JP2006280403A - 食器洗い機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸素系漂白剤の特性を考慮して、食器洗い機に酸素系漂白剤を投入して最適な漂白条件を設定することにより、酸素系漂白剤の漂白効果を高める。
【解決手段】 酸素系漂白剤を主体とした漂白剤を食器洗い機へ投入し、この漂白剤を洗浄水に溶解させた漂白液を洗浄手段によって被洗浄物へ向けて噴射して漂白を行う漂白工程を有する食器洗い機であって、漂白液を加熱する加熱手段と、漂白液の温度を検出する漂白液温検知手段と、前記洗浄手段と前記加熱手段の動作を制御する制御手段とを備えた食器洗い機において、前記制御手段5は漂白工程での前記漂白液温検知手段の検出情報に基づいて、漂白液を漂白に最適な第一目標温度となるまで前記加熱手段を動作させ、この第一目標温度到達後に加熱を停止させると共に、所定時間経過後に加熱を再開して漂白液中に酸素を分散させながら第二目標温度となるまで前記加熱手段を動作させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、食器やまな板といった台所で使用され、定期的に漂白される機材を食洗機で漂白する方法に関するものである。
従来は、これらの機材を濃度調整した漂白液によるつけおき漂白、もしくは、食器洗い機内部で合成した電解水による食器洗い機漂白を行ってきた。
台所では、洗剤では除去できない茶しぶやしみ、黒ずみを除去するために漂白剤を用いた漂白作業が行われている。このときに使用される漂白剤には塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の2種類がある。このうち、最も普及しているのは、塩素系漂白剤の1種である次亜塩素酸ナトリウムNaOClである。次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする漂白剤は、安価で入手しやすく、塩素による強い漂白作用を有する。化学的に不安定であるため、一般には安定化剤として水酸化ナトリウムを添加した数w/v%濃度の水溶液として流通している。この次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする漂白剤は100倍程度に希釈してから、30分から一昼夜程度漂白対象物を浸漬させるつけおき漂白に利用されることが多い。この方法は簡単で効果も大きいが、漂白剤自身が強い刺激臭を有し、ぬるみのある扱いにくい液体であることから、漂白液の調整時に漂白剤が手につきやすい、手についた場合は水酸化ナトリウムの作用により手の油脂分が鹸化・脱離するため手荒れが起こるといった問題点を有していた。さらに、希釈後の漂白液自体も塩素ガスを発生するため常に換気が必要といった問題点も有していた。つけおき漂白後には、漂白後の漂白対象物を流水で30秒以上すすぐ必要があるが、すすぎが不十分な場合には漂白成分である次亜塩素酸ナトリウムが漂白対象物に残存して塩素臭が抜けないというような不完全な作業に起因する問題点や、つけこみ作業によりシンクが塞がれて一時的に台所作業ができないなどといったつけおき漂白特有の問題点、さらには、流水すすぎに伴うランニングコスト増大といった問題点を有していた。
これらの問題点の中で塩素臭などの漂白成分自身に由来する問題点を解決するために、過酸化物を漂白成分とした酸素系漂白剤も市販されている。これらの酸素系漂白剤は、アルカリ性水溶液中での過酸化水素の酸化作用を利用するものであるが、過酸化水素が化学的に不安定であるためペルオクソ酸化合物である過ホウ酸ナトリウムや過炭酸ナトリウムなどが広く使用されている。
このうち、最も普及している過炭酸ナトリウムでは、漂白剤が粉末であるため塩素系漂白剤に比べて取扱いしやすい、漂白中に塩素が発生しないなどの利点を有する。しかしながら、塩素系漂白剤よりも漂白作用が弱く、使用前に粉末を溶解させる手間が生じるといった問題点を有していた。また、台所のシンクを占領し、使用水量が多いといったつけおき漂白自体に起因する問題点は解決できなかった。
このような背景から、つけおき漂白自体の問題点を解決する方法として、食器洗い機を利用した漂白方法が発明されている。これらは食器洗い機内部に水または投入された食塩に由来する塩素イオンを電気分解して次亜塩素酸ナトリウムを合成しながら、あるいは合成後に食器洗い機を運転することで食器洗い機に入れられた食器などを漂白する方法である。(例えば、特許文献1参照)。さらには、水または電解質溶液を電気分解する装置を着脱式の漂白機構付食器洗い機(例えば、特許文献2参照)や、食器洗い機の循環流路内に電気分解装置を組み込んで食塩水から次亜塩素酸ナトリウムを合成して食器洗い機内の漂白対象物を漂白する方法(例えば、特許文献3参照)が発明されている。
これらの方法によれば、食器洗い機内部で次亜塩素酸ナトリウムが合成されるため、作業者への漂白液の接触はなくなり、漂白剤の希釈やつけおき作業といった手間が不要となる。さらに、食器洗い機により漂白液を漂白対象物に噴射しながら漂白とすすぎを行うため、つけおき漂白に比べて高い漂白効果と高いすすぎ効果が得られ、しかも、使用水量を削減できるという利点がある。
しかしながら漂白に必要な数10mg/L以上の濃度の次亜塩素酸ナトリウムを作成するため電気分解は、電極の消耗を防止するために、10A/cm程度の比較的小さな電流密度条件下で行われることが多い。このとき、次亜塩素酸ナトリウムの合成速度は1分あたり1mg/L程度にとどまるため、実際の漂白に使用可能な濃度の漂白液を得るためには数10分以上の時間が必要となる。そのため、漂白に必要な時間がつけおき漂白よりもかえって長くなるという問題点を有していた。また、漂白成分自体は次亜塩素酸ナトリウムであるため、漂白中の塩素ガスの発生は回避できない。そのため、食器洗い機の排気口15から排出される排気に刺激臭が伴う、漂白時間中は換気が必要といった塩素系漂白剤の性質に由来する課題は解決できなかった。さらに、次亜塩素酸ナトリウム合成のためには、塩化ナトリウム以外にも、電気分解のための電力量や触媒として白金やインジウムなどの貴金属を担持した電極の交換費用などが必要であるため、決して安価や漂白方法ではない。これらは、電気分解を利用した食器洗い機での漂白方法では回避できない課題であった。
定期的に台所機材を漂白する家庭では、食器やまな板、湯のみやコーヒーカップなどを2週間〜1ヶ月に1回程度の頻度で行っていることから、前述のような台所での漂白作業における問題点は日常的に発生している状態にあった。
特開平5−329088号公報 特開2003−38408号公報 特開2004−97365号公報
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、食器洗い機に酸素系漂白剤を投入して最適な漂白条件を設定することにより、酸素系漂白剤の漂白効果を高めるとともに、漂白液からマイクロバブルを積極的に発生させる物理的洗浄手段と組み合わせ、さらに、漂白剤の漂白対象物への残存が少なくするできるすすぎ条件を食器洗い機で実現することで、従来の次亜塩素酸ナトリウムを使用したつけおき漂白や塩化ナトリウムの電気分解を利用した食器洗い機での漂白運転の問題点を解決できる食器洗い機を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、酸素系漂白剤を主体とした漂白剤を食器洗い機へ投入し、この漂白剤を洗浄水に溶解させた漂白液を洗浄手段によって被洗浄物へ向けて噴射して漂白を行う漂白工程を有する食器洗い機であって、前記漂白液を加熱する加熱手段と、前記漂白液の温度を検出する漂白液温検知手段と、前記洗浄手段と前記加熱手段の動作を制御する制御手段とを備えた食器洗い機において、前記制御手段は漂白工程での前記漂白液温検知手段の検出情報に基づいて、前記漂白液を漂白に最適な第一目標温度となるまで前記加熱手段を動作させ、この第一目標温度到達後に加熱を停止させると共に、所定時間経過後に加熱を再開して漂白液中に酸素を分散させながら前記第一目標温度よりも高い第二目標温度となるまで前記加熱手段を動作させることにより、食器洗い機内でペルオクソ酸に代表される酸素系漂白剤の漂白力を高めることを可能とした。
上記目的を達成するために請求項2記載の発明によれば、前記制御手段において、前記第一目標温度が45℃以上55℃以下とすることにより、酸素系漂白剤の漂白効果が高い状態を維持し、漂白対象物の汚れの分解を促進することを可能とした。
上記目的を達成するために請求項3記載の発明によれば、前記制御手段において、前記第二目標温度が65℃以上75℃以下とすることにより、食器洗い機内の漂白液から発生するマイクロバブルの量を高め、漂白対象物の汚れの分解と除去を促進することを可能とした。
上記目的を達成するために請求項4記載の発明によれば、前記制御手段は、前記漂白工程での前記漂白液の平均加温速度が毎分0.5℃以上5.0℃以下となるように前記加熱手段を制御することにより、マイクロバブルが漂白対象物を洗浄するのに必要な接触時間を確保するとともに漂白時間を短くすることを可能とした。
上記目的を達成するために請求項5記載の発明によれば、前記制御手段において、前記第二目標温度到達後、前記第一目標温度到達まで加熱を停止し、前記第一目標温度到達後所定時間経過後に加熱を再開して前記漂白液中に酸素を分散させながら前記第二目標温度となるまで前記加熱手段を動作させることにより、まな板や五徳、ガスレンジに固着した油脂を除去することを可能とした。
上記目的を達成するために請求項6記載の発明によれば、前記食器洗い機は、前記漂白工程の前に洗剤を用いた洗浄工程を有し、前記制御手段は洗浄工程終了後に警報により報知を行うことで洗浄運転後の漂白剤投入時期を知らしめることにより、洗浄と漂白を引き続いて行うときの食器出し入れの面倒を省くことを可能とした。
上記目的を達成するために請求項7記載の発明によれば、前記食器洗い機は、開閉可能なドアとこのドアの開閉状態を検出するドア検出手段を設け、前記制御手段は前記警報による報知後一定時間経過しても前記ドア検出手段によるドアの開放が検出されないと、前記漂白工程を行わずにすすぎ工程に進むことにより、漂白対象物の表面に洗剤の残存のない安全な状態で運転を停止させることを可能とした。
上記目的を達成するために請求項8記載の発明によれば、前記食器洗い機は、前記漂白工程後に複数回すすぎを行うすすぎ工程を有し、前記制御手段は各すすぎ時のすすぎ水の温度が前記漂白工程の終了時の漂白液温度よりも低くなるように前記加熱手段を制御することにより、庫内や食器に対して漂白分解物から発生する臭気成分が付着しにくくすることを可能とした。
上記目的を達成するために請求項9記載の発明によれば、前記食器洗い機は、前記漂白工程後に複数回すすぎを行うすすぎ工程を有し、前記制御手段は漂白工程でのすすぎ回数を前記食器洗い機が標準として設定している洗浄工程のすすぎ回数よりも少なくすることにより、少ない水量での食器洗い機での漂白を可能にした。
上記目的を達成するために請求項10記載の発明によれば、前記制御手段は、前記漂白工程開始時に食器洗い機への給水がなされた後、洗浄水を前記洗浄手段から被洗浄物へ向けて噴射する前に洗浄水を排水することを可能としたことにより、例えば、食器洗い機を傷めるような濃度の市販の塩素系漂白剤が投入された場合に洗浄水を希釈させることで食器洗い機が故障しにくくすることを可能とした。
上記目的を達成するために請求項11記載の発明によれば、前記食器洗い機は、塩素系漂白剤を主体とした食器洗い乾燥機用漂白剤を使用することが可能であり、その場合において前記制御手段は、前記酸素系漂白剤を主体とする漂白剤使用時とは異なる態様で前記加熱手段を制御することにより、漂白剤の種類を選択できる食器洗い機での漂白を可能にした。
本発明によれば、漂白力が弱いとされていた酸素系漂白剤の漂白力を塩素系漂白剤以上に高め、刺激臭をなくし、台所での漂白に伴う手間を少なくするという効果がある。また、食器洗い機により効果的なすすぎを行うため、漂白対象物への漂白剤の残留が少なく、使用水量の少なくする効果を有する。さらに、劣化した油脂などの従来漂白されにくかったシミや汚れの漂白を可能となる。また、漂白対象物を食器洗い機から出すことなく、洗浄から漂白までを行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の食器洗い機の構成を示す断面図である。図2は同食器洗い機の操作部概略部である。図3〜図5は食器洗い機の同食器洗い機の制御フローである。図6,7は同食器洗い機における漂白工程表である。
図1を用いて本実施形態の食器洗い機の基本的な運転動作を説明する。使用者は洗浄槽1の前面に設けられた扉3を開けて食器かご2をその扉3の上面に取出し、食器かご2に食器(図示せず)を並べる。そして、扉3に設けられたポケット状の洗剤入れ14に洗剤を入れて扉3を閉じる。食器洗い機の運転を開始すると、マイクロコンピュータ等によって構成された制御手段5は、まず供給手段6より給水を開始する。洗浄水は洗浄槽1底部にためられ、洗浄槽1と連通した水量検知手段7により洗浄槽1にためられた洗浄水が加圧された状態で、洗浄槽1底部に設けられ、略水平に回転する洗浄ノズル9に供給され、洗浄ノズル9表面に設けられた噴射口10から、洗浄槽1に収納された(図示せず)食器に向かって噴射される。食器に噴射された洗浄水は再び洗浄槽1底部に戻り、洗浄ポンプ8を経て再び噴射口10から噴射されることで洗浄槽1内部を循環するため洗い方式を行う。ここで、食器から脱落した不溶性の固形分は洗浄槽1底部に配設された残菜フィルタ17上に捕捉される。所定時間が経過すると、洗浄ポンプ8は循環運転を停止し、可溶性の汚れ成分を含んだ洗浄水を排水流路13から洗浄槽1外へ排出する。続いて洗い工程と同様の一連の動作(給水、循環、排水)を複数回繰り返す(すすぎ工程、加熱すすぎ工程)ことにより、洗浄工程を終了する。ここで、一連の洗浄工程のうち、洗い工程およびおよび加熱すすぎ工程時においては、洗浄ポンプ8の循環運転と同時に洗浄槽1底部に設けられたヒータ12を動作させることにより、洗浄水を所定の温度まで加熱する。その際、洗浄水の温度が漂白液温検知手段11によって検知され、制御手段5はその検知結果に基づいてヒータ12への通電量を制御して洗浄水を所定温度まで加熱する。なお、本実施形態において洗浄ポンプ8は正転時に洗浄水の循環(食器への洗浄水噴射)、逆転時に洗浄水の排水を行う一体型となっているが、洗浄ポンプ8と排水ポンプが別体で構成されていても構わない。
図2は、食器洗い機の操作部概略図であり、操作パネル4上にはコーススイッチ20を設けており、洗浄コースとして「8分」、「洗剤なし」、「標準」の3つの洗浄コースを選択することが可能である。これらの洗浄コースは食器の汚れの度合い使用者が適宜選択する。また、コーススイッチ20には「漂白」、「洗浄→漂白」コースを設けており、目的に応じて使用者が選定することが可能である。
図3は、本発明の漂白コースを実現する制御手段5に格納されプログラムによって実行される制御フローである。「漂白」コースを選択した場合は、漂白専用シーケンスに従った運転を行う。洗浄コースおよび漂白コースの選択機能として、「ハイパワー」の機能選択スイッチ21が設けられている。「ハイパワー」の機能選択スイッチを選択した場合は、洗浄コースを選択した場合はヒータ12により高温で洗いまたはすすぎを行うより衛生的な洗浄を、漂白コースを選択した場合はより漂白力の高い漂白を選定することが可能となる。
なお、これらのコーススイッチ20やハイパワーの機能選択スイッチについては、夫々裏面にLEDが収納されており、押圧操作することによりこのLEDが点灯することによって、操作状態を認識できるものである。
「洗浄→漂白」コースを選択した場合は、食器の洗浄と漂白の2つの工程を食器洗い機から食器類を出さずに連続して行う運転を行う。
以下、まず「漂白」コースの工程について、図3の制御フローとこの制御フローに基づく温度特性について図6に基づいて説明する。
使用者は、食器洗い機中にまな板や湯のみ、急須などの漂白対象物をセットする。これらの漂白対象物は漂白のみを行う場合はあらかじめ洗浄しておく必要がある。また、洗浄と漂白を行う場合は、漂白対象物は使用後の、すなわち、洗剤で除去可能な汚れが付着した状態でセットする。
漂白対象物の汚れがあらかじめ除去されている場合、漂白対象物をセットした後に食器洗い機用漂白剤を所定量投入する。漂白剤の投入量は漂白対象物や漂白対象物に付着したシミや汚れの量、あるいは、食器洗い機の種類により異なるが、例えば、酸素系漂白剤の濃度として5,000mg/L以下となるように投入する。食器洗い機用漂白剤を投入した後、漂白コースを選定して、漂白運転を行う。まな板などに付着した劣化した油脂等を除去する場合は「ハイパワー」の機能選択スイッチ21を選択する。なお、この「ハイパワー」の機能選択スイッチが選択された場合の動作については後述する。
食器洗い機用漂白剤は低起泡性で、この漂白剤の主体、即ち重量比50%以上を占める漂白成分は、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムなどに代表されるペルオクソ酸である。また、漂白成分以外に漂白剤の効力を高めるための各種成分、例えば、漂白反応を促進するための漂白活性剤、金属イオンの妨害をなくすための金属封鎖剤や漂白剤の浸透を促進するための界面活性剤などが配合されることが望ましい。
このように、食器がセットされて漂白剤が投入された状態で、図2に示すコーススイッチ20の「漂白」スイッチが押され、その後に「スタート/一時停止」スイッチ19が押されると図3に基づく漂白工程が開始される。
この漂白工程での運転は、まず洗浄槽1内の残水の有無が水量検知手段7からの信号に基づいて判断され、残水があると判断されると洗浄ポンプ8を逆転させて排水を行う(S401)。この排水動作の後に、給水が行われて投入された漂白剤が漂白液として洗浄槽1の下部に溜まる(S402)。この溜まった漂白液は洗浄ポンプ8により洗浄ノズル9より漂白対象物に噴射される(S403)。食器洗い機には通常20℃から60℃の水が供給されるが、60℃給湯の場合でも、漂白対象物の熱容量により温度は低下する。例えば、食器を50点搭載した場合の漂白コース運転開始時における漂白液の温度は、40℃程度である。そのため、給水温度が60℃であっても、漂白運転のための特別な冷却機構は必要ない。
この洗浄ポンプ8の運転開始されるとヒータ12への通電も開始される(S304)。このヒータ12への通電により漂白液を第一到達温度目標である50℃付近まで加温される(S305)。なお、この加温中も洗浄ポンプは間欠的に運転されており、漂白液を間欠的に漂白対象物への噴射する。漂白効果を高め、漂白時間を短縮するために、昇温速度はできる限り大きくしてより早く第一到達温度目標に到達させることが望ましい。なお、温度検出に使用するサーミスタの誤差を考慮すると第一到達温度目標は45℃以上55℃とすることが望ましい。
漂白液の温度が第一目標温度に到達した後にヒータ12への通電を停止して(S306,図6におけるt1)、第一目標温度に近い温度の漂白液を漂白対象物に所定時間噴射する(S307,図6におけるt2〜t1)。第一目標温度に近い温度の漂白液の漂白対象物への噴射時間(t2−t1)を長くするほど高い漂白効果が得られる。この噴射時間は、例えば、湯のみに付着した茶しぶ等を落とすには10分程度、急須に付着した茶しぶやまな板に付着した油脂の劣化物などを除去するには22分程度確保する必要がある。
酸素系漂白剤の漂白作用は瞬間的に進む反応ではないため、漂白部位において一定時間以上接触させる必要がある。そのため、漂白反応が効率的に行うために噴射を間欠的に行う必要がある。この間欠条件は食器洗い機の噴射条件によって異なるものの、実験によって確認した望ましい洗浄ポンプ8の間欠運転条件は、例えば、6秒噴射2秒停止であった。
第一目標温度に近い温度の漂白液を所定時間噴射した後に、ヒータ12へ通電を再開して(S308)、漂白液の温度を第二到達温度目標である70℃付近に到達するまで加温しながら漂白対象物へ噴射する(S309)。この工程では漂白液を漂白対象物に十分に接触させながら加温することが必要であり、急激に温度を上昇させても十分な漂白効果は得られない。このような理由により、加温速度を毎分0.5℃以上5.0℃以下とすることが望ましい。この加温速度を調節するは、洗浄槽1底部にためられる漂白液量と搭載食器を考慮した熱容量から目標とする加熱速度が得られるヒータ12を選定する方法および大容量のヒータ12の通電を間欠的に行って加熱速度を調節する方法のいずれでもよい。なお、第二到達温度目標は、後述するマイクロバブルの発生が顕著となる55℃以上で、かつ、漂白対象物の耐熱温度以下である必要がある。漂白対象物である食器やまな板に使用される樹脂材料の耐熱温度は、例えば、弁当箱の本体やふたに多用されるAS樹脂やABS樹脂では80℃、最も普及しているプラスチックまな板のPE樹脂では70℃である。一般家庭で最も漂白することの多い機材であるプラスチック製のまな板を想定すると漂白温度の上限は70℃以下が望ましい。以上のような背景と温度検出に使用するサーミスタの誤差を考慮すると第二到達温度目標は65℃以上75℃とすることが望ましい。
ここで、本発明における漂白作用機構について過炭酸ナトリウムを例として説明する。
過炭酸ナトリウムはペルオクソ炭酸ナトリウムとも呼ばれるペルオクソ酸の一種で、結合水として過酸化水素が結合した過酸化水素化物とは異なり、加水分解によって徐々に過酸化水素を発生させる特徴を有する。過炭酸ナトリウムにおける炭酸ナトリウムと過酸化水素とはいくつかの組合せが知られているが、代表的な過炭酸ナトリウムでは、(1)式のように分解して過酸化水素を発生させる。
2NaCO・3H→2NaCO+3H (1)
ペルオクソ酸から放出された過酸化水素は、酸性水溶液中では還元剤として、アルカリ性水溶液中では酸化剤として作用する。(1)式により生成する水溶液は、炭酸ナトリウムの効果により、過酸化水素のアルカリ性水溶液となるため、(2)式に示す反応により電子を放出して、酸化剤として漂白対象物を漂白する。
→2O+2H+2e (2)
酸素系漂白剤の漂白原理は、(2)式に示した過酸化水素の還元反応によるものである。この反応は、繊維工業をはじめとしてパルプや食品などに広く用いられている方法である。
ペルオクソ酸を使用した漂白では、漂白の主体となる過酸化水素の供給過程、すなわち、過炭酸ナトリウムの加水分解((1)式)と、漂白成分による酸化過程でのシミや汚れが酸化される速度がつり合う必要がある。温度を高くした場合は、加水分解速度が大きくなって漂白主体である過酸化水素の供給速度が増加するものの、比較的高分子成分である漂白対象物に固着した茶しぶやシミの分解速度はそれほど大きくならないため、過剰となった過酸化水素が漂白作用によって低分子化して漂白液中に分散または溶解した茶しぶやシミ成分を酸化させる反応に消費される、あるいは、過酸化水素自体の分解が進むため漂白速度自体はかえって減少する。この過炭酸ナトリウムによる漂白の最適温度、すなわち、過酸化水素が漂白に有効に利用されてしかも漂白速度の大きい温度は、50℃近傍であり、これより高くてもまた低くても漂白作用は落ちることが報告されている。
前記第一目標温度はペルオクソ酸類の漂白速度が最も大きくなる温度条件である。そのため、漂白液をこの温度条件下で所定時間保持することで、過炭酸ナトリウムが十分に加水分解され、漂白対象物のシミや汚れを漂白することができる。
一方、漂白液の温度を50℃よりも大きくした場合、前述のように過酸化水素が有効に消費されないため、漂白力自体は弱くなる。このような条件下では(2)式の反応速度が大きくなっているがこのとき発生する分子状の酸素は、漂白液が飽和濃度に達するまでは漂白液中に溶解するが、飽和溶解度以上となった場合、あるいは飽和溶解度に達した後に加熱または撹拌などの機械的操作が加えられた場合、気泡となって漂白液中に分散する。食器洗い機内で酸素の気泡が発生する場合、ポンプ循環の撹拌効果も相まって非常に微小な気泡して分散する特徴がある。
食器洗い機で酸素系漂白剤を用いた場合に発生する気泡は、直径が直径数百μm以下と普通目にしている泡に比べて小さく、一般にはマイクロバブルと呼ばれているものである。このマイクロバブルは洗浄槽1内のみならず、漂白対象物の表面でも絶えず発生する。シミや汚れに染みこんだ漂白成分からマイクロバブルが発生した場合は、マイクロバブル発生時の圧力変動により、シミや汚れをはぎ取る効果が期待される。また、マイクロバブルは粒径が小さいため、高速流体では一種の剛体として振る舞う。そのため、漂白液が食器に噴射される過程で漂白対象物表面を擦過する物理的洗浄効果も期待される。以上より、漂白液中にマイクロバブルを発生させることで酸素系漂白剤の漂白効果を高めることができる。
これらのマイクロバブルを利用した漂白を行うには、マイクロバブルを一度に発生させるよりも漂白対象物の漂白速度に見合う速度でマイクロバブルを発生させた方が効果は高い。この昇温速度は、毎分0.5℃以上5.0℃以下が適当であった。毎分5℃よりも昇温速度が大きい場合はマイクロバブルの発生は多いものの漂白度は少ない結果が得られたこれは、マイクロバブルの発生速度が速すぎるため漂白対象物のシミや汚れに対する効果が少なくなったためと推察された。また、毎分0.5℃よりも昇温速度が小さい場合は十分な漂白効果が得られたものの、漂白時間が長くなり、しかも食器洗い機からの放熱量が多くなるため熱効率が低下し、結果として電力量が増加した。また、漂白液を65℃以上に加温した場合は、マイクロバブル自体の発生量が著しく減少した。これは、過酸化水素の原料となる過炭酸ナトリウムの分解が進んだため、過酸化水素の供給が減少するためと考えられた。
漂白液の温度が第二目標温度に到達した後にヒータ12への通電を停止して(S310,図6におけるt3)、第二目標温度に近い温度の漂白液を漂白対象物に所定時間噴射する(S311,図6におけるt3〜t4)。第二目標温度に近い温度の漂白液は、漂白力はほとんどないため漂白対象物への噴射時間t4−t3は第一目標温度のときと比較して短くてよく、例えば、湯のみに付着した茶しぶ等を落とすには5分程度、急須に付着した茶しぶやまな板に付着した油脂の劣化物などを除去するには10分程度でよい。
第二目標温度の漂白液を所定時間噴射させた後に、ポンプにより漂白液を食器洗い機の外へ排出させる(S312)。この時の排出される排水は漂白力ができるだけ少ない状態で排出する必要があるが、漂白液を第二目標温度付近で食器洗い機の外へ排出することにより漂白力の少ない状態で排出することができる。
漂白液の排出完了後は、速やかにすすぎを行う(S313〜S318)。
漂白後のすすぎは、漂白剤分解物である炭酸ナトリウムのアルカリ性を希釈するため、あるいは漂白により除去されたシミや汚れを排出するために2回以上行う必要がある。なお、炭酸ナトリウムは温泉成分でもあり、食器洗い機の漂白に使用する条件下では、基本的に人体に無害の物質である。
本発明の漂白工程では、漂白液を加熱しながら漂白を行っているため、漂白対象物から取り除かれて漂白液に溶解あるいは分散した臭気成分がストリッピングされて気相に放出され、庫内あるいは漂白対象物に再付着する可能性が高い。特に、常温で気体であるアンモニアやアミン類などは温度が高いほど水に溶けにくい性質を持つ。これらの庫内へ付着した臭気成分を再溶解させて除去するため、漂白工程での最高温度よりも低い温度のお湯または水ですすぐ必要がある。このような見地から、すすぎ工程では、給水温度の如何に関わらずヒータ12に通電せずにすすぎ温度を漂白時の最高温度よりも段階的に5℃以上低くするのが望ましい。
漂白工程の排水時は漂白成分のほとんどを分解してから排出するのに対し、同じ食器洗い機における洗浄時では、洗浄水を分解することなく排出することとなる。そのため、洗浄時はすすぎによる希釈により洗浄排水を十分に無害化する必要があるのに対し、漂白時は漂白成分の分解されたものをすすぎによる希釈により無害化を行うこととなる。そのため、上述した食器洗い機では、標準とする洗浄コースのすすぎが3回行われるのに対し、漂白コースでのすすぎ回数を2回と少なくしている。このように洗浄コース後のすすぎよりも漂白工程後のすすぎの回数を少なく設定することは、節水という省エネルギーの面から、また、運転時間短縮の面から望ましい。なお、食器洗い機の種類により洗浄時、漂白時、すすぎ時の水量が異なるため、あくまでも同一種類の食器洗い機での洗浄コースと漂白コースでのすすぎ回数を比較する必要がある。
まな板等の表面に付いた汚れは、魚や肉類由来の油脂分が主体である。これらの汚れは、空気中の酸素、湿気、熱、光、金属イオン、微生物あるいは酵素などの作用によって重合が起こり、溶解しにくい形となる。これらの汚れは一度熱アルカリで洗浄して低分子化したのちに漂白すると効果的に漂白できる。食器洗い機用の洗剤あるいは食器洗い機専用漂白剤はアルカリ成分を含むため、これらを用いて高温条件下で一度洗浄を行ってから、漂白運転を行えば、すなわち、洗浄と漂白を連続して行う、もしくは、漂白運転を2回繰り返すことで劣化した油脂分の汚れを除去することができる。
以下、「ハイパワー漂白」コースの工程について、図4の制御フローとこの制御フローに基づく温度特性について図7に基づいて説明する。
漂白対象の食器がセットされて漂白剤が投入された状態で、図2に示すコーススイッチ20の「漂白」スイッチおよびが押され、その後に「スタート/一時停止」スイッチ19とハイパワースイッチ21が押されると図4に基づく漂白工程が開始される。この場合、漂白工程は、第二目標温度到達判断を行う過程(S409)までは同一の工程を行う。第二目標温度到達後に温水ヒータへの通電を停止し(S410)、第一目標温度に達するまで冷却する(S411)。第一目標温度に到達後、温水ヒータへの通電を再開して(S412)、第二目標温度に到達した後(S413)、温水ヒータへの通電を停止して(S414)、所定時間が経過した後に(S415)排水を行う(S416)。その後に引き続いて行うすすぎ工程(S417〜S422)は漂白コースと同一である。
この工程を選択し、あらかじめ多めの、例えば通常漂白の2倍量程度の漂白剤を投入しておけば、食器洗い機を途中で開けることなく劣化油脂分の付着したまな板を漂白することが可能となる。この場合、1回目の昇温プログラムでは熱アルカリによる油脂の鹸化反応が主目的であるため、第二目標温度到達後加熱を停止して漂白液を排出するまでの時間t4-t3は通常の漂白コースよりも長い方がよく、例えば、10分以上が望ましい。これらのコースはハイパワースイッチ21で選択させることが可能である。また、ハイパワースイッチを複数設けることでt4-t3の時間を使用者が選択することが可能となる。
以下、「洗浄→漂白」コースの工程について、図5の制御フローに基づいて説明する。
使用者は洗浄と漂白の双方を行う食器類をセットした後に洗剤を投入してから、コーススイッチ20により「洗浄→漂白」コースを選定してから、スタートスイッチ19を押して運転を開始する。
運転開始後食器洗い機は食器の洗浄運転を行う(S501〜S509)。洗浄工程が終了した時点でアラームを鳴らして使用者に洗浄終了を報知する(S510)。
また、前記運転を行う方法の1つは、洗剤を投入して洗浄コースで洗浄を行い、洗浄が終了し、すすぎが始まる前に漂白剤を投入して漂白運転を行う方法である。この方法では、使用者が運転途中に漂白剤を投入する必要があるが、例えば、洗いが終了した時点で報知することで対応可能である。
アラーム報知後に使用者は扉3を開けて漂白剤を投入する(S511)。投入後に食器洗い機は「漂白コース」と同じ工程で運転を行う(S512〜S528)。アラーム報知後一定時間内に扉3の開閉がなされない場合は、すすぎ工程へ進み、動作を完了させる(S529〜S534)。この場合、運転終了後に漂白が行われていないため、アラームや操作パネル4内のLEDの点滅等により、使用者へ漂白を行っていない旨を報知する。
これまでは、食器洗い機用酸素系漂白剤を使用する場合について説明してきたが、食器洗い機に食器洗い機用塩素系漂白剤を使用する場合には、上述した第一目標温度と保持時間、第二目標温度と保持時間および昇温温度を食器洗い機用塩素系漂白剤に最適な設定とすることで、食器洗い機用酸素系漂白剤を用いての食器洗い機での漂白が可能となる。この設定は、例えば、電源投入後、ハイパワースイッチ21を所定の長い時間押し続けた信号により、制御手段5によって実行される漂白シーケンスを変更することで可能となる。
また、食器洗い機に食器洗い機用塩素系漂白剤以外の塩素系漂白剤が誤投入された場合、有効塩素濃度が濃いため、あるいは界面活性剤濃度が高いため、食器洗い機自体を損傷し、漏水するあるいは以上発泡を引き起こして運転が停止する等の問題を引き起こす可能性がある。そのため、食器洗い機用酸素系漂白剤を使用する設定に代えて、食器洗い機へ給水を行った後に洗浄水を噴射させずに排出させることで液体である塩素系漂白剤を希釈してすることで食器洗い機への損傷を防ぐ設定とすることもできる。この設定は、例えば、電源投入後、コーススイッチ20を所定の長い時間押し続けた信号により、制御手段5によって実行される漂白シーケンスを変更することで可能となる。
本発明の方法により過炭酸ナトリウム(2NaCO・3H)を90%含む漂白剤を10g投入し、茶しぶモデル汚れの付着したステンレス製ポットの漂白を行った。漂白時の水量は3Lとしたため過炭酸ナトリウムの濃度は3,000mg/Lである。食器洗い機への給水の温度は25℃とした。第一目標温度は50℃に、第二目標温度は65℃とし、第一目標温度保持時間t2-t1は1分間、第二目標温度保持時間t4-t3は3分とした。また、第一目標温度から第二目標温度までの昇温速度は毎分2.0℃とした。漂白後のすすぎは2回行い、すすぎ中にすすぎ水の加熱は行わなかった。
なお、ステンレスポットへの付着はカテキン1w/v%の分散液に塩化第一鉄100mg/L溶解した液をステンレスポットに充填した後、直流電源装置の陽極をステンレスポット内にステンレスポットに触れないように設置したステンレス電極に、また負極をステンレスポットに接続して、18Vの電圧を12時間印加して作成した。漂白の前にスポンジ洗浄により、ステンレスポットには、強固な茶しぶのみが付着されるように供した。また、漂白効果は茶しぶの残存を目視で確認した。
漂白後のステンレスポットには、茶しぶの残存は認められなかった。漂白後の食器洗い機に茶しぶに由来する異臭は残っていなかった。また、漂白液の排水中の過酸化水素量は、クエン酸酸性下で過マンガン酸カリウムを用いて定量化した結果、28mg/Lで、投入した過酸化水素の2%程度であった。
本発明の方法により過炭酸ナトリウム(2NaCO・3H)を90%含む漂白剤を20g投入し、劣化油脂モデル汚れの付着したポリプロピレン製まな板の漂白を行った。漂白時の水量は3Lとしたため過炭酸ナトリウムの濃度は6,000mg/Lである。食器洗い機への給水の温度は25℃とした。第一目標温度は50℃に、第二目標温度は70℃とし、第一目標温度保持時間t2-t1は10分間、第二目標温度保持時間t4-t3は10分とした。また、第一目標温度から第二目標温度までの昇温速度は毎分1.5℃とした。漂白後のすすぎは2回行い、すすぎ中にすすぎ水の加熱は行わなかった。
なお、劣化油脂モデル汚れには機械用グリースを使用し、ポリプロピレン製まな板に塗布した後3日間天日干しして供した。漂白効果は、漂白後のまな板表面に0.1%クルクミンアルコール溶液を噴霧し、5〜20秒間放置した後、軽く水洗いした後に暗所で紫外線を照射して蛍光の有無を確認した。
漂白後のまな板には、油脂分の残存は認められなかった。漂白後の食器洗い機に油脂分に由来する異臭は残っていなかった。また、漂白液の排水中の過酸化水素量は、クエン酸酸性下で過マンガン酸カリウムを用いて定量化した結果、12mg/Lで、投入した過酸化水素の1%以下であった。
食器洗い機の断面図 同食器洗い機の操作部概略部 同食器洗い機の制御フロー(漂白) 同食器洗い機の制御フロー(ハイパワー漂白) 同食器洗い機の制御フロー(洗浄→漂白) 同食器洗い機における漂白工程内温度特性(漂白) 同食器洗い機における漂白工程内温度特性(ハイパワー漂白)
符号の説明
1・・・洗浄槽、2・・・食器かご、3・・・扉、4・・・操作パネル、5・・・制御手段・・・供給手段、7・・・水量検知手段、8・・・洗浄ポンプ、9・・・洗浄ノズル、10・・・噴射口、11・・・漂白液温度検知手段、12・・・ヒータ、13・・・排水流路、14・・・洗剤入れ、15・・・排気口、16・・・開閉蓋、17・・・残菜フィルタ、18・・・電源スイッチ、19・・・スタートスイッチ、20・・・コーススイッチ、21・・・ハイパワースイッチ、22・・・動作表示部




Claims (11)

  1. 酸素系漂白剤を主体とした漂白剤を食器洗い機へ投入し、この漂白剤を洗浄水に溶解させた漂白液を洗浄手段によって被洗浄物へ向けて噴射して漂白を行う漂白工程を有する食器洗い機であって、前記漂白液を加熱する加熱手段と、前記漂白液の温度を検出する漂白液温検知手段と、前記洗浄手段と前記加熱手段の動作を制御する制御手段とを備えた食器洗い機において、前記制御手段は漂白工程での前記漂白液温検知手段の検出情報に基づいて、前記漂白液を漂白に最適な第一目標温度となるまで前記加熱手段を動作させ、この第一目標温度到達後に加熱を停止させると共に、所定時間経過後に加熱を再開して漂白液中に酸素を分散させながら前記第一目標温度よりも高い第二目標温度となるまで前記加熱手段を動作させることを特徴とする食器洗い機。
  2. 前記制御手段において、前記第一目標温度が45℃以上55℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の食器洗い機。
  3. 前記制御手段において、前記第二目標温度が65℃以上75℃以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の食器洗い機。
  4. 前記制御手段は、前記漂白工程での前記漂白液の平均加温速度が毎分0.5℃以上5.0℃以下となるように前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1〜請求項3何れか一項に記載の食器洗い機。
  5. 前記制御手段において、前記第二目標温度到達後、前記第一目標温度到達まで加熱を停止し、前記第一目標温度到達後所定時間経過後に加熱を再開して前記漂白液中に酸素を分散させながら前記第二目標温度となるまで前記加熱手段を動作させることを特徴とする請求項1〜請求項4何れか一項に記載の食器洗い機。
  6. 前記食器洗い機は、前記漂白工程の前に洗剤を用いた洗浄工程を有し、前記制御手段は洗浄工程終了後に警報により報知を行うことで洗浄運転後の漂白剤投入時期を知らしめることを特徴とする請求項1〜請求項5何れか一項に記載の食器洗い機。
  7. 前記食器洗い機は、開閉可能なドアとこのドアの開閉状態を検出するドア検出手段を設け、前記制御手段は前記警報による報知後一定時間経過しても前記ドア検出手段によるドアの開放が検出されないと、前記漂白工程を行わずにすすぎ工程に進むことを特徴とする請求項6に記載の食器洗い機。
  8. 前記食器洗い機は、前記漂白工程後に複数回すすぎを行うすすぎ工程を有し、前記制御手段は各すすぎ時のすすぎ水の温度が前記漂白工程の終了時の漂白液温度よりも低くなるように前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1〜請求項6何れか一項に記載の食器洗い機。
  9. 前記食器洗い機は、前記漂白工程後に複数回すすぎを行うすすぎ工程を有し、前記制御手段は漂白工程でのすすぎ回数を前記食器洗い機が標準として設定している洗浄工程のすすぎ回数よりも少なくすることを特徴とする請求項1〜請求項8何れか一項に記載の食器洗い機。
  10. 前記制御手段は、前記漂白工程開始時に食器洗い機への給水がなされた後、洗浄水を前記洗浄手段から被洗浄物へ向けて噴射する前に洗浄水を排水することを可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項9何れか一項に記載の食器洗い機。
  11. 前記食器洗い機は、塩素系漂白剤を主体とした食器洗い乾燥機用漂白剤を使用することが可能であり、その場合において前記制御手段は、前記酸素系漂白剤を主体とする漂白剤使用時とは異なる態様で前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1〜請求項10何れか一項に記載の食器洗い機。

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