕捉ボックス17の吸込口17Bを樹脂成形機の金型内に保持されている成形品に近付けると、当該成形品は吸込口17Bから吸い込まれる吸引空気流に吸引されて吸込口17Bに同伴し、図2に示すように、吸込口17Bに設けた通気・捕捉部材24で成形品23を捕捉することができる(図4のステップS2)。
このように、通気・捕捉部材24によって成形品23が捕捉されると、捕捉された成形品23の主として大きさに相当して吸込口17Bの通路断面積が縮小され、これに応じて吸込口17Bおよび吸気通路19の吸引空気流量が低下する。吸込口17Bおよび吸気通路19の吸引空気流量は流量検出手段18で検出される(図4のステップS3)。したがって、吸引空気流量がが略設定値である場合、つまり、吸引空気流量が設定値の±15%の範囲である場合には、通気・捕捉部材24に成形品23が捕捉されたと判断して(図4のステップS4)、吸引空気流発生手段25の運転を継続制御しながら(図4のステップS5)、成形品23の捕捉を所定時間維持しつつ成形品23が金型外部の解放位置へ移送可能な適正品か成形不良品かを判断して(図4のステップS6)、成形不良品でなければこれを解放位置へ移送して解放し回収する。
一方、(図4のステップS3)において、前記設定値の少なくとも+15%を超える吸引空気流量が予め設定された時間以上継続して流量検出手段18で検出された場合、つまり、成形品23が通気・捕捉部材24によって捕捉されていない状態が発生した場合には、(図4のステップS4)で取出しエラーが発生したと判断して、図4のステップS1またはステップS2に戻る。また、(図4のステップS6)成形不良が発生していると判断された場合には、警報装置の吹鳴や警報灯の点灯などによって報知して(図4のステップS7)、樹脂成形機、成形品取出機3および吸引空気流発生手段25などの運転を停止する。
他方、通気・捕捉部材24によって1回当たりに捕捉される成形品23の大きさ、形状、重量および孔の有無などに応じて、該成形品23を吸引して成形品吸引取出し捕捉ボックス17の吸込口17Bに同伴させる同伴吸引空気量を予め設定し(図4のステップS1)、制御手段26により吸引空気流発生手段25の運転を制御して、前記設定された同伴吸引空気量に相当する吸引空気を吸込口17Bから吸い込ませるように構成することで、従来のような定格出力の大きい大容量の吸引空気流発生手段25の使用を回避して、適正な定格出力で、かつ、適正容量の吸引空気流発生手段25を使用することができる。したがって、イニシャルコストおよびランニングコストを削減して、経済的な有利性を確保することもできる。
また、本発明によれば、成形品23が捕捉されているか否を検出するために従来使用されていた光電式センサや有接点式センサなどが不要になるので、吸引空気流に吸引されて同伴する成形品23が前記センサ類に衝突して品質を低下させるのを回避して、成形品23の歩留りを向上させることができる。また、前記吸込口17Bの吸引空気流量を検出する流量検出手段18は、吸込口17Bから吸引空気流発生手段25に至る吸気通路19、つまり吸引空気流通系の適所あるいは成形品吸引取出し捕捉ボックス17の密閉構造の中空部17Aの内部などに容易に設置できるので、従来のセンサ類の設置と比較して設置作業がきわめて簡単になる。このため、設置作業性が大幅に向上する。
なお、前記実施形態では、トラバース型の成形品取出機3を使用しているが、本発明が適用される成形品取出機3はトラバース型のみに限定されるものではなく、旋回アーム型の成形品取出機3に適用可能であることはいうまでもない。
図1(a)は本発明の実施形態を示す斜視図であり、図1(b)は本発明の実施形態に適用される吸引空気流通系の一例を示す系統図である。 成形品吸引取出し捕捉ボックスの一例を示す拡大断面図である。 本発明の電気的構成を示すブロック図である。 成形品の吸引取出し捕捉手順を示したフローチャートである。
符号の説明
17 成形品吸引取出し捕捉ボックス
18 流量センサ(流量検出手段)
23 成形品
24 通気・捕捉部材
25 吸引空気流発生手段
26 制御手段

Claims (2)

  1. 吸引空気流発生手段の運転によって発生する吸引空気流を吸い込む吸込口が開口されているとともに、この吸込口には吸引空気の流れを許容し、かつ、吸引空気流に吸引されて該吸込口に同伴する成形品の捕捉が可能な通気・捕捉部材が設けられている成形品吸引取出し捕捉装置において、
    前記吸込口の吸引空気流量を検出する流量検出手段が設けられ、この流量検出手段で検出された吸引空気流量が略設定値の場合には、前記通気・捕捉部材に成形品が捕捉されたと判断して前記吸引空気流発生手段の運転を継続制御して成形品の捕捉を所定時間維持する一方、前記設定値を超える吸引空気流量が予め設定された時間以上継続して前記流量検出手段で検出された場合には、前記通気・捕捉部材に成形品が捕捉されていないと判断して前記吸引空気流発生手段の運転を停止制御する制御手段を備えていることを特徴とする成形品吸引取出し捕捉装置。
  2. 請求項1に記載の成形品吸引取出し捕捉装置において、
    前記通気・捕捉部材によって1回当たりに捕捉される成形品の大きさ、形状、重量および孔の有無などに応じて、該成形品を吸引して前記吸込口に同伴させる同伴吸引空気量を設定し、前記制御手段により前記吸引空気流発生手段の運転を制御して前記設定された同伴吸引空気量に相当する吸引空気を前記吸込口から吸い込ませるように構成したことを特徴とする成形品吸引取出し捕捉装置。
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