JP2006281083A - 薄膜蒸発装置 - Google Patents

薄膜蒸発装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006281083A
JP2006281083A JP2005103944A JP2005103944A JP2006281083A JP 2006281083 A JP2006281083 A JP 2006281083A JP 2005103944 A JP2005103944 A JP 2005103944A JP 2005103944 A JP2005103944 A JP 2005103944A JP 2006281083 A JP2006281083 A JP 2006281083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
polyisocyanate
chamber
seal member
film evaporation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005103944A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Saito
昭夫 斎藤
Shunzo Kawanishi
俊三 川西
Sukeaki Sasaki
祐明 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc filed Critical Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc
Priority to JP2005103944A priority Critical patent/JP2006281083A/ja
Publication of JP2006281083A publication Critical patent/JP2006281083A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 シール部材に重合物が固着することを防止することができ、長期にわたって安定した動作を確保することのできる、薄膜蒸発装置を提供すること。
【解決手段】 薄膜蒸発装置1の胴体2内において、ワイパ23を備えるロータ4が設けられる駆動軸3のシール部材5を被覆するように、チャンバ7を設けて、薄膜蒸発装置1の運転時には、そのチャンバ7内を窒素ガスで封入する。これによって、シール部材5は、運転時において、常時、窒素ガスが封入されているチャンバ7によって、胴体2の内部空間から画成されているので、シール部材5にタール成分に起因する固着物が固着することを防止することができる。そのため、長期にわたって安定した運転動作を確保することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薄膜蒸発装置、詳しくは、ポリイソシアネートの製造工程において、好適に用いることができる薄膜蒸発装置に関する。
ポリイソシアネートは、ポリウレタンの原料として用いられ、工業的には、例えば、ポリアミンと塩化カルボニルとのイソシアネート化反応により、製造されている。
このようなポリイソシアネートの製造プラントにおいては、イソシアネート化反応の終了後に、得られた未精製ポリイソシアネートから、副生した高分子量ポリイソシアネートを加熱し、蒸留操作によって分離するようにしている。
また、ポリイソシアネート、特に未精製のポリイソシアネートは、加熱によりダイマ化、トリマ化およびカルボジイミド化などの好ましくない熱重合が起きることが知られており、高分子量化による熱重合は、製品収率の低下をもたらす。一方、熱重合しやすい有機物の蒸留操作として流下膜式の薄膜蒸発装置が知られており、工業的に広く利用されている。
薄膜蒸発装置は、例えば、胴体と、この胴体内に回転自在に設置されたロータおよびロータに放射状に配設された撹拌用の羽根(一般にワイパとも呼ばれる。)からなる液膜形成手段と、胴体の周囲に配設された加熱ジャケットとを備え、胴体内に処理液が供給されたとき、羽根の遠心力によって羽根と胴体の内壁間に処理液の液膜が形成され、その液膜が加熱ジャケットの熱で蒸発することで濃縮液に生成され、製品出口から取り出すことができるように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−160298号公報
しかし、薄膜蒸発装置を、上記したように、ポリイソシアネートの製造プラントにおいて、得られたポリイソシアネートと高分子量ポリイソシアネートとの分離に用いると、回転自在に設置されたロータの軸受をシールするシール部材に、ポリイソシアネートの重合物が固着して、ロータの回転不良を生じ、ポリイソシアネートの製造プラントを停止させて、固着した重合物を除去しなければならないという状況が頻繁に発生する。このような状況が頻繁に発生すると、生産効率が著しく低下する。
本発明の目的は、シール部材に重合物が固着することを防止することができ、長期にわたって安定した動作を確保することのできる、薄膜蒸発装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の薄膜蒸発装置は、胴体と、前記胴体内に設けられ、前記胴体の内壁との間で被処理液の薄膜を形成する薄膜形成手段と、前記薄膜を蒸発させる加熱手段と、前記薄膜形成手段を回転自在に支持する軸受と、前記胴体内の被処理液の前記軸受への漏洩を防止するためのシール部材と、前記胴体の内部空間から前記シール部材を画成するように前記シール部材を被覆し、不活性ガスが封入されるチャンバとを備えていることを特徴としている。
また、本発明の薄膜蒸発装置は、ポリイソシアネートの製造工程において、未精製ポリイソシアネートから、高分子量化したポリイソシアネートを分離するために用いられることが好適である。
本発明の薄膜蒸発装置によれば、胴体内の被処理液が軸受に漏洩することを、シール部材によって防止することができ、さらに、シール部材が、不活性ガスが封入されるチャンバによって、胴体の内部空間から画成されている。そのため、シール部材に固着物が固着することを、チャンバによって防止することができる。そのため、長期にわたって安定した動作を確保することができる。
図1は、本発明の薄膜蒸発装置の一実施形態を示す概略構成図である。薄膜蒸発装置は、必要に応じて内部コンデンサ型と外部コンデンサ型との2種類の形態があるが、本発明は、コンデンサの形態にこだわるものではなく、いずれの形態にも適用できる。図1には、本発明の一実施形態として、内部コンデンサ型の薄膜蒸発装置の概略構成図を示す。
図1において、この薄膜蒸発装置1は、胴体2と、加熱手段としてのジャケット11と、薄膜形成手段としての駆動軸3、ロータ4およびワイパ23と、シール部材5と、軸受6と、チャンバ7とを備えている。
胴体2は、上下方向に延びる略有底円筒形状のケーシング8と、ケーシング8の上方開口部を閉鎖する円板形状の蓋板9とを備えている。蓋板9には、その中心に、駆動軸4を挿通するための挿通孔10が、駆動軸4の直径よりも大径で、厚み方向を貫通するように形成されている。胴体2は、ケーシング8の上方開口部が蓋板9によって閉鎖されることで、その内部空間が胴体2の外側と画成される。
ジャケット11は、胴体2内を加熱するために、ケーシング8の周側壁の外側に設けられている。ジャケット11は、ケーシング8の長手方向(上下方向)に沿って、ケーシング8の周側壁の外周面を被覆するように設けられている。このジャケット11の下部一方側には、ジャケット11内の熱媒を排出するための筒状の熱媒排出管12が、径方向外方に突出するように設けられている。また、ジャケット11の上部他方側には、ジャケット11内に熱媒を供給するための筒状の熱媒供給管13が、径方向外方に突出するように設けられている。
このジャケット11では、薄膜蒸発装置1の運転時には、熱媒(例えば、水蒸気)が、熱媒供給管13から供給され、ジャケット11内において上方から下方に流れる間に、ケーシング8の周側壁の外周面を加熱し、その後、蒸気および蒸気ドレンが熱媒排出管12から排出される。このジャケット11では、図示しない温度制御部で熱媒の流量や温度、または、蒸気の場合には圧力を制御することにより、胴体2内の温度を制御している。
また、蓋板9の一方側には、被処理液を胴体2内に流入させるための筒状の上部流入管14が、上下方向に沿って胴体2内に挿入されるように設けられている。また、ケーシング8の周側壁の下部他方側には、被処理液のタール成分を胴体2内から流出させるための筒状の側部流出管15が、径方向外方に突出するように設けられている。
また、ケーシング8の底壁には、その中央部において、下方に向かって窪む凹部20が形成されている。この凹部20は、胴体2より小径の有底円筒形状に形成されている。凹部20の中央には、被処理液の留出成分を流出させるための筒状の底部流出管16が、下方に突出するように設けられている。また、凹部20の周側壁の他方側には、胴体2内を減圧するための筒状の真空吸引管21が、径方向外方に突出するように設けられている。
また、胴体2内には、コンデンサ22が設けられている。コンデンサ22は、ケーシング8の底壁の凹部20に配置され、冷媒が循環される熱交換器から構成されており、薄膜蒸発装置1の運転時には、被処理液の留出成分を冷却して凝縮させる。
駆動軸3は、蓋板9の挿通孔10を挿通して、ケーシング8の中心軸線に沿って配置されており、その下端部が、胴体2内において、コンデンサ22と上下方向において間隔を隔てた状態で配置され、その上端部が、胴体2の外側上方において、モータ17に接続されている。
ロータ4は、駆動軸3から径方向外方に延びるように、駆動軸3を中心として放射状に設けられている。このロータ4は、ケーシング8の長手方向(上下方向)に沿って延び、その径方向外側端部が、ケーシング8の周側壁の内周面(内壁)とわずかな隙間を隔てて対向するように設けられている。
ワイパ23は、ロータ4の径方向外側端部において、ロータ4の長手方向(上下方向)に沿って設けられている。そのため、ワイパ23は、ケーシング8の周側壁の内周面とわずかな隙間を隔てて対向配置される。
シール部材5は、その一部が、蓋板9の挿通孔10内において、駆動軸4の外周面と挿通孔10の外周縁との間の隙間に埋設されるように、蓋板9の上面に設けられている。このシール部材5は、一般にメカニカルシールからなり、胴体2内の被処理液が、挿通孔10から蓋板9の外側へ漏洩することを防止する。
軸受6は、胴体2の外側上方であって、シール部材5の上面に設けられている。この軸受6は、駆動軸3の途中を軸受けして、その駆動軸3を回転自在に支持している。
なお、軸受6は、駆動軸3やロータ4の構造や安定化のために、胴体2の下部などに、合わせて2個以上設けることもある。
そして、薄膜蒸発装置1の運転時には、モータ17が駆動して、そのモータ17の駆動により、軸受6に回転自在に支持されている駆動軸3が回転する。すると、その駆動軸3に設けられているローラ4が、駆動軸3を回転中心として回転し、ワイパ23がケーシング8の周側壁の内周面とわずかな隙間を隔てた状態で、周方向に移動する。
また、後述するポリイソシアネートなどは、一般に高沸点であり、被処理液によっては、熱重合ロスを抑制するため、真空吸引管21に真空装置(減圧ポンプなど)を接続し、胴体2内を減圧して、真空下、蒸発液の沸点を低下させるようにする。
チャンバ7は、胴体2内において、挿通孔10に埋設されるシール部材5を胴体2の内部空間から画成して、シール部材5を被覆するように設けられている。
このチャンバ7は、挿通孔10よりも大径の円筒状の筒部7aと、その筒部7aの下端部を閉鎖する下板7bとを備えている。下板7bには、駆動軸3が挿通される挿通開口部18が形成されている。この挿通開口部18は、駆動軸3の直径よりもわずかに大径に形成されている。
そして、チャンバ7は、下板7bの挿通開口部18に駆動軸3が挿通された状態で、筒部7aの上端部が、挿通孔10の周りを囲むように、蓋板9の下面に溶接により固定されている。
なお、下板7bは、筒部7aに対して、ボルトナットなどで着脱自在に装着されている。このように下板7bが筒部7aに対して装着されていると、チャンバ7内を開放して、シール部材5の点検を容易化することができる。
また、チャンバ7の筒部7aは、図示しないが、その一部がテーパ状に形成されていてもよく、チャンバ7の近くに凝縮性ガスが多くなる場合には、例えば、下端から上端に向って開口断面積の広がる略円錐台形状に形成することが好適である。
また、チャンバ7には、チャンバ7内に窒素ガスを吐出するためのガスノズル19が設けられている。このガスノズル19は、蓋板9を貫通して胴体2内に挿入され、チャンバ7に向って屈曲されており、その吐出口が筒部7aの周側壁を貫通して、チャンバ7内に臨むように配置されている。また、このガスノズル19には、窒素ガスを供給するための窒素ガスライン(図示せず。)が接続されている。
薄膜蒸発装置1の運転時には、窒素ガスライン(図示せず。)から、窒素ガスが、常時、所定の供給量で、ガスノズル19に供給される。ガスノズル19では、供給された窒素ガスをチャンバ7内に吐出する。一方、薄膜蒸発装置1の運転時には、胴体2内を減圧した場合には、チャンバ7内に吐出された窒素ガスは、挿通開口部18から胴体2内へ漏れるため、被処理液や被処理液の加熱で発生するベーパーが挿通開口部18からチャンバ7内部へ侵入することがなく、シール部材5が健全に保たれる。
次に、この薄膜蒸発装置1の運転動作について述べる。
この薄膜蒸発装置1の運転時においては、まず、上部流入管14から、留出成分(例えば、後述するポリイソシアネート)とタール成分(例えば、後述する高分子量ポリイソシアネート)とが含有されている被処理液(例えば、後述する反応液)が、胴体2内へ流入する。そして、その流入された被処理液は、モータ17により駆動軸3を回転中心として周方向に移動しているワイパ23の遠心力によって、ワイパ23の径方向端部とケーシング8の周側壁の内周面とわずかな隙間において、液膜に形成される。そして、その液膜に含有されている留出成分は、ジャケット11の加熱により蒸発して、コンデンサ22で濃縮されることで留出液となり、底部流出管16から流出する。一方、被処理液に含有されているタール成分は、液膜から蒸発することなくケーシング8の底壁に溜まり、その後、側部流出管15から流出する。
そして、この薄膜蒸発装置1では、このような運転動作において、胴体2内の被処理液が軸受6に漏洩することを、シール部材5によって防止することができる。また、シール部材5は、運転時において、常時、窒素ガスが封入されているチャンバ7によって、胴体2の内部空間から画成されているので、シール部材5にタール成分に起因する固着物が固着することを、チャンバ7によって防止することができる。そのため、長期にわたって安定した運転動作を確保することができる。
この薄膜蒸発装置1は、化学製品を製造する種々のプラントにおいて使用することができるが、とりわけ、図2に示すように、ポリウレタンの原料であるポリイソシアネートの製造プラント20において、製造されたポリイソシアネートから脱溶媒した後の工程において、好適に用いることができる。
すなわち、図2において、このポリイソシアネートの製造プラント30では、イソシアネート化反応槽31と、溶媒回収槽32と、薄膜蒸発装置1とが、反応液の流れ方向においてこの順番で、輸送管33を介して接続されている。また、溶媒回収槽32からイソシアネート化反応槽31へは溶媒回収ライン34が接続されている。
イソシアネート化反応槽31は、例えば、連続式多段反応器から構成され、ポリイソシアネートの原料であるポリアミンおよび塩化カルボニルと、溶媒とが供給される。
なお、ポリアミンは、ポリウレタンの製造に用いられるポリイソシアネートに対応するポリアミンであって、特に制限されず、例えば、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(MDI)に対応するポリメチレンポリフェニレンポリアミン(MDA)、トリレンジイソシアネート(TDI)に対応するトリレンジアミン(TDA)などの芳香族ジアミン、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)に対応するキシリレンジアミン(XDA)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)に対応するテトラメチルキシリレンジアミン(TMXDA)などの芳香脂肪族ジアミン、例えば、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)に対応するビス(アミノメチル)ノルボルナン(NBDA)、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)に対応する3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(IPDA)、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)に対応する4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(H12MDA)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)に対応するビス(アミノメチル)シクロヘキサン(H6XDA)などの脂環族ジアミン、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)に対応するヘキサメチレンジアミン(HDA)などの脂肪族ジアミン、および、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)に対応するポリメチレンポリフェニルポリアミンなどから、適宜選択される。XDIやHDIには、この薄膜蒸発装置1を使用した場合に、大きな効果を得ることができる。また、図2に示すプラント30は、脂肪族ジアミンから、脂肪族ジイソシアネートを製造するのに適している。
また、溶媒は、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、例えば、クロロトルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、例えば、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル類、例えば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが用いられる。好ましくは、ジクロロベンゼンが用いられる。
そして、イソシアネート化反応槽31では、ポリアミンおよび塩化カルボニルが、溶媒中でイソシアネート化反応して、粗ポリイソシアネート(未精製ポリイソシアネート)を生成する。なお、粗ポリイソシアネートには、製品となるポリイソシアネート以外に、副生した高分子量ポリイソシアネート(高分子量化したポリイソシアネート)が含まれている。
次いで、イソシアネート化反応槽31で得られた粗ポリイソシアネートを含有する溶媒、すなわち、反応液は、輸送管33を介して溶媒回収槽32に供給される。溶媒回収槽32では、反応液から溶媒が除去され、その除去された溶媒が、溶媒回収ライン34を介して、イソシアネート化反応槽31へ還流される。そして、溶媒が除去された粗ポリイソシアネートがリッチな反応液は、溶媒回収槽32から輸送管33を介して薄膜蒸発装置1に供給される。
薄膜蒸発装置1では、その運転条件として、例えば、ジャケット11による胴体2内の加熱温度が80〜230℃、真空装置による減圧度(真空度)が、0.01〜20kPa、ガスノズル19に供給される窒素ガスの供給量が、1〜1000Nl/hrに設定されている。
そして、薄膜蒸発装置1では、上記した運転動作によって、上部流入管14から被処理液として反応液(溶媒が除去された粗ポリイソシアネートがリッチな反応液)が流入し、留出成分として、製品となるポリイソシアネートが、底部流出管16から流出する。また、タール成分として、高分子量ポリイソシアネートが、側部流出管15から流出する。
このような、粗ポリイソシアネートの薄膜蒸発では、被処理液のポリイソシアネートや蒸発したポリイソシアネートまたは高分子量ポリイソシアネートが、シール部材5に固着して、駆動軸3の回転不良を生じるおそれがあるが、この薄膜蒸発装置1では、上記したように、チャンバ7によって、シール部材5に上記したポリイソシアネートなどに起因する固着物が固着することを防止することができる。そのため、長期にわたって安定した運転動作を確保することができる。
より具体的には、実際のトリレンジイソシアネート(TDI)の製造プラントにおいて、チャンバが装備されていない薄膜蒸発装置を使用した場合には、数ヶ月毎に、薄膜蒸発装置でのワイパの回転不良により、製造プラントを停止させる必要を生じていたが、本実施形態のように、チャンバを装備した薄膜蒸発装置を使用した場合には、ほぼ1年間を通じて、薄膜蒸発装置でのワイパの回転不良が生じず、製造プラントを安定して運転させることができた。
さらに、実際のキシリレンジイソシアネート(XDI)の製造プラントにおいて、チャンバが装備されていない薄膜蒸発装置を使用した場合には、数週間毎に、薄膜蒸発装置でのワイパの回転不良により、製造プラントを停止させる必要を生じていたが、本実施形態のように、チャンバを装備した薄膜蒸発装置を使用した場合には、ほぼ1年間を通じて、薄膜蒸発装置でのワイパの回転不良が生じず、製造プラントを安定して運転させることができた。
なお、上記の説明では、本発明の薄膜蒸発装置を、胴体2内にコンデンサ22を設けた内部コンデンサ型(内部熱交換型)の薄膜蒸発装置1として説明したが、本発明の薄膜蒸発装置は、胴体2の外側にコンデンサ(図示せず。)を設けた外部コンデンサ型(外部熱交換型)の薄膜蒸発装置として構成することもできる。薄膜蒸発装置を、外部コンデンサ型(外部熱交換型)の薄膜蒸発装置として構成する場合には、図2の点線で示すように、側部流出管15が、ケーシング8の周側壁の上部他方側に設けられる。
本発明の薄膜蒸発装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図1に示す薄膜蒸発装置が適用される、ポリイソシアネートの製造プラントの概略構成図である。
符号の説明
1 薄膜蒸発装置
2 胴体
3 駆動軸
4 ロータ
5 シール部材
6 軸受
7 チャンバ
23 ワイパ
30 製造プラント

Claims (2)

  1. 胴体と、
    前記胴体内に設けられ、前記胴体の内壁との間で被処理液の薄膜を形成する薄膜形成手段と、
    前記薄膜を蒸発させる加熱手段と、
    前記薄膜形成手段を回転自在に支持する軸受と、
    前記胴体内の被処理液の前記軸受への漏洩を防止するためのシール部材と、
    前記胴体の内部空間から前記シール部材を画成するように前記シール部材を被覆し、不活性ガスが封入されるチャンバと
    を備えていることを特徴とする、薄膜蒸発装置。
  2. ポリイソシアネートの製造工程において、未精製ポリイソシアネートから、高分子量化したポリイソシアネートを分離するために用いられることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜蒸発装置。
JP2005103944A 2005-03-31 2005-03-31 薄膜蒸発装置 Pending JP2006281083A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005103944A JP2006281083A (ja) 2005-03-31 2005-03-31 薄膜蒸発装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005103944A JP2006281083A (ja) 2005-03-31 2005-03-31 薄膜蒸発装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006281083A true JP2006281083A (ja) 2006-10-19

Family

ID=37403542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005103944A Pending JP2006281083A (ja) 2005-03-31 2005-03-31 薄膜蒸発装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006281083A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009063828A1 (ja) 2007-11-14 2009-05-22 Mitsui Chemicals Polyurethanes, Inc. ポリイソシアネートの製造方法
WO2014190484A1 (en) * 2013-05-28 2014-12-04 Empire Technology Development Llc Thin film systems and methods for using and making same
US9568253B2 (en) 2011-04-18 2017-02-14 Empire Technology Development Llc Dissipation utilizing flow of refrigerant
US10010811B2 (en) 2013-05-28 2018-07-03 Empire Technology Development Llc Evaporation-condensation systems and methods for their manufacture and use

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5296165U (ja) * 1976-01-14 1977-07-19
JPS5781801A (en) * 1980-11-10 1982-05-22 Tokuyama Sekiyu Kagaku Kk Gland sealing method for rotary type evaporator
JPH03128917A (ja) * 1989-09-26 1991-05-31 Air Prod And Chem Inc 残留トルエンジイソシアネートのレベルが低いウレタンプレポリマーの製造方法
JPH08284962A (ja) * 1995-04-13 1996-11-01 Sekisui Chem Co Ltd 回転体支持装置
JPH1123152A (ja) * 1997-07-04 1999-01-26 Toshiba Corp 遠心薄膜乾燥機およびこれを用いた汚泥処理方法
JP2004197786A (ja) * 2002-12-17 2004-07-15 Tamagawa Machinery Co Ltd 濃縮装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5296165U (ja) * 1976-01-14 1977-07-19
JPS5781801A (en) * 1980-11-10 1982-05-22 Tokuyama Sekiyu Kagaku Kk Gland sealing method for rotary type evaporator
JPH03128917A (ja) * 1989-09-26 1991-05-31 Air Prod And Chem Inc 残留トルエンジイソシアネートのレベルが低いウレタンプレポリマーの製造方法
JPH08284962A (ja) * 1995-04-13 1996-11-01 Sekisui Chem Co Ltd 回転体支持装置
JPH1123152A (ja) * 1997-07-04 1999-01-26 Toshiba Corp 遠心薄膜乾燥機およびこれを用いた汚泥処理方法
JP2004197786A (ja) * 2002-12-17 2004-07-15 Tamagawa Machinery Co Ltd 濃縮装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009063828A1 (ja) 2007-11-14 2009-05-22 Mitsui Chemicals Polyurethanes, Inc. ポリイソシアネートの製造方法
JP2009120528A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc ポリイソシアネートの製造方法
US9035087B2 (en) 2007-11-14 2015-05-19 Mitsui Chemicals, Inc. Process for producing polyisocyanate
KR101570549B1 (ko) 2007-11-14 2015-11-19 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 폴리아이소사이아네이트의 제조방법
US9568253B2 (en) 2011-04-18 2017-02-14 Empire Technology Development Llc Dissipation utilizing flow of refrigerant
WO2014190484A1 (en) * 2013-05-28 2014-12-04 Empire Technology Development Llc Thin film systems and methods for using and making same
US10010811B2 (en) 2013-05-28 2018-07-03 Empire Technology Development Llc Evaporation-condensation systems and methods for their manufacture and use
US10065130B2 (en) 2013-05-28 2018-09-04 Empire Technology Development Llc Thin film systems and methods for using same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8759569B2 (en) Process for the production of isocyanates, preferably diisocyanates and polyisocyanates with solvent recirculation
CN101827812B (zh) 多异氰酸酯的制造方法
JP2006281083A (ja) 薄膜蒸発装置
ES2663643T3 (es) Procedimiento para la preparación de isocianatos
JP6166706B2 (ja) ポリイソシアネート混合物を分画する方法
CN103965079A (zh) 一种连续制备脂肪族或环族二异氰酸酯的方法
JP5254020B2 (ja) イソシアネート含有残留物を精製する方法
US5962728A (en) Isocyanate residue purification
TWI412541B (zh) 聚異氰酸酯殘渣之濃縮方法、處理方法、濃縮裝置及處理裝置
JP2006282640A (ja) ポリイソシアネート連続製造装置
JP6913083B2 (ja) イソシアネートの製造方法
CN111094240B (zh) 使在二胺的气相光气化中获得的气态反应混合物骤冷的方法
JP2015501313A (ja) イソシアネート及び/又はポリイソシアネートの製造方法
JP2006312619A (ja) ポリイソシアネート製造設備およびポリイソシアネート製造方法
US20220267500A1 (en) Distillation of polyisocyanates
JP4705425B2 (ja) ポリイソシアネート残渣の分解装置およびそのスタートアップ方法
JP2012233004A (ja) ポリイソシアネート製造設備およびポリイソシアネート製造方法
CN114423736A (zh) 异氰酸酯的蒸馏方法
US20230212109A1 (en) Method for operating a plant for continuous production of an isocyanate

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071119

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100125

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A521 Written amendment

Effective date: 20100331

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101005

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20101125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110719