JP2006280398A - 足踏み駆動式車椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 足の可動範囲が狭い使用者であっても使用することができる足踏み駆動式車椅子を提供する。
【解決手段】 本体椅子部と、補助輪と、前記補助輪よりも大径の駆動輪と、この駆動輪を駆動する駆動機構と、前記駆動輪を制動する制動機構とを備える車椅子であって、前記駆動機構は、踏み込み面と直交する直線に沿って往復動できるように取り付けるペダルと、前記ペダルから伝動される往復動を回転に変換する変換機構と、前記回転を駆動輪に伝動する伝動機構とから構成されることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車椅子の技術に関するものであり、特に、搭乗者自身の足踏み動作によって駆動力を得ることができる足踏み駆動式車椅子に関する。
現在、我が国では、65歳以上の高齢者の人口に占める割合が約20%、約2500万人に達し、高齢者の割合も人数も年々増加している。それに伴って、事故による骨折や神経的要因、脳機能の低下による歩行障害や、高齢による筋力の低下が原因で歩行が困難となってしまう高齢者の人数も年々増加している。
このように高齢者が歩行困難になった場合には、他に移動手段がなかったことから、車椅子に頼らざるを得なかった。
しかし、歩行困難な人の移動手段としては、車椅子は非常に便利なものであるが、従来の車椅子は上肢によりハンドリム操作を行って移動させる構造になっているため、下肢の残存運動機能を使用しなくなる。
このように、長期間、車椅子を使用して下肢の残存運動機能を使用しなくなると廃用症候群と呼ばれる筋力低下が起こってくる。
この廃用症候群が進行してくると、筋力低下は進行し、歩行能力はさらに低下する。その結果、歩行のみではなく、立つことさえもできなくなり、そのまま寝たきり生活になってしまい、高齢者の生活の質を大きく低下させてしまう。
また、加齢に伴う筋力の低下は、一般に、上肢筋力に比べ下肢筋力の方が低下する見込みが大きく、さらに、廃用症候群は上肢部よりも下肢部の方が進行が早いという研究報告もあるため、下肢の残存運動機能を維持・回復することは重要となる。
従って、下肢の残存運動機能を維持・回復すべく筋力増強訓練を行う必要があるが、その際、若者と違って高齢者の場合には、低負荷・長期間の訓練が好ましいとされている。そのため、日常的なリハビリテーションを意欲的に行うことが有効であると考えられる。
そこで、上記リハビリテーションを行うべく、日常的に使用される車椅子に、移動手段の他にリハビリテーションも兼ねたものとして、回転ペダル足踏み式車椅子が提供された(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特開2003−102794号公報 特開2003−339779号公報 特開2004−65887号公報
しかしながら、上述の回転ペダル足踏み式車椅子は、ペダルを回転軸を中心に回転又は、円弧状に揺動して車椅子を駆動しなければならず、また、小さな力でペダルを漕ぐことができるように回転半径を大きくしている場合が多い。
従って、足の可動範囲が広くないとペダルを漕ぐことができないが、一般に、車椅子の使用者は足の不自由な人が多いため、足を前記可動範囲内で自由に動かせず、回転ペダル足踏み式車椅子を使用できない人も多数いる。本来、このような人ほど下肢の残存運動機能の維持・回復を必要としている。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、日常的なリハビリテーションを行うべく、足の可動範囲が狭い使用者であっても使用することができる足踏み駆動式車椅子を提供することを課題とする。
上記課題を解消すべく、本発明に係る足踏み駆動式車椅子は、駆動機構を有する車椅子において、前記駆動機構は、足の踏み込み方向に沿って少なくともその一部が往復動できるように取り付けるペダルと、前記ペダルから伝動される往復動を回転に変換する変換機構と、前記回転を駆動輪に伝動する伝動機構とを備えることを特徴とする。
上記構成とすることで、前記足踏み駆動式車椅子に着座した搭乗者が、ペダルに足を載せ、足踏み動作によるペダルの直線状の往復動(上下動)を行うことによって該ペダルの往復動が前記変換機構によって回転に変換され、この回転を駆動力として前記足踏み駆動式車椅子が前進する。尚、前記ペダルの少なくともその一部の往復動とは、例えば、つま先側、又はかかと側の一方を上下方向に回動自在に固定して他方を上下動させるような動きを含む概念である。
人は、下肢の運動機能の低下により、健常時と比較して脚力は衰えるものの、元来、下肢の押し付け力は上肢の3〜4倍程度あるため、体重が支えられない状態であっても、十分な力でペダルの往復運動が可能である。従って、このような下肢の運動機能が低下した人でも足踏み駆動式車椅子を使用すれば意図した移動が可能になる。
また、ペダルを踏み込む際、回転ペダルでの回転動よりも、往復動ペダルの直線状の往復動の方が足の可動範囲が狭くて済む。従って、足の可動範囲が狭く、従来の回転ペダル足踏み式車椅子を使用できない人であっても、前記足踏み駆動式車椅子であれば使用できる。
従って、高齢者のように上肢の運動機能が低くハンドリム操作による車椅子が使用できず、さらに、足の可動範囲が狭いことから回転ペダル足踏み式車椅子も使用できない人でも、本発明に係る足踏み駆動式車椅子であれば使用でき、意図した移動が可能になる。
この意図した移動を可能とすることで下肢の運動機会を増加させ、日常的にリハビリテーションが行えるようになる。その結果、廃用症候群の発症が予防され、生活意欲が向上する。
また、前記変換機構は、前記ペダルの往復動が伝動されることで側部材が平行を保った状態で往復動する四節平行リンク機構と、前記側部材から伝動される往復動に伴って回動するように配置される回転体と、該回転体から伝動される回動から一方向の回転を取り出すワンウェイクラッチとを備える構成とするのが好ましい。
上記構成とすることで、単純な構造で、且つ、軽量な変換機構とすることができる。即ち、四節平行リンク機構は、四本の棒状部材を平行四辺形状に配置し、各角部を互いの交差角が変化する方向に回動自在に枢結し、一対の側部材が常に平行を保ったままで揺動できるような機構であるため部材点数が少ない。従って、軽量且つコンパクト化が図れ、構造が単純であるため故障し難く、メンテナンス性にも優れている。従って、この四節平行リンク機構を採用することで、変換機構も軽量且つコンパクトで、故障し難くメンテナンス性も優れたものとなる。
特に、軽量化は車椅子自体の軽量化にもつながり、搭乗者の移動時の負担の軽減にもつながる。また、故障し難く、メンテナンス性に優れるのも、下肢の不自由な、特に高齢者が日常的に使用するものである以上、重要視される。
また、前記伝動機構は、該伝動機構によって回転が伝動される左右の駆動輪に回転速度差を生じさせるディファレンシャルギアを備える構成とするのが好ましい。
デファレンシャルギア(差動歯車)は、左右の回転軸の回転速度(回転数)の差を取り出すことができることから、上記構成とすることで、左右の駆動輪に回転速度差を生じさせることができ、その結果、旋回動作が行いやすくなる。
以上のように、本発明の足踏み駆動式車椅子によれば、足の可動範囲が狭い人であっても使用することができ、それによって意図した移動をすることができ、それと同時に、下肢部のリハビリテーションを行うことができるようになるという優れた効果を奏し得る。また、如何なる原動機も使用しないため、自らの力による実現感が高く、意欲向上にも有効である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に示す如く、本実施形態に係る足踏み駆動式車椅子(以下、単に「車椅子」と言う。)1は、本体椅子部2と、駆動輪3と、補助輪4と、制動機構5と、駆動機構6とから構成される。
前記本体椅子部1は、標準的な車椅子の構成と同様に、本体フレーム7に設けられた、座部8と、背もたれ部9と、肘掛け部10と、介助者用把持部11とから構成される。
前記駆動輪3は、補助輪4よりも大径で、且つ、ハンドリム12が取り付けられ、前記本体椅子部2の後方側の左右に配置される。
前記補助輪4は、小径のキャスター(自由に方向の変わる車輪)であり、前記本体椅子部2の前方側の左右に配置される。
前記制動機構5は、標準的な車椅子の構成と同様に、駆動輪3近傍の本体フレーム7の少なくとも左右のどちらか一方に設けられ、操作レバー(ブレーキレバー)13を操作する(引く、又は押す)ことで駆動輪3又は駆動軸14に摩擦負荷を与えて駆動輪3を制動する。
前記駆動機構6は、図2(イ)及び(ロ)に示す如く、ペダル15と、変換機構16と、伝動機構17とから構成される。
前記変換機構16は、四節平行リンク機構18と、ラック19及びピニオンギア(平歯車)20と、ワンウェイクラッチ21とから構成される。前記四節平行リンク機構18は、図3(イ)及び(ロ)に示す如く、所定間隔を空けて平行な二組の角柱部材22,23,24,24を平行四辺形の枠状に配置する。その際、各角部25は、互いの交差角が変化する方向に回動自在に枢結される。そして、前記平行四辺形の上下辺を構成する部材22,23の中央部26,26を前記角部25の回動と同方向に回動自在に前記本体フレームの前側下方の足下部分に枢結する。こうすることで、両側部材24,24が平行を保った状態で往復動(上下動)することができるようになる。尚、この往復動をする際に、本体フレーム7との枢結部の回動角が小さい範囲内で動かせば、両側部材24,24は平行を保ったまま往復動(上下動)を行う。
尚、本実施形態においては、四節平個リンク機構18の側部材24,24が略上下動するよう本体フレーム7の足下の位置に、下方側がやや前方に出るように傾斜して取り付けられているが、側部材24,24が揺動する面と地面とのなす角が小さく(水平に近く)ても良いし、垂直であっても良い。また、この角度は固定されていても良いし、可動式であっても良い。
前記四節平行リンク機構18の側部材24は、その外側(左右側)下方に足を置くためのペダル15が取り付けられる。また、側部材24裏側(後方側)には、ラック(直線歯形の歯車)19が形成される。
四節平行リンク機構18の裏側(後方側)に、前記ラック19と噛み合うようにピニオンギア(平歯車)20が配置され、このラック19とピニオンギア20とにより四節平行リンク機構18の側部材24,24の直線状の往復動を回動に変換できる。
前記ピニオンギア20には、回動から一方向の回転を抽出するためのワンウェイクラッチ21を介して伝動機構17へ回転を伝動するための軸が設置される。
以上の変換機構16によって、往復動を一方向の回転に変換することができるようになる。
前記伝動機構17は、チェーンベルト27,28とディファレンシャルギア29とで構成される。前記変換機構16で往復動から変換された回転をチェーンベルト27を介してディファレンシャルギア29に伝動し、該ディファレンシャルギア29から前記駆動輪3の駆動軸14にチェーンベルト28を介して回転を伝動する。
本実施形態に係る足踏み駆動式車椅子1は、以上の構成からなり、次に使用態様を説明する。
搭乗者は、本体椅子部2に着座して両足をペダル15,15にそれぞれ載せる。該ペダル15,15は、その取り付けられている四節平行リンク機構18により、上下方向にペダル15の踏み込み面の姿勢を変化させることなく直線状に上下動させることができる。
尚、本実施形態の場合は、上下の踏み込み幅が8cmとなるよう制限されている範囲でペダル15は直線状に上下動する。また、この踏み込み幅は、この値に限定する必要はなく、それ以上の幅でも良く、それ以下の幅でも良い。また、前述したように、四節平行リンク機構18の揺動面と地面のなす角を小さくしていくことで、足の上下動が水平方向への往復動となる。そうすることで、よりペダル15,15の往復動は行いやすくなる。即ち、座位の場合、背もたれを利用して足を押し出すことができるため、下方に足を踏み込むよりも水平方向に押し出す方が大きな力を発揮できる。従って、よりペダル15,15の往復動が行いやすくなるため、より、下肢の残存運動機能の少ない人でも車椅子を使用することができるようになる。
このように、ペダル15,15を直線状に上下動させることによって、該上下動を駆動源として駆動輪3,3に駆動力が伝動され、車椅子1は前進する。
この時、伝動機構17において種々の歯車を組み合わせることで、小さな踏み込み力でペダル15,15の往復動を行うことができ、また、その組み合わせを変えることで足に係る負荷を調節することもできる。
また、伝動機構17内にデファレンシャルギア29が組み込まれていることから、車椅子1は、左右にスムーズに旋回することができる。即ち、デファレンシャルギアは、旋回時の内側と外側のタイヤの走行距離の差をタイヤの回転速度の大きさを変えることによって、スリップすることなくスムーズにカーブできるようにする機構であるため、このデファレンシャルギア29を備えた車椅子1は、左右の駆動輪3,3の回転速度の大きさを変えることができ、その結果、スリップすることなくスムーズに旋回することができる。
上記操作によって動いている車椅子は、前記制動機構(ブレーキ機構)5により止まることができる。即ち、前記操作レバー13を操作することで、駆動輪3の回転に対し摩擦力が加わり車輪が制動する。
このようにして、車椅子1を前進、旋回、停止の各動きを適宜組み合わせることで搭乗者は目的の場所(意図した場所)へ行くことができる。
尚、本発明の車椅子1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができることは勿論である。
上記実施形態では、変換機構16として四節平行リンク機構18とラック19とピニオンギア20と、ワンウェイクラッチ21とを使用しているが、これに限定されるものではない。
例えば、図4(イ)に示す如く、直線状に上下動自在にレール(図示せず)等に取り付けられたペダル15a,15aをベルト等で角部にローラーR,R等を設置して開口部を下向きにしたコの字状につなぎ、上辺のベルトにラック19aを設け、これに噛み合うようにピニオンギア20aを設けて、ペダル15a,15aの上下動を回動に変換しても良い。
このような構成とすることで、より軽量化を図ることができる。尚、上記ラック19aとピニオンギア20aではなく、摩擦係数の大きなベルトとそれに接する回転体を使用しても良い。
さらに、図4(ロ)に示す如く、ペダル15bを直線状に上下動自在にレール(図示せず)等に取り付け、上向きにバネ(図示せず)等の弾性体で付勢することで、両足でペダル15bを踏み込んで下げ、付勢力によって上がることで、ペダル15bを上下動させることができるようにし、該上下動をラック19b及びピニオンギア20bによって回動に変換するように構成しても良い。
このような構成とすることで、両足でペダル15bを踏み込むことができるため、より大きな力をペダル15bに加えることができるようになり、片足では踏み込む力が足りない人でも、ペダル15bの上下動を行うことができる。
また、片足しか動かすことができない人であっても、ペダルの上下動を行うことができるようになるため、このような人であっても車椅子1を使用して移動することが可能となる。
また、図4(ハ)に示す如く、ラック19とピニオンギア20とを使用せずに、四節平行リンク機構18cにかさ歯車(交差軸で使用される歯車)30,30を使用しても良く、また、図4(ニ)に示す如く、四節平行リンク機構18dの側部材24dの内側(又は外側)へ円弧状にラック19dを設け、該ラック19dと噛み合うようにピニオンギア20dを設けて、直線状の往復動を回動に変換しても良い。
さらに、伝動機構17において、駆動力を伝動するのにチェーンベルト27,28を使用しているが、シャフト等を使用して駆動力を伝動しても良い。
また、本実施形態では駆動輪3は後輪であるが、前輪が駆動輪であっても良い。その場合、伝動機構17はワンウェイクラッチ21から駆動輪3につながるシャフト、及びディファレンシャルギアのみで構成される場合もある。
次に、リハビリテーションの効果を確認するために、主に歩行に使われる下肢筋肉の大腿直筋、外側広筋、内側広筋、大腿二頭筋、前頸骨筋、腓腹筋の六筋に関して表面筋電位の計測によって歩行の時の筋肉の使用状態と、車椅子に座っている座位状態との筋肉の使用状態を比較し、車椅子使用状態と同様である座位における足踏み動作や地面の押し付け動作などによっても歩行と同様に筋肉使用できているかを調べるために以下の実験を行った。
(1)実験装置
・2チャンネル高感度増幅器:MEG−2100(日本光電社製)
・モバイル型高速・高電圧レコーダ:NR−2000(キーエンス製)
(2)実験条件
MEG−2100:ゲイン 0.1mV/V(10000倍)
ハイカット 1kHz
ローカット 60Hz
NR−2000:サンプリング周期 1kHz
(3)実験方法
表面筋電位の計測法には二個の測定電極と一個の不感電極を用いた双極誘電法を用い、非常に微弱な表面筋電位を計測する上で邪魔になるノイズを除去する。
図5(イ)及び(ロ)に示す如く、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、大腿二頭筋、前頸骨筋、腓腹筋の六種類の筋肉に電極を貼り付け、被験者とMEG−2100とNR−2000とを接続する。
そして、後述の六動作を行った時の表面筋電位をMEG−2100を用いて増幅しNR−2000で計測する。また、各動作に関して、電極の位置は微妙な体の抵抗が変化しないために変わらないように注意する。
i)起立姿勢
両足を肩幅に開き、起立姿勢で計測する。このとき被験者は無駄な力がかからないようにリラックスさせると共に、バランスを崩した時の筋電位が発生しないようにするためバランスを崩さないように注意させた。
ii)歩行動作
起立時と同じ姿勢から、標準的な歩行周期である90回/分のテンポで右足から踏み出し歩行する。被験者にはこのテンポで歩くように二、三回練習させてから実験をさせた。この時、できる限り真っ直ぐに歩くように注意させた。計測は歩行の2サイクル分を計測した。
iii)座位
椅子に腰と膝との角度が90°になるように腰掛ける。この時の被験者は無駄な力がかからないようにリラックスさせ椅子の背もたれにもたれないように注意させた。
iv)座位+足踏み
図6(イ)に示す如く、座位から、90回/分のテンポで左右の足の位置がそれぞれ逆になるように足を上げ下げする。あらかじめ90回/分で音を鳴らしておきそれに合わせて足を動かさせておき、特に合図を送らずに被験者には分からないように計測を行った。これは被験者に無駄に力を加えさせないためである。足の上げ幅に関しては被験者に無理がないような範囲で、歩行時を意識してもらい被験者に任せた。
v)座位+地面の押し付け
図6(ロ)に示す如く、座位から90回/分のテンポで足を地面から離れないように、地面に足を交互に押し付ける。座位+足踏み動作と同様にあらかじめ90回/分で音を鳴らしておきそれに合わせて足を動かさせておき、特に合図を送らずに被験者には分からないように計測を行った。この時の地面を押し付ける強さは歩く時を意識してもらい、上半身がぶれないような程度に被験者に指示した。
vi)足関節の上下
図6(ハ)に示す如く、足が地面に着かないような高さの台に膝関節が90°になるように腰をかけ、その状態から90回/分のテンポで足首から下の箇所を上下させた。このとき被験者には上げ下げはできる限り強く、且つ、早く行うように指示した。
以上の実験の結果を、図7乃至12に示す。この結果より、どの筋肉の部位に関しても大きさの大小はあるが、座位状体における足踏み、地面の押し付け動作に関して、表面筋電位波形に反応を見ることができた。この動作は、上記実施形態での足踏み駆動式車椅子で駆動力を得るための動作と同じであることから、該車椅子を使用することによって、今回の実験に使用した筋肉を鍛えることが可能であると考えられる。
本実施形態に係る足踏み駆動式車椅子の斜視図を示す。 同実施形態に係る足踏み駆動式車椅子の駆動部機構の概略の、(イ)は側面図、(ロ)は平面図、を示す。 同実施形態に係る足踏み駆動式車椅子の変換機構の四節平行リンク機構の、(イ)は正面図、(ロ)は揺動した状態の正面図、を示す。 (イ)乃至(ハ)は足踏み駆動式車椅子の変換機構の他の実施形態を示す。 表面筋電位を計測するための、(イ)は、各筋肉の筋電位を計るための電極を貼り付け位置、(ロ)は、計測機器の接続概略図、を示す。 表面筋電位を計測するための、(イ)は、座位+足踏み姿勢の概略図、(ロ)は、座位+地面の押し付け姿勢の概略図、(ハ)は、足関節の上下の概略図、を示す。 大腿直筋の、起立姿勢、歩行動作、座位、座位+足踏み、座位+地面の押し付け、足関節の上下、の各姿勢での表面筋電位の計測結果を示す図 外側広筋の、起立姿勢、歩行動作、座位、座位+足踏み、座位+地面の押し付け、足関節の上下、の各姿勢での表面筋電位の計測結果を示す図 内側広筋の、起立姿勢、歩行動作、座位、座位+足踏み、座位+地面の押し付け、足関節の上下、の各姿勢での表面筋電位の計測結果を示す図 大腿二頭筋の、起立姿勢、歩行動作、座位、座位+足踏み、座位+地面の押し付け、足関節の上下、の各姿勢での表面筋電位の計測結果を示す図 前頸骨筋の、起立姿勢、歩行動作、座位、座位+足踏み、座位+地面の押し付け、足関節の上下、の各姿勢での表面筋電位の計測結果を示す図 腓腹筋の、起立姿勢、歩行動作、座位、座位+足踏み、座位+地面の押し付け、足関節の上下、の各姿勢での表面筋電位の計測結果を示す図
符号の説明
1…足踏み駆動式車椅子、2…本体椅子部、3…駆動輪、4…補助輪(キャスター)、5…制動機構、6…駆動機構、15…ペダル、16…変換機構、17…伝動機構、18…四節平行リンク機構、19…ラック(直線歯車)、20…ピニオンギア(平歯車)、21…ワンウェイクラッチ(一方向クラッチ)

Claims (3)

  1. 駆動機構を有する足踏み駆動式車椅子において、前記駆動機構は、足の踏み込み方向に沿って少なくともその一部が往復動できるように取り付けるペダルと、前記ペダルから伝動される往復動を回転に変換する変換機構と、前記回転を駆動輪に伝動する伝動機構とを備えることを特徴とする足踏み駆動式車椅子。
  2. 前記変換機構は、前記ペダルの往復動が伝動されることで側部材が平行を保った状態で往復動する四節平行リンク機構と、前記側部材から伝動される往復動に伴って回動するように配置される回転体と、該回転体から伝動される回動から一方向の回転を取り出すワンウェイクラッチとを備えることを特徴とする請求項1記載の足踏み駆動式車椅子。
  3. 前記伝動機構は、該伝動機構によって回転が伝動される左右の駆動輪に回転速度差を生じさせるディファレンシャルギアを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の足踏み駆動式車椅子。
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