JP2006280151A - 熱電変換ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 発熱体を容易に着脱できる熱電変換ユニットを提供すること。
【解決手段】 対向して配置された下基板14aの上面に下部電極15aを形成するとともに、上基板14bの下面に上部電極15bを形成し、両電極15a,15bにそれぞれ熱電素子16の端面を接合させて熱電変換モジュール11を形成した。そして、この熱電変換モジュール11の一方に係合凸部12bを備えた吸熱部材12を取り付けるとともに、他方に放熱部材13を取り付けて熱電変換部10を形成した。また、ランプ21の外周面に係合凹部22aを備えた熱伝導部22を取り付けて光源ランプ部20を形成した。そして、係合凸部12bと係合凹部22aとを係合させることにより光源ランプ部20を熱電変換部10に対して着脱可能にした。また、レフレクター21、吸熱部材12および放熱部材13を、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発熱体の排熱を利用して発電する熱電変換モジュールを備えた熱電変換ユニットに関する。
従来から、ペルチェ効果を利用して熱電気変換を行う熱電変換モジュールが加熱・冷却装置および発電装置等に用いられている。この熱電変換モジュールは、一対の絶縁基板における相対向する内側の面の所定箇所に複数の電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれ熱電素子の上下の端面をハンダ付けすることにより、一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を固定して構成されている。そして、この熱電変換モジュールは、例えば、ランプの外壁部に取り付けられて、ランプの発熱により加熱される一方の絶縁基板と他方の絶縁基板との間の温度差によって生じる電力を利用して、他の装置を作動させることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−312986号公報
熱電変換モジュールを、ランプのように所定期間の使用により寿命がきて使用不可になる発熱体に取り付ける場合には、所定期間ごとに、ランプを熱電変換モジュールや他の本体部分から取り外して取り換える必要が生じる。しかしながら、従来の熱電変換モジュールでは、このような取り換えについては考慮されていないため、取り換えができないか、または取り換えができてもその操作が面倒で煩雑なものになるという問題がある。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、発熱体を容易に着脱できる熱電変換ユニットを提供することである。
前述した目的を達成するため、本発明に係る熱電変換ユニットの構成上の特徴は、対向させて配置した一対の絶縁体における対向する内側の面の所定箇所に電極を形成し、対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合させて構成した熱電変換モジュールを発熱体に取り付けて、発熱体の発熱によって一対の絶縁体のうちの一方の絶縁体を加熱し、熱電素子の一方の絶縁体側の端部と他方の絶縁体側の端部との間に生じる温度差に応じて熱電変換モジュールが発生する電力を利用する熱電変換ユニットであって、熱電変換モジュールにおける一方の絶縁体に吸熱部材を取り付けるとともに、熱電変換モジュールにおける他方の絶縁体に放熱部材を取り付け、吸熱部材と発熱体とを着脱可能に組み付けるための着脱機構を設けたことにある。
このように構成した本発明の熱電変換ユニットにおいては、熱電変換モジュールにおける発熱体側部分に吸熱部材を取り付け、発熱体と反対側の部分に放熱部材を取り付けている。このため、発熱体から吸熱部材への熱伝導および吸熱部材から熱電変換モジュールの一方の絶縁体への熱伝導が効率よく行われるとともに、熱電変換モジュールの他方の絶縁体から放熱部材への熱伝導が効率よく行われるようになり、熱電変換モジュールの両絶縁体間の温度差が大きくなる。この結果、熱電変換モジュールの発電量が大きくなる。
また、吸熱部材と発熱体との間に着脱機構を設けて、吸熱部材と発熱体とを着脱可能に組み付けることができるようにしている。このため、発熱体と熱電変換モジュールとの一方を取り換えて再度組み付けることができるようになり、発熱体と熱電変換モジュールとの寿命が異なる場合でも、双方を寿命まで使用することができる。この場合、着脱機構は、吸熱部材側に設けられた部分と、発熱体側に設けられた部分とで構成し、両部分を互いに着脱可能にする。
また、本発明に係る熱電変換ユニットの他の構成上の特徴は、着脱機構が、吸熱部材に設けられた凸部または凹部と、発熱体側に設けられ、凸部または凹部に係合可能な凸部または凹部とで構成されていることにある。これによると、発熱体側に設けられた凹部を備えた部分に吸熱部材側に設けられた凸部を挿し込むか、または発熱体側に設けられた凸部を吸熱部材側に設けられた凹部に挿し込むかによって、発熱体と熱電変換モジュールとを組み付けることができる。また、発熱体と熱電変換モジュールを互いに反対方向に引っ張ることによって、双方を離すことができ、着脱操作が容易になる。
また、本発明に係る熱電変換ユニットのさらに他の構成上の特徴は、発熱体の表面に熱伝導部が形成されており、着脱機構が、熱伝導部と吸熱部材とに設けられていることにある。これによると、発熱体が、着脱機構の一方の部分を設けにくい形状のもので構成されている場合に、熱伝導部に着脱機構の一方の部分を設けることができるため、着脱機構の発熱体側部分の形成が容易になる。また、熱伝導部であるため、発熱体から吸熱部材への熱伝導を損ねることがない。
また、本発明に係る熱電変換ユニットのさらに他の構成上の特徴は、発熱体が光源ランプであり、熱伝導部が光源ランプの外壁部を構成するレフレクターであることにある。これによると、例えば、プロジェクター装置のような光源ランプを備えた装置に熱電変換モジュールを取り付け、光源ランプと熱電変換モジュールとを含む熱電変換ユニットを構成することができる。この場合、熱電変換モジュールから発生する電力をプロジェクター装置が備える冷却用のファン等の装置を作動させるために用いることができる。また、光源ランプのレフレクターで熱伝導部を構成することにより、部材数を減少させることができるとともに、光源ランプから吸熱部材への熱伝導性を向上させることができる。
また、レフレクターを、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成することもできる。これによると、レフレクターの熱伝導率が高くなり、光源ランプの放熱を吸熱部材に効率よく伝導できるようになる。また、アルミニウムを用いることにより光源ランプの軽量化が図れる。さらに、吸熱部材または放熱部材を、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成することもできる。これによると、吸熱部材から熱電変換モジュールへの熱伝導の効率を向上させることができるとともに、熱電変換モジュールから放熱部材への熱伝導の効率を向上させることができるようになり、熱電変換モジュールの発電量が大きくなる。また、熱電変換ユニットの軽量化も図れる。さらに、吸熱部材または放熱部材を、金属フィラーを含む樹脂で構成することもできる。これによっても、熱伝導性の向上や軽量化が図れる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る熱電変換ユニットの第1実施形態を図面を用いて詳しく説明する。図1は、同実施形態に係る熱電変換ユニットY1を示している。この熱電変換ユニットY1は、例えば、プロジェクター装置のように発熱体を有する装置に備わっているもので、装置本体側に取り付けられた熱電変換部10と、本発明の発熱体としての光源ランプ部20とで構成されている。そして、光源ランプ部20は、装置本体や熱電変換部10に対して着脱可能になっている。
熱電変換部10は、熱電変換モジュール11の一方の面に吸熱部材12を取り付けるとともに、熱電変換モジュール11の他方の面に放熱部材13を取り付けて構成されている。熱電変換モジュール11は、図2および図3に示したように、下基板14aと上基板14bとからなる一対の絶縁基板を備えており、下基板14aの上面における所定部分に下部電極15aが形成され、上基板14bの下面における所定部分に上部電極15bが形成されている。そして、直方体のチップからなる熱電素子16が、それぞれ下端面を下部電極15aにハンダ付けにより固定され、上端面を上部電極15bにハンダ付けにより固定されて下基板14aと上基板14bとを一体的に連結している。
また、下部電極15aと上部電極15bとは、それぞれ熱電素子16の略1個分に等しい距離をずらして取り付けられ、熱電素子16は、前後左右に一定間隔を保って配置されている。そして、上基板14bの各上部電極15bには、それぞれ2個の熱電素子16の上端面が接合されており、下基板14aの下部電極15aには、1個の熱電素子16の下端面だけが接合されるものと、2個の熱電素子16の下端面が接合されるものとがある。また、この熱電素子16は、下基板14aと上基板14bとの間で下部電極15aおよび上部電極15bを介して電気的に接続されている。
そして、1個の熱電素子16の下端面だけが接合される下部電極15aは下基板14aの一方側の2箇所の角部に設けられ、その下部電極15aには、リード線17a,17bが取り付けられている。熱電変換モジュール11は、このリード線17a,17bを介して外部に通電可能になっている。また、下基板14aおよび上基板14bはアルミナからなる板で構成され、熱電素子16は、ビスマス・テルル系の合金からなるP型の素子とN型の素子とからなっている。このように構成された熱電変換モジュール11は、下基板14aを吸熱側として前方(光源ランプ部20側)に位置させ、上基板14bを放熱側として後方に位置させている。
吸熱部材12は、アルミニウムからなっており、熱電変換モジュール11の下基板14aに固定された四角板状の基部12aと、基部12aの開放面(前面)から基部12aに直交して突出した本発明の凸部としての一対の係合凸部12b(1個しか図示せず)とで構成されている。係合凸部12bは、基部12aの開放面における上下方向の中央部分の両側(図1の前後方向の両側部分)にそれぞれ間隔を保って設けられている。また、放熱部材13は、熱電変換モジュール11の上基板14bに固定された吸熱部13aと、吸熱部13aの後端部に固定された放熱フィン18とで構成されている。吸熱部13aは、アルミニウムからなる四角棒状体で構成されている。
放熱フィン18は、アルミニウムからなっており、四角板状の基板18aの後面に所定の間隔で複数の突起18bを設けて構成されている。この放熱フィン18は、基板18aの前面上端を吸熱部13aの後端面に固定した状態で、吸熱部13aの下方に延びるように配置されている。また、この放熱フィン18は、複数の突起18bを設けて表面積を大きくすることによって放熱性を向上させるようになっており、熱電変換モジュール11から吸熱部13aを介して伝わってくる熱を効果的に外部に放出する。これによって、熱電変換モジュール11の下基板14a側と上基板14b側との温度差が大きくなり、熱電変換モジュール11が発生する電力が大きくなる。
光源ランプ部20は、ランプ21と熱伝導部22とで構成されている。ランプ21の外周面を構成するレフレクター21aは、図4に示したように正面が円形に形成された開口部に形成され、側面が後端部に近づくにしたがって細くなり後端部が閉塞された略ドーム状のアルミニウムで構成されている。そして、レフレクター21aの正面の開口部には透明のガラス21bが設けられ、レフレクター21aの内部における中央奥端部には管球光源21cが設けられている。管球光源21cは、超高圧水銀ランプからなり、点灯時には温度は900℃〜1000℃程度に上昇する。また、その際、レフレクター21aの温度は、230℃〜300℃程度に上昇する。
また、レフレクター21aの外周面における前後方向の略中央部から後端部には、前後方向に延びる放熱用のフィン部23が円周方向に一定間隔を保って設けられている。熱伝導部22は、ランプ21の上面に沿って取り付けられたアルミニウム製のブロック体で構成されており、幅方向の長さおよび前後方向の長さが長く高さ方向の長さが短くなっている。そして、熱伝導部22の後端面における幅方向の両側には、それぞれ吸熱部材12の一対の係合凸部12bを挿入できる一対の係合凹部22a(1個しか図示せず)が形成されている。
このように構成された熱電変換ユニットY1を使用する際には、係合凹部22a内にそれぞれ係合凸部12bを挿入させながら光源ランプ部20を熱電変換部10に取り付ける。このとき、係合凸部12bの表面には熱伝導性に優れたグリス等を塗布しておく。これによって、熱抵抗を低減し、熱伝導部22から吸熱部材12への熱伝導性を向上させることができる。また、この際、光源ランプ部20は、熱電変換部10に取り付けられるだけでなく、熱電変換ユニットY1が設けられた装置の保持部(図示せず)に係合しており、この保持部によっても保持される。
そして、このようにして光源ランプ部20が組み付けられた装置に外部から電力を供給することによってランプ21が発光する。この際、ランプ21から発生する熱は、レフレクター21aから熱伝導部22および吸熱部材12を介して、熱電変換モジュール11の下基板14aに伝わり、下基板14aを加熱する。これによって、熱電変換モジュール11の下基板14aと上基板14bとの間に温度差が生じて、熱電変換モジュール11が発電する。
また、その際、熱電変換モジュール11の上基板14bは、吸熱部13aおよび放熱フィン18によって冷却されるため、熱電変換モジュール11の下基板14aと上基板14bとの間の温度差がさらに大きくなり、熱電変換モジュール11の発電力がさらに大きくなる。この熱電変換モジュール11が発生した電力は、熱電変換ユニットY1を有する装置が備える他の装置、例えばファン等を作動させるために使用される。また、ランプ21は、熱伝導部22およびフィン部23に吸熱されて所定温度以上の高温になることを防止され、これによって寿命が長くなる。
このように、本実施形態に係る熱電変換ユニットY1では、熱電変換モジュール11の光源ランプ部20側の下基板14aに吸熱部材12を取り付け、熱電変換モジュール11の上基板14bに吸熱部13aと放熱フィン18とからなる放熱部材13を取り付けている。また、吸熱部材12には、係合凸部12bを設け、ランプ21のレフレクター21aには、係合凸部12bが挿入可能な係合凹部22aを備えた熱伝導部22を取り付けている。そして、係合凹部22a内にそれぞれ係合凸部12bを挿入させることにより熱電変換部10に光源ランプ部20を組み付けることができる。このため、ランプ21から熱電変換モジュール11への熱伝導が効率よく行われるとともに、熱電変換モジュール11から放熱部材13への熱伝導が効率よく行われるようになり、熱電変換モジュール11を効率よく発電させることができるようになる。
また、熱電変換部10への光源ランプ部20の着脱が、係合凹部22a内に係合凸部12bを挿入したり、熱電変換部10から光源ランプ部20を引っ張ったりするだけですむため容易になる。さらに、吸熱部材12、放熱部材13、レフレクター21aおよび熱伝導部22が熱伝導性のよいアルミニウムで構成されているとともに、係合凸部12bと係合凹部22aとの間には、グリス層が形成されるため、熱電変換ユニットY1を構成する各部分間の熱伝導が効率よく行える。また、熱電変換ユニットY1を備えた装置の軽量化も図れる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る熱電変換ユニットY2を示している。この熱電変換ユニットY2では、熱電変換部10aが備える吸熱部材25の係合凸部25bは、基部25aの開放面における上端側部分の両側にそれぞれ間隔を保って設けられている。また、光源ランプ部20aが備える熱伝導部26の係合凹部26aは、後端面および上面が開口した溝状の凹部で構成されている。この熱電変換ユニットY2におけるそれ以外の部分の構成については前述した熱電変換ユニットY1と同一である。したがって、図示の同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
このように構成したことにより、光源ランプ部20aを熱電変換部10aに取り付けるときには、光源ランプ部20aを水平方向に移動させながら熱電変換部10aに組み付けるだけでなく、光源ランプ部20aを下方から上方に移動させて係合凹部26a内に係合凸部25bを挿入させることもできる。また、光源ランプ部20aを熱電変換部10aから取り外すときには、光源ランプ部20aを前方または下方に移動させて係合凹部26aと係合凸部25bとの係合を解除させることができる。この結果、光源ランプ部20aの熱電変換部10aに対する着脱が容易になる。この熱電変換ユニットY2のそれ以外の作用効果については、前述した熱電変換ユニットY1と同様である。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態に係る熱電変換ユニットY3を示している。この熱電変換ユニットY3装置では、熱電変換部10bが備える熱電変換モジュール31が前後面の面積の大きなもので構成されており、吸熱部材32および放熱部材33の吸熱部33aもそれぞれ熱電変換モジュール31の取り付け面(前後面)に応じた面積を備えた板状体で構成されている。また、吸熱部材32の係合凸部32bは、基部32aの開放面における四隅にそれぞれ一定間隔を保って設けられている。そして、放熱フィン38は、下面前端部を吸熱部33aの上端部に固定した状態で、吸熱部33aに直交して後方に延びている。また、放熱フィン38の突起38bは、基板38aの上面に設けられている。
光源ランプ部20bの熱伝導部は、ランプ34の上面に沿って取り付けられた上部熱伝導部35aとランプ34の下面に沿って取り付けられた下部熱伝導部35bとで構成されている。そして、上部熱伝導部35aと下部熱伝導部35bの後端面における幅方向の両側には、それぞれ係合凸部32bが挿入できる係合凹部36a,36bが形成されている。この熱電変換ユニットY3におけるそれ以外の部分の構成については前述した熱電変換ユニットY1と同一である。したがって、図示の同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
このように構成したことにより、光源ランプ部20bと熱電変換部10bとの係合がより確実になるとともに、光源ランプ部20bから熱電変換部10bへの熱伝導性が向上する。また、放熱フィン38の突起38bが、基板38aの上面に設けられているため、放熱部材33の放熱効果も向上する。この熱電変換ユニットY3のそれ以外の作用効果については、前述した熱電変換ユニットY1と同様である。
(第4実施形態)
図7は、本発明の第4実施形態に係る熱電変換ユニットY4を示している。この熱電変換ユニットY4装置では、光源ランプ部が、熱伝導部やフィン部を備わってないランプ44だけで構成されている。また、熱電変換部40は、熱電変換モジュール41、吸熱部材42および放熱部材を構成する放熱フィン43で構成されている。熱電変換モジュール41は前後両面の面積が大きなもので構成されており、吸熱部材42および放熱フィン43もそれぞれ熱電変換モジュール41の取り付け面に応じた面積を備えたもので構成されている。
そして、吸熱部材42の開放側の面には、ランプ44を収容可能な半球状の収容凹部42aが形成されている。また、放熱フィン43の突起43bは、基板43aの後面に設けられている。この熱電変換ユニットY4におけるそれ以外の部分の構成については前述した熱電変換ユニットY1と同一である。このように構成したため、ランプ44の熱電変換部40への着脱が極めて容易になる。また、ランプ44と吸熱部材42との接触面積が大きくなるため、ランプ44から熱電変換部40への熱伝導性が向上する。この熱電変換ユニットY4のそれ以外の作用効果については、前述した熱電変換ユニットY1等と同様である。
(第5実施形態)
図8は、本発明の第5実施形態に係る熱電変換ユニットY5を示している。この熱電変換ユニットY5では、光源ランプ部が、熱伝導部やフィン部を備わってないランプ54だけで構成され、ランプ54のレフレクター54aの後部側部分が四角ブロック状に形成されている。そして、レフレクター54aの後端側部分の上面中央と下面中央にそれぞれねじ穴54bが形成されている。
また、熱電変換部50の吸熱部材52は、前端面に、レフレクター54aの後端側部分を収容できる収容凹部52aが形成されたブロック体で構成されており、その収容凹部52a内の奥端部に熱伝導シート55が設置されている。そして、吸熱部材52の前端側部分の上部中央および下部中央に、それぞれ外面から収容凹部52aに貫通するねじ挿通穴52bが設けられている。この収容凹部52a内にランプ54のレフレクター54aを入れ、ねじ挿通穴52bにそれぞれねじ56を挿通させ、その先端をレフレクター54aのねじ穴54bに係合させることにより、ランプ54は熱電変換部50に取り付けられている。
この熱電変換ユニットY5におけるそれ以外の部分の構成については前述した熱電変換ユニットY4と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。このように構成したため、ランプ54の熱電変換部50への取り付けが強固になる。また、ランプ54と吸熱部材52との間には、熱伝導シート55が設置されているため、ランプ54から熱電変換部50への熱伝導性が向上する。この熱電変換ユニットY5のそれ以外の作用効果については、前述した熱電変換ユニットY4と同様である。
(第6実施形態)
図9は、本発明の第6実施形態に係る熱電変換ユニットY6を示している。この熱電変換ユニットY6では、光源ランプ部を構成するランプ64の後端部にねじ棒65が形成されている。そして、熱電変換部60は、前後面の面積が大きな熱電変換モジュール61と、吸熱部材62と、放熱部材63とで構成されている。吸熱部材62は、直方体のブロック体で構成され、その前端面に、ランプ64のねじ棒65に着脱可能に係合できるねじ穴62aが形成されている。
放熱部材63は、薄板状の吸熱部63aと、熱電変換部60を保持する棒状の保持部68とで構成されている。吸熱部63aは、上端部を熱電変換モジュール61の上方に突出させた状態で、熱電変換モジュール61の後面に固定されており、吸熱部63aの後面上端は保持部68の前端面に固定されている。保持部68は、熱電変換ユニットY6が取り付けられる装置の筐体の一部を構成するもので、吸熱部63a等を介してランプ64を保持するとともに、ランプ64の排熱を吸熱部63a等を介して吸熱し放熱する。
この熱電変換ユニットY6におけるそれ以外の部分の構成については前述した熱電変換ユニットY4等と同一である。このように構成したため、ランプ64の熱電変換部60への取り付けがさらに確実になるとともに強固になる。また、熱電変換部60の一部を、装置の筐体の一部である保持部68で構成しているため、部材数が減少して構造が単純になる。この熱電変換ユニットY6のそれ以外の作用効果については、前述した熱電変換ユニットY4等と同様である。
つぎに、図6に示した熱電変換ユニットY3におけるレフレクター21a、吸熱部材32および放熱部材33をアルミニウム合金で構成した熱電変換ユニットを実施例1とし、熱電変換ユニットY3におけるレフレクター21aをアルミニウム合金で構成するとともに、吸熱部材32および放熱部材33を金属フィラー入り樹脂で構成した熱電変換ユニットを実施例2として準備した。そして、後述する従来の熱電変換ユニットを比較例1として、実施例1,2および比較例1の各熱電変換ユニットにおける、光源ランプ部の交換に要する時間の比較テストを行った。具体的には、実施例1,2では光源ランプ部20bの交換を、比較例1ではランプ74を交換した上で、もとどおりの熱電変換ユニットに戻すまでの時間を測定した。比較例1としては、図10に示した熱電変換ユニットYHを用いた。
この熱電変換ユニットYHが備えるランプ74では、レフレクター74aがガラスで構成されており、その開口部に透明のガラス74bが取り付けられ、レフレクター74aの内部中央に管球光源74cが取り付けられている。そして、ランプ74の外周面を覆うようにブロック状の吸熱部材72が取り付けられ、さらに、その吸熱部材72の両側面および底面を断熱材75で覆っている。また、吸熱部材72の上面には、熱電変換モジュール71が取り付けられ、熱電変換モジュール71の上面には、基板78aと突起78bからなる放熱フィン78が取り付けられている。
この熱電変換ユニットYHにおけるランプ74の交換作業は、図10ないし図13に示した手順に沿って行った。まず、図10の状態の熱電変換ユニットYHから、断熱材75を取り外して、図11の状態にした。ついで、吸熱部材72から熱電変換モジュール71と放熱フィン78とを組み付けたまま取り外して図12の状態にした。つぎに、吸熱部材72からランプ74を取り外して、図13に示した状態にした。そして、取り換え用のランプ74を準備して、図13の状態から順次図10の状態になるように、前述した操作を逆の手順で行って熱電変換ユニットYHを組み付けることにより交換作業を終了した。また、ランプ74を吸熱部材72に入れる際には、レフレクター74aの外周面にグリスを塗布して、吸熱部材72とレフレクター74aとの間が密着して熱抵抗が小さくなるようにした。
また、実施例1,2(熱電変換ユニットY3)におけるランプ34の交換作業は、図14および図15に示した手順に従って行った。まず、図14の状態の熱電変換ユニットY3から、光源ランプ部20bを前方に引っ張って熱電変換部10bから取外し、図6の状態にする。この場合、光源ランプ部20bを正面から見た状態は、図15に示したようになる。そして、取り換え用のランプ34を備えた光源ランプ部20bを準備して、図15の状態から図14の状態になるように、前述した操作を逆の手順で行って熱電変換ユニットY3を組み付けることにより交換作業を終了した。その比較テストの結果を、下記の表1に示した。
Figure 2006280151
この結果、比較例1では、ランプ74の交換に5〜8分の時間を要したのに対し、実施例1,2では、ランプ34の交換に要した時間は、ともに30〜40秒であった。この結果から、本発明に係る熱電変換ユニットである実施例1,2の熱電変換ユニットY3によると、従来の熱電変換ユニットYHよりもランプ34等の交換に要する時間を大幅に短縮できることが分かる。また、前述した実施例1,2および比較例1では、消費電力が160Wのランプを使用しており、参考のために、その各実施例等の各ランプのレフレクターの外周面の最高温度の測定も行った。その結果も表1に示している。
表1に示したように、比較例1では、レフレクター74aの外周面の最高温度は280℃であったのに対し、実施例1のレフレクター21aの外周面の最高温度は190℃、実施例2のレフレクターの外周面の最高温度は220℃であった。一般にランプは、高温になるほど寿命が短くなり、冷却されて低温に維持されるほど寿命が長くなる。このため、このテスト結果から、実施例1,2では、比較例1よりもランプ34の寿命を長くすることができることが分かる。
また、本発明に係る熱電変換ユニットは前述した各実施形態に限定するものでなく適宜変更が可能である。例えば、前述した各実施形態や実施例では、吸熱部材12等および放熱部材13等を構成する材料をアルミニウム、アルミニウム合金または金属フィラー入り樹脂としたが、これらを構成する材料としては、これに限らず、タフピッチ銅、無酸素銅等の熱伝導性に優れた材料であれば使用が可能である。また、吸熱部材12等および放熱部材13等を、金属フィラー入り樹脂で構成する場合には、キャストナイロン、超高分子量ポリエチレン、ポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックの中に、例えば、銅、アルミニウム、すず、亜鉛、ビスマス、マグネシウム等の金属粒子やグラファイト粒子を分散させた材料を用いることができる。これによると、熱伝導性の向上と軽量化の双方が可能になる。
さらに、本発明に係る熱電変換ユニットを構成するそれ以外の部分の形状や材料等の構成についても適宜変更することができる。また、本発明に係る熱電変換ユニットが取り付けられる装置としては、プロジェクター装置に限るものでなく、ランプ等の発熱体を使用し発熱する装置であればどのようなものでもよい。例えば、野外照明、屋内照明、自動車、バイク等のライトを備えた装置である。また、発熱体としては、ランプやライトに限らず白色LED等でもよいし発光しない発熱体であってもよい。
本発明の第1実施形態に係る熱電変換ユニットを示した概略構成図である。 熱電変換モジュールの斜視図である。 熱電変換モジュールの正面図である。 図1に示した熱電変換ユニットの光源ランプ部を示した正面図である。 本発明の第2実施形態に係る熱電変換ユニットを示した概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係る熱電変換ユニットを示した概略構成図である。 本発明の第4実施形態に係る熱電変換ユニットを示した概略構成図である。 本発明の第5実施形態に係る熱電変換ユニットを示した概略構成図である。 本発明の第6実施形態に係る熱電変換ユニットを示した概略構成図である。 比較例1の熱電変換ユニットを示した正面図である。 図10に示した熱電変換ユニットから断熱材を取り外した状態を示した正面図である。 図11の状態から熱電変換モジュールと放熱フィンとを取り外した状態を示した正面図である。 図12の状態の吸熱部材からランプを取り外した状態を示した正面図である。 実施例1,2の熱電変換ユニットの熱電変換部と光源ランプ部とを組み付けた状態を示した概略構成図である。 図14に示した熱電変換部から取り外された光源ランプ部を示した正面図である。
符号の説明
10,10a,10b,40,50,60…熱電変換部、11,31,41,61,71…熱電変換モジュール、12,25,32,42,52,62,72…吸熱部材、12b,25b,32b…係合凸部、13,33,63…放熱部材、14a…下基板、14b…上基板、15a…下部電極、15b…上部電極、16…熱電素子、20,20a,20b…光源ランプ部、21,34,44,54,64,74…ランプ、21a,54a…レフレクター、22,26…熱伝導部、22a,26a,36a,36b…係合凹部、35a…上部熱伝導部、35b…下部熱伝導部、42a,52a…収容凹部、62a…ねじ穴、65…ねじ棒、68…保持部、Y1,Y2,Y3,Y4,Y5,Y6…熱電変換ユニット。

Claims (7)

  1. 対向させて配置した一対の絶縁体における対向する内側の面の所定箇所に電極を形成し、前記対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合させて構成した熱電変換モジュールを発熱体に取り付けて、前記発熱体の発熱によって前記一対の絶縁体のうちの一方の絶縁体を加熱し、前記熱電素子の前記一方の絶縁体側の端部と他方の絶縁体側の端部との間に生じる温度差に応じて前記熱電変換モジュールが発生する電力を利用する熱電変換ユニットであって、
    前記熱電変換モジュールにおける前記一方の絶縁体に吸熱部材を取り付けるとともに、前記熱電変換モジュールにおける前記他方の絶縁体に放熱部材を取り付け、前記吸熱部材と前記発熱体とを着脱可能に組み付けるための着脱機構を設けたことを特徴とする熱電変換ユニット。
  2. 前記着脱機構が、前記吸熱部材に設けられた凸部または凹部と、前記発熱体側に設けられ、前記凸部または前記凹部に係合可能な凸部または凹部とで構成されている請求項1に記載の熱電変換ユニット。
  3. 前記発熱体の表面に熱伝導部が形成されており、前記着脱機構が、前記熱伝導部と前記吸熱部材とに設けられている請求項1または2に記載の熱電変換ユニット。
  4. 前記発熱体が光源ランプであり、前記熱伝導部が前記光源ランプの外壁部を構成するレフレクターである請求項3に記載の熱電変換ユニット。
  5. 前記レフレクターが、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されている請求項4に記載の熱電変換ユニット。
  6. 前記吸熱部材または前記放熱部材が、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されている請求項1ないし5のうちのいずれか一つに記載の熱電変換ユニット。
  7. 前記吸熱部材または前記放熱部材が、金属フィラーを含む樹脂で構成されている請求項1ないし5のうちのいずれか一つに記載の熱電変換ユニット。
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