JP6913083B2 - イソシアネートの製造方法 - Google Patents

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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/10Preparation of derivatives of isocyanic acid by reaction of amines with carbonyl halides, e.g. with phosgene

Description

発明の背景
本発明は、対応するアミンをホスゲンと反応させることによるイソシアネートの連続的な製造方法であって、特定の生産能力での開始状態から開始し、かつ異なる生産能力での最終状態で終了する目標生産能力が、開始状態から最終状態の間の過渡期に変化する場合に、
・アミン質量流量が変化し始めた際の過渡期の時点での瞬間的なホスゲン過剰分は、過渡期開始前の開始状態における生産能力での生産期間中のホスゲン過剰分と少なくとも同じほど高く、好ましくはそれより高く、かつ
・過渡期中のホスゲン過剰分の平均は、過渡期開始前の開始状態における生産能力での生産期間中のホスゲン過剰分より大きい、方法に関する。
イソシアネートは大容量で生産され、主としてポリウレタンの生産用の出発物質として役立つ。それらは、通常、化学量論的に過剰なホスゲンを使用して、対応するアミンをホスゲンと反応させることによって調製されている。アミンのホスゲンとの反応は気相または液相中のどちらかで達成することができ、この反応はバッチ式または連続的に行うことができる(W. Siefken, Liebigs Ann. 562, 75-106 (1949))。一級アミンおよびホスゲンから有機イソシアネートを調製する方法について既に複数の記載が存在する; 例えば、Ullmanns Encyklopaedie der technischen Chemie [Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry], 4th ed. (1977), 第13巻, 351〜353頁およびG. Wegener et al. Applied Catalysis A: General 221 (2001), 303〜335頁, Elsevier Science B.Vを参照のこと。芳香族イソシアネート、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MMDI−「モノマーMDI」)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(MMDIと高級同族体との混合物、PMDI、「ポリマーMDI」)またはトリレンジイソシアネート(TDI)、および脂肪族イソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)またはイソフォロンジイソシアネート(IPDI)は世界的に使用されている。
方法は2つの実行方法、即ち、気相での反応と液相での反応との間で一般的に区別される。
典型的には気相ホスゲン化と称する、気相中方法のレジームは、通常、アミン、イソシアネートおよびホスゲン反応成分(好ましいのは、全ての反応物であるが)、生成物および反応中間体が選択された条件下でガス状であるように反応条件を選択することが特徴である。
典型的には液相ホスゲン化と称する、液相中方法のレジームは、少なくともアミン、粗イソシアネートおよびホスゲン反応成分(好ましいのは、全ての反応物であるが)、生成物および反応中間体が、好適な溶媒中で、選択された条件下で液体であるように液体状であるように反応条件を選択することが特徴であり、この溶媒は、粗イソシアネートから分離され、精製された形態または精製されていない形態で反応回路へと再循環する。
液相ホスゲン化でのアミンのホスゲンとの混合には、動的または静的混合器を使用することが可能であり、気相ホスゲン化では、混合ノズルの使用が望ましい。重要なことは、供給材料が迅速に良く混合されることであり、その理由としては、供給材料の混合が不十分な場合に形成されたイソシアネートがアミンと反応し、その結果局所的に過剰に存在して、高粘度または固形状の尿素または厄介な他の副産物をもたらすためである。これは、機器の固化および妨害(例えば、パイプライン内での妨害)を引き起こし、所望しない清掃による停止、ひいてはプラントの耐用年数の低下、即ち準最適な経済的実行可能性に結びつく。したがって、つい最近でのイソシアネート製造産業での焦点は、複数の出版物からも推論することができるように、供給材料の混合の最適化であった。例示を目的として、ここに次の特許出願を引用する:中国特許出願公開第102527312A号、国際公開第2013/048873A1号、国際公開第2013/060836A1号、欧州特許出願第2077150A1号、欧州特許出願第1555258号、国際公開第2006/108740A1号、国際公開第2010/015667A1号または欧州特許出願第1526129号。
現代のポリウレタンの工業規模での製造は連続的であり、例えば、欧州特許出願第1616857A1号に記載のように、反応は断熱性ホスゲン化として行なわれる。反応器中の所望しない沈殿物および副産物は、反応温度および圧力を正確に選択することにより回避される。混合空間では、一級アミノ基に対してモル過剰なホスゲンが確保されるはずである。欧州特許出願第1873142A1号には、3段階のホスゲン化ラインが記載され、ここでは混合器の第一段階とホスゲン化反応器の第二段階との間の圧力が同一に維持されるか、または上昇し、第三段階であるホスゲン除去のための装置では、圧力は第二段階よりも低い。欧州特許出願第1873142A1号に記載の発明は、液相ホスゲン化および気相ホスゲン化の両方に関し、より詳細には工業規模での連続的なホスゲン化プラントでの生産能力を変更する一貫した途切れのない方法に関する。
国際公開第2013/029918A1号(以降、WO’918とする)には、対応するイソシアネートをホスゲンと反応させることによるイソシアネートの製造方法が記載され、それは問題なく、プラントへの異なる投入量を用いて実施することができる。より詳細には、同様に部分的投入範囲でプラントの運転を行う場合、ホスゲンのアミンに対する比を増加させるか、またはホスゲンおよび/またはアミン流に1つ以上の不活性物質を添加させることによって混合および/または反応を、それぞれの場合に最適化された滞留時間ウィンドウ内で達成する。この発明の方法は、一定の製品および方法品質と共に、異なる投入量での既設プラントの運転を可能にする。目的は異なる銘板生産能力(公称生産能力、nameplate capacity)のいくつかのプラントで分注を行うことである。次のことが見出された:気相ホスゲン化および液相ホスゲン化の両方では、反応物の混合および対応する反応空間での反応液の滞留時間は、重大な反応パラメーターである。したがって、アミンのホスゲン化によるイソシアネート製造の計画は、反応流の迅速な混合および狭い滞留時間ウィンドウに関する特定の要求と一致させなければならない。アミンのホスゲン化の計画は、ここでは最大流量またはそれぞれの銘板生産能力のために本質的に設計されている。これは、ノズルなどの混合要素と、例えば、滞留時間反応器などの反応空間の両方が、銘板生産能力で、最適化された収率、生成物の純度などで最適な範囲内で運転されることを意味する。しかしながら、プラントが完全投入されていない場合、即ち銘板生産能力の一部のみで運転が行われている場合、例えば、滞留時間が変化し、その結果プラントの運転は果最適な範囲内でもはや行われない。これが、例えば、部分的な投入でのプラントならびにプラントの故障の場合でのスタートアップおよびシャットダウンの運転の場合である。これらの減少した生産能力の場合では、混合要素および滞留時間反応器の両方とも、最適な範囲内で作動していない。結果は、収量損失、機器中での固化および/または品質損失の問題である。前述の問題を回避するために、WO’918は、反応物を十分に迅速に混合することを確保すべきであることを示唆している。短い混合時間を実施する方法は原則的に知られている。混合装置中では、動的または静的混合器を備えた混合集合装置(mixing aggregate)を使用することが可能である。混合装置中で1つ以上の静的混合要素を使用することが好ましい。好適な静的混合要素の例としては、ノズル、スムース・ジェット・ノズル(smooth jet nozzle)または燃焼技術から知られているVenturiノズルおよびLavalノズルが挙げられる。WO’918は、静的混合要素の特に有利的な実行として、国際公開第2010/015667A1号に記載の混合要素を示唆している。使用する動的混合機は、例えば、混合装置中に配置させた回転/固定子システムであってもよい。WO’918によれば、静的混合要素、特にノズルを使用することが好ましい。しかしながら、WO’918による方法は、好適なノズルの使用を通じてではなく、溶媒の使用量を増やし、および/またはホスゲンの使用量を増やすことを犠牲にしてこれらの問題(収量損失、付着物問題および/または品質の損失)を解決している。これは、プラントの部分的投入量下では、プラント中の反応器および装置中の滞留時間が、銘板生産能力を意図しているプラントの運転と比較して同一またはほとんど同一に維持されていることを意味する。これは、例えば、ホスゲンのホールドアップの顕著性および絶対的可能性を高めること、または、部分的な生産投入下で溶媒使用量が増加することなどの重大な欠点を生じさせる。これは当然、必要以上の溶媒を蒸留させて必要以上のホスゲンを回収(即ち、凝縮)させなければならない粗イソシアネートのワークアップのためにエネルギー消費が増加することに関連している。その結果、投入量が既に低いことに加えて、方法の経済的実行可能性が悪化する。
WO’918で議論される異なる投入量での状態の運転の最適モードの問題は、根本的に検討すべき理由をいくつかもたらす:
銘板生産能力(「銘板投入量」とも称する)の領域および縮小した生産能力(「部分的投入範囲」とも称する)の領域の両方での生産プラントの運転は各々、反応物(アミン、ホスゲン、場合により、希釈剤)の流量が、一旦設定されると、一定に維持されるという点で定常状態であると考慮すべきである。しかしながら、定常状態(例えば、銘板生産能力での生産)から異なる定常状態(例えば、銘板生産能力の75%での生産)に変更するには、毎回、反応物の流量が絶えず変化する遷移状態を経ることが不可避であり、その終了時には新しい定常状態が確立される。したがって、そのような遷移状態では、流量は連続的にまたは離散間隔内で変化している。WO’918では、そのような遷移状態の構成について詳細に議論されていない。それよりむしろ、WO’918は、単に遷移状態前後の定常状態での方法の最適な運転に関するものである。
公開された明細書、独国特許出願公開第102009032413A1号は、気相中でのイソシアネートの製造方法であって、ホスゲンの回復収量が、塩化水素およびホスゲン化で形成されるホスゲンを含んでなる気体流のワークアップでの特定の方法・レジームによって増加する方法に関する。この文献も異なる投入量での2つの運転状態間の遷移状態に関するものではない。
国際公開第03/045900A1号は、気相中でのホスゲン化によるイソシアネートの製造方法を提供する目的に基づくものであり、その方法によって、高い熱交換領域と、固体の形成を完全に回避することは不可能であるが、生産プラント、特に工業規模での生産プラントの非常に長い寿命との両方が達成される。この目的のために、反応を非円筒状の反応チャネルで行なうことを示唆している。この文献も異なる投入量での2つの運転状態間の遷移状態に関するものではない。
公開された明細書、独国特許出願第3212510A1号には、有機イソシアネートを製造するための2段階液相法が記載されている。この文献も異なる投入量での2つの運転状態間の遷移状態に関するものではない。
したがって、イソシアネートの調製にはさらなる改善が必要であった。より詳細には、対応するアミンをホスゲンと反応させることによりイソシアネートを調製するためのさらなる方法であって、上記の欠点がなく異なる投入量で実行することができ、かつ非定常状態相での投入量が実際に変化した場合には、使用する機器および生産プラントに固化および析出がないように実行することができ、投入量が複数回変化した後でさえも、長期間途切れずに良好な製品品質で運転を行うことができる、方法が必要であった。定常相(銘板生産能力または部分的投入範囲)での生産プラントの運転では、ホスゲンのアミンに対する比、同様に溶媒および不活性ガス中のホスゲンおよびアミンの供給材料の濃度は同一に維持され、かつ混合および/または反応はそこから生じる滞留時間ウィンドウ内で達成される。
この必要性を考慮して、本発明は、反応空間でイソシアネート(1)に対応するアミン(2)をホスゲン(3)と反応させることを含んでなる、質量流量m1、目標として表すイソシアネート(1)の目標生産能力で、目標生産能力を少なくとも1回変化させて(いわゆる「投入量の変更」)、イソシアネート(1)を製造するための連続的な方法であって
(i)アミン(2)が、反応空間へ質量流量mで、かつホスゲン(3)が反応空間へ質量流量mで供給され、ここで
(ii)mおよびmが、アミン(2)の一級アミノ基に対してホスゲン(3)が過剰に存在しているように常に選択され、ここで
(iii)(ii)に関して選択した対応するアミン質量流量m2、目標(A)およびホスゲン質量流量m3、目標(A)で開始状態m1、目標(A)≠0から、(ii)に関して選択した対応するアミン質量流量m2、目標(E)およびホスゲン質量流量m3、目標(E)で最終状態m1、目標(E)≠0へと導かれる目標生産能力m1、目標での少なくとも1回の変化が、アミン(2)mおよびホスゲン(3)mの質量流量が開始状態と終了状態との間の過渡期の間、以下のように変化する方法を提供する:
(iii−1)m2、目標(A)からm2、目標(E)への質量流量mの変化が始まる過渡期での時点の瞬間的なホスゲン過剰分が、過渡期開始前の生産能力m1、目標(A)での生産期間中のホスゲン過剰分と少なくとも同じくらい高く、好ましくはそれより多く、かつ
(iii−2)過渡期中の平均ホスゲン過剰分が、過渡期開始前の生産能力m1、目標(A)での生産期間中のホスゲン過剰分より多い。
本発明は、連続運転中の目標生産能力の変化(即ち、m1、目標(A)≠m1、目標(E))、(即ち、イソシアネート(1)の生産の特定の状態(m1、目標(A)≠0)から開始し、イソシアネート(1)の生産の別の状態(m1、目標(E)≠0)で終了する)に関する。換言すると、本発明の方法は、全ての実施態様で、目標生産能力の少なくとも1回の変化(1回の変更)(即ち、m1、目標(A)≠m1、目標(E))、より詳細には、それぞれの場合を開始値m1、目標(A)に対するものとして、10%〜90%の範囲、より好ましくは20%〜80%の範囲、最も好ましくは30%〜70%の範囲での値による目標生産能力の変化を包含する。例えば、開始値m1、目標(A)を150kg/hとすると、このように、m1、目標(A)に対して30%の目標生産能力の変化は、m1、目標の150kg/hへの低下またはm1、目標の195kg/hへの上昇のいずれかに相当する。このような生産能力の変更も投入量の変化と呼ばれる。本文脈での投入量の変化は、運転が行われていない(即ち、m1、目標(A)=0)生産プラントの運転し始める(即ち、m1、目標(E)≠0)か運転中の生産プラント(即ち、m1、目標(A)≠0)の運転を止める(m1、目標(E)=0)、スタートアップおよびシャットダウンの運転とは区別されるべきである。したがって、本発明は、投入量の変化前後の2つの定常状態の間、即ち、開始状態と最終状態との間の過渡期で有利に実行される手順に関するものである。換言すると:イソシアネート(1)が、目標値の±2.5%、好ましくは±1.0%の運転で慣習的である変化の範囲内で、同一の目標生産能力m1、目標で、持続的に生産される方法、ならびに瞬間生産能力mが、スタートアップの過程(m=0とm=m1、目標の間の期間)およびシャットダウンの過程(m=m1、目標とm=0の間の期間)でのみ(必然的に)この目標生産能力から逸脱(上記の意味での過渡期が全くないということを意味する)する方法が、本発明の内容の一部を形成しないということである。
反応空間では、アミン(2)の対応するイソシアネート(1)へのホスゲン化が行われる。反応空間は、アミン(2)およびホスゲン(3)が初めて互いに遭遇するところで始まる。これは、転換を完了させるための滞留時間装置の上流に接続させた混合装置内にあってもよい。この場合、混合装置および滞留時間装置が一緒に反応空間を形成する。
製造するイソシアネート(1)は、目標生産能力m1、目標(質量流量として記載、即ち、「時間単位あたりに製造したイソシアネートの質量」として記載、例えば1時間あたりのイソシアネートをkgで記載)で生産される。目標生産能力は、既存の生産プラントでの境界条件(例えば、利用可能な装置のサイズ)によって設定した技術的な範囲内で可変的であり、市場需要に依存して調節される。この目標生産能力は、目標生産能力からの収率100%を仮定して計算するアミン質量流量m2、目標(同様に、質量流量として記載、例えば1時間あたりのアミンをkgで記載)に相当する。目標ホスゲン質量流量m3、目標(同様に、質量流量として記載、例えば1時間あたりのホスゲンをkgで記載)は、ホスゲンがアミン(2)の一級アミノ基に対して過剰であるように常に選択される。理論的な観点からは、ホスゲン1モルが一級アミノ基1モルと反応してイソシアネート基1モルが得られる。したがって、例えば、ホスゲン化するアミン(2)としてのジアミンの場合には、ジアミン1モル当たりにホスゲンを2モル使用する。理論上必要なホスゲンの量に対して追加で使用するホスゲンの量をホスゲン過剰分と称する。本発明の文脈では、質量流量mおよびmは各々、このようにアミン(2)およびホスゲン(3)に関係する。アミン(2)およびホスゲン(3)を溶媒または不活性ガスで希釈してアミン(2)を含んでなる混合物(20)および(好ましくは)ホスゲン(3)を含んでなる混合物(30)を得た場合、当然、その中に存在するアミン(2)とホスゲン(3)の比率がホスゲン過剰分の決定に重大である。
特定の目標生産能力(例えば、生産プラントの銘板生産能力)m1、目標(A)でのイソシアネート(1)の生産は、期間t(開始状態)の間行われる。この期間tの間、m= m2、目標(A)である。この期間tにわたるホスゲン質量流量mは、特定値m3、目標(A)に調節される。
ここで生産能力を変更する(例えば、生産されたイソシアネートに必要な低下の結果としての銘板生産能力の75%まで変更する[m1、目標(A)に対しての25%の変化に相当]。)新しい目標状態は最終状態に相当する。この新しい状態での生産期間中は、以下の本議論でtとも称する。(あとの時点で投入量をもう1回変化させる場合には、この期間tは、「この新しく変更した投入量の点から」tと見なされるだろう。しかしながら、これは本議論では、本議論の単純化を理由として重要ではなく、このため以下で使用する開始点では、期間tおよびtにわたり、開始定常状態および後続の定常状態で常に投入量に変化があるだろう。)開始状態(選択された例では、銘板生産能力の生産の終わり)と最終状態(選択された例では、銘板生産能力75%での生産の達成)の達成との間でには、過渡期tUがある。この過渡期tUは、質量流量mおよび/またはmが、生産能力での変更を目的として、初めて目標値m2、目標(A)またはm3、目標(A)へ増加したか減少した時点から始まる。以降、この時点をtと称する。それぞれの場合に設定した目標値m2、目標(A)またはm3、目標(A)からの、それぞれの場合に設定した最終目標値への質量流量mおよびmの変化が、好ましくはそれぞれの場合に異なる時点で始まる場合、前に開始する質量流量のこの変更の時点を、tと称し、後に開始する質量流量のこの変更の時点は、tと称する(同様に図面も参照のこと)。ホスゲン質量流量mのm3、目標(A)からの逸脱が、期間tにわたりホスゲン過剰分の変化を単純に反映する範囲内で、このような変化は、過渡期tUの開始を表さない。過渡期tUは、質量流量mおよびmが、それぞれの目標値m2、目標(E)またはm3、目標(E)に達した時点で終了する。以降、この時点をtと称する。
本発明に必須な第一の特徴は、質量流量m2、目標(A)からm2、目標(E)への変更が開始する過渡期での時点での瞬間的なホスゲン過剰分が、過渡期の開始前に生産能力m1、目標(A)での生産期間中の過剰ホスゲン分と少なくとも同じくらい多く、好ましくはそれより多いことである(特徴(iii−1)。所与のアミンについて、ホスゲン過剰分は、既知の質量流量mおよびmから単純に計算することができる。したがって、生産能力m1、目標(A)での生産期間中にわたるホスゲン過剰分は、2つの質量流量mおよびmから単純な方法で見出される。(好ましくない方法であるが)瞬間ホスゲン質量流量mが、期間t中変化し、かつその結果、質量流量mのm2、目標(A)からm2、目標(E)への変更が開始する過渡期の時点での瞬間ホスゲン過剰分を設定することを目的として、目標値m3、目標(A)から時々逸脱する場合、期間tにわたる平均ホスゲン質量流量mを用いて決定された過渡期開始前の生産能力m1、目標(A)での生産期間中の過剰ホスゲン分が基礎として用いられる。
本発明に必須な第二の特徴は、過渡期中の平均ホスゲン過剰分が過渡期開始前の生産能力m1、目標(A)での生産期間中の過剰ホスゲン分より多いことである(特徴(iii−2)。過渡期tUの間、瞬間のホスゲン過剰分は可変的である。これは、mおよびmが、投入量の変化を目的として、異なる時点で初めて増加かまたは減少することが理由であり(図1〜図4の図面を参照)および/または図1および図2で概略図の形態で示されるように、関数m(t)ではm(t)よりもtとtとの間に全体的な大きな下降があることが理由であり、および/または図3および図4で概略図の形態で示されるように、関数m(t)ではm(t)よりもtとtとの間に全体的な急な上昇があることが理由であるかもしれない。本質的なのは、過渡期中(即ち、tで開始しtで終了する期間tU内)の平均ホスゲン過剰分が、過渡期開始前の生産能力m1、目標(A)での生産期間中の過剰ホスゲン分より多いことである。後者に関連しては、当然、特徴(iii−1)に関しての前の記載が同様に当てはまる。したがって、過渡期中の平均ホスゲン過剰分は、例えば、方法制御システムに記録されたホスゲンおよびアミンの質量流量から、単純な方法で計算することができる。
本発明の特定の実施態様を以下に詳細に説明する。当業者にとって文脈から反対が明らかでない限り、所望に応じて種々の実施態様を互いに組み合わせることができる。
始めで既に言及したように、本発明は連続運転中の目標生産能力の変更、即ち、投入量の変化に関する。当業者に既知であるように、イソシアネート(1)を製造するための生産プラントは、特定の目標銘板生産能力のために設計されている。銘板生産能力は、ここでは、設計されたかまたは寸法を有するプラントのための、化学プラントでの単位時間あたりに生産された製品の目標量を指す。現プラントサイズでのこの銘板生産能力は、1年あたりの目標イソシアネート(1)の何十万メートルトンもの大きさほどであってもよい。したがって、銘板生産能力の運転は、プラントの銘板生産能力を達成するために使用される流量(1単位時間あたりの量)をも設定する。対応するアミン(2)およびホスゲン(3)からのイソシアネート(1)の製造では、これは、特定の期間内で特定の量(m1、目標、銘板)のイソシアネートを生産するために生産プラントが設計されることを意味し、その目的のために、アミン(m2、目標、銘板)およびホスゲン(m3、目標、銘板)の特定の質量流量が、反応空間へ供給されなければならない。本発明の文脈では、「銘板生産能力未満の運転」(または「部分的投入量」)という用語は、使用されるアミン(2)に関係する;換言すると、「銘板生産能力未満の運転」とは、使用されるアミンの流量mが生産プラント(m2、目標、銘板)の銘板生産能力での運転に想定されたアミンの流量より少ないことを意味する。
本発明の方法は、開始状態または最終状態が以下の範囲内である、投入量の変化に特に好適である:
・生産プラントの銘板生産能力の20%まで下がった生産プラントの銘板生産能力からの範囲、
・好ましくは、生産プラントの銘板生産能力の30%まで下がった生産プラントの銘板生産能力からの範囲、および
・より好ましくは、生産プラントの銘板生産能力の40%まで下がった生産プラントの銘板生産能力からの範囲。
生産プラントの運転を、その銘板生産能力未満で行うことができる期間に上限はなく、本発明の方法は、長い期間にわたってさえも銘板生産能力未満で運転することができ、これは、使用されるアミンの質量流量mが、使用される生産プラントの銘板生産能力で使用されるアミンの質量流量m2、目標、銘板を連続して下回っていることを意味する。本発明に従い想定される手段を用いる場合には、本発明に従い、銘板生産能力での運転と銘板生産能力未満での運転との間を行き来することも可能である。本発明の方法は、銘板生産能力での生産と比べてワークアップのための追加的な費用を受け入れることなく、等しい製品および方法品質で異なる投入量(異なる生産能力)での既存プラントの運転を可能にする。加えて、瞬間生産能力(銘板生産能力、部分的投入量または投入量の変化の間)に依存して、方法パラメーターの設定が正しく付与されると、機器中の沈積および固化の問題を回避することも可能である。
本発明は、イソシアネート(1)を液相および気相中で得るためのアミン(2)のホスゲン(3)との反応に適用可能である。
反応を液相中で行なう場合、投入量の変化の前(即ち、期間tの間)またはその後の(即ち、期間tの間)の定常的運転では、好ましくは、ホスゲンの一級アミノ基に対するモル比1.10:1〜30.0:1、より好ましくは1.25:1〜5.00:1に相当するホスゲン過剰分を設定する。
反応を気相中で行なう場合、投入量の変化の前(即ち、期間tの間)またはその後の(即ち、期間tの間)の定常的運転では、好ましくは、ホスゲンの一級アミノ基に対するモル比を2.50:1〜5.00:1、より好ましくは2.60:1〜4.50:1、最も好ましくは2.70:1〜4.00:1に設定する。
異なる方法(液相ホスゲン化または気相ホスゲン化)に関係なく、過渡期終了後のホスゲン過剰分は、特徴(ii)が順守されていることを条件に、自由に選択することができる;換言すると、必ずしもホスゲン過剰分を投入量の変化前と同一のホスゲン過剰分に設定する必要はない。しかしながら、後の変形が好ましい変形である;換言すると、方法の操作は、過渡期開始前の生産能力m、目標(E)での生産中のホスゲンの過剰分が、過渡期開終了後の生産能力m、目標(A)での生産中のホスゲンの過剰分と等しいように行われることが好ましい。
過渡期t U (即ち、投入量の変化が持続している間、2つの定常状態間の持続期間)は、好ましくは少なくとも0.50分、より好ましくは少なくとも5.0分、最も好ましくは少なくとも15分である。過渡期は、再び可能な限り早く定常状態での生産プラントの運転を行う目的から基本的に発生している時間制限を受ける。したがって、過渡期は好ましくは3時間以下、より好ましくは1時間以下、最も好ましくは30分以下であって、過渡期の最小および最大の持続期間に指定された期間は、所望により互いに組み合わせることができる。
反応空間での反応を不活性物質(4)の存在下で行なうことが特に望ましい。
液相反応の場合には、この種の不活性物質(4)は不活性溶媒である。液相ホスゲン化に好適な不活性溶媒(4)は、反応条件下で不活性な溶媒であり、例として、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン(特にオルト異性体)、トリクロロベンゼン、ジオキサン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、ペルクロロエチレン、トリクロロフルオロメタン、クロロナフタレン、デカヒドロナフタレンまたは酢酸ブチルが挙げられる。特に好ましいのはモノクロロベンゼンおよびジクロロベンゼンである。
気相反応の場合には、この種の不活性物質(4)は、不活性ガス(物質(4)が既に室温でガス状であるという意味)または不活性溶媒の蒸気のいずれかである。好適な不活性ガスは、例えば、ヘリウムまたはアルゴンなどの窒素または希ガスである。特に好ましいのは窒素である。好適な溶媒で、その蒸気を不活性物質(4)として使用することができるものは、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(特にオルト異性体)、トルエン、キシレンまたはデカヒドロナフタレンなどの芳香族である。特に好ましいのはクロロベンゼンおよびジクロロベンゼンである。
希釈剤として不活性物質(4)を使用する場合には、アミン(2)を不活性物質(4)との混合物(20)形態で反応空間へ供給し、および/またはホスゲン(3)を不活性物質(4)との混合物(30)形態で反応空間へ供給することが適当であり、かつ好ましい。ここでは、投入量の変化前および後の定常状態で、先行技術に記載のように、混合物20中のアミン(2)と混合物30のホスゲン(3)の濃度を同一に選択することが可能である。好ましくは、投入量の変化前および後で混合物20中のアミン(2)と混合物30のホスゲン(3)の同一の濃度が確立される。
過渡期中は以下であることが好ましい:
混合物(20)中のアミン(2)の平均濃度が、生産能力m、目標(A)での生産期間中、混合物(20)中のアミン(2)の平均濃度以下であること、および/または
過渡期中の混合物(30)中のホスゲン(3)の平均濃度が、生産能力m、目標(A)での生産期間中、混合物(30)中のホスゲン(3)の平均濃度に等しいこと。
前の好ましい実施態様は、アミンが十分に希釈されることが確保されるため、反応空間での沈殿物の形成に対抗する。後の好ましい実施態様を実行する場合、過渡期中の本発明によるホスゲン過剰分の増加(特徴(iii−2))は、ホスゲン/不活性材料流(30)との反応空間への不活性物質(4)の導入を増加させる効果があり、これも同様に反応空間での沈殿物の形成に対抗する。両実施態様が、互いに連動して行われた場合に好ましい効果が最も顕著な程度に発生する。定常状態で、不活性物質(4)の添加が意図されていない場合、不活性物質(4)をmまたはmと事前に混合させることなく、過渡期tU中に直接反応空間に転換することによって上記の好ましい効果を達成することも可能である。好ましくは、この不活性物質の添加は、不活性物質での十分な希釈が、投入量の変化の重要な期間中に確保されるように、tで達成されるか、またはある期間、好ましくはtの1.0〜5.0分前に既に達成されている。
生産率(銘板投入量、部分的投入量または投入量の変化中)によって反応物の十分に迅速な混合を確保しなければならない。短い混合時間を実行する方法は原則として知られている。混合装置では、動的または静的混合器付きの混合集合装置を使用することが可能である。液相ホスゲン化では、好ましくは混合装置中で動的混合要素を使用することが可能である。好適な動的混合要素は、例えば欧州特許出願第2077150A1号に記載のような混合要素である。気相ホスゲン化では、静的混合要素の使用が好ましい。好適な静的混合要素は、例えば、欧州特許出願第1526129号に記載のような混合要素である。
本発明の方法によって製造することができる好適なイソシアネート(1)は、特に芳香族ジイソシアネートおよびポリイソシアネートであり、例えば、異性体または異性体混合物としてのメチレンジフェニルジイソシアネート(MMDIまたはジフェニルメタンシリーズのジイソシアネート類)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(PMDIまたはジフェニルメタンシリーズのイソシアネート)、メチレンジフェニルジイソシアネートとポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの混合物(MDI、またはジフェニルメタンシリーズからのジイソシアネートおよびポリイソシアネート)、純異性体または異性体混合物としてのトリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)の異性体、ジイソシアナートベンゼンの異性体、キシレン2,6−イソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(1,5−NDI)、炭素原子を2〜18個有する脂肪族または脂環式の炭化水素類に基づくジイソシアネート類、例えば、ブタン1,4−ジイソシアネート、ペンタン1,5−ジイソシアネート、ヘキサン1,6−ジイソシアネート(HDI)、オクタン1,8−ジイソシアネート、ノナン1,9−ジイソシアネート、デカン1,10−ジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン1,5−ジイソシアネート、2−メチルペンタン1,5−ジイソシアネート(MPDI)、2,4,4(または2,2,4)−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート(TMDI)、シクロヘキサン1,3−および1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチルシクロヘキサン(IPDI)、2,4−または2,6−ジイソシアナート−1−メチルシクロヘキサン(H6−TDI)、1−イソシアナート−1−メチル−4(3)−イソシアナートメチルシクロヘキサン(AMCI)、1,3(および/または1,4)−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナートメチル)ノルボルナン(NBDI)、4,4’(および/または2,4’)−ジイソシアナートジシクロヘキシルメタン、炭素原子を最大22個有する(シクロ)脂肪族トリイソシアネート類、例えば、トリイソシアナートシクロヘキサン、トリス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、トリイソシアナートメチルシクロヘキサン、1,8−ジイソシアナート−4−(イソシアナートメチル)オクタン、ウンデカン1,6,11−トリイソシアネート、1,7−ジイソシアナート−4−(3−イソシアナートプロピル)ヘプタン、1,6−ジイソシアナート−3−(イソシアナートメチル)ヘキサンおよび1,3,5−トリス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン)である。
上記イソシアネート(1)に対応するアミン(2)は、芳香族のジアミン類およびポリアミン類であり、例えば、異性体または異性体混合物としてのメチレンジフェニルジアミン(MMDA、またはジフェニルメタンシリーズからのジアミン類)、ポリメチレンポリフェニルポリアミン(PMDA、またはジフェニルメタンシリーズからのポリアミン類)、メチレンジフェニルジアミンとポリメチレンポリフェニレンポリアミンとの混合物(MDA、またはジフェニルメタンシリーズからのジアミン類およびポリアミン類)、純異性体または異性体混合物としてのトリレンジアミン(TDA)、キシリレンジアミン(XDA)の異性体、ジアミノベンゼンの異性体、2,6−キシリジン、ナフチレン−1,5−ジアミン(1,5−NDA)、炭素原子を2〜18個有する脂肪族または脂環式の炭化水素に基づくジアミン類、例えば、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン(HDA)、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、2,2−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(MPDA)、2,4,4(または2,2,4)−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン(TMDA)、1,3−および1,4−ジアミノシクロヘキサン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン(IPDA)、2,4−または2,6−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン(H6−TDA)、1−アミノ−1−メチル−4(3)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)、1,3(および/または1,4)−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン(NBDA)、4,4’(および/または2,4’)−ジアミノジシクロヘキシルメタン、炭素原子を最大22個有する(シクロ)脂肪族トリアミン類、例えば、トリアミノシクロヘキサン、トリス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリアミノメチルシクロヘキサン、1,8−ジアミノ−4−(アミノメチル)オクタン、ウンデカン−1,6,11−トリアミン、1,7−ジアミノ−4−(3−アミノプロピル)ヘプタン、1,6−ジアミノ−3−(アミノメチル)ヘキサンおよび1,3,5−トリス(アミノメチル)シクロヘキサンである。
投入量の変化前後の定常状態では、本発明の方法は先行技術から既知のように操作することができる。定常状態での液相および気相のホスゲン化の好ましい実施態様は、以下に概説する:
液相中でイソシアネート(1)を製造する方法は、反応域およびワークアップ域を備えてなる生産プラントで行なわれる。この点については、図5をさらに参照のこと。(以下に続く本文の節では、図5に示される装置には、図6の装置(気相ホスゲン化)と区別するために接頭語「5−」を付す。図5自体では、この接頭語を省略している)。この方法は、制限することなく、ジフェニルメタンシリーズのジイソシアネートおよびポリイソシアネートの製造ならびにトルエンジイソシアネートの製造に特に好適であり、ジフェニルメタンシリーズのジイソシアネートおよびポリイソシアネートの製造に特に好ましい。本方法は以下の工程を含んでなることが好ましい:
I)以下
I.1)アミン(2)またはアミン溶液(20)をホスゲン(3)またはホスゲン溶液(30)および場合によりさらなる溶媒(4)と混合するための混合装置(5−1100)、
I.2)混合装置の流動方向の下流に配置させた反応空間(5−1200−「ホスゲン化塔」)であって、5−1100と5−1200との間にさらなる滞留時間装置(5−1110−「緩衝導管」)があってもよい反応空間、および
I.3)場合により、塩化カルバモイルを分裂させるための装置(5−1300)、
を備えてなる反応域(5−1000)で、液相中で、アミン(2)を、好ましくは溶媒(4)中のアミン溶液(20)の形態で、ホスゲン(3)を、好ましくは溶媒(4)中のホスゲン溶液(30)の形態と反応させる工程であって、
当該アミン(2)が、好ましくはアミン溶液(20)の形態で、質量流量mで、かつ当該ホスゲン(3)が、好ましくはホスゲン溶液(30)の形態で、質量流量mで、かつ場合により溶媒(4)が質量流量mで、混合装置5−1100中に導入され、その中で混合され、かつ得られた混合物が下流の反応空間5−1200で転換されて、粗イソシアネートおよび溶媒(および微量のホスゲンと塩化水素)を含んでなる液体流(61、62)とホスゲンおよび塩化水素(および微量の溶媒)を含んでなる気体流(71、72)とに分離される工程;
II)〜VI)、好ましくはII)〜XII):ワークアップ域(5−2000)で粗イソシアネートのワークアップを行い、所望のイソシアネート最終製品(1)を得る工程であって、個々の工程は以下を含んでなる:
II)蒸留装置(5−2100−「脱ホスゲン化カラム」)で、工程I)からの液体流(61または62)を、溶媒および粗イソシアネート(および微量のホスゲン)を含んでなる液体流(80)と、ホスゲンおよび塩化水素(および微量の溶媒)を含んでなる気体流(90)に分離する工程;
III)蒸留装置(5−2200−「溶媒カラム」)液体流(80)を、溶媒(および微量のホスゲン)を含んでなる気体流(110)と、粗イソシアネート(および微量の溶媒)を含んでなる液体流(100)とに分離する工程;
IV)気体流(110)を、好ましくは凝縮装置(5−2310)中で液化した後に、蒸留装置(5−2300−「溶媒ストリッパー」)で、溶媒を含んでなる液体流(120)とホスゲンを含んでなる気体流(130)とに分離する工程;
V)蒸留装置(5−2400)で、液体流(100)から液体イソシアネート流(140)を得て、これにより二次成分および場合により溶媒を含んでなる気体流(150)を得て、好ましくはポリマーイソシアネート画分(141)を上流のポリマー除去用装置(5−2410−「ポリマー除去」、PMA)で除去することを含んでなる工程;
VI)吸収装置(5−2500−「ホスゲン吸収装置」)で、溶媒(4)中で、気体流(71)、(72)、(90)および(130)を吸収させて、溶媒およびホスゲンを含んでなる液体流(160)ならびに塩化水素を含んでなる気体流(170)を得る工程;
VII)場合により、そして好ましくは、さらなる吸収装置(5−2600−「HCl吸収カラム」)で、水または希釈塩化水素中で、気体流(170)を吸収させる工程;
VIII)場合により、そして好ましくは、オフガスクリーニングのための装置(5−3000)で、少なくともVII)からのオフガス流、好ましくは存在する全てのプラント区域からのオフガス流をクリーニングする工程。
この方法による定常状態でのイソシアネート(1)の製造は、以下の例によって要約することができる(この点に関しては図5も参照のこと;ワークアップ域5−2000は詳細に記載することなく、単純に概略の形態で示されている)。:
a)工程Iの中核操作:溶媒中でアミンをホスゲンと反応させて対応するイソシアネートを得る。これは混合装置5−1100および反応域5−1200を少なくとも備えてなる反応空間で行われる。得られた粗製方法生成物を、場合により部分的に対応する塩化カルボニルの形態での粗イソシアネートおよび溶媒(およびさらに微量のホスゲンと塩化水素)を含んでなる液体流(61)とホスゲンおよび塩化水素(および微量の溶媒)を含んでなる気体流(71)とに分離する。装置5−1300が存在する場合、液体流62(粗イソシアネートおよび溶媒(およびさらに微量のホスゲンと塩化水素))と、気体流72(主に塩化水素と微量のホスゲンを含んでなる)がその中で得られる。
b)工程IIの中核操作:いわゆる脱ホスゲン化カラム5−2100(図5では図示せず)内で流61から(5−1300が存在する場合、流62から)のホスゲンを転換させながら、反応で形成されたさらなる塩化水素を除去する。
c)工程IIIの中核操作:いわゆる溶媒カラム5−2200(図5では図示せず)と内で、工程II)で得られた液体流80からの溶媒を除去する。
d)工程IVの中核操作:いわゆる溶媒ストリッパー5−2300(図5では図示せず)内で、工程III)から得た気体流110から、好ましくはそれを凝縮装置(5−2310)中で液化した後にホスゲンを除去する。
e)工程V)の中核操作:好ましくはポリマーイソシアネート画分(141)の除去を含んでなり、蒸留(5−2400)によって、工程III)で得られた液体流100からの溶媒の除去を行い、イソシアネート流140(図5では図示せず)を得る。
f)工程VI)の中核操作:いわゆる吸収装置5−2500(図5では図示せず)で、工程I)、II)およびIII)からの気体流を溶媒中で吸収する。
g)(任意)工程VII)の中核操作:いわゆるHCl吸収カラム5−2600(図5では図示せず)で、水または希釈塩酸中で、工程VI)で得た気体流170を吸収する。
h)(任意)工程VIII)の中核操作:オフガスクリーニング装置5−3000(図5では図示せず)で、工程VII)からのオフガス流、好ましくは全ての工程からのオフガス流をクリーニングする。
連続的か半連続的な、好ましくは連続的な、a)のイソシアネートの生産は、先行技術から既知の方法によって反応域で達成される。好適な方法は、例えば、欧州特許第2077150B1号、欧州特許出願第1616857A1号、欧州特許出願第1873142A1号、欧州特許第0716079B1号または欧州特許第0314985B1号に記載されている。しかしながら、アミンおよびホスゲンの反応物の濃縮および流量の選択は好ましくは、ホスゲンの一級アミノ基に対するモル比が1.10:1〜30.0:1、より好ましくは1.25:1〜5.00:1として混合域で確立されるように行われる。液相中でイソシアネートを生産するための方法はすべて、粗方法生成物をもたらし、それは所望のイソシアネートだけでなく、溶解した塩化水素、過剰な溶解したホスゲンおよび溶媒を含んでなる液相(61および62)と、塩化水素ガス、過剰ガス状ホスゲンおよびガス状溶媒を含んでなる気相(71および72)とに分割/分離する。
b)の、いわゆる脱ホスゲン化カラム5−2100内での液体粗イソシアネート流61/62からの塩化水素およびホスゲンのさらなる除去は、先行技術から既知の任意の所望の方法によって、好ましくは独国特許出願公開第10260084号に記載のように達成することができる。
c)の、いわゆる溶媒カラム5−2200内での液体粗イソシアネート流80からの溶媒のさらなる除去は、先行技術から既知の任意の所望の方法によって、好ましくは欧州特許第1854783B1号に記載のように達成することができる。
d)の、いわゆる溶媒ストリッパー5−2300内での、このように得られた気体流110からの、好ましくはそれを凝縮装置(5−2310)中で液化した後でのホスゲンの除去は、先行技術から既知の任意の所望の方法によって、好ましくは欧州特許第1854783B1号に記載のように達成することができる。
e)の、場合によりポリマー除去を含んでなる、工程III)で得られた液体イソシアネート流100からの除去は、先行技術から既知の任意の所望の方法によって達成することができる。好適な方法は欧州特許出願第1854783A2号および欧州特許出願第1506957A1号または欧州特許第1371635B1号に記載されている。
f)の、いわゆるホスゲン吸収装置5−2500内での、溶媒中での工程I)、II)およびIII)からの気体流の吸収は、先行技術から既知の任意の所望の方法によって、好ましくは独国特許出願公開第10260084号または欧州特許出願第2093215A1号に記載のように達成することができる。
g)の、塩酸を得るためのいわゆるHCl吸収カラム5−2600内での、水または希釈塩酸中でこのように得られたHCl気体流の吸収は、先行技術から既知の任意の所望の方法によって達成することができる。好ましいのは、欧州特許第2021275B1号および欧州特許第1743882B1号に記載の方法である。
h)の、オフガス処理方法の方法工程は、先行技術から既知の任意の所望の方法によって達成することができる。
気相中でイソシアネート(1)を製造する方法は、生産プラント(10000)(図6参照)内で行なわれる。(以下に続く本文の節では、図6に示される装置には、図5の装置(液相ホスゲン化)と区別するために接頭語「6−」を付す。図6自体では、この接頭語を省略している)。この方法は、制限することなく、トリレンジイソシアネートの製造に特に好適である。気相ホスゲン化プラント(6−10000)は、少なくとも以下を備えてなる:
(i)ホスゲン(3)と同様に場合により不活性物質(4)を含んでなるガス状ホスゲン流を提供するための装置6−1000、
(ii)アミン(2)と同様に場合により不活性物質(4)を含んでなるガス状アミン流を提供するための装置6−2000、
(iii)ガス状アミンおよびガス状ホスゲンの流を混合するための混合域(6−3100)であって、装置(6−1100、6−2100)によってそれぞれ装置6−1000および装置6−2000に接続されている混合域、
(iv)前に混合したガス状アミンおよびガス状ホスゲンの流をさらに転換するための、混合域(6−3100)の下流に設置された反応域(6−3200)、
(v)反応を終了するための、反応域(6−3200)の下流に設置された反応停止域(6−4000)、
そして場合により、
(vi)未転換ホスゲン(3’’)の回収および再循環のための装置(6−5100)および純粋な形態で調製されたイソシアネート(1)を得るための装置(6−5200)を備えてなるワークアップ区域(6−5000)。
(i)ガス状ホスゲン流を提供するための装置(6−1000)としては、原則的に、先行技術から既知であって、かつホスゲンの気相への転換に好適な任意の装置を使用することが可能である。好ましくは、独国特許出願公開第102009032413A1号、段落[0118]〜[0081]に記載のように、ホスゲンガスは蒸留カラム内での蒸留または部分的な蒸発によって生成される。エネルギーは任意の想定し得る蒸発装置(例えば、自然循環式蒸発器、上昇薄膜型蒸装置、流下薄膜型蒸発装置)によってカラムの底部に供給することができる。流下薄膜型蒸発装置が特に好ましい。装置6−1000では、ホスゲン化で使用されるホスゲン(3)は、200℃〜600℃、好ましくは250℃〜400℃、より好ましくは250℃〜400℃の温度に加熱される。
(ii)ガス状アミン流を提供するための装置(6−2000)としては、原則的に、先行技術から既知であって、かつ当業者に公知の蒸発装置など、アミンの気相への転換に好適な任意の装置を使用することが可能である。好ましい実施態様では、装置6−2000は、蒸発のための装置および後続のアミン(2)の過熱のための装置を備えてなる。非常に特に好ましいのは、多段階式の蒸発および過熱システムであって、蒸発システムと過熱システムとの間に液滴分離装置(droplet separator)が差し込まれたものであって、および/または蒸発装置が液滴分離装置の機能も有するものである。好適な液滴分離装置は、例えば、"Droplet Separation", A. Buerkholz, VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim - New York - Basle - Cambridge, 1989に記載されている。目標温度に事前加熱させたガス状アミン流(図6で20)が流れ方向で最後の過熱器を出た後に、反応空間に供給される。装置6−1000では、アミン(2)は蒸発し、200℃〜600℃、好ましくは250℃〜420℃、より好ましくは250℃〜400℃の温度に加熱される。
(iii)使用可能な混合域(6−3100)は、好ましくは欧州特許出願第2196455号、特に段落[0047]〜[0049]および欧州特許出願第1935876号、特に段落[0027]〜[0029]に記載のように、当業者に公知の方法で構成することができる。混合域は、ガス状アミンおよびガス状ホスゲンの流れが(それぞれ図6では20および30)初めて通常運転で互いに出会うところで始まる。
(iv)初めて混合域(6−3100)内で互いに出会うアミンおよびホスゲンの流は、遅延装置、反応域(6−3200)内でさらに転換される。混合域(6−3100)および反応域(6−3200)は、欧州特許出願第2196455A1号の段落[0042]〜[0049]で記載のように、単一の装置である反応器(6−3000)中でも組み合わせることができる。
ガス状のホスゲンガス流(6−1000)およびアミンガス流(6−2000)を提供するための装置を、混合域(6−3100)に接続する装置である6−1100および6−2100は、装置6−1000および6−2000からのそれぞれのガス流の混合域(6−3100)への転送に好適な装置である。これらの装置は、ガス流を輸送するためのパイプラインと同様に、好ましくは混合域(6−3100)中でホスゲンガス流(図6の30)およびアミンガス流(図6の20)の集中的な混合を確保するノズル装置も備えてなる。アミンおよびホスゲンのガス流を混合域(6−3100)に個々に注入することが可能である。しかしながら、装置6−1100および6−2100のパイプラインが共通のノズル装置(図1では示されず)に向かって開いているという実施態様が好ましい。この実施態様では、2つのガス流のうちの1つ(好ましくはアミンガス流)が、好ましくは筒状容器内の中心に設置された内部ノズルを介して混合域(6−3100)に供給される。別のガス流(好ましくはホスゲンガス流)は、内部ノズルの外壁および容器の内壁によって形成された環状空間を介して導入される。2つのガス流は、内部ノズルの出口オリフィス(=混合域の始まり)で混合する。そのような実施態様は、例えば、欧州特許出願第1449826号の図1および欧州特許出願第1362847号の図1に示されている。この場合、装置6−1100および6−2100は、混合域(6−3100)内へ互いに部分的に統合される。同様に、欧州特許出願第1449826号の図2に示されるように、単一中央ノズルの代わりにいくつかの個々のノズルからできている配置を使用することも可能である。装置6−1100および6−2100のためにさらに使用可能な実施態様は、例えば、欧州特許出願第2196455号、特に段落[0047]〜[0048]および欧州特許出願第1935876号、特に段落[0027]および[0028]に記載されている。
(v)使用可能な反応停止域(6−4000)は、当業者に公知である。欧州特許第1935875B1号、特に段落[0024]および[0025]に記載の実施態様が好ましい。反応停止域(6−4000)では、ジイソシアネート(1)と同様に、本質的に塩化水素副産物および未転換ホスゲンを含んでなる反応のガス状粗生成物は、場合により前に形成され再循環したイソシアネート(1)の一部と一緒に、好ましくは不活性溶媒(好ましくはオルト−ジクロロベンゼン、ODB)を注入することによって粗製生成物ガス流へ急速に冷却される。好ましくは、粗反応生成物は、反応停止域(6−4000)で、ガス状成分(蒸気、50)および液体成分(60)へと分離する。
特に好ましい方法の構成では、反応停止域(6−4000)で得られた粗生成物には、液体混合物(60)からジイソシアネート(1)を分離するために、同一の気相ホスゲン化プラント(6−10000)中でワークアップを行い。この場合、気相ホスゲン化プラント(6−10000)は追加的に以下を備えてなる:
(vi)ワークアップ区域(6−5000)。
ワークアップに好適な装置は、国際公開第2011/003532号、特に5ページ19行目〜28頁5行目、および欧州特許第1371636B1号、欧州特許第1371635B1号および欧州特許第1413571B1号(各場合文全体)に記載されている。ワークアップ区域(6−5000)は、未転換ホスゲンを回収して再循環させるため(および塩化水素副産物を除去するため)の装置(6−5100)と、純粋な形態で調製されたイソシアネートを得るため(および場合により不活性溶媒を再循環させるため)の装置(6−5200)とに分割することができる。ワークアップ区域は、以下に詳細を記載することなく、図6で単に概略的に示されている。より詳しくは、ワークアップ区域(6−5000)は、不活性溶媒で洗浄することにより反応停止域(6−4000)からの蒸気(50)からのイソシアネートを除去するための洗浄カラム(6−5110)、不活性溶媒中での吸収によって洗浄カラム(6−5110)からの蒸気からのホスゲンを回収するためのホスゲン吸収カラム(6−5120)(これによってホスゲンからの塩化水素および不活性成分(70)の分離がもたらされる)、ホスゲンおよび不活性溶媒の分離のためのホスゲン脱離カラム(6−5130)、特に粗イソシアネートからの低沸点物(low boiler)(特に反応停止域からの不活性溶媒)を除去するための溶媒カラム(6−5210)、精製された最終製品が得られるように、特に溶媒カラム中であらかじめ精製されたイソシアネートから高沸点物(high boiler)(例えば、ポリ尿素含有残留物)を除去するための、精密精製カラム(6−5220)を備えてなる。
2つの方法・レジーム(液相および気相のホスゲン化)に必要なホスゲン(3)は、原則的に、先行技術から既知のすべての方法によって調製することができる。この目的のためには、欧州特許第1640341B1号によれば「低温コンバイナー」または欧州特許第0134506B1号によれば「高温コンバイナー」を利用することが可能である。使用に好ましい高温コンビネーション(欧州特許第0134506B1号参照)は、触媒として活性炭を含有している管形反応器中で塩素を一酸化炭素と反応させることによってホスゲンを転換し、同時に蒸気を生成するために得られた反応熱を利用することを含んでいる。これは、粒状活性炭を含有していて、明確な管形直径が100mm以下である第一管形反応器中で、250℃を超える反応温度で、95容積%〜98容積%の使用塩素を過剰一酸化炭素と反応させてホスゲンを得ることによって行われる。ここで得られる反応熱は、150℃〜320℃で沸騰する液体の蒸発による冷却によってか、または強制循環ポンプと温度制御によって反応器出口で、温度を150℃〜320℃に維持した非沸騰液体を用いて除去される。反応器を出る液体または蒸気性熱担体は、冷却媒体としての水で充填した熱交換器内で蒸気を生成するために凝縮され、および/または反応器出口で熱担体の温度以下の温度に冷却して、反応器へ再循環させた。反応器を出る反応ガスは、50℃〜120℃の温度に冷却され、次いで粒状活性炭を含有している、サーモスタットによって温度が50℃〜100℃に設定された第二反応器へ移り、その中で転換が完了し、第二反応器を出るホスゲンの残留塩素含有量が50ppmv未満となる。反応器上部から出るホスゲンは、上記のように凝縮される。
本発明の手順は、イソシアネート(1)の調製のための次の利点を生じさせる:
i)特に反応域および下流のプラント部分のために必要な精製期間がより少ないため、ホスゲン化プラントの生産性がより高い。
ii)反応域の混合装置およびパイプラインに発生する圧力降下がより小さいため、ホスゲン化プラントの生産性がより高い。
iii)装置壁の沈殿物がより少ないことでより良好な熱交換が確保されるため、反応区域のエネルギー効率がより高い。
iv)反応区域および下流のプラント部分を清掃した後では発生する廃棄物の程度が低い(ポリ尿素の形成が最小化されている)。
v)ポンプおよびカラムなどの下流の装置を摩耗により劣化させる固形物または沈殿物の形成が最小化される。
vi)ホスゲン・ホールドアップの顕著性や絶対的可能性がより低い。
vii)液相中の溶媒のワークアップのためのエネルギーの節約。
viii)ホスゲンを再循環させるためのエネルギーの節約。
ix)粗イソシアネートに対する熱応力の低下。
したがって、本発明の手順は、非定常状態の間(過渡期中)に、継続して高品質な所望のイソシアネート最終製品と共に、定常状態で後続の停止期間なく技術的に途切れない投入量の変化を可能にする。また、本発明の方法は、投入量の急速な変化、そして原料不足などの出来事に対する急速な反応も可能にする。
本本発明は、以下に続く図面および例によってさらに説明されるが、これらにより制限されるものではない。
例では、以下が示される: 図1〜4:過渡期にわたる本発明の方法の間の、ホスゲン(3)およびアミン(2)の経時的な質量流量のプロット。
図は各々、本発明の方法の様々な実施態様での、アミンおよびホスゲンの経時的な質量流量のプロットを示す。各場合でx軸上にプロットされているのは時間tであり、ここでtまでの時間およびt後の時間は、それぞれの安定したプラント状態を示し、各場合でy軸上にプロットされているのは、質量流量mおよびmである時点tに達するまで、アミンの質量流量(m、図中で「A」と特定)およびホスゲンの質量流量(m、図中で「P」と特定)は、本発明での用語としては反応空間と称されるホスゲン化反応器内で一定である。
図1:生産能力は減少することが決定している。この目的のためには、ホスゲンの質量流量のレベルを変化させず、アミンの反応空間への質量流を時点tから開始し、時点tで所望の目標値m2、目標(E)に達するまで減少させる。
時点tでホスゲンの反応空間内への質量流量の減少が開始し、時点tで所望の目標値(m3、目標(E))に達するまで同様に減少する。tでの瞬間ホスゲン過剰分が、t前より多く(特徴(iii−1))、かつ過渡期中の平均ホスゲン過剰分がt前のホスゲン過剰分より多い(特徴(iii−2))ことが明白である。
時間tの後、一旦所望の定常状態に到達すると、本発明での用語としては反応空間と称されるホスゲン化反応器内へのアミンの質量流量(m、図中で「A」と特定)およびホスゲンの質量流量(m、図中で「P」と特定)は再び一定であり、ホスゲンのアミンに対する質量流量は、時点tの前より少ない(特徴(ii)を観察すれば自然に)。ホスゲンおよびアミンの質量流量は同時に所望の定常状態に達する。
とtの間の非定常状態では、ホスゲンおよびアミンの添加に対する変更は、本発明の他の条件を順守して、直線的な様式でだけでなく、曲線状のプロファイルで非直線的な様式で実施することができる。
図2:生産能力は減少することが決定している。この目的のためには、ホスゲンの質量流量のレベルを変化させず、アミンの反応空間への質量流を時点tから開始し、時点tで所望の目標値m2、目標(E)に達するまで減少させる。
時点tでホスゲンの反応空間内への質量流量の減少が開始し、時点tで所望の目標値(m3、目標(E))に達するまで同様に減少する。tでの瞬間ホスゲン過剰分が、t前より多く(特徴(iii−1))、かつ過渡期中の平均ホスゲン過剰分がt前のホスゲン過剰分より多い(特徴(iii−2))ことが明白である。
時間tの後、一旦所望の定常状態に到達すると、本発明での用語としては反応空間と称されるホスゲン化反応器内へのアミンの質量流量(m、図中で「A」と特定)およびホスゲンの質量流量(m、図中で「P」と特定)は再び一定である。ホスゲンおよびアミンの質量流量は、同時に所望の定常状態に達しない。アミンの質量流量は、ホスゲンの質量流量より早い時点(t)で再び一定となり、このため時点tでは、所望の生産能力が再び達成されるが、ホスゲン質量流量mは、tとtの間までさらに減少し、最終的には、2つの質量流量はtで定常状態である。
とtの間の非定常状態では、ホスゲンおよびアミンの添加に対する変更は、本発明の他の条件を順守して、直線的な様式でだけでなく、曲線状のプロファイルで非直線的な様式で実施することができる。
図3:生産能力は増加することが決定している。この目的のためには、アミンの質量流量のレベルを変化させず、ホスゲンの反応空間への質量流を時点tから開始し、時点tで所望の目標値m3、目標(E)に達するまで増加させる。
時点tでアミンの反応空間内への質量流量の増加が開始し、時点tで所望の目標値(m2、目標(E))に達するまで、同様に増加する。tでの瞬間ホスゲン過剰分が、t前より多く(特徴(iii−1))、かつ過渡期中の平均ホスゲン過剰分がt前のホスゲン過剰分より多い(特徴(iii−2))ことが明白である。
時間tの後、一旦所望の定常状態に到達すると、本発明での用語としては反応空間と称されるホスゲン化反応器内でのアミンの質量流量(m、図中で「A」と特定)およびホスゲンの質量流量(m、図中で「P」と特定)は再び一定である。ホスゲンおよびアミンの質量流量は、所望の定常状態に達し、そして所望の生産能力に同時に達する。
とtの間の非定常状態では、ホスゲンおよびアミンの添加に対する変更は、本発明の他の条件を順守して、直線的な様式でだけでなく、曲線状のプロファイルで非直線的な様式で実施することができる。
図4:生産能力は増加することが決定している。この目的のためには、アミンの質量流量のレベルを変化させず、ホスゲンの反応空間への質量流を時点tから開始し、時点tで所望の目標値m3、目標(E)に達するまで増加させる。
時点tでアミンの反応空間内への質量流量の増加が開始し、時点tで所望の目標値(m2、目標(E))に達するまで、同様に増加する。tでの瞬間ホスゲン過剰分が、t前より多く(特徴(iii−1))、かつ過渡期中の平均ホスゲン過剰分がt前のホスゲン過剰分より多い(特徴(iii−2))ことが明白である。
時間tの後、一旦所望の定常状態に到達すると、本発明での用語としては反応空間と称されるホスゲン化反応器内でのアミンの質量流量(m、図中で「A」と特定)およびホスゲンの質量流量(m、図中で「P」と特定)は再び一定である。ホスゲンおよびアミンの質量流量は、同時に所望の定常状態に達しない。ホスゲンの質量流量は、アミンの質量流量より早い時点(t)で再び一定となり、このため時点tでは、所望の生産能力がまた達成されていない。tとtの期間では、アミン質量流量mは、tで2つの質量流量が定常状態となるまで増加し続ける。これで初めて所望の生産能力が達成される。
とtの間の非定常状態では、ホスゲンおよびアミンの添加に対する変更は、本発明の他の条件を順守して、直線的な様式でだけでなく実施することができる。
定常状態でメチレンジフェニルジイソシアネートとポリエチレンポリフェニレンポリイソシアネートとの混合物(以降、総称してMDI)を調製するための一般条件;図5も参照
メチレンジフェニルジアミンとポリメチレンポリフェニレンポリアミンとの混合物(以降、総称してMDA;2)4.3t/hを温度110℃で、静的混合機(5−1100)を用いて、溶媒としてのモノクロロベンゼン(MCB;4)11t/hと温度30℃で混合して28%MDA溶液(20)を得た。ホスゲン(3)を、ホスゲン生成装置およびホスゲン凝縮装置で提供した。その後、ホスゲン溶解槽内にて、MCB(4)で、ホスゲン(3)を35%ホスゲン溶液(30)に希釈した。欧州特許第1873142B1号に記載のように、温度0℃での、1時間あたり24トンの35%ホスゲン溶液(30)を、温度45℃での、28%MDA溶液(20)の形態の、1時間あたり4.3トンのMDA(2)と断熱反応で反応させた。混合装置(5−1100)中で2つの原料溶液を混合した後、得られた反応溶液(5)を温度85℃で、緩衝導管(5−1110)に通して加熱したホスゲン化塔(5−1200)へ流した。ホスゲン化塔の上部では、絶対圧は1.6barであり、温度は111℃であった。反応で形成した塩化水素は、ガス流(71)として微量のホスゲンおよびMCBと一緒に除去した。液体反応混合物(61)をホスゲン化塔(5−1200)から引き出し、連続したワークアップ(5−2000)に供給した。この目的のために、それを第一に副流として加熱した脱ホスゲン化カラム(II)に導入した。上部温度116℃および絶対圧1.6barで、微量のMCBおよび塩化水素と一緒にホスゲンを塔頂で除去した。ホスゲンをホスゲン吸収カラムで吸収し、ホスゲン溶解槽(1030)に流し、塩化水素は塩化水素吸収装置へ向かい、次にさらなる使用のために塩酸槽に向かった。イソシアネート含有反応溶液から塩化水素および過剰ホスゲンを除去した後に、粗イソシアネート溶液が得られ、これは脱ホスゲン化カラムの底部から放出され、MCB溶媒を除去するために、温度155℃で第一蒸留段階に流れた。この溶媒蒸留カラムの上部の絶対圧は、底部温度155℃で800mbarであった。MCBは、塔頂からガス状で引き出され、このMCBガス流は、真空導管中にイソシアネートが混入する可能性を一切防止するために、洗浄カラムで冷MCB(30℃)と一緒に噴霧した。反応生成物をカラムの底部から放出し、第二カラムで残留MCBを1%まで取り除いた。その後、向流の蒸発装置では、絶対圧20mbarおよび底部温度210℃で、製品から、フェニルイソシアネートおよび残留MCBなどの二次成分を取り除いた。これにより、底部製品として5.4t/hのMDIが得られ、これをさらなる蒸留によってワークアップし、所望の純度のMDI(1)を得て、次に、さらなる使用のために槽に流した。
このように調製したMDIは、残留MCB溶媒の含有量が<5ppm(GC)であり、すぐに加水分解可能な塩素の含有量(酸性度とも称する)が<100ppm(バイエル分析法2011−0461102−96による酸滴定)であり、化学結合塩素の含有量が<2000ppm(Wickboldt燃焼)であった。
例1(比較例1、生産能力を銘板生産能力から銘板生産能力の50%まで縮小)
この例では、ホスゲンの供給をアミンの供給前に減少させ、その結果、銘板生産能力の定常状態と比較して、過渡期にホスゲン過剰分が減少し、かつ反応混合物中のアミンの濃度が増加した(即ち、反応混合物の合計質量に対して溶媒の質量が減少した)。
一般条件に記載の銘板生産能力で、連続モードにてMDIを5.4t/h調製した。ホスゲン化プラントを半投入量にするために、ホスゲン溶液供給を、MDA溶液供給の10秒前に減少し、2つの流は、40分以内で銘板生産能力の50%に連続的に減少させた。半投入量を達成した上で、モノクロロベンゼン中28%溶液としてのMDAを2.15t/hおよび35%ホスゲン溶液を12t/h混合装置に流した。粗イソシアネートのワークアップおよび蒸留を行うと純MDIが2.7t/h残った。半投入量で5時間の連続操作を行った後には、脱ホスゲン化カラムの分配皿が詰まり始め、結果としてカラムへの圧力の降下が進んだために、ホスゲン化プラントを完全にシャットダウンしなければならなかった。プラントの開始を再び可能にするためには、その前にカラム中に存在する焼き付いた尿素および遊離している尿素を取り除くためにプラントをシャットダウンしなければならなかった。
例2(本発明、生産能力を銘板生産能力から銘板生産能力の50%まで縮小)
この例では、アミン流量を最初に減少させ、遅れてホスゲン流量を減少させ、「半投入量運転」が達成されるまで、ホスゲン過剰分が上昇し、アミン濃度が減少した(即ち、反応混合物の合計質量に対して溶媒の質量が上昇した)。「半投入量」が達成された後では、ホスゲン過剰分およびアミン濃度が、前の銘板生産能力の定常状態でのように同一レベルである。続いて、プラントの運転は、銘板生産能力が達成されるまで、上昇したホスゲン過剰分および減少したアミン濃度(即ち、反応混合物の合計質量に対して溶媒の質量が上昇)での銘板生産能力に戻された。銘板生産能力が達成された後では、ホスゲン過剰分およびアミン濃縮が、前の半投入量運転の定常状態でのように同一レベルである。
一般条件に記載の銘板生産能力で、連続モードにてMDIを5.4t/h調製した。原料の不足のために、生産計画を修正しなければならなかった。この目的のために、ホスゲン生成装置の稼働を必要な量のホスゲンまで落とした。1分後に、ホスゲン化プラントの稼働を、最初にMDA供給を減少させることにより半投入量まで落とした。混合装置へのホスゲン供給は前の銘板生産容量で1分間流れ続けた。続いて、ホスゲン供給も同様に下げ、そして41分後には、連続的に2つの流量を、モノクロロベンゼン中28%溶液としてのMDA2.15t/hおよびモノクロロベンゼン中35%ホスゲン溶液12t/hに相当する銘板生産能力の50%(半投入量)の生産能力にした。これは2.7t/h(MDI)の生産高に相当した。原料の不足が終了するまで、プラントはタンク・ファーム(tank farm)中の備蓄原料で稼働させた。原料の不足は3日後に改善され、第一にホスゲン供給を増加させ、次いで1分後にアミン供給を増加させることによってプラントの稼働を銘板生産能力に戻すことができた。41分後、連続的に2つの流量を、銘板生産能力にした。続いて、ホスゲン化プラントの運転は一般条件に記載のように数か月間行われた。固化または沈殿の問題はなかった。半投入量の前と最中と後の期間中にわたり、かつ2つの過渡期で規格適合品が生産された。
例で示されるように、投入量が不適当に変更された場合には、液相ホスゲン化用のホスゲン化プラント内で沈殿物が直ちに発生した。対照的に、ホスゲン化の稼働の上げ下げでの本発明の手順の場合には、焼き付いた材料および沈殿物の形成が明確に減少し、投入量を何回か変更された後でさえもプラントの運転を長い生産サイクルにわたって行うことができ、期間中期間適合品が生産された。
定常状態でTDIを調製するための一般条件;さらに図6参照
TDA(2)を窒素(4)と一緒にアミン蒸発装置(6−2000)中で連続的に蒸発させた。その終わりにアミンノズルが付いた、ホスゲン化反応器(6−3000)へ向かう導管(2100)を介して、ガス状TDA(2)を12t/h含有しているこのように得られたアミンガス流(20)をホスゲン化反応器(6−3000)に連続的に注入した。蒸発装置(6−2000)から出発してアミンノズルから出るまでのTDA流(20)の滞留時間は5秒であった。同時に、欧州特許出願第1362847号に開示されているように使用しているホスゲン整流器を介して、61t/hのガス状ホスゲン流をホスゲン化反応器(6−3000)に連続的に注入した。使用したホスゲンは、新鮮なホスゲン(3’)とワークアップ区域(6−5000)中で回収したホスゲン(3’’)との混合物である。この場合、2つの反応物をよく混合し、逆混合は行われない。ノズルの口でのガス状TDA流(20)の温度は、380℃であった(この温度でTDAの滞留時間は、ノズル口への供給で約1秒であった)。ガス状ホスゲン(30)の温度は、ホスゲン整流器を出る際に320℃であり、最後のホスゲン過熱器とホスゲン整流器との間の熱性ホスゲンの滞留時間は2秒であった。ガス状アミン流およびガス状ホスゲン流の混合物の滞留時間は、気相反応器(6−3000)内で8秒であり、絶対圧1692mbarで反応してガス状反応混合物が形成された。下流の反応停止域(6−4000)は2段階の「クエンチ」を備えてなり、そこでは、ガス状反応混合物が、オルト−ジクロロベンゼン(ODB)を噴霧することで168℃に冷却され、そうするとそれは凝縮され、粗TDIとODBの混合物(60)が容器底部(6−4100)で回収された。内部物によりTDIの混入を減少させながら、過剰ホスゲン、反応で形成された塩化水素および不活性成分をこれらの条件下で容器底部(6−4100)から実質的によく脱気した。国際公開第2011/003532号、11頁、24〜25行目に記載のように、この残留方法気体流(50)のワークアップを行い(6−5100)混入したTDI、ホスゲンおよび塩化水素を回収した。欧州特許第1413571号に記載のように、容器底部(6−4100)からの混合物(60)のワークアップを行い(6−5200)、TDIを質量流量15.6t/hで得た。
このように調製されたTDI(1)は、典型的には、純度が>99.97%(ガスクロマトグラフィー、GC)であり、ODBの残留溶媒含有量が<5ppm(GC)であり、加水分解可能な塩素の残留塩素含有量が<10ppm(ASTM D4663に従って滴定)であり、結合塩素の酸性度が<5ppm(ASTM D5629に従って滴定)であり、ハーゼン番号として測定した色数が<15(DIN EN ISO 6271に従って決定)であった。
例3(比較例、生産能力を銘板生産能力から銘板生産能力の50%まで縮小)
この例では、ホスゲンの供給をアミンの供給の前に減少させ、その結果、銘板生産能力の定常状態と比較して、過渡期にホスゲン過剰分が減少し、かつ反応混合物中のアミンの濃度が増加した(即ち、反応混合物の合計質量に対して溶媒の質量が減少した)。
TDIを調製するための一般条件に記載のように、気相プラント(6−10000)の運転を、銘板生産能力でTDIの生産能力を15.6t/hとして行い、次いで、以下のように半投入量まで稼働を落とした:ホスゲン化プラントを半投入量にするために、ホスゲン溶液供給を、MDA溶液供給の10秒前に減少させて、2つの流を40分以内に銘板生産能力の50%まで連続的に落とした。
ホスゲン生成装置の稼働を必要な量のホスゲンまで落とした。1分後に、ホスゲン反応器(6−3000)へのホスゲン供給を減少させて、さらに10秒後に、アミン供給を減少させた。続けて、2つの流を25分以内に銘板生産能力の50%まで連続的に落とした。アミンガス流はこれでガス状TDAを6t/h含有していた。蒸発装置(6−2000)から出発してアミンノズルから出るまでのTDA流(20)の滞留時間は10秒であった。ホスゲン整流器を介して、30.5t/hのガス状ホスゲン流をホスゲン化反応器に連続的に注入し、ここで最後のホスゲン過熱器とホスゲン整流器との間の熱性ホスゲンの滞留時間は4秒であった。粗イソシアネートをワークアップおよび蒸留を行うと純TDIが7.8t/h得られた。TDAガス流およびホスゲンガス流反応物の、反応停止域(6−4000)の底部での蒸気出口を通った上でのホスゲン反応器(6−3000)への流入から、TDI洗浄カラム(6−5110)までの圧力差が、通常運転での10mbarではなく、時間とともに823mbarに上昇していること、ならびにホスゲン、TDAを蒸発させるため、およびアミンガス流、ホスゲンガス流をホスゲン反応器(6−3000)へ移すために必要なエネルギーをほとんど上昇させることができない(TDA(2)の沸点が、圧力の増加で蒸発器の容量を制限する)ことを理由に、2日後にはプラントをシャットダウンしなければならなかった。プラントをシャットダウンして開放した後に、ポリ尿素含有沈殿物がアミンノズルの出口、反応空間の表面に沿って、そしてクエンチの表面に大量に見られた。プラントを再び立ち上げる前に数日にわたって清掃した。
例4(本発明、生産能力を銘板生産能力から銘板生産能力の50%まで縮小)
この例では、アミン流量を最初に減少させ、遅れてホスゲン流量を減少させた。この場合では、半投入量モードが達成されるまで、ホスゲン過剰分が上昇し、アミン濃度が減少した(即ち、反応混合物の合計質量に対して溶媒の質量が上昇した)。半投入量が達成された後では、ホスゲン過剰分およびアミン濃度が、前の銘板生産能力の定常状態でのように同一レベルである。続いて、プラントの運転は、銘板生産能力が達成されるまで、上昇したホスゲン過剰分および減少したアミン濃度(即ち、反応混合物の合計質量に対して溶媒の質量が上昇)での銘板生産能力に戻された。銘板生産能力が達成された後では、ホスゲン過剰分およびアミン濃縮が、前の半投入量運転の定常状態でのように同一レベルである。
TDIを調製するための一般条件に記載のように、気相プラント(6−10000)の運転を、銘板生産能力でTDIの生産能力を15.6t/hとして行い、次いで、半投入量まで稼働を落とし、半投入量で7日間運転を行い、以下のようにして銘板生産能力まで稼働を戻した:
原料の不足のために、生産計画を修正しなければならなかった。第一に、ホスゲン生成装置の稼働を必要な量のホスゲンまで落とした。1分後にホスゲン化反応器(6−3000)へのTDA供給を減少させ、さらに1分後にホスゲン化反応器へのホスゲン供給を減少させ、次いで2つの流を25分以内に銘板生産能力の50%に連続して下げることで気相プラントの稼働を半投入量まで落とした。これでアミンガス流はガス状TDAを6t/h含有していた。蒸発装置(6−2000)から出発してアミンノズルから出るまでのTDA流(20)の滞留時間は10秒であった。ホスゲン整流器を介して、30.5t/hのガス状ホスゲン流をホスゲン反応器へ連続的に注入し、ここで最後のホスゲン過熱器とホスゲン整流器との間の熱性ホスゲンの滞留時間は4秒であった。粗イソシアネートをワークアップおよび蒸留を行うと純TDIが7.8t/h得られた。気相ホスゲンプラントの稼働は、原料の不足が終了するまでタンク・ファーム内の備蓄原料から行った。7日後にプラントを銘板生産能力に戻すことができた。この目的のために、第一にホスゲン生成装置の稼働を必要な量のホスゲンに上げた。銘板生産能力は、第一にホスゲン整流器を介して30.5t/hのガス状ホスゲン流を半投入量モードから61t/hに増加させることによってホスゲン供給を増加させることで達成された。ホスゲン供給を増加させてから1分後にアミン供給を増加させた。25分後には2つの流が連続的に銘板生産能力となった。続いて、一般条件に記載のようにホスゲン化プラントの運転を数か月間行った。固化または沈殿の問題はなかった。半投入量の前と最中と後の期間中、および2つの過渡期では、規格適合製品が生産された。
例で示されているように、投入量が不適当に変更された場合には、アミンノズル内、ホスゲン化反応器内および気相ホスゲン化のクエンチの表面上に直ちに固化(ケーキング)が発生した。対照的に、ホスゲン化の稼働の上げ下げでの本発明の手順の場合には、固化および沈殿物の形成が明確に減少した。投入量を何回か変更した後でさえもプラントの運転を長い生産サイクルにわたって行うことができ、仕様通りの製品は全期間に渡って生産された。

Claims (15)

  1. 反応空間でイソシアネート(1)に対応するアミン(2)を、ホスゲン(3)と反応させることを含んでなる、質量流量m1、目標として表すイソシアネート(1)の目標生産能力で、目標生産能力を少なくとも1回変化させて、イソシアネート(1)を製造するための連続的な方法であって、
    (i)アミン(2)が、反応空間へ質量流量mで、かつホスゲン(3)が反応空間へ質量流量mで供給され、ここで
    (ii)mおよびmが、アミン(2)の一級アミノ基に対してホスゲン(3)がモル過剰に存在しているように常に選択され、ここで
    (iii)(ii)に関して選択した対応するアミン質量流量m2、目標(A)およびホスゲン質量流量m3、目標(A)で開始状態m1、目標(A)≠0から、(ii)に関して選択した対応するアミン質量流量m2、目標(E)およびホスゲン質量流量m3、目標(E)で最終状態m1、目標(E)≠0へと導かれる目標生産能力m1、目標での少なくとも1回の変更が、アミン(2)mおよびホスゲン(3)mの質量流量が開始状態と終了状態との間の過渡期の間、以下のように変化する(ただし、目標生産能力m 1、目標 の変化の値が、m 1、目標 (A)に対して10%〜90%の範囲であり、かつ開始状態から最終状態までの前記変更が、少なくとも0.5分かつ3時間以下の過渡期の間に渡り行われる)
    (iii−1)m2、目標(A)からm2、目標(E)への質量流量mの変化が始まる過渡期での時点の瞬間的なホスゲン過剰分が、過渡期開始前の生産能力m1、目標(A)での生産期間中のホスゲン過剰分と同じはそれより多く、かつ
    (iii−2)過渡期中の平均ホスゲン過剰分が、過渡期開始前の生産量m1、目標(A)での生産期間中のホスゲン過剰分より多い、方法であって、かつ
    過渡期開始前の生産能力m 1、目標 (A)での生産中の前記ホスゲン過剰分が、過渡期終了後の生産能力m 1、目標 (E)での生産中のホスゲン過剰分と同じである、方法
  2. 1、目標(A)がm1、目標(E)より大きく、反応空間へ供給されるアミン質量流量mの減少が、反応空間へ供給されるホスゲン質量流量mの減少の前に開始される、請求項1に記載の方法。
  3. およびmが、最終状態で望まれるm2、目標(E)およびm3、目標(E)の値に同時に達するように過渡期中に変化する、請求項2に記載の方法。
  4. がm3、目標(E)に達する前にmが最終状態で望まれるm2、目標(E)の値に達するように、mおよびmが過渡期中に変化する、請求項2に記載の方法。
  5. 1、目標(A)がm1、目標(E)より小さく、かつ反応空間へ供給されるアミン質量流量m2の増加が、反応空間へ供給されるホスゲン質量流量mの増加の後に開始される、請求項1に記載の方法。
  6. およびmが、最終状態で望まれるm2、目標(E)およびm3、目標(E)の値に同時に達するように過渡期中に変化する、請求項5に記載の方法。
  7. がm3、目標(E)に達した後にmが最終状態で望まれるm2、目標(E)の値に達するように、mおよびmが過渡期中に変化する、請求項5に記載の方法。
  8. 前記反応が、不活性物質(4)の存在下で行われる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. アミン(2)が前記不活性物質(4)と一緒に混合物(20)の状態である反応空間へ供給され、および/または
    ホスゲン(3)が前記不活性物質(4)と一緒に混合物(30)の状態である反応空間へ供給される、
    請求項に記載の方法。
  10. 過渡期中の混合物(20)中のアミン(2)の平均濃度が、生産能力m1、目標(A)での生産期間中の混合物(20)中のアミン(2)の平均濃度以下であり、および/または
    過渡期中の混合物(30)中のホスゲン(3)の平均濃度が、生産能力m1、目標(A)での生産期間中の混合物(30)中のホスゲン(3)の平均濃度と等しい、
    請求項に記載の方法。
  11. 前記混合物20中のアミン(2)の濃度および混合物30中のホスゲン(3)の濃度が、過渡期前のそれぞれの場合と同一である、請求項または1に記載の方法。
  12. 前記アミン(2)のホスゲン(3)との反応が液相で行われ、かつ不活性物質(4)が不活性溶媒であり、又は
    前記アミン(2)のホスゲン(3)との反応が気相で行われ、かつ不活性物質(4)が不活性ガスである、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記アミン(2)のホスゲン(3)との反応が液相で行われ、かつイソシアネートが、以下からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法:
    ジフェニルメタンシリーズのジイソシアネートおよびポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジイソシアナートベンゼン、キシレン2,6−イソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、ブタン1,4−ジイソシアネート、ペンタン1,5−ジイソシアネート、ヘキサン1,6−ジイソシアネート、オクタン1,8−ジイソシアネート、ノナン1,9−ジイソシアネート、デカン1,10−ジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン1,5−ジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート(MPDI)、2,4,4(または2,2,4)−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−および1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチルシクロヘキサン、2,4−または2,6−ジイソシアナート−1−メチルシクロヘキサン、1−イソシアナート−1−メチル−4(3)−イソシアナートメチルシクロヘキサン、1,3(および/または1,4)−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナートメチル)ノルボルナン、および4,4’(および/または2,4’)−ジイソシアナートジシクロヘキシルメタントリイソシアナートシクロヘキサン、トリス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、トリイソシアナートメチルシクロヘキサン、1,8−ジイソシアナート−4−(イソシアナートメチル)オクタン、ウンデカン1,6,11−トリイソシアネート、1,7−ジイソシアナート−4−(3−イソシアナートプロピル)ヘプタン、1,6−ジイソシアナート−3−(イソシアナートメチル)ヘキサンおよび1,3,5−トリス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン。
  14. 前記アミン(2)のホスゲン(3)との反応が、気相で行われ、かつイソシアネートが、以下からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法:
    ジフェニルメタンシリーズのジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジイソシアナートベンゼン、キシレン2,6−イソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、ブタン1,4−ジイソシアネート、ペンタン1,5−ジイソシアネート、ヘキサン1,6−ジイソシアネート、オクタン1,8−ジイソシアネート、ノナン1,9−ジイソシアネート、デカン1,10−ジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン1,5−ジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート(MPDI)、2,4,4(または2,2,4)−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−および1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチルシクロヘキサン、2,4−または2,6−ジイソシアナート−1−メチルシクロヘキサン、1−イソシアナート−1−メチル−4(3)−イソシアナートメチルシクロヘキサン、1,3(および/または1,4)−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナートメチル)ノルボルナンおよび4,4’(および/または2,4’)−ジイソシアナートジシクロヘキシルメタン、トリイソシアナートシクロヘキサン、トリス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、トリイソシアナートメチルシクロヘキサン、1,8−ジイソシアナート−4−(イソシアナートメチル)オクタン、ウンデカン1,6,11−トリイソシアネート、1,7−ジイソシアナート−4−(3−イソシアナートプロピル)ヘプタン、1,6−ジイソシアナート−3−(イソシアナートメチル)ヘキサンおよび1,3,5−トリス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン。
  15. 目標生産能力m1、目標の変化の値が、m1、目標(A)に対して20%〜80%の範囲である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
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