JP2007202991A - 食器洗い機 - Google Patents

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Abstract

【課題】40度〜50度の洗浄水であっても、でんぷん汚れを効果的に落とすことができる食器洗い機を提供する。
【解決手段】洗剤の使用又は不使用、並びに洗浄水の温度の高低を受け付ける操作パネルを備え、操作パネルの操作結果に応じて洗浄水、例えば硬水の洗浄水を生成及び加熱し、生成した洗浄水を洗浄槽内に収容された食器Aに噴射するように構成された食器洗い機に、洗剤の不使用又は低い洗浄水の温度を受け付けた場合、オゾンを含む洗浄水を生成するオゾン発生器50b及びエアストーン50dと、オゾンを含む洗浄水を40度以上に加熱するヒータ85とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、オゾンを含む洗浄水を食器に噴射することで、食器を洗浄する食器洗い機に関する。
図18は、従来の食器洗い機の略示正面断面図である。食器洗い機は、食器Aを収容する洗浄槽1をキャビネット2の内部に備えている。洗浄槽1の底部には、洗浄水を噴射する複数の回転可能な噴射ノズル80が配設されており、噴射ノズル80の上側には、食器Aを載せる食器受具3が支持レールにて支持されている。また、食器洗い機は、噴射ノズル80に分配弁を介して加圧水を供給するポンプ7、洗浄水を加熱するヒータ85、及び制御回路9を備えている。
制御回路9は、スタートボタンが操作された場合、給水弁41aを開き、洗浄槽1内に洗浄水を給水する。そして、ヒータ85が浸漬し、洗浄可能な水位まで洗浄水が給水された場合、制御回路9は、給水弁41aを閉鎖する。
給水工程を終えた場合、制御回路9は、ポンプ7のインペラが接続されたモータ6を正回転させることで、噴射ノズル80から洗浄水を食器Aに噴射させる。また、制御回路9は、ヒータ85へ通電し、洗浄水を約50度以上に加熱する。
洗浄工程を終えた場合、制御回路9は、モータ6を逆回転させて汚れた洗浄水を排水し、洗浄槽1内に新しい洗浄水を給水する。そして、制御回路9は、ポンプ7を正回転させて、食器Aを濯ぐ。濯ぎ工程は数回繰り返され、最終の濯ぎ工程では、ヒータ85への断続通電により、70度以上の高温の洗浄水で食器の濯ぎが行われる。
濯ぎ工程を終えた場合、制御回路9は、図示しない送風ファンを駆動し、ヒータ85へ通電することで、食器Aを乾燥させる。
このように構成された食器洗い機においては、全自動で食器Aを洗浄、濯ぎ及び乾燥することができる。
一方、洗剤の使用又は不使用を受け付け、洗剤の不使用を受け付けた場合、たんぱく質汚れを落とすために硬水の洗浄水を噴射し、でんぷん汚れを落とすために軟水の洗浄水を噴射するように構成された食器洗い機が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に係る食器洗い機においては、洗剤を使用することなく、食器に付着したたんぱく質汚れ及びでんぷん汚れを落とすことができる。
また、洗浄工程で50度以上の洗浄水を使用し、濯ぎ工程で70度以上の洗浄水を使用する標準コースと、洗浄工程及び濯ぎ工程で50度未満の洗浄水を使用する低温コースを選択可能に構成した食器洗い機が提案されている(例えば、特許文献2)。
特許文献2に係る食器洗い機においては、50度から70度の温度で熱変形する虞がある耐熱温度の低い食器、例えば樹脂製の弁当箱を洗浄することができる。
更に、濯ぎ工程でオゾンを含む常温の洗浄水を噴射するように構成された食器洗い機が提案されている(例えば、特許文献3)。
特許文献3に係る食器洗い機においては、オゾンの除菌及び消臭作用により、雑菌類の発生を抑制し、食器及び洗浄槽に雑菌又は悪臭が付着することを防止することができる。
特開2003−190069号公報 特開2000−14624号公報 特開平2−77223号公報
しかしながら、特許文献1に係る食器洗い機においては、軟水の洗浄水で、でんぷん汚れを落とすためには、洗浄水を70度以上に加熱する必要があり、洗剤を使用して洗浄する場合に比べて、消費電力に係る洗浄コストが高くなるという問題があった。
逆に70度未満の軟水の洗浄水で洗浄した場合、洗浄コストを抑えることができるが、洗浄力が低下するという問題が生ずる。
特許文献2に係る食器洗い機においては、50度未満の低温の洗浄水で食器を洗浄するため、食器及び洗浄槽に雑菌又は悪臭が付着する虞があるという問題があった。
また、高温の洗浄水で洗浄する場合に比べて、洗浄力が低下するという問題があった。
なお、特許文献3に係る食器洗い機においては、オゾンを含む常温の洗浄水で食器を濯ぐように構成してあるため、オゾンを含む40度以上の洗浄水が有する洗浄効果、特にでんぷん汚れに対する洗浄効果を得ることができず、洗浄力低下の問題を解決する手段にはなり得ない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、洗剤の不使用を受け付けた場合、オゾンを含む洗浄水を生成及び加熱し、加熱した洗浄水を食器に対して噴射するように構成することにより、従来の食器洗い機に比べて、より低温の洗浄水で食器に付着したでんぷん汚れを落とすことができ、また洗剤を使用しない場合の洗浄力低下をオゾンを含む加熱された洗浄水の洗浄力で補うことができる食器洗い機を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、硬水の洗浄水及び軟水の洗浄水を順に噴射するように構成することにより、たんぱく質汚れ及びでんぷん汚れを洗剤なしで、しかも従来の食器洗い機に比べて低温の洗浄水で洗浄することができる食器洗い機を提供することにある。
本発明の他の目的は、低い洗浄水の温度を受け付けた場合、オゾンを含む洗浄水を生成及び加熱し、加熱した洗浄水を食器に対して噴射するように構成することにより、洗浄水の温度が低い場合の洗浄力低下をオゾンを含む加熱された洗浄水の洗浄力で補うことができる食器洗い機を提供することにある。
本発明の他の目的は、軟水の洗浄水で洗浄するように構成することにより、洗剤による洗浄力を向上させることができる食器洗い機を提供することにある。
本発明の他の目的は、オゾンを含む洗浄水を40度以上に加熱するように構成することにより、40度未満の洗浄水に比べてでんぷん汚れをより効果的に落とすことができる食器洗い機を提供することにある。
本発明の他の目的は、オゾンを発生させ、該オゾンを洗浄水に気泡として溶解させるように構成することにより、オゾンを洗浄水に溶解させる特殊なエジェクタを備える場合に比べて、オゾン水生成手段を低コストで構成することができる食器洗い機を提供することにある。
本発明の他の目的は、食器から洗い落とされた残滓を含む洗浄水を濾過する残滓フィルタと、オゾンを洗浄水に溶解させる溶解手段とを並設することにより、残滓フィルタで分離された残滓を消臭することができ、悪臭が食器及び洗浄槽に付着することを防ぐことができる食器洗い機を提供することにある。
本発明の他の目的は、洗浄水の循環経路に配されており、オゾンを発生する対電極を備えることにより、オゾンを気泡として溶解させる場合に比べて、より高濃度のオゾンを含む洗浄水を生成することができる食器洗い機を提供することにある。
本発明の他の目的は、排気口にオゾンを分解する触媒を備えることにより、排気口に前記触媒を備えない場合に比べて安全性が高い食器洗い機を提供することにある。
本発明に係る食器洗い機は、洗剤の使用又は不使用を受け付ける受付手段を備え、該受付手段の受付内容に応じた洗浄水を洗浄槽内に収容された食器に噴射する食器洗い機において、前記受付手段が洗剤の不使用を受け付けた場合、オゾンを含む洗浄水を生成するオゾン水生成手段と、該オゾン水生成手段が生成した洗浄水を加熱する加熱手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、受付手段が洗剤の不使用を受け付けた場合、オゾン水生成手段がオゾンを含む洗浄水を生成し、加熱手段はオゾンを含む洗浄水を加熱する。そして、食器洗い機は、オゾンを含む加熱された洗浄水を食器に対して噴射することで、食器を洗浄する。オゾンを含む洗浄水は、酸化作用を有するため、オゾンを含まない場合に比べて、より低温で食器に付着したでんぷん汚れを落とすことができる。つまり、洗剤を使用しない場合の洗浄力の低下を、オゾンによって補うことができる。
また、オゾンを含む洗浄水は除菌作用及び消臭作用を有するため、洗浄水を高温、例えば70度以上に加熱することなく除菌及び消臭することができる。
更に、オゾンを含む洗浄水は漂白作用を有するため、食器を漂白することができる。
更にまた、受付手段が洗剤の不使用を受け付けた場合、オゾン水生成手段が駆動し、洗剤の使用を受け付けた場合、オゾン水生成手段は駆動しない。従って、洗剤を使用することで十分な洗浄作用、除菌作用を得ることができる場合、オゾン水生成手段は駆動せず、洗浄コストを低減することができる。
本発明に係る食器洗い機は、イオン交換樹脂と、水道水を該イオン交換樹脂に接触させることで軟水の洗浄水を生成する軟水生成手段と、水道水に食塩を溶解させることで食塩水を生成する食塩水生成手段と、該食塩水生成手段が生成した食塩水を前記イオン交換樹脂に接触させることで硬水の洗浄水を生成する硬水生成手段と、前記軟水生成手段が生成した軟水の洗浄水及び前記硬水生成手段が生成した硬水の洗浄水を順に噴射する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、硬水の洗浄水は、溶塩効果によって、食器に付着したたんぱく質汚れを落とすことができる。なお、オゾンを含む洗浄水は、洗浄水の硬度に関わらず、オゾンを含まない場合に比べてより低温で、でんぷん汚れを落とすことができる。
本発明に係る食器洗い機は、洗浄水の温度の高低を受け付ける受付手段を備え、該受付手段の受付内容に応じて洗浄水を加熱し、加熱した洗浄水を食器に噴射する食器洗い機において、前記受付手段が低い温度を受け付けた場合、オゾンを含む洗浄水を生成するオゾン水生成手段と、該オゾン水生成手段が生成した洗浄水を加熱する加熱手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、受付手段が低い洗浄水の温度を受け付けた場合、オゾン水生成手段がオゾンを含む洗浄水を生成し、加熱手段はオゾンを含む洗浄水を加熱する。そして、食器洗い機は、オゾンを含む加熱された洗浄水を食器に対して噴射することで、食器を洗浄する。オゾンを含む洗浄水は、酸化作用を有するため、洗浄水の温度が低い場合であっても、食器に付着したでんぷん汚れを効果的に落とすことができる。
また、オゾンを含む洗浄水は除菌作用及び消臭作用を有するため、洗浄水を高温に加熱することなく除菌及び消臭することができる。
更に、オゾンを含む洗浄水は漂白作用を有するため、食器を漂白することができる。
更にまた、受付手段が低い洗浄水の温度を受け付けた場合、オゾン水生成手段が駆動し、高い洗浄水の温度を受け付けた場合、オゾン水生成手段は駆動しない。従って、高い洗浄水の温度によって十分な洗浄作用、除菌作用を得ることができる場合、オゾン水生成手段は駆動せず、洗浄コストを低減することができる。
本発明に係る食器洗い機は、イオン交換樹脂と、水道水を該イオン交換樹脂に接触させることで軟水の洗浄水を生成する軟水生成手段と、該軟水生成手段が生成した軟水の洗浄水を噴射する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、軟水の洗浄水で食器を洗浄するため、硬水の洗浄水で洗浄する場合に比べて、洗剤による洗浄効果が高い。つまり、洗剤中のアルカリ成分である炭酸塩を有効に使用することができる。
また、炭酸カルシウムの白粉状の汚れが食器に付着することを防ぐことができる。
本発明に係る食器洗い機は、前記加熱手段が、オゾンを含む洗浄水の温度を40度以上に加熱するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、オゾンを含む40度以上の洗浄水は、オゾンを含む40度未満の洗浄水に比べて、食器に付着したでんぷん汚れを効果的に落とすことができる。また、オゾンを含む40度以上の洗浄水は、温度が高い程、より効果的にでんぷん汚れを落とすことができる。
なお、オゾンを含む40度未満の洗浄水で食器を洗浄した場合、でんぷん汚れはほとんど落ちないことが実験で確かめられている。
本発明に係る食器洗い機は、前記オゾン水生成手段が、オゾンを発生するオゾン発生手段と、該オゾン発生手段により発生したオゾンを洗浄水に溶解させる溶解手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、オゾン発生手段はオゾンを発生する。そして、溶解手段は、オゾンを気泡として洗浄水に溶解させる。従って、特殊なエジェクタを備える場合に比べて、簡易にオゾンを含む洗浄水を生成することができる。
本発明に係る食器洗い機は、食器から洗い落とされた残滓を含む洗浄水を濾過する残滓フィルタを備え、前記溶解手段は、前記残滓フィルタに並設されていることを特徴とする。
本発明にあっては、残滓フィルタには、食器から洗い落とされた残滓が蓄積するため、悪臭が発生する虞がある。ところが、オゾンを洗浄水に溶解させる溶解手段は残滓フィルタに並設されているため、残滓フィルタと溶解手段が離隔している場合に比べて、オゾンによって残滓をより効果的に消臭することができる。
本発明に係る食器洗い機は、洗浄水が前記洗浄槽内を循環するようにしてあり、前記オゾン水生成手段は、洗浄水の循環経路に配されており、オゾンを発生する対電極を備えることを特徴とする。
本発明によれば、循環経路に配された対電極に電圧が印加された場合、洗浄槽内を循環する洗浄水中にオゾンが発生し、オゾンを含む洗浄水が生成される。従って、オゾンを気泡として洗浄水に溶解させる場合に比べて、高濃度で且つオゾンの滞留時間が長い洗浄水を生成することができる。
本発明に係る食器洗い機は、前記洗浄槽に設けられた排気口と、該排気口に配されており、オゾンを分解する触媒とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、オゾンが洗浄水に溶解せずに洗浄槽内に発生した場合であっても、オゾンは、排気口に配された触媒によって分解され、洗浄槽の外部へ排気される。
本発明によれば、従来の食器洗い機に比べて、より低温の洗浄水で食器に付着したでんぷん汚れを落とすことができ、でんぷんによる食器のヌルヌル感を落とすことができる。
また、従来の食器洗い機に比べて、洗浄コストを低減させることができる。
更に、食器及び洗浄槽を除菌することができ、悪臭が食器及び洗浄槽に付着することを防ぐことができる。
更にまた、食器を漂白することで、食器に茶渋が蓄積することを防止することができる。
更にまた、洗浄水を漂白することで、オゾンを含まない洗浄水を使用する場合に比べて、排水のBOD(Biochemical Oxygen Demand)、COD(Chemical Oxygen Demand)を低下させ、地球環境への負荷を軽減することができる。
更にまた、洗剤の使用又は不使用を受け付け、受付結果に応じてオゾン水生成手段が駆動するため、洗浄コストを低減することができる。
本発明によれば、従来の食器洗い機に比べて、洗剤を含まないより低温の洗浄水で食器に付着したでんぷん汚れを落とすことができ、また食器に付着したたんぱく質汚れを落とすことができる。
本発明によれば、従来の食器洗い機に比べて、低い洗浄水の温度で洗浄する場合であっても、食器に付着したでんぷん汚れを落とすことができ、でんぷんによる食器のヌルヌル感を落とすことができる。
また、低い温度の洗浄水で食器を洗浄するため、耐熱温度の低い食器を洗浄することができる。
更に、食器及び洗浄槽を除菌することができ、悪臭が食器及び洗浄槽に付着することを防ぐことができる。
更にまた、食器を漂白することで、食器に茶渋が蓄積することを防止することができる。
更にまた、洗浄水を漂白することで、オゾンを含まない洗浄水を使用する場合に比べて、排水のBOD、CODを低下させ、地球環境への負荷を軽減することができる。
更にまた、洗浄水の温度の高低を受け付け、受付結果に応じてオゾン水生成手段が駆動するため、洗浄コストを低減することができる。
本発明によれば、洗剤による洗浄効果を高めることができ、口紅のような難洗浄性汚れも落とすことができる。
また、白粉状の汚れが食器に付着することを防ぐことができる。
本発明によれば、オゾンを含む40度未満の洗浄水を使用する場合に比べて、食器に付着したでんぷん汚れを効果的に落とすことができる。
本発明によれば、特殊なエジェクタを備える場合に比べて、低コストで簡易にオゾンを含む洗浄水を生成することができる。
本発明によれば、残滓フィルタで分離された残滓を消臭することができ、悪臭が食器及び洗浄槽に付着することを防ぐことができる。
本発明によれば、オゾンを洗浄水に溶解させる場合に比べて、高濃度で且つオゾンの滞留時間が長い洗浄水を生成することができ、でんぷん汚れの洗浄効果、除菌作用、脱臭作用及び漂白作用を高めることができる。
本発明によれば、オゾンを分解して排気するため、食器洗い機の安全性を高めることができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る食器洗い機の略示正面断面図である。図中1は、キャビネット2に覆われた中空略直方体形状の洗浄槽であり、洗浄槽1は、正面側に食器Aを収容するための開口を形成している。洗浄槽1の開口は、図示しない上下回動可能な扉体によって閉塞している。
洗浄槽1は底板部10を有しており、底板部10の周縁部分には、両側壁11,12、背面壁13、及び図示しない正面壁が底板部10に対して略垂直に形成されており、両側壁11,12及び背面壁13の上端部分には天板部14が形成されている。
底板部10は、正面壁と共に正面側に洗浄水を貯留する貯留槽15を形成している。貯留槽15の底部には、硬水の洗浄水を給水するための硬水給水口15aが形成されている。
洗浄槽1の両側壁11,12には、図示しない支持レールが形成されており、支持レールは、食器Aを載せる食器かご3を前後方向へ移動可能に支持している。
また、一の側壁12の適宜箇所には、水道水を給水するための水道水給水口12a、及び軟水の洗浄水を給水するための軟水給水口12bが形成されている。
洗浄槽1が有する一の側壁12とキャビネット2との間隙には、ホース接続部40が配設されている。ホース接続部40の一端側には、図示しない水道蛇口又は分岐水栓から水道水を給水する給水ホースが接続しており、他端側は3分岐している。
ホース接続部40の分岐した第1の端部には、第1給水弁41aを介して第1ホース42aの一端が接続され、第2の端部には、第2給水弁41bを介して第2ホース42bの一端が接続され、第3の端部には、第3給水弁41cを介して第3ホース42cの一端が接続されている。
第1ホース42aの他端は水道水給水口12aに接続されている。
第1給水弁41aが開いた場合、水道水は、給水ホース、ホース接続部40、第1給水弁41a及び第1ホース42aを経て、洗浄槽1に直接給水される。
また、ホース接続部40の天側には、硬水又は軟水の洗浄水を生成する硬度調整装置43が配設されている。硬度調整装置43は、水の硬水成分、例えばCa2+、Mg2+を吸着及び脱離するイオン交換樹脂43bと、中空略直方体のイオン交換樹脂収容体43aとを備え、イオン交換樹脂43bはイオン交換樹脂収容体43aのメッシュで仕切られた空間に充填されている。
イオン交換樹脂収容体43aを構成する側壁部には、水道水が流入する水道水流入口が形成されており、水道水流入口には、第2ホース42bの他端が接続されている。
第2給水弁41bが開いた場合、水道水は、給水ホース、ホース接続部40、第2給水弁41b、及び第2ホース42bを経て、イオン交換樹脂収容体43aへ流入する。イオン交換樹脂収容体43aに流入した水道水がイオン交換樹脂43bに接触した場合、水道水中の硬水成分がイオン交換樹脂43bに吸着し、軟水の洗浄水が生成される。
イオン交換樹脂収容体43aの天側には、軟水の洗浄水を洗浄槽1に給水するための軟水給水ホースの一端が接続されており、軟水給水ホースの他端は軟水給水口12bに接続されている。
洗浄槽1内部の天側には、食塩Sを収容する扁平な略直方体形状の食塩収容箱44を着脱自在に装着する図示しない装着部が形成されている。食塩収容箱44の底部は傾斜していて、底部には、水道水を食塩収容箱44に給水するための給水管44dが上方へ突設されており、給水管44dは、第3ホース42cの他端に挿脱可能に接続している。
第3給水弁41cが開いた場合、水道水は、給水ホース、ホース接続部40、第3給水弁41c、第3ホース42c、及び給水管44dを経て、食塩収容箱44に給水される。
食塩収容箱44は、食塩Sが投入される食塩かご44bを収容している。食塩かご44bは、底部にメッシュを有するフィルタ44cを備えており、フィルタ44cは食塩収容箱44の底部から離隔するように設置されている。
食塩収容箱44の側部には、水道水に所定量の食塩Sが浸漬するように、給水された水道水の水位を一定に保つオーバーフロー口44aが設けられている。
また、底部の最低部には、食塩水を食塩収容箱44外へ導水するための第1導水管44eが上方へ突設されている。第1導水管44eの上端には、水道水に浸漬することで生成された食塩水を、サイフォン作用によって、導水するためのサイフォンキャップ44fがサイフォン流路を形成するように被せられている。
第1導水管44eの下端は、洗浄槽1の一の側壁12とキャビネット2と間隙に配された第2導水管47の一端に挿脱可能に接続している。
第2導水管47の他端は、イオン交換樹脂収容体43aを天側から貫通し、内部下方まで延設されている。
また、第2導水管47は、途中に逆止弁46を備えている。逆止弁46は、比重が水より軽いPP製ボールを備え、食塩収容箱44から硬度調整装置43への方向が順方向になるように構成されている。従って、食塩水は、食塩収容箱44から硬度調整装置43へ流れるが、洗浄水は、硬度調整装置43から食塩収容箱44へ流れない。
食塩水がイオン交換樹脂43bに接触した場合、食塩水のNa+ と、イオン交換樹脂43bに吸着している硬水成分とがイオン交換し、硬水の洗浄水が生成される。
イオン交換樹脂収容体43aの底側には、第4ホース48の一端が接続されており、第4ホース48の他端は、硬水給水口15aに接続されている。また、第4ホース48は、途中に圧力弁49を備えている。
圧力弁49は、水より比重が重いセラミック製等のボールを備えており、一定水流量以上の水が流れた場合、経路を閉鎖し、一定水流量未満の洗浄水が流れた場合、経路を開放するように構成されている。
洗浄槽1が有する他の側壁11とキャビネット2との間隙の天側、例えば洗浄槽1に給水される洗浄水の最大水位よりも高い位置に、エアポンプ50a及びオゾンを発生するオゾン発生器50bが配されている。エアポンプ50a及びオゾン発生器50bはチューブ50cで接続されており、エアポンプ50aは、空気をオゾン発生器50bへ送り、オゾン発生器50bにてオゾンが発生する。
貯留槽15の底部には、エアストーンのような気泡発生部50d(溶解手段)が配設されており、オゾン発生器50b及び気泡発生部50dは、オゾンを気泡発生部50dへ送るチューブ50cで接続されている。
洗浄槽1の天板部14及びキャビネット2は、洗浄槽1内の空気を排気する排気口14aを形成しており、排気口14aには、オゾンを酸素に分解するオゾン分解触媒84が配設されている。オゾン分解触媒84は、ハニカム状又は粒状の活性炭、酸化マンガン、酸化鉄、酸化チタン等を有している。
洗浄槽1の底板部10とキャビネット2との間隙には、正逆回転式のポンプ7が配設されている。ポンプ7は、インペラ70、及びインペラ70を収容するポンプケーシング71を備えており、インペラ70にはモータ6の出力軸が接続されている。
ポンプケーシング71には貯留槽15に連通する吸込口71aと、第1吐出口71b及び第2吐出口71cが形成されている。第1吐出口71bは、噴射ホース82の一端に接続している。洗浄槽1の底板部10には、2つの噴射ノズル80が横方向に並設されており、噴射ホース82の他端は、2分岐して各噴射ノズル80に接続されている。
また、ポンプ7は、第1吐出口71b又は第2吐出口71cのいずれか一方を閉塞し、他方を開放する図示しない切換弁を備えており、切換弁は、ポンプ7が正回転した場合、洗浄水の動圧によって第1吐出口71bを開放し、第2吐出口71cを閉塞し、ポンプ7が逆回転した場合、第1吐出口71bが閉塞し、第2吐出口71cが開放するように構成されている。
ポンプ7が正回転した場合、貯留槽15に貯留された洗浄水は、貯留槽15に配された残滓フィルタ83を通過し、吸込口71aから吸い込まれる。吸い込まれた洗浄水は、インペラ70の回転によるケーシング内流れの動圧で切換弁を移動させ、切換弁が第2吐出口71cを閉鎖し、第1吐出口71bを開放する。そして、吸い込まれた洗浄水は、第1吐出口71bから噴射ノズル80に圧送される。噴射ノズル80は、圧送された洗浄水を、回転しながら食器Aに噴射する。
噴射された洗浄水は、再び貯留槽15に貯留され、以下同様にして、貯留槽15、ポンプ7、噴射ノズル80、及び洗浄槽1を循環する。
第2吐出口71cは、排水ホース81の一端に接続されており、排水ホース81の他端に形成された排水口81aは、洗浄槽1及びキャビネット2の底側から突出している。
ポンプ7が逆回転した場合、切換弁が第1吐出口71bを閉鎖し、第2吐出口71cを開放する。そして、貯留槽15に貯まった洗浄水は、吸込口71aから第2吐出口71c、排水ホース81を経て排水口81aから、洗浄槽1の外部へ排水される。
洗浄槽1が有する側壁11の底側には、洗浄水又は洗浄槽1内の空気を加熱するヒータ85が配されており、底板部10の適宜箇所には、洗浄水の温度を検出する温度検出器86が配設されている。
また、洗浄槽1の側壁12とキャビネット2との間隙には、貯留槽15に連通しており、洗浄水の水位を検知する図示しない水位検出器が設けられている。水位検出器は、例えば、浮体、該浮体を上下移動可能に収容していて、貯留槽15に連通している浮体収容部、及び浮体の位置に応じてオン・オフするリードスイッチを備えており、所定低水位及び所定高水位の水位を検出するように構成されている。洗浄水が所定低水位にある場合、例えば2500ccの洗浄水が貯留槽15に溜められた場合、ヒータ85が浸水し、洗浄水が所定高水位にある場合、例えば3000ccの洗浄水が貯留槽15に溜められた場合、ポンプ7が正常回転、つまり、ポンプ7のエア噛みを生じないように、所定低水位及び所定高水位は決定される。
洗浄槽1の底板部10とキャビネット2との間隙には、温度検出器86、水位検出器等の各種センサの検出結果に基づいて、洗浄から濯ぎを経て乾燥に至る一連のシーケンスを実行すべく、第1乃至第3給水弁41cの開閉、モータ6、エアポンプ50a、オゾン発生器50b、送風ファン等の駆動を制御する制御回路9が配設されている。制御回路9は、タイマーを備えるマイクロコンピュータを用いてなり、所定洗浄時間、所定濯ぎ時間、第1及び第2所定加熱濯ぎ時間等を記憶している。
また、キャビネット2は、正面側に図示しない操作パネルを備えている。操作パネルは、各種運転コースを選択するためのボタン、例えば洗剤を使用する標準コースボタン、洗剤を使用しないイオンコースボタン、洗浄を開始させるためのスタートボタン等を有している。
図2及び図3は、洗浄に係る制御回路9の処理手順を示すフローチャートである。
電源が投入された場合、制御回路9は、操作パネルのイオンコースボタン及びスタートボタンが操作されたか否かを検出することで、洗剤の不使用を受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。
洗剤の不使用を受け付けた場合(ステップS10:YES)、制御回路9は、所定低水位まで水道水を給水する(ステップS11)。具体的には、制御回路9は、第1給水弁41aを開き、水道水を給水する。そして、制御回路9は、水位検出器で水位を検出し、水位が所定低水位にあるか否かを検出する。所定低水位にあると判定した場合、制御回路9は第1給水弁41aを閉鎖し、所定低水位にないと判定した場合、制御回路9は給水を継続する。洗剤の不使用を受け付けていないと判定した場合(ステップS10:NO)、制御回路9は、処理をステップS10へ戻す。
次いで、制御回路9は、スチーム及び硬水生成に係るサブルーチンを呼び出し(ステップS12)、スチーム及び硬水生成に係る処理を実行する。
図4及び図5は、スチーム及び硬水生成に係るサブルーチンのフローチャートである。
スチーム及び硬水生成に係るサブルーチンを呼び出した場合、制御回路9は、温度検出器86で洗浄水の温度を検出する(ステップS31)。
そして、制御回路9は、検出した洗浄水の温度に基づいて、所定量のスチームを生成するためのヒータ通電時間th、及び水道水に食塩Sを浸漬させて、所定濃度の食塩水を生成するために必要な食塩浸漬時間tsを算出する(ステップS32)。制御回路9は、例えば洗浄水の温度と、ヒータ通電時間thとを対応付けたテーブル、及び洗浄水の温度と食塩浸漬時間tsとを対応付けたテーブルを備え、検出した洗浄水の温度と前記テーブルに基づいて、ヒータ通電時間th及び食塩浸漬時間tsを算出する。
次いで、制御回路9は、ヒータ85への通電を開始し(ステップS33)、計時を開始する(ステップS34)。
そして、制御回路9は、ヒータ通電時間thを経過したか否かを判定する(ステップS35)。ヒータ通電時間thを経過したと判定した場合(ステップS35:YES)、制御回路9は、ヒータ85への通電を遮断する(ステップS36)。ヒータ通電時間thを経過していないと判定した場合(ステップS35:NO)、制御回路9は、処理をステップS35に戻す。
ステップS36の処理を終えた場合、制御回路9は、時間(ta−ts)を経過したか否かを判定する(ステップS37)。但し、taは制御回路9が予め記憶している所定時間であり、算出される最長のヒータ通電時間th及び食塩浸漬時間tsに対して長い時間、例えば5分である。時間(ta−ts)を経過したと判定した場合(ステップS37:YES)、制御回路9は、第3給水弁41cを開く(ステップS38)。
時間(ta−ts)を経過していないと判定した場合(ステップS37:NO)、制御回路9は、処理をステップS37に戻す。
ステップS38の処理を終えた場合、制御回路9は、時間(ta−ts+20)を経過したか否かを判定する(ステップS39)。時間(ta−ts+20)を経過したと判定した場合(ステップS39:YES)、制御回路9は、第3給水弁41cを閉鎖する(ステップS40)。時間(ta−ts+20)を経過していないと判定した場合(ステップS39:NO)、制御回路9は、処理をステップS39に戻す。
ステップS40の処理を終えた場合、制御回路9は、所定の時間taを経過したか否かを判定する(ステップS41)。
所定の時間taを経過したと判定した場合(ステップS41:YES)、制御回路9は、第2給水弁41bを開く(ステップS42)。
所定の時間taを経過していないと判定した場合(ステップS41:NO)、制御回路9は、処理をステップS41に戻す。
ステップS42の処理を終えた場合、制御回路9は、水位検出器で水位を検知し(ステップS43)、検知結果に基づいて、洗浄水の水位が所定高水位であるか否かを判定する(ステップS44)。所定高水位であると判定した場合(ステップS44:YES)、制御回路9は、第2給水弁41bを閉鎖し(ステップS45)、スチーム及び硬水生成に係るサブルーチンの処理を終える。所定高水位でないと判定した場合(ステップS44:NO)、制御回路9は、処理をステップS44に戻す。
スチーム及び硬水生成に係るサブルーチンによれば、ステップS33でヒータ85は洗浄槽1に給水された水道水の水面付近を加熱し、蒸気を発生させる。蒸気は、食器Aに付着した汚れを浮かす作用を有する。
ステップS38及びステップS39では第3給水弁41cが開き、所定量の水道水が食塩収容箱44に給水される。食塩かご44bに投入された食塩Sは、食塩収容箱44に給水された水道水に溶解し、食塩水が生成される。
そして、所定の時間taが経過した場合、つまり食塩収容箱44に給水されてから食塩浸漬時間tsが経過した場合、食塩水の濃度は所定濃度、例えば塩分濃度が8パーセントになる。
ステップS42では第2給水弁41bが開き、軟水給水口12bから軟水の洗浄水が給水されるが、逆止弁46は閉鎖するため、軟水の洗浄水は食器収容箱44に浸入しない。イオン交換樹脂収容体43a及び第2導水管47は軟水で満たされている。また、圧力弁49も閉鎖するため、軟水の洗浄水が硬水給水口15aから洗浄槽1に浸入することはない。
ステップS45では第2給水弁41bが閉鎖するため、逆止弁46及び圧力弁49に加わる圧力は低下し、逆止弁46及び圧力弁49は開く。イオン交換樹脂収容体43a及び第2導水管47内の洗浄水は、自重によって硬水給水口15aから洗浄槽1へ流れ出す。この場合、サイフォンキャップ44f及び第2導水管47内の気圧は負圧になるため、食塩収容箱44内の食塩水は、サイフォン作用により第1導水管44e及び第2導水管47を経て、イオン交換樹脂収容体43a内に流れ落ちる。流れ落ちた食塩水は、イオン交換樹脂43bに接触し、イオン交換樹脂収容体43aを通過する間に、イオン交換樹脂43bに吸着していたCa2+、Mg2+と、食塩水のNa+とが置換し、Ca2+及びMg2+濃度が高い硬水の洗浄水が生成され、硬水給水口15aから洗浄槽1に給水される。洗浄槽1に給水された硬水の洗浄水は、洗浄槽1に溜まっている洗浄水に希釈され、塩分濃度約0.5パーセントの硬水の洗浄水となる。
スチーム及び硬水生成に係るサブルーチンの処理を終えた場合、図2に示すように、制御回路9は、洗浄に係るサブルーチンを呼び出し(ステップS13)、洗浄に係るサブルーチンの処理を実行する。
図6は、洗浄に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
洗浄に係るサブルーチンを呼び出した場合、制御回路9は、ポンプ7を正回転させ(ステップS51)、エアポンプ50a及びオゾン発生器50bを駆動させる(ステップS52)。そして、制御回路9は、ヒータ85への通電を開始する(ステップS53)。
次いで、制御回路9は、計時を開始し(ステップS54)、所定洗浄時間を経過したか否かを判定する(ステップS55)。所定洗浄時間を経過していないと判定した場合(ステップS55:NO)、制御回路9は、温度検出器86にて洗浄水の温度を検出する(ステップS56)。
そして、制御回路9は、洗浄水の温度が所定洗浄温度の45度以上であるか否かを判定する(ステップS57)。洗浄水の温度が所定洗浄温度未満であると判定した場合(ステップS57:NO)、制御回路9は、処理をステップS55へ戻す。
ステップS55で所定洗浄時間を経過したと判定した場合した場合(ステップS55:YES)、又はステップS57で洗浄水の温度が所定洗浄温度以上であると判定した場合(ステップS57:YES)、制御回路9は、ヒータ85への通電を遮断し(ステップS58)、ポンプ7を停止させる(ステップS59)。次いで、制御回路9は、エアポンプ50a及びオゾン発生器50bを停止させ(ステップS60)、洗浄に係るサブルーチンの処理を終える。
ステップS51及びステップS52によれば、エアポンプ50aが駆動し、エアポンプ50aによって取り込まれた空気はオゾン発生器50bへ送られる。送り込まれた空気は、オゾン発生器50bにて発生したオゾンと混合し、オゾンはエアストーンからマイクロサイズの気泡となって洗浄水中に排出される。気泡のオゾンを含む洗浄水は、吸込口71aからポンプケーシング71内に吸い込まれる。マイクロサイズの気泡は、インペラ70によってせん断力を受け、オゾンは更に微細なナノサイズの気泡となり、洗浄水に溶解する。つまり、オゾンを含む洗浄水が生成される。オゾンを含む洗浄水は、ヒータ85によって加熱され、噴射ノズル80から食器Aに対して噴射される。
硬水の洗浄水は溶塩効果によって、食器Aに付着したたんぱく質汚れを落とすことができる。
また、洗浄水の温度は、50度以下であるため、たんぱく質汚れは凝固せず、食器Aに付着したたんぱく質汚れを効果的に落とすことができる。
洗浄に係るサブルーチンの処理を終えた場合、図2に示すように、制御回路9は、ポンプ7を逆回転させることで、洗浄水を排水する(ステップS14)。
次いで、制御回路9は、所定高水位まで軟水の洗浄水を給水する(ステップS15)。具体的には、制御回路9は、第2給水弁41bを開き、水位検出器で水位を検出し、検知結果に基づいて、洗浄水の水位が所定高水位であるか否かを判定する。洗浄水の水位が所定高水位であると判定した場合、制御回路9は、第2給水弁41bを閉鎖する。
ステップS15の処理を終えた場合、制御回路9は、濯ぎに係るサブルーチンを呼び出し(ステップS16)、濯ぎに係る処理を実行する。
図7は、濯ぎに係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
濯ぎに係るサブルーチンを呼び出した場合、制御回路9は、ポンプ7を正回転させ(ステップS71)、計時を開始する(ステップS72)。
そして、制御回路9は、計時を開始してから2分を経過したか否かを判定する(ステップS73)。2分を経過したと判定した場合(ステップS73:YES)、制御回路9は濯ぎに係るサブルーチンの処理を終える。2分を経過していないと判定した場居(ステップS73:NO)、制御回路9は、再度ステップS73の処理を実行する。
濯ぎに係るサブルーチンの処理を終えた場合、図2に示すように、制御回路9は、ポンプ7を逆回転させることで洗浄水を排水し(ステップS17)、所定高水位まで軟水の洗浄水を給水する(ステップS18)。
ステップS18の処理を終えた場合、制御回路9は、第1加熱濯ぎに係るサブルーチンを呼び出し(ステップS19)、第1加熱濯ぎに係る処理を実行する。
図8は、第1加熱濯ぎに係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
第1加熱濯ぎに係るサブルーチンを呼び出した場合、制御回路9は、ポンプ7を正回転させ(ステップS81)、エアポンプ50a及びオゾン発生器50bを駆動させる(ステップS82)。そして、制御回路9は、ヒータ85への通電を開始する(ステップS83)。そして、制御回路9は、計時を開始する(ステップS84)。
次いで、制御回路9は、所定濯ぎ時間を経過したか否かを判定する(ステップS85)。所定濯ぎ時間を経過していないと判定した場合(ステップS85:NO)、制御回路9は、温度検出器86にて洗浄水の温度を検出する(ステップS86)。
そして、制御回路9は、洗浄水の温度が第1所定濯ぎ温度の60度以上であるか否かを判定する(ステップS87)。洗浄水の温度が第1所定濯ぎ温度以上でないと判定した場合(ステップS87:NO)、制御回路9は、処理をステップS85へ戻す。
洗浄水の温度が第1所定濯ぎ温度以上であると判定した場合(ステップS87:YES)、又はステップS85で所定濯ぎ時間を計時したと判定した場合(ステップS85:YES)、制御回路9は、ヒータ85への通電を遮断し(ステップS88)、ポンプ7を停止させる(ステップS89)。そして、制御回路9は、エアポンプ50a及びオゾン発生器50bを停止させ(ステップS90)、第1加熱濯ぎに係るサブルーチンの処理を終える。
第1加熱濯ぎに係るサブルーチンによれば、約60度の軟水の洗浄水によって、食器Aに付着した油脂汚れが落とすことができる。
また、オゾンを含む60度に加熱された洗浄水が有する酸化作用によって、食器Aに付着したでんぷん汚れを落とすことができる。
オゾンを含まない場合、洗浄水を70度以上に加熱する必要があるが、オゾンを含む洗浄水を利用した場合、40度以上に加熱することにより、でんぷん汚れを落とすことができる。従って、洗浄コストを低減することができる。
なお、油汚れを落とすためには、洗浄水の温度を50度以上に加熱する必要があり、他の汚れを落とすことも考慮し、前記サブルーチンでは、洗浄水を60度まで加熱するように構成されている。
第1加熱濯ぎに係るサブルーチンの処理を終えた場合、図2及び図3に示すように、制御回路9は、ポンプ7を逆回転させることで、洗浄水を排水し(ステップS20)、所定高水位まで軟水の洗浄水を給水する(ステップS21)。
ステップS21の処理を終えた場合、制御回路9は、第2加熱濯ぎに係るサブルーチンを呼び出し(ステップS22)、第2加熱濯ぎに係る処理を実行する。
図9は、第2加熱濯ぎに係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
第2加熱濯ぎに係るサブルーチンを呼び出した場合、制御回路9は、ポンプ7を正回転させ(ステップS91)、ヒータ85への通電を開始させる(ステップS92)。そして、制御回路9は、計時を開始する(ステップS93)。
次いで、制御回路9は、所定濯ぎ時間を経過したか否かを判定する(ステップS94)。所定濯ぎ時間を経過していないと判定した場合(ステップS94:NO)、制御回路9は、温度検出器86にて洗浄水の温度を検出する(ステップS95)。
そして、制御回路9は、洗浄水の温度が第2所定加熱濯ぎ温度の70度以上であるか否かを判定する(ステップS96)。洗浄水の温度が第2所定加熱濯ぎ温度以上でないと判定した場合(ステップS96:NO)、制御回路9は、処理をステップS94へ戻す。
洗浄水の温度が第2所定加熱濯ぎ温度以上であると判定した場合(ステップS96:YES)、又はステップS94で所定濯ぎ時間を経過したと判定した場合(ステップS94:YES)、制御回路9は、ヒータ85への通電を遮断する(ステップS97)。そして、制御回路9は、ポンプ7を停止させ(ステップS98)、第2加熱濯ぎに係るサブルーチンの処理を終える。
第2加熱濯ぎに係るサブルーチンによれば、洗浄水を70度まで加熱することにより、洗浄水に残存するオゾンを分解することができる。
第2加熱濯ぎに係るサブルーチンの処理を終えた場合、図3に示すように、制御回路9は、ポンプ7を逆回転させることで、洗浄水を排水する(ステップS23)。
次いで、制御回路9は、乾燥に係るサブルーチンを呼び出し(ステップS24)、乾燥に係る処理を実行する。
図10は、乾燥に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
制御回路9は、乾燥に係るサブルーチンを呼び出した場合、送風ファンを駆動し(ステップS101)、ヒータ85への通電を開始させる(ステップS102)。そして、制御回路9は、エアポンプ50a及びオゾン発生器50bを駆動させる(ステップS103)。次いで、制御回路9は、計時を開始する(ステップS104)。
ステップS104の処理を終えた場合、制御回路9は、所定乾燥時間を経過したか否かを判定する(ステップS105)。所定乾燥時間を経過していないと判定した場合(ステップS105:NO)、制御回路9は、処理をステップS105へ戻す。
所定乾燥時間を経過したと判定した場合(ステップS105:YES)、制御回路9は、ヒータ85への通電を遮断させ(ステップS106)、送風ファン、エアポンプ50a及びオゾン発生器50bを停止させ(ステップS107)、乾燥に係るサブルーチンの処理を終える。
乾燥に係るサブルーチンによれば、送風及びヒータ85による加熱によって、食器Aを乾燥させることができる。
また、エアポンプ50a及びオゾン発生器50bが断続運転され、エアストーンからオゾンが洗浄槽1内に排出され、洗浄槽1内を通過した後、排気口14aから洗浄槽1外へ排気される。従って、残滓フィルタ83で分離された残滓、食器A及び洗浄槽1を除菌、消臭することができる。
更に、排気口14aには、オゾン分解触媒84が配されているため、オゾンを酸素に分解して排気することができる。
乾燥に係るサブルーチンの処理を終えた場合、制御回路9は、図2及び図3に示すように処理を終える。
図11は、オゾン発生器50bの駆動時間と洗浄効果との関係を示す実験結果の図表である。
実験方法を説明する。まず、茶碗にご飯、即ちでんぷん汚れを付着させ、1時間放置する。そして、でんぷん汚れが付着した茶碗を最大量、例えば8客搭載した条件で、茶碗の洗浄を行う。次いで、ヨウ素試薬を茶碗に塗布することで、茶碗に残っているでんぷん汚れを着色し、その変色度合いを目視し、茶碗の洗浄効果を4段階で評価する。図表の「◎」は全く汚れが残っていないこと、「○」はほとんど汚れが残っていないこと、「△」はやや濃い汚れが残っていること、「×」は濃い汚れが残っていることを示している。
図11に示すように、硬水生成工程及びスチーム工程、洗浄工程、並びに加熱濯ぎ工程のにいずれにおいてもオゾン発生器50bを駆動しなかった場合、茶碗に濃い汚れが残った。
また、硬水生成工程及びスチーム工程、並びに洗浄工程のいずれにおいてもオゾン発生器50bを駆動せず、濯ぎ工程においてオゾン発生器50bを25分駆動した場合、茶碗にやや濃い汚れが残った。この実験においては、オゾン濃度10ppmのオゾンを1L/minの流量で洗浄水に注入する。
更に、硬水生成工程及びスチーム工程においてオゾン発生器50bを駆動せず、洗浄工程及び濯ぎ工程においてオゾン発生器50bを14分及び25分駆動した場合、茶碗にほとんど汚れが残らなかった。
図11に示す実験結果が示すように、オゾンのでんぷん汚れに対する洗浄効果は明確であり、硬度に関係なく、オゾン発生器50bを駆動する時間が長い程、洗浄効果が向上する。
一方、他の実験によれば、洗浄工程及び濯ぎ工程でオゾンを発生させ、各工程での洗浄水の温度を40度未満に設定した場合、でんぷん汚れがほとんど落ちず、各工程での洗浄水の温度を40度以上に設定した場合、でんぷん汚れが効果的に分解されることが確認されている。
また、洗浄水の温度が高い程、より高い洗浄効果を有することが確認されている。
逆に、40度未満の洗浄水で食器Aを洗浄した場合、オゾン発生器50bを長時間駆動しても、でんぷん汚れを効果的に落とすことができないことが確認されている。
他の実験によれば、オゾンを含む洗浄水又は洗浄水から出たオゾンは、まな板の汚れ及び食器Aに付着した茶渋を漂白する効果を有することが確認されている。
オゾンを含まない洗浄水で洗浄した場合、食器Aに茶渋が付着したままであり、まな板にも汚れが残ったが、オゾンを含む洗浄水で洗浄した場合、食器Aの茶渋は完全になくなり、まな板の汚れも極わずか残る程度である。
実施の形態1にあっては、オゾンを含む40度以上に加熱された洗浄水で食器Aを洗浄することにより、従来の食器洗い機に比べて、より低温の洗浄水で、でんぷん汚れを効果的に落とすことができ、洗浄コストを低減させることができる。つまり、洗浄水の温度を低下させることによる洗浄効果を、オゾンによって補うことができる。
また、オゾンを含む洗浄水で食器Aを洗浄し、乾燥工程にてオゾン発生器50bを駆動するため、オゾンの除菌作用及び消臭作用によって、食器A及び洗浄槽1を除菌することができ、悪臭が食器A及び洗浄槽1に付着することを防ぐことができる。
更に、オゾンの漂白作用によって、食器Aを漂白することができ、食器Aの茶渋、まな板の汚れ等を漂白して除去することができる。
更にまた、食器に対して紫外線、例えば波長が360nm以下の紫外線を照射する紫外線ランプを備え、乾燥行程においてオゾンガスの洗浄槽への供給と同時に紫外線ランプを点灯させるように構成した場合、食器、まな板等の汚れ面に紫外線が照射され、食器等の漂白を更に促進できることが実験により確認できた。従って、紫外線ランプを備えない場合に比べ、食器、まな板等の汚れ面を効果的に漂白することができる。
更にまた、洗浄を使用しないイオンコースではオゾンを発生させ、オゾンを必要としない標準コースでは、オゾンを発生させないように構成した場合、オゾンを発生させる無駄な電力消費を避けることができ、洗浄コストを低減することができる。
更にまた、エアストーンと、食器洗い機が備えるポンプ7を用いて、オゾンを含む洗浄水を生成するように構成してあるため、洗浄水にオゾンを溶解させる特殊なエジェクタを備えることなく、簡単な構成でオゾンを効果的に洗浄水に溶解させることができる。
更にまた、残滓フィルタ83の底側にエアストーンが配されているため、残滓フィルタ83で分離された残滓を効果的に消臭することができ、食器A及び洗浄槽1に悪臭が付着することを効果的に防ぐことができる。
なお、残滓フィルタ83付近に洗浄槽1内へのオゾン供給口、例えばエアストーンを設置せず、特殊なエジェクタ等を備えた場合、洗浄水又は濯ぎ水へ供給されるオゾン気泡は、その平均気泡径がマイクロメートル乃至はナノメートルサイズの微細な気泡となり、気泡の寿命、即ちオゾンが洗浄水へ供給されたときからオゾン気泡どうしが結合して大気中へ消散するまでの時間が延びる。従って、より効果的に食器を洗浄することができる。
更にまた、洗浄槽1内に残留したオゾンは、オゾン分解触媒84で分解されて排気されるため、食器洗い機を安全に使用することができる。
なお、実施の形態1にあっては、オゾンを含む洗浄水を60度まで加熱することで、でんぷん汚れを落とすように構成してあるが、でんぷん汚れを落とすことができる40度以上の温度で洗浄するように構成しても良い。
また、エアストーンのような気泡発生部及びポンプによって、オゾンを洗浄水に溶解させるように構成しているが、他の構成、例えばエジェクタによってオゾンを洗浄水に溶解させるように構成しても良い。
更に、ヒータの加熱によって蒸気を発生させ、洗浄効果を高めているが、蒸気を発生させずに消費電力を軽減させるように構成しても良い。
更にまた、ポンプ構成は図1に示すような構成に限らず、1個のモータ軸に2室のケーシングを有して夫々の室に吸込口と吐出口が形成され、洗浄用と排水用のインペラを配設して正逆回転により洗浄と排水を切り換える方式のポンプでもよく、また、洗浄用ポンプ及びモータと排水用ポンプ及びモータを独立に設けてもよい。
(実施の形態2)
図12は、本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の略示正面断面図である。
実施の形態2に係る食器洗い機は、オゾン発生手段の構成のみが実施の形態1に係る食器洗い機と異なるため、以下では主に上記相違点について説明する。
本発明の実施の形態2に係る食器洗い機は、エアポンプ50a、オゾン発生器50b及びチューブ50cに代えて、残滓フィルタ83下側の貯留槽15に配設された電解槽251、及び電解槽251の内部に対向配置された対電極250を備えている。
電解槽251は、洗浄槽1内を循環する洗浄水が自由に内外へ拡散するように孔部を形成している。また、電解槽251の底部に、硬水給水口15aが位置するように構成されている。
対電極250は、最大3A程度の直流電流が通電するように構成されている。対電極250に電流が通電した場合、洗浄水中にオゾンが発生する。対電極250への通電は、制御回路9が制御する。
図13及び図14は、実施の形態2における制御回路9の処理手順を示すフローチャートである。
制御回路9は、図2に示す給水、スチーム及び硬水生成に係るステップS10乃至ステップS12と同様のステップS310乃至ステップS312の処理を実行する。
次いで、制御回路9は、洗浄に係るサブルーチンを呼び出し(ステップS313)、オゾンを発生させず、45度の硬水の洗浄水を用いた洗浄に係る処理を実行する。
ステップS313の処理を終えた場合、図2及び図3に示す、濯ぎ、第1加熱濯ぎ、第2加熱濯ぎに係るステップS14乃至ステップS23と同様のステップS314乃至ステップS323の処理を実行する。
ステップS323の処理を終えた場合、制御回路9は、乾燥に係るサブルーチンを呼び出し(ステップS324)、オゾンを発生させない乾燥に係る処理を実行する。
実施の形態2に係る食器洗い機の他の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る食器洗い機の構成、作用及び効果と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
図15は、オゾン発生器50bの駆動時間と洗浄効果との関係を示す実験結果の図表である。
洗浄効果の評価方法は、実施の形態1と同様であり、茶碗にご飯を付着させ、1時間放置して茶碗の洗浄を行う。そして、ヨウ素試薬を茶碗に塗布することで、茶碗に残っているでんぷん汚れを着色し、その変色度合いを目視し、茶碗の洗浄効果を4段階で評価する。
図15に示すように、硬水生成工程及びスチーム工程、並びに第1加熱濯ぎ工程のいずれにおいても対電極250に通電させず、洗浄工程において対電極250に電流を25分間通電させた場合、茶碗にほとんど汚れが残らなかった。この実験においては、電極電流が最大3Aとなる条件で行なった。
また、スチーム及び硬水生成工程、並びに洗浄工程のいずれにおいても対電極250に通電させず、第1加熱濯ぎ工程において、対電極250に電流を25分間通電させた場合、茶碗に全く汚れが残らなかった。
更に、洗浄工程及び第1加熱濯ぎ工程において、対電極250に通電させず、硬水生成工程及びスチーム工程において、対電極250に電流を5分間通電させた場合、茶碗にやや濃い汚れが残った。
更にまた、硬水生成工程及びスチーム工程、洗浄構成、並びに第1加熱濯ぎ工程において、オゾン濃度及び次亜塩素酸濃度を夫々測定した。このとき上記3つの工程の中で最も塩分濃度が高い硬水生成工程及びスチーム行工程で次亜塩素酸濃度が高く、オゾン濃度は低かった。一方、上記3つの工程の中で最も塩分濃度の低い第1加熱濯ぎ工程で次亜塩素酸濃度は低く、オゾン濃度は高かった。
以上の実験結果から、硬水の洗浄水を使用する洗浄工程でオゾンを発生させる場合に比べ、軟水の洗浄水を使用する第1加熱濯ぎ工程でオゾンを発生させる方がより、洗浄効果が高いことがわかる。これは、洗浄水の塩分濃度が高い場合、対電極250に通電すると、オゾンよりも次亜塩素酸が多く生成してしまい、でんぷん汚れに対する洗浄効果が低下するためである。
また、図11の実験例2及び図15の実験例Bに示すように、実施の形態2に係る食器洗い機の洗浄効果は、実施の形態1に係る食器洗い機に比べて高いことがわかる。これは、オゾンを含む洗浄水を実施の形態1に係るオゾン発生器50bで生成する場合に比べて、実施の形態2に係る対電極250で生成する方が、より高濃度のオゾンを含む洗浄水を生成することができるからである。
実施の形態2にあっては、洗浄水の循環経路に配された対電極250に通電することで、オゾンを含む洗浄水を生成するため、オゾンを気泡として洗浄水に溶解させる場合に比べて、高濃度で、オゾンの滞留時間が長い洗浄水を生成することができる。
従って、洗浄効果、除菌、消臭及び漂白作用がより高い食器洗い機を構成することができる。
(実施の形態3)
図16及び図17は、本発明の実施の形態3における制御回路9の処理手順を示すフローチャートである。
実施の形態3に係る食器洗い機は、操作パネル及び制御回路9の処理手順のみが実施の形態1と異なるため、以下では主に上記相違点を説明する。
操作パネルは、耐熱温度が低い樹脂性の食器Aを洗浄するために、低温度、例えば50度以下の洗浄水を用いて洗浄及び濯ぎを行う低温専用コースボタンを備えている。
洗剤が所定の位置に投入された上で扉体が閉められて、電源が投入された場合、制御回路9は、操作パネルの低温専用コースボタン及びスタートボタンが操作されたか否かを検出し、低い洗浄水の温度を受け付けたか否かを判定する(ステップS510)。
低い洗浄水の温度を受け付けたと判定した場合(ステップS510:YES)、制御回路9は、図2に示す給水、スチーム及び硬水生成に係るステップS11及びステップS12と同様のステップS511乃至ステップS512の処理を実行する。低い洗浄水の温度を受け付けていないと判定した場合(ステップS510:NO)、制御回路9は処理をステップS510へ戻す。
ステップS512の処理を終えた場合、制御回路9は、ポンプ7を逆回転させることで、ポンプ7の正回転による噴射を行わずに硬水の洗浄水を排水する(ステップS513)。なお、食器洗浄機は、所定位置に投入された洗剤がステップS513における排水動作により流れ出ない構成となっている。そして、制御回路9は、所定水位まで軟水の洗浄水を給水する(ステップS514)。
ステップS514の処理を終えた場合、洗剤と軟水による洗浄工程の後、図2及び図3に示す濯ぎ、第1加熱濯ぎ、第2加熱濯ぎ、乾燥に係るステップS13乃至ステップS24と同様のステップS515乃至ステップS526の処理を実行する。但し、洗浄工程温度が45度で、第1所定濯ぎ温度が40度で、第2所定濯ぎ温度が50度である点が異なる。
実施の形態3に係る食器洗い機の他の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る食器洗い機の構成、作用及び効果と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施の形態3にあっては、オゾンを含む40〜50度に加熱された洗浄水で食器Aを洗浄することにより、洗浄工程において洗剤に含まれるでんぷん分解酵素等の各種酵素が効果を呈して油脂汚れが溶解しやすくなる温度である50℃以上に加熱しなくても、低い洗浄水の温度で洗浄する場合であっても、洗浄効果の低下をオゾンによって補うことができ、食器Aに付着したでんぷん汚れ及び油脂汚れを落とすことができる。
また、低い温度の洗浄水で食器Aを洗浄するため、耐熱温度の低い食器Aを洗浄することができる。
更に、低い温度の洗浄水で洗浄する場合であっても、食器A及び洗浄槽1を除菌することができ、悪臭が食器A及び洗浄槽1に付着することを防ぐことができる。
更にまた、軟水で洗浄するように構成してあるため、洗剤による洗浄効果を高めることができ、口紅のような難洗浄性汚れも落とすことができる。また、白粉状の汚れが食器Aに付着することを防ぐことができる。
更にまた、本実施の形態では第1加熱濯ぎ工程にオゾン発生器を作動させたが、これに限らず、洗浄工程、第2加熱濯ぎ工程のいずれの工程において作動させてもよい。
更にまた、洗浄水及び濯ぎ水に軟水を使用することに限らず、軟水化していない水道水を直接用いてもよい。
更にまた、低温専用コースに限らず、通常の洗浄コースにおける洗浄工程もしくは濯ぎ工程でオゾン発生器を作動させることにより、洗剤使用量の不足を補い、又は難洗浄性汚れの洗浄性能向上を図ってもよい。
本発明の実施の形態1に係る食器洗い機の略示正面断面図である。 洗浄に係る制御回路の処理手順を示すフローチャートである。 洗浄に係る制御回路の処理手順を示すフローチャートである。 スチーム及び硬水生成に係るサブルーチンのフローチャートである。 スチーム及び硬水生成に係るサブルーチンのフローチャートである。 洗浄に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 濯ぎに係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 第1加熱濯ぎに係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 第2加熱濯ぎに係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 乾燥に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 オゾン発生器の駆動時間と洗浄効果との関係を示す実験結果の図表である。 本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の略示正面断面図である。 実施の形態2における制御回路の処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態2における制御回路の処理手順を示すフローチャートである。 オゾン発生器の駆動時間と洗浄効果との関係を示す実験結果の図表である。 本発明の実施の形態3における制御回路の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3における制御回路の処理手順を示すフローチャートである。 従来の食器洗い機の略示正面断面図である。
符号の説明
A 食器
S 食塩
1 洗浄槽
6 モータ
7 ポンプ
9 制御回路
14a 排気口
43 硬度調整装置
43b イオン交換樹脂
44 食塩収容箱
44b 食塩かご
50b オゾン発生器
50d 気泡発生部
70 インペラ
71 ポンプケーシング
80 噴射ノズル
83 残滓フィルタ
84 オゾン分解触媒
85 ヒータ
86 温度検出器
250 対電極
251 電解槽

Claims (9)

  1. 洗剤の使用又は不使用を受け付ける受付手段を備え、該受付手段の受付内容に応じた洗浄水を洗浄槽内に収容された食器に噴射する食器洗い機において、
    前記受付手段が洗剤の不使用を受け付けた場合、オゾンを含む洗浄水を生成するオゾン水生成手段と、
    該オゾン水生成手段が生成した洗浄水を加熱する加熱手段と
    を備えることを特徴とする食器洗い機。
  2. イオン交換樹脂と、
    水道水を該イオン交換樹脂に接触させることで軟水の洗浄水を生成する軟水生成手段と、
    水道水に食塩を溶解させることで食塩水を生成する食塩水生成手段と、
    該食塩水生成手段が生成した食塩水を前記イオン交換樹脂に接触させることで硬水の洗浄水を生成する硬水生成手段と、
    前記軟水生成手段が生成した軟水の洗浄水及び前記硬水生成手段が生成した硬水の洗浄水を順に噴射する手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の食器洗い機。
  3. 洗浄水の温度の高低を受け付ける受付手段を備え、該受付手段の受付内容に応じて洗浄水を加熱し、加熱した洗浄水を食器に噴射する食器洗い機において、
    前記受付手段が低い温度を受け付けた場合、オゾンを含む洗浄水を生成するオゾン水生成手段と、
    該オゾン水生成手段が生成した洗浄水を加熱する加熱手段と
    を備えることを特徴とする食器洗い機。
  4. イオン交換樹脂と、
    水道水を該イオン交換樹脂に接触させることで軟水の洗浄水を生成する軟水生成手段と、
    該軟水生成手段が生成した軟水の洗浄水を噴射する手段と
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の食器洗い機。
  5. 前記加熱手段は、
    オゾンを含む洗浄水の温度を40度以上に加熱するようにしてある
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の食器洗い機。
  6. 前記オゾン水生成手段は、
    オゾンを発生するオゾン発生手段と、
    該オゾン発生手段により発生したオゾンを洗浄水に溶解させる溶解手段と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の食器洗い機。
  7. 食器から洗い落とされた残滓を含む洗浄水を濾過する残滓フィルタを備え、
    前記溶解手段は、
    前記残滓フィルタに並設されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の食器洗い機。
  8. 洗浄水が前記洗浄槽内を循環するようにしてあり、
    前記オゾン水生成手段は、
    洗浄水の循環経路に配されており、オゾンを発生する対電極を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の食器洗い機。
  9. 前記洗浄槽に設けられた排気口と、
    該排気口に配されており、オゾンを分解する触媒と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の食器洗い機。
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