JP2004014850A - 熱電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】閃光放電管などの高電圧印加を伴う発光部の発光により生じる熱を電気エネルギーとして有効活用する。
【解決手段】Xe管1の近傍に設けた反射部4とその裏面に設けた絶縁部5とからなる吸熱部6と、放熱のための放熱部8と、それらの間に設けた熱電変換部7と、その熱電変換部7による熱電変換出力を出力する熱電変換出力電極10等から熱電変換装置を構成する。このような構成により、Xe管1の閃光発光により生じた大量の熱により吸熱部6と放熱部8との間に大きな温度差が生じ、熱電変換部7は、この温度差による温度勾配により熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、該電気エネルギー(電力)を熱電変換出力電極10に出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】Xe管1の近傍に設けた反射部4とその裏面に設けた絶縁部5とからなる吸熱部6と、放熱のための放熱部8と、それらの間に設けた熱電変換部7と、その熱電変換部7による熱電変換出力を出力する熱電変換出力電極10等から熱電変換装置を構成する。このような構成により、Xe管1の閃光発光により生じた大量の熱により吸熱部6と放熱部8との間に大きな温度差が生じ、熱電変換部7は、この温度差による温度勾配により熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、該電気エネルギー(電力)を熱電変換出力電極10に出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、閃光放電管などの発光部の発光により生じる熱を有効活用するのに好適な熱電変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、閃光を発する閃光放電管、例えば、キセノン閃光放電管では、キセノンガスの放電発光により可視光領域において太陽光に近い光を発することが可能であるので、連続スペクトルの人工光源として、また可視光を利用する照明として多く利用されている。特に、この閃光放電では大きなピーク照度が瞬間的に得られるので、カメラのストロボ装置、画像処理、標識灯、等といった広い分野で多く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カメラのストロボ装置においては、このキセノン閃光放電管などの発光部の発光により大量の熱が発生する。
また、カメラのストロボ光においては、400nm(380nm)乃至780nmまでの波長領域の光である可視光は撮影に有用な光となるが、それ以外の赤外光や紫外光等の光は無用な光となり、この無用な光も前述の熱を発生させる要因になっていた。
【0004】
しかしながら、このようにして発生した熱は無駄に消失されるだけで、反射部に高電圧が印加されるストロボ装置においては未だ有効活用されていなかった。本発明の課題は、上記実情に鑑み、閃光放電管などの高電圧印加を伴う発光部の発光により生じる熱を電気エネルギーとして有効活用し、また、各種の小型の装置に適した熱電変換装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様は、閃光放電管から発光される光を反射するために前記閃光放電管近傍に設けられた反射面を有する反射部と、該反射部の裏面に少なくとも絶縁部若しくは絶縁のための空間を介して配置された熱電変換部と、該熱電変換部と対向する位置に設けられた放熱部と、前記閃光放電管を発光させるために高電圧を印加する高電圧印加部と、を有する熱電変換装置である。
【0006】
上記の構成によれば、高電圧印加部に高電圧(励起電圧,トリガー電圧)が印加されることにより閃光放電管が発光し、該発光により生じた熱により反射部や絶縁部(若しくは絶縁のための空間等)と放熱部との間に温度差が生じて、熱電変換部による熱電変換が行われる。これにより閃光放電管の発光により生じた熱から電気エネルギーを得ることができ、その熱を有効活用することができる。また、反射部と熱電変換部との間には絶縁部若しくは絶縁のための空間等が設けられているので、反射部に高電圧が印加されても、その高電圧により熱電変換部が破壊されるのを防止することができる。
【0007】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様において、前記放熱部は、前記熱電変換部と密着して配置されると共に装置外装の一部を形成するようになされた、構成である。
この構成によれば、放熱部と装置外装の一部が兼用される。これにより、装置の小型化が可能になる。また、各種の小型の装置に、この熱電変換装置を適用可能になる。
【0008】
本発明の第三の態様は、近接して設けられた発光部から発光される光を反射するための反射面を有する反射部と該反射部の裏面に設けられた少なくとも絶縁部若しくは絶縁のための空間とからなる吸熱部と、前記発光部を発光させるために高電圧を印加するための高電圧印加部と、放熱するための放熱部と、前記吸熱部と前記放熱部の間に配置され、前記吸熱部と前記放熱部との温度差により熱電変換する熱電変換部と、該熱電変換部により熱電変換された熱電変換出力を出力するための熱電変換出力電極と、を有する熱電変換装置である。
【0009】
上記の構成によれば、高電圧印加部に高電圧(励起電圧,トリガー電圧)が印加されることにより発光部が発光し、該発光により生じた熱により反射部や絶縁部(若しくは絶縁のための空間等)と放熱部との間に温度差が生じて、熱電変換部による熱電変換が行われ、その熱電変換出力が熱電変換出力電極から得られる。これにより発光部の熱から電気エネルギーを得ることができ、その熱を有効活用することができる。また、反射部と熱電変換部との間には絶縁部若しくは絶縁のための空間等が設けられているので、反射部に高電圧が印加されても、その高電圧により熱電変換部が破壊されるのを防止することができる。
【0010】
本発明の第四の態様は、前記第一又は第三の態様において、前記絶縁部若しくは前記絶縁のための空間は、少なくとも前記高電圧印加部により印加される高電圧以上の電圧に耐えうる耐圧特性を有する、構成である。
この構成によれば、高電圧印加部により印加される高電圧以上の電圧が絶縁部(若しくは絶縁のための空間等)を介して熱電変換部に印加されることはない。これにより、熱電変換部が高電圧により破壊されるのを防止することができる。
【0011】
本発明の第五の態様は、前記第一又は第三の態様において、前記反射部は導電性の部材で構成され、前記電圧印加部は前記反射部の有効反射面以外に設けられる、構成である。
この構成によれば、反射部の有効反射面以外に設けられた電圧印加部に高電圧が印加されることにより、導電性の部材からなる反射部を介して閃光放電管又は発光部を発光させるための励起電圧が印加される。これにより、閃光放電管又は発光部を発光させることができる。
【0012】
本発明の第六の態様は、前記第一又は第三の態様において、前記閃光放電管又は前記発光部から発光される光を透過させて投光するための投光窓を更に有し、前記投光窓は、前記閃光放電管又は前記発光部から発光される光のうちの少なくとも可視光以外の光を反射或いは吸収する、構成である。
【0013】
この構成によれば、閃光放電管又は発光部から投光された光のうち紫外線や赤外線等の可視光以外の光は投光窓で反射或いは吸収される。これにより、可視光以外の光が投光窓を介して外部へ投光されることが無くなり、熱をより多く生じさせることができるので、より大きな温度差を得ることができ、より多くの電気エネルギーを得ることができる。
【0014】
本発明の第七の態様は、前記第一又は第三の態様において、前記反射部は、複数に分割された部材を組み合わせてなる、構成である。
この構成によれば、複数に分割された部材が組み合わされることにより反射部が構成されるので、反射部が1つの部材として構成される場合に比べて、反射部の加工が容易になる。
【0015】
本発明の第八の態様は、前記第七の態様において、前記反射部の複数の部材のうち、前記閃光放電管又は前記発光部の最近傍付近の部材は導電性の部材で構成され他の部材は非導電性の部材で構成され、前記電圧印加部は、前記導電性の部材に設けられる、構成である。
【0016】
この構成によれば、反射部は、閃光放電管(又は発光部)の最近傍付近の導電性の部材とそれ以外の非導電性の部材で構成され、その導電性の部材を介して高電圧が印加されるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1(a),(b),(c)は、カメラのストロボ装置に適用された、本発明の第一の実施の形態に係る熱電変換装置の構成例である。同図(a)は、その熱電変換装置の正面図、同図(b)は、同図(a)のA−A´断面図、同図(c)は、同図(a)のB−B´断面図を示している。
【0018】
まず、同図(a)を用いて熱電変換装置の正面の構成について説明する。
同図(a)において、キセノン閃光放電管(以下単にXe管という)1は、キセノンガス等が封入された放電管であって、カメラのストロボ光となる閃光を発する発光部である。
【0019】
電極2a,2bは、Xe管1を閃光発光させるために充電されている高電圧が印加される電極である。
高電圧印加部3は、ストロボ光の発光指示に応じてXe管1を閃光発光させるための高電圧がXe管1のトリガー電圧(励起電圧)として印加される電圧印加部であり、後述する反射部4の反射面以外に設けられている。
【0020】
反射部4は、Xe管1の近傍に設けられ、Xe管1から閃光発光される光を反射するための反射面を有する、いわゆる反射傘であり、その反射面は投光に寄与する面となる有効反射面を避けた位置で高電圧印加部3に導通されている。
また、この反射部4は、Xe管1から閃光発光される光のうちの可視光を反射し、赤外光や紫外光等の可視光以外の光を透過するように構成されている。このような反射部4は、例えば、反射面が波長選択性のスパッタ膜等による金属コートで構成され反射面以外が樹脂あるいはガラス等で構成されるか、又は反射部4全体がアルミニウムで構成されることにより実現される。但し、この場合、金属コートは可視光を反射すると共に可視光以外の光を透過するもので構成され、また樹脂あるいはガラスは可視光以外の光を透過するもので構成される。
【0021】
尚、この反射部4を、Xe管1から閃光発光される光のうちの可視光を所定の反射率以上で反射し、可視光以外の光を所定の透過率以上で透過するように構成しても良いが、その反射率及び透過率は100%に近い方が望ましい。
続いて、熱電変換装置の断面構成について、同図(b),(c)を用いて説明する。
【0022】
同図(b)において、絶縁部5は、反射部4の裏面に設けられ、反射部4と後述する熱電変換部7との間の絶縁を行うもので、少なくとも高電圧印加部3により印加される高電圧以上の電圧に耐えうる耐圧特性を有している。これにより、熱電変換部7が高電圧により破壊されるのを防止するようにしている。
【0023】
尚、この絶縁部5の代わりに、同様の耐圧特性を有するような絶縁のための空間を設けるようにしても良い。
また、本実施形態において、この絶縁部5と前述の反射部4は、Xe管1の閃光発光により生じた熱を吸収する役割も果たし、これらを併せて吸熱部6という。
【0024】
熱電変換部7は、反射部4の裏面に絶縁部5を介して配置され、詳しくは後述するが複数の熱電変換素子とそれらを電気的に接続するための複数の電極とからなり、前述の吸熱部6と後述の放熱部7との温度差により熱エネルギーを電気エネルギーに変換して熱電変換出力を得るものである。尚、熱電変換素子は、例えば、熱電変換効率の最も高いビスマス−テルル系材料等により構成される。
【0025】
放熱部8は、Xe管1の閃光発光により生じた熱を装置外部へ放熱する役割を果たすものであり、熱伝導性の高い部材から構成され、熱電変換部7に対向する位置に設けられると共に熱電変換部7に密着して配置される。これにより、前述の温度差をより大きくさせて、より大きな熱電変換出力を得られるようにしている。尚、この放熱部8において、放熱効果をより高めるために、放熱面をより大きくするように構成しても良い。
【0026】
また、この放熱部8は、装置外装としても兼用され、装置の小型化にも寄与している。
吸熱槽9は、Xe管1の閃光発光により生じた熱を外部へ逃がさずに吸熱部6へ吸熱させる役割を果たすものであり、熱伝導性の低い部材により構成される。これにより、前述の温度差をより大きくさせて、より大きな熱電変換出力を得られるようにしている。また、この吸熱槽9は、少なくとも高電圧印加部3により印加される高電圧以上の電圧に耐え得る耐圧特性を有するようにも構成されている。このような吸熱槽9は、熱伝導性が低くかつその高電圧以上の電圧に耐え得る耐圧特性を有する材質である樹脂、例えばガラス、又はセラミック等から構成されることにより実現される。
【0027】
また、同図(c)に示したように、反射部4とXe管は、少なくとも、そのXe管1の中心軸から発せられた光が反射部4の反射面を反射して、投光効率(照射効率)の最も高くなる焦点Oにて交差するように構成されている。
また、同図(c)において、熱電変換出力電極10a,10bは、熱電変換部7により熱電変換された熱電変換出力(電力)を出力するための電極であり、電気配線を介して整流・昇圧部18に接続されている。
【0028】
尚、本例では、同図(c)に示した位置に、熱電変換出力電極10a,10bを設けたが、その位置はこれに限定されるものではなく、他の位置に設けるようにしても良い。
整流・昇圧部18は、熱電変換出力電極10a,10bに生じた電力(熱電変換出力)が入力され、該電力を整流・昇圧する。
【0029】
蓄電機構19は、整流・昇圧された電力が入力され、該電力を蓄電池等へ一時的に蓄える。このようにして蓄えられた電力は、必要に応じてカメラの電気回路へ供給される。例えば、電極2a,2bに印加される高電圧が充電される充電先へ供給させれば、その充電時間を短縮させることができる。
【0030】
尚、この蓄電機構19による蓄電池等へ電力を蓄える動作は、例えば、Xe管1の閃光発光時には禁止されるようにしても良い。このようにすることで、熱電変換素子の破壊をより防止することができる。
続いて、前述の熱電変換部7の構成について説明する。
【0031】
図2は、熱電変換部7の断面の一部を示した図である。
同図に示したように、吸熱部6(同図の例では絶縁部5のみを示す)と放熱部8との間には、熱電変換部7が設けられており、この熱電変換部7は、複数のn型の熱電変換素子(n型の半導体)11(同図では11a,11b,11c)と、複数のp型の熱電変換素子(p型の半導体)12(同図では12a,12b,12c)と、複数の電極13(同図では13a,13b,13c,13d,13e)により構成されている。また、複数のn型の熱電変換素子11と複数のp型の熱電変換素子12は、複数の電極13を介して直列に接続されており、これらの接続の末端となる放熱部8側の2つの電極13には、前述の熱電変換出力電極10a,10bがそれぞれ接続されている。
【0032】
また、n型の熱電変換素子11とp型の熱電変換素子12は、何れも、一方が電極13を介して絶縁部5に接合されると共に他方が電極13を放熱部8の金属と短絡させないように熱伝導性の良い絶縁膜50(同図では50a、50b、50c、50d)を介して放熱部8に接合され、吸熱部6と放熱部8との温度差により生じた温度勾配により熱電変換が行われて電力を生じるものである。
【0033】
このような熱電変換部7の構成により、各熱電変換素子11,12での熱電変換により生じた電力の総和が、熱電変換出力電極10a,10bに出力されるようになる。
尚、同図では熱電変化部7の構成の一例を示したが、熱電変換部7は、同図に示した構成に限定されず、吸熱部6と放熱部8との温度差により電力を生じるものであるならば、何れの構成であっても良い。
【0034】
以上の第一の実施の形態に係る熱電変換装置の構成により、ストロボ光の発光指示に応じて高電圧印加部3に高電圧が印加されると、反射部4の反射面にその高電圧が印加されてXe管1の外周部にその高電圧が印加される。この高電圧がXe管1の外周部に印加されると、Xe管1内がイオン化されて前述の電極2a,2bに印加されている高電圧によりXe管1が瞬時に放電発光し、その発光による光がストロボ光として投光(照射)される。この時、吸熱部6には、Xe管1の放電発光により大量の熱が発生する。また、その放電発光の際に、反射部4へ向かった光のうちの可視光以外の光は、反射部4を透過して熱になる。
【0035】
このようにして発生した熱と前述の吸熱槽9の作用により、吸熱部6は高温になり、放熱部8との間に温度差が生じて熱電変換部7の熱電変換素子に温度勾配が生じ、熱電変換出力電極10a,10bから熱電変換出力(電力)が得られる。このようにして得られた電力は、整流・昇圧部18により整流・昇圧され、蓄電機構19へ入力されて蓄電池等へ蓄えられ、必要に応じてカメラの電気回路へ供給される。
【0036】
これにより、カメラのストロボ装置の発光により生じた大量の熱、すなわち、Xe管1の閃光発光により生じた大量の熱を、熱電変換により電力に変換してカメラの電気回路へ再供給することが可能になり、熱エネルギーの有効活用が可能になる。
【0037】
以上が、本発明の第一の実施の形態である。
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。
図3(a),(b)は、カメラのストロボ装置に適用された、本発明の第ニの実施の形態に係る熱電変換装置の構成例である。同図(a)は、前述の図1(b)に対応する図であり、図3(b)は、前述の図1(c)に対応する図である。
【0038】
図3(a),(b)に示したように、本実施形態に係る熱電変換装置は、第一の実施の形態に係る熱電変換装置に、可視光を透過して可視光以外の光を反射する投光窓14を設けた形態である。他の構成については、第一の実施の形態に係る熱電変換装置と同様である。
【0039】
すなわち、同図(b)に示したように、Xe管1の閃光発光により投光窓14へ向かった光15のうち、可視光15aは投光窓14を透過し、赤外光や紫外光等の可視光以外の光15bは投光窓14で反射或いは吸収されるようになる。これにより、反射された可視光以外の光15bは、第一の実施の形態と同様に反射部4を透過して熱になり、吸熱部8をより高温にさせることができる。
【0040】
このような投光窓14は、例えば、前述のガラス又は樹脂などで構成されるか、或いは可視光を透過して近赤外光を吸収するポリカーボネイト等の樹脂で構成されることにより実現される。
以上の第二の実施の形態に係る熱電変換装置の構成により、吸熱部6と放熱部9との温度差をより大きくさせることができ、熱電変換部7の各熱電変換素子11,12の温度勾配をより大きくさせて熱電変換出力電極10a,10bから、より大きな電力を得ることができる。
【0041】
尚、本実施形態において、投光窓14を、Xe管1から閃光発光される光のうちの可視光を所定の透過率以上で透過し、可視光以外の光を所定の反射率以上で反射するように構成しても良いが、その透過率及び反射率は100%に近い方が望ましい。
【0042】
以上が、本発明の第二の実施の形態である。
尚、前述の第一及び第二の実施の形態に係る熱電変換装置において、反射部4は、一体として構成されるものであったが、加工の容易性を考慮して、複数の部品を組立てることにより構成されるものであっても良い。
【0043】
図4(a),(b),(c)は、そのような複数の部品から構成される反射部4の構成例を示した図である。但し、同図(a),(b),(c)では、反射部4が複数の部品からなることをわかりやすくするために各部品間に空間を設けて示しているが、実際には、これらが接合されて構成される。
【0044】
同図(a)は、長手方向に対して垂直方向に3分割される3つの部品からなる反射部の構成例、同図(b)は、長手方向に3分割される3つの部品からなる反射部の構成例、同図(c)は、同図(b)のE−E´断面図である。
同図(a),(b),(c)に示したように反射部を複数の部品から構成することで、反射部を一体で構成する場合よりも、反射部4の加工が容易になる。
【0045】
また、同図(b),(c)に示した構成においては、例えば、反射部16を構成する複数の部品16a,16b,16cのうち、Xe管1の最近傍付近の部品となる16aを、例えば前述のアルミニウム等の導電性の部材で構成し、他の部品16b,16cを、前述のガラス又は樹脂等の非導電性の部材で構成し、高電圧印加部3(不図示)を部品16aの裏面(反射面側の反対側の面)に設けるようにしても良い。但し、反射部16は、前述の反射部4と同様に、Xe管1から閃光発光される光のうちの可視光を反射し、赤外光や紫外光等の可視光以外の光を透過するように構成される。従って、例えば、部品16aが前述のアルミニウムで構成され、部品16b,16cが前述のガラス又は樹脂で構成された場合、部品16b,16cの反射面は、前述の波長選択性のスパッタ膜等による金属コートで構成されるか、若しくは可視光を反射して可視光以外の光を透過するような非導電性の膜等で構成される。
【0046】
尚、同図(a),(b),(c)において、反射部の分割位置は前述した位置に限定されるものではなく、取り付けや組立ての工程等を考慮して、その分割位置を変更するようにしても良い。
また、前述の第一の実施の形態において、熱電変換装置の構成を、反射部4の形状に合わせて、例えば図5(a),(b)に示した構成のようにしても良い。
【0047】
図5(a)は、その反射部の形状に合わせた熱電変換装置の他の構成例であり、同図(b)は、同図(a)のF−F´断面図である。このように、同図(a),(b)に示した反射部17の形状に合わせて熱電変換装置を構成するようにしても良い。
また、その他、反射部の形状は、所定の曲率の複数の曲面を複数組み合わせた形状や、複数の平面を組み合わせた形状や、所定の曲率の1つ又は複数の曲面と1つ又は複数の平面とを組み合わせた形状であっても良く、その反射部の形状に合わせて熱電変換装置を構成すれば良い。
【0048】
また、同図(a),(b)に示した熱電変換装置に、第二の実施の形態に示した投光窓14を設けるようにしても良い。
以上、本発明の熱電変換装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良及び変更を行っても良いのはもちろんである。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、閃光放電管などの高電圧印加を伴う発光部の発光により生じる熱を電気エネルギーとして有効活用することが可能になり、また、各種の小型の装置に適用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)はカメラのストロボ装置に適用された、本発明の第一の実施の形態に係る熱電変換装置の構成例であり、(a)はその熱電変換装置の正面図、(b)は(a)のA−A´断面図、(c)は(a)のB−B´断面図である。
【図2】熱電変換部の断面の一部を示した図である。
【図3】(a),(b)はカメラのストロボ装置に適用された、本発明の第ニの実施の形態に係る熱電変換装置の構成例であり、(a)は図1(b)に対応する図、(b)は、図1(c)に対応する図である。
【図4】(a),(b),(c)は、複数の部品から構成された反射部4の構成例である。
【図5】(a),(b)は熱電変換装置の他の構成例であり、(a)は熱電変換装置の正面図、(b)は(a)のF−F´断面図である。
【符号の説明】
1 Xe管
2a,2b 電極
3 高電圧印加部
4 反射部
5 絶縁部
6 吸熱部
7 熱電変換部
8 放熱部
9 吸熱槽
10a,10b 熱電変換出力電極
11a,11b,11c n型熱電変換素子
12a,12b,12c p型熱電変換装置
13a,13b,13c,13d,13e 電極
14 投光窓
15 光
15a 可視光
15b 可視光以外の光
16a,16b,16c 反射部の部品
17 反射部
18 整流・昇圧部
19 蓄電機構
50a、50b、50c、50d 絶縁膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、閃光放電管などの発光部の発光により生じる熱を有効活用するのに好適な熱電変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、閃光を発する閃光放電管、例えば、キセノン閃光放電管では、キセノンガスの放電発光により可視光領域において太陽光に近い光を発することが可能であるので、連続スペクトルの人工光源として、また可視光を利用する照明として多く利用されている。特に、この閃光放電では大きなピーク照度が瞬間的に得られるので、カメラのストロボ装置、画像処理、標識灯、等といった広い分野で多く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カメラのストロボ装置においては、このキセノン閃光放電管などの発光部の発光により大量の熱が発生する。
また、カメラのストロボ光においては、400nm(380nm)乃至780nmまでの波長領域の光である可視光は撮影に有用な光となるが、それ以外の赤外光や紫外光等の光は無用な光となり、この無用な光も前述の熱を発生させる要因になっていた。
【0004】
しかしながら、このようにして発生した熱は無駄に消失されるだけで、反射部に高電圧が印加されるストロボ装置においては未だ有効活用されていなかった。本発明の課題は、上記実情に鑑み、閃光放電管などの高電圧印加を伴う発光部の発光により生じる熱を電気エネルギーとして有効活用し、また、各種の小型の装置に適した熱電変換装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様は、閃光放電管から発光される光を反射するために前記閃光放電管近傍に設けられた反射面を有する反射部と、該反射部の裏面に少なくとも絶縁部若しくは絶縁のための空間を介して配置された熱電変換部と、該熱電変換部と対向する位置に設けられた放熱部と、前記閃光放電管を発光させるために高電圧を印加する高電圧印加部と、を有する熱電変換装置である。
【0006】
上記の構成によれば、高電圧印加部に高電圧(励起電圧,トリガー電圧)が印加されることにより閃光放電管が発光し、該発光により生じた熱により反射部や絶縁部(若しくは絶縁のための空間等)と放熱部との間に温度差が生じて、熱電変換部による熱電変換が行われる。これにより閃光放電管の発光により生じた熱から電気エネルギーを得ることができ、その熱を有効活用することができる。また、反射部と熱電変換部との間には絶縁部若しくは絶縁のための空間等が設けられているので、反射部に高電圧が印加されても、その高電圧により熱電変換部が破壊されるのを防止することができる。
【0007】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様において、前記放熱部は、前記熱電変換部と密着して配置されると共に装置外装の一部を形成するようになされた、構成である。
この構成によれば、放熱部と装置外装の一部が兼用される。これにより、装置の小型化が可能になる。また、各種の小型の装置に、この熱電変換装置を適用可能になる。
【0008】
本発明の第三の態様は、近接して設けられた発光部から発光される光を反射するための反射面を有する反射部と該反射部の裏面に設けられた少なくとも絶縁部若しくは絶縁のための空間とからなる吸熱部と、前記発光部を発光させるために高電圧を印加するための高電圧印加部と、放熱するための放熱部と、前記吸熱部と前記放熱部の間に配置され、前記吸熱部と前記放熱部との温度差により熱電変換する熱電変換部と、該熱電変換部により熱電変換された熱電変換出力を出力するための熱電変換出力電極と、を有する熱電変換装置である。
【0009】
上記の構成によれば、高電圧印加部に高電圧(励起電圧,トリガー電圧)が印加されることにより発光部が発光し、該発光により生じた熱により反射部や絶縁部(若しくは絶縁のための空間等)と放熱部との間に温度差が生じて、熱電変換部による熱電変換が行われ、その熱電変換出力が熱電変換出力電極から得られる。これにより発光部の熱から電気エネルギーを得ることができ、その熱を有効活用することができる。また、反射部と熱電変換部との間には絶縁部若しくは絶縁のための空間等が設けられているので、反射部に高電圧が印加されても、その高電圧により熱電変換部が破壊されるのを防止することができる。
【0010】
本発明の第四の態様は、前記第一又は第三の態様において、前記絶縁部若しくは前記絶縁のための空間は、少なくとも前記高電圧印加部により印加される高電圧以上の電圧に耐えうる耐圧特性を有する、構成である。
この構成によれば、高電圧印加部により印加される高電圧以上の電圧が絶縁部(若しくは絶縁のための空間等)を介して熱電変換部に印加されることはない。これにより、熱電変換部が高電圧により破壊されるのを防止することができる。
【0011】
本発明の第五の態様は、前記第一又は第三の態様において、前記反射部は導電性の部材で構成され、前記電圧印加部は前記反射部の有効反射面以外に設けられる、構成である。
この構成によれば、反射部の有効反射面以外に設けられた電圧印加部に高電圧が印加されることにより、導電性の部材からなる反射部を介して閃光放電管又は発光部を発光させるための励起電圧が印加される。これにより、閃光放電管又は発光部を発光させることができる。
【0012】
本発明の第六の態様は、前記第一又は第三の態様において、前記閃光放電管又は前記発光部から発光される光を透過させて投光するための投光窓を更に有し、前記投光窓は、前記閃光放電管又は前記発光部から発光される光のうちの少なくとも可視光以外の光を反射或いは吸収する、構成である。
【0013】
この構成によれば、閃光放電管又は発光部から投光された光のうち紫外線や赤外線等の可視光以外の光は投光窓で反射或いは吸収される。これにより、可視光以外の光が投光窓を介して外部へ投光されることが無くなり、熱をより多く生じさせることができるので、より大きな温度差を得ることができ、より多くの電気エネルギーを得ることができる。
【0014】
本発明の第七の態様は、前記第一又は第三の態様において、前記反射部は、複数に分割された部材を組み合わせてなる、構成である。
この構成によれば、複数に分割された部材が組み合わされることにより反射部が構成されるので、反射部が1つの部材として構成される場合に比べて、反射部の加工が容易になる。
【0015】
本発明の第八の態様は、前記第七の態様において、前記反射部の複数の部材のうち、前記閃光放電管又は前記発光部の最近傍付近の部材は導電性の部材で構成され他の部材は非導電性の部材で構成され、前記電圧印加部は、前記導電性の部材に設けられる、構成である。
【0016】
この構成によれば、反射部は、閃光放電管(又は発光部)の最近傍付近の導電性の部材とそれ以外の非導電性の部材で構成され、その導電性の部材を介して高電圧が印加されるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1(a),(b),(c)は、カメラのストロボ装置に適用された、本発明の第一の実施の形態に係る熱電変換装置の構成例である。同図(a)は、その熱電変換装置の正面図、同図(b)は、同図(a)のA−A´断面図、同図(c)は、同図(a)のB−B´断面図を示している。
【0018】
まず、同図(a)を用いて熱電変換装置の正面の構成について説明する。
同図(a)において、キセノン閃光放電管(以下単にXe管という)1は、キセノンガス等が封入された放電管であって、カメラのストロボ光となる閃光を発する発光部である。
【0019】
電極2a,2bは、Xe管1を閃光発光させるために充電されている高電圧が印加される電極である。
高電圧印加部3は、ストロボ光の発光指示に応じてXe管1を閃光発光させるための高電圧がXe管1のトリガー電圧(励起電圧)として印加される電圧印加部であり、後述する反射部4の反射面以外に設けられている。
【0020】
反射部4は、Xe管1の近傍に設けられ、Xe管1から閃光発光される光を反射するための反射面を有する、いわゆる反射傘であり、その反射面は投光に寄与する面となる有効反射面を避けた位置で高電圧印加部3に導通されている。
また、この反射部4は、Xe管1から閃光発光される光のうちの可視光を反射し、赤外光や紫外光等の可視光以外の光を透過するように構成されている。このような反射部4は、例えば、反射面が波長選択性のスパッタ膜等による金属コートで構成され反射面以外が樹脂あるいはガラス等で構成されるか、又は反射部4全体がアルミニウムで構成されることにより実現される。但し、この場合、金属コートは可視光を反射すると共に可視光以外の光を透過するもので構成され、また樹脂あるいはガラスは可視光以外の光を透過するもので構成される。
【0021】
尚、この反射部4を、Xe管1から閃光発光される光のうちの可視光を所定の反射率以上で反射し、可視光以外の光を所定の透過率以上で透過するように構成しても良いが、その反射率及び透過率は100%に近い方が望ましい。
続いて、熱電変換装置の断面構成について、同図(b),(c)を用いて説明する。
【0022】
同図(b)において、絶縁部5は、反射部4の裏面に設けられ、反射部4と後述する熱電変換部7との間の絶縁を行うもので、少なくとも高電圧印加部3により印加される高電圧以上の電圧に耐えうる耐圧特性を有している。これにより、熱電変換部7が高電圧により破壊されるのを防止するようにしている。
【0023】
尚、この絶縁部5の代わりに、同様の耐圧特性を有するような絶縁のための空間を設けるようにしても良い。
また、本実施形態において、この絶縁部5と前述の反射部4は、Xe管1の閃光発光により生じた熱を吸収する役割も果たし、これらを併せて吸熱部6という。
【0024】
熱電変換部7は、反射部4の裏面に絶縁部5を介して配置され、詳しくは後述するが複数の熱電変換素子とそれらを電気的に接続するための複数の電極とからなり、前述の吸熱部6と後述の放熱部7との温度差により熱エネルギーを電気エネルギーに変換して熱電変換出力を得るものである。尚、熱電変換素子は、例えば、熱電変換効率の最も高いビスマス−テルル系材料等により構成される。
【0025】
放熱部8は、Xe管1の閃光発光により生じた熱を装置外部へ放熱する役割を果たすものであり、熱伝導性の高い部材から構成され、熱電変換部7に対向する位置に設けられると共に熱電変換部7に密着して配置される。これにより、前述の温度差をより大きくさせて、より大きな熱電変換出力を得られるようにしている。尚、この放熱部8において、放熱効果をより高めるために、放熱面をより大きくするように構成しても良い。
【0026】
また、この放熱部8は、装置外装としても兼用され、装置の小型化にも寄与している。
吸熱槽9は、Xe管1の閃光発光により生じた熱を外部へ逃がさずに吸熱部6へ吸熱させる役割を果たすものであり、熱伝導性の低い部材により構成される。これにより、前述の温度差をより大きくさせて、より大きな熱電変換出力を得られるようにしている。また、この吸熱槽9は、少なくとも高電圧印加部3により印加される高電圧以上の電圧に耐え得る耐圧特性を有するようにも構成されている。このような吸熱槽9は、熱伝導性が低くかつその高電圧以上の電圧に耐え得る耐圧特性を有する材質である樹脂、例えばガラス、又はセラミック等から構成されることにより実現される。
【0027】
また、同図(c)に示したように、反射部4とXe管は、少なくとも、そのXe管1の中心軸から発せられた光が反射部4の反射面を反射して、投光効率(照射効率)の最も高くなる焦点Oにて交差するように構成されている。
また、同図(c)において、熱電変換出力電極10a,10bは、熱電変換部7により熱電変換された熱電変換出力(電力)を出力するための電極であり、電気配線を介して整流・昇圧部18に接続されている。
【0028】
尚、本例では、同図(c)に示した位置に、熱電変換出力電極10a,10bを設けたが、その位置はこれに限定されるものではなく、他の位置に設けるようにしても良い。
整流・昇圧部18は、熱電変換出力電極10a,10bに生じた電力(熱電変換出力)が入力され、該電力を整流・昇圧する。
【0029】
蓄電機構19は、整流・昇圧された電力が入力され、該電力を蓄電池等へ一時的に蓄える。このようにして蓄えられた電力は、必要に応じてカメラの電気回路へ供給される。例えば、電極2a,2bに印加される高電圧が充電される充電先へ供給させれば、その充電時間を短縮させることができる。
【0030】
尚、この蓄電機構19による蓄電池等へ電力を蓄える動作は、例えば、Xe管1の閃光発光時には禁止されるようにしても良い。このようにすることで、熱電変換素子の破壊をより防止することができる。
続いて、前述の熱電変換部7の構成について説明する。
【0031】
図2は、熱電変換部7の断面の一部を示した図である。
同図に示したように、吸熱部6(同図の例では絶縁部5のみを示す)と放熱部8との間には、熱電変換部7が設けられており、この熱電変換部7は、複数のn型の熱電変換素子(n型の半導体)11(同図では11a,11b,11c)と、複数のp型の熱電変換素子(p型の半導体)12(同図では12a,12b,12c)と、複数の電極13(同図では13a,13b,13c,13d,13e)により構成されている。また、複数のn型の熱電変換素子11と複数のp型の熱電変換素子12は、複数の電極13を介して直列に接続されており、これらの接続の末端となる放熱部8側の2つの電極13には、前述の熱電変換出力電極10a,10bがそれぞれ接続されている。
【0032】
また、n型の熱電変換素子11とp型の熱電変換素子12は、何れも、一方が電極13を介して絶縁部5に接合されると共に他方が電極13を放熱部8の金属と短絡させないように熱伝導性の良い絶縁膜50(同図では50a、50b、50c、50d)を介して放熱部8に接合され、吸熱部6と放熱部8との温度差により生じた温度勾配により熱電変換が行われて電力を生じるものである。
【0033】
このような熱電変換部7の構成により、各熱電変換素子11,12での熱電変換により生じた電力の総和が、熱電変換出力電極10a,10bに出力されるようになる。
尚、同図では熱電変化部7の構成の一例を示したが、熱電変換部7は、同図に示した構成に限定されず、吸熱部6と放熱部8との温度差により電力を生じるものであるならば、何れの構成であっても良い。
【0034】
以上の第一の実施の形態に係る熱電変換装置の構成により、ストロボ光の発光指示に応じて高電圧印加部3に高電圧が印加されると、反射部4の反射面にその高電圧が印加されてXe管1の外周部にその高電圧が印加される。この高電圧がXe管1の外周部に印加されると、Xe管1内がイオン化されて前述の電極2a,2bに印加されている高電圧によりXe管1が瞬時に放電発光し、その発光による光がストロボ光として投光(照射)される。この時、吸熱部6には、Xe管1の放電発光により大量の熱が発生する。また、その放電発光の際に、反射部4へ向かった光のうちの可視光以外の光は、反射部4を透過して熱になる。
【0035】
このようにして発生した熱と前述の吸熱槽9の作用により、吸熱部6は高温になり、放熱部8との間に温度差が生じて熱電変換部7の熱電変換素子に温度勾配が生じ、熱電変換出力電極10a,10bから熱電変換出力(電力)が得られる。このようにして得られた電力は、整流・昇圧部18により整流・昇圧され、蓄電機構19へ入力されて蓄電池等へ蓄えられ、必要に応じてカメラの電気回路へ供給される。
【0036】
これにより、カメラのストロボ装置の発光により生じた大量の熱、すなわち、Xe管1の閃光発光により生じた大量の熱を、熱電変換により電力に変換してカメラの電気回路へ再供給することが可能になり、熱エネルギーの有効活用が可能になる。
【0037】
以上が、本発明の第一の実施の形態である。
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。
図3(a),(b)は、カメラのストロボ装置に適用された、本発明の第ニの実施の形態に係る熱電変換装置の構成例である。同図(a)は、前述の図1(b)に対応する図であり、図3(b)は、前述の図1(c)に対応する図である。
【0038】
図3(a),(b)に示したように、本実施形態に係る熱電変換装置は、第一の実施の形態に係る熱電変換装置に、可視光を透過して可視光以外の光を反射する投光窓14を設けた形態である。他の構成については、第一の実施の形態に係る熱電変換装置と同様である。
【0039】
すなわち、同図(b)に示したように、Xe管1の閃光発光により投光窓14へ向かった光15のうち、可視光15aは投光窓14を透過し、赤外光や紫外光等の可視光以外の光15bは投光窓14で反射或いは吸収されるようになる。これにより、反射された可視光以外の光15bは、第一の実施の形態と同様に反射部4を透過して熱になり、吸熱部8をより高温にさせることができる。
【0040】
このような投光窓14は、例えば、前述のガラス又は樹脂などで構成されるか、或いは可視光を透過して近赤外光を吸収するポリカーボネイト等の樹脂で構成されることにより実現される。
以上の第二の実施の形態に係る熱電変換装置の構成により、吸熱部6と放熱部9との温度差をより大きくさせることができ、熱電変換部7の各熱電変換素子11,12の温度勾配をより大きくさせて熱電変換出力電極10a,10bから、より大きな電力を得ることができる。
【0041】
尚、本実施形態において、投光窓14を、Xe管1から閃光発光される光のうちの可視光を所定の透過率以上で透過し、可視光以外の光を所定の反射率以上で反射するように構成しても良いが、その透過率及び反射率は100%に近い方が望ましい。
【0042】
以上が、本発明の第二の実施の形態である。
尚、前述の第一及び第二の実施の形態に係る熱電変換装置において、反射部4は、一体として構成されるものであったが、加工の容易性を考慮して、複数の部品を組立てることにより構成されるものであっても良い。
【0043】
図4(a),(b),(c)は、そのような複数の部品から構成される反射部4の構成例を示した図である。但し、同図(a),(b),(c)では、反射部4が複数の部品からなることをわかりやすくするために各部品間に空間を設けて示しているが、実際には、これらが接合されて構成される。
【0044】
同図(a)は、長手方向に対して垂直方向に3分割される3つの部品からなる反射部の構成例、同図(b)は、長手方向に3分割される3つの部品からなる反射部の構成例、同図(c)は、同図(b)のE−E´断面図である。
同図(a),(b),(c)に示したように反射部を複数の部品から構成することで、反射部を一体で構成する場合よりも、反射部4の加工が容易になる。
【0045】
また、同図(b),(c)に示した構成においては、例えば、反射部16を構成する複数の部品16a,16b,16cのうち、Xe管1の最近傍付近の部品となる16aを、例えば前述のアルミニウム等の導電性の部材で構成し、他の部品16b,16cを、前述のガラス又は樹脂等の非導電性の部材で構成し、高電圧印加部3(不図示)を部品16aの裏面(反射面側の反対側の面)に設けるようにしても良い。但し、反射部16は、前述の反射部4と同様に、Xe管1から閃光発光される光のうちの可視光を反射し、赤外光や紫外光等の可視光以外の光を透過するように構成される。従って、例えば、部品16aが前述のアルミニウムで構成され、部品16b,16cが前述のガラス又は樹脂で構成された場合、部品16b,16cの反射面は、前述の波長選択性のスパッタ膜等による金属コートで構成されるか、若しくは可視光を反射して可視光以外の光を透過するような非導電性の膜等で構成される。
【0046】
尚、同図(a),(b),(c)において、反射部の分割位置は前述した位置に限定されるものではなく、取り付けや組立ての工程等を考慮して、その分割位置を変更するようにしても良い。
また、前述の第一の実施の形態において、熱電変換装置の構成を、反射部4の形状に合わせて、例えば図5(a),(b)に示した構成のようにしても良い。
【0047】
図5(a)は、その反射部の形状に合わせた熱電変換装置の他の構成例であり、同図(b)は、同図(a)のF−F´断面図である。このように、同図(a),(b)に示した反射部17の形状に合わせて熱電変換装置を構成するようにしても良い。
また、その他、反射部の形状は、所定の曲率の複数の曲面を複数組み合わせた形状や、複数の平面を組み合わせた形状や、所定の曲率の1つ又は複数の曲面と1つ又は複数の平面とを組み合わせた形状であっても良く、その反射部の形状に合わせて熱電変換装置を構成すれば良い。
【0048】
また、同図(a),(b)に示した熱電変換装置に、第二の実施の形態に示した投光窓14を設けるようにしても良い。
以上、本発明の熱電変換装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良及び変更を行っても良いのはもちろんである。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、閃光放電管などの高電圧印加を伴う発光部の発光により生じる熱を電気エネルギーとして有効活用することが可能になり、また、各種の小型の装置に適用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)はカメラのストロボ装置に適用された、本発明の第一の実施の形態に係る熱電変換装置の構成例であり、(a)はその熱電変換装置の正面図、(b)は(a)のA−A´断面図、(c)は(a)のB−B´断面図である。
【図2】熱電変換部の断面の一部を示した図である。
【図3】(a),(b)はカメラのストロボ装置に適用された、本発明の第ニの実施の形態に係る熱電変換装置の構成例であり、(a)は図1(b)に対応する図、(b)は、図1(c)に対応する図である。
【図4】(a),(b),(c)は、複数の部品から構成された反射部4の構成例である。
【図5】(a),(b)は熱電変換装置の他の構成例であり、(a)は熱電変換装置の正面図、(b)は(a)のF−F´断面図である。
【符号の説明】
1 Xe管
2a,2b 電極
3 高電圧印加部
4 反射部
5 絶縁部
6 吸熱部
7 熱電変換部
8 放熱部
9 吸熱槽
10a,10b 熱電変換出力電極
11a,11b,11c n型熱電変換素子
12a,12b,12c p型熱電変換装置
13a,13b,13c,13d,13e 電極
14 投光窓
15 光
15a 可視光
15b 可視光以外の光
16a,16b,16c 反射部の部品
17 反射部
18 整流・昇圧部
19 蓄電機構
50a、50b、50c、50d 絶縁膜
Claims (8)
- 閃光放電管から発光される光を反射するために前記閃光放電管近傍に設けられた反射面を有する反射部と、
該反射部の裏面に少なくとも絶縁部若しくは絶縁のための空間を介して配置された熱電変換部と、
該熱電変換部と対向する位置に設けられた放熱部と、
前記閃光放電管を発光させるために高電圧を印加する高電圧印加部と、
を有することを特徴とする熱電変換装置。 - 前記放熱部は、
前記熱電変換部と密着して配置されると共に装置外装の一部を形成するようになされた、
ことを特徴とする請求項1記載の熱電変換装置。 - 近接して設けられた発光部から発光される光を反射するための反射面を有する反射部と該反射部の裏面に設けられた少なくとも絶縁部若しくは絶縁のための空間とからなる吸熱部と、
前記発光部を発光させるために高電圧を印加するための高電圧印加部と、
放熱するための放熱部と、
前記吸熱部と前記放熱部の間に配置され、前記吸熱部と前記放熱部との温度差により熱電変換する熱電変換部と、
該熱電変換部により熱電変換された熱電変換出力を出力するための熱電変換出力電極と、
を有することを特徴とする熱電変換装置。 - 前記絶縁部若しくは前記絶縁のための空間は、
少なくとも前記高電圧印加部により印加される高電圧以上の電圧に耐えうる耐圧特性を有する、
ことを特徴とする請求項1又は3記載の熱電変換装置。 - 前記反射部は導電性の部材で構成され、前記電圧印加部は前記反射部の有効反射面以外に設けられる、
ことを特徴とする請求項1又は3記載の熱電変換装置。 - 前記閃光放電管又は前記発光部から発光される光を透過させて投光するための投光窓を更に有し、
前記投光窓は、前記閃光放電管又は前記発光部から発光される光のうちの少なくとも可視光以外の光を反射或いは吸収する、
ことを特徴とする請求項1又は3記載の熱電変換装置。 - 前記反射部は、
複数に分割された部材を組み合わせてなる、
ことを特徴とする請求項1又は3記載の熱電変換装置。 - 前記反射部の複数の部材のうち、前記閃光放電管又は前記発光部の最近傍付近の部材は導電性の部材で構成され他の部材は非導電性の部材で構成され、
前記電圧印加部は、前記導電性の部材に設けられる、
ことを特徴とする請求項7記載の熱電変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002167146A JP2004014850A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 熱電変換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002167146A JP2004014850A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 熱電変換装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004014850A true JP2004014850A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30434479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004014850A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006280151A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Yamaha Corp | 熱電変換ユニット |
JP2016054096A (ja) * | 2014-09-04 | 2016-04-14 | 株式会社東通研 | 紫外線照射用放電管 |
CN113037139A (zh) * | 2021-02-25 | 2021-06-25 | 江苏大学 | 一种两级式余热回收自给照明系统 |
-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002167146A patent/JP2004014850A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006280151A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Yamaha Corp | 熱電変換ユニット |
JP2016054096A (ja) * | 2014-09-04 | 2016-04-14 | 株式会社東通研 | 紫外線照射用放電管 |
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