JP2006281287A - プレス成形型およびプレス成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で、ブランクを精度良く絞り成形することができるプレス成形型およびプレス成形方法を提供する。
【解決手段】 プレス成形型は、絞り成形を行うものであって、相対向して配置されたポンチ1およびダイス2と、ダイス2と協働してブランクPの周縁を所定の拘束力で拘束するクッション3と、ブランクPの絞り成形時にブランクPの素材流入抵抗を増大させるよう変化させる素材流入抵抗増大手段4と、を有する。ブランクPの周縁を所定の拘束力で拘束してブランクPを所定形状に絞り成形するに際して、ブランクPの絞り成形時にブランクPの素材流入抵抗を増大させるよう変化させて、ブランクPに引張応力を付与し、板内と板外に生じる応力の方向の差を少なくする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、プレス成形型およびプレス成形方法に関し、さらに詳しくは、ブランクをポンチとダイスにより所定形状に絞り成形するプレス成形型およびプレス成形方法に関するものである。
薄板状の素材であるブランクを絞り成形するためのプレス成形型は、一般に、相対向して配置されたポンチおよびダイスと、ブランクの周縁をダイスと協働して所定の拘束力で拘束してブランクにしわが発生するのを防止するクッションとを備えている。このようなプレス成形型では、ダイスに対してポンチを相対的に近付けて絞り成形を行うのに伴って、ブランクの素材がプレス成形型内に流入する。
ところで、図11に示すように、プレス成形型のポンチ1とダイス2の形状を、成形しようとするプレス成形品P’の形状通りに設定すると、そのブランクの弾性変形分が回復するスプリングバックSBにより、成形後にプレス成形品がポンチまたはダイスの表面からから離れるようにして戻り、ポンチ1およびダイス2の成形表面の形状と一致しないこととなる。この現象は、図12の(a)に示すように、ブランクの曲げ部の板厚方向に関して、中立面から内側(板内)に圧縮応力が発生する一方で、中立面から外側(板外)に引張応力が発生して、板厚方向に異なる応力が生じることに起因している。そのため、このスプリングバックによってプレス成形品を所望の形状精度に絞り成形することができず、プレス成形品の形状が精度不良となる。そこで、従来の技術では、一般に、スプリングバック量を見込み、かかる見込み量を考慮してポンチとダイスの形状を設定していた。
また、このようなスプリングバックを低減させて精度のよいプレス成形品を得るために、凸状の曲面部と、曲面部の周囲に起立させた外周フランジ部とからなり、曲面部に局部的にビードなどの凹状部又は段差部を有するプレス成形品をブランクを素材としてプレス成形する方法において、ブランクの曲面部と外周フランジ部とに引張り力を及ぼす絞りをかけた後、前記曲面部及び外周フランジ部を引張り状態に維持しつつ、曲面部に局部的にビードなどの凹状部又は段差部を形成することを特徴とする薄板のプレス成形方法が知られている(特許文献1)。すなわち、特許文献1は、凹状部又は段差部を曲面部に形成するもので、パットとは別にビード形成具が設けられた構造を開示している。そして、特許文献1には、しわ押さえとダイの対向する表面はブランクの周縁部を単に押圧することが開示されている。
特開平6−55231号公報
しかしながら、上記従来の技術のうち、スプリングバックの見込み量を考慮してポンチとダイスの形状を設定するものにあっては、プレス成形品のスプリングバック量を正確に見込むことは困難であり、成形精度を収束させるために必要な工数が多く、また、成形精度不良のプレス成形品に対して精度修正を行う必要があるため、手間や時間がかかるなどの問題があった。
また、上記特許文献1に開示されたものにあっては、絞り成形するに際してブランクの周縁部をしわ押さえ(クッション)とダイの対向する表面によって単に押圧するものであり、ブランクの周縁部に対して押圧する力を適切に変化させるものではなかったため、絞り成形に応じてブランクの素材の流入を適切に制御することができず、したがって、絞り成形に応じてブランクに加える張力を正確に制御することが困難であるという問題があっ
た。そして、特許文献1に開示されたプレス成形型にあっては、パットとは別にビード形成具を設ける必要があるため、構造が複雑であり、製造コストがかかるという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、ブランクを精度良く絞り成形することができるプレス成形型およびプレス成形方法を提供することを目的とする。
請求項1のプレス成形型に係る発明は、上記目的を達成するため、絞り成形を行うプレス成形型であって、相対向して配置されたポンチおよびダイスと、ブランクの周縁を所定の拘束力で拘束するクッションと、前記ブランクの絞り成形時にブランクの素材流入抵抗を増大させる素材流入抵抗増大手段と、を有することを特徴とするものである。
また請求項2のプレス成形方法に係る発明は、上記目的を達成するため、ブランクの周縁を所定の拘束力で拘束してブランクを所定形状に絞り成形するプレス成形方法であって、前記ブランクの絞り成形時にブランクの素材流入抵抗を増大させることを特徴とするものである。
請求項1の発明では、クッションによりブランクの周縁を所定の拘束力で拘束した状態でポンチとダイスとの間でブランクを絞り成形する。ブランクは、絞り成形されることによってその素材がプレス成形型内に流入するが、その周縁がクッションにより拘束されているため、素材の流入に所定の抵抗が生じている。そして、この絞り成形の途中の適当な時点で、クッションの拘束力による素材抵抗に加えて、素材流入抵抗増大手段により素材流入抵抗を、ブランクの板厚方向の圧力差を解消し得るように増大させるよう変化させると、ブランクに適切な引張力がさらに加えられることから、スプリングバックが抑制されて精度よく絞り成形されることとなる。
請求項2の発明では、ブランクの周縁を所定の拘束力で拘束してブランクを所定形状に絞り成形すると、その素材が所定の抵抗を受けた状態でプレス成形型内に流入する。この絞り成形の途中の適当な時点で、拘束力による素材抵抗に加えて、ブランクの板厚方向の圧力差を解消し得るように素材流入抵抗を増大させるよう変化させることにより、ブランクに適切な引張力をさらに加えて、ブランクを絞り成形する。ブランクは、適切な引張力がさらに加えられることにより、スプリングバックが抑制されて精度よく絞り成形されることとなる。
請求項1の発明によれば、ブランクの絞り成形時にブランクの素材流入抵抗を増大させる素材流入抵抗増大手段を加えたという簡単な構成で、ブランクを精度良く絞り成形することができるプレス成形型を提供することができる。
請求項2の発明によれば、ブランクの絞り成形時にブランクの素材流入抵抗を増大させるという簡単な工程を加えた構成で、ブランクを精度良く絞り成形することができるプレス成形方法を提供することができる。
最初に、本発明のプレス成形型の実施の一形態を図1に基づいて詳細に説明する。
本発明のプレス成形型は、概略、絞り成形を行うものであって、相対向して配置されたポンチ1およびダイス2と、ダイス2と協働してブランクPの周縁を所定の拘束力で拘束するクッション3と、ブランクPの絞り成形時にブランクPの素材流入抵抗を増大させるよう変化させる素材流入抵抗増大手段4と、を有する。そして、この実施の形態では、ダイス2とクッション3との衝合面には、ブランクPの周縁にビードBを形成する突条2aと凹溝3aが形成されている。
プレスのボルスタ10には下型11が設けられ、スライド20には上型21が設けられている。
下型11は、ボルスタ10に取付けられたポンチホルダ12と、このポンチホルダ12に着脱可能に取付けられたポンチ1と、ポンチ1の周囲を取り囲むように設けられたクッション(以下、クッションリングという)3と、このクッションリング3を所定のクッション力で支持するクッションピン13と、成形時にクッションリング3がクッションピン13により所定のクッション力を受けながら下降するときに所定の位置から下死点まで、クッション力に加えてクッションリング3に圧力を加えて素材流入抵抗を増大させる素材流入抵抗増大手段4としてのシリンダ40と、を備えている。ポンチホルダ12の上面には突起12aが設けられており、突起12aと対応してポンチ1の下面に凹部1aが形成されている。ポンチ1はポンチホルダ12に対してその突起12aに凹部1aを嵌合することにより位置決めされ、ボルト14によって締結される。クッションリング3は、複数のクッションピン13によって支持されており、各クッションピン13はクッションリング3を昇降可能に支持するとともに、合計で所定のクッション圧(例えば120ton)をクッションリング3に付与する。クッションリング3の上面には、ダイス2の突条2aと対応して、ブランクPの周縁にビードBを形成するための凹溝3aが形成されている。図2に示すように、シリンダ40はポンチ1の周囲に複数配列される。シリンダ40は、そのピストンロッド41が伸長した状態で、クッションリング3がポンチ1に対して相対的に下降したときに、下死点から所定の位置(例えば、4〜6mm)で、クッションリング3の下面に当接されるように設定されている。シリンダ40は、例えば、作動流体としてその内部に窒素ガスを封入または供給・排出されるよう構成されたもので、合計で270tonの圧力をクッションリング3に付与することができるように設定されている。すなわち、クッションリング3は、例えば、下死点から4〜6mmの高さ以降で、クッションピン13によるクッション圧(例えば120ton)にシリンダ40による圧力(例えば270ton)が加えられるよう構成されている。
上型21は、スライド20に対してラムクッション22を介して取付けられた保持部材23と、保持部材23に対して昇降可能に支持されたダイス2と、ダイス2とラムクッション22との間に介装される複数のプレッシャピン24と、を備えている。プレッシャピン24は、成形品P’の形状などに応じて適宜配置される。保持部材23は、ダイス2の周囲を取り囲むように形成されたもので、複数のピン25がその内部に突出するように設けられている。ダイス2の周囲のピン25と対応する位置にはピン25に対して摺動可能に係合される長溝26が形成されている。ダイス2の周縁の、クッションリング3の凹溝3aと対応する位置には、ブランクPの周縁にビードBを形成するための突条2aが形成されている。
なお、本発明のプレス成形型は、上述した実施の形態に限定されることはなく、例えば、素材流入抵抗増大手段4として、シリンダ40に替えて、図7に示すようにウレタンなどの弾性体42を使用することもできる。かかる場合には、プレス成形型の構造が簡単で安価に製作できる。
また、素材流入抵抗増大手段4は、図8に示すように、シリンダ40のピストンロッド41或いは弾性体42の上端、または、クッションリング3の下面の対応する位置に所定の厚さを有するシムあるいはブロック43を設けて、クッションリング3の下面に当接してクッション圧に素材流入抵抗を増大させるための所定の圧力を加え始める下死点からの位置(高さ)を調整することができるように構成することもできる。
さらに、図9に示すように、素材流入抵抗増大手段4として、ポンチホルダ12にシリンダ室44を形成し、このシリンダ室44にクッションリング3をピストンとして嵌合して構成することもできる。この場合においては、例えば窒素ガスや油などの流体をシリンダ室44に封入し、または、外部からシリンダ室44内に必要な圧力で供給・排出するよ
う構成することもできる。このように構成した場合には、クッションピン13を設けることなく、シリンダ室44内の圧力によってクッション圧も生じさせるよう制御してもよい。
いずれの場合にも、クッションピン13などによるクッション圧および素材流入抵抗増大手段4による圧力は、上述した実施の形態に限定されることはなく、成形条件など必要に応じて任意に設定することができる。素材流入抵抗増大手段4による圧力は、ブランクPを正常に絞り成形することができる範囲で設定することができ、例えば130〜270ton程度とすることができる。また、素材流入抵抗増大手段4による圧力は、一定ではなく、必要に応じて変化させることもできる。
次に、本発明のプレス成形方法の実施の一形態を、上述したように構成されたプレス成形型を用いる場合によって、その作動とともに図1と図3〜図6、および図10と図12に基づいて説明する。
本発明のプレス成形方法は、概略、ブランクPの周縁を所定の拘束力で拘束してブランクPを所定形状に絞り成形するもので、ブランクPの絞り成形時にブランクPの素材流入抵抗を増大させるよう変化させるものである。
図1に示すように、ブランクPを絞り成形するに際しては、上型21が上昇して下型11から離間した状態とされている。このとき、上型21は、ダイス2がその自重により保持部材23に対して下降しており、ピン25が長溝26の上端に係止した状態となっている。また、下型11は、クッションピン13が上昇しており、これに支持されたクッションリング3がポンチ1に対して上昇した状態となっている。また、シリンダ40のピストンロッド41は、伸長した状態となっているが、クッションリング3が上昇しているためにその下面から離間している。この状態で、ブランクPは、搬入アーム5の吸着パッド50に吸着されるなどしてクッションリング3上に位置決め載置される。次いで、図3に示すように、スライド20の駆動によって上型21を下降させると、最初にブランクPの周縁がダイス2とクッションリング3の間で挟持される(ブランクホールド)。そして、図4に示すように、さらにスライド20を下降させると、ダイス2とクッションリング3に設けられた突条2aと凹溝3aによってブランクPの周縁にはビードBが形成され、クッションリング3がクッションピン13によるクッション圧に抗して下降されて、ブランクPのビードBの内側がポンチ1によって成形され始める。このとき、ブランクPは、その周縁にビードBを形成されてダイス2とクッションリング3との間で挟まれて拘束されているため、引張応力を受けることととなる。そして、ダイス2の下降によってスライド20の下死点から所定の位置(例えば4〜6mm)で、シリンダ40のピストンロッド41の先端にクッションリング3の下面が当接する。このシリンダ40のピストンロッド41の先端とクッションリング3の下面との当接時点(高さ)は、後述するように素材の流入抵抗に起因する引張応力によってブランクPに肌荒れが起きない位置に設定される。
続いて、図5に示すように、さらにスライド20を下降させると、ダイス2がクッションピン13によるクッション圧とシリンダ40による素材流入抵抗増大のための圧力に抗してクッションリング3を下降させ、ブランクPはダイス2とポンチ1との間で所定形状に成形されることとなる。このとき、ブランクPの素材はプレス成形型内に流入しようとする。
ここで、ブランクPの周縁がクッションピン13によってクッション圧を付与されたクッションリング3とダイス2との間で挟持されて拘束されており、しかも、突条2aと凹溝3aの間でビードBが形成されているために、図10に示すように、素材の流入に抵抗が生じており、シリンダ40のピストンロッド41にクッションリング3の下面が接すると、クッションピン13によるクッション圧にシリンダ40による圧力が加えられて、ブランクPの周縁がクッション圧よりもさらに強い力で挟まれて拘束されるために、素材の
流入抵抗が増大するよう変化することとなる。そのため、ブランクPは、クッション圧による引張応力よりも強い引張応力を受けた状態で絞り成形されることとなる。なお、素材流入抵抗増大手段4としてシリンダ40を採用する場合には、シリンダ40に供給する窒素ガスなどの作動流体の圧力を制御することにより、素材の流入抵抗を増大させるよう変化させるパターンを任意に制御することができる。
図12の(a)で説明したように、ブランクPを曲げ成形するときには、一般にブランクPの曲げ部の板厚方向内側(板内)に圧縮応力が発生するとともに、板厚方向外側(板外)に引張応力が発生して、板厚方向に応力差が生じてスプリングバックSBの原因となる。そこで、本発明では、ブランクPを絞り成形するときに、しわ押さえを目的としてブランクPの周縁を拘束するとともにビードBを形成し、この絞り成形の途中の適当な時点から素材流入抵抗増大手段4によってさらにブランクPの周縁を強く拘束してその素材流入抵抗を増大させ、引張応力を増大させるよう変化させる。すると、図12の(b)に示すように、板厚方向内側(板内)に発生する圧縮応力が打消し減少されることとなり、したがって板内と板外に生じる応力の方向の差が少なくなるため、スプリングバックSBを抑制することができ、精度よく絞り成形されたプレス成形品を得ることができる。
次に、本発明のプレス成形型の別の実施の形態を図13〜図17に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
この実施の形態におけるプレス成形型の素材流入抵抗増大手段4は、クッションリング3aがシリンダ40による圧力を受けることによりブランクPの周縁に対する拘束力を増大させる拘束力増大手段43を備えている。
図13および図14に示した実施の形態における拘束力増大手段43は、クッションリング3の凹溝3aの外側に連続した環状または断続する突条43aを複数形成することにより構成されている。
シリンダ40は、水平方向の位置関係に関して、クッションリング3の凹溝3aの外側に配置されている。クッションリング3の上面の凹溝3aから外側はその外周縁に向かって漸次低くなるように傾斜しており、この傾斜した面に突条43aが凹溝3aと外周縁との間に複数形成されている。図13および図14に示した実施の形態では、各突条43aは、断面三角形に形成されている。
このように構成されたプレス成形型は、図13に示すように、上型21を下降させてブランクホールドし、クッションピン13によるクッション圧のみを受けてシリンダ40のピストンロッド41に接していない状態では、クッションリング3が撓んでおらず、ブランクPのビードBの外側に突条43aが接していない。
その後、図14に示すように、さらに上型21が下死点手前の所定の位置まで下降してクッションリング3の下面外側にシリンダ40のピストンロッド41が接して、シリンダ40による圧力が加えられると、クッションリング3は、内側に倒れるように撓み変形し、その断面三角形の突条43aの頂点がブランクPのビードBの外側に食い込み拘束力が増大する。この拘束力は、従来の一般的なプレス成形型において平滑なクッションリングに対するブランクの摩擦係数μが0.1〜0.15であるのに対し、この実施の形態におけるプレス成形型ではクッションリング3に対するブランクPの摩擦係数μが例えば0.4まで増大する。その結果、ブランクPの素材流入抵抗が上述した実施の形態よりもさらに増大する。そのため、ブランクPは、上述した実施の形態よりもさらに強い引張応力を受けた状態で絞り成形され、その板内と板外に生じる応力の方向の差が少なくなってスプリングバックSBを抑制することができ、精度よく絞り成形されたプレス成形品P’を得ることができる。
図15〜図17に示した実施の形態における拘束力増大手段43は、クッションリング3の凹溝3aに、ブランクPのビードBに食い込む食い込み部43bを形成することにより構成されている。
シリンダ40は、水平方向の位置関係に関して、クッションリング3の凹溝3aの外側に配置されている。クッションリング3の上面の凹溝3aから外側は外周縁に向かって漸次低くなるように傾斜しており、この傾斜した面と凹溝3aとの境界角部に食い込み部43bが凹溝3aの内方に突出するように形成されている。
このように構成されたプレス成形型は、図15に示すように、上型21を下降させてブランクホールドし、クッションピン13によるクッション圧のみを受けてシリンダ40のピストンロッド41に接していない状態では、クッションリング3が撓んでおらず、ブランクPのビードBに食い込み部43bが食い込んでいない。
その後、図16に示すように、さらに上型21を下死点手前の所定の位置まで下降させてクッションリング3の下面外側にシリンダ40のピストンロッド41が接して、シリンダ40による圧力が加えられると、クッションリング3は、内側に倒れるように撓み変形することにより、図17に拡大して示すように、その食い込み部43bがブランクPのビードBに食い込んで拘束力が増大して、ブランクPの素材流入抵抗が上述した実施の形態よりもさらに増大する。そのため、ブランクPは、上述した実施の形態よりもさらに強い引張応力を受けた状態で絞り成形され、その板内と板外に生じる応力の方向の差が少なくなってスプリングバックSBを抑制することができ、精度よく絞り成形されたプレス成形品P’を得ることができる。
本発明のプレス成形型の実施の一形態を説明するために示した断面図である。 クッションピンと素材流入抵抗増大手段の配置の一例を説明するために示した平面図である。 図1の状態からスライドを下降させてブランクホールドした状態を説明するために示した断面図である。 図3の状態からさらにスライドを下降させてブランクの周縁にビードを形成し、シリンダにクッションリングの下面を接して引張サイジングを開始した状態を説明するために示した断面図である。 図4の状態からさらにスライドを下降させて絞り成形を完了した状態を説明するために示した断面図である。 図5の状態からさらにスライドを下降させて下死点に達した状態で保持する様子を説明するために示した断面図である。 素材流入抵抗増大手段の変更例として、ウレタンなどの弾性体を使用した場合を示す断面図である。 素材流入抵抗増大手段とクッションリングとの間に所定の厚さを有するシムあるいはブロックを設けて、クッションリングの下面に当接してクッション圧に所定の圧力を加え始める下死点からの位置を調整することができるように構成した場合を説明するために示した要部拡大図である。 素材流入抵抗増大手段の変更例として、ポンチホルダにシリンダ室を形成し、クッションリングをピストンとしてシリンダ室に嵌合して構成した場合を説明するために示した断面図である。 素材流入抵抗の変化を説明するために示した概念図である。 プレス成形品の弾性変形分が回復するスプリングバックにより、成形後にプレス成形品がポンチまたはダイスの表面から離れるようにして戻った精度不良の状態を説明するために示した断面図である。 ブランクを曲げ成形したときの曲げ部の板厚方向に生じる応力を示した概念図である。 突条と溝からなる拘束力増大手段を備えた本発明のプレス成形型の別の実施の形態を説明するために示した要部断面図である。 図13の状態から上型が下降してシリンダによる圧力が加えられ、クッションリングが内側に倒れるように撓み変形して突条の頂点がブランクに食い込み拘束力が増大した状態を説明するために示した要部断面図である。 食い込み部により構成された拘束力増大手段を備えた本発明のプレス成形型の別の実施の形態を説明するために示した要部断面図である。 図13の状態から上型が下降してシリンダによる圧力が加えられ、クッションリングが内側に倒れるように撓み変形して食い込み部がブランクに食い込み拘束力が増大した状態を説明するために示した要部断面図である。 食い込み部がブランクに食い込んだ状態を説明するために示した要部拡大断面図である。
符号の説明
P:ブランク、 1:ポンチ、 2:ダイス、 3:クッション(クッションリング)、 4:流入抵抗増大手段

Claims (2)

  1. 絞り成形を行うプレス成形型であって、
    相対向して配置されたポンチおよびダイスと、
    ブランクの周縁を所定の拘束力で拘束するクッションと、
    前記ブランクの絞り成形時にブランクの素材流入抵抗を増大させる素材流入抵抗増大手段と、
    を有することを特徴とするプレス成形型。
  2. ブランクの周縁を所定の拘束力で拘束してブランクを所定形状に絞り成形するプレス成形方法であって、
    前記ブランクの絞り成形時にブランクの素材流入抵抗を増大させることを特徴とするプレス成形方法。
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