JP6714838B2 - 状態推定装置及び状態推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電素子の満充電容量を推定する技術に関する。
従来から、2点のSOC差と2点間の電流積算値に基づいて二次電池の満充電容量を推定する方法がある(下記特許文献1)。この推定方法は、容量劣化により、OCV−SOCテーブルが変化しない領域を持つことを前提としている。
特開2003−68369公報
例えば、リン酸鉄系のリチウムイオン二次電池のように、初期状態からの時間経過による容量劣化より、OCV−SOCテーブルが変化する場合、適用が難しいという問題がある。また、上記以外にも、環境温度履歴を利用して、二次電池の満充電容量を推定する方法がある。しかし、環境温度履歴を利用した推定方法は、温度計測誤差の蓄積により、推定精度が次第に低下する問題がある。
発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、初期状態からの時間経過によらず、満充電容量の推定精度を維持することが可能な状態推定装置を提供することを目的とする。
本明細書によって開示される蓄電素子の状態を推定する状態推定装置は、蓄電素子の状態を推定する状態推定装置であって、前記蓄電素子に流れる電流を積算する電流積算部と、前記蓄電素子の満充電容量を推定する第1推定部と、を備え、前記蓄電素子は、残存容量Cと開放電圧Vの相関特性において、前記相関特性の時間変化が他の領域に比べて相対的に小さい不変領域を有し、前記第1推定部は、前記不変領域に含まれる計測点Pにおける前記蓄電素子の開放電圧Vpと、前記相関特性とに基づいて、前記計測点Pにおける前記蓄電素子の残存容量Cpを算出し、算出した前記計測点Pの残存容量Cpと、満充電条件を満たす満充電状態から計測点Pまでの前記蓄電素子の累積充放電量Xとに基づいて、前記蓄電素子の満充電容量Coを推定する。
また、本明細書によって開示される蓄電素子の状態を推定する状態推定装置は、蓄電素子の状態を推定する状態推定装置であって、前記蓄電素子に流れる電流を積算する電流積算部と、前記蓄電素子の満充電容量を推定する第1推定部と、を備え、前記第1推定部は、任意の計測点Pにおける前記蓄電素子の開放電圧Vpと、残存容量Cと開放電圧Vpの相関特性とに基づいて、前記計測点Pにおける前記蓄電素子の残存容量Cpを算出し、算出した前記残存容量Cpが判定値以下か判定し、前記残存容量Cpが判定値以下の場合、前記計測点Pの残存容量Cpと、満充電条件を満たす満充電状態から前記計測点Pまでの前記蓄電素子の累積充放電量Xとに基づいて、前記蓄電素子の満充電容量Coを推定する。
本発明によれば、初期状態からの時間経過によらず、満充電容量の推定精度を維持することが可能である。
実施形態1において、電池パックの構成を示す概略図 二次電池の充電特性を示すグラフ 二次電池のSOC−V相関特性を示すグラフ 二次電池のC−V相関特性を示すグラフ 図4の一部を拡大した図 満充電容量Coの取り得る範囲の算出シーケンスを示すフローチャート図 環境温度と二次電池の減少量Wの相関を示す図 環境温度履歴に基づく満充電容量Ctのリセット処理の流れを示すフローチャート図 満充電容量の取り得る範囲を数直線で示した図 正極電位と電気量、負極電位の電気量の相関を示すグラフ 正極電位と電気量、負極電位の電気量の相関を示すグラフ 実施形態2において、二次電池のC−V相関特性を示すグラフ 図11の一部を拡大した図 実施形態4において、環境温度履歴に基づく満充電容量Ctのリセット処理の流れを示すフローチャート図 二次電池の充電特性を示すグラフ(満充電状態と満充電近傍状態の容量差Mを示す)
(本実施形態の概要)
初めに、本実施形態にて開示する状態推定装置の概要について説明する。状態推定装置は、蓄電素子に流れる電流を積算する電流積算部と、前記蓄電素子の満充電容量を推定する第1推定部と、を備え、前記蓄電素子は、残存容量Cと開放電圧Vの相関特性において、前記相関特性の時間変化が他の領域に比べて相対的に小さい不変領域を有し、前記第1推定部は、前記不変領域に含まれる計測点Pにおける前記蓄電素子の開放電圧Vpと、前記相関特性とに基づいて、前記計測点Pにおける前記蓄電素子の残存容量Cpを算出し、算出した前記計測点Pの残存容量Cpと、満充電条件を満たす満充電状態から計測点Pまでの前記蓄電素子の累積充放電量Xとに基づいて、前記蓄電素子の満充電容量Coを推定する。この状態推定装置によれば、初期状態からの時間経過によらず、満充電容量の推定精度を維持することができる。
また、本実施形態にて開示する状態推定装置は、以下の構成がこの好ましい。
前記第1推定部は、前記計測点Pにおける前記蓄電素子の開放電圧Vpと、前記相関特性とに基づいて、前記計測点Pにおける前記蓄電素子の残存容量Cpの下限値Cpminと上限値Cpmaxを算出し、前記残存容量Cpの下限値Cpminと上限値Cpmaxに対して前記累積充放電量Xをそれぞれ加算することにより、前記蓄電素子の満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxを算出する。この構成では、蓄電素子の満充電容量Coの取り得る範囲(下限値Comin〜上限値Comax)を算出できる。
前記不変領域は、残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率が他の領域に比べて小さい低変化領域を含む。低変化領域は、残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率が小さいので、開放電圧Vpから残存容量Cpを正確に特定することが難しい。不変領域が低変化領域を含む場合、満充電容量Coの範囲を算出した方が、誤差も小さく好適である。
前記第1推定部は、残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率が異なる2つの計測点Pで開放電圧Vpを計測した場合、開放電圧Vの変化率が大きい側の計測点Pを選択して、前記蓄電素子の満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxを算出する処理を行う。開放電圧Vの変化率が小さい側の計測点Pを選択する場合に比べて、満充電容量Coの取り得る範囲を絞る、すなわち狭い範囲とすることが出来る。
前記第1推定部は、満充電状態の検出誤差又は累積充放電量Xの誤差のうち少なくともいずれか一方を含めて、前記蓄電素子の満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxを算出する。この構成では、満充電容量の取り得る範囲(下限値Comin〜上限値Comax)を正確に算出できる。
環境温度情報に基づいて前記蓄電素子の満充電容量Ctを推定する第2推定部と、環境温度情報に基づいて推定される前記蓄電素子の満充電容量Ctを、前記相関特性を用いて算出した前記満充電容量Coの前記下限値Comin及び前記上限値Comaxと比較する比較部と、を備え、前記環境温度情報に基づく満充電容量Ctが、前記下限値Comin〜前記上限値Comaxの範囲から外れている場合、前記環境温度情報に基づく満充電容量Ctを、前記下限値Comin〜前記上限値Comaxの範囲の内、中央を基準として、外れている側に近い値にリセットする。この構成では、環境温度情報に基づく満充電容量の推定値を、真値に近い値にリセットできる。
前記第2推定部にて推定した前記蓄電素子の満充電容量Ctを所定値と比較することにより、前記蓄電素子の寿命を判断する判断部を備える。この構成では、蓄電素子の寿命を判断できる。
<実施形態1>
実施形態1について図1ないし図11を参照して説明する。
1.電池パック20の構成
図1は、本実施形態における電池パック20の構成を示す図である。本実施形態の電池パック20は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車に搭載され、電気エネルギーで作動する動力源に電力を供給するものである。
図1に示すように、電池パック20は、組電池30と、電流センサ40と、組電池30を管理するバッテリーマネージャー(以下、BM)50を有する。組電池30は、直列接続された複数の二次電池31から構成されている。
二次電池31及び電流センサ40は、配線35を介して直列に接続されており、電気自動車に搭載された充電器10又は、電気自動車等の内部に設けられた動力源等の負荷10に接続される。
充電器10は組電池30を充電する機能を果たす。充電器10の充電方式はCC・CV(定電流・定電圧)方式であり、二次電池31が切換電圧に達すると、定電流充電から定電圧充電に切り換わる。そして、充電器10は、内蔵する電流センサ(図略)により充電電流を検出しており、充電電流が第1閾値を下回る状態になると、満充電であると判断し、充電を停止する(図2参照)。すなわち、本例では、充電電流が第1閾値を下回ることを条件として、満充電状態と判断している。尚、満充電状態の検出方法は、充電電流に基づく方法の他、組電池30の総電圧が規定値に達するかにより検出することも可能である。
電流センサ40は、二次電池31に流れる電流を検出する機能を果たす。電流センサ40は、二次電池31の電流値を一定周期で計測し、計測した電流計測値のデータを、制御部60に対して送信する構成となっている。
バッテリーマネージャー(以下、BM)50は、制御部60と、電圧検出回路80と、温度センサ95とを備える。尚、二次電池31が「蓄電素子」の一例であり、BM50が「状態推定装置」の一例、制御部60が「電流積算部」、「第1推定部」、「第2推定部」、「比較部」の一例である。
電圧検出回路80は、検出ラインを介して、各二次電池31の両端にそれぞれ接続され、制御部60からの指示に応答して、各二次電池31の電圧を測定する機能を果たす。温度センサ95は接触式あるいは非接触式で二次電池31の環境温度T[℃]を測定する機能を果たす。尚、電圧検出回路80が「電圧検出部」の一例である。尚、図1において、温度センサ95はBM50内に含まれる構成を図示しているが、温度センサ95はBM50の外部(例えば、各二次電池31の近傍)にあってもよい。その場合、温度センサ95の検出信号(温度情報)は、BM50内の図示しない入力部や信号変換部(例えば、ADコンバーター等)を介して制御部60に入力させればよい。また、電圧検出回路80についてもBM50内に含まれる構成を開示しているが、BM50の外部にあってもよい。その場合も、電圧検出回路の検出信号(各二次電池31の電圧情報)は、BM50内の図示しない入力部や信号変換部を介して制御部60に入力させればよい。
制御部60は中央処理装置(以下、CPU)61と、メモリ63と、カウンタ65と、通信部67とを含む。制御部60は、各二次電池31の満充電容量Ctや満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を算出する機能を果たす。制御部60は、「第1推定部」、「第2推定部」、「比較部」の一例である。
メモリ63には、二次電池31の満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を算出する処理を実行するための算出プログラムや、プログラムの実行に必要なデータ、例えば、図4に示すC−V相関特性のデータが記憶されている。また、それ以外にも、環境温度履歴に基づく二次電池31の満充電容量Ctを算出するためのプログラムや、満充電容量Ctをリセットする処理を実行するためのプログラム、及びそれらの実行に必要なデータ、例えば、図7に示す満充電容量Coの減少量Wのデータが記憶されている。
カウンタTは、後述する経過時間nを計時する機能を果たす。通信部67は、車載のECU(Electronic Control Unit)100と通信可能に接続され、車載のECU100と通信する機能を果たす。なお、電池パック20には、この他にユーザからの入力を受け付ける操作部(図示せず)、二次電池31の状態等を表示する表示部(図示せず)が設けられている。
2.二次電池31のSOC−V相関特性と、C−V相関特性
二次電池31の一例として、正極活物質にリン酸鉄リチウム(LiFePO4)、負極活物質にグラファイトを用いたリン酸鉄系のリチウムイオン電池を用いて、以下説明する。
(2−1)SOC−V相関特性
図3は、横軸をSOC[%]、縦軸を開放電圧V[V]とした二次電池31のSOC−V相関特性である。図3において、実線は、初期容量(初期状態)の二次電池31AのSOC−V相関特性であり、破線は、初期状態から所定時間経過後の容量劣化した二次電池31BのSOC−V相関特性である。図3に示すように、初期状態から所定時間経過後の容量劣化した二次電池31BのSOC−V相関特性は、初期容量の二次電池31AのSOC−V相関特性に対して一致する領域がなく、二次電池31は、SOC−V相関特性が時間変化する特性を有している。
(2−2)C−V相関特性
図4は、横軸を残存容量C[Ah]、縦軸を開放電圧V[V]とした二次電池31のC−V相関特性である。図4において、実線は、初期容量(初期状態)の二次電池31AのC−V相関特性であり、破線は、初期状態から所定時間経過後の容量劣化した二次電池31BのC−V相関特性である。尚、C−V相関特性が本発明の「残存容量Cと開放電圧Vの相関特性」に相当する。
図4に示すように、二次電池31は、時間経過による容量劣化により、満充電容量付近での開放電圧Vの立ち上がり部Jが、低残存容量側(図4では左側)にシフトする特性を有している。図4に示すように、本例では、立ち上がり部Jは47[Ah]を下限として、それよりも、高残存容量側(図4では左側)でシフトしており、残存容量Cが47[Ah]以上の領域は、時間経過による容量劣化に伴って、立ち上がり部Jがシフトする「シフト領域F2」である。
一方、残存容量Cが47[Ah]未満の範囲は、初期状態からの時間経過によらず、C−V相関特性は略一致しており、C−V相関特性の時間変化がほとんどない「不変領域F1」となっている。
このように、二次電池31のC−V相関特性において、C−V相関特性の時間変化がほとんどない「不変領域F1」を持つ理由として、下記を挙げることが出来る。二次電池31の電圧は、図10に示すように、正極電位と負極電位の差で表すことが出来る。リチウムイオン二次電池31は、初期状態からの時間経過により、図11に示すように、正極電位と負極電位の相対的なずれが生じ、容量劣化が起きる傾向にある。そして、正極電位と負極電位は、図10、図11に示すように、容量[Ah]に対する開放電圧[V]の変化がほぼゼロに近い平坦な領域を持つので、正極電位と負極電位に相対的なずれが生じても、正極電位と負極電位の差が生じない領域、すなわち、C−V相関特性の時間変化がほとんどない領域を持つ。
また、不変領域F1は、残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率が相対的に小さい第1低変化領域L1と、相対的に大きい第1、第2高変化領域H1、H2を含んでいる。
第1低変化領域L1は、残存容量Cは22〜43[Ah]の範囲、開放電圧Vは3.3[V]〜3.31[V]の範囲にある。また、第1高変化領域H1は、低変化領域Lの低残存容量側(図4の左側)に位置し、開放電圧Vが3.3[V]以下の範囲にある。また、第2高変化領域H2は、低変化領域Lの高残存容量側(図4の右側)に位置し、開放電圧Vが3.31[V]〜3.34[V]の範囲にある。
尚、シフト領域F2も、残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率が相対的に小さい第2低変化領域L2と、相対的に大きい第3高変化領域H3を含んでいる。第2低変化領域L2は、残存容量Cが47〜67[Ah]の範囲であり、開放電圧Vは3.34[V]で概ね一定である。また、第3高変化領域H3は、残存容量Cが67[Ah]以上であり、開放電圧Vが3.34[V]より高い。
3.C−V相関特性に基づく満充電容量Coの取り得る範囲の算出方法
本実施形態では、C−V相関特性を利用し、下記の(a)〜(c)により、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を算出する。
(a)不変領域F1に含まれる任意の計測点Pの開放電圧Vpを計測する。
(b)計測点Pの開放電圧VpとC−V相関特性とに基づいて、計測点Pにおける二次電池31の残存容量Cpの下限値Cpminと上限値Cpmaxを算出する。
(c)残存容量Cpの下限値Cpminと上限値Cpmaxに対して、満充電状態から計測点Pまでの二次電池31の累積充放電量Xをそれぞれ加算することにより、二次電池31の満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxを算出する。
尚、残存容量Cpの下限値Cpminと上限値Cpmaxは、図5に示すように、C−V相関特性を用いつつ、開放電圧Vpに対応する残存容量Cpを基準として、その値を算出することが出来る。例えば、電圧検出回路80による電圧検出値の誤差が±A[V]である場合、開放電圧Vpに誤差Aを加えた開放電圧(Vp+A)に対応する残存容量Cを上限値Cpmaxとし、開放電圧Vpから誤差Aを差し引いた開放電圧(Vp−A)に対応する残存容量Cを下限値Cpminとすることが出来る。
次に、図6を参照して、満充電容量Coの取り得る範囲の算出シーケンスを説明する。
図6に示す満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)の算出シーケンスは、S10〜S80のステップから構成されており、例えば、組電池30の監視を開始した後、一定期間おきに実行される。
処理がスタートすると、制御部60は、二次電池31が満充電状態か、判定する処理を行う(S10)。制御部60は、通信により、充電器10の動作状態を検出することで、二次電池31が満充電状態か判別することが出来る。すなわち、充電器10から満充電完了通知(二次電池31の充電完了を知らせる通知)を受けることにより、二次電池31の満充電状態を検出することが出来る。また、この他にも、二次電池31の開放電圧Vを検出することでも、満充電状態を検出することが出来る。二次電池31が満充電状態にない場合、S10ではNO判定となり、S10の処理を繰り返す状態となることから、二次電池31が満充電状態になるのを待つ状態となる。
そして、二次電池31が充電器10により充電されて満充電状態になると、充電器10から満充電完了通知が制御部60に対して送信される。これにより、制御部60は、二次電池31が満充電状態になったと判定し(S10:YES)、その後、制御部60は、電流センサ40により計測される電流値を積算して、満充電状態からの累積充放電量Xを計測する処理を開始する(S20)。具体的には、電流センサ40の計測する電流値を、放電をプラス、充電をマイナスとして、積算する処理を開始する。これにより、満充電状態から組電池30が使用(放電又は充電)されると、二次電池31の累積充放電量Xが計測されてゆく。
その後、制御部60は、次の処理として、二次電池31の電流値を第1閾値(例えば、電流が概ねゼロとみなせる値)と比較する処理を行い(S30)、電流値が第1閾値を下回る状態、この例では、すなわち電流が概ねゼロとみなせる状態が一定時間継続すると、二次電池31の開放電圧Vを計測する処理を行う(S40)。本例では、組電池30を構成する複数の二次電池31のうち、代表する1つの二次電池31について、開放電圧Vを計測する処理を行う。尚、充電終了直後、電圧が安定するまでの時間は温度により異なる。そのため、安定を待つ時間(上記の一定時間)は、温度に応じて変更することが好ましい。
そして、制御部60は、二次電池31の開放電圧Vの計測点Pが、不変領域F1に含まれているか否かを判定する。図4の例では、不変領域F1とシフト領域F2の境界点Zに対応する開放電圧Vは3.34[V]である。
従って、開放電圧Vが3.34[V]以上の場合、二次電池31の開放電圧Vの計測点Pは、シフト領域F2に含まれると判定される(S50:NO)。一方、開放電圧Vが3.34[V]未満の場合、二次電池31の開放電圧Vの計測点Pは、不変領域F1に含まれると判定される。
満充電状態の検知後、充電がないまま、使用状態が続けば、残存容量Cは低下してゆくので、やがて、二次電池31は不変領域F1内に移行する。そして、二次電池31が不変領域F1内に移行した以降に、二次電池31の電流値が概ねゼロとみなせる状態になると、二次電池31の開放電圧Vが3.34[V]を下回る状態となる。そのため、S50の処理を実行すると、制御部60により、二次電池31の開放電圧Vの計測点Pは、不変領域F1内にあると、判定される。
そして、制御部60は、計測点Pが不変領域F1内にあると判定すると、電流センサ40により計測される電流値の積算を終了する(S60)。これにより、満充電状態から計測点Pまでの累積充放電量Xが得られる。
次に、制御部60は、不変領域F1に含まれる計測点Pの開放電圧VpとC−V相関特性に基づいて、計測点Pにおける二次電池31の残存容量Cpを算出する。具体的には、計測点Pの開放電圧Vpを、メモリ63に記憶されたC−V相関特性に参照して、計測点Pにおける二次電池31の残存容量Cpを算出し、更に、残存容量Cpの下限値Cpminと上限値Cpmaxを算出する(S70)。
具体的には、電圧検出回路80による電圧検出値の誤差が±A[V]である場合、開放電圧Vpに誤差Aを加えた開放電圧(Vp+A)に対応する残存容量Cを上限値Cpmaxとし、開放電圧Vpから誤差Aを差し引いた開放電圧(Vp−A)に対応する残存容量Cを下限値Cpminとする(図5参照)。
次に、制御部60は、満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxを算出する処理を行う(S80)。具体的には、計測点Pにおける残存容量Cpの下限値Cpminに対して、満充電状態から計測点Pまでの累積充放電量Xを加算することにより、満充電容量Coの下限値Cominを求める(下記の(1)式)。また、計測点Pにおける残存容量Cpの上限値Cpmaxに対して、満充電状態から計測点Pまでの累積充放電量Xを加算することにより、満充電容量Coの上限値Comaxを求める(下記の(2)式)。
Comin=Cpmin+X・・・・・(1)式
Comax=Cpmax+X・・・・・(2)式
以上により、二次電池31の満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を算出することが出来る。そして、残存容量Cpの下限値Cpminと上限値Cpmaxを求めるための計測点Pを、C−V相関特性の時間変化がほとんどない不変領域F1内の計測点としているので、初期状態からの時間経過によらず、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)の算出精度を維持することができる。
また、実施形態1では、正極にリン酸鉄リチウム、負極にグラファイトを用いたリン酸鉄系のリチウムイオン二次電池を適用した例を示するが、リン酸鉄系以外のリチウムイオン二次電池であってもよい。すなわち、上述の通り、残存容量Cと開放電圧VのC−V相関特性の時間変化が少ない系(系とは、正極、負極の活物質の組み合わせである)であれば何れであっても良く、本発明形態が適応可能であることは言うまでもない。或いは、C−V相関特性の時間変化が時間の関数で表現できる場合、その関数により補正可能であるため、時間変化が予測可能なC−V相関特性の場合も、C−V相関特性の時間変化が少ない系に含まれることから、本発明形態の適用範囲に含まれる。
4.満充電容量Ctの推定処理とリセット
(4−1)環境温度履歴に基づく満充電容量Ctの推定
二次電池31の満充電容量Ctの減少量Wは、組電池30の温度履歴に依存することが知られている。そこで、BM50の制御部60は、組電池30の環境温度情報に基づいて、二次電池31の満充電容量Ctの減少量Wを算出する(図8、S100)。
具体的に説明すると、図7に示すように、メモリ63には、組電池30の環境温度Tごとに、満充電容量Ctの減少量Wのデータがそれぞれ記憶されている。減少量Wは、環境温度下での経過時間nにも依存することから、環境温度Tと経過時間nを変数とする関数として記憶されている。
例えば、組電池の環境温度が「T1」で、経過時間が「n1」の場合、満充電容量Ctの減少量Wは、W(T1、n1)となる。また、組電池の環境温度が「T2」で、経過時間が「n2」の場合、満充電容量Ctの減少量Wは、W(T2、n2)となる。
制御部60は、二次電池31の使用開始後、組電池30の環境温度Tと経過時間nのデータを継続的に取得する。そして、満充電容量Ctの減少量Wを算出する処理を一定頻度で行う。また、算出した減少量Wを、満充電容量Ctの初期値Cosから減算することで、二次電池31の満充電容量Ctを算出し、そのデータをメモリ63に更新記憶する。このように、BM50は、環境温度履歴に基づく満充電容量Ctの最新データ(推定値)を、更新しながら保持している。
Ct=Cos−W・・・・(3)式
(4−2)満充電容量Ctのリセット
図8は、環境温度履歴に基づく満充電容量Ctのリセット処理の流れを示すフローチャート図である。環境温度履歴に基づく満充電容量Ctの推定方法は、温度センサ95による温度計測誤差が蓄積するため、推定開始からの経過時間が長くなると、誤差が大きくなる。
そこで、制御部60は、満充電容量Ctの推定開始から経過時間を、規定値と比較する処理を行う(S110)。そして、推定開始からの経過時間が規定値を超えている場合、環境温度履歴に基づく満充電容量Ctの推定値を、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)と比較する処理を行う(S120)。そして、制御部60は、環境温度履歴に基づく満充電容量Ctの推定値が取り得る範囲(Comin〜Comax)から外れている場合、環境温度履歴に基づく満充電容量Ctの推定値を、取り得る範囲(Comin〜Comax)内の値にリセットする(S130)。
また、リセット後、制御部60は、リセットした値を初期値として、環境温度履歴に基づいて満充電容量Ctを推定する処理を行い、推定開始から経過時間が規定値を超えると、環境温度履歴に基づく満充電容量Ctの推定値を、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)と比較する処理を行う。
そして、環境温度履歴に基づく満充電容量Ctの推定値が取り得る範囲(Comin〜Comax)から外れている場合、満充電容量Ctの推定値を、取り得る範囲(Comin〜Comax)内の値に、再び、リセットする。
尚、推定値のリセットは、取り得る範囲(Comin〜Comax)のうち、外れている側の半分の範囲で行うとよい。例えば、図9に示すように、満充電容量Ctの推定値が低い側に外れている場合であれば、取り得る範囲の中央値(Cp+X)から下限値(Comin)の範囲内の値にリセット(書き換える)することが好ましい。このようにすることで、環境温度履歴に基づく満充電容量Ctの推定値を、真値に近い値に、リセットすることが可能となる。
5.効果説明
実施形態1のBM50によれば、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を算出することが出来る。そして、環境温度履歴に基づく満充電容量Ctの推定値を、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)と比較し、外れている場合は、取り得る範囲(Comin〜Comax)内の値にリセットする。そのため、満充電容量Ctを推定するにあたり、温度センサ95による温度計測誤差が蓄積することを抑制することができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図12、図13によって説明する。実施形態2の電池パック20は、実施形態1の電池パック20と同様に、組電池30と、電流センサ40と、組電池30を管理するバッテリーマネージャー50を有している。
実施形態1では、制御部60にて、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を算出するにあたり、不変領域F1内の1つの計測点Pで、開放電圧Vpを計測した。実施形態2では、制御部60にて、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を算出するにあたり、不変領域F1内の2つの計測点Pで開放電圧Vpを計測する。そして、2つの計測点Pについて、残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率の大きさが異なるか、判定する処理を行う。
尚、本例では、不変領域F1には、第1低変化領域L1と、第1高変化領域H1と、第2高変化領域H2が含まれている。従って、図12に示すように、2つの計測点P1、P2のうち、一方の計測点P1が低変化領域L1に含まれ、他方の計測点P2が第1高変化領域H1又は第2高変化領域H2に含まれている場合、2つの計測点P1、P2は、残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率の大きさが異なると、判定できる。
そして、2つの計測点P1、P2について、残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率の大きさが異なる場合、開放電圧Vの変化率が大きい側の計測点Pを選択して、前記蓄電素子の満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxを算出する処理を行う。例えば、図12の例であれば、第2高変化領域H2に含まれる計測点P2に基づいて、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)の取り得る範囲を算出する。
具体的には、制御部60は、計測点P2の開放電圧Vp2を、メモリ63に記憶されたC−V相関特性に参照して、計測点P2における二次電池31の残存容量Cp2を算出する。また、電圧検出回路80による電圧検出値の誤差±Aに相当する容量分を加算して、残存容量Cp2の下限値Cpminと上限値Cpmaxを算出する(図13参照)。
そして、計測点P2に対応する残存容量Cp2の下限値Cpminに対して、満充電状態から計測点P2までの累積充放電量Xを加算することにより、満充電容量Coの下限値Cominを求める。また、計測点P2に対応する残存容量Cp2の上限値Cpmaxに対して、満充電状態から計測点Pまでの累積充放電量Xを加算することにより、満充電容量Coの上限値Comaxを求める。
このようにすることで、開放電圧Vの変化率が小さい側の計測点P1を選択する場合に比べて、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を絞る、すなわち狭い範囲とすることが出来る。従って、環境温度履歴に基づく満充電容量Ctの推定値を、真値により近い値にリセットすることが可能である。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を説明する。実施形態3の電池パック20は、実施形態1の電池パック20と同様に、組電池30と、電流センサ40と、組電池30を管理するバッテリーマネージャー50を有している。実施形態3は、実施形態1に対して、満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxの算出方法が異なっている。
具体的に説明すると、実施形態1において、制御部60は、満充電容量Coの下限値Cominを(1)式より算出し、上限値Comaxを(2)式より算出した。これに対し、実施形態3において、制御部60は、満充電容量Coの下限値Cominを(4)式より算出し、上限値Comaxを(5)式より算出する。
Comin=Cpmin+X−α−β・・・・・(4)式
Comax=Cpmax+X+α+β・・・・・(5)式
「α」は、累積充放電量Xの誤差、「β」は満充電状態の検出誤差である。
実施形態3では、(4)式、(5)式に対して、累積充放電量Xの誤差αや満充電状態の検出誤差βの項を含めているので、満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxを精度よく算出することが可能となる。
尚、累積充放電量Xの誤差は電流積算の誤差、すなわち電流センサ40の計測誤差の蓄積である。また、満充電状態の検知誤差とは、充電電流が第1閾値を下回るタイミングの検出ずれに伴う誤差である。
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を、図14を参照して説明する。実施形態4の電池パック20は、実施形態1の電池パック20と同様に、組電池30と、電流センサ40と、BM50を有している。実施形態1では、環境温度Tと経過時間nのデータに基づいて二次電池31の満充電容量Ctを算出した。実施形態4は、満充電容量Ctに基づいて、組電池30の寿命を判断する処理を追加している。
具体的に説明すると、実施形態4では、実施形態1にて図8を参照して説明した環境温度履歴に基づく満充電容量Ctのリセット処理に対して、S103と、S105の2つの処理を追加しており、S103では、制御部60は環境温度情報より算出した二次電池31の満充電容量Ctを所定値(寿命時の電池容量)と比較する処理を行う。そして、制御部60は、満充電容量Ctが所定値を下回っている場合、組電池30の寿命と判断し、ECU100に対して組電池30の寿命を通知する。そして、ECU100は「組電池30の寿命を伝える通知」を受けると、ユーザに対して交換を促す警告を行う。このようにすることで、ユーザに電池の交換を促すことが可能となるので、寿命の電池が使用され続けることを抑制出来る。
尚、満充電容量Ctが所定値よりも高い場合(寿命でない場合)は、S110以下の処理が、実施形態1と同じように実行される。また、制御部60が本発明の「判断部」の一例である。
<実施形態5>
次に、本発明の実施形態5を説明する。実施形態5の電池パック20は、実施形態1の電池パック20と同様に、組電池30と、電流センサ40と、組電池30を管理するバッテリーマネージャー50を有している。実施形態1では、制御部60にて、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を算出した例を示したが、実施形態5では、制御部60は、不変領域F1に含まれる任意の計測点Pの開放電圧Vpと、満充電状態から計測点Pまでの累積充放電量Xに基づいて、満充電容量Coを算出する。具体的には、下記の(6)式より算出する。
Co=Cp+X・・・・・・・・・・・・・(6)式
尚、「Cp」は、不変領域F1の任意の計測点Pの残存容量、「X」は満充電状態から計測点Pまでの累積充放電量である。
実施形態5では、初期状態からの時間経過によらず、満充電容量Coの推定精度を維持することができる。また、放電終止電圧まで放電しなくても、二次電池31の満充電容量Coを算出することが出来る。
ところで、実施形態1で説明したように、不変領域F1は第1低変化領域L1、第1高変化領域H1、第2高変化領域H2を含んでいる。第1低変化領域L1は、残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率が小さい。そのため、C−V相関特性を利用して、計測点Pに対応する残存容量Cpを求める場合、開放電圧Vの計測誤差により、残存容量Cpの誤差、更に満充電容量Coの算出誤差も大きくなる。従って、第1低変化領域L1内の計測点Pの残存容量Cpから満充電容量Coを算出する場合、電圧計測精度の高い電圧検出回路80を使用することが好ましい。
また、不変領域F1であっても、第1高変化領域H1や第2高変化領域H2は、残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率が大きいので、残存容量Cpの誤差、更に満充電容量Coの誤差が比較的小さい。そのため、第1高変化領域H1や第2高変化領域H2上の計測点Pを選択して、満充電容量Coを算出するようにしてもよい。このようにすれば、高精度の電圧検出回路80を使用しなくても、満充電容量Coを正確に求めることが可能である。尚、計測点Pが、どの領域に含まれているかは、計測点Pの開放電圧VpをC−V相関特性に参照して各領域の開放電圧の範囲と比べることで判別できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を次の順番で算出した。「満充電状態の検出」→「電流積算(充放電)」→「不変領域内の計測点Pで開放電圧Vpを計測」→「計測点Pに対応する残存容量Cpの下限値Cpmin、上限値Cpmaxを算出」→「累積充放電量Xの加算」の順で、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を算出した。
上記以外にも、例えば、「不変領域内の計測点Pで開放電圧Vpを計測」→「計測点Pに対応する残存容量Cpの下限値Cpmin、上限値Cpmaxを算出」→「電流積算(充放電)」→「満充電状態の検出」→「累積充放電量Xの加算」の順で、満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を算出するようにしてもよい。
(2)実施形態1では、二次電池31のC−V相関特性として、残存容量Cが47[Ah]未満の「不変領域F1」では、初期状態からの時間経過によらず、C−V相関特性がほぼ一致する例を示した。「不変領域F1」は、例示のようにC−V相関特性が必ずしも一致する必要はなく、C−V相関特性の時間変化が、他の領域(シフト領域F2)に比べて、相対的に小さい領域であればよい。
(3)実施形態1では、蓄電素子の一例にリチウムイオン二次電池31を例示した。蓄電素子は、図4に示すように、C−V相関特性において、C−V相関特性の時間変化が、他の領域(シフト領域)に比べて、相対的に小さい不変領域を有する特性を有していれば、リチウムイオン電池以外であってもよい。
(4)実施形態1では、電流センサ40をBM50とは別に設けた例を示したが、電流センサ40をBM50に含めるような構成でもよい。
(5)実施形態3では、満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxを算出する計算式に、累積充放電量Xの誤差αと、満充電状態の検出誤差βの2つの項を含めたが、いずれか一方の項のみを含むような計算式にしてもよい。
(6)実施形態1では、満充電状態から計測点Pまでの累積充放電量Xの算出方法について、満充電状態をまず検出し、満充電状態から計測点Pまでの累積充放電量Xを実測する例を示したが、この他にも、満充電状態と満充電近傍状態との容量差Mを利用して、累積充放電容量Xを算出するようにしてもよい。
例えば、図15に示すように、満充電状態(CV充電時の充電電流が第1閾値の状態)G1と、満充電近傍状態(充電電流が第1閾値よりも高い第2閾値)G2の「容量差M」が実験データ等により予めわかっていれば、満充電近傍状態G2から計測点Pまでの累積充放電量X1を測定すれば、測定により得られた測定値X1と容量差Mより、下記の(7)式にて示すように、累積充放電量Xを求めることが出来る。
X=X1+M・・・・・・・(7)
X:満充電状態G1から計測点Pまでの累積充放電量
X1:満充電近傍状態G2から計測点Pまでの累積充放電量(測定値)
M:満充電状態G1と満充電近傍状態G2との容量差(実験データ等による推定値)
上記のようにすれば、満充電状態G1まで実際に充電をしなくても、その近傍の満充電近傍状態G2まで充電を行えば、累積充放電量X及び満充電容量Coの取り得る範囲(Comin〜Comax)を求めることが可能であるという、メリットがある。
(7)実施形態1では、二次電池31の開放電圧Vを、不変領域F1とシフト領域F2の境界点Zに対応する開放電圧と比較することで、二次電池31の計測点Pが不変領域F1に含まれているか否かを判定した。
二次電池31のC−V相関特性が「時間変化が大きい領域」と「時間変化が小さい領域」を含んでいる場合、二次電池31の計測点Pが、時間変化が大きい領域(例えば、図4のシフト領域F2)、時間変化が小さい領域(例えば、図4の不変領域F1)のどちらに含まれているかは、二次電池31の残存容量Cpを判定値Uと比較することでも、判定可能である。そのため、制御部60で(A)〜(C)の処理を行って、満充電容量Coを算出するようにしてもよい。尚、判定値Uは、C−V相関特性の「時間変化が大きい領域」と「時間変化の小さい領域」の境界値であり、図4の例では、47[Ah]である。
(A)電流値が第1閾値以下となる任意の計測点Pにて、二次電池31の開放電圧Vpを計測する。そして、計測点Pにおける二次電池31の開放電圧Vpを二次電池31のC−V相関特性に参照して計測点Pにおける二次電池31の残存容量Cpを算出する。
(B)算出した残存容量Cpが、判定値U以下か判定する。
(C)残存容量Cpが判定値U以下の場合、計測点Pの残存容量Cpと、満充電条件を満たす満充電状態から任意の計測点Pまでの二次電池31の累積充放電量Xとに基づいて、二次電池31の満充電容量Coを推定する。具体的には、実施形態5の(6)式と同様に、計測点Pの残存容量Cpに累積充放電量Xを加算することにより、満充電容量Coを算出する。
上記方法でも、C−V相関特性の時間変化が小さい領域に含まれる計測点Pの残存容量Cpに基づいて満充電容量Coを算出することが可能になるので、実施形態5と同様に、初期状態からの時間経過によらず、満充電容量Coの推定精度を維持することができる。
尚、(C)の処理で残存容量Cpが判定値以下の場合に、満充電容量Coを推定する処理を行っている理由は、二次電池31のC−V相関特性は、高残存容量側が「時間変化が大きい領域」、低残存容量側が「時間変化が小さい領域」であり、残存容量Cpが判定値U以下であれば、二次電池31の計測点Pは、時間変化が小さい領域に含まれていると、判断できるからである。また、(B)の処理で、残存容量Cpが判定値Uより大きい場合、残存容量Cpが判定値U以下になってから、(C)の処理を行うことになる。
20...電池パック
30...組電池
31...二次電池(本発明の「蓄電素子」に相当)
40...電流センサ
50...バッテリーマネージャ(本発明の「状態推定装置」に相当)
60...制御部(本発明の「電流積算部」、「第1推定部」、「第2推定部」、「比較部」、「判断部」に相当)
61...CPU
63...メモリ
80...電圧検出回路
95...温度センサ

Claims (10)

  1. 蓄電素子の状態を推定する状態推定装置であって、
    前記蓄電素子に流れる電流を積算する電流積算部と、
    前記蓄電素子の満充電容量を推定する第1推定部と、を備え、
    前記蓄電素子は、残存容量Cと開放電圧Vの相関特性において、前記相関特性の時間変化が他の領域に比べて相対的に小さい不変領域を有し、
    前記第1推定部は、
    前記不変領域に含まれる計測点Pにおける前記蓄電素子の開放電圧Vpと、前記相関特性とに基づいて、前記計測点Pにおける前記蓄電素子の残存容量Cpを算出し、
    算出した前記計測点Pの残存容量Cpと、満充電条件を満たす満充電状態から計測点Pまでの前記蓄電素子の累積充放電量Xとに基づいて、前記蓄電素子の満充電容量Coを推定する状態推定装置。
  2. 請求項1に記載の状態推定装置であって、
    前記第1推定部は、
    前記計測点Pにおける前記蓄電素子の開放電圧Vpと、前記相関特性とに基づいて、前記計測点Pにおける前記蓄電素子の残存容量Cpの下限値Cpminと上限値Cpmaxを算出し、
    前記残存容量Cpの下限値Cpminと上限値Cpmaxに対して前記累積充放電量Xをそれぞれ加算することにより、前記蓄電素子の満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxを算出する、状態推定装置。
  3. 請求項2に記載の状態推定装置であって、
    前記第1推定部は、残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率が異なる2つの計測点Pで開放電圧Vpを計測した場合、
    開放電圧Vの変化率が大きい側の計測点Pを選択して、前記蓄電素子の満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxを算出する処理を行う、状態推定装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の状態推定装置であって、
    環境温度情報に基づいて前記蓄電素子の満充電容量Ctを推定する第2推定部と、
    環境温度情報に基づいて推定される前記蓄電素子の満充電容量Ctを、前記相関特性を用いて算出した前記満充電容量Coの前記下限値Comin及び前記上限値Comaxと比較する比較部と、を備え、
    前記環境温度情報に基づく満充電容量Ctが、前記下限値Comin〜前記上限値Comaxの範囲から外れている場合、
    前記環境温度情報に基づく満充電容量Ctを、前記下限値Comin〜前記上限値Comaxの範囲の内、中央を基準として、外れている側に近い値にリセットする、状態推定装置。
  5. 請求項4に記載の状態推定装置であって、
    前記第2推定部にて推定した前記蓄電素子の満充電容量Ctを所定値と比較することにより、前記蓄電素子の寿命を判断する判断部を備える状態推定装置。
  6. 蓄電素子の状態を推定する状態推定方法であって、
    前記蓄電素子は、残存容量Cと開放電圧Vの相関特性において、前記相関特性の時間変化が他の領域に比べて相対的に小さい不変領域を有し、
    前記不変領域に含まれる計測点Pにおける前記蓄電素子の開放電圧Vpと前記相関特性とに基づいて、前記計測点Pにおける前記蓄電素子の残存容量Cpを算出する算出ステップと、
    算出した前記計測点Pの残存容量Cpと、前記計測点Pから満充電条件を満たす満充電状態までの前記蓄電素子の累積充放電量Xとに基づいて、前記蓄電素子の満充電容量Coを推定する推定ステップと、を含む、状態推定方法。
  7. 請求項6に記載の状態推定方法であって、
    前記算出ステップにて、前記計測点Pの開放電圧Vpと、前記相関特性とに基づいて、前記計測点Pにおける前記蓄電素子の残存容量Cpの下限値Cpminと上限値Cpmaxを算出し、
    前記推定ステップにて、前記残存容量Cpの下限値Cpminと上限値Cpmaxに対して前記累積充放電量Xをそれぞれ加算することにより、前記蓄電素子の満充電容量Coの下限値Cominと上限値Comaxを算出する、状態推定方法。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の状態推定方法であって、
    残存容量Cに対する開放電圧Vの変化率が異なる2つの計測点Pで開放電圧Vpを計測した場合、
    開放電圧Vの変化率が大きい側の計測点Pを選択して、前記算出ステップと、前記推定ステップを行う、状態推定方法。
  9. 蓄電素子の状態を推定する状態推定装置であって、
    前記蓄電素子に流れる電流を積算する電流積算部と、
    前記蓄電素子の満充電容量を推定する第1推定部と、を備え、
    前記第1推定部は、
    任意の計測点Pにおける前記蓄電素子の開放電圧Vpと、
    残存容量Cと開放電圧Vpの相関特性とに基づいて、
    前記計測点Pにおける前記蓄電素子の残存容量Cpを算出し、
    前記相関特性の時間変化が大きい領域と、時間変化が小さい領域の境界値を判定値として、
    算出した前記残存容量Cpが前記判定値以下か判定し、
    前記残存容量Cpが前記判定値以下の場合、前記計測点Pの残存容量Cpと、満充電条件を満たす満充電状態から前記計測点Pまでの前記蓄電素子の累積充放電量Xとに基づいて、前記蓄電素子の満充電容量Coを推定する、状態推定装置。
  10. 蓄電素子の状態を推定する状態推定方法であって、
    任意の計測点Pにおける前記蓄電素子の開放電圧Vpと、残存容量Cと開放電圧Vpの相関特性とに基づいて、前記計測点Pにおける前記蓄電素子の残存容量Cpを算出する算出ステップと、
    前記相関特性の時間変化が大きい領域と、時間変化が小さい領域の境界値を判定値として、
    算出した前記残存容量Cpが前記判定値以下か判定するステップと、
    前記残存容量Cpが前記判定値以下の場合、前記計測点Pの残存容量Cpと、前記計測点Pから満充電条件を満たす満充電状態までの前記蓄電素子の累積充放電量Xとに基づいて、前記蓄電素子の満充電容量Coを推定する推定ステップとを含む、状態推定方法。
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