JP6640125B2 - 運転の中断を伴う化学製品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、供給原料を化学製品または化学組成物に変換する化学製品を製造する方法に関する。本発明は、さらに、このような方法を実施するためのプラントに関し、前記方法の中断中に、少なくとも1種の供給原料の反応装置への導入が起こらず、点検、保守、修理、または清掃処置により影響を受けないプラントセクションを循環モードで運転するように、前記プラントは構成されている。これにより達成されることとして、いくつかの効果の中でも特に、当該処置の期間中にシャットダウンさせる必要があるのは問題のプラントセクションだけであることが挙げられ、このことは、方法の生産性および経済的な実行可能性ならびに製造される製品の品質の観点から有利であり得る。最後に、本発明は、各プラントセクションのシャットダウン時に、プラントを運転する方法を与える。
工業規模の化学的方法は、化学中間製品および最終製品の製造に利用可能である。方法は、バッチ式、半連続的、連続的、または前記3種のうちの1つとの組み合わせで運転され得る。方法は、吸熱性または発熱性であり、等温的または断熱的に実施され得る。化学製品によって、方法は、気相もしくは液相で、溶媒を用いて、もしくは用いないで、または融解状態で実施され得る。このようにして得られた化学製品のワークアップおよび精製は、当技術分野の標準的方法、例えば、結晶化、洗浄、もしくは蒸留、またはこれらのワークアップ法の組み合わせのうちの1つにより行うことができる。
化学中間製品および最終製品は、例えば、(ポリ)イソシアネートおよびその前駆物質、ポリカーボネートおよびその前駆物質、医薬品有効成分およびその前駆物質、または作物保護用有効成分およびその前駆物質である。
第1に、化学製品の製造方法の質は、方法の製品中に含まれる不要副産物の量により決められる。第2に、方法の質は、運転を停止するまでの間、スタートアップと通常の製造の全オペレーションが、技術的な製造停止または運転中に中断が必要となる問題がなく行われ得るという点、および、供給原料、中間製品、または最終製品の損失がないという点において、決められる。
従って、理想的には、このような製造方法を実施するための工業規模のプラントは、使用する添加剤と供給原料が適切な品質であり、圧力、温度、添加剤と供給原料の量および濃度の比などのプロセスパラメーターが正しく選択されている場合に、方法が堅牢な様式で作動するように設計されている。このことは、このように連続運転される大規模のプラントにおいて、理想的にはプラント設備またはブロックパイプラインに沈降し得る沈殿物の形成などの問題がないことを意味する。
連続運転される大規模な化学プラントのスタートアップおよびシャットダウンは、このような化学プラントで自然に生じ得る問題により引き起こされる特有な難題を当業者に与えている。このような問題として、例えば、反応の停止、反応の開始に必要なエネルギーが高いこと、ワークアップの過負荷をもたらし得る不完全な反応、品質および/もしくは安全性の問題をもたらし得る不要副産物の形成量が多いこと、非活性化、触媒へのダメージもしくは触媒の炭化、装置をふさぎ得る沈着物の形成、または製品、副産物、および/もしくは基質の固化が挙げられる。
プラントのシャットダウンおよびスタートアップを必要とする製造停止は、工業的には毎日起きるものである。このようなシャットダウンは、あらかじめ計画されている点検シャットダウンであっても良く、点検シャットダウンのために、プラントを停止し、エネルギー源をスイッチオフし、通常は点検対象の全てのプラントセクションを検査の目的で開放し、清掃する。このような点検は、1週間以上かかる場合がある。点検終了後、製造プラントを閉鎖し、必要に応じて、不活性化し、添加剤を供給する。適当なエネルギー源および原材料が利用可能になったら、製造プラントを再びスタートアップすることができる。しかしながら、製造停止は、開放、または反応装置またはプラント内の別の装置への他の機械的処置と必ずしも関連しているわけではないが、原材料の供給停止時などの様々な他の理由のために製造プラントをシャットダウンおよび再始動することにも関係している場合もある。このような場合、プラントは通常部分負荷オペレーションで運転され、最悪の場合には、物流サプライチェーンがとぎれ、プラントをシャットダウンしなければならない。さらに、製造プラントでの保守、清掃、または修理の必要により、製造停止が強制される場合がある。ニトロベンゼン法において、例えば、製造が最大で1日中断される場合に、シャットダウンが短いと説明されている。実際、これらの全ての製造停止の特徴は、製造のロスがあること、および、プラントを再始動するとき、例えば不活性化が必要なときに、窒素を消費する、または、プラントまたは供給原料の加熱時に、エネルギーが蒸気および電力の形態で供給されなければならないことである。
当業者は、オペレーション中の製造プラントから始まり半連続的または連続的に運転される工業的方法を、即時に製造停止へ切り替えることはできず、あらかじめ制御された様式で停止しなければならないことを認識している。このことは、緊急事態発生時にプラントを停止することについても当てはまる。製造停止後に再び製造できるようにするために、製造停止の前のプロセスパラメーターまで戻してプラントを駆動させなければならない。反応物質と装置を加熱しなければならず、装置を不活性化しなければならないかもしれず、反応物質での装置の負荷を所望の目標値へと段階的に増加させる。このスタートアップ段階の間、製造のロスが依然として存在し、冷えたプラントをスタートアップのために準備するため、および、その後運転に関連する全てのパラメーターを観測しながら所望の目標値へとプラントを試運転するために、過剰な量のエネルギーを費やさなければならない。
他の不都合な点は、保守、修理、および清掃のオペレーションが反応装置または別のプラントセクションの表面または内部で必要である場合に、方法のステップが互いをベースとし、それゆえに必ず連続的に進行するので、全てのプラントセクションをスイッチオフすることが定期的に必ず必要であることである。結果として、プラント全体を空にする必要があり、このことにより、相当な量の廃棄材料がもたらされる。さらに、反応装置およびプラントセクションをそれぞれの運転温度に戻すために、エネルギーを消費しなければならない。従って、プラント点検、修理、保守、および清掃処置のため、または計画的もしくは計画外に起きる原材料もしくは添加剤の不足のためのこのような製造停止は、連続的に作動するプラントまたは方法の経済的なオペレーションへ大きな影響を与える再発性のプラントの状態である。
化学製品の工業規模の製造のための現在の先行技術の方法は、それぞれの最終製品で顕著な品質の低下がなく高収率で所望の製品を製造することに概して成功しているが、文献は、ほぼ例外なく、通常のオペレーションにおける方法を記載している。
方法のスタートアップおよびシャットダウン段階中の問題を回避することに関連する記載があるのは、少数の工業規模の方法に関してだけである。例えば、WO2014/016292A1は、ニトロベンゼンの製造方法のスタートアップを記載しており、ここでは、使用する出発物質は、1.5%未満の脂肪族化合物を含有するベンゼンである。このことによる1つの効果として、反応装置の反応速度の改善が確保され、それにより、蒸気を節約し、ピクリン酸副産物の形成を最小限にするということが挙げられる。類似の好ましい効果が、WO2014/016290A1により、ニトロベンゼンへベンゼンをニトロ化するスタートアップ手順に関連して記載されており、ここでは、1.0%未満のニトロベンゼンを含有する循環硫酸を使用する。このことによる1つの効果として、不完全なニトロ化により生じる余分なベンゼンによる負荷がワークアップにかからないので蒸気を節約し、ジニトロベンゼンおよびピクリン酸副産物の形成を最小限にするということが挙げられる。
ニトロベンゼンの水素化によるアニリンの工業規模の連続的製造が、WO2013/156410A1に記載されており、ここでは、水素化触媒再生後の水素化方法のスタートアップについて、明確な言及がなされている。これは、中に存在する二酸化炭素を分別排気するために液封圧縮機で水の交換を行うことを含み、それによって、炭酸アンモニウムによる排気システムにおける詰まりおよび腐食を防ぐ。同様に、WO2013/156409A1は、ニトロベンゼンの水素化のシャットダウンについて着目してアニリンの製造を記載している。反応のシャットダウンにおける発明の手順は、全ての芳香族ニトロ化合物が水素と反応し、その結果、水素化のシャットダウンオペレーションの間に全ての芳香族ニトロ化合物が完全に使い果たされるのに十分な長い間十分な量で反応空間に水素が存在することを含む。このことは、副産物の形成の増加と、過剰分が少なすぎる水素で水素化されたニトロベンゼンの残りによる触媒の炭化とを防ぐ。さらに、触媒の再生に関連するコストと不便さが最小化され、反応装置の耐用年数が延びる。
特許出願WO2006/125759A1は、フィッシャー−トロプシュ製造プラントおよび炭化水素の製造方法に関する。この特許出願が取り組んでいる事柄は、メタンの供給が途切れた場合に限られた時間少なくとも制限された程度に製造オペレーションをなおも維持するにはどのようにすればよいのか、制御された様式で製造プラントを停止するにはどのようにすればよいのかということである。これを達成する1つの方法は、液化天然ガス用のリザーバータンク20を用意することである。例えばガス化ユニットを緊急にスイッチオフする場合に、その後のスタートアップをより迅速に達成することができるように、ガス化ユニットを比較的高い温度に保つこと(「ホットスタンバイ」と呼ばれる)が有利であり得ることが記載されている。蒸留ユニット18が水素化分解反応装置16の下流に連結されている実施態様も記載されており、蒸留ユニット18からの出力の部分流は、水素化分解反応装置へ再循環され得、一方、蒸留ユニット18からの残りの出力は、通常の最終用途に送られる(図1参照)。各プラントセクションの循環オペレーションを、例えば保守オペレーションを他のプラントセクションで実施し得るように、これらの他のプラントセクションの完全な同時シャットダウンの間に行うことに関する一般的な教示を、この特許出願から推論することはできない。
同様に、特許出願US2008/026112A1は、フィッシャー−トロプシュ法に関し、特に、液相、気相、および懸濁した触媒粒子を含んでなる相を含んでなる三相性反応ゾーンでの製造の一次中断の場合に関する。開示されていることは、反応物質の供給の中断、および抑制ガスを用いる反応ゾーンの不活性化である。触媒粒子を懸濁状態に保つために、抑制ガスを反応ゾーンの下部へと再循環させる実施態様が記載されている。通常、反応の後に、濃縮ステップと分離ステップが続き、この場合、分離ステップからの気相を反応装置の下部へと再循環させる。反応を再始動するために、反応ゾーンを活性化ガスで満たす。各プラントセクションの循環オペレーションを、例えば保守オペレーションを他のプラントセクションで実施し得るように、これらの他のプラントセクションの完全な同時シャットダウンの間に行うことに関する一般的な教示を、この特許出願から推論することはできない。
特許出願WO2013/053371A1は、メタンに富む製品ガスを与える方法、およびその目的に適する配置に関する。水素が不足している場合、反応装置は、(反応ガスの供給がさらに続くことはなく)スタンバイで運転される。反応装置の通常のオペレーションとスタンバイ状態の切り替え時に、通常の品質要求に見合わない製品ガス(「粗悪ガス」とも呼ばれる)の断続的な形成がある。通常のオペレーションの再始動後、この粗悪ガスは、メタン化に先行する方法ステップへ少なくとも部分的に再循環される。これは、中間貯蔵された粗悪ガスを時間差をもって徐々に送り込むことにより達成されることが好ましい。スタンバイオペレーション自体に関して、この特許出願は、ほとんど何も情報を提供していない。反応装置を例えば水素ガスでパージし得ることが開示されているだけである。各プラントセクションの循環オペレーションを、例えば保守オペレーションを他のプラントセクションで実施し得るように、これらの他のプラントセクションの完全な同時シャットダウンの間に行うことに関する一般的な教示を、この特許出願から推論することはできない。
特許出願US2005/0227129A1は、燃料電池発電所用の加熱装置に関する。図1と添えられた文章を参照されたいが、燃料電池発電所は、3つの反応装置、すなわち、改質装置(3)、一酸化炭素と蒸気の反応のための一酸化炭素変換装置(4)、および一酸化炭素と酸素の反応のための他の変換装置(5)を含んでなる。化学反応は、これらの全ての反応装置で起こる。改造手段がなければ、これらは、副流を除去しながら、化学反応のプロセス製品をワークアップし精製するのには適さない。US2005/0227129A1に記載の加熱装置は、バーナー(6)、および燃料電池発電所を加熱するための高温燃焼ガスの供給用の導管(71〜73)を含んでなる。装置から出る流れをこれらの導管を通して入力流として前記装置または上流の装置へと制御して循環させることは、明らかに、想定されておらず、追加の弁を組み込むなどのさらなる改造手段もなければ可能であるようには見えない。従って、各プラントセクションの循環オペレーションを、例えば保守オペレーションを他のプラントセクションで実施し得るように、これらの他のプラントセクションの完全な同時シャットダウンの間に行うことに関する一般的な教示を、この特許出願からも推論することはできない。
従って、それぞれのオペレーションのオペレーション中の製造停止を、費やされる時間に関して、また可能であればエネルギーと材料の消費に関しても最適化することができる、化学製品製造のための方法およびプラントが、望ましいであろう。これらは、工業規模の化学製品製造オペレーションとそれに対応するプラントの少なからざる生産性の向上をもたらし、その結果、経済的実行可能性の向上をもたらし得る。
驚くべきことに、この目的は、処置後に迅速にプラント全体を再度スタートアップできるように、短いシャットダウンの間、出来るだけ多くのプラントセクションを循環モード(「スタンバイ状態」)にする場合(簡素化した形態で表現したが、これらの場合に制限されることはない)に、達成されることが分かった。また、驚くべきことに、循環モードにされたプラントにおけるエネルギー消費は、場合によっては、完全にスイッチオフして全プラントを再始動する場合よりも低いことも分かった。短いシャットダウンにより影響を受けないプラントセクションにおける制御された循環モードによって、様々な利点が実現される。この詳細は、下記で明らかとなる。
従って、本発明は、以下を与える:
化学製品または化学組成物を製造する方法であって、以下のステップ:
(I)少なくとも1種の基質を質量流量mで反応装置に導入し、前記少なくとも1種の基質を前記反応装置で反応させて、少なくとも1種の化学製品または化学組成物を形成するステップ;
(II)ステップ(I)で得られる反応混合物をワークアップ装置でワークアップして、粗生成物と、該粗生成物から分離された成分を含んでなる少なくとも1つの副流とを得るステップ;および
任意のステップ(III)〜(V):
(III)ステップ(II)で得られる前記粗生成物を少なくとも1つの精製装置で精製して、精製された最終生成物と、この精製された最終生成物から分離された成分を含んでなる少なくとも1つの副流とを得るステップ、
(IV)ステップ(II)で得られる前記少なくとも1つの副流をワークアップユニットでワークアップするステップ;
(V)ステップ(III)で得られる前記少なくとも1つの副流をワークアップユニットでワークアップするステップ、
を含んでなり、
ステップ(I)〜(V)のうちの実行されるステップからの1つ以上のプラントセクションのシャットダウン時に、ステップ(I)における前記質量流量mをゼロに低減し、シャットダウンされていないプラントセクションの少なくとも1つにおいて、プラントセクションの出力流をそれぞれのプラントセクションまたは上流のプラントセクションへの入力流として再度使用する、方法。本発明のこの方法は、好ましくは、ステップ(I)〜(III)、より好ましくはステップ(I)〜(IV)、最も好ましくはステップ(I)〜(V)を含んでなる。
本発明は、詳細が下記で明らかとなる、本発明の方法の実施に適する、化学製品または化学組成物を製造するためのプラントをさらに与える。
最後に、本発明は、詳細が下記で明らかとなる、化学製品または化学組成物を製造するためのプラントを操業する方法を与える。
発明の具体的説明
少なくとも1種の「基質」は、任意の化学出発物質を表す。例えば、基質1(すなわち、ただ1種)を他の反応物質なく、上昇した温度および/または上昇した圧力の作用により、所望の生成物へと変換することが考えられ得る。別の好ましい実施態様において、ステップ(I)からの反応装置で2種以上の基質を互いに反応させることもできる。本発明の一つの実施態様において、例えば、少なくとも2種の基質をステップ(I)からの反応装置で反応させることもでき、その場合には、第2の基質2を質量流量mでステップ(I)からの反応装置に導入する。この場合には、プラントセクションのシャットダウン時に、質量流量mおよびmの両方をゼロに低減することが好ましい。ステップ(I)でn種の基質iが反応する場合、プラントセクションのシャットダウン時に、nは、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4、最も好ましくは1〜3の自然数であり、全てのn種の質量流量mをゼロに低減することが好ましい。
プラントセクションの「シャットダウン」は、プラントセクションで点検、修理、保守、または清掃処置を実施し得るようなプラントセクションの停止を意味するように理解される。本発明は、製造プラント全体をシャットダウンすることを必要とせずに、点検、修理、保守、または清掃処置をプラントセクションで実施することを可能にする。あるいは、本発明は、点検、修理、保守、または清掃処置により影響を受けないプラントセクションの運転、または対応する工程の「循環モード」での運転を可能にする。プラントセクションのシャットダウン時に、本発明に従って、質量流量率mをゼロに低減するので、製造は、この期間停止する。特に、これは、プラントの一部における点検、修理、清掃、または保守の目的の、または、例えば、プラントが供給原料または添加剤の不足を限られた期間乗り切るようにするための、比較的短い(好ましくは1時間〜5日間の期間、より好ましくは1時間〜3日間の期間、最も好ましくは1時間〜2日間の期間)製造停止を意味するように理解される。本発明は、製造プラント全体(すなわち、全てのプラントセクション)を、例えばプラントの点検の間、シャットダウンしなければならない場合に関するものではない。従って、本発明によれば、用語「シャットダウン」は、本発明の意味付けにおいて(この点については、下記のパラグラフも参照されたい)m個のプラントセクションが存在する場合、ここでmは自然数であるが、これらのプラントセクションのうち最大でm−1個のシャットダウンを包含する。従って、本発明によれば、少なくとも1個のプラントセクションは、「シャットダウン」(すなわち、「完全に停止」)しない。本発明は、好ましくは1〜2個のプラントセクションをシャットダウンする場合に関するものであり、より好ましくは1個のプラントセクションのシャットダウンに関するものである。従って、本発明によれば、1つのプラントセクション(または、全てのプラントセクションではないが2つ以上のプラントセクション)をシャットダウンする場合に、(少なくとも1種の基質の質量流量率mがゼロに低減されており、そのため、製品をさらに製造することができないので)さらなる製品の形成が必ず中断される。しかしながら、ステップ(I)からの反応装置が循環モードで運転されており(この点については、下記のパラグラフも参照されたい)、上記の定義の意味付けにおける別のプラントセクションがシャットダウンされている場合(例えば、図3を参照)も、本発明に包含される。
「循環モード」は、本発明に関連して、プラントセクションの出力流をこのプラントセクションまたは上流のプラントセクション(すなわち、流れに対して上流)への入力流として使用することを意味するように理解される。これに関連して、「プラントセクション」は、ステップ(I)〜(V)が行われる場合に、本発明の方法により化学製品を製造するためのプラントにおける、それぞれのステップ(I)〜(V)に対応するプラントセクションを意味する。例えば、ステップ(I)のプラントセクションは、「反応装置(a reactor)」を含んでなり、この用語は、2つ以上の反応装置(例えば、直列に連結された一連の2つ以上の反応装置)を使用する実施態様も包含する(言い換えると、単語「a」は、これに関連して、また他のプラントセクションの他の装置と関連する場合にも、不定冠詞としてみなされるべきであり、数「一」を意味するとみなされるべきではない)。並列または直列で連結された反応装置は、化学製品の製造における先行技術でも知られており、特定の寸法および運転特性における利点ももたらし得る。従って、本発明のプラントおよび本発明の方法は、直列または並列で連結された反応装置を優先して、特にステップ(I)に採用する、好ましい実施態様も与える。
従って、ステップ(I)〜(V)のうち1つからのプラントセクションは、異なる装置を含む複数の装置を含んでなっても良い。
ステップ(II)からのプラントセクションは、ワークアップ装置、すなわち、多相性粗生成物を、例えば、反応生成物である水を含んでなる水相、所望の生成物を含んでなる有機相、ならびにガス状の副産物および/または連産品を含んでなり不活性ガスを添加されていても良い気相へと分離するための相分離装置を含んでなる。
反応生成物である水からなる水流、ならびに副産物および/または連産品からなり不活性ガスを添加されていても良い気体流のような副流をステップ(IV)でさらなるワークアップに付すことが好ましい。ステップ(IV)からのプラントセクションは、この目的のためのワークアップユニットを含んでなる。このワークアップユニットは、異なる個々の装置、例えば、ステップ(II)からの少なくとも1つの副流の蒸留またはストリッピング用装置を含んでなっても良い。また、ステップ(IV)は、二回以上起こり得る。一例として、ステップ(II)からの副流のワークアップを2つ以上のプラントセクションに配分する場合がある。これは、特に、1つのプラントセクションを液状副流のワークアップ用に与え、1つのプラントセクションをガス状副流のワークアップ用に与える場合であり得る。例として挙げたこの場合において、方法は、互いに平行に並んで実施されるカテゴリー(IV)の2つのステップ(およびプラントセクション)、すなわち、1つのワークアップユニットでの液状副流のワークアップ(ステップ(IVa))、および他のワークアップユニットでのガス状副流のワークアップ(ステップ(IVb))を含んでなる。
ステップ(III)からのプラントセクションは、精製装置、例えば蒸留装置を含んでなる。
ステップ(III)の精製で除去された少なくとも1つの副流をステップ(V)の追加のワークアップに付すことが好ましい。ステップ(V)からのプラントセクションは、この目的のためのワークアップユニットを含んでなる。このワークアップユニットは、異なる個々の装置、例えば、ステップ(III)からの少なくとも1つの副流の蒸留またはストリッピング用装置を含んでなっても良い。また、ステップ(V)は、二回以上起こり得る。一例として、ステップ(III)からの副流のワークアップを2つ以上のプラントセクションに配分する場合がある。これは、特に、1つのプラントセクションを液状副流のワークアップ用に与え、1つのプラントセクションをガス状副流のワークアップ用に与える場合であり得る。例として挙げたこの場合において、方法は、互いに平行に並んで実施されるカテゴリー(V)の2つのステップ(およびプラントセクション)、すなわち、追加のワークアップユニットでの液状副流のワークアップ(ステップ(Va))、および他のワークアップユニットでのガス状副流のワークアップ(ステップ(Vb))を含んでなる。
プラントセクションは、上記で明確に詳述した装置だけでなく、周辺装置、例えば、ポンプ、熱交換器なども含んでも良いことを理解されたい。
プラントセクションのいくつかの装置で循環モードを設定し得る。例えば、プラントセクションで直列で連結された複数の装置のうち最後の装置からの出力流を、このプラントセクションで直列で連結された装置のうち最初の装置への入力流として使用しても良い。プラントセクションの一部の装置だけに循環モードを適用することも可能であり、例えば、プラントセクションで直列で連結された複数の装置のうち最後の装置の出力流を、このプラントセクションの最初の装置ではなく他の装置へと再循環させる場合も可能である。
また、2つ以上のプラントセクションでも循環モードを設定し得る。例えば、精製ステップ(III)からのプラントセクションなどのプラントセクションの最後の装置の出力流を、ワークアップステップ(II)からのプラントセクションなどの上流のプラントセクションの最初の装置への入力流として使用し得、この場合、例として挙げたワークアップステップ(II)の出力流が精製ステップ(III)への入力流となる循環モードが設定されている。
本発明の方法のステップ(I)、(II)、および(III)を連続的なオペレーションで実施することが好ましい。連続的なオペレーションでステップ(IV)および(V)も実施することが好ましい。
すなわち、ステップ(I)からの反応装置への少なくとも1種の基質の質量流量を止めること(および、必要であれば、mを止めること;n種の基質iの場合には、n種の質量流量mの全てを止めることが好ましい)は、上記のように、製造プラントのセクションの点検、保守、修理、および/または清掃の目的で実施される中断、または原材料および/または添加剤の不足により起きた中断の間、ステップ(I)の反応を確実に起こり続けないようにする。このことと、少なくとも1つの中断されていないステップおよび対応するプラントセクションの出力流をそれぞれのステップおよび対応するプラントセクションへの(または上流のステップもしくはプラントセクションへの)入力流として使用することとは、これらのステップおよび対応するプラントセクションが各々「1つの回路内」で運転されることを確実にする。
この目的のために、本発明の方法は、ステップ(III)を含んでなることが好ましい。このことによって、本発明の効果がある程度顕在化される。特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、ステップ(IV)および(V)も含んでなる。
本発明のさらに好ましい実施態様において、ステップ(I)〜(V)のうちの実行されるステップの少なくとも1つからのプラントセクションのシャットダウン時に、シャットダウンされていない各プラントセクションにおける出力流を、このプラントセクションまたは上流のプラントセクションへの入力流として再度使用する。
本発明の方法の利点は、連続的なプラントセクションにおいて互いをベースとする反応を実施し、それによってこのようにして作り上げられた反応生成物に到達する多段工程によっても生じる。従って、本発明の方法は、さらなる好ましい実施態様において、少なくとも1種の第3の基質をステップ(I)からの反応装置の生成物と同じ反応装置または他の反応装置で反応させるステップ(Ia)をさらに含んでなり、前記少なくとも1種の第3の基質を質量流量mでステップ(Ia)からの反応装置へ導入する。本発明に関連して、その他の可能な方法は、連続式反応装置、例えば3、4、5、6、またはそれ以上の反応装置で多数の反応を実施する方法である。従って、本発明に関連して、1つの反応装置または連続式反応装置でカスケード反応、タンデム反応、またはドミノ反応機構も可能であり、これらは、化合物形成の効率性によって有利でもあるので、好ましい。
少なくとも1種の基質、または場合によっては全ての基質の供給を止める場合に、反応が液相での反応であれば、溶媒の供給を中断しないことが、特に好ましい。このことにより、第1に、副産物のあらゆる形成を防ぐことができること、第2に、反応混合物中に塊が形成されないことという効果が有利に達成され得る。従って、所望の生成物を効率的に精製し、パイプライン、弁、およびポンプなどのプラント設備の詰まりと規格外材料の製造を防ぐことが可能である。
また、少なくとも1種の基質、または場合によっては全ての基質の供給を止める場合に、反応が気相での反応であれば、不活性ガスの供給を中断しないことが、特に好ましい。このことにより、第1に、副産物のあらゆる形成を防ぐことができること、第2に、パイプライン、弁、およびポンプなどのプラント設備の詰まり、および規格外材料の製造などを防ぐことという効果が有利に達成され得る。
本発明の方法の化学製品は、ポリカーボネートもしくはその前駆物質の1つ、イソシアネートもしくはその前駆物質の1つ、医薬品有効成分、オレフィン、芳香族化合物、ポリオレフィン等であり得ることが好ましい。
ここでジイソシアネートおよびポリイソシアネートの例として、芳香族ジイソシアネートおよびポリイソシアネートが挙げられ、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(mMDI)の各異性体または異性体混合物、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(pMDI)、メチレンジフェニルジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの混合物(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)の純粋な各異性体または異性体混合物、キシレンジイソシアネート(XDI)の各異性体、ジイソシアナトベンゼンの各異性体、キシレン2,6−イソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(1,5−NDI)、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式炭化水素をベースとするジイソシアネート、例えばブタン1,4−ジイソシアネート、ペンタン1,5−ジイソシアネート、ヘキサン1,6−ジイソシアネート(HDI)、オクタン1,8−ジイソシアネート、ノナン1,9−ジイソシアネート、デカン1,10−ジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン1,5−ジイソシアネート、2−メチルペンタン1,5−ジイソシアネート(MPDI)、2,4,4(または2,2,4)−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート(TMDI)、シクロヘキサン1,3−および1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、2,4−または2,6−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサン(H6−TDI)、1−イソシアナト−1−メチル−4(3)−イソシアナトメチルシクロヘキサン(AMCI)、1,3(および/または1,4)−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)、4,4’(および/または2,4’)−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、および最大で22個の炭素原子を有する(シクロ)脂肪族トリイソシアネート、例えばトリイソシアナトシクロヘキサン、トリス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、トリイソシアナトメチルシクロヘキサン、1,8−ジイソシアナト−4−(イソシアナトメチル)オクタン、ウンデカン1,6,11−トリイソシアネート、1,7−ジイソシアナト−4−(3−イソシアナトプロピル)ヘプタン、1,6−ジイソシアナト−3−(イソシアナトメチル)ヘキサン、または1,3,5−トリス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
上記のポリイソシアネートに対応するアミンは、芳香族ジアミンおよびポリアミンであり、例えば、メチレンジフェニルジアミン(mMDA)の各異性体または異性体混合物、ポリメチレンポリフェニルポリアミン(pMDA)、メチレンジフェニルジアミンとポリメチレンポリフェニルポリアミンの混合物(MDA)、トリレンジアミン(TDA)の純粋な各異性体または異性体混合物、キシリレンジアミン(XDA)の各異性体、ジアミノベンゼンの各異性体、2,6−キシリジン、ナフチレン−1,5−ジアミン(1,5−NDA)、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式炭化水素をベースとするジアミン、例えば1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン(HDA)、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、2,2−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(MPDA)、2,4,4(または2,2,4)−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン(TMDA)、1,3−および1,4−ジアミノシクロヘキサン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン(IPDA)、2,4−または2,6−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン(H6−TDA)、1−アミノ−1−メチル−4(3)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)、1,3(および/または1,4)−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン(NBDA)、4,4’(および/または2,4’)−ジアミノジシクロヘキシルメタン、最大で22個の炭素原子を有する(シクロ)脂肪族トリアミン、例えばトリアミノシクロヘキサン、トリス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリアミノメチルシクロヘキサン、1,8−ジアミノ−4−(アミノメチル)オクタン、ウンデカン−1,6,11−トリアミン、1,7−ジアミノ−4−(3−アミノプロピル)ヘプタン、1,6−ジアミノ−3−(アミノメチル)ヘキサン、または1,3,5−トリス(アミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
上記で列挙したポリイソシアネートを対応するアミンとホスゲンを反応させることにより工業規模で製造することは、先行技術からかなり以前より知られており、この反応は気相または液相でバッチ式または連続的に実施される(W. Siefken, Liebigs Ann. 562, 75-106 (1949))。有機イソシアネートを一級アミンとホスゲンから製造する方法は、これまでに何度も既に記載されている;例えば、G. Wegener et al. Applied Catalysis A: General 221 (2001), p.303 - 335、Elsevier Science B.V. and Ullmanns Encyklopaedie der technischen Chemie [Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry], 4th ed. (1977), volume 13, p. 351 to 353を参照されたい。
製造量の面から、MDIおよびTDIが世界中で最も重要なポリイソシアネート製品である。
MDIの近代の工業規模の製造は連続的であり、反応は、EP1616857B2およびEP1873142B1に記載されているように、断熱的ホスゲン化として実施される。粗MDIのワークアップは、例えば、US5136087(B)、EP1854783A2、EP1475367B1に記載されているか、EP1686112A1に記載されている。
工業におけるTDIの連続製造は、例えばEP−A−2196455、EP−A−0289840、EP−A−0570799、EP−B−1935875、およびEP−B−1935876に記載のように気相で実施され、例えばEP0322647B1、WO2013/139703A1、EP314985B1、EP1371636B1、EP1371635B1、およびEP1413571B1に記載のように液相で実施される。
MDIの前駆物質は、MDAである。一方、MDAは、アニリンとホルムアルデヒドの縮合により製造される。アニリンは、ニトロベンゼンの水素化により得られる。一方、ニトロベンゼンは、ベンゼンのニトロ化により生じ、ベンゼンは、各中間体を経てMDIを製造するための石油化学基礎原料を構成する。
MDAの連続的またはバッチ式製造は、例えば、EP1616890A1、US−A−5286760、EP−A−451442、およびWO−A−99/40059に開示されている。
等温または断熱モードでのアニリンの連続製造は、例えばGB1452466A1、EP0011090A1、またはEP0944578A2(等温モード)、およびEP0696574B1、EP0696573B1、EP1882681A1(断熱モード)に記載されているように、一般的にニトロベンゼンの接触水素化により、工業規模で実施される。固定触媒床と共に言及されている方法だけでなく、流動触媒床を有する方法もまた、例えばDE1114820B、DE1133394B、またはWO2008/034770 A1に記載されている。
今日標準的であるニトロベンゼンの工業規模の製造方法は、基本的に、混酸と一般的に呼ばれる硫酸と硝酸の混合物によるベンゼンの断熱的ニトロ化の概念に対応している。このような方法は、最初にUS2,256,999でクレームされ、例えばEP0436443B1、EP0771783B1、およびUS6562247B2において現在の実施態様で記載されている。混酸を用いるベンゼンのニトロ化のための等温的方法も知られており、例えば、EP0156199B1に記載されている。
TDIの前駆物質は、TDAである。一方、TDAは、ジニトロトルエン(DNT)の水素化により得られる。一方、DNTは、トルエンのニトロ化により生じ、トルエンは、各中間体を経てTDIを製造するための石油化学基礎原料を構成する。
等温および/または断熱モードでのTDAの近代的連続製造は、例えばWO2011/086050A1とその中に引用されている参考文献に詳細に記載されているように、一般的にDNTの接触水素化により、工業規模で実施される。
ニトロ化用酸(硝酸と硫酸の混合物)を用いるトルエンのニトロ化によるジニトロトルエンの製造は、既に多くの出版物および特許出願の主題となっている(Ullmanns Enzyklopedie der technischen Chemie, 4th edition, volume 17, page 391 ff, 1979, Verlag Chemie Weinheim / New York)。工業規模の製造は、例えば、H. Hermann, J. Gebauer, P. Konieczny, "Industrial Nitration of Toluene to Dinitrotoluene" in ACS-Symposium, Series 623, 234-249, 1996, ed. L.F.Albright, R.V.C Carr,R.J. Schmitt.に記載されているように、連続モードで触媒としての硫酸の存在下で硝酸を用いる等温手段により主に実施される。
ここで挙げられるポリカーボネートの例は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびヒドロキシル基を含有するその他の前駆物質などのポリカーボネートおよびその前駆物質である。
本発明は、化学製品または化学組成物を製造するためのプラントをさらに与え、該プラントは、以下のプラントセクション:
(I)少なくとも1種の基質、好ましくは複数の(特に2種の)基質の変換を実施するための反応装置、
(II)反応装置(I)で得られる生成物混合物から粗生成物を、該粗生成物から分離された成分を含んでなる少なくとも1つの副流と共に得るためのワークアップ装置を含んでなり、および、
任意のプラントセクション(III)〜(V):
(III)前記ワークアップ装置(II)で得られる粗生成物を精製して、精製された最終生成物を得、この精製された最終生成物から分離された成分を含んでなる少なくとも1つの副流を除去するための精製装置、
(IV)前記ワークアップ装置(II)で得られる前記少なくとも1つの副流をワークアップするためのワークアップユニット、
(V)前記精製装置(III)で得られる前記少なくとも1つの副流をワークアップするためのワークアップユニット、
を好ましくは含んでなり、
該プラントは、プラントセクション(I)〜(V)のうちの存在する1つ以上のプラントセクションのシャットダウン時に、前記少なくとも1種の基質の前記反応装置(I)へのさらなる導入が起こらず、互いに独立して、または同時に、前記シャットダウンにより影響を受けない少なくとも1つのプラントセクションにおいて、出力流を再循環させ、それぞれのプラントセクションまたは上流のプラントセクションへの入力流として使用できるように構成されている。「プラントセクション(I)〜(V)のうちの存在する1つ以上のプラントセクションのシャットダウン時に、少なくとも1種の基質の反応装置(I)へのさらなる導入が起こらない」ようなプラントの構成は、プラントセクションのシャットダウンの前、または前記シャットダウンと同時に、基質の供給を中断すること、言い換えると、シャットダウンにより影響を受けない少なくとも1つのプラントセクションにおける循環モードの設定の前、または前記設定と同時に、基質の供給を中断することを意味するように理解されるべきである。装置に関して、これは、様々な方法で達成され得、例えば、1つ以上のプラントセクションのシャットダウン時に(1つ以上のプラントセクションを循環モードに調整する時に)基質の供給を自動的に中断するプロセス制御ユニットを組み込むことによって達成され得る。基質の供給の中断時にだけ循環モードへの調整を可能にするバリア回路を設置することも考えられる。好適なソフトウェアおよびハードウェア製品が市販されており、当業者に知られている。あらゆる必要となるプログラミングおよび適応作業は、当業者にとって慣習的なルーチン業務に含まれる。このプラントは、本発明の方法を実施できるように特別に構成されていることを理解されたい。上記のプラントセクションは、本発明の方法のステップに対応する。従って、本発明の方法の利点および効果は、本発明のプラントにも当てはまる。
本発明のプラントの好ましい実施態様において、互いに独立して、または同時に、中断により影響を受けないその他の各プラントセクションにおける出力流を再循環させ、それぞれのプラントセクションまたは上流のプラントセクションへの入力流として再度使用し得る。
好ましい構成において、互いに独立して、中断により影響を受けないその他の各プラントセクションまたは反応装置における質量出力流を再循環させ、それぞれのプラントセクションまたは反応装置への質量入力流として再度使用し得る。代替的な構成において、同時に、中断により影響を受けないその他の各プラントセクションにおける出力流を再循環させ、それぞれのプラントセクションまたは上流のプラントセクションへの入力流として再度使用し得る。
本発明のプラントは、化学製品または製品組成物の精製のためのプラントセクション(III)を含んでなることが好ましい。本発明のプラントは、プラントセクション(II)および(III)から得られる副流をそれぞれワークアップするためのワークアップユニット(IV)および(V)を含んでなることが、より好ましい。
(および、必要であれば、m;n種の基質iの場合には、n種の質量流量mの全て止めることが好ましい)、すなわち反応装置(I)への少なくとも1種の基質の質量流量(必要であれば、全基質の質量流量)を止めることは、上記のように、製造プラントのセクションの点検、修理、保守、および/または清掃の目的で実施されるか、または原材料および/または添加剤の不足により起きた中断(1つ以上のプラントセクションのシャットダウン)の間、ステップ(I)の反応を確実に起こり続けないようにする。
少なくとも1種の基質、または場合によっては全ての基質の供給を止める場合に、反応が液相での反応であれば、溶媒の供給を中断しないことが、ここでは特に好ましい。このことにより、第1に、副産物のあらゆる形成を防ぐことができること、第2に、例えば、反応混合物中に塊が形成されないことという、効果が有利に達成され得る。従って、所望の生成物を効率的に精製し、パイプライン、弁、およびポンプなどのプラント設備の詰まりと規格外材料の製造を防ぐことが可能である。
また、少なくとも1種の基質、または場合によっては全ての基質の供給を止める場合に、反応が気相での反応であれば、不活性ガスの供給を中断しないことが、特に好ましい。このことにより、第1に、副産物のあらゆる形成を防ぐことができること、第2に、パイプライン、弁、およびポンプなどのプラント設備の詰まり、および規格外材料の製造などを防ぐことという効果が有利に達成され得る。
2つ以上の製造ラインまたは反応装置ラインを並列で運転する場合には、本発明に従って1つの製造ラインまたは反応装置ラインの1つ以上のプラントセクションを運転休止とし、その他の製造ラインまたは反応装置ラインを運転し、必要であれば、連続的に、1つ以上の付随するプラントセクションをシャットダウンすることが本発明によれば第1に可能である。あるいは、本発明に関連して、全製造ラインまたは反応装置ラインを運転し、必要であれば、同時またはほぼ同時に、本発明の方法に従って、本発明のプラントの1つ以上の付随するプラントセクションをシャットダウンすることも可能である。
本発明は、化学製品または製品組成物製造用プラントを製造方法のシャットダウン中に運転する方法をさらに与え、前記プラントは、以下のプラントセクション:
(I)少なくとも1種の基質、好ましくは複数の(特に2種の)基質の変換を実施するための反応装置、
(II)反応装置(I)で得られる生成物混合物から粗生成物を、該粗生成物から分離された成分を含んでなる少なくとも1つの副流と共に得るためのワークアップ装置を含んでなり、および、
任意のプラントセクション(III)〜(V):
(III)前記ワークアップ装置(II)で得られる粗生成物を精製して、精製された最終生成物を得、この精製された最終生成物から分離された成分を含んでなる少なくとも1つの副流を除去するための精製装置、
(IV)前記ワークアップ装置(II)で得られる前記少なくとも1つの副流をワークアップするためのワークアップユニット、
(V)前記精製装置(III)で得られる前記少なくとも1つの副流をワークアップするためのワークアップユニット、
を好ましくは含んでなるものであり、
以下のステップ:
(i)前記反応装置(I)への少なくとも1種の基質、好ましくは全ての基質の供給を止めるステップ、
(ii)それぞれのプラントセクションの出力流を該プラントセクションまたは上流のプラントセクションへの入力流として使用するように、少なくとも1つのプラントセクションを運転するステップ;
(iii)少なくとも1つのプラントセクションをシャットダウンするステップ、
を含んでなる。
ステップ(ii)は、本発明の第1の対象の方法で採られる手段を含んでなる。従って、上記手段に関して本発明の循環モードが挙げられるが、ここでは、これらについて詳細を再度繰り返すことはしない。また、運転対象のプラントは、本発明に従ったプラントであることが好ましい。故に、本発明の方法を用いると、本発明の上記の利点を達成することも可能である。
好ましい実施態様において、方法は以下のステップ:
(iv)ステップ(iii)でシャットダウンした前記少なくとも1つのプラントセクションを開放する任意のステップ;
(v)ステップ(iii)でシャットダウンした前記プラントセクションで、保守、清掃、点検、および/または修理処置を実施するステップ;
(vi)ステップ(v)からの前記少なくとも1つのプラントセクションを必要に応じて閉鎖する、および必要に応じて不活性化するステップ;
(vii)ステップ(vi)からの前記少なくとも1つのプラントセクションをスタートアップするステップ;
(viii)前記反応装置(I)への前記少なくとも1種の基質の供給を開始するステップ、
を含んでなる。
このように、化合物製造用プラントで保守、点検、清掃、オーバーホール、および/または修理処置を、効率が良く時間を節約できる様式で、廃棄物を発生させずに実施し得る方法が、与えられる。
さらに好ましい実施態様において、ステップ(ii)は、それぞれのプラントセクションの出力流をそれぞれのプラントセクションまたは上流へのプラントセクションの質量入力流として転換することを特に含んでなる。本発明の第1の対象などにおいて、2つのプラントセクションを共に1つの回路内で運転することも可能である。このことは、並列で連結されているか、または直列で連結されているプラントセクションを意味し得る。
添付の図面は、本発明を詳細に示すように意図されている。
通常のオペレーションでの化学製品または化学組成物用の製造プラントを示す。 2つの基質1および2を反応装置1000に供給する。結果として得られた反応混合物3を、ワークアップ装置2000で、例えば、水相4、ガス状二次成分などを有する気相5、および製品含有有機相6に分離する。例えば単相分離装置で、これを達成し得る。流れ6を精製装置3000で精製して、所望の製品8を得、二次成分7を分離する。3000は、例えば、低沸点の二次成分7を製品8から分離する蒸留装置であっても良い。 本発明の循環モードの1つの可能な構成を示す。 反応装置1000は、例えば保守オペレーションを実施するために、運転休止にされるものである。この目的のために、基質1および2の供給を中断する。示された実施態様において、蒸留カラム3000からの底部出力8を相分離装置2000へと導き、そこから蒸留カラム3000に戻す。 本発明の循環モードの他の可能な構成を示す。 相分離装置2000は、例えば保守オペレーションを実施するために、運転休止にされるものである。この目的のために、基質1および2の供給を中断する。示された実施態様において、反応装置出力3を反応装置1000へ再循環させる。同時に、蒸留カラム3000からの底部出力8を再循環させ、蒸留カラム3000に戻す。 本発明の循環モードの他の可能な構成を示す。 蒸留カラム3000は、例えば保守オペレーションを実施するために、運転休止にされるものである。この目的のために、基質1および2の供給を中断する。示された実施態様において、相分離装置2000からの有機物質の出力6を反応装置1000へ、そしてそこから相分離装置2000へと再循環させる。2000にまだ存在している水相の残量は、排出されるか、または装置に残るかのいずれかである。
本発明の方法は、以下の利点を生じさせる。
i)製造停止のためのプラントの停止および再始動にかかる時間が大幅に短くなるので、プラントの稼働率が上がるため、生産性が向上する。
ii)プラントの容量を大きくするための資本コストがかからない。
iii)長いシャットダウン期間を緩和するために最終生成物タンクを大きくするための資本コストがかからない。
iv)過剰な廃品、廃水、およびさらに精製しなければならないオフガスの発生を防ぐ。プラントを完全に再始動しなければならない場合に、これらは発生し得る。
v)多くの場合において、再始動が必要なシャットダウンプラントセクションに必要とされる準備、例えば、添加剤および供給原料の加熱、または装置などの加熱が必要ないので、エネルギーを節約できる。
vi)多くの場合において、コンデンセートおよび窒素などの添加剤を節約できる。
vii)シャットダウン時にポンプまたは圧縮機がスイッチオフされる時に、それらのスリップリングシールが毎回再始動の影響を受けるので、修理を要するポンプまたは圧縮機の脆弱性が低減される。従って、修理が続くことが避けられ、このことは、また、プラントの生産性および保守コストに対して好ましい効果を有す。
これらの利点i)〜vii)は、それぞれ個別に生じるか、または有利にも組み合わさって生じ得る。
原則的に、エネルギーを節約するために、および、製造停止により保守処置に集中することを可能とするために、当業者は、プラント全体をシャットダウンする傾向が強くなるものであるため、特に、ポンプを含む循環パイプライン、装置の改造、および追加のプルセス制御技術にかかる追加の資本コストを本発明の方法について、および本発明のプラントについて受け入れなければならないので、本発明の手順の成功は、当業者にとって驚くべきことである。
以下では、本発明を実施例により説明する。
ppmまたは%で示される含有量の数値は、それぞれの材料/流の総質量に基づく質量部である。分析値は、他に断りがない限り、ガスクロマトグラフィーにより求められたものである。
稼動中の製造プラントにおけるニトロベンゼンの製造に関する一般条件
50t/時のニトロベンゼンの製造負荷で、硫酸流、硝酸流、フレッシュベンゼン流、およびリターンベンゼン流をニトロ化反応装置に計量して入れた。硝酸を基準として5%〜10%過剰なベンゼンを使用した。断熱反応機構で硝酸とベンゼンを変換してニトロベンゼンを得ることが完了したら、この時点で約130℃の反応生成物を相分離装置に送り、相分離装置において、反応生成物を有機相(=ニトロベンゼンだけでなくベンゼンも含有する粗ニトロベンゼン)および水相(=硫酸だけでなくニトロベンゼンおよびベンゼンも少ない割合で含有する廃酸)に分離させた。主に硫酸を含んでなる水相を、蒸発装置で圧力を急激に下げることによる水のフラッシュ蒸発に付し、これによって濃縮した。濃縮した硫酸を再利用のために硫酸タンクに貯蔵した。粗ニトロベンゼンを相分離装置で取り出した後、粗ニトロベンゼン冷却オペレーションで約50℃に冷却し、洗浄オペレーションに送った。ニトロフェノールおよび塩を実質的に除去し、これによって得られた精製された粗ニトロベンゼン流を再度加熱し、蒸留カラムで水、ベンゼン、塔頂で除去されるその他の低沸点溶剤を除去し、乾燥した純ニトロベンゼンを得た。蒸留カラムからの濃縮された塔頂生成物を相分離装置に送り、相分離装置において、塔頂生成物を(ベンゼンを含んでなる)有機相および水相へ分離させた。有機相を直ちにバッファータンクに貯蔵し、上記で既に記載したように、反応のためにニトロ化反応装置の供給装置へと戻した。このようなプラントの電力消費は、約890kW/時である。
このようにして製造したニトロベンゼンは、通常、純度が約99.96%(GC)、残留ベンゼン含有量が0.0028%(GC)、1,3−ジニトロベンゼン含有量が0.0273%(GC)、およびニトロフェノール含有量が<5ppm(HPLC)である。また、ニトロベンゼンは、(カールフィッシャー法により測定した)水分含有量が0.0079%である。
比較例1:プラントの完全な停止を伴う製造プラントの短いシャットダウン、清掃処置、およびプラントの再始動
プラントの短いシャットダウンは、ニトロ化領域で清掃オペレーションを実施するのに役立った。この目的のために、プラントを完全に停止した。すなわち、ニトロ化、洗浄、蒸留、酸性水ワークアップ、およびアルカリ性廃水ワークアップを停止した。エネルギー供給を清掃オペレーションの間スイッチオフした。清掃オペレーション後、プラントを再度スタートアップした。このために、プラント全体を前もって不活性化、充填、および加熱する必要があった。
プラントを完全に停止するための手順:
第1に、ニトロ化装置をシャットダウンした:ベンゼンおよび硝酸の入力流用の定量ポンプをスイッチオフした。ベンゼンおよび硝酸原材料の5分後に、フラッシュ蒸発装置からの蒸気を止めた。ニトロ化装置、相分離装置、フラッシュ蒸発装置、および循環硫酸リザーバータンクからなるニトロ化回路から全有機物質が排出されるまで1時間、硫酸の循環を続けた。次に、循環ポンプをスイッチオフすることにより、100℃での硫酸の循環を中断した。ニトロ化装置、相分離装置、およびフラッシュ蒸発装置を硫酸がある状態で放置した。残りの循環硫酸は、硫酸リザーバータンクにあった。硫酸の全量は、74トンであった。循環ポンプと同時に、フラッシュ蒸発装置への真空ポンプをスイッチオフし、窒素で真空状態を解除した。そして、ニトロ化回路は停止となった。2時間の時間がかかり、真空状態の解除に1時間がかかった。
その後、酸性水リザーバータンクから酸性水ストリッパーへの酸性廃水の送り込みを中断することにより、酸性水ワークアップ装置をシャットダウンした。酸性水ストリッパーへの蒸気とストリッパーの底部ポンプを止めた。そして、酸性水ワークアップ装置は停止となった。かかった時間は5分であった。
次に、粗ニトロベンゼンタンクから酸性洗浄装置への粗ニトロベンゼンの送り込みを中断することにより、洗浄装置をシャットダウンした。酸性、アルカリ性、および中性洗浄装置を経る粗ニトロベンゼンの経路を、それぞれの洗浄装置の上流の粗ニトロベンゼン用デリバリーポンプを止めることにより止めた。洗浄装置は、運転温度が48℃であり、粗ニトロベンゼンで満たされたままであった。同時に、酸性、アルカリ性、および中性洗浄水の経路をそれぞれのポンプをスイッチオフすることにより止めた。かかった時間は5分であった。
粗ニトロベンゼンの送り込みを中断し蒸留カラムへの蒸気を取り除くことにより、蒸留装置をシャットダウンした。その後直ぐに、底部ポンプをスイッチオフすることにより製品排出を中断し、ベンゼンポンプを止めることにより、カラム上部でのリターン流を止めた。真空ポンプをスイッチオフし窒素で通気した後、蒸留装置は停止となった。かかった時間は5分であった。
最後に、熱加圧分解装置を循環モードに設定し、加圧分解装置への蒸気を止めることにより、アルカリ性廃水ワークアップ装置をシャットダウンした。同時に、廃水ポンプをスイッチオフしストリッパーへの蒸気を止めることにより、アルカリ性廃水のストリッパーへの供給およびストリッパーからの取り出しを止めた。かかった時間は5分であった。10時間後、循環水が100℃より低温に冷却されたら直ぐに、循環モードの熱加圧分解装置(TDZ)を止めた。
装置、ポンプ、およびパイプラインをパージし空にするのにかかる時間を除き、TDZを停止するのにかかる時間を無視すると、完全な停止には合計で2時間かかった。近代の自動化された製造プラントにおいて、停止オペレーションに要する人員の数は、わずかな役割しか担わない。
清掃処置のための手順:
相分離装置から粗ニトロタンクへの粗ニトロベンゼンの送り込みにおいて、ベンゼン予熱装置の詰まりを取り除くことが必要であった。
まず第一に、さらなる有機材料が洗浄対象のベンゼン予熱装置に入ることができないように、相分離槽のレベルを50%下げた。続いて、粗ニトロベンゼンおよび微量の硫酸を除去するために、相分離装置とベンゼン予熱装置の間に取り付けたパージングスタブ(purging stub)を通してコンデンセートでベンゼン予熱装置を1時間パージした。パージコンデンセートを酸性洗浄装置に導いた。その後、ベンゼン予熱装置を入口と出口に機械的に分割し、水処理プラントへのさらに2個のパージングスタブ(purging stub)を使用して、詰まりを構成するベンゼン予熱装置内の黒い沈殿物を大量のコンデンセートですすぎ落とした。かかった時間は3時間であった。全部で3個のパージングスタブ(purging stub)を外した後、ベンゼン予熱装置の入口および出口を取り付けた。これにかかった時間は2時間であった。その後、影響を受けたパイプラインを数回加熱および冷却し、その間に、フランジ接続を新しいシールで再び締め付けた。かかった時間は2時間であった。
清掃処置は8時間かかった。近代の自動化された製造プラントにおいて、清掃処置、すなわち、プラントを部分的に空にし、入口と出口を有するベンゼン予熱装置の前清掃のためのパージングスタブ(purging stub)を取り付け、続いてコンデンセートで前清掃するための準備に要する人員の数は、重要な役割を担う。この場合、追加の製造労働者が1人必要である。清掃処置のためのパイプラインの解体および組み立てのための労働者、および人員自身を洗うための労働者もさらに必要である。
プラントを再始動するための手順:
製造プラント全体に存在する真空ポンプを事前に運転状態にした。相分離装置および洗浄したベンゼン予熱装置を100m(STP)の窒素で不活性化した。
第1に、粗ニトロベンゼンポンプを始動して粗ニトロベンゼンタンクから酸性洗浄装置への粗ニトロベンゼンの供給を運転状態にして、洗浄装置をスタートさせた。その後、酸性、アルカリ性、および中性洗浄水の経路をそれぞれのポンプをスイッチオンすることにより始動した。次に、酸性、アルカリ性、および中性洗浄装置を経る粗ニトロベンゼンの経路を、それぞれの洗浄装置の上流の粗ニトロベンゼン用デリバリーポンプをスイッチオンすることにより始動した。粗ニトロベンゼンおよび洗浄水で満たした洗浄装置は45℃であったが、製造プラントを始動した後、徐々に温めて48℃まで戻した。
3°t/時でコンデンセートを送り込むことにより中性洗浄装置の最後の段階を運転中にしたところで、蒸留カラムを真空にし、45℃の粗ニトロベンゼンを最後の中性洗浄装置から蒸留カラムへ流すことにより、蒸留装置を始動した。その後、カラムの底部ポンプを始動し、粗ニトロベンゼンを粗ニトロベンゼンタンクへ流した。次に、蒸留カラムに2t/時の16バールの蒸気を供給し、170℃に加熱した。カラムの上部で50℃で、ベンゼンポンプを始動することにより、還流を運転中にした。洗浄装置および蒸留装置は、4.5時間後に製造プラントを再始動する準備ができた状態となった。
洗浄装置および蒸留装置と平行して、1t/時の6バールの蒸気を加えて酸性水ストリッパーを温め、ストリッパーの底部ポンプを始動することにより、酸性水ワークアップ装置を始動した。続いて、酸性水リザーバータンクから酸性水ストリッパーへの酸性廃水の送り込みを始動した。そして、酸性水ワークアップ装置は、製造プラントを再始動する準備ができた状態となった。酸性廃水の有機物質に関するガスクロマトグラフィーによる分析を含む、酸性水ストリッパーを始動するのにかかった時間は、1時間であった。
洗浄装置および蒸留装置と平行して、循環水を85℃から285℃に引き上げるように、循環モードにした熱加圧分解装置に0.6t/時の110バールの蒸気を供給することにより、アルカリ性廃水ワークアップ装置を始動した。アルカリ性廃水の排出の2時間前に、ストリッパーに0.5t/時の6バールの蒸気を供給し、廃水ポンプを始動することにより、アルカリ性廃水のストリッパーへの入口およびストリッパーからの出口を始動した。かかった時間は8時間であった。
洗浄装置および蒸留装置が製造プラントを再始動する準備ができた状態となる1.5時間前、かつ酸性水ワークアップ装置が循環モードで運転するようになった後に、硫酸循環ポンプを始動し、硫酸をニトロ化装置、相分離装置、フラッシュ蒸発装置、および硫酸リザーバータンクを循環させて流した。フラッシュ蒸発装置において、真空装置を始動し、次に、2.4t/時の6バールの蒸気を加え、循環硫酸を出発温度へ加熱した。93℃に冷却された循環硫酸を100℃に温めるまで、このオペレーションに1時間がかかった。
4.5時間後、洗浄装置および蒸留装置は、運転の準備ができた状態となっており、ベンゼンポンプおよび硝酸ポンプを始動することにより、25t/時のニトロベンゼンの製造量に相当するネームプレートの容量の50%で製造プラントを始動した。1分後、反応生成物は相分離装置に達し、酸性水ストリッパーを酸性廃水を排出するように設定し、蒸留装置の底部カラムをニトロベンゼン最終生成物を製品として排出するように設定した。製造プラントをネームプレートの負荷へと試運転することは、近代的製造プラントにおいて自動化されているが、さらに1時間かかった。
清掃処置を含むプラントの停止とスタートアップに要するエネルギーおよび添加剤、ならびにかかる時間の評価:
処置にかかった合計時間は15時間であった。このことは、十分な人員が利用可能であり、技術的困難が生じない場合に当てはまる。清掃自体にかかった時間は8時間であった。シャットダウンのために、2.5時間が必要であった。スタートアップには4.5時間かかった。
従って、合計775トンのニトロベンゼンの製造が損なわれた。蒸気消費量は、6バールの蒸気が4.4トン、16バールの蒸気が8トン、および110バールの蒸気が4.8トンであった。プラントの停止時であって処置の間、蒸気を消費しなかった。窒素の消費は、停止では550m(STP)であり、プラントのスタートアップでは100m(STP)であった。コンデンセートの消費は、15.5mであった(熱交換器のパージには2m、中性洗浄のスタートアップには13.5m)。電力の消費は、合計して6130kWであった。プラントの停止では、TDZに1100kW、ニトロ化装置に180kW、洗浄装置に445kWを要した。プラントのスタートアップでは、洗浄装置に4005kW、循環硫酸ポンプに400kWを要した。清掃処置の間、電力を消費しなかった。
実施例1:清掃処置により影響を受けないプラントセクションを循環モードにする製造プラントの短いシャットダウン、清掃処置、およびプラントの再始動
プラントの短いシャットダウンは、ニトロ化領域での清掃オペレーションに役立った。この目的のために、ニトロ化領域を完全に停止し、洗浄装置、蒸留装置、ならびに酸性およびアルカリ性廃水ワークアップ装置などのその他のプラントセクションを循環モードにした。清掃オペレーション中のエネルギー供給をニトロ化領域でのみスイッチオフした(真空装置はスタンバイ状態のままであった)。清掃オペレーション後、プラントを再度スタートアップした。このために、ニトロ化領域のみ完全に不活性化、充填、および加熱する必要があった。
ニトロ化装置の完全な停止、および残りのプラントセクションの循環モードへの調整のための手順:
第1に、ストリッパーの底部ポンプによって、廃水チャンネルへの酸性廃水の排出を酸性水リザーバータンクへと戻すように切り替えることにより、酸性水ワークアップ装置を循環モードにした。これには10kW/時を要する。酸性水ストリッパーへの蒸気を1.2t/時から0.7t/時の6バールの蒸気へと減速させた。酸性水ポンプによる酸性水リザーバータンクから酸性水ストリッパーへの酸性水の送り込みは10kW/時を要し、20mから13mに低減した。酸性水ワークアップ装置の循環モードへの切り替えは、オートメーションにより33秒以内に起こった。
次に、廃水チャンネルへの熱加圧分解装置(TDZ)のアルカリ性廃水の排出をアルカリ性廃水リザーバーへと戻すようにTDZの高圧ポンプにより切り替えることにより、アルカリ性廃水ワークアップ装置を循環モードにした。これには55kW/時を要する。加圧分解装置への蒸気を0.32t/時から0.20t/時の110バールの蒸気へと減速させ、アルカリ性廃水リザーバーからTDZへのアルカリ性廃水の送り込みを4.0m/時から2.5m/時へ低減した。TDZへの送り込みの低減は手動で実施したので、TDZの循環モードへの切り替えは、オートメーションにより5分以内に起こった。
同時に、TDZへのアルカリ性廃水の排出を中断し、ストリッパーの底部ポンプによってアルカリ性廃水を廃水タンクに戻るように切り替えることにより、アルカリ性廃水のストリッパーを循環モードにした。これには10kW/時を要する。アルカリ性廃水用ストリッパーへの蒸気を0.4t/時から0.25t/時の6バールの蒸気へと減速させ、廃水タンクからアルカリ性廃水用ストリッパーへのアルカリ性廃水の送り込みを、アルカリ性廃水用噴射ポンプにより4m/時から2.5m/時へ低減した。これには10kW/時を要する。アルカリ性廃水用ストリッパーの循環モードへの切り替えは、オートメーションにより27秒以内に起こった。
次に、ニトロベンゼンカラムからニトロベンゼン貯蔵タンクへのニトロベンゼン最終生成物の排出を粗ニトロベンゼンタンクへとカラムの底部ポンプにより切り替えることにより、洗浄装置および蒸留装置を循環モードにした。これには24kW/時を要する。同時に、気相分離装置のベンゼン含有有機相を自然流出により粗ニトロベンゼンタンクへ導いた。気相分離装置の水相を酸性洗浄および酸性廃水ワークアップにより廃棄した。ニトロベンゼンカラムの真空システムは運転中のままであった。粗ニトロベンゼンタンクの内容物をデリバリーポンプにより全洗浄装置を経てニトロベンゼンカラムに戻るように流すことによって、循環モードを設定した。粗ニトロタンク、酸性洗浄装置、アルカリ性洗浄装置、および3つの中性洗浄装置は、それぞれ、デリバリーポンプを有し、それぞれ24kW/時を要する。粗ニトロベンゼンの洗浄装置または蒸留装置への送り込みを、42t/時から27t/時へ低減した。ニトロベンゼンカラムへの蒸気を2.5t/時から1.6t/時の16バールの蒸気へと減速させた。中性洗浄用洗浄水を6.3m/時から4.0m/時へと低減した。洗浄装置および蒸留装置の循環モードへの切り替えは、オートメーションにより5分以内に起こった。
最後に、ベンゼンおよび硝酸の入力流用定量ポンプをスイッチオフすることにより、ニトロ化装置をシャットダウンした。ベンゼンおよび硝酸原材料の5分後に、フラッシュ蒸発装置からの蒸気を止めた。ニトロ化装置、相分離装置、フラッシュ蒸発装置、および循環硫酸リザーバータンクからなるニトロ化回路から全有機物質が排出されるまで1時間、硫酸の循環を続けた。次に、循環ポンプをスイッチオフすることにより、100℃での硫酸の循環を中断した。ニトロ化装置、相分離装置、およびフラッシュ蒸発装置を硫酸がある状態で放置した。残りの循環硫酸は、硫酸リザーバータンクにあった。循環ポンプと同時に、フラッシュ蒸発装置への真空ポンプをシャットダウンし、350m(STP)の窒素で真空状態を解除した。そして、ニトロ化回路は停止となった。シャットダウンにかかった時間は2時間であった。
装置、ポンプ、およびパイプラインをパージし空にするのにかかる時間を除き、清掃処置のための準備(洗浄装置、蒸留装置、アルカリ性および酸性廃水装置の循環モードの設定およびニトロ化のシャットダウン)には、合計で2時間11分かかった。
清掃処置のための手順:
清掃処置を実施例1に記載のように実施した。
プラントを再始動するための手順:
フラッシュ蒸発装置用真空ポンプを事前に運転状態にした。相分離装置および洗浄したベンゼン予熱装置を100m(STP)の窒素で不活性化した。硫酸循環ポンプを始動し、硫酸をニトロ化装置、相分離装置、フラッシュ蒸発装置、および硫酸リザーバータンクを循環させて流すことにより、ニトロ化装置を始動させてプラントのスタートアップを開始した。フラッシュ蒸発装置において、真空装置は既に始動されており、次に、2.4t/時の6バールの蒸気を加え、循環硫酸を出発温度へ加熱した。93℃に冷却された循環硫酸を100℃に温めるまで、このオペレーションに1時間がかかった。次に、ベンゼンポンプおよび硝酸ポンプを始動することにより、25t/時のニトロベンゼンの製造量に相当するネームプレートの容量の50%で、ニトロ化装置を始動した。1分後、反応生成物は相分離装置に達し、酸性水ストリッパーを酸性廃水を排出するように設定し、蒸留装置の底部カラムをニトロベンゼン最終生成物を製品として排出するように設定した。同時に、アルカリ性廃水ワークアップ用ストリッパーをTDZへ排出するように切り替え、TDZを循環モードから廃水チャンネルへ排出するように切り替えた。製造プラントをネームプレートの負荷へと試運転することは、近代的製造プラントにおいて自動化されているが、さらに1時間かかった。
清掃処置を含むプラントの停止と循環モードからのスタートアップに要するエネルギー、およびかかる時間の評価:
処置にかかった合計時間は11時間12分であった。このことは、十分な人員が利用可能であり、技術的困難が生じない場合に特に当てはまる。清掃自体にかかった時間は8時間であった。循環モードへと停止するのに2時間11分かかった。循環モードからスタートアップするのに1時間1分かかった。
従って、合計585トンのニトロベンゼンの製造が損なわれた。蒸気消費量は、循環モードでは、6バールの蒸気が12トン、16バールの蒸気が13トン、および110バールの蒸気が1.6トンであった。循環モードへのプラントの停止において、蒸気を消費しなかった。窒素の消費は、循環モードへの停止では350m(STP)であり、循環モードからのプラントのスタートアップでは100m(STP)であった。処置のためのコンデンセートの消費は、47mであった(熱交換器のパージには2m、洗浄装置の停止およびスタートアップおよび循環モードには45m)。電力の消費は、合計して8525kWであった。プラントの停止は、1943kWを消費し、清掃処置中の循環モードは、循環モードに5680kWを消費し、プラントのスタートアップは905kWの電力を消費した。
清掃処置のための完全な停止(比較例1)対循環モード(実施例1)に関する結論:
完全な停止(比較例1)対本発明に係る循環モード(実施例2)に関する結論として、必要となる電力およびコンデンセートの量が多くなることは、窒素の消費が少なくなることよりも、特に、製造量が多くなることによって顕在化されるプラントの高い稼動率により埋め合わされるということが言える。蒸気の消費はほぼ同じである。清掃処置について節減された時間は、3時間48分であり、これは、ニトロベンゼンの製造量が190トン増えることに相当する。
比較例2:プラントの完全な停止を伴う製造プラントの短いシャットダウン、修理処置、およびプラントの再始動
洗浄オペレーションにおける修理処置のためのプラントの短いシャットダウン:この目的のために、プラントを完全に停止した。すなわち、ニトロ化、洗浄、および蒸留を停止した。エネルギー供給を修理処置の間スイッチオフした。修理後、プラントを再度スタートアップした。このために、プラント全体を不活性化、充填、および加熱する必要があった。
プラントを完全に停止するための手順:
実施例1に記載のようにプラントをシャットダウンした。装置、ポンプ、およびパイプラインをパージし空にするのにかかる時間を除き、TDZを停止するのにかかる時間を無視すると、完全な停止には、また2時間かかった。
修理処置のための手順:
中性洗浄における漏れが起こるパイプラインのシーリング:この目的のために、下流の洗浄装置で影響を受けたパイプラインを10mの窒素を吹き付けてきれいにした。次に、パイプラインを2mのコンデンセートでパージし、空にした。続いて、パイプラインの破損したシールを交換した。修理処置は合計で1.5時間かかった。近代の自動化された製造プラントにおいて、修理のための準備、すなわちパイプラインのパージに要する人員の数は、重要な役割を担う。この場合、追加の製造労働者が1人必要である。破損したシールを交換するためのパイプラインの解体および組み立てのための労働者も必要である。
プラントを再始動するための手順:
製造プラント全体に存在する真空ポンプを事前に運転状態にした。続いて、プラントを比較例1に記載のように再始動した。プラントを4.5時間後に再びスタートアップし、ネームプレートの負荷へと試運転することができた。
清掃処置を含むプラントの停止とスタートアップに要するエネルギー、およびかかる時間の評価:
十分な人員が利用可能であり、技術的困難が生じなかったので、処置にかかった合計時間は、8.5時間であった。修理自体にかかった時間は1.5時間であった。シャットダウンのために、2.5時間が必要であった。スタートアップには4.5時間かかった。従って、合計450トンのニトロベンゼンの製造が損なわれた。蒸気消費量は、6バールの蒸気が3.4トン、16バールの蒸気が8トン、および110バールの蒸気が4.8トンであった。プラントの停止において、蒸気を消費しなかった。合計で610m(STP)の窒素が必要であり、そのうち、停止には、550m(STP)、プラントの再始動には、50m(STP)、さらに、修理処置には、10m(STP)が必要であった。
コンデンセートの消費は、15.5mであった(パイプラインのパージには2m、中性洗浄のスタートアップには13.5m)。電力の消費は、合計して5470kWであった。プラントの停止では、TDZに440kW、ニトロ化装置に180kW、洗浄装置に445kWを要した。プラントのスタートアップでは、洗浄装置に4005kW、循環硫酸ポンプに400kWを要した。修理処置の間、電力を消費しなかった。
実施例2:修理処置により影響を受けないプラントセクションを循環モードにする製造プラントの短いシャットダウン、修理処置、およびプラントの再始動
ニトロベンゼン洗浄装置における修理オペレーションのためのプラントの短いシャットダウン:この目的のために、洗浄装置および蒸留装置を完全に停止した。ニトロ化装置ならびに酸性およびアルカリ性廃水ワークアップ装置などのその他のプラントセクションを循環モードにした。修理オペレーション中のエネルギー供給を洗浄装置および蒸留装置でのみスイッチオフした(真空装置はスタンバイ状態のままであった)。修理後、プラントを再始動した。
洗浄装置および蒸留装置の完全な停止、および残りのプラントセクションの循環モードへの調整のための手順:
第1に、ストリッパーの底部ポンプによって、廃水チャンネルへの酸性廃水の排出を酸性水リザーバータンクへと戻すように切り替えることにより、酸性水ワークアップ装置を循環モードにした。これには10kW/時を要する。酸性水ストリッパーへの蒸気を1.2t/時から0.7t/時の6バールの蒸気へと減速させた。酸性水ポンプによる酸性水リザーバータンクから酸性水ストリッパーへの酸性水の送り込みは10kW/時を要し、20mから13mに低減した。酸性水ワークアップ装置の循環モードへの切り替えは、オートメーションにより29秒以内に起こった。
次に、廃水チャンネルへの熱加圧分解装置(TDZ)のアルカリ性廃水の排出をアルカリ性水リザーバーへと戻すようにTDZの高圧ポンプにより切り替えることにより、アルカリ性廃水ワークアップ装置を循環モードにした。これには55kW/時を要する。加圧分解装置への蒸気を0.32t/時から0.20t/時の110バールの蒸気へと減速させ、アルカリ性廃水リザーバーからTDZへのアルカリ性廃水の送り込みを4.0m/時から2.5m/時へ低減した。TDZへの送り込みの低減は手動で実施したので、TDZの循環モードへの切り替えは、オートメーションにより5分以内に起こった。
同時に、TDZへのアルカリ性廃水の排出を中断し、ストリッパーの底部ポンプによってアルカリ性廃水を廃水タンクに戻るように切り替えることにより、アルカリ性廃水のストリッパーを循環モードにした。これには10kW/時を要する。アルカリ性廃水用ストリッパーへの蒸気を0.4t/時から0.25t/時の6バールの蒸気へと減速させ、リザーバータンクからアルカリ性廃水用ストリッパーへのアルカリ性廃水の送り込みを、アルカリ性廃水用噴射ポンプにより4m/時から2.5m/時へ低減した。これには10kW/時を要する。アルカリ性廃水用ストリッパーの循環モードへの切り替えは、オートメーションにより31秒以内に起こった。
次に、ニトロ化装置への供給原料を止めた。ベンゼンおよび硝酸の入力流用の定量ポンプをスイッチオフした。循環硫酸は、ニトロ化装置、相分離装置、フラッシュ蒸発装置、および循環硫酸リザーバータンクを100℃で循環し続けた。フラッシュ蒸発装置は、0.3t/時の6バールの蒸気を必要とした。かかった時間は1分であった。
最後に、粗ニトロベンゼンタンクから酸性洗浄装置への粗ニトロベンゼンの送り込みを中断することにより、洗浄装置をシャットダウンした。酸性、アルカリ性、および中性洗浄装置を経る粗ニトロベンゼンの経路を、それぞれの洗浄装置の上流の粗ニトロベンゼン用デリバリーポンプを止めることにより止めた。洗浄装置は、48℃であり、粗ニトロベンゼンで満たされたままであった。同時に、酸性、アルカリ性、および中性洗浄水の経路をそれぞれのポンプをスイッチオフすることにより止めた。かかった時間は5分であった。
粗ニトロベンゼンの送り込みを中断し蒸留カラムへの蒸気を取り除くことにより、蒸留装置をシャットダウンした。その後直ぐに、底部ポンプをスイッチオフすることにより生成物排出を中断し、ベンゼンポンプを止めることにより、カラム上部でのリターン流を止めた。真空ポンプは作動し続けた。かかった時間は5分であった。
装置、ポンプ、およびパイプラインをパージし空にするのにかかる時間を除き、修理処置のための準備(ニトロ化装置とアルカリ性および酸性廃水ワークアップ装置の循環モードの設定、ならびに洗浄装置と蒸留装置のシャットダウン)には、合計で11分かかった。
修理処置のための手順:
修理処置を比較例2に記載のように実施した。かかった時間は、また1.5時間であった。循環モード中の蒸気消費量は、6バールの蒸気が1.6トン、110バールの蒸気が0.4トンであった。循環モード中、真空ポンプおよび硫酸循環ポンプの運転に、400kWの電力が必要であった。
プラントを再始動するための手順:
第1に、粗ニトロベンゼンポンプを始動して粗ニトロベンゼンタンクから酸性洗浄装置への粗ニトロベンゼンの供給を運転状態にすることにより、洗浄装置を始動した。その後、酸性、アルカリ性、および中性洗浄水の経路をそれぞれのポンプをスイッチオンすることにより始動した。次に、酸性、アルカリ性、および中性洗浄装置を経る粗ニトロベンゼンの経路を、それぞれの洗浄装置の上流の粗ニトロベンゼン用デリバリーポンプをスイッチオンすることにより始動した。粗ニトロベンゼンおよび洗浄水で満たした洗浄装置は45℃であったが、製造プラントを始動した後、徐々に温めて48℃に戻した。
3°t/時でコンデンセートを送り込むことにより中性洗浄装置の最後の段階を運転中にしたところで、45℃の粗ニトロベンゼンを最後の中性洗浄装置から蒸留カラムへ流すことにより、蒸留装置を始動した。その後、カラムの底部ポンプを始動し、粗ニトロベンゼンを粗ニトロベンゼンタンクへ流した。次に、蒸留カラムに2t/時の16バールの蒸気を供給し、170℃に加熱した。カラムの上部で50℃で、ベンゼンポンプを始動することにより、還流装置を運転中にした。洗浄装置および蒸留装置は、1時間後に製造プラントを再始動する準備ができた状態となった。
次に、ベンゼンポンプおよび硝酸ポンプを始動することにより、25t/時のニトロベンゼンの製造量に相当するネームプレートの容量の50%でニトロ化装置を始動した。1分後、反応生成物は相分離装置に達し、酸性水ストリッパーを酸性廃水を排出するように設定し、蒸留装置の底部カラムをニトロベンゼン最終生成物を製品として排出するように設定した。同時に、アルカリ性廃水ワークアップ用ストリッパーをTDZへ排出するように切り替え、TDZを循環モードから廃水チャンネルへ排出するように切り替えた。製造プラントをネームプレートの負荷まで上げて運転することには、さらに1時間かかった。
修理処置を含むプラントの停止と循環モードからのスタートアップに要するエネルギー、およびかかる時間の評価:
処置にかかった合計時間は3時間41分であった。修理自体にかかった時間は1.5時間であった。循環モードへと停止するのに11分かかった。循環モードからスタートアップするのに1時間1分かかった。
従って、合計165トンのニトロベンゼンの製造が損なわれた。蒸気消費量は、6バールの蒸気が1.6トン、16バールの蒸気が2トン、および110バールの蒸気が0.8トンであった。循環モードへのプラントの停止において、蒸気を消費しなかった。修理処置には10m(STP)の窒素が必要であり、プラントの再始動には50m(STP)の窒素が必要であった。コンデンセートの消費は、7mであった(パイプラインのパージには2m、中性洗浄の停止およびスタートアップには5m)。電力の消費は、合計して1593kWであった。プラントの停止は、循環モードへのニトロ化装置の停止に178kW、清掃処置の間の循環モードに510kW、プラントのスタートアップに905kWの電力を消費した。
修理処置のための完全な停止(比較例2)対循環モード(実施例2)に関する結論:
完全な停止(比較例2)対本発明に係る循環モード(実施例2)に関する結論として、循環モードで消費される蒸気、電力、窒素、およびコンデンセートの量の方が少なかったということが言え、それに加えて、製造量が多くなることによって顕在化されるプラントの稼動率が明らかに高いということが言える。修理処置について節減された時間は、5時間48分であり、これは、ニトロベンゼンの製造量が290トン増えることに相当する。
稼動中の製造プラントにおけるMDAの製造に関する一般条件
連続的反応過程(ステップa))において、24.3t/時の投入量のアニリン(90質量%のアニリンを含有)、および9.9t/時の32%ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)(アニリン対ホルムアルデヒドのモル比は2.1:1)を、攪拌反応タンクで90℃、絶対圧1.4バールで混合し、アミナールに変換した。反応タンクに冷却回路ポンプを有する冷却装置を付けた。反応タンクを出る反応混合物を相分離装置(アミナール分離装置)に導いた(ステップb))。水相を除去するための相分離後、有機相を混合ノズルで30%の塩酸と混合し(10%のプロトン付加レベル、すなわち、1モルのアミノ基当り0.1molのHClを加える)、第1の転移反応装置へと流した。転移反応を反応装置カスケードで45℃〜165℃で実施した(ステップc))。反応が完了時したら、得られた反応混合物を32%水酸化ナトリウム溶液と1.1:1の水酸化ナトリウム対HClのモル比で混合し、攪拌中和槽で反応させた(ステップd))。温度は115℃であり、絶対圧は1.4バールであった。次に、中和した反応混合物を、中和分離装置で、廃水収集槽に導かれる下相の水相、および有機相に分離した(ステップe))。上相の有機相を洗浄オペレーションに導き、攪拌洗浄槽で、コンデンセートおよび/または廃水カラムの側流(アニリン/水混合物)からの水で洗浄した(ステップf))。洗浄水を洗浄水分離装置で除去した(ステップg))後、このようにして得られた粗MDAから蒸留により水およびアニリンを除去し、17t/時のMDAを底部生成物として得た(ステップh))。
比較例3:プラントの修理および再始動のために完全にシャットダウンするためのプラントの停止
まず、アニリンでパージすることにより非常に迅速にプラントを空にすることができるように、アニリン、粗MDA、および廃水などの全て再処理しなければならない廃品を最小量で生じさせるためにも、実施例1からの製造プラント全体を製造負荷が10t/時のMDAとなるようにした。
プラントのシャットダウンを、アミナール反応装置へのホルムアルデヒドの入力流を止めることで開始した。この目的のために、ホルムアルデヒドポンプを止め、ホルムアルデヒドリザーバータンクからのホルムアルデヒド経路から、10分間の水でのパージによりホルムアルデヒドを除去した。次に、プラントのアミナールセクションを3時間ある量のアニリンで希釈し、アミナールを生じる反応により残留ホルムアルデヒドを除去し、アミナール反応装置から出るアミナールをパージした。パージオペレーションの間、均一な質量流量率を確保するために、下流の装置でのレベルを下げる必要がないように、ここで無くなったアミナールの量とバランスが取れるように、アニリンの量を増加させた。ホルマリンの供給が止まった後、反応熱はもはや生じず、アミナール反応装置は67℃に冷えた。3時間後、アニリンの供給を止め、冷却回路装置をシャットダウンし、アミナール冷却装置、アミナールポンプ、および攪拌アミナール槽を、連続的に残留物をアミナール分離装置に流して空にした。アミナール槽の圧力は、パージオペレーションの間絶対圧が1.4バールのままであった。次に、パージアニリンおよびアニリンを上回る残留水を第1の転移反応装置へと流すことにより、アミナール分離装置も同様に、残留物が無い空の状態にした。そして、アミナールセクションは停止となった。停止には合計で5時間かかった。
次に、転移反応装置の反応装置カスケードを停止した。ここで、プラントのアミナールセクションのシャットダウンの開始から2時間後という早い段階で、反応熱の損失を補うために、反応装置カスケードをより多量の蒸気で満たした。反応装置カスケードの温度を45℃から165℃にした。アミナール分離装置からの残留物を無くして空にすることを始めるのと同時に、第1の転移反応装置の上流の混合ノズルへ30%の塩酸を定量して加えることを終わらせることで、反応装置カスケードの停止を開始した。次に、反応装置カスケードの反応装置を中和のために連続的に空にして運転した。最後の転移タンクが空になると、蒸気と真空が止まった。そして、転移反応装置の反応装置カスケードは、停止となった。停止には合計で3時間かかった。
その後、32%水酸化ナトリウム溶液を、転移反応装置の反応装置カスケードからの希釈された反応混合物よりも10分間長く攪拌中和槽に流すことにより、中和装置を運転休止にした。次に、攪拌中和槽および分離装置の中を、残留物をアルカリ性排出槽に流して空にした。絶対圧は1.4バールのままであった。そして、中和装置は停止となった。残留物を無くして空にする停止オペレーションには2時間かかった。
次に、最初にコンデンセートおよび/または廃水カラムの側流(アニリン/水混合物)からの水を攪拌洗浄槽へと1つの回路内で流すことにより、洗浄装置を運転休止にした。洗浄槽の攪拌器をスイッチオフし、洗浄槽の内容物を洗浄水分離装置に流した。洗浄水分離装置の内容物を蒸留リザーバーに流した。そして、洗浄装置は停止となった。停止オペレーションには2時間かかった。
最後に、洗浄装置からの残留物を無くして空にした後、アニリンリザーバータンクからの6t/時のアニリンで蒸留装置に存在する粗MDAを希釈して完全な蒸留装置を循環モードに切り替えることにより、蒸留装置をシャットダウンした。蒸留装置への蒸気を止めた。4時間に亘って存続する真空により、蒸留装置を「低温」で運転した。続いて、真空装置を止め、完全な蒸留装置(蒸留リザーバー、熱交換器、凝縮システムを有する先行蒸留カラム、底部吹出孔を有するMDAカラム、蒸気発生器)の内容物をアルカリ性排出槽に流して空にした。そして、蒸留装置は停止となり、停止オペレーションには4時間かかった。
蒸留装置の低温運転の間、廃水収集槽、廃水加熱器、およびアニリン分離槽からなる廃水抽出装置からのアニリン/水混合物を廃水タンクに最初に流すことにより、廃水ワークアップを運転休止にした。熱交換器、凝縮システムを有するプロセス廃水蒸留カラム、プロセス廃水冷却器、およびプロセス廃水蒸留カラムの側流リザーバーからなる廃水蒸留装置を、廃水蒸留装置への蒸気を止め、次いで、廃水蒸留装置の内容物を廃水タンクに流すことにより、シャットダウンした。
ここで、完全なMDAプラントは停止となり、また、この時点で完全に空になっていた。プラントの圧力維持装置の全てを運転休止にすることにより、プラントの圧力を周囲圧力に調整した。プラントから残留物質を排出するために、全てのプラントセクションの残留物排出弁を再度開いた。全ての装置、ポンプ、およびパイプラインを空にする完全なシャットダウンには、合計で24時間かかった。
消費量:
真空を解除するために20m(STP)の窒素、および蒸留装置の循環モードのために500kWの電力を消費した。また、転移反応装置の反応装置カスケードにおいて必要となる蒸気が多くなり、6バールの蒸気が5トン、16バールの蒸気が5トン必要であった。また、アミナール反応で使用する前に処理しなければならない10トンのパージアニリンが生じた。
1日限りの保守処置の実施
洗浄槽の欠陥のある攪拌器ユニットを交換する必要があった。
プラントを再始動するための準備
全プラントセクションを最初に循環モードにした。プラントの再始動を、プラント全体の全回路を並行して始めることにより開始した。まず、プラントセクションをアニリンおよび/またはHClまたはNaOHなどの添加剤で満たした。
アミナールセクションの充填および循環モードの設定:
まず、アニリンリザーバーをアニリンリザーバータンクからのフレッシュアニリンで満たした。次に、アニリンがサイフォンを通ってアミナール分離装置に入るまで、空のアミナール反応装置をアニリンで満たした。アミナール分離装置がアニリンで半分満たされたら、アミナール反応装置へのアニリン流を止め、アミナール分離装置からのポンプによりアミナールの循環モードを実行する。次に、アミナール分離装置からアミナール反応装置へと4t/時のアニリンを1つの回路内でポンプによりくみ出した。かかった時間:3時間。
転移反応装置の反応装置カスケードの充填および循環モードの設定:
第1の転移反応装置をアニリンリザーバータンクからのフレッシュアニリンで60%のレベルまで満たした。次に、アニリン流を止め、第1の転移反応装置から、排出ポンプにより24t/時のフレッシュアニリンを1つの回路内にくみ出した。反応装置カスケードの残りの転移反応装置を、アニリン、塩酸、および微量の粗MDAからなる酸性排出槽からの混合物で満たし、転移循環モードを、最後の転移反応装置から第2の転移反応装置の転移反応装置のポンプにより、運転中に設定した。次に、10t/時の酸性排出槽からの混合物を1つの回路内にポンプでくみ出し、蒸気で100℃に加熱した。酸性排出槽からの残った15トンの混合物を、製造過程で後に加えなければならないが、このことは、最終生成物の二環式の含有量が変動することを意味する。かかった時間:8時間。
中和装置の充填および循環モードの設定:
水酸化ナトリウム溶液リザーバータンクからの2トンの32%水酸化ナトリウム溶液、およびコンデンセートリザーバー槽からの8トンのコンデンセートを、攪拌中和槽に流した。次に、攪拌中和槽を充填し、2トンの希水酸化ナトリウム溶液をサイフォンを通して中和分離装置に流した。中和分離装置のポンプによって、希水酸化ナトリウム溶液を中和分離装置から攪拌中和槽へとくみ出すことにより、循環モードを運転中に設定した。次に、4t/時の希水酸化ナトリウム溶液を、中和分離装置から攪拌中和槽へと1つの回路内にくみ出した。かかった時間:4時間。
洗浄オペレーション装置を充填せず、循環モードにもしなかった:
洗浄オペレーション装置の攪拌槽および連結された分離装置は、プラントをスタートアップするまで、空のままであった。
蒸留装置の充填および循環モードの設定:
蒸留リザーバーをアニリンリザーバータンクからのフレッシュアニリンで60%の充填レベルまで満たした。蒸留リザーバーの次に、熱交換器、凝縮システムを有する先行蒸留カラム、底部吹出孔を有するMDAカラム、および蒸気発生器からなる完全な蒸留装置をフレッシュアニリンで満たし、フレッシュアニリンを止め、10t/時のフレッシュアニリンを先行蒸留カラムおよびMDAカラムを通して1つの回路内に流した。続いて、蒸留装置の真空装置を運転中にし、蒸留装置全体を蒸気で100℃に加熱した。かかった時間:5時間。
廃水処理装置の充填および循環モードの設定:
廃水を廃水タンクから廃水収集槽へポンプでくみ出した。次に、廃水を廃水収集槽から廃水加熱器およびアニリン分離槽に送った。次に、アニリンリザーバータンクからのフレッシュアニリンを廃水加熱器に加え、次いで、廃水加熱器を90℃に加熱し、廃水加熱器からのフレッシュアニリンと廃水の混合物をアニリン分離槽および廃水収集槽を通して1つの回路内に流した。廃水蒸留装置は、プラントをスタートアップするまで、運転停止のままであった。かかった時間:5時間。
記載のようにプラント全体を循環モードにするには、プラントの各部を並行して充填するので、合計で15時間が必要である。この目的のために、50トンの16バールの蒸気、およびモーターの運転のための9500kWの電力が必要であった。
プラントの再始動
それぞれの運転セグメントが循環状態となっているプラントを再度試運転するための準備で記載されているようにプラントを運転した。このことは、プラントは加熱され、攪拌器は運転中であり、窒素によるブランケッティング圧力および減圧が必要とされる領域で利用可能であったことを意味する。供給原料および添加剤は、使える状態であった。
真空システムを有する蒸留装置のスタートアップ
真空システムを有する蒸留装置は、循環モードであった。先行蒸留カラムおよびMDAカラムの真空システムを運転中にし、120ミリバールの絶対圧に設定した。次に、先行蒸留カラムへの16バールの蒸気(消費量:40トン)、およびMDAカラムへの110バールの蒸気(消費量:10トン)を開放し、カラムを加熱した。先行蒸留カラムの温度は、190℃であり、MDAカラムの温度は、225℃であった。循環モードの期間、蒸留に必要なアニリンを、アニリンリザーバーから蒸留装置のポンプリザーバーに送り込んだ。蒸気発生器は運転中であった。そして、蒸留装置の運転セグメントは、粗MDAを受け入れることができる状態となった。かかった時間:3時間。
アミナール反応装置のスタートアップ:
蒸留装置が粗MDAを受け入れることができる状態になる30分前に、アニリンをアミナール反応装置に対して開放し、10分後にホルマリン流を開始することにより、アミナールの製造を始めた。同時に、アミナール分離装置から転移反応装置の第1の反応装置への90℃の有機相の経路を開放し、第1の転移反応装置の温度を減圧により50℃に下げた。ここで、転移反応装置の酸性触媒作用を塩酸で開始することが可能となった。アミナール分離装置で得られたアミナール水を廃水ワークアップ装置に送った。そして、アミナール反応の運転セグメントは始動され、アミナール溶液を転移反応装置へ流した。かかった時間:15分。
転移反応装置のスタートアップ:
塩酸流を運転中にし、第1の転移反応装置の温度が達成されたら、他の転移反応装置および反応装置カスケードの遅延タワーを60℃へ加熱し、最後の反応装置が165℃になるまで加熱した(消費量:60トンの16バールの蒸気)。そして、転移反応装置の運転セグメントは始動され、MDA、アニリン、および塩酸からなる縮合溶液(粗MDA)を次に中和した。かかった時間:10分。
中和装置のスタートアップ
水酸化ナトリウム溶液および洗浄水を攪拌中和槽に流すことにより、水酸化ナトリウム溶液定量ユニットを運転中にした。10分後、転移反応装置からの酸性縮合溶液の経路を開放した。そして、中和装置の運転セグメントは始動され、粗MDAを洗浄することが可能となった。かかった時間:10分。
洗浄装置のスタートアップ
116℃の中和した粗MDAはMDA洗浄器に到達し、粗MDAをコンデンセートで洗浄した。コンデンセートおよび/またはプロセス廃水カラムからの側流からなる洗浄水の添加を開始した。そして、洗浄装置の運転セグメントは始動された。粗MDAは、相分離装置に残り、粗MDAを蒸留装置に流した。かかった時間:5分。
廃水ワークアップ装置のスタートアップ
中和装置および洗浄装置が運転するようになったら直ぐに、廃水抽出装置および廃水蒸留装置を運転中にすることにより、廃水ワークアップ装置を始動した。この目的のために、廃水収集槽に達した、上記のプロセスステップ(中和、洗浄、および蒸留)から得られた廃水を、ポンプにより、プロセス廃水加熱器を通過させてアニリン分離槽へと流した。抽出された廃水は、そこから廃水蒸留装置へと流れた。廃水蒸留装置を20トンの6バールの蒸気で107℃に加熱し、廃水は、製造プラントに残った。かかった時間:2時間。
ここで、完全なMDAプラントを負荷を減らし10t/時のMDAで運転し、それから、所望の目標生産高へと試運転することができた。全体として、プラント全体を記載したような循環モードから運転中にし、最初の最終生成物をMDAタンクに排出するのに、10時間が必要であった。この目的のために、100トンの16バールの蒸気、10トンの110バールの蒸気、および20トンの6バールの蒸気が必要であり、モーターを運転するために6315kWの電力も必要であった。
アミナール、ならびに転移反応、中和、洗浄、および廃水ワークアップ、および蒸留に要する温度プロフィールが、別の方法では十分に迅速に利用可能にならないので、製造プラントを負荷を減らしてスタートアップすることが絶対に必要であった。このことは、不完全な反応、副産物の増加、生成物の不十分なワークアップをもたらし得る。
結論:
完全な製造シャットダウン(停止、処置、およびスタートアップ)にかかる時間は、73時間に亘った。
目的(停止、処置、およびスタートアップ)のためのエネルギー消費は、電力が15815kW、16バールの蒸気が105トン、110バールの蒸気が10トン、および6バールの蒸気が25トンであった。また、真空を解除するために、20m(STP)の窒素の形態の添加剤を消費した。
実施例3:プラントを循環モードにすること、洗浄オペレーションで修理すること、循環モードからプラントを再度試運転すること
まず、製造プラント全体を、その後プラント全体を循環モードにするために、比較例3のように最適な製造負荷である10t/時のMDAにした。
プラントの循環モードへの実際の調整を、アミナール反応装置へのホルマリンの入力流を止めることで開始した。この目的のために、ホルムアルデヒドポンプを止め、ホルムアルデヒドリザーバータンクからのホルムアルデヒド経路から、10分間の水でのパージによりホルムアルデヒドを除去した。次に、プラントのアミナールセクションを30分間アニリンで希釈し、アミナールを生じる反応によりホルムアルデヒドの除去を続け、アミナール溶液を希釈した。パージオペレーションの間、均一な質量流量率を確保するために、下流の装置でのレベルを下げる必要がないように、ここで無くなったアミナールの量とバランスが取れるように、アニリンの量を増加させた。ホルムアルデヒドの供給が止まった後、反応熱はもはや生じず、アミナール反応装置は67℃に冷えた。30分後、アニリンの供給を止め、アニリンで希釈された冷却されていない状態のアミナールをアミナール反応装置からサイフォンを通してアミナール分離装置にポンプによりくみ出し、そこからアミナール反応装置に循環させて戻すことにより、プラントのアミナールセクションを循環モードにした。アミナール槽の圧力は、循環モードの間絶対圧が1.4バールのままであった。プラントのアミナールセクションの循環モードへの調整には、合計で1時間かかった。
次に、転移反応装置の反応装置カスケードを、最初に塩酸流を止め、次に、アミナール流を止めることにより、循環モードにした。そして、MDA、アニリン、および塩酸からなる縮合溶液を、加熱せずに、最後の転移反応装置から第1の転移反応装置へとポンプでくみ出し、反応装置カスケードを循環させることが可能となった。プラントの転移セクションの循環モードへの調整には、合計で1時間かかった。
次に、中和装置を、最初に転移反応装置から流れてくる酸性縮合溶液を止め、10分後に32%水酸化ナトリウム溶液および洗浄水を止めることにより、循環モードにした。その次に、循環ポンプにより、中和分離装置の内容物を中和分離装置から攪拌中和槽へとサイフォンを通してくみ出し、中和分離装置に戻した。こうして循環モードは停止となった。中和装置の絶対圧は、1.4バールの絶対圧のままであった。プラントの中和セクションの循環モードへの調整には、合計で40分かかった。
次に、コンデンセートからなる洗浄水を攪拌洗浄槽に加えることを終了することにより、洗浄装置をシャットダウンした。洗浄槽の撹拌器をスイッチオフした。洗浄オペレーションでの修理処置の準備のために、洗浄槽の内容物を洗浄水分離装置に流した。洗浄水分離装置の内容物を蒸留リザーバーに流した。そして、洗浄装置は停止となった。停止オペレーションには2時間かかった。
最後に、蒸留装置を、洗浄装置からの残留物を無くして空にした後、アニリンリザーバータンクからの6t/時のアニリンで蒸留装置に存在する粗MDAを希釈することにより、循環モードにした。それ以上の粗MDAが、蒸留装置のポンプリザーバーに到達することはなかった。MDAカラムからの底部流出物を蒸気発生器および熱交換器を通過させ、蒸留装置のポンプリザーバーに戻した。その結果、前記流出物は、ポンプリザーバー、熱交換器、先行蒸留カラムを通ってMDAカラムの底部に戻り循環して流れた。そして、先行蒸留カラムおよびMDAカラムへの蒸気を止めることが可能になった。続いて、前記の2つのカラムの真空システムをシャットダウンすることが可能になった。プラントの蒸留セクションの循環モードへの調整には、合計で3時間かかった。
最後に、さらなるプロセス水が生じなくなったら、廃水ワークアップ装置を循環モードにした。廃水収集槽、廃水加熱器、およびアニリン分離槽からなる廃水抽出装置を、流出物の流れをアニリン分離槽から廃水収集槽へと切り替え、ポンプにより流出物をプロセス廃水加熱器を通ってアニリン分離槽に循環するようにくみ出すことにより、循環モードにした。加熱することなく循環モードを無期限に運転することが可能になった。熱交換器、凝縮システムを有するプロセス廃水蒸留カラム、プロセス廃水冷却器、およびプロセス廃水蒸留カラムの側流リザーバーからなる廃水蒸留装置を、カラムへの蒸気を止めることにより、シャットダウンした。廃水蒸留装置の循環モードはここでは目的としなかった。
ここで、洗浄装置を除く完全なMDAプラントは、循環モードで運転されるようになった。循環モードの設定には6時間かかった。
消費量:
真空の解除に20m(STP)の窒素、プラントを循環モードにするのに3825kWの電力、蒸留装置でパージアニリンが10トン生じ、パージアニリンは、アミナール反応で使用する前に処理しなければならなかった。
1日限りの保守処置の実施
欠陥のあるサイトグラスおよび漏れが起こるシールを洗浄槽で交換しなければならなかった。処置中の循環モードには、15300kWの電力が必要であった。回路の温度を保つために、極少量の蒸気が消費された(12トンの16バールの蒸気)。
プラントを再始動するための準備
全てのプラントセクションが既に循環モードで運転されていたので、プラントを再始動するための準備はなかった。従って、アニリンおよび/または塩酸もしくは水酸化ナトリウム溶液などの添加剤でプラントセクションを充填することもなかった。
プラントの再始動
プラントの再始動の準備において、上記のようにそれぞれの運転セグメントを循環状態にしてプラントを運転した。供給原料および添加剤は準備できており、プラントセクションは加熱されており、撹拌器は運転中であり、窒素のブランケッティング圧力は必要な領域で利用可能であり、真空も同様に利用可能であった。
プラントの再始動を比較例3に記載のように実施した。ここで、完全なMDAプラントを負荷を減らし10t/時のMDAで運転し、それから、所望の目標生産高へと試運転することができた。全体として、プラント全体を記載したような循環モードから運転中にし、最初の最終生成物をMDAタンクに排出するのに、また10時間が必要であった。この目的のために、100トンの16バールの蒸気、10トンの110バールの蒸気、および20トンの6バールの蒸気が必要であり、モーターを運転するために6315kWの電力も必要であった。
オペレーション全体(停止、処置の実施、およびスタートアップ)にかかった時間は、40時間であった。従って、ネームプレートの負荷が1日当り380トンの場合、比較例3と比べて522.5トンのMDAがさらに製造された。
オペレーション全体(停止、処置、およびスタートアップ)のエネルギー消費は、25500kWの電力、112トンの16バールの蒸気、10トンの110バールの蒸気、および25トンの6バールの蒸気、ならびに真空を解除するための20m(STP)の窒素の形態の添加剤の消費を含んでなった。
結論:
循環モードを有する本発明の実施例3において、比較例3のプラントの完全なシャットダウンの場合よりも、7トンの16バールの蒸気および9685kWの電力がさらに消費された。一方で、オペレーション全体(停止、処置、およびスタートアップ)にかかる時間が短くなったため、500トンのMDAがさらに製造可能であったので、プラントの生産性が大幅に向上したことが分かる。

Claims (11)

  1. 化学製品製造用プラントを、製造方法の1時間〜5日間の期間のシャットダウン中に運転する方法であって、
    前記プラントが、以下の(I)〜(III)のプラントセクション:
    (I)少なくとも1種の化学出発物質から前記化学製品を含む生成物混合物への変換を実施するための反応装置、
    (II)反応装置(I)で得られる生成物混合物から粗生成物を、該粗生成物から分離された成分を含んでなる少なくとも1つの副流と共に得るためのワークアップ装置、および
    (III)前記ワークアップ装置(II)で得られる粗生成物を精製して、精製された最終生成物としての前記化学製品を得、この精製された最終生成物から分離された成分を含んでなる少なくとも1つの副流を除去するための精製装置
    を含んでなるものであり、
    以下のステップ:
    (i)前記反応装置(I)への少なくとも1種の化学出発物質の供給を止めるステップ、
    (ii)それぞれのプラントセクションの出力流を該プラントセクションまたは上流のプラントセクションへの入力流として使用するように、少なくとも1つのプラントセクションを運転するステップ;
    (iii)少なくとも1つのプラントセクションをシャットダウンするステップ;
    (iv)ステップ(iii)でシャットダウンした前記少なくとも1つのプラントセクションを開放する任意のステップ;
    (v)ステップ(iii)でシャットダウンした前記プラントセクションで、保守、清掃、点検、および/または修理処置を実施するステップ;
    (vi)ステップ(v)からの前記少なくとも1つのプラントセクションを閉鎖し、必要に応じて不活性化するステップ;
    (vii)ステップ(vi)からの前記少なくとも1つのプラントセクションをスタートアップするステップ;
    (viii)前記反応装置(I)への前記少なくとも1種の基質の供給を開始するステップ
    を含んでなる、方法。
  2. 前記プラントが、以下の(IV)および(V)のプラントセクション:
    (IV)前記ワークアップ装置(II)で得られる前記少なくとも1つの副流をワークアップするためのワークアップユニット、
    (V)前記精製装置(III)で得られる前記少なくとも1つの副流をワークアップするためのワークアップユニット
    をさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応装置(I)が、少なくとも2種の化学出発物質の変換を実施するための反応装置である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ステップ(i)が、全ての化学出発物質の供給を止めるステップを含んでなる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ステップ(ii)が、それぞれのプラントセクションの出力流を該プラントセクションまたは上流のプラントセクションへの入力流として使用するように、(iii)におけるシャットダウンはなく全てのプラントセクションを運転するステップを含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記化学製品が、ポリカーボネートもしくはその前駆物質の1つ、イソシアネートもしくはその前駆物質の1つ、オレフィン、芳香族化合物、またはポリオレフィンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記化学製品が、医薬品有効成分である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ワークアップ装置(II)が相分離装置である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記精製装置(III)が蒸留装置である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ワークアップユニット(IV)が、ステップ(II)からの少なくとも1つの副流の蒸留またはストリッピング用装置を含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記ワークアップユニット(V)が、ステップ(III)からの少なくとも1つの副流の蒸留またはストリッピング用装置を含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
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