JP2006280194A - バッテリ状態管理装置及び管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの状態評価のためのバラメータ設定についての人的及び装置的コストを軽減できるとともに、同一車種内の車両個体差によるバラツキにも容易に対応できるバッテリ状態管理装置及び管理方法を提供する。
【解決手段】このバッテリ状態管理装置では、エンジン始動時負荷が実質的に新品状態のバッテリに接続された際の下限電圧値が初期基準下限電圧値VLIFとして計測され、この初期基準下限電圧値VLIFと、そのバッテリの開放電圧である初期基準開放電圧値VOIFと、予め記憶部に記憶されたバッテリの開放電圧の変化に対する内部抵抗変化率に関する情報とを用いて、車両固有のエンジン始動時負荷に対する新品のバッテリの基準放電特性が導出され、その基準放電特性を用いてバッテリの状態評価が行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、バッテリ(本明細書では、鉛バッテリのことを指す)の状態を管理するバッテリ状態管理装置及び管理方法に関する。
従来より、バッテリの状態(例えば、劣化度合い又は充電残量等)の検出を、エンジン始動時等の放電時におけるバッテリの電圧降下特性に基づいて行う技術がある(例えば特許文献1)。この電圧降下特性はバッテリ放電時の車両固有の負荷と密接に関係するため、この種の従来技術では、バッテリの状態評価のための各種パラメータを車種ごとに個別に設定するようになっている。
特開2004−190604号公報
しかしながら、上述の従来技術では、バッテリの状態評価のための各種パラメータを車種ごとに個別に設定にするため、パラメータ設定のための人的及び装置的コストが増大するとともに、同一車種内の車両個体差によるバラツキには対応困難である。
そこで、本発明の解決すべき課題は、バッテリの状態評価のためのバラメータ設定についての人的及び装置的コストを軽減できるとともに、同一車種内の車両個体差によるバラツキにも容易に対応できるバッテリ状態管理装置及び管理方法を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明では、車両に搭載され、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理装置であって、前記バッテリの出力電圧を検出する電圧検出手段と、略新品のバッテリの開放電圧がそのバッテリの充電残量に応じて変化した際に、前記開放電圧の変化に対する前記略新品のバッテリの内部抵抗の変化態様を表す第1の情報を記憶する第1の記憶手段と、前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値と、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値とを前記電圧検出手段を介して計測する計測制御手段と、横軸及び縦軸に前記開放電圧及び前記放電時電圧を採用した2次元座標上における前記初期基準開放電圧値及び前記初期基準放電時電圧値により決まる座標点と原点とを結ぶ直線を基準とし、その直線上の各点を、前記初期基準開放電圧値と前記初期基準放電時電圧値との差分値と、前記第1の記憶手段に記憶された前記第1の情報が表す前記内部抵抗の変化態様とに応じて変化させて得られた座標情報である第2の情報を導出する第1の情報処理手段とを備える。
また、請求項2の発明では、車両に搭載され、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理装置であって、前記バッテリの出力電圧を検出する電圧検出手段と、略新品のバッテリの各充電残量における内部抵抗値RBの所定の基準内部抵抗値RBIに対する変化率(RB/RBI)を、前記略新品のバッテリの前記各充電残量に対応する開放電圧値VOIの関数f(VOI)として表す関数情報である第1の情報を記憶する第1の記憶手段と、前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値VOIFと、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値VLIFとを前記電圧検出手段を介して計測する計測制御手段と、前記第1の記憶手段に記憶された前記関数情報によって与えられる前記関数f(VOI)と、前記計測制御手段によって計測された前記初期基準開放電圧値VOIF及び前記初期基準放電時電圧値VLIFと、関係式:
Figure 2006280194
とを用いて、前記略新品のバッテリの前記開放電圧値VOIと前記放電時電圧値VLIとの関係を表す第2の情報を導出する第1の情報処理手段とを備える。
また、請求項3の発明では、請求項1又は2の発明に係る発明において、第2の記憶手段と、第2の情報処理手段とをさらに備え、前記計測制御手段は、さらに、使用開始後の前記バッテリにおける前記開放電圧である使用後開放電圧値と前記放電時電圧値である使用後放電時電圧時とを前記電圧検出手段を介して計測し、前記第1の情報処理手段は、さらに、前記初期基準開放電圧値及び前記第2の情報を前記第2の記憶手段に記憶させ、前記第2の情報処理手段は、前記第2の記憶手段に記憶された前記第2の情報によって与えられる前記開放電圧と前記放電時電圧の関係において、前記放電時電圧が前記使用後放電時電圧値と等しい値であるときの前記開放電圧の値を対応基準開放電圧値として導出し、前記第2の記憶手段に記憶された前記初期基準開放電圧値と前記対応基準開放電圧値との差である第1の差分値と、前記初期基準開放電圧値と前記使用後開放電圧値との差である第2の差分値とを比較することにより、前記使用されているバッテリの劣化度合いを検出する。
また、請求項4の発明では、請求項3の発明に係る発明において、前記第2の情報処理手段は、前記第1の差分値に対する前記第2の差分値の比率に基づいて前記使用されているバッテリの劣化度合いを検出する。
また、請求項5の発明では、請求項1ないし4のいずれかの発明に係る発明において、第2の記憶手段と、第3の情報処理手段とをさらに備え、前記第1の記憶手段は、前記略新品のバッテリの略充電残量ゼロのときの開放電圧である最低基準開放電圧値を予め記憶し、前記計測制御手段は、さらに、使用開始後の前記バッテリの前記開放電圧である使用後開放電圧値と前記放電時電圧値である使用後放電時電圧時とを前記電圧検出手段を介して計測し、前記第1の情報処理手段は、さらに、前記初期基準開放電圧値及び前記第2の情報を前記第2の記憶手段に記憶させ、前記第3の情報処理手段は、前記第2の記憶手段に記憶された前記第2の情報によって与えられる前記開放電圧と前記放電時電圧の関係において、前記放電時電圧が前記使用後放電時電圧値と等しい値であるときの前記開放電圧の値を対応基準開放電圧値として導出し、前記使用開始後のバッテリの略充電残量ゼロのときの開放電圧である最低使用後開放電圧値を、前記第2の記憶手段に記憶された前記初期基準開放電圧値から前記第1の記憶手段に記憶されている前記最低基準開放電圧値を引いた値に対する前記初期基準開放電圧値から前記最低使用後開放電圧値を引いた値の比が前記初期基準開放電圧値から前記対応基準開放電圧値を引いた値に対する前記初期基準開放電圧値から前記使用後開放電圧値を引いた値の比と等しくなるようにして導出し、前記初期基準開放電圧値と前記最低使用後開放電圧値との差である第3の差分値と、前記使用後開放電圧値と前記最低使用後開放電圧値との差である第4の差分値とを比較することにより、前記使用されているバッテリの充電残量を検出する。
また、請求項6の発明では、請求項5の発明に係る発明において、前記第3の情報処理手段は、前記第3の差分値に対する前記第4の差分値の比率に基づいて前記使用されているバッテリの充電残量を検出する。
また、請求項7の発明では、請求項1ないし6のいずれかの発明に係るバッテリ状態管理装置において、前記放電時電圧値は、前記所定負荷を接続して放電を行わせた際における前記バッテリの出力電圧の最低値である。
また、請求項8の発明では、請求項1ないし7のいずれかの発明に係るバッテリ状態管理装置において、前記所定負荷は、エンジン始動時にバッテリに接続される負荷である。
また、請求項9の発明では、請求項1ないし8のいずれかの発明に係るバッテリ状態管理装置において、前記計測制御手段による前記初期基準開放電圧値及び前記初期基準放電時電圧値の計測は、前記略新品のバッテリが略満充電状態であるときに行われる。
また、請求項10の発明では、請求項1ないし9のいずれかの発明に係るバッテリ状態管理装置であって、前記第1の記憶手段に記憶された前記開放電圧の変化に対する前記バッテリの内部抵抗の変化態様を表す第1の情報は、略満充電状態にある略新品のバッテリに、所定の一定電流値を放電させつつ、そのバッテリの出力電圧の推移を計測するすることにより取得されたものである。
また、請求項11の発明では、車両に搭載され、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、略新品のバッテリの開放電圧がそのバッテリの充電残量に応じて変化した際に、前記開放電圧の変化に対する前記略新品のバッテリの内部抵抗の変化態様を表す第1の情報を予め取得しておき、前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値と、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値とを前記電圧検出手段を介して計測し、横軸及び縦軸に前記開放電圧及び前記放電時電圧を採用した2次元座標上における前記初期基準開放電圧値及び前記初期基準放電時電圧値により決まる座標点と原点とを結ぶ直線を基準とし、その直線上の各点を、前記初期基準開放電圧値と前記初期基準放電時電圧値との差分値と、前記第1の記憶手段に記憶された前記第1の情報が表す前記内部抵抗の変化態様とに応じて変化させて得られた座標情報である第2の情報を導出する。
また、請求項12の発明では、車両に搭載され、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、略新品のバッテリの各充電残量における内部抵抗値RBの所定の基準内部抵抗値RBIに対する変化率(RB/RBI)を、前記略新品のバッテリの前記各充電残量に対応する開放電圧値VOIの関数f(VOI)として表す関数情報である第1の情報を予め取得しておき、前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値VOIFと、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値VLIFとを前記電圧検出手段を介して計測し、前記第1の記憶手段に記憶された前記関数情報によって与えられる前記関数f(VOI)と、前記計測制御手段によって計測された前記初期基準開放電圧値VOIF及び前記初期基準放電時電圧値VLIFと、関係式:
Figure 2006280194
とを用いて、前記略新品のバッテリの前記開放電圧値VOIと前記放電時電圧値VLIとの関係を表す第2の情報を導出する。
請求項1、2、11及び12に記載の発明によれば、略新品のバッテリの充電残量の変化に応じた開放電圧の変化に対するバッテリの内部抵抗の変化態様は、バッテリのグレード等が異なってもほぼ共通しているため、その開放電圧の変化に対する内部抵抗の変化態様を表す第1の情報と、略新品状態にあるときのバッテリの初期基準放電時電圧値と、所定負荷(これは各車両固有のものであってよい)に対する初期基準放電時電圧値とに基づいて、バッテリの状態評価の基準となる略新品状態にあるときのバッテリの開放電圧の変化に対する放電時電圧の変化態様を表す第2の情報を、車種ごとの固有のパラメータ設定を行うことなく、自動的に取得することができ、バラメータ設定のための人的及び装置的コストを軽減できるとともに、同一車種内の車両個体差によるバラツキにも容易に対応できる。
また、初期基準放電時電圧値の検出を行う際にバッテリに接続する所定負荷は、各車両に固有の負荷であってよいので、負荷に車両固有の負荷を用いることにより、バッテリにその車両固有の負荷を接続したときの固有の放電特性を反映した、車両固有のバッテリ評価基準を自動的に取得することができる。
請求項3に記載の発明によれば、バッテリが略新品状態にあるときに取得しておいた開放電圧の変化に対する放電時電圧の変化態様を表す第2の情報と、使用開始後のバッテリの開放電圧である使用後開放電圧値と所定負荷を接続した際の放電時電圧である使用後放電時電圧値とに基づき、第2の情報によって与えられる前記開放電圧と前記放電時電圧の関係において、放電時電圧が使用後放電時電圧値と等しい値であるときの開放電圧の値が対応基準開放電圧値として導出され、初期基準開放電圧値と対応基準開放電圧値との差である第1の差分値と、初期基準開放電圧値と使用後開放電圧値との差である第2の差分値とが比較されることにより、使用されているバッテリの劣化度合いが検出されるため、車両固有の評価パラメータを設定することなく、バッテリの劣化度合いを検出することができる。
また、バッテリの充電残量に依存することなく、各時点におけるバッテリの劣化度合いを検出することができる。
請求項4に記載の発明によれば、第1の差分値に対する第2の差分値の比率に基づいてバッテリの劣化度合いを検出するため、簡単な演算により、バッテリの劣化度合いを検出することができる。
請求項5に記載の発明によれば、バッテリが略新品状態にあるときに取得しておいた開放電圧の変化に対する放電時電圧の変化態様を表す第2の情報と、使用開始後のバッテリの開放電圧である使用後開放電圧値と所定負荷を接続した際の放電時電圧である使用後放電時電圧値とに基づき、第2の情報によって与えられる前記開放電圧と前記放電時電圧の関係において、放電時電圧が使用後放電時電圧値と等しい値であるときの開放電圧の値が対応基準開放電圧値として導出され、第2の情報によって表される放電時電圧の変化態様において、略新品状態にあるバッテリの充電残量が略ゼロであるときの開放電圧値である最低基準開放電圧が導出され、使用が開始されているバッテリの充電残量が略ゼロのときの開放電圧である最低使用後開放電圧値が、第2の記憶手段に記憶された初期基準開放電圧値から第1の記憶手段に記憶されている最低基準開放電圧値を引いた値に対する初期基準開放電圧値から最低使用後開放電圧値を引いた値の比が初期基準開放電圧値から対応基準開放電圧値を引いた値に対する初期基準開放電圧値から使用後開放電圧値を引いた値の比と等しくなるようにして導出され、初期基準開放電圧値と最低使用後開放電圧値との差である第3の差分値と、使用後開放電圧値と最低使用後開放電圧値との差である第4の差分値とが比較されることにより、使用されているバッテリの充電残量が検出されるため、車両固有の評価パラメータを設定することなく、バッテリの充電残量を検出することができる。
また、バッテリの劣化度合いに依存することなく、各時点におけるバッテリの充電残量を検出することができる。
請求項6に記載の発明によれば、第3の差分値に対する第4の差分値の比率に基づいてバッテリの充電残量を検出するため、簡単な演算により、バッテリの充電残量を検出することができる。
請求項7に記載の発明によれば、放電時電圧値として所定負荷を接続して放電を行わせた際におけるバッテリの出力電圧の最低値が用いられるため、バッテリの特性を有効に表す放電時電圧値を容易かつ確実に取得することができる。
請求項8に記載の発明によれば、バッテリの放電特性を検出するためにバッテリに接続する所定負荷として、エンジン始動時にバッテリに接続される負荷が用いられるため、バッテリの状態評価のための特別な放電をバッテリに行わせる必要がないとともに、バッテリのエンジン始動能力を的確に評価することができる。
請求項9に記載の発明によれば、計測制御手段による初期基準開放電圧値及び前記初期基準放電時電圧値の計測は、略新品のバッテリが略満充電状態であるときに行われるため、バッテリの放電特性を容易かつ正確に検出することができる。
請求項10に記載の発明によれば、第1の記憶手段に記憶された開放電圧の変化に対するバッテリの内部抵抗の変化態様を表す第1の情報が、所定の一定電流値をバッテリに放電させつつバッテリの出力電圧値の推移を計測することにより取得されるため、バッテリのエンジン始動時の放電特性を導出するのに適した第1の情報を取得することができる。
<原理説明>
本発明の一実施形態に係るバッテリ状態管理装置についての具体的な説明を行う前に、本実施形態に係るバッテリ状態の評価原理について説明する。
図1は、劣化状況及び充電残量の異なるバッテリについて開放電圧(バッテリが実質的に放電を行っていないときの出力電圧)とエンジン始動時の下限電圧(エンジン始動時の放電によりバッテリの出力電圧が低下したときのその最低電圧であり、本発明に係る放電時電圧に相当する)とを試験により計測した計測結果を示すグラフである。その横軸は各放電試験におけるエンジン始動時放電開始前のバッテリの開放電圧値に対応し、縦軸は各放電試験におけるエンジン始動時放電中のバッテリの下限電圧値に対応している。また、図1中の曲線G1は新品(実質的に新品であればよい(以下同様))のバッテリについての計測結果に基づいて描いたものであり、曲線G2〜G4は使用されてある程度劣化したバッテリについての計測結果に基づいて描いたものであり、曲線G2,G3,G4の順にバッテリの使用期間が長くなり劣化が進んでいる。なお、充電終了時(エンジン停止時)から一定時間経過時の開放電圧値を用いることにより、バッテリ1の放電特性取得や状態評価等の精度がより向上する。
図1のグラフより、バッテリの劣化が進むにつれて対応する曲線G1〜G4がグラフの概ね右方向(又は右下方向)にシフトしていることが分かる。特に、下限電圧値が所定の基準レベル(例えば、9V)以下の領域では、曲線G1を基準とした曲線G2〜G4の右方向へのシフト量が対応するバッテリの劣化の進みに応じて増加する傾向にあることが分かる。これより、曲線G1に対応した新品のバッテリのエンジン始動時放電特性(各充電残量に応じた各放電電圧値に対するエンジン始動時放電中の下限電圧値)を導出しておけば、これを基準としてバッテリの状態評価を行うことができる。
しかし、エンジン始動時にバッテリに接続される負荷の状況は、車種ごとに大きく相違する。このため、従来の手法を適用して、曲線G1に対応するバッテリのエンジン始動時放電特性を取得しようとすると、例えば、ある一定の基準条件の下で曲線G1に対応するバッテリのエンジン始動時放電特性を試験により検出し、その放電特性に対し、車種ごとに設定した調節パラメータを用いて微調整を行うこととなる。
そこで、本願発明者は、その従来手法の課題に着目し、車体固有の調節パラメータ等を使用することなく、車体固有のエンジン始動時の負荷状況を反映したバッテリのエンジン始動時放電特性等を自動的に取得できるようにすべく本発明を行った。その原理は以下の通りである。
図2は、バッテリのエンジン始動時の放電特性について説明するためのグラフであり、図2のグラフ中の曲線G1は図1の曲線G1に対応している。図3に示すように、エンジン始動時にバッテリ1に接続されるエンジン始動時負荷LS(バッテリの内部抵抗以外の負荷であって、スタータ、その他の抵抗要素等を含む)の抵抗値をRSとし、バッテリ1の内部抵抗値をRBとし、バッテリ1の開放電圧値をVOとし、バッテリ1にエンジン始動時負荷LSを接続して放電を行わせた際の出力電圧の最低値である下限電圧値をVLとすると、これらのパラメータRS,RB,VO ,VLの間には、次の関係が成り立つ。
Figure 2006280194
この式(1)をVLについて解くと次のようになる。
Figure 2006280194
この式(2)において、内部抵抗値RBが開放電圧値VO(すなわち、バッテリ1の充電残量)により変化しないと仮定すると、エンジン始動時負荷LSの抵抗値RSは開放電圧値VOの値に依らず一定であるため、図2のグラフの座標系の原点を通る直線G5に対応した式(値VO,VLの比例関係を表す式)が得られる。
実際には、式(2)における内部抵抗値RBは開放電圧値VO(バッテリ1の充電残量)の減少に伴って増加するため、下限電圧値VLの低下割合は、曲線G1のように開放電圧値VOの減少に伴って増大するようになっている。すなわち、図2のグラフの曲線G1の直線G1からの縦軸マイナス方向への乖離量が開放電圧値VOの減少に伴って徐々に大きくなるのは、開放電圧値VOの減少に伴う部抵抗値RBの増加によるものであるということができる。
そこで、本願発明者は、開放電圧値VO(バッテリ1の充電残量)の減少に伴うバッテリ1の内部抵抗値RBの増加割合は、新品のバッテリ1であればどのバッテリ1についてもほぼ共通した特性であることに着目し、その特性を有効に利用することにより、新品のバッテリ1のエンジン始動時負荷LSに対する車両固有の放電特性を容易に検出することが可能であることに思い至った。
すなわち、新品のバッテリ1における開放電圧値VOの減少に伴う内部抵抗値RBの増加割合に関する情報を予め取得してシステムに記憶させておき、工場での車両組立完成時、出荷時、車両がエンドユーザに引き渡されたとき、又はエンドユーザ引き渡し後一定期間内などのバッテリ1が新品かつ満充電の状態にあるときに、バッテリ1に対するエンジン始動時負荷LSを用いた放電特性(基準となる充電残量における新品のバッテリ1の開放電圧値VOとエンジン始動時負荷LSを接続した際の下限電圧値VL)の計測により、図2のグラフ上における車両固有の1つの計測点を基準点として取得し、その計測点(基準点)と予め記憶された内部抵抗値RBの増加割合に関する情報とに基づいて、新品のバッテリ1のエンジン始動時負荷LSに対する車両固有の放電特性(基準ライン)を取得できることが分かった。なお、前記車両固有の計測点(基準点)については、複数回の計測を行って得られた計測結果について平均化(加重平均を含む)等の数値処理を施したものを利用してもよく、その場合、計測時のバッテリ1の開放電圧(充電残量)の値に応じて開放電圧が最大の計測点について優先的に利用したり、加重平均の寄与度を大きくする等の方法が考えられる。
なお、バッテリ1は劣化して寿命に到ると新たなバッテリに交換されるが、その際、アフターマーケットで販売されているバッテリには、容量、硫酸比重、又は内部抵抗が異なる種々の仕様のものが存在する。また、寿命に到ったバッテリ1が必ずしも新品のバッテリに交換されるとは限らず、ある程度劣化した中古品のバッテリに交換される場合もあり得る。従って、新品かつ満充電の状態で計測された開放電圧値VO及び下限電圧値VLを基準点とするという考えからすると、バッテリ1がバッテリ1とは仕様の異なるバッテリや中古品のバッテリに交換された場合に、交換時点で開放電圧値VO及び下限電圧値VLを再計測して基準点を変更したのでは、結果として基準ラインが変動してしまい、バッテリ状態の正確な管理の妨げになる可能性がある。
そこで、バッテリ1が新たなバッテリに交換された場合には、交換時点での基準点の再計測は行わず、交換前のバッテリ1に関して求められていた基準ラインをシステムに記憶させておき、その基準ラインを交換後のバッテリに関してもそのまま継続して適用することが望ましい。バッテリ1は、車両がカーメーカーの工場から出荷される際に装着されていたバッテリ(即ちライン装着のバッテリ)であり、その車両に適合することがカーメーカーによって確認されている。つまり、バッテリ1はカーメーカーの推奨特性が得られているバッテリであるため、推奨特性が得られているバッテリ1に関して上記の車両組立完成時や出荷時等に求められた基準ラインは、その車両に適合した基準ラインであると言える。
このように、バッテリ1に関して求められた基準ラインを交換後のバッテリに関しても継続して適用することにより、その車両に適合した基準ラインがバッテリの交換に起因して変動してしまうという事態を回避することができる。
なお、バッテリは自己放電するため、上記の車両組立完成時点や出荷時点、あるいは車両がエンドユーザに引き渡された時点で、ライン装着のバッテリ1が常に満充電の状態にあるとは限らない。そこで、大まかな基準ラインをシステムにプリセットしておき、将来的にバッテリ1が満充電されて正確な基準ラインが取得されるまでの間は、プリセットされた基準ラインを用いることにより、必要最小限のバッテリ状態管理機能を実現してもよい。
以下、車両固有の放電特性の取得手法について、より具体的に説明する。まず、新品のバッテリ1の充電残量が満充電状態(実質的に満充電状態であればよい(以下同様))であるときの開放電圧値VOIF及び内部抵抗値RBIFと、充電残量が低下したときの各開放電圧値VOIにおける内部抵抗値RBIのRBIFに対する変化率(RBI/RBIF)とを試験により計測する。そして、新品のバッテリ1の開放電圧値VOIの変化に対する内部抵抗値RBIの変化率(RBI/RBIF)を、開放電圧値VOIを変数とした関数(例えば、式(3)のような関数)を近似的に求め、その関数に関する情報を予めシステムに記憶させておく。あるいは、その変形例として、各開放電圧値VOIの値とそれに対応する内部抵抗値RBIの変化率(RBI/RBIF)の各値とをデータテーブルにして予めシステムに記憶させるようにしてもよい。なお、各開放電圧値VOIにおける内部抵抗値RBIの変化率(RBI/RBIF)の具体的な計測方法については後述する。
Figure 2006280194
次に、工場での車両組立完成時等のバッテリ1が新品状態にあり、かつ、バッテリ1が満充電状態であるときに、開放電圧値(初期基準放電電圧値)VOIFと、そのバッテリ1のエンジン始動時負荷LSを接続した際のバッテリ1の下限電圧値(初期基準下限電圧値)VLIFとを計測する。バッテリ1が満充電状態であるか否かの判定は、例えばバッテリ1の開放電圧値を計測し、その値が満充電状態に対応した所定の基準レベル以上になっているか否かを判定することにより行われる。なお、上述の如く、初期基準放電電圧値VOIF及び初期基準下限電圧値VLIFの計測を複数回行ってそれらを平均等したものを利用してもよい。
この初期基準放電電圧値VOIF及び初期基準下限電圧値VLIFについての計測結果と、上式(3)の関数(又はそれと同等なデータテーブル)を用いることにより、車両に搭載された新品のバッテリ1のエンジン始動時負荷LSに対する開放電圧値VOIの変化に伴う下限電圧値VLIの変化を示す関係式は、次式で与えられる。
Figure 2006280194
ここで、上式(4)中のパラメータVLKは、図2のグラフの直線G5上における開放電圧値がVOIであるときの下限電圧値であり、下記の式(5)により与えられる。
Figure 2006280194
式(4)の関係式の導出は、例えば次のようにして行われる。すなわち、上式(1)の関係を図2のグラフにおける座標点PFについて当てはめることを考えた場合、開放電圧値がVOIFのとき(満充電時)の内部抵抗値RBをRBIFとすると、次の関係式(6)が得られる。
Figure 2006280194
また、上式(1)の関係を図2のグラフにおける座標点PIについて当てはめることを考えた場合、開放電圧値がVOIのときの内部抵抗値RBが上式(3)よりRB=f(VOI)・RBIFとして得られるため、次の関係式(7)が得られる。
Figure 2006280194
よって、関係式(6)の右辺を関係式(7)の左辺のパラメータ(RS/RBIF)に代入したものをパラメータVLIについて解くと、上記関係式(4)が得られる。
上式(6)の関係式は、別の観点から見ると、図2のグラフの直線G5を基準として、直線G5上の点を、上式(3)の関係により与えられるその点における開放電圧値VOIに応じたバッテリ1の内部抵抗値の変化率の変化態様に応じたシフト量で縦軸マイナス方向にシフトさせることにより、各充電残量(各開放電圧値VOI)における下限電圧値VLIを導出している。
このように導出した開放電圧値VOIと下限電圧値VLIと関係に関する情報は、車両固有のエンジン始動時負荷LSの抵抗値RSが反映されているため、この情報を用いることにより、車両固有の負荷環境等を反映したバッテリ1の状態評価を行うことができる。
ここで、図2のグラフ中の値VOIE,VLIEは、新品のバッテリ1が充電残量ゼロ(実質的に充電残量がゼロであればよい(以下同様))のときの開放電圧値及び下限電圧値にそれぞれ対応している。また、値VOIF,VOIEの具体例は、例えば12.8V,10.5Vである。
次に、新品のバッテリ1における開放電圧値VOの減少に伴う内部抵抗値RBの増加割合に関する情報の取得方法について説明する。まず、本実施形態では、バッテリ容量試験に関するJIS規格に従い、新品のバッテリ1に対する容量試験を行う。ここで、JIS規格の容量試験とは、満充電状態のバッテリ1に一定電流値(例えば、0.2A)の放電を行わせ、その放電開始時からバッテリ1の出力電圧が充電残量ゼロに対応した電圧値(例えば、10.5V)に到達するまでの所要時間を計測し、その所要時間と放電電流値(例えば、0.2A)との乗算値をバッテリ容量とする試験である。なお、変形例として、JIS準拠放電試験の条件(電流値、温度等)以外での放電特性を代わりに用いてもよい。
すなわち、本実施形態では、満充電状態の新品のバッテリ1に、JIS規格に準拠した一定電流値(例えば、0.2A)を放電させつつ、そのときのバッテリ1の出力電圧の推移を計測する。図4のグラフ中の曲線G7は、そのときのバッテリ1の出力電圧の推移を計測した結果を示すものであり、グラフ中の値VAFは放電開始前の満充電状態のバッテリ1の出力電圧値(開放電圧値)であり、前述の値VOIFに対応している。値VAEはバッテリ1の充電残量ゼロに対応する放電終了時の開放電圧値であり、前述の前述の値VOIEに対応している。また、値VBFは放電開始直後のバッテリ1の出力電圧値であり、値VBEはバッテリ1の充電残量ゼロに対応する放電終了時の出力電圧値であり、値TEは充電残量ゼロに対応する放電終了時の時間を示している。また、直線G8は、放電による充電残量の減少に伴って変化するバッテリ1の開放電圧の計測値の推移を直線で近似したものである。また、このグラフ中のハッチング付した領域が、充電残量の減少に伴うバッテリ1の内部抵抗値RBの増加の影響を反映している部分であり、図2及び後述する図5のグラフのハッチングを付した領域に対応している。
続いて、図4のグラフにおける曲線G7上における点と直線G8上における点とのグラフの縦軸方向に沿った差の大きさは、その時点におけるバッテリ1の内部抵抗値RBに比例するため、放電開始時(満充電時)における値VAFと値VBFとの差D2と、放電の過程の直線G8上の各点と曲線G7上の各点との差D3との比率(D3/D2)により、各開放電圧値VOにおける内部抵抗値RBの変化率(RB/RBF)を導出することができる。図5のグラフ中の曲線G9は、そのように導出した開放電圧値VOの変化に対する内部抵抗値RBの変化率(RB/RBF)を示しており、この曲線G9に基づいて前述の式(3)が決定される。
このようにして取得した開放電圧値VOの変化に対する内部抵抗値RBの変化率(RB/RBF)は、バッテリ1のグレード等の相違にあまり依存しないものであるが、種々のバッテリ1に対する適用性を向上させるため、種々のバッテリ1に対する試験により取得した内部抵抗値RBの変化率(RB/RBF)を平均化したものを使用するのが望ましい。
次に、図6を参照して、上式(4),(5)の関係式(又はその関係式と等価な開放電圧値VOIと下限電圧値VLIとを対応付けたデータテーブル)を用いたバッテリ1の状態(劣化度合い及び充電残量)の評価原理について説明する。
まず劣化度合いの評価原理について説明する。図6のグラフ中の曲線G1は、上述のように、予めシステムに記憶させた上式(4),(5)の関係式(又はその関係式と等価な開放電圧値VOIと下限電圧値VLIとを対応付けたデータテーブル)と、上述の初期基準開放電圧値VOIF及び初期基準下限電圧値VLIFとを用いて導出したものである。この図6の曲線G1及び値VOIF,VLIFに関する情報は、システムに記憶されてバッテリ1の状態評価に用いられる。
そして、バッテリ1の使用が開始されている状態において、バッテリ1の劣化度合いを評価する際には、エンジン始動時におけるエンジン始動時負荷LSがバッテリ1に接続される前の開放電圧である使用後開放電圧値VORと、エンジン始動時負荷LSがバッテリ1に接続されたときの下限電圧である使用後下限電圧値VLRとが計測される。このとき、バッテリ1の充電残量は満充電状態である必要はない。
続いて、図6のグラフの曲線G1上における下限電圧値が使用後下限電圧値VLRと等しい値であるときの開放電圧値を対応基準開放電圧値VOSとして導出し、予め記憶された初期基準開放電圧値VOIFとその対応基準開放電圧値VOSとの差である第1の差分値D11と、初期基準開放電圧値VOIFと使用後開放電圧値VORとの差である第2の差分値D12とを比較することにより、その時点におけるバッテリ1の劣化度合いが検出される。
この検出原理は、前述の図1を用いて説明したバッテリ1の劣化度合いが小さいほどグラフ上の計測点(VO,VL)は曲線G1に近づくように略左方向にシフトするという特性を利用したものである。すなわち、バッテリ1の劣化度合いが小さいほど図6のグラフ上の計測点P11(VOR,VLR)は、対応する曲線G1上の座標点P12に近づいてゆくようになっており、その計測点P11の座標点P12に対する近づき度合いに基づいてバッテリ1の劣化度合いを評価するようになっている。
次に、充電残量の評価原理について説明する。充電残量の評価も、劣化度合いの評価と同様に、図6のグラフの曲線G1で表されるバッテリ1が新品のときの放電電圧と下限電圧との関係を用いて行われ、充電残量の評価の際に、使用後開放電圧値VORと使用後下限電圧値VLRとが計測される。なお、記憶部17には、上式(3)の内部抵抗変化率の取得に伴って取得された新品のバッテリ1の充電残量ゼロのときの開放電圧である最低基準開放電圧値VOIEが初期設定として予め記憶されている。
そして、劣化度合いの評価のときの同様にして図6のグラフの曲線G1上における下限電圧値が使用後下限電圧値VLRと等しい値であるときの開放電圧値を対応基準開放電圧値VOSとして導出する。そして、使用が開始されているその時点におけるバッテリ1の充電残量がゼロのときを想定したときの開放電圧である最低使用後開放電圧値VOREを、次のようにして導出する。すなわち、予め取得された初期基準開放電圧値VOIFから最低基準開放電圧値VOIEを引いた値D13に対する初期基準開放電圧値VOIFから最低使用後開放電圧値VOREを引いた値D14の比が、初期基準開放電圧値VOIFから対応基準開放電圧値VOSを引いた値D11に対する初期基準開放電圧値VOIFから使用後開放電圧値VORを引いた値D12の比と等しくなるようにして導出して、最低使用後開放電圧値VOREを導出する。
そして、初期基準開放電圧値VOIFと最低使用後開放電圧値VOREとの差である第3の差分値D21と、使用後開放電圧値VORと最低使用後開放電圧値VOSとの差である第4の差分値D22とを比較することにより、その時点におけるバッテリ1の充電残量を検出するようになっている。
この検出原理は、バッテリ1の充電残量が満充電状態から減少するのに従って、図6のグラフの横軸に平行な仮想線L1上における計測点P11に対応した座標点P21が、満充電残量に対応する座標点P22側から充電残量ゼロ状態に対応する座標点P23側に値が付く特性を利用したものである。
<装置構成>
図7は、本発明の一実施形態に係るバッテリ状態管理装置のブロック図である。このバッテリ状態管理装置は、図7に示すように、電流センサ11、電圧センサ(電圧検出手段)13、処理部15、記憶部17及び出力部19を備えて構成されており、車両に搭載されたバッテリ1の状態を管理する。処理部15は本発明に係る計測制御手段及び第1ないし第3の情報処理手段に相当しており、記憶部17は本発明に係る第1及び第2の記憶手段に相当している。
電流センサ11は、バッテリ1に対する電流の入出力量を検出する。電圧センサ13は、バッテリ1の出力電圧を検出する。処理部15は、CPU等を備えて構成され、バッテリ1の管理のために各種の情報処理動作(制御動作も含む)を行う。記憶部17は、メモリ等により構成され、処理部15が行う各種の情報処理動作に必要な情報等が記憶されている。出力部19は、バッテリ1の状態の判定結果等を出力するためのものである。
<全体の所定動作>
まず、このバッテリ状態管理装置の全体的な処理動作について、図8を参照して説明する。処理部15は、ステップS1でイグニッションスイッチ(以下、「IGスイッチ」という)21がオンされるのに伴って、ステップS2で初期充電残量の検出動作を行う。この検出動作では、バッテリ1の開放電圧が電圧センサ13を介して計測され、その開放電圧の計測値に基づいてバッテリ1のエンジン始動前の充電残量(初期充電残量)が検出される。このとき、バッテリ1が満充電状態であるか否かの判定も行われる。なお、ここで計測されたバッテリ1の開放電圧は後述のステップS5のエンジン始動時状態判定又はステップS6の基準放電特性導出処理に用いられる。
処理部15は、続くステップS3でスタータ23が駆動されて図示しないエンジンが始動されるのに伴って、ステップS4でバッテリ1の基準放電特性の導出処理の要否が判断される。すなわち、車両の組立完成後、基準放電特性の導出処理がまだ行われていない場合には、ステップS6に進み基準放電特性導出処理が行われ、導出処理が既に行われている場合には、ステップS5に進みエンジン始動時状態判定処理が行われる。この基準放電特性の導出が既に行われているか否かの判断は、例えば上式(4),(5)に関する関係式(又はそれと等価なデータテーブル)が記憶部17に記憶されているか否かを判断することにより行われる。また、この基準放電特性の導出は、車両組立完成時等に実質的に1回行えば、バッテリ1を交換するまでは行う必要がない。ステップS6での基準放電特性導出処理又はステップS5での始動時状態判定処理が行われると、ステップS7に進み始動後劣化判定処理が行われる。なお、基準放電特性導出処理及び始動時状態判定処理の具体的内容については後述する。
そして、処理部15は、続くステップS7でエンジン始動後劣化判定動作を行う。この始動後劣化判定動作では、エンジン始動後の充電により満充電(又はそれに近い状態)になったバッテリ1への電流流入状況を電流センサ11を介して検出し、その電流流入状況に基づいてバッテリ1の劣化度が判定される。
また、処理部15は、続くステップS8でバッテリ1に対する充電制御(バッテリ1の充電残量管理)を行う。この充電制御では、電流センサ11の計測電流値を積算することにより、エンジン始動時等の所定の基準時からバッテリ1から放電された全電流量が逐次検出され、その検出結果に基づいてバッテリ1に対して行うべき充電量を決定するようになっている。これによって、走行中におけるバッテリ1の充電残量が所定範囲内に維持されるようになっている。充電量の制御は、例えば、図示しないオルタネータの発電量(出力電圧等)を制御することにより行われる。
このステップS7,S8のエンジン始動後劣化判定動作及び充電制御は、エンジンが停止されるまで繰り返し継続される。
<基準放電特性導出処理>
ここでは、上述の図8のステップS6で行われる基準放電特性処理について説明する。この基準放電特性導出処理の前提として、記憶部17には、新品のバッテリ1の開放電圧値VOIの変化に対する内部抵抗値RBIの変化率(RBI/RBIF)を近似的に表す開放電圧値VOIを変数とした上式(3)のような関数に関する情報(又はそれと等価な開放電圧値VOIと各開放電圧値VOIにおける内部抵抗値RBIの変化率(RBI/RBIF)とを対応付けたデータテーブルに関する情報)を記憶させておく必要がある。
処理部15は、ステップS2での検出によりバッテリ1が満充電状態にある場合にのみ、この基準放電特性導出処理を行うようになっており、仮にバッテリ1が満充電状態でない場合には、その導出処理を行うことなく、例えばステップS7の処理に進むようになっている。そして、次回のエンジン始動時にバッテリ1が満充電状態となっていれば、そのときにステップS6にて基準放電特性導出処理が行われるようになっている。
この導出処理では、上述の如く、エンジン始動時負荷LSがバッテリ1に接続された際の下限電圧値が初期基準下限電圧値VLIFとして電圧センサ13を介して計測され、この初期基準下限電圧値VLIFと直前のステップS2で計測された開放電圧である初期基準開放電圧値VOIFと、上式(3)(又は上式(3)と等価なデータテーブル)とを用いて、車両固有のエンジン始動時負荷LSに対する新品のバッテリ1の基準放電特性が導出される。すなわち、新品のバッテリ1の基準放電特性は、開放電圧値VOIの変化に伴う下限電圧値VLIの変化を示す上式(4)の関係式として導出される。但し、式(4)中のパラメータRLKは上式(5)で与えられる。
本実施形態では、このようにして導出した新品のバッテリ1における開放電圧値VOIの変化と下限電圧値VLIの変化との関係を関係式(4),(5)の形で記憶部17に保存するようになっているが、関係式(4),(5)と実質的に等価なデータテーブル(縦軸及び横軸に開放電圧及び下限電圧をとった2次元座標上の曲線G1を表す座標情報)の形で記憶部17に保存するようにしてもよい。
この基準放電特性導出処理では、その導出処理に用いた初期基準開放電圧値VOIF及び初期基準下限電圧値VLIFが記憶部17に保存されるようになっている。
<始動時状態判定処理>
次に、上述の図8のステップS5で行われる始動時状態判定処理について説明する。なお、この始動時状態判定処理は、バッテリ1の充電残量によらずに実行されるが、ステップS6の基準放電特性導出処理が完了していることが前提条件となっている。
この始動時状態判定処理では、上述の如く、エンジン始動時負荷LSがバッテリ1に接続された際の下限電圧値が使用後下限電圧値VLRとして電圧センサ13を介して計測され、この使用後下限電圧値VLRと、直前のステップS2で計測された開放電圧である使用後開放電圧値VORと、ステップS6の基準放電特性導出処理により取得されて記憶部17に記憶されている情報とに基づいて、その時点におけるバッテリ1の劣化度合い及び充電残量が判定される。
まず劣化度合いの判例処理について説明する。まず、記憶部17に記憶されている関係式(4),(5)によって表される図6のグラフの曲線G1上における下限電圧値が使用後下限電圧値VLRと等しい値であるときの開放電圧値が対応基準開放電圧値VOSとして導出される。あるいは、式(4),(5)における変数VLIに使用後下限電圧値VLRを代入したときの変数VOIの値を対応基準開放電圧値VOSとして導出する。
続いて、記憶部17に記憶された初期基準開放電圧値VOIFとその対応基準開放電圧値VOSとの差である第1の差分値D11と、初期基準開放電圧値VOIFと使用後開放電圧値VORとの差である第2の差分値D12とを比較することにより、その時点におけるバッテリ1の劣化度合いが検出される。例えば、第1の差分値D11に対する第2の差分値D12の比率(図6のハッチングを付した部分C1が対応)に基づいてバッテリ1の劣化度合いが検出される。
次に充電残量の判定処理について説明する。この判定処理では、劣化度合いの判定処理により取得された使用後下限電圧値VLR及び対応基準開放電圧値VOSを利用して処理が行われる。
続いて、その時点におけるバッテリ1の充電残量ゼロを想定したときの開放電圧である最低使用後開放電圧値VOREが、次のようにして導出される。すなわち、予め取得された初期基準開放電圧値VOIFから初期設定により記憶部17に記憶された最低基準開放電圧値VOIEを引いた値D13に対する、初期基準開放電圧値VOIFから最低使用後開放電圧値VOREを引いた値D14の比が、初期基準開放電圧値VOIFから対応基準開放電圧値VOSを引いた値D11に対する初期基準開放電圧値VOIFから使用後開放電圧値VORを引いた値D12の比と等しくなるようにして、最低使用後開放電圧値VOREが導出される。
そして、初期基準開放電圧値VOIFと最低使用後開放電圧値VOREとの差である第3の差分値D21と、使用後開放電圧値VORと最低使用後開放電圧値VOSとの差である第4の差分値D22とが比較されることにより、その時点におけるバッテリ1の充電残量が検出するようになっている。例えば、第3の差分値D21に対する第2の差分値D22の比率(図6のハッチングを付した部分C2が対応)に基づいてバッテリ1の充電残量が検出される。
<まとめ>
以上のように、本実施形態によれば、新品のバッテリ1の充電残量の変化に応じた開放電圧の変化に対するバッテリ1の内部抵抗の変化率は、バッテリ1のグレード等が異なってもほぼ共通しているため、その内部抵抗変化率と、車両組立完成時等における車両固有のエンジン始動時負荷LSに対するバッテリ1の満充電時の電圧降下特性とにより、バッテリ1の状態評価の基準となる新品状態のバッテリ1の車両固有の放電特性を、各車種固有のパラメータ設定を行うことなく、自動的に取得することができ、バラメータ設定のための人的及び装置的コストを軽減できるとともに、同一車種内の車両個体差によるバラツキにも容易に対応できる。
また、上述の如く、バッテリ1の基準放電特性と、各評価時点におけるエンジン始動時の放電によるバッテリ1の放電特性とに基づいて劣化度合い及び充電残量を評価することにより、車種の違いや車両個体差に対するパラメータ設定等の特別な対策を行うことなく、簡単な演算処理により的確にバッテリ1の劣化度合い及び充電残量を検出することができる。
また、バッテリ1の充電残量に依存することなく、各時点におけるバッテリ1の劣化度合いを検出することができるとともに、バッテリ1の劣化度合いに依存することなく、各時点におけるバッテリ1の充電残量を検出することができる。
また、本実施形態では、バッテリ1の放電時電圧値としてエンジン始動時の放電が行われた際におけるバッテリ1の出力電圧の最低値が用いられるため、バッテリ1の特性を有効に表す放電時電圧値を容易かつ確実に取得することができるとともに、バッテリ1の状態評価のための特別な放電をバッテリ1に行わせる必要がなく、またバッテリ1のエンジン始動能力を的確に評価することができる。なお、この点についての変形例として、バッテリ1のエンジン始動時の放電ではなく他の負荷による放電を用いてバッテリ1の放電特性を検出するようにしてもよい。また、放電時電圧値として放電時のバッテリ1の出力電圧の最低値を用いたが、例えば放電開始時から所定の微小時間経過後の出力電圧値を放電時電圧値として用いるようにしてもよい。
また、新品状態のバッテリ1の放電特性を取得する際のバッテリ1の充電残量の基準として、満充電状態が用いられるため、バッテリ1の充電残量を容易かつ正確に基準状態に設定することができ、その結果、バッテリ1の放電特性を容易かつ正確に検出することができる。この点について、他の充電残量レベルを基準として新品のバッテリ1の放電特性を取得するようにしてもよい。
また、開放電圧の変化に対するバッテリ1の内部抵抗変化率に関する情報を一定電流を放電させる放電試験(例えば、バッテリ容量試験に関するJIS規格に準拠した放電試験)により取得するため、バッテリ1のエンジン始動時の放電特性を導出するのに適した情報を取得することができる。
なお、上述の実施形態によるバッテリ1の状態評価の手法は、各評価時におけるバッテリ1の下限電圧値VLRが高くなるほど信頼性が低下する傾向にあるため、評価結果の信頼性確保のため、下限電圧値VLRが所定の基準レベル以下である場合にのみバッテリ1の劣化度合い及び充電残量の判定を行うようにしてもよい。
また、上述の実施形態に係る図7の装置構成にバッテリ1の温度を計測する温度センサを追加し、バッテリ1の温度を考慮した状態評価を行うようにしてもよい。より具体的には、例えば、各温度における新品のバッテリ1の開放電圧と下限電圧との関係を表す2次元座標情報(この場合、温度を含めて考慮すると3次元座標情報ということもできる)を導出し、それに基づいてその時点の温度における状態評価を行う方法や、温度に依存するパラメータ(開放電圧、下限電圧等)の値を温度補正(例えば、標準温度の値に補正)して状態評価を行うようにしてもよい。
劣化状況及び充電残量の異なるバッテリについて開放電圧とエンジン始動時の下限電圧とを試験により計測した計測結果を示すグラフである。 バッテリのエンジン始動時の放電特性について説明するためのグラフである。 エンジン始動時にバッテリに接続される負荷とバッテリの内部抵抗との関係を模式的に示す回路図である。 JIS容量試験を利用して新品のバッテリの放電時の出力電圧の推移を計測したときのグラフである。 放電に伴う開放電圧の変化に対する内部抵抗変化率の推移を示すグラフである。 導出したバッテリのエンジン始動時の放電特性に基づいてバッテリの状態評価を行う原理を説明するためのグラフである。 本発明の一実施形態に係るバッテリ状態管理装置のブロック図である。 図7のバッテリ状態管理装置の全体的な処理動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 バッテリ
11 電流センサ
13 電圧センサ
15 処理部
17 記憶部
19 出力部
21 IGスイッチ
23 スタータ

Claims (12)

  1. 車両に搭載され、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理装置であって、
    前記バッテリの出力電圧を検出する電圧検出手段と、
    略新品のバッテリの開放電圧がそのバッテリの充電残量に応じて変化した際に、前記開放電圧の変化に対する前記略新品のバッテリの内部抵抗の変化態様を表す第1の情報を記憶する第1の記憶手段と、
    前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値と、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値とを前記電圧検出手段を介して計測する計測制御手段と、
    横軸及び縦軸に前記開放電圧及び前記放電時電圧を採用した2次元座標上における前記初期基準開放電圧値及び前記初期基準放電時電圧値により決まる座標点と原点とを結ぶ直線を基準とし、その直線上の各点を、前記初期基準開放電圧値と前記初期基準放電時電圧値との差分値と、前記第1の記憶手段に記憶された前記第1の情報が表す前記内部抵抗の変化態様とに応じて変化させて得られた座標情報である第2の情報を導出する第1の情報処理手段と、
    を備えることを特徴とするバッテリ状態管理装置。
  2. 車両に搭載され、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理装置であって、
    前記バッテリの出力電圧を検出する電圧検出手段と、
    略新品のバッテリの各充電残量における内部抵抗値RBの所定の基準内部抵抗値RBIに対する変化率(RB/RBI)を、前記略新品のバッテリの前記各充電残量に対応する開放電圧値VOIの関数f(VOI)として表す関数情報である第1の情報を記憶する第1の記憶手段と、
    前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値VOIFと、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値VLIFとを前記電圧検出手段を介して計測する計測制御手段と、
    前記第1の記憶手段に記憶された前記関数情報によって与えられる前記関数f(VOI)と、前記計測制御手段によって計測された前記初期基準開放電圧値VOIF及び前記初期基準放電時電圧値VLIFと、関係式:
    Figure 2006280194
    とを用いて、前記略新品のバッテリの前記開放電圧値VOIと前記放電時電圧値VLIとの関係を表す第2の情報を導出する第1の情報処理手段と、
    を備えることを特徴とするバッテリ状態管理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の発明において、
    第2の記憶手段と、
    第2の情報処理手段と、
    をさらに備え、
    前記計測制御手段は、さらに、使用開始後の前記バッテリにおける前記開放電圧である使用後開放電圧値と前記放電時電圧値である使用後放電時電圧時とを前記電圧検出手段を介して計測し、
    前記第1の情報処理手段は、さらに、前記初期基準開放電圧値及び前記第2の情報を前記第2の記憶手段に記憶させ、
    前記第2の情報処理手段は、前記第2の記憶手段に記憶された前記第2の情報によって与えられる前記開放電圧と前記放電時電圧の関係において、前記放電時電圧が前記使用後放電時電圧値と等しい値であるときの前記開放電圧の値を対応基準開放電圧値として導出し、前記第2の記憶手段に記憶された前記初期基準開放電圧値と前記対応基準開放電圧値との差である第1の差分値と、前記初期基準開放電圧値と前記使用後開放電圧値との差である第2の差分値とを比較することにより、前記使用されているバッテリの劣化度合いを検出することを特徴とするバッテリ状態管理装置。
  4. 請求項3に記載の発明において、
    前記第2の情報処理手段は、前記第1の差分値に対する前記第2の差分値の比率に基づいて前記使用されているバッテリの劣化度合いを検出することを特徴とするバッテリ状態管理装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、
    第2の記憶手段と、
    第3の情報処理手段と、
    をさらに備え、
    前記第1の記憶手段は、前記略新品のバッテリの略充電残量ゼロのときの開放電圧である最低基準開放電圧値を予め記憶し、
    前記計測制御手段は、さらに、使用開始後の前記バッテリの前記開放電圧である使用後開放電圧値と前記放電時電圧値である使用後放電時電圧時とを前記電圧検出手段を介して計測し、
    前記第1の情報処理手段は、さらに、前記初期基準開放電圧値及び前記第2の情報を前記第2の記憶手段に記憶させ、
    前記第3の情報処理手段は、
    前記第2の記憶手段に記憶された前記第2の情報によって与えられる前記開放電圧と前記放電時電圧の関係において、前記放電時電圧が前記使用後放電時電圧値と等しい値であるときの前記開放電圧の値を対応基準開放電圧値として導出し、
    前記使用開始後のバッテリの略充電残量ゼロのときの開放電圧である最低使用後開放電圧値を、前記第2の記憶手段に記憶された前記初期基準開放電圧値から前記第1の記憶手段に記憶されている前記最低基準開放電圧値を引いた値に対する前記初期基準開放電圧値から前記最低使用後開放電圧値を引いた値の比が前記初期基準開放電圧値から前記対応基準開放電圧値を引いた値に対する前記初期基準開放電圧値から前記使用後開放電圧値を引いた値の比と等しくなるようにして導出し、
    前記初期基準開放電圧値と前記最低使用後開放電圧値との差である第3の差分値と、前記使用後開放電圧値と前記最低使用後開放電圧値との差である第4の差分値とを比較することにより、前記使用されているバッテリの充電残量を検出することを特徴とすることを特徴とするバッテリ状態管理装置。
  6. 請求項5に記載の発明において、
    前記第3の情報処理手段は、前記第3の差分値に対する前記第4の差分値の比率に基づいて前記使用されているバッテリの充電残量を検出することを特徴とするバッテリ状態管理装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のバッテリ状態管理装置において、
    前記放電時電圧値は、前記所定負荷を接続して放電を行わせた際における前記バッテリの出力電圧の最低値であることを特徴とするバッテリ状態管理装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のバッテリ状態管理装置において、
    前記所定負荷は、エンジン始動時にバッテリに接続される負荷であることを特徴とするバッテリ状態管理装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のバッテリ状態管理装置において、
    前記計測制御手段による前記初期基準開放電圧値及び前記初期基準放電時電圧値の計測は、前記略新品のバッテリが略満充電状態であるときに行われることを特徴とするバッテリ状態管理装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のバッテリ状態管理装置であって、
    前記第1の記憶手段に記憶された前記開放電圧の変化に対する前記バッテリの内部抵抗の変化態様を表す第1の情報は、
    略満充電状態にある略新品のバッテリに、所定の一定電流値を放電させつつ、そのバッテリの出力電圧の推移を計測するすることにより取得されたものであることを特徴とするバッテリ状態管理装置。
  11. 車両に搭載され、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、
    略新品のバッテリの開放電圧がそのバッテリの充電残量に応じて変化した際に、前記開放電圧の変化に対する前記略新品のバッテリの内部抵抗の変化態様を表す第1の情報を予め取得しておき、
    前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値と、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値とを前記電圧検出手段を介して計測し、
    横軸及び縦軸に前記開放電圧及び前記放電時電圧を採用した2次元座標上における前記初期基準開放電圧値及び前記初期基準放電時電圧値により決まる座標点と原点とを結ぶ直線を基準とし、その直線上の各点を、前記初期基準開放電圧値と前記初期基準放電時電圧値との差分値と、前記第1の記憶手段に記憶された前記第1の情報が表す前記内部抵抗の変化態様とに応じて変化させて得られた座標情報である第2の情報を導出することを特徴とするバッテリ状態管理方法。
  12. 車両に搭載され、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、
    略新品のバッテリの各充電残量における内部抵抗値RBの所定の基準内部抵抗値RBIに対する変化率(RB/RBI)を、前記略新品のバッテリの前記各充電残量に対応する開放電圧値VOIの関数f(VOI)として表す関数情報である第1の情報を予め取得しておき、
    前記略新品のバッテリの開放電圧値である初期基準開放電圧値VOIFと、所定負荷を接続して放電を行わせた際の前記略新品のバッテリの出力電圧である初期基準放電時電圧値VLIFとを前記電圧検出手段を介して計測し、
    前記第1の記憶手段に記憶された前記関数情報によって与えられる前記関数f(VOI)と、前記計測制御手段によって計測された前記初期基準開放電圧値VOIF及び前記初期基準放電時電圧値VLIFと、関係式:
    Figure 2006280194
    とを用いて、前記略新品のバッテリの前記開放電圧値VOIと前記放電時電圧値VLIとの関係を表す第2の情報を導出することを特徴とするバッテリ状態管理方法。
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